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児童が主体的に学び合うための授業づくり -教師と児童,児童と児童のコミュニケーションを中心に-

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Academic year: 2021

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児童が主体的に学び合うための授業づくり

一教師と児童、児童と児童のコミュニケーションを中心にー 専攻 高度学校教育実践専攻 コース 教員養成特別コース 氏 名 福 本 朔 太 郎 1.研究の背景 私は「児童同士が主体的に学び合うことの できる授業」を理想として考えている。そう した授業を行うことで,児童らは自ら課題を 解決する力を身に付けることができるとと もに,学習内容を深く理解することができる のではないかと考えるからである。 そのように考えるようになったきっかけ として,大学院 1年次後期の実習で,

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鉄ぼ う運動」の授業実践を 1単元通して行った経 験がある。 その授業では,得意児童と不得意児童とが 混ざ、ったグループを作って練習を行い,得意 児童が不得意児童に教えることのできるよ うな授業のかたちをとった。すると,今まで 鉄棒に触ることのなかった児童も,得意児童 に教えてもらったり,励まされたり勇気づけ られたりすることで,実際に鉄棒に触れてみ て練習を行うことができていた。結果として, 児童が児童同士のコミュニケーシヨンをも とに主体的に活動に取り組む姿を見ること ができたのである。そこで,私はこのような 「児童同士のコミュニケーション」とそれを 生みだすことができた,

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グループワーク」 に焦点を当てた授業づくりを行うことで,児 童の意欲や主体性を高めることができるの ではないかと考え

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児童が主体的に学び合 うための授業づくり」をテーマとして本研究

1

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うこととし

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。こ 実習担当教員 実習指導教員 実習指導教員

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研究の方針と手立て 藤 原 伸 彦 木 下 光 三 葛 上 秀 文 「児童が主体的に学び合う授業」を作るた めに,以下の 2つの手立てや支援を取り入れ た授業づくりを行い実践することで本研究 を進めていくこととした。 ①グループワークを取り入れた授業づくり

主丘三

L 私がこれまでに行った授業では,一斉授業 を 行 う 際 に は 教 師 特 児 童 」 の コ ミ ュ ニ ケ ーションに偏りがちで,他の児童との「児童 特児童」のコミュニケーションが生まれにく し、傾向がある。また,一斉授業でも手を挙げ て発言できる児童もいれば,なかなか発言で きない児童も生まれやすいと考えられる。 そのため,授業の中に「グループワーク」 での学習活動を取り入れることで,児童の聞 にコミュニケーションが生まれ,課題につい て考え,話し合い,教え合い,交流すること で,他の児童とのつながりから,意見や考え を深めあうことができるのではないかと考 えられる。 ②グループワークに必要な支援や手立てを

亙旦ム&ゑ♀

授業の中で児童に課題をさせる際に,ただ 単にグループで作業をさせるだけでは,児童 の話し合いやコミュニケーションは生まれ にくい。グループワークを取り入れた授業を 行う際には,児童の話し合いやコミュニケー ションが生まれるために,課題設定や教師の 支援が必要になってくると考えられる。

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授業実践の実践日とその単元内容は次の通 りである。 授業実践①・第 4学年算数科「何倍でしょう」 (2011.5. 30) 授業実践②:第 4学 年 国 語 科 「 一 つ の 花J (2011.7. 15) 授業実践③:第 4学年国語科「ごんぎつね」 (2011. 10. 30/2011.11.2)

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.

授業実践による分析と考察 児童のコミュニケーションを学習活動に 取り入れた授業実践を行い,児童の反応や, 話し合い活動で児童がどのように話し合い を進めたのかを,プロトコルやワークシート をもとに分析していった。 授業実践①:第4学年算数科「何倍でしょう」

圭主エ

-児童一人ひとりにワークシートの課題を考 えさせた後,グループワークでの話し合い を行い,各班で小型ホワイトボードに考え をまとめさせ,説明をさせた。

盛塁

.グループワークを取り入れた授業づくりを 行ったことで,児童同士のコミュニケーシ ヨンを促すことができた。 ・グループワークをさせる前に,児童一人ひ とりに問題を考えさせる時間を設けたこ とで,話し合いに深まりをもたせることが できた。 ・理解の浅い児童には,問題を解く際に補助 教材としてヒントカードを配ったり,机間 巡視の際に個別で指導を行っていくこと で,問題に対しての自己の考えを持たせる ことができた。

蓋彊

・児童の中には,グループワークで話し合い に上手く参加できない児童も見られた。そ のため,グループワークをさせる際に,課 題をグループで話し合うことが難しいの ではないかと予想される児童をあらかじ め把握しておき,授業の中で助言や言葉が けを行っていく必要があると考えられる。 このことは,先行研究で佐藤も述べていた とおりて、あった。 -児童の教材の本質に迫るような発言に対じ て,教師がそれを生かすことができていな い場面が見られた。また,実践②を行った 後に,次のような気づきをえた。 -各班の発表を行う際に

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2

倍の反対は半 分ってことちゃうり」と外から見ていた児 童Kが発言した。そのとき,教師が rKく んがいいこといってくれたねoJ

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なんで、, そう思ったの?Jといった「問い返し」が 行えていれば,児童の考えを引き出し,深 めることができたのではないかと考えら れるo 授業実践②:第4学年国語科「一つの花」

主主エ

・授業実践①での課題を生かして,グループ ワークを行う際に,話し合いを行うことが 苦手な児童への机間指導,助言を行うこと とした。一斉指導で

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一つの花」の第3 場面を読み説いた後,グループワークでワ ークシートの課題の考えを,共有させて新 たな気づきを書かせた。

盛塁

・児童一人ひとりに課題を考えさせる時間を 設けたことで,児童がグループワークでの 話し合いを行うことができていた。 ・話し合いに参加することが難しいと想定さ れる児童や,読み取りや書きが苦手な児童 を想定し,そうした児童の所属する班に, 積極的な助言や言葉がけを行ったことで, 児童の新たな意見を引き出し,話し合いを

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促すことができていた。 翠翠 ・教師が児童の発言に対して,適切な「問い 返し」ができていなかったため,児童の読 みや考えを深めることができていなかっ たロ ・教材研究が不十分であったため,本文を読 み解く際に,叙述に即していない「想像」 と叙述に即した「事実」とが区別されない まま読んでしまっていた。 ・教材研究と発問の吟味が不十分であったた め,課題の内容が他の課題と答えが重なる ものであったり,答えが解りきっているも のであったため,児童の想像が膨らまず, 児童の思考を深めることができなかった。 ・教師の児童への,グループワークマの話し 合い方,課題の書き方,の説明が不十分で あったため,話し合い活動が正しく行えて いなかったり,ワークシートに白紙の部分 が目立った。 授業実践③:第4学年国語科「ごんぎつね」

主主エ

-授業実践②では,児童の発言に対して「問 い返し」が行えていなかったことが,教師 自身にとっての大きな課題であると感じ た。授業実践③では,物語文「ごんぎつね」 の山場である

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6 Jを読み取る場面であ るため,読み取りに時間をかけた授業を行 いたいと考えた。 そのため,グループワークでの話し合い は授業実践③では取り入れず,特に授業実 践②の課題であった,児童の発言に対する 教師の「問い返し」を積極的に行うことで, 児童の読みや考えを深めるような授業を 行いたいと考えた。 盛塁 ・児童の発言に対する教師の「問い返し」が 行われたことで,児童の発言を引き出し, 考えを深めることができていた。 ・児童の発言に対する問い返しを行うことで, 児童の叙述に即していない「想像Jの読み を,叙述に即した「事実」の読みにつなげ ることができた。 ・読みが深まったことで,結果として全ての 児童が r6Jの場面を読み取りワークシー トに,書きこむことができていた。 翠題 ・児童の発言に対して問い返した内容を,ク ラス全体に広げるとともに,児童主体での 話し合い,考えの深めあいにつなげること ができていない。 ・発問の内容・数のしぼりこみができていな いために時間が不足して,教師が一方的に 話をしてしまうことで,児童に発聞を考え させる時聞が少なくなってしまう。 4 研究のまとめ 授業を実践したことで得られた成果と課 題を整理したことで明らかとなった「児童が 主体的に学び合う授業」に必要な要素は以下 のとおりである。 l 1.グループワークを取り入れた授業づくり1 グループワークを取り入れた授業を行う 際に児童のコミュニケーションが生まれる ために必要な要素として以下の6つが挙げ られる。以下の6つを取り入れた授業づくり を行ったことで,児童らの主体的な学び合い を促すことができるのではないかと考えら れる。 【手立て 1】グループワークで話し合いをす るのに適した課題設定 話し合いが生まれやすいように課題の内 容を吟味する。以下の4つを取り入れる。 「今まで学んできた知識を元に考える課題」 「皆の考え方をまとめる課題」

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「何通りかの考え方を元にして解決を図る ような課題」 「答えが1つではない,もしくは答えのない 課題」 【手立て2】個々で考える時間の確保 児童一人ひとりが課題についてじっくり 考える時間を設ける。 【手立て3】何を話し合うのかの明確な提示 何を話し合えばよいのか,時間は何分で行 うのかといった教師の明確な指示をだす。 【手立て 4】教師の机間巡視圃助言 班の中で,もれなく児童が話し合いを行う ため,教師が言葉がけを行っていく。 【手立て5】補助教材の活用 ヒントカードの作成などを行い。児童が自分 の考えを持てるようにする。

2

問い返しを取り入れた授業づくり│ 「問い返し

J

を取り入れた授業を行う中 で必要になってくる要素として以下の3つ が挙げられる。 1 教材研究をしっかりと行う -児童の教材のねらいや本質に迫るような 発言に対して,教師が的確な問い返しを 行うためには,しっかりと教材研究が行 われていることが必要である。児童に教 材のねらいや本質をつかませるために は,教師が教材の内容を深く読みとり, 発 問 の 内 容 を 精 選 す る 必 要 が あ る と 考 えられる。 例えば,物語文の読みとりの授業を行 う場合に,どの文章で登場人物の気持ち が変化するのかといった,その物語で大 きな変化の生まれる部分,その教材のね らいに迫る部分の発問に焦点をしぼると ともに,その発聞に対する児童の発言を 予測し,意図を持って問い返しを行って いくことが必要であると考えられる。 2. 発問計画をたてる際に,発問内容の絞 り込みを行う -授業は 45分という短い時間の中で行わ なければならない。自分自身の課題とし て,国語の授業の中で行う発問の絞り込 みができていないため,どの発聞が教材 のねらいに迫る主発聞に当たるのかが 分からない授業になっていたように思 う。また,発聞を児童に深く考えさせる 場面がなかったように思う。限られた時 間の中で児童に教材の内容をつかませ るには,叙述を細かく読みとっていくこ とも大切だが,ある程度,発問の数や内 容を絞りこんで児童に発聞を深く考え させるようにすることが重要であると 考えられる。 3 児童の発言を他の児童につなげられる ような問い返しを行う ・授業の中で,教師が児童の発言を深め, 他の児童に広げることのできた場面は, 授業の中で何度か見られたが,それらの 教師と児童のコミュニケーションを,聞 に教師を挟まない児童と児童のコミュニ ケーションにつなげることができていな かったことが課題として挙げられた。 引用・参考文献 1 佐 藤 学 (2006)

W

学校の挑戦一学びの共 同体を創る』 時折書房 2 大 玉 一 貫 (1971)W個を生かす最適な小 集団学習とその限界』 現代教育科学 71(11) pp42-48 3 北 尾 倫 彦 (1993)W先生シリーズ⑬:新 しい学力観を生かす先生』 図書文化 4 中 村 光 晴 (2008)W基幹学力シリーズ

8:

コミュニケーションする算数授業づく り』 明治図書出版

参照

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