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設備診断のためのレーザープラズマX線源の開発

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Academic year: 2021

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主要な研究成果

背 景

発電設備をはじめとする各施設において応力腐食割れや配管減肉対策は重要な課題であり、効果的な設備診 断技術が必要とされる。現状では、超音波探傷が主として用いられるが、配管断熱材を除去しなければならず、 また、溶接部や小口径配管等への適用は困難である。そのため、放射線透過検査を併用するが、同位体線源で は高い空間分解能が得難く、放電X線管線源では狭隘部の検査は困難である。一方、レーザープラズマX線源* 1 では、高空間分解能で狭隘部の検査が可能となる(表 1)。この線源を実用化し、X 線透過画像撮影に適用する ためには、高エネルギーかつ高強度の X 線を発生させる技術を確立する必要がある。

目 的

レーザープラズマ X 線源において高エネルギー X 線の強度を高めるために、X 線コンバータ方式* 2の適用 を図る。

主な成果

1.レーザープラズマX線の高強度・高エネルギー化 レーザープラズマ X 線の発生強度を向上させるために、図 1 に示すターゲットと X 線変換部を切り離した X 線コンバータ方式を提案し、その有効性を実験的に評価した。原子番号の高いタングステンは X 線変換に 有利であり、これをコンバータに用いた場合、図 2 に示すように厚さ 0.2 ∼ 0.5mm において X 線強度が高く なり、コンバータがない場合の約 2.5 倍に向上した。さらにシミュレーションにより発生 X 線の透過特性を 計算し、実験結果との良い一致を得た。本計算は X 線コンバータにおける高エネルギー電子と X 線の挙動を 再現できており、今後の理論設計に活用できる。また、レーザーのプリパルス* 3を積極的に利用すること で、電子温度を 2 倍向上させることができ、これを用いることで X 線エネルギーの向上が期待される。また、 エネルギー的には 2 ∼ 3MeV の電子も得られており、透過性の良い高エネルギー X 線発生が可能である。 2.レーザープラズマX線による透過像撮影 上記で得られたレーザープラズマ X 線と X 線イメージインテンシファイアを用いて X 線透過像撮影を試み た。回路基板を撮影した例を図 3 に示す。今回の X 線強度では、レーザー照射回数 100 ショットにおいて透 過限界は 4mm 厚の銅程度であった。X 線強度の向上と照射回数の増加により X 線の積算強度をさらに 1 桁程 度高めることで、実用化に必要となる数 cm 厚配管の X 線透過像を得ることができる。

今後の展開

レーザープラズマの最適化を行うことで X 線強度を高め、実用化に必要となる数 cm 厚配管の X 線透過像を 得る。同時に、狭隘部に持ち込めるよう、レーザープラズマ X 線源装置のコンパクト化および X 線検出器の選 定を行う。 主担当者 電力技術研究所 高エネルギー領域 主任研究員 大石 祐嗣 関連報告書 「レーザープラズマ X 線源の開発に向けた X 線コンバータ方式の評価」電力中央研究所報 告: H05014(2005 年 3 月)

“Effect of plasma peak density on energetic proton emission in ultrashort high-intensity laser-foil interactions”, Phys. Plasmas 12, 113101 (2005).

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設備診断のためのレーザープラズマX線源の開発

* 1 :高強度短パルスレーザーを集光照射することで瞬時に高温高密度プラズマを生成し、このプラズマ中の電子を介 して生成される X 線。 * 2 :通常のレーザープラズマ X 線源ではターゲットの中で電子発生と電子の X 線変換を行うが、X 線コンバータ方式 では X 線変換部をターゲットの外に設け個別に最適化を行うことで、高エネルギー X 線の強度を高める。 * 3 :レーザーのメインパルスの前に発生するパルス。通常は無視できるが、メインパルスの強度が非常に大きなため、 プリパルスの影響が無視できなくなる。

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10.先端的基礎研究/レーザー・プラズマ科学

123 表1 放射線透過検査用X線源の比較 図1 X線コンバータ方式によるX線の    発生実験 図2 X線減衰フィルター(W1mm)通過後の    X線信号強度とWコンバータ厚みの関係 図2 レーザープラズマX線とX線イメージインテンシ    ファイヤーを用いて撮影したX線透過像 タングステンコンバータを用いることで、 X線強度が約2.5倍増加する。 1mm厚アルミ板の後ろに設置した回路 基盤(最大厚3mm)の撮影。 X線コンバータ方式では電子発生 部であるターゲットと電子のX線 変換部を切り離すことで個別に最 適化を行うことができる。

参照

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