[研究協議会前の準備] 1.Zoom アプリのンストール (時間がかかります) 2.メールで送られてきた URL をクリック→Zoom ミーティングに参加 3.ミーティング ID の入力と名前※1の入力→パスワード(パスコード)の入力→ミーティングに参加 ※1 お名前は所属が分かるよう、下記のようにお願いします。 千葉 弥生(▲▲市立○○中) 4.音声をミュート※2(マイク OFF) ※2 発言の時のみ、マイクを ON にしてお話し下さい。 (周囲の音を拾ってしまいます。) [協議会中] 1.ビデオ(映像)の開始 マイク右隣にあります。 ※できるだけ協議会中はビデオ開始でご参加下さい。 お顔を見て討議できた方が、会が充実するそうです。 2.チャット機能による挙手把握 画面下にアイコンが表示されます。 チャット機能をクリックすると 「チャット」画面が開きます。 発言される場合、順番を整理するため、 チャット画面に氏名のみ、平仮名で ご入力ください。質問・ご意見は発言 時にお願いいたします。 ※挙手機能も使用できますが、短時間 表示のため、スタッフが見落とす危険 性があります。お手数ですが、右図の 例のように簡単な氏名の記入のみ行っ ていただく形でお願いいたします。 3.共有画面 発表者の画像を参加者の画像に送り、資料を共有します。スタッフが操作を行います。 ※ 初めての試みとなります。不手際等あるかもしれませんが、ご協力のほど、お願い申し上げます。 チャット画面 ・ちば やよい (平仮名でお名 前のみの入力で お願いします。)
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チャット機能 コチラ中学校国語科 第1学年 学習指導案 授業者 中 里 和 徳 Ⅰ 単元名 条件を換えて人物コラムを書こう Ⅱ 単元の考察 (1)本単元で行う言語活動 本単元では、新聞記事にある人物コラムを読んで、書かれた情報や構成の仕方を分析した上で、条件に 従って言葉を取捨選択しながら文章を書き換えるという言語活動を行う。また、よりよい文章にするため に推敲を行い、構成と情報に注目し、自分の書いた文章をよりよくするための視点を養い、表現力を身に つけていくことをねらいとしている。 コラムについては、『国語教育指導用語辞典』の中で「普通、新聞などの囲み記事をいう。〈中略〉字数 がほぼ決まっており、短いのが普通だから、その中でいかに過不足なく表現するかが問題である」と示さ れている。とりわけ人物を扱う場合には、話題の人やニュースになった人をエピソードや経歴を交えて紹 介するものであり、その人となりを紹介するために、書き手の個人的な分析や意見が入る。また、『国語 科重要用語事典』では、随筆の定義を「体験、見聞や考える事柄などを、筆のおもむくに任せて、自由に 書いたと感じさせるように書かれた文学作品。また、その様式」としている。コラムは短い文量でありな がら、読者の読書意欲を刺激する技巧的な表現が文章にちりばめられており、特に人物コラムにおいて は、その人となりを表す情報や表現が効果的に使われている。書き手個人の見方や考え方が反映されてお り、読み手は、書き手が表現する意図を文章から感じ取りながら読み進めることができる。まずは、書き 手独自の表現や見方、考え方を味わいながら、文章の表現には多様な書き方があることを捉えさせたい。 そこで本単元では、学習材として新聞記事のコラム欄を扱う。今日では多様な学習活動の教材として新 聞が活用され、近年では、インターネットやデジタル新聞なども教材に取り上げられている。日本 NIE 学会編『情報読解力を育てる NIE ハンドブック』(2008)では「NIE」の目標として、「読解力、情報活 用力、メディアリテラシー、シティズンシップ、自己学習力、問題発見力などの育成」を掲げ、同じく「学 習材としての新聞紙面の活用の観点」として、社説・コラム欄、ニュース記事、特集記事、連載記事、株 式記事、広告欄、漫画・写真、スポーツ・テレビ・天気予報欄の活用などが示されている。今回実際に取 り扱う記事は、読売新聞のコラム欄にある「顔」という人物コラムである。コラムは、学習者にとっては 馴染みのない文種であるが、一般の新聞に取り上げられる人物には知っている顔もある。本単元では、い くつもある記事の中から生徒に馴染みがあり、興味・関心を引く人物として何人か取り上げる。 ①辻村美月 …2018 年「かがみの孤城」で本屋大賞受賞。千葉大学教育学部卒業。 ②瀬尾まいこ…2019 年「そして、バトンは渡された」で本屋大賞受賞。中学校教諭の経験がある。 ③大八木弘明…駒澤大学駅伝部監督。2021 年の箱根駅伝で「男だろ」の言葉で話題になった。 ④坂本勇人 …読売ジャイアンツの元主将。チームの柱として活躍。2019、2020 年リーグ優勝。 ①②については、読書を好きな生徒にとっては、知っていて当たり前という程メジャーな作家である。 辻村美月は、千葉大学教育学部出身で縁があり、学生時代の経験から感じられたことが作品に表れていと いう記事は、生徒が身近に感じられると考える。また、瀬尾まいこについては、本校で扱う 1 年生の国語 教科書(光村図書)「花曇りの向こう」の作者であり、休校期間中ではあったが、生徒にとっては誰もが 既読済みの文章の作者である。この2人については、今後の読書生活にもつなげてほしいこともあり、記 事を読み、著書の紹介も行いたいながら、人物に触れていきたい。
③は、まだ記憶に新しく、今年のはじめに世間を沸かせたホットな人物として取り上げる。また、④と の関連で、同じ記者の文章を取り扱うため、この記事を用いる。コラムには、その書き手の表現や構成な ど、特徴が表れる。本記事を分析の材料として扱い、人物コラムに用いられる構成や情報の関連などに触 れて、学習の見通しを持たせる材料とする。以下、分析モデルとして扱った。 また、④については、活動シーズンには、メディアでも多く取り上げられ、露出の多いスポーツ選手で あり、本年度 2000 本安打を達成し、テレビ等で話題になった人物である。また、記事の内容にあるよう に昨年、一昨年とチームの主将としての役割に悩みながらも、結果に結びつけた努力は、生徒も共感しや すく、身近に感じられる人物であると考えられる。以下、今回書き換えに扱う素材の文章である。 ◇おおやぎ・ひろあき 62歳 「男だろ!」。そう運営管理車から選手にかける熱い叱咤(しった)は健在ながら、今年は変化があった。 「今日はいいぞ」。褒め言葉を交えて背中を押し、13年ぶりに箱根を制した。 1995年に母校の指導者となり、4連覇を含む6度の優勝。選手が近づきがたい空気をまとう厳格な指 導姿勢で「平成の常勝軍団」を築き上げた。自身、箱根を走るために実業団を辞めて駒大夜間部へ。昼に働き ながら3度出場した箱根への思いが、妥協を許さない監督像の原点だった。 ただ、近年は低迷。監督と学生の距離が近いチームに敗れ、3年前にはシード落ちを経験し、自問自答し た。「自分の指導法はもう、古いのではないか」 選手に寄り添い、サウナで語り合った。この春には、年齢を理由にやめていた自転車で並走しての指導を 6年ぶりに再開。選手は話しやすいと慕い、6区区間賞の花崎悠紀選手(3年)は「第二の父」と言う。 卒業生から「優しくなった」とちゃかされるが、そんな自分を気に入ってもいる。「人を育てるって楽しい ね。子供たちが俺を目覚めさせてくれたんだ」。昭和の雷親父(おやじ)から令和の好々爺(こうこうや)に 変身を遂げ、柔和な表情で喜んだ。(運動部 後藤静華) ◇福島県出身。箱根駅伝は1〜3年で区間賞2度。4年時は年齢制限で不出場。 読売新聞「顔」2021.1.04 ◇さかもと・はやと 30歳 その瞬間、チームを照らし続けた笑顔が泣き顔に変わった。「プロで一番苦しんだ。立場が変わっての優勝 は格別の思い」。歓喜の輪で再び、笑顔が戻った。 リーグ3連覇を果たした2014年冬、巨人の第19代主将に指名された。野球人生で初めての大役。理 想像を問われても、答えることができなかった。 「(前主将の)阿部(慎之助)さんの姿を受け継いでいくことはできる」。ピンチを背負った投手に、ミスを した野手に、寄り添うように声をかけた。連敗が続きチーム状況が悪くなれば、無料通話アプリ「LINE」 を通してメッセージを送った。前を向き、向かせることが役割と信じた。 主将になってから、チームは頂点を逃し続けた。光が見えなかった。今季の春季キャンプ中、「今年、優勝 できなかったら主将を辞める」と漏らした。自問自答の末、まずは自らが圧倒的な成績を残すと決意した。 軸足の右足に重心を置いてためを作る打撃フォームを進化させ、本塁打、打点は自己最多。心技体の充実が、 プロ13年目の活躍を支えた。 主将がどうあるべきか。答えは見つかっていない。だが、一切の妥協なく野球とチームに向き合う姿勢は まさしく、主将のそれだった。(運動部 後藤静華) ◇兵庫県出身。青森・光星学院(現・八戸学院光星)高から2007年に巨人入団。 読売新聞「顔」2019.9.22
本単元では、④の文章を条件に従って書き換え、その文章を推敲する言語活動を行う。 今回、書くことの活動において、人物コラムを扱い、【約600字】で書かれた文章を【100字以上 120字以内】で書き換えるという条件を設定した。人物コラムには、どのような人物であるかを書くう えで、このように人物を書きたいという書き手の主観が入る。そこには、人物の経歴やエピソードを通じ て、書き手の分析や意見が含まれ、書き手の意図が入った人となりが読み手に伝わるというコラム特有の 書き方がある。この条件にすることで、構成の段階で如何にして短い文章の中で、伝えるべき事柄を書く のか、どのような書き方であれば読み手に伝わるのかという思考を通して、その人物の特徴を表現しよう とするだろう。また、伝えたい内容を制限のある条件下の中で表現するために、必要な言葉や情報を取捨 選択し、文と文のつながりについて考えたり、情報の提示の仕方である順序を換えたりすることで、書き 手の思考が自然に働くと考えた。 また、自分の書いた文章を他人に読んでもらい、推敲する活動を設定する。推敲については、本単元の 前時に故事成語で扱った言葉である。単なる知識だけでなく、実際に活用しながら、言葉への理解を深め ることもねらいとし、自分自身の活動を見直すことの大切さに関しても取り上げたい言語活動である。一 般に推敲とは、文章を何度も練り直すこととしての意味で用いられるが、『国語科重要用語事典』による と、「文章表現過程における全ての活動において推考は行われている。主題にてらして取材活動の範囲が 拡大・修正されたり、構想段階において主題が再考されたりといったように、各段階において可逆的な形 で推考がなされ、循環的・累積的な作業を経て文章産出が行われることになる。この点が、故事からくる 「推敲」よりも、語義の広い「推考」が用いられる理由」と示されている。文章を練り直す過程で、どの ように書くことで、読み手に書き手の表現意図が伝わるかという思考が働くだろう。しかし、一般的に も、一度書き上げたものを修正することは容易ではなく、心理的抵抗も強いと考えられる。中学生ともな ると自分の書いた文章を見直すことや人に見せることに対して抵抗がある生徒もいるだろう。目的意識 と観点を明確にすることで抵抗を減らしていきたい。推敲を行う過程としてグループでの話し合いの場 を設ける。話し合いでは、以下の観点を持って推敲を行うよう指導する。 ①表現意図がはっきり伝わっているか ②文中に混乱や不統一な点はないか ③表現や体裁は適切かどうか 書きたいことのズレを修正するためにも、他者に自分が書いた文章の表現意図を説明したり、質問や助 言したりする交流などのアウトプットを通して、自らの表現を相対化できる活動として話し合いを取り 入れたい。こうした言語活動の中で、推敲を行うために必要な観点や情報と情報の関連付けなどを意識さ せながら、表現することの力を伸ばしていきたいと考え、本単元を設定した。 (2)本単元でつけたい力 本単元では、中学校学習指導要領第1学年の〔思考力・判断力・表現力等〕「B 書くこと」の「エ 読 み手の立場に立って、表記や語句の用法、叙述の仕方などを確かめて、文章を整えること」及び〔知識及 び技能〕⑵情報の扱い方に関する事項の「イ 比較や分類、関係付けなどの情報の整理の仕方、引用の仕 方や出典の示し方について理解を深め、それらを使うこと」を指導する。 今回、元になる人物コラムの文章の文量を減らして指定された字数内で書き換えるという言語活動を 行う。また、書き換えた文章の表現意図が読み手に伝わるかどうか、文章を整える推敲を行う。その際、 記述前に構成を考える時間は取るものの、記述直後に推敲を行うため、記述中には気づけなかった誤りを
訂正したり、伝えたい事柄と文章を照らし合わせたりしながら、自分の書いた文章をよりよくするという 目的を意識させる。その中で、文末表現の重複回避、文と文の接続関係、句読点や視覚的効果などについ て、書き手自身が、自ら気づき、「こんなふうに書けたらよかったのか」「もっとこんなふうに書けるよう になりたい」と、自分自身で書く力を伸ばしていこうとする姿勢を育てていきたい。 また、情報の扱い方についてであるが、学習材として新聞社のコラム記事を活用する。新聞社のコラム は担当記者による取材から分析されたテクストのため安定した素材と考える。そうした文章を扱うこと で情報を整理しながら文章を書く力を身につけさせたい。今回扱う記事コラムには、担当の新聞記者が取 材した客観的事実と取材から分析した主観的意見が含まれている。文量を制限されることにより、学取捨 は、どのような人物かを書く上で必要な情報を取り上げようとしたり、その情報に関する書き手の考えや 事象の捉え方を読み取ろうとしたりするだろう。こうした活動の中で情報を関連付ける思考を働かせる ことができると考えた。また記事は、いくつかの段落で構成されている。単に書く力を伸ばすだけでな く、段落に込められた情報を読み取ることも必要な力である。自分の文章に書き換える上で、前述したよ うに文と文の関係付けなどについて理解を深め、情報を整理しながら表現する力を身につけさせたい。 (3)継続した学習 本年度は新型コロナ感染拡大防止のため、4・5月は本校も休校措置をとった。本校国語科では、生徒 自身で学習を進められるように課題を設定し、学校 HP に載せた。例えば、詩の学習では、教科書の冒頭 に示される春の詩と自分自身が見つけてきた詩とを比較し、印象に残った詩について考えたことを書く 学習を行った。詩にある言葉や対象に対して感じたことを自分の言葉で説明しようとする姿が見られた。 また、百人一首を扱った学習では、自分で選んだ和歌を調べ、調べた内容をどのように提示するか考え リーフレット作りを行った。中には、2つの歌を比較し、複数の情報を関連付けて一枚の紙に整理してい る生徒もおり、自分の考えをまとめることができた。 書くことについては、単元の成果物だけではなく、学習の過程、日常生活などでもその力を伸ばし、発 揮する機会があることを忘れてはならない。自分の思いや考えを書くことを大切にする姿勢や態度を養 うことも日ごろから意識させることも大切にしたい。
Ⅲ 単元の目標 (1) 関連付けた情報の整理の仕方について理解を深め、書き換えた文章に使っている。 〔知識及び技能〕⑵ア (2) 表現意図が伝わるように書いた人物コラムを推敲しながら、文章を整えている。 〔思考力・判断力・表現力等〕B ウ (3) 条件に従って文章を書き換え、粘り強く推敲しようとするとともに、交流では書いた内容 を進んで伝え合い、文章を整えようとしている。 「学びに向かう力、人間性等」 Ⅳ 単元の評価規準 Ⅴ 指導と評価の計画(本時 2/3 時間) 知識・技能 思考・判断・表現 主体的に学習に取り組む態度 ① 関連付けた情報の整理の仕 方について理解を深め、書き 換えた文章に使っている。 (⑵ア) ① 表現意図が伝わるように書 いた人物コラムを推敲しな がら、文章を整えている。 (B ウ) ① 条件に従って文章を書き換 え、粘り強く推敲しようとす るとともに、交流では書いた 内容を進んで伝え合い、文章 を整えようとしている。 時 主たる学習活動 評価する内容 評価方法 1 〇読売新聞「顔」に掲載された人物コラムを 読み、文章のイメージを持つ。 〇教師の作成したモデルをもとに文章の構 成や表現に着目し、分析の視点を持つ。 〇着目した点を共有し、書き換えを行う元 の文章に書かれた内容を把握する。 [知識・技能]① 観察 ワークシート 2 ○前時に用いた文章を、条件に従って書き換 える。 〇書き換えた文章をグループで読み合い、文 章を推敲する。 [思考・判断・表現〕① [主体的に学習に取り 組む態度]① 観察 ワークシート 3 ○前回得られた推敲材料を確認し、文章を練 り直し、書き直す。 ○書き直した文章を読み合い、文章の良い点 や改善点を見つける。 ○単元学習を振り返る。 [思考・判断・表現〕① [主体的に学習に取り 組む態度]① 観察ワークシート
Ⅵ 本時 1.本時の目標 表現意図が伝わるように書いた人物コラムを推敲しながら、文章を整えることができる。 2.展開(2/3) 時配 学習活動と内容 留意点(○)および評価(◇) 5 15 25 5 ○前時の学習をふり返り、本時の目標を確認す る。これから書き換えを行う人物がどのような人 物として書かれているか、どのように表現されて いるか確認する。 ○元の文章を百字以内の文章に書き換える。 ☆用意する資料 ・読売新聞「顔」坂本勇人 ・ワークシート ・分析シート 《構成》5分間 《書く》10分間 〇グループで書いた文章について話し合う。 ・グループになり、役割を決める。 【役割】①書き手 ②聞き手 ・書き手は、自分の書いた文章を声に出して読み 上げる。 ・聞き手は、書き手の意図を読みながら、書かれ た文章について質問したり、助言したりする。 【観点】 ・表現意図がはっきり伝わっているか ・文中に混乱や不統一な点はないか ・表現や体裁は適切かどうか ・順番に書き手と聞き手の役割を交替して、グル ープで推敲の材料を探す。 ○本時のまとめ 学習の中で気づいたことや伝わりやすい文章と は、どのようなものか自分なりの考えを書く。 ○自分が書いた文章を捉え直し、分かりや すい文章に整える意識を持たせる。 〇元の文章を前時に読み、内容や構成につ いて確認しているため、前回の分析シート をヒントにしながら書けるようにする。 〇エピソードや経歴、人物の言葉など、ど のような情報を文章に入れるのか、入れる 順序について考えたり、文と文のつながり を意識させたりし、書き換えさせる。 〇叙述の仕方や表現に違和感がないか自分 で気づけるように声に出して読ませる。 〇書き手が何について、どのように書きた かったのかを明確にし、文章と照らし合わ せる。 〇話し合いは、自分の文章だけでなく、グ ループの人の文章を読み、効果的な書き方 について考える機会とする。 ◇グループの聞き手の質問や助言から自分 の文章を読み返し、推敲しようとしてい る。 (主体的に学習に取り組む態度) ◇書いた人物コラムを表現意図が伝わるよ うに推敲しながら、文章を整えている。 (思考・判断・表現) 〇①書き換え②話し合い、2つの活動の中 で推敲するためにどのような点を意識した か自覚させる。
条件に従って書き換えた文章を読み合い、推敲しよう
条
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三
二
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段 落 ◇ 現 在 ・ 卒 業 生 「 優 し く な っ た 」 ・ 変 わ っ た 自 分 が 好 き ・ 柔 和 な 表 情 ◇ 変 化 ◎ 積 極 的 行 動 力 、 学 生 思 い ・ サ ウ ナ で 語 り 合 う ・ 自 転 車 で 並 走 ( 再 開 ) ↓ ・ 話 し や す い → 「 第 二 の 父 」 ※ 学 生 と の 信 頼 の 証 ◇ 転 換 の き っ か け ・ チ ー ム の 低 迷 ・ 青 山 学 院 大 の 存 在 ← 対 比 ・ シ ー ド 落 ち の 経 験 ↓ 自 己 反 省→ ◎ 柔 軟 な 考 え ・ 「 自 分 の 指 導 は も う 古 い の で は な い か 」 ◇ 人 物 像 ( 過 去 ・ 原 点 ) ・ 厳 格 な 指 導 姿 勢→ ◎ 厳 し い ・ 自 身→ 箱 根 駅 伝 の た め に 会 社 を 退 職 夜 間 大 学 へ → ◎ 意 志 が 強 い ↓ ◎ 自 分 に も 相 手 に も 厳 し い 妥 協 を 許 さ な い ◇ 原 因 と 結 果 ( 人 物 の 変 化→ 優 勝 へ と 導 い た ) ・ 「 男 だ ろ ! 」 ◎ 頑 固 ? ↓ 対 比 ・ 「 今 日 は い い ぞ 」 ・ 今 年 は 変 化 が あ っ た 。 ・ 1 3 年 ぶ り に 箱 根 駅 伝 優 勝 。 ◇ 段 落 の 役 割 ・ 内 容 な ど ◎ 人 物 像 ・ ち ゃ か さ れ る ・ 「 子 供 た ち が ~ 」 ・ 昭 和 の 雷 親 父 対 比 ・ 令 和 の 好 々 爺 ・ 変 身→ 柔 和 ※ 変 化 を 象 徴 す る 言 葉 ・ 選 手 に 寄 り 添 い ・ 自 転 車 で 並 走 ・ 話 し や す い ・ 「 第 二 の 父 」 ・ 低 迷 ・ 監 督 と 学 生 の 距 離← 対 比 ・ シ ー ド 落 ち ・ 自 問 自 答 ・ 近 づ き が た い 空 気 ・ 厳 格 な ・ 「 平 成 の 常 勝 軍 団 」 ・ 夜 間 大 学 ・ 妥 協 を 許 さ な い ・ 監 督 の 原 点 ・ 男 だ ろ→ 時 代 錯 誤 ? 古 い 言 葉 ・ 熱 い 叱 咤→ ◎ 熱 血 対 比 ・ 褒 め 言 葉←→ 厳 し さ ・ 1 3 年 ぶ り→ 快 挙 表 現 事 実 の 中 に 書 き 手 の 分 析 や 意 見 が 含 ま れ る !結
結
転
承
起
経歴
エピソード
条
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☆ 単 元 の 目 標《
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【 全 体 を 通 し て 】 ・ 同 じ 文 章 を 扱 っ た は ず な の に 、 書 き 方 が 全 然 違 く て 面 白 か っ た ! ・ 文 脈 の バ ラ ン ス を 考 え る の が 難 し か っ た 。 ・ 文 章 で 何 が 言 い た い の か 考 え て 作 り た い 。 ・ 初 め て 読 む 人 の 目 線 で 書 か な け れ ば 、 何 を 伝 え た い の か 分 か ら な い こ と に 気 づ い た 。 ・ 伝 わ り や す い 文 章 と は 、 事 実 と 意 見 を 交 え て 、 簡 潔 に 書 い て い る 文 章 だ と 思 う 。 【 構 成 】 ・ 起 承 転 結 の バ ラ ン ス の 中 で 一 番 伝 え た い こ と を 長 め に す る こ と で 読 み 手 に 重 要 視 さ れ る 。 ・ 私 は 、 ① 「 起 承 転 」 ② 「 結 」 の 二 段 落 に し た 。 初 め に 「 結 」 を 入 れ る こ と で 、 後 が 読 み や す い こ と に 気 づ い た 。 ・ 二 段 落 構 成 が ベ ス ト 。 ① 主 将 に な っ て 苦 労 ② そ の 末 に 優 勝 と い う 、 内 容 の つ な が り が 感 じ ら れ た 。 ・ 「 苦 し い 」 と い う ① マ イ ナ ス の こ と か ら 主 将 と し て の 姿 と い う ② プ ラ ス の こ と へ ま と め ら れ た 。 ・ プ ラ ス→ マ イ ナ ス→ プ ラ ス で 進 め た ほ う が 、 結 果 や 変 化 が 伝 わ り や す い 。 ・ 事 実 ば か り 入 れ ず に 、 挙 げ ら れ て い る エ ピ ソ ー ド ( 具 体 例 ) の 重 要 な と こ ろ を 入 れ る 。 ・ 主 観 ば か り の 文 で は 、 読 み 手 に 伝 わ り づ ら い か ら 客 観 的 事 実 を ど う 入 れ る か が 大 切 だ と 思 っ た 。 ・ 段 落 の 分 け 方 で 、 読 み 手 の 印 象 が 全 然 違 う こ と に 気 づ い た 。 ・ 短 い 文 章 で も 「 原 因 」 「 き っ か け 」 「 結 果 」 を 明 記 す る こ と で 筋 の 通 っ た 文 章 に な る 。 ・ 過 去 と 結 果 を 比 較 す る よ う な 構 成 に し た 方 が 良 い 。 ・ ま と め す ぎ て 「 主 将 の そ れ 」 が 書 け な か っ た 。 け れ ど 、 自 分 の 文 は 「 結 果 」 と 「 途 中 経 過 」 が 伝 わ っ た と 思 う 。 【 書 き 出 し 】 ・ み ん な 書 き 出 し が 違 く て 、 面 白 か っ た 。 ・ 最 初 の 一 文 を イ ン パ ク ト の あ る も の に す る 。 ・ 人 物 の 「 変 化 」 ま た は 「 結 果 」 「 セ リ フ 」 で 始 め る 。 ど れ で 始 め る か で 印 象 が 変 わ る 。 ・ 相 手 に 読 ん で も ら い た い 情 報 に 合 わ せ て 、 書 き 出 し の 言 葉 を 選 び た い 。 【 話 し 合 い 】 ・ 話 し 合 い の 中 で 、 注 目 す る と こ ろ が 人 に よ っ て 違 う こ と に 、 気 づ い た 。 何 を 伝 え た い の か 明 確 に す る に は 、 ど ん な 言 葉 を 使 う の か も 大 事 だ が 、 文 を ど う つ な げ る の か も 大 切 だ と 思 っ た 。 ・ 質 問 や 助 言 を す る に も 、 そ の 人 が 書 い た 意 図 を 正 確 に 読 み 取 る 必 要 が あ る 。 ・ 推 敲 材 料 を 他 人 か ら 得 る こ と で 自 分 の 文 章 を よ り よ く し よ う と 考 察 で き た 。 ・ 友 達 の 助 言 で 「 優 勝 で き な か っ た 過 去 」 の 部 分 が 書 き 足 り な か っ た こ と が 分 か っ た 。 ・ 助 言 に よ っ て 、 表 現 の 仕 方 が 文 章 に あ っ て い な い こ と が 分 か っ た 。 ・ 自 分 の 良 い 点 は 特 に 見 つ け づ ら い 。 け れ ど 、 他 の 人 に 読 ん で も ら い 推 敲 す る こ と が で き た 。 ◇ 表 現 意 図 が 伝 わ る よ う に 書 い た 人 物 コ ラ ム を推
敲
し な が ら 、 文 章 を 整 え よ う 。【 情 報 の 整 理 の 仕 方 】 ・ 文 章 を 短 く す る か ら こ そ 、 重 要 な 情 報 や 言 葉 に つ い て 考 え る こ と が で き た 。 ・ 文 字 数 を 減 ら す こ と で 、 重 要 な 情 報 を 抜 き 出 せ た け ど 、 つ な が り や 終 わ り 方 に 気 を 付 け な け れ ば い け な い こ と が 分 か っ た 。 ・ 重 要 な と こ ろ を 取 捨 選 択 し 、 自 分 の 言 葉 に 当 て は め る こ と が 大 切 。 ・ 重 複 す る よ う な 情 報 や 言 葉 は 、 一 つ に ま と め る と 伝 え た い こ と が よ く 分 か る 。 ・ 使 う セ リ フ や 入 れ る 場 所 に よ っ て 印 象 が 変 わ っ た 。 ・ 要 約 す る と き に は 、 重 要 な キ ー ワ ー ド を 並 べ る だ け で な く 、 つ な が り を 意 識 す る 。 ・ 重 要 な 箇 所 を 抜 き 出 し た り 、 ま と め た り す る こ と だ け で な く 、 順 序 も 大 切 だ 。 ・ 本 文 か ら そ の ま ま 言 葉 を 引 く こ と が 多 か っ た が 、 他 の 人 は そ の 文 を 要 約 し て う ま く 使 っ て い た 。 △ 入 れ た い 情 報 が 多 く な っ て し ま っ た 。 そ れ に よ り 、 文 の つ な が り が お か し く な っ て し ま っ た 。 ・ 過 去 と 現 在 の 情 報 を 対 比 さ せ て ま と め る と わ か り や す い ! 【 表 現 の 工 夫 】 ・ 体 言 止 め を 用 い た こ と で 、 班 の 人 に テ ン ポ が 良 い と 言 っ て も ら え た 。 ・ 倒 置 法 や 短 い 文 を 連 ね た り す る こ と で メ ッ セ ー ジ 性 の 強 い 文 章 に な る と 思 っ た 。 ・ 引 用 の 仕 方 を 工 夫 す る こ と で 読 み や す く な っ た り 、 心 に 響 く 文 に な る 。 ・ 読 者 へ の 「 問 い か け 」 を 入 れ る こ と で 、 読 者 が よ り 深 く 考 え て 読 め る 。 ・ た だ 言 葉 を 使 う の で は な く 、 言 葉 の 意 味 や 書 き 手 の 意 図 を 汲 ん で 、 自 分 の 言 葉 を 入 れ た い 。 ・ ま と ま っ た 文 に は 、 原 文 の 具 体 例 を 「 抽 象 化 」 し た 表 現 が 多 く 、 ま と め て 書 く に は 必 要 な 表 現 だ と 思 っ た 。 ・ 句 読 点 の つ け 方 で 、 読 み 手 の 印 象 が 全 然 違 う こ と に 気 づ い た 。 ・ 「 誰 に 」 「 何 を 」 な ど の 目 的 語 は な る べ く 省 略 し な い 方 が 、 状 況 が 分 か り や す い 。 ・ 動 作 を 「 頑 張 る 」 や 「 寄 り 添 う 」 な ど で 一 言 に ま と め る こ と で 、 書 き た い 情 報 を 入 れ ら れ た 。 ・ 要 点 だ け に 、 注 目 し て し ま う と そ の 人 物 の 具 体 像 が 分 か り に く く な る 。 具 体 例 を 入 れ る 。 ・ 文 末 表 現 を 変 え る だ け で 、 印 象 が 変 わ る こ と に 気 づ い た 。 △ 同 じ 言 葉 を 使 っ て い る と 、 読 み 手 が 飽 き て し ま う 。 ( 書 い て い る と き に 気 づ い た ) こ の よ う に 、 た く さ ん の 気 づ き が 、 学 習 の 中 に あ る こ と は 素 晴 ら し い で す ね ♪ 鋭 い 指 摘 が た く さ ん で す 。 ・ 構 成 の 仕 方 ・ 情 報 の 整 理 の 仕 方 ・ 書 き 出 し の 工 夫 ・ 表 現 の 工 夫 ・ 話 し 合 い の 大 切 さ 今 回 の 学 習 の 中 で 得 た 『 書 き 方 の コ ツ 』 を 自 分 の モ ノ に し て 、 文 章 を 整 え て 書 き ま し ょ う ♪
◇
つ
じ
む
ら
・
み
づ
き
3
8
歳
「 ず っ と 本 に 救 わ れ て き た 」 。 例 え ば 中 学 時 代 。 閉 ざ さ れ た 教 室 は 息 苦 し く 、 自 分 の 正 し さ を 押 し つ け る 大 人 た ち に は 心 を 許 せ ず に い た 。 で も 本 を 開 け ば 、 心 は 別 世 界 に 遊 び 、 書 店 に 行 け ば 、 大 人 な の に 自 分 と 同 じ よ う に 本 の 魅 力 を 語 る 書 店 員 が い た 。 今 も 書 店 は 「 憧 れ の 場 所 」 。 受 賞 は 特 段 、 感 慨 深 い 。 「 こ の 本 を 必 要 と す る 人 が た く さ ん い て 、 届 け た い と 思 っ て 選 ん で い た だ け た の な ら 、 本 当 に う れ し い 」 得 意 と す る の は 、 若 者 の 繊 細 な 心 情 の 描 写 だ 。 受 賞 作 「 か が み の 孤 城 」 で は 、 不 登 校 の 中 学 生 7 人 が 、 自 室 と 鏡 で つ な が っ た 不 思 議 な 城 で 出 会 い 、 心 を つ な い で い く さ ま を 描 く 。 以 前 と は 少 し 異 な り 、 大 人 を 信 頼 で き る 存 在 と し て 登 場 さ せ た の は 、 自 身 が 2 児 の 母 と な っ た か ら で も あ る の だ ろ う 。 た だ 、 「 大 人 を 信 用 で き ず に い た 中 学 生 の 私 に 軽 蔑 ( け い べ つ ) さ れ る も の に は し な い 」 た め 、 そ し て 長 年 の 読 者 に も 納 得 し て も ら え る よ う 、 驚 き の 仕 掛 け も 用 意 し た 。 執 筆 の た め に 取 材 し た 学 校 カ ウ ン セ ラ ー の 言 葉 が 胸 に 残 る 。 「 風 の よ う で あ り た い 」 。 感 謝 は い ら な い 。 風 の よ う に 背 中 を 押 し て く れ た 存 在 が あ っ た と 子 供 た ち に 覚 え て い て も ら え れ ば 。 「 私 の 本 も そ う な る と い い な 」 ( 文 化 部 村 田 雅 幸 ) ◇ 山 梨 県 生 ま れ 。 2 0 0 4 年 デ ビ ュ ー 。 最 新 刊 は 「 青 空 と 逃 げ る 」 ( 中 央 公 論 新 社 ) 。 読 売 新 聞 「 顔 」 2 0 1 8 . 0 4 . 1 3◇
お
お
や
ぎ
・
ひ
ろ
あ
き
6
2
歳
「 男 だ ろ ! 」 。 そ う 運 営 管 理 車 か ら 選 手 に か け る 熱 い 叱 咤 ( し っ た ) は 健 在 な が ら 、 今 年 は 変 化 が あ っ た 。 「 今 日 は い い ぞ 」 。 褒 め 言 葉 を 交 え て 背 中 を 押 し 、 1 3 年 ぶ り に 箱 根 を 制 し た 。 1 9 9 5 年 に 母 校 の 指 導 者 と な り 、 4 連 覇 を 含 む 6 度 の 優 勝 。 選 手 が 近 づ き が た い 空 気 を ま と う 厳 格 な 指 導 姿 勢 で 「 平 成 の 常 勝 軍 団 」 を 築 き 上 げ た 。 自 身 、 箱 根 を 走 る た め に 実 業 団 を 辞 め て 駒 大 夜 間 部 へ 。 昼 に 働 き な が ら 3 度 出 場 し た 箱 根 へ の 思 い が 、 妥 協 を 許 さ な い 監 督 像 の 原 点 だ っ た 。 た だ 、 近 年 は 低 迷 。 監 督 と 学 生 の 距 離 が 近 い チ ー ム に 敗 れ 、 3 年 前 に は シ ー ド 落 ち を 経 験 し 、 自 問 自 答 し た 。 「 自 分 の 指 導 法 は も う 、 古 い の で は な い か 」 選 手 に 寄 り 添 い 、 サ ウ ナ で 語 り 合 っ た 。 こ の 春 に は 、 年 齢 を 理 由 に や め て い た 自 転 車 で 並 走 し て の 指 導 を 6 年 ぶ り に 再 開 。 選 手 は 話 し や す い と 慕 い 、 6 区 区 間 賞 の 花 崎 悠 紀 選 手 ( 3 年 ) は 「 第 二 の 父 」 と 言 う 。 卒 業 生 か ら 「 優 し く な っ た 」 と ち ゃ か さ れ る が 、 そ ん な 自 分 を 気 に 入 っ て も い る 。 「 人 を 育 て る っ て 楽 し い ね 。 子 供 た ち が 俺 を 目 覚 め さ せ て く れ た ん だ 」 。 昭 和 の 雷 親 父 ( お や じ ) か ら 令 和 の 好 々 爺 ( こ う こ う や ) に 変 身 を 遂 げ 、 柔 和 な 表 情 で 喜 ん だ 。 ( 運 動 部 後 藤 静 華 ) ◇ 福 島 県 出 身 。 箱 根 駅 伝 は 1 〜 3 年 で 区 間 賞 2 度 。 4 年 時 は 年 齢 制 限 で 不 出 場 。 写 真 = 大 八 木 弘 明 さ ん ( 撮 影 ・ 早 坂 洋 祐 ) 読 売 新 聞 「 顔 」 2 0 2 1 . 0 1 . 0 4◇
せ
お
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ま
い
こ
4
5
歳
デ ビ ュ ー 作 の 文 庫 版 あ と が き に 「 私 に は 父 親 が い な い 」 と 書 い た 。 「 そ れ は た い し て 重 要 な こ と で は な い 」 と 記 し つ つ も 、 中 学 校 で 教 え る 傍 ら 、 風 変 わ り な 家 族 、 血 の つ な が ら な い 親 子 の 絆 を 小 説 に 紡 い で き た 。 現 在 は 教 職 を 離 れ 、 夫 と 5 歳 の 娘 と 暮 ら す 。 「 全 然 本 を 読 ま な い 夫 が 『 本 屋 大 賞 っ て こ と は 、 め っ ち ゃ 面 白 い 本 や ん な 。 読 ん で み る わ 』 っ て 。 大 き い の に 、 身 近 な 賞 な ん で す ね 」 と 笑 う 。 受 賞 作 「 そ し て 、 バ ト ン は 渡 さ れ た 」 ( 文 芸 春 秋 ) は 、 幼 い 頃 に 事 故 で 実 の 母 を 亡 く し 、 親 の 顔 ぶ れ が 7 度 も 変 わ っ た 女 子 高 生 の 物 語 だ 。 い わ ば 、 た ら い 回 し の 境 涯 だ が < 困 っ た 。 全 然 不 幸 で は な い の だ > 。 3 7 歳 の エ リ ー ト 会 社 員 で あ る 現 在 の 父 を は じ め 、 親 た ち の 不 器 用 な 愛 情 を 健 や か に 受 け 止 め 、 大 人 に な っ て い く 。 書 い て い る う ち に 「 愛 情 は 、 注 が れ る よ り 、 注 ぐ あ て が あ る 方 が は る か に 幸 せ 」 と 気 付 い た 。 自 身 も 、 教 師 に な っ て 「 初 め て 生 き る の が 楽 に な っ た 」 と い う 。 「 厄 介 で 繊 細 な 中 学 生 た ち に 、 自 分 で は 動 か せ な い 心 の 奥 の 方 を 動 か し て も ら い 、 毎 日 が 色 濃 く な っ た 」 。 か つ て 教 え 子 に 注 い だ の と 同 じ 愛 情 で 我 が 子 と 向 き 合 う 。 「 今 、 私 の 明 日 を 連 れ て き て く れ る の は 娘 で す 」 ( 大 阪 文 化 部 中 井 道 子 ) ◇ 大 阪 市 生 ま れ 。 「 卵 の 緒 」 で デ ビ ュ ー 。 中 学 校 教 諭 は 2 0 1 1 年 ま で 務 め た 。 奈 良 市 在 住 。 写 真 = 瀬 尾 ま い こ さ ん ( 撮 影 ・ 片 岡 航 希 ) 読 売 新 聞 「 顔 」 2 0 1 9 . 0 4 . 1 4◇
す
が
の
・
と
も
ゆ
き
3
1
歳
新 型 コ ロ ナ ウ イ ル ス の 影 響 で 日 程 が 過 密 と な っ た 今 季 は 、 プ ロ 野 球 記 録 と な る 開 幕 戦 か ら の 1 3 連 勝 を マ ー ク し 、 チ ー ム を け ん 引 し た 。 「 期 待 に 応 え る こ と が 自 分 の 役 割 だ と 思 っ て い る 」 昨 季 は 、 5 年 ぶ り の 優 勝 に 沸 く チ ー ム の 中 で 複 雑 な 思 い を 抱 い て い た 。 腰 痛 の 影 響 で 終 盤 に 離 脱 し 、 1 1 勝 止 ま り 。 優 勝 記 者 会 見 で 「 何 一 つ 貢 献 で き て い な い 」 と 自 ら を 責 め た 。 原 監 督 か ら 「 何 も し て な い と い う こ と は な い 。 自 分 か ら 『 も う ダ メ で す 』 と 一 度 も 言 わ な か っ た 」 と 声 を か け ら れ 、 目 に 涙 を 浮 か べ て 沈 黙 し た 。 そ の 時 の 思 い が 、 体 を 突 き 動 か し た 。 「 一 番 抵 抗 が あ っ た 」 と い う 投 球 フ ォ ー ム 変 更 に 取 り 組 ん だ 。 3 0 歳 を 超 え て か ら の 挑 戦 に 恐 怖 心 も あ っ た が 、 「 心 か ら 貢 献 で き た と 言 え る 一 年 に し た い 」 と の 思 い が 背 中 を 押 し た 。 連 勝 が 続 く 重 圧 に 耐 え な が ら 、 「 人 に 理 解 さ れ な い 苦 し さ も あ る 」 と い う エ ー ス の 仕 事 を 全 う し た 。 優 れ た 先 発 完 投 型 の 投 手 に 贈 ら れ る 沢 村 賞 に 輝 い た 2 0 1 7 、 1 8 年 も 優 勝 は 逃 し た 。 大 黒 柱 と し て 貢 献 し た 優 勝 に は 格 別 な 達 成 感 が あ る 。 「 感 動 し て い る 。 ま た 、 野 球 が で き た こ と に 感 謝 し て い る 」 。 歓 喜 の 輪 で 、 悔 し 涙 を 目 に た め た 昨 季 と 違 う と び き り の 笑 顔 を 見 せ た 。 ( 運 動 部 森 井 智 史 ) ◇ 神 奈 川 県 出 身 。 東 海 大 か ら 2 0 1 3 年 に 巨 人 入 り 。 伯 父 は 原 辰 徳 監 督 。 写 真 = 菅 野 智 之 さ ん ( 撮 影 ・ 若 杉 和 希 ) 読 売 新 聞 「 顔 」 2 0 2 0 . 1 0 . 3 1◇
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も
と
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は
や
と
3
0
歳
そ の 瞬 間 、 チ ー ム を 照 ら し 続 け た 笑 顔 が 泣 き 顔 に 変 わ っ た 。 「 プ ロ で 一 番 苦 し ん だ 。 立 場 が 変 わ っ て の 優 勝 は 格 別 の 思 い 」 。 歓 喜 の 輪 で 再 び 、 笑 顔 が 戻 っ た 。 リ ー グ 3 連 覇 を 果 た し た 2 0 1 4 年 冬 、 巨 人 の 第 1 9 代 主 将 に 指 名 さ れ た 。 野 球 人 生 で 初 め て の 大 役 。 理 想 像 を 問 わ れ て も 、 答 え る こ と が で き な か っ た 。 「 ( 前 主 将 の ) 阿 部 ( 慎 之 助 ) さ ん の 姿 を 受 け 継 い で い く こ と は で き る 」 。 ピ ン チ を 背 負 っ た 投 手 に 、 ミ ス を し た 野 手 に 、 寄 り 添 う よ う に 声 を か け た 。 連 敗 が 続 き チ ー ム 状 況 が 悪 く な れ ば 、 無 料 通 話 ア プ リ 「 L I N E 」 を 通 し て メ ッ セ ー ジ を 送 っ た 。 前 を 向 き 、 向 か せ る こ と が 役 割 と 信 じ た 。 主 将 に な っ て か ら 、 チ ー ム は 頂 点 を 逃 し 続 け た 。 光 が 見 え な か っ た 。 今 季 の 春 季 キ ャ ン プ 中 、 「 今 年 、 優 勝 で き な か っ た ら 主 将 を 辞 め る 」 と 漏 ら し た 。 自 問 自 答 の 末 、 ま ず は 自 ら が 圧 倒 的 な 成 績 を 残 す と 決 意 し た 。 軸 足 の 右 足 に 重 心 を 置 い て た め を 作 る 打 撃 フ ォ ー ム を 進 化 さ せ 、 本 塁 打 、 打 点 は 自 己 最 多 。 心 技 体 の 充 実 が 、 プ ロ 1 3 年 目 の 活 躍 を 支 え た 。 主 将 が ど う あ る べ き か 。 答 え は 見 つ か っ て い な い 。 だ が 、 一 切 の 妥 協 な く 野 球 と チ ー ム に 向 き 合 う 姿 勢 は ま さ し く 、 主 将 の そ れ だ っ た 。 ( 運 動 部 後 藤 静 華 ) ◇ 兵 庫 県 出 身 。 青 森 ・ 光 星 学 院 ( 現 ・ 八 戸 学 院 光 星 ) 高 か ら 2 0 0 7 年 に 巨 人 入 団 。 写 真 = 坂 本 勇 人 さ ん ( 撮 影 ・ 稲 垣 政 則 ) 読 売 新 聞 「 顔 」 2 0 1 9 . 9 . 2 2生
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A
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C
1
第2学年 国語科学習指導案
授業者 中山 千嘉 Ⅰ 単元名 観点を見つけて絵本ランキングをつくろう ~宮沢賢治を絵とことばで味わう~ Ⅱ 単元の考察 (1) 本単元で行う言語活動 本単元では、原文となる文章を読んだ後、複数の絵本を比較し、自分で設定した観点に沿って順位を付けると いう言語活動を行う。観点を設けて絵本を比べることで、絵本がもつ表現の意図や解釈を読み取りつつ原作がも つ言葉の響きや想像する楽しさに気付くことをねらいとしている。 今回、高等学校の学習指導要領を参考にして単元を組み立てた。高等学校学習指導要領の「文学国語」〔思考力・ 判断力・表現力等〕の言語活動例に、「エ 演劇や映画の作品と基になった作品とを比較して、批評文や紹介文な どをまとめる活動」がある。同解説によれば、「主に文章で表現された作品と、それが脚色されて演劇や映画など になった作品とを比較することによって、原作の特徴をより鮮明にしたり、脚色するに当たって原作のなかで強 調された部分や省略された部分に気付いたり、脚色した人の原作の解釈の特徴を明らかにしたりすること」が考 えられ、「原作が言葉によって表現したところを、独自の表現法によって置き換えたり、原作では表現されていな い登場人物の心理などを映像で表現したりしている。そのようなところに気付くことは、原作の言葉による表現 の独自性を考察することにもつながる」とある。つまり、原作と映像を比較することで原作や絵本で物語を味わ うことの違いを理解し、原作の独自性に気付くことができるのである。 高校生に限らず、子どもから大人まで文学作品の映像化をきっかけに初めて原作を手に取る人は多いであろう。 国語科の授業を通して、言葉で物語を味わうことと映像で物語を味わうことの違いを実感し、それぞれの特徴を 理解したうえで、改めて原作の言葉がもつ良さを知ることができれば、より深く作品と向き合うことができるの ではないかと考えた。しかし、映画や演劇など動きのある映像はコマごとの構図や構成、音響など分析する観点 が多く、授業として扱うには難易度が高い。そこで本単元では、動きや音がないメディアである絵本を扱うこと とした。 絵本について、香曽我部、鈴木(2012)は「絵(視覚表現)と 詞ことば(言語表現)という、異なる二つの要素が互 いに調和融合した、本(書籍)という形態を持つ表現メディアである。」と定義した。絵本の大きな特徴は非連続 テクスト(絵)と連続テクスト(言葉)の融合である。絵と言葉が互いに補って一つの作品として成立している のである。ある場面が一枚の絵と言葉で表現されているわけだが、映像と比べれば比較する観点が絞られるため 難易度は下がる。よって、中学生でも表現者の意図や解釈を十分に読み取ることができると考えた。 本単元では原文を解釈することからはじまる。言葉そのものの響きを味わい、物語の世界観を想像したうえで 絵本を扱う。絵本は班で4~5冊ずつ、常に一人一冊手に取れるよう県立図書館より貸借した。まずは絵本によ って人物や舞台の描き方、構成、表記の仕方など多くの違いがあることの驚きと絵本を比べて読むことの面白さ を味わってほしい。同じ原作であるにも関わらず、絵本の制作者の解釈によって作品の印象が大きく異なること が実感できるに違いない。また、自分の想像と異なることや自分が想像できなかったことにも気付くはずである。 次にどのような観点で比べれば絵本の表現の意図や解釈に迫れるか考え、実際に順位をつけたい観点を決めて いく。観点に沿って絵本を読み比べる過程で、何度も原作に立ち返ることになるであろう。順位を決めようとす る活動の中で、原作と絵本、絵本と絵本の比較が自然と行われる。さらに、絵本の表現や解釈に対する生徒個人 の読み取り方も示すことができる。絵本ランキングが完成したら、他の人のランキングと比べながら絵本それぞ れの表現意図や解釈について各自が読み取ったことを共有する。単元の最後の振り返りで絵本というメディアの 特徴を捉えつつ、原作と絵本それぞれで物語を読み味わう良さを自覚させたい。 本単元で扱うテクストは宮沢賢治の作品である。彼の作品は小学校の教科書はもちろん、「オツベルと象」を中 学1年生で扱う教科書もあるほど有名である。自然と共に生きようとする考え方、独特なオノマトペを用いた文 体や想像をかき立てる描写、そして様々な解釈ができる読者にゆだねられた表現などが特徴であり、幅広い年代 に読まれてきた。何よりも読み進めるほどに惹きつけられる言葉の扱い方が魅力的だと感じられる。宮沢賢治作 品を原作とした絵本はいくつもある。作品によって解釈する難易度は異なるが、中学生が比較し読み味わうに値 する内容、表現であること、さらに複数の絵本が出版されていることから、今回の単元で扱うにはふさわしいと 考えた。 実際に授業の中で扱った作品は、絵本が4~5種類あること、そしてある程度読解できる文章量を考慮して六 作品とした。本校の生徒は出身小学校が様々であるため宮沢賢治の読書経験にも大きく差があったが、中学2年2 生の現段階で感じること、読み取れること、想像できることを大切にしてほしいと考えている。宮沢賢治の作品 を原作と絵本の両方で味わう活動を通し、原作の言葉に深く向き合い関心をもってもらいたいと考えた。 以下に本単元で扱う物語の大まかなあらすじをまとめた。 「雪渡り」 『愛国婦人』(1921)掲載 二人の兄妹が子狐の紺三郎と出会う第一部と、二人が狐の小学校で行われる幻燈会に招かれ戻ってくる第二 部の二部構成で語られる。狐は人間をだますという信用ならない存在だという人間の一方的な印象を払拭する ため、紺三郎は二人の子どもを狐の世界へ誘う。酒に酔う大人など人間の悪い一面も登場させることで、人間 は絶対的な善者ではないという意図が伝わる。岩手のわらべ歌を用いたオノマトペや、想像力を掻き立てる独 特の比喩表現が多用されており、宮沢賢治作品の中でも比較的読みやすい作品である。 「やまなし」 『岩手毎日新聞』(1923)掲載 「五月」と「十二月」の二部構成。それぞれ二匹の蟹の兄弟による会話が中心に描かれている。「五月」では かわせみが魚を食らう場面、「十二月」では川に落ちた山なしを追いかける場面である。谷川の底の自然を美し く描く一方で、生と死という人生を象徴する描写が盛り込まれている。物語の冒頭で登場する「クラムボン」 に関してはさまざまな説があるがその正体は不明であるなど、短い文章であるが読者の想像にゆだねる言葉や 比喩的表現が多い。 「狼森と笊森、盗森」 短編集『注文の多い料理店』(1924)収録 岩手県小岩井農場の北にある野原へ住むことを決めた住民と、その野原を囲む四つの森がともに暮らすまで を描いた物語。四つの森の一つである黒坂森が、森の名前が付けられた昔話を説明するという設定で語られて いる。黒坂森以外の三つの森で起こる事件が描かれるが、そこに悪は存在しない。自然と人間の共存共生とい うテーマをもとに、人間と森や山などの自然が同格・平等に描いている。 「注文の多い料理店」 短編集『注文の多い料理店』(1924)収録 東京から狩猟に来た二人の若い紳士が山奥で道に迷い、一軒の西洋造りの家「西洋料理店 山猫軒」を発見 する。山猫軒には七つの扉があり、店から客に対する「注文」が書かれている。その注文に従って紳士たちは 奥へと進んで行くが、最後の扉の前でようやく自分たちを食べようとする山猫が仕掛けた罠(白昼夢)である と気づく。二人の紳士は自分中心の考えしかできない。世間知らずの金持ちで、山猫たちの罠にもまんまとひ っかかってしまう。貧しい農村の子による、都会文明や勝手で気ままな上流階級の者たちへの反感が込められ ている。 「水仙月の四日」 短編集『注文の多い料理店』(1924)収録 雪国が舞台の物語。主人公である「雪童子」は雪の世界を支配する「雪婆んご」の手下で、同じ手下の「雪 狼」と暮らす。水仙月(架空の暦)の四日、「雪童子」は一人の子どもと出会い、情を抱く。すると突然の吹雪 で子どもが遭難してしまう。本来は子ども命を奪うこともある「雪童子」だが、なんとかして命を救おうと奮 闘する。雪国という自然で生きる厳しさを「雪婆んご」によって表現し、主人公「雪童子」の孤独な思いと人 間の子どもの小さなふれあいが極寒の状況の中であたたかな希望として描かれている。 「オツベルと象」 雑誌『月曜』(1926)掲載 ある牛飼いを語り手とし、「第一日曜」「第二日曜」「第五日曜」の三部構成となっている。金持ちで自地主の オツベルのところへなぜか白象が現れた。オツベルは純粋無垢な白象をだまして働かせることに成功し利益を 得る。重労働で疲弊し限界を迎えた白象は仲間に助けを求め、最後は助けに来た象の大群によってオツベルは 潰されてしまう。白象の善意につけ込んで利益を得ようとした人間に対する、自然からの当然の報いが描かれ ている。 (2) 本単元で育成したい資質・能力 本単元では、中学校学習指導要領第2学年の〔思考力・判断力・表現力等〕「C 読むこと」の「エ 観点を明 確にして文章を比較するなどし、文章の構成や論理の展開、表現の効果について考えること」及び〔知識及び技 能〕「(3)我が国の言語文化に関する事項」の「エ 本や文章などには、様々な立場や考え方が書かれているこ とを知り、自分の考えを広げたり深めたりする読書に生かすこと」を指導する。 絵本は編集者や絵の作者によって意図や解釈が異なり、人物や舞台の描き方、絵や言葉の配置、区切り方、漢 字の使用や注釈の書き方など様々な点で違いが見られる。絵本作者の解釈や表現意図を考えるために自分で観点 を設定し、その観点に沿って絵本に順位をつけていく活動を通して、絵本の構成や表現の効果について考えるこ とができると考えた。 また、絵本と原作を比べる際に、言葉だけの原作の特徴、絵と言葉がある絵本それぞれの特徴を知ることにも なる。絵が入ることで理解度が高くなり読みやすくなるが、言葉だけで文学を味わう良さもある。宮沢賢治の作
3 品は言葉の面白さや自然の描き方、宗教に対する考えなどどの世代が読んでも惹きつけられる大きな魅力がある。 本単元によって読書経験を広げる一つのきっかけとし、原作の言葉の響きや広がりを味わうことで文学作品に興 味をもつきっかけにもしてほしい。 以上の資質・能力は、高等学校での学習を経て、社会に出てからも生かすことができると考える。メディアや 言葉で物語を味わうことについて、それぞれの特徴を理解したうえでその良さを味わおうとする大人になってほ しいと考えている。 (3) 継続した学習 第2学年における文学の学習について、休校期間中の学習では光村図書掲載の「アイスプラネット」を扱い、 主人公から別の登場人物の視点で物語を書き換える学習を行った。また、「走れメロス」では、人物の心情表現 を丁寧に読み取り、物語のテーマを伝えるためのタイトルシークエンスづくりを行った。これらの学習では、文 章から根拠を持って人物の心情を読み取ること、さらに物語の展開を解釈し筆者が伝えたいメッセージをどう読 み取るのかを意識して取り組んだ。本単元では1年間の文学学習のまとめとして、人物の心情の読み取りや物語 のメッセージ性を解釈することに加えて、文章の言葉そのものの響きや広がりに着目することで、来年度さらに 難易度の上がる文章を扱ったときに読書そのものを楽しめるよう心がけていきたい。 Ⅲ 単元の目標 (1)絵本によって制作者の意図や解釈が異なることを知り、原作と絵本それぞれの特徴や読み味わう良さを考 え、今後の読書生活に役立てることができる。 〔知識及び技能〕(3)エ (2)観点に沿って絵本を読み比べることで表現の意図や効果について考え、原作の言葉がもつ響きや広がりを 味わうことができる。 〔思考力、判断力、表現力等〕C(1)エ (3)絵本を比較しながら表現や効果の工夫に気付き、原作の言葉がもつ響きや広がりなどを味わおうとする。 「学びに向かう力、人間性等」 Ⅳ 単元の評価規準 知識・技能 思考・判断・表現 主体的に学習に取り組む態度 絵本によって制作者の意図や解釈が異な ることを知り、原作と絵本それぞれの特 徴や読み味わう良さを考え、今後の読書 生活に役立てている。((3)エ) 観点に沿って絵本を読み比べる ことで表現の意図や効果につい て考えている。(C(1)エ) 絵本を比較しながら表現や効 果の工夫に気付き、原作の言 葉がもつ響きや広がりなどを 味わおうとする。 Ⅴ 単元の指導計画(本時 4/6時間) 時 学習活動 指導上の留意点 評価規準・ 評価方法等 1 ・ 2 ○学習のねらいや流れを知り、学習の 見通しをもつ。 ○宮沢賢治について、これまで学習し てきた内容を確認しつつ作者につい て知る。 ○原文テクストを通読し、内容の全体 や作品の世界観をつかむ。 ○班ごとに扱う作品を決定する。 ・生徒が興味を持てるよう、これまでの絵本経 験などを質問する。 ・小学校の授業など読んだことのある宮沢賢治 作品を確認し、出身や生い立ち、作品の特徴 など作者の情報を全体で共有する。 ・一度読んだことのある作品でも、改めて読ん で感じたことや見つけたことなどを大事にさ せる。 ・4~5人のグループをつくる。 [主体的に学 習に取り組む 態度]観察 3 ・ 4 ○絵本による違いを見つけながら、ど んな観点なら順位をつけられそうか 考える。 ○個人で比べてみたい観点を考えたあ と、班ごとに比較する観点を決定す る。 ○観点に沿って理由を述べながら絵本 を順位付けしていく。 ・実際に絵本を比較しながら、絵本ごとに構 成、絵の表現、人物や舞台設定、表記などの 違いを探させていく。 ・一つは班で統一した観点であること、もう一 つは個人で決めた観点を決めさせていく。 ・絵本に順位をつけながら、絵本ごとにどんな 特徴があるかも分析していくよう指示する。 [思考・判 断・表現]ワ ークシート
4 5 ・ 6 ○作成したランキングをもとに、作品 ごとの表現意図や解釈などまとめ る。 ○作成したものを班内で発表する。 ○発表を通して気づいたことやわかっ たことをワークシートにまとめる。 ○単元を通して学んだことや自分の取 り組みについて振り返る。 ・どのような意図や解釈があったのかワークシ ートにまとめさせる。 ・まとめた内容をランキングの結果と照らし合 わせながら班内で発表させていく。 ・絵本が持つ特徴、原作の言葉がもつ響きや広 がりについて考えさせる。意見を班内や全体 で共有する。 ・単元を通して自分が働かせた力、身についた 力、今後役立てていきたい力に注目するよう 促す。 [知識・技 能] [主体的に学 習に取り組む 態度] ワークシート Ⅵ 本時 1. 本時の目標 絵本の表現意図や解釈の特徴を読み取れるような観点を選び、その観点に沿って絵本を読み比べランキングを つくることができる。 2.展開(4/6) 時配 学習活動と内容 留意点(○)および評価(◇) 5 5 10 25 5 ○前時までの学習を振り返り、本時の学習内容 と目標を確認する。 ○見つけた観点の中から、自分がランキングを つけてみたいものを書き出す。 ○班で共通の観点を話し合いで一つ決める。 ○個人でランキングを作成していく。 ○次回の学習内容を確認する。 ○絵本の表現意図や解釈の特徴を見つけられる ようなランキングにしていくことを確認する。 ○前回どのような観点が挙がったか全体で確認 していく。 ○個人で考える時間をとる。 ○司会者を立てて話し合いをさせる。目標から 逸れないこと、順位をつけられることを確認 する。 ○班で共通の観点を決めた班から個人で活動を 開始する。ランキングは個人で決めていく。 班で共通の観点も順位は個人で異なって良い ことを伝える。 ◇観点に沿って絵本を読み比べることで表現の 意図や効果について考えている。(思考・判 断・表現) ○本時の活動をもとに絵本の表現意図や解釈の 特徴をまとめることを伝える。 【参考文献】 香曽我部秀幸、鈴木穂波(2012)『絵本を読むこと 「絵本学」入門』翰林書房:10 文部科学省(2018)『高等学校学習指導要領解説 国語編』東山書房:203 絵本の表現意図や解釈の特徴を見つけられるようなランキングの観点を決め、絵本ランキング をつくろう。 ※生徒に示す観点の例 ・人物の心情描写の細かさ ・想像をかき立てる描写かどうか (原作の描写の再現度) ・象徴的な場面の描き方(扱うページ数、強調するものなど) ・絵や言葉の配置、割合について ・文章の区切り方は適切か ・原作との表記は一致しているか
5 【中山実践資料】(1)使用絵本一覧 通 し 番 号 書籍名 絵・画 絵本の特徴 1 狼森と笊森、盗森 宮沢賢治どう わえほん5(1985)講談社 三谷靱彦 優しくあたたかな色彩でどのキャラクターも悪者に見えない印象を 抱く。子どもの表情が多く描かれており、そのほとんどが笑顔の描写。 平和に暮らす人々が印象的になっている。 2 狼森と笊森、盗森(1992)ほるぷ出 版 津田櫓冬 縦書き原稿用紙に書かれたような本文の表現がされ、絵より言葉の印 象がやや強い。自然の描写が少なく、山男や大男を人間とは全く異な る生き物として描く。 3 狼森と笊森、盗森 日本の童話名 作選(1996)偕成社 村上 勉 写実的な絵で、自然や人物を丁寧に描き、山男や大男も人間と近い描 写になっている。1ページあたりの文章量が少なく、人間の表情が細 かく表現されている。 4 狼森と笊森、盗森 ミキハウスの 絵本(2008)三起商行 片山 健 全体的に森は暗い色彩で、狼、山男、大男を不気味な存在とする印象 が強い。絵の描写は抽象的であるため人間の表情が詳しく描かれず心 情が読み取れない。表記は原文に近い。 5 注文の多い料理店 新装版日本の 名作(1967)講談社 朝倉 摂 小学校低学年で習う漢字以外はすべてひらがな表記。猫に関する描写 は全くない。絵は人物中心で情報が少なく、他の絵本より犬が印象的 になっている。 6 注文の多い料理店 日本の童話名 作選(1984)偕成社 島田睦子 抽象的かつ絵からの情報量が少ないが、山猫からの注文は色を変える など言葉の表記に工夫があり本文をよむことで理解できる。紳士のそ の後の生活など、独自の解釈をした絵の描写が多い。 7 注文の多い料理店(1984)福武書店 三浦幸子 黒が基調の色彩で、全体的に不気味な印象を強く受ける。黒猫の姿を 多くの場面で描き、最初から猫にだまされていることが伝わる。 8 注文の多い料理店 宮沢賢治どう わえほん1(1985)講談社 池田浩章 絵が多く、人物や背景も細かく描かれている。猫に関する描写は目の みであり、原作の通り山猫そのものの姿は一度も登場していない。 9 注文の多い料理店 ミキハウスの 絵本(1987)三起商行 スズキ コージ 猫は山猫軒の看板がある1ページのみ登場。生き返った犬を印象的に 描き、最後飛び込む場面では異空間に行くような描写。漢字すべてに ふりがながあり、旧漢字も新漢字に変更されている。 10 注文の多い料理店 版画絵本宮沢 賢治(2010)子どもの未来社 佐藤国男 横書きで原作に最も近い表記。猫がかわいらしく不気味さを感じな い。最も絵本のそで部分に内容に関するクイズがあったり、鮮やかな 色彩にしたりと親しみやすさを感じさせる。 11 注文の多い料理店 大人になって も忘れたくないいもとようこ名作 絵本(2018)金の星社 いもと ようこ 横書き。おとぎ話のようなかわいらしい絵で、猫を連想させるのは山 猫軒の看板のみで原作に近い描写が多い。「くしゃくしゃな顔」を絵 で表現していない。 12 やまなし(1985)ペンギン社 はやしほ うじろう 版画で色鮮やかな絵が特徴。抽象的で情報量が少ない。やまなしの描 写があまりない。ひらがな表記が多い。最初と最後の一文をあえて本 文とは別に版画の一部として表現している。 13 やまなし 画本宮沢賢治(1985)パ ロル舎 小林敏也 青、水色、黒、白の四色のみで描かれたシンプルな絵本。動物、物以 外の情報はほとんどない。蟹の心情も読み取りにくい。原文表記をわ ざわざ()で表している。