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第17章 熱機関 (10/16,23)

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熱と仕事

Jouleの実験 仕事(重りの落下) ↓ (ファンの回転) 熱(水の温度上昇) ・・・では、水の温度を上げると 仕事をすることができるか? これは・・・ 仕事: 規則的な分子運動 熱: 不規則的な分子運動 不規則な分子運動が、自然に 規則的な分子運動に戻ること は確率的にあり得ないため。す なわち、熱現象には方向性が ある。 熱力学の第二法則は、このよう な熱と仕事の転換の可能性に ついて制限を述べたものである。 ジュール の実験 温度計 羽根車 水 重り 熱 量 計

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熱機関

熱の形式でエネルギーが供給される原動機を 熱機関という。 内燃機関 ~機関内部で燃料を燃焼させる 機関(ピストンエンジン・ガスタービンエンジ ン) 外燃機関 ~機関内部にある気体を機関外 部の熱源で加熱・冷却する機関(例、蒸気機 関・蒸気タービン・スターリングエンジン・原子 力発電) 火力発電 ~物質を燃焼させることでファンを 回し、エネルギーを得る。 4ストローク エンジン 蒸気機関 ジェットエンジン 2ストローク エンジン

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Carnotサイクル

カルノサイクルは、熱機関効率の限界を探り出すためにCarnotによって考 案された仮想的(理想的)な熱機関であり、4つの行程を繰り返すことで運転 される。4つの行程は、それぞれ等温膨張、断熱膨張、等温圧縮、断 熱圧縮であり、理想気体を作業物質とする。 作業物質を入れるシリンダZは壁面およびピストンが完全な熱の不導体で、 底面だけが完全に熱を伝えるものとする。また、熱を伝えない台K、一定の 温度の高温の熱源R1(絶対温度T1[K])と低温の熱源R2(絶対温度T2[K])を 用意する。熱源は熱容量が大きく、少しぐらいの熱の出入りがあっても、温 度が変わらないものとする。また、それぞれの変化は準静的とする。 K R1 R2 K R1 R2 R1 K R2 R1 K R2 K R1 R2 R1 K R2 R1 K R2 K R1 R2 加熱 Ⅰ等温膨張 断熱 Ⅱ断熱膨張 Ⅲ等温圧縮 Ⅳ断熱圧縮 冷却 断熱 A B B C A D D C

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Carnotサイクル

Ⅰ等温膨張とⅢ等温圧縮はそれぞ れ、T1T2での等温線で、 pV = 一定 である。Ⅱ断熱膨張とⅣ断熱圧縮は 断熱線で、 pV = 一定 である。 K R1 R2 K R1 R2 R1 K R2 R1 K R2 K R1 R2 R1 K R2 R1 K R2 K R1 R2 加熱 断熱 冷却 A B B C A D D C p V Ⅰ等温膨張 Ⅲ等温圧縮 Ⅱ断熱膨張 Ⅳ断熱 圧縮 Ⅰ等温膨張 Ⅱ断熱膨張 Ⅲ等温圧縮 Ⅳ断熱圧縮 A B C D 断熱

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Carnotサイクル

作業物質は理想気体なので、ぞれ ぞれの過程における、作業物質の 受ける熱と仕事は、 Ⅰ等温膨張 A(p1V1T1→B(p2V2T1) Ⅱ断熱膨張 B(p2V2T1→C(p3V3T2) Ⅲ等温圧縮 C(p3V3T2→D(p4V4T2) ここで、Ⅰ・Ⅲは等温線、Ⅱ・Ⅳは断 熱線なので、 よって、 Ⅳ断熱圧縮 D(p4V4T2→A(p1V1T1p V Ⅰ等温膨張 Ⅲ等温圧縮 Ⅱ断熱膨張 Ⅳ断熱 圧縮 A B C D 1 1ln( 1 2) 0 W nRTV V  (V V12) 1 1 1ln( 2 1) 0 Q W nRTV V  2 v( 2 1) 0 WC T T  Q 2 0 3 ln( 3 4) 0 WnRT V V  1 1 2 2 p Vp V p V3 3p V4 4 2 2 3 3 p V   p Vp V4 4  p V1 1 2 1 3 4 V V V V   3 2ln( 2 1) 0 WnRT V V  3 3 2ln( 1 2) 0 Q WnRT V V  4 v( 1 2) 0 WC T T  Q 4 0

(7)

Carnotサイクル

Ⅰ、Ⅱの過程で系は外に仕事をし、 Ⅲ、Ⅳの過程で系が仕事を受け、全 体として系は、1サイクルについて次 の仕事を外部にする。 一方、熱はⅠの過程で高温のR1から 熱量を受け、低温のR2へ熱量を与 える。 このサイクルは各過程が全て準静 的なので、逆行可能である。一般の サイクルにおいて、外に正の仕事を する操作を順操作、外から正の仕事 を受ける操作を逆操作という。 順操作をする熱機関が、高温の熱 源から熱量 Qh を吸収し、外に W の 仕事をして、低温の熱源に熱量 Qc を排出したとき、 を、その機関またはサイクルの熱効 率という。 Carnotサイクルの場合は、 となる。 1 2 3 4 1 2 2 1 0 ( ) ( )ln( ) W W W W W nR T T V V        

熱効率

c h h h Q Q W Q Q

   c v v c h h v h h c h h Q Q C T C T Q C T T T T

     

(8)

熱力学の第二法則

Carnotサイクルの熱効率は、理論 上最高となるが、そのサイクルが準 静的な過程を組み合わせた非現実 的なものである。これと実際の機関 との関係を論ずる根拠となるのが、 熱力学の第二法則となる。この法則 は研究した学者によって、様々な表 現で表されてる。 1) Carnotの表現(1850) 「熱が移動したという現象のほかは、 他に何の変化も残さないで、熱を低 温の物体から高温の物体に移す方 法はない。」 2) Thomson(Kelvin)の表現(1851) 「熱源から得た熱を仕事にかえるだ けで、他に何の変化も残さないで操 作する熱機関は存在しない。」 3) Planckの表現(1879) 「重いものをもち上げ、これに対して 熱源を冷却すること以外に、何の作 用もしないで、周期的に働く機械を 作ることは不可能である。」 4) Ostwaldの表現 ThomsonやPlanckの表現を否定する 機関を第二種の永久機関と名づけ、 「第二種の永久機関を作ることは、 不可能である。」と、述べた。

(9)

4ストロークガソリンエンジン

実際の4ストロークエンジンのサイ クルを例に考える。Ⅰ吸気行程は、吸 気バルブから空気とガソリンの混合 気を吸入する。Ⅱ圧縮行程は、吸気 された混合気をクランクの慣性力で 圧縮する。 Ⅲ膨張行程は、上死点 付近で点火を行い、ガソリンの燃焼 により内部の空気を膨張させる。 排気行程は、下死点付近で排気バ ルブを開き、ピストンの上昇により内 部のガスを排気する。 Ⅰ吸気、Ⅳ排気行程はバルブが開 いているため等圧変化、Ⅱ圧縮行程 は断熱変化、点火から最高圧力点 までと排気過程の前半は等積変化 と見ることができ、等圧変化部分を 除いた理想サイクルをottoサイクル という。 Ⅰ吸気 Ⅱ圧縮 Ⅲ膨張 Ⅳ排気 点火 排気バルブ を開く 燃焼の終わり 吸気バルブを開く V p p V V2 V1 A B C D Ⅱ 等積 変化 Ⅰ断熱圧縮 Ⅳ 等積 変化 Ⅲ断熱膨張

(10)

Ottoサイクル

Ⅰ断熱圧縮 A(p1V1T1→B(p2V2T2) Ⅱ等積変化 B(p2V2T2→C(p3V2T3) Ⅲ断熱膨張 C(p3V2T3→D(p4V1T4) Ⅳ等積変化 D(p4V1T4)→A(p1V1T1) となる。熱効率は、 希薄な混合気体だと、 が小さくなるた め、効率を上げることができる。圧縮比 を上げても効率を上げることはできるが、 ノック(圧力が上がり過ぎガソリンが自己 着火すること)を起こす。一般的なガソリ ンエンジンは =10前後で、 =60%とな るが、実際は25%~35%程度となる。 p V V2 V1 A B C D Ⅱ 等積 変化 Ⅰ断熱圧縮 Ⅳ 等積 変化 Ⅲ断熱膨張 1 1 2 2 p V   p V  3 2 ( ) v h QC T T 3 2 4 1 p V   p V  1 4 ( ) c v Q C T T  1 1 2 1 1 V V

    (圧縮比  ) 1 4 1 2 3 2 1 1 c 1 1 h T T V Q T T V Q

               

(11)

ディーゼルエンジン

高温高圧になった空気にディーゼ ル燃料(軽油や重油)を吹き込んだ ときに起きる自己着火(発火)をもち いるのがディーゼルエンジンである。 圧縮比を12~24程度まで上げること ができ、熱効率が35~40%と高い。 理想サイクルとしては、低速のも のはDieselサイクル、高速のものは Sabatheサイクルと呼ばれる。 メリット • 圧縮比が高く、熱効率が高い。 • 部分負荷時の燃料消費率が高く、 CO2の排出量が少ない。 • ガソリンエンジンは炎の伝播速度 の問題で、シリンダ直径に限界が あるが、ディーゼルエンジンには 限界がないため、大型化に向い ている。 デメリット • 圧縮比が高いため、強度と剛性 が必要で、質量が大きくなりやす い。また、振動も大きい。 • 燃 焼 室 内 の 空 気 過 剰 の た め 、 NOxが出やすい。また、不完全燃 焼による黒煙も出やすい。

(12)

Dieselサイクル

Ⅰ断熱圧縮 A(p1V1T1→B(p2V2T2) Ⅱ等圧変化 B(p2V2T2→C(p2V3T3) Ⅲ断熱膨張 C(p2V3T3→D(p4V1T4) Ⅳ等積変化 D(p4V1T4)→A(p1V1T1) となる。熱効率は、 圧縮比  を大きくし、締め切り比  を1に近づけると効率が上がる。本 来はオットーサイクルよりも効率が 低いがノックしないので、圧縮比  を 大きくでき、効率を高くできる。 p V p2 V1 A B C D Ⅱ等圧変化 Ⅰ断熱圧縮 Ⅳ等積 変化 Ⅲ断熱膨張 1 1 2 2 p V   p V  3 2 ( ) p h QC T T 2 3 4 4 p V   p V  1 4 ( ) c v Q C T T  3 1 2 2 T V T V

 (締切比 ) (圧縮比 ) 1 1 1 1 1 1 c h Q Q  

     

  

(13)

Sabatheサイクル

Ⅰ断熱圧縮 A(p1V1T1→B'(p2',V2T2') Ⅱ'等積変化 B'(p2',V2T2')→B(p2V2T2) Ⅱ等圧変化 B(p2V2T2→C(p2V3T3) Ⅲ断熱膨張 C(p2V3T3)→D(p4V1T4) Ⅳ等積変化 D(p4V1T4→A(p1V1T1) となる。熱効率は、 1 1 2 2 p V   p V  3 2 ( ) p p QC T T 2 3 4 4 p V   p V  1 4 ( ) c v Q C T T  1 1 1 1 1 1 1 ( ) ( ) c v p Q Q Q  

 

 

          p V p2 V1 A B C D Ⅱ等圧変化 Ⅰ断熱圧縮 Ⅳ等積 変化 Ⅲ断熱膨張 Ⅱ' 等積 変化 B' 2 2 ( ) v v QC T T  (有効仕事

p2/p T2  2/T2)

(14)

ガソリンエンジンの性能曲線

最高軸トルク、最高出力、最 高燃料消費率の回転数は必ず しも一致しない。一般的な乗用 車の場合、トルクは加減速に影 響し、軸出力は高回転時の伸 びに影響を及ぼす。図のエンジ ンの場合、3,000rpmでの走行 は燃費が一番良くなるが、出力 を得るためには6,000rpmで走 行する必要がある。 200 180 160 140 120 100 80 60 40 20 0 20 18 16 14 12 10 320 280 240 200 160 120 1 2 3 4 5 6 7 軸 出 力 [PS] 軸 ト ル ク [kg・m] 燃 料 消 費 率 [g/PSh] エンジン回転数 [×1,000rpm]

(15)

ハイブリッドカー

走行時の環境負荷の低い自動車 としては、電気自動車、水素自動車, 燃料電池自動車が排気がクリーン である。しかし、製造コストや燃料の 保存方法に問題がある。一方、内燃 機関にバッテリーとモーターを組み 合わせたハイブリッドカーの場合、 それぞれの歴史が長いため信頼性 が高いが、複雑さに問題があった。 しかし、近年の環境負荷低減の流 れから、急速に普及している。 エンジンは低回転時には充分な出 力を得られないばかりか、アイドリン グも含めて効率が悪く、排出ガスの 浄化能力も落ちる。そこで、エンジン 動作時には、効率の良いエンジン回 転数で動作させ、余力として得られ る出力を発電機にまわすことで、蓄 電を行うのが、スプリット方式のハイ ブリットシステムである。 実利用には、蓄放電のスケジュー リングが重要で、カーナビ等と組み 合わせたハイブリッドシステムが開 発されている。

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トラクタのエンジン

普通乗用車は、アクセル開度を調 整して、走行速度を変更するのが一 般的である。また、走行負荷はほぼ 一定であり、変化があった場合には これに応じてアクセル開度を変更す る。これに対し、トラクタは後に作業 機械を装着して作業を行うことが前 提となるため、速度をあまり変更す ることがなく、そのためアクセルの調 整はほとんどない。逆に土壌に対し て作業を行いながら走行するため、 作業負荷の変動が大きく、このよう な変動に対しても出力を維持できる ようにオールスピードガバナーという 装置が装着されている。作業は通常、 最大出力を用いて行われる。 5.0 4.0 3.0 2.0 1.0 0 BHP [kW] 1,600 1,800 2,000 2,200 Engine speed Ne[rpm] Pre-conversion Conversion

BHP Continuous ratedhorse power Maximum

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参照

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