教職員の協働による教育改善をめざして
高度学校教育実践専攻 学校・学級経営コース 堀 川 昌 宏 I 課題分析 1.課題設定の理由 (t)置籍校の現状と課題 1)概要 置籍校はA市の中心地に位置し,生徒は校区 内にある 5つの小学校から入学してくる。少子 化の傾向にあるものの,学級数は25学級,生徒 数 722名(平成24年5月現在)とし、った市内で 最も大きな規模の中学校である。 数年前までは,たいへん落ち着いた学校であ り,現在もほとんどの生徒が,明るくまじめで, 一生懸命取り組むことができるが, 部の生徒 は指導に反発し,授業中,廊下を俳f
回するなど, 問題行動を起こし,教職員はその指導に追われ 疲弊している。 2)学校アセスメントによる置籍校の課題 平成 22 年度~ 24年度の学校評価データ,筆 者が行った教職員・生徒対象のアンケートに基 づ く ア セ ス メ ン ト の 分 析 ( 図 け か ら , 次 の 課 題が明らかとなった。 【図1 置籍校の課題の分析】 1 実 習 責 任 教 員 久 我 直 人 実 習 指 導 教 員 阪 根 健 一 [生徒の抱える教育課題] 課題1 規範意識の低下 課題2 自分への信頼の低下 課題3 授業の肯定的な認知,授業理解の低下 課題4 問題行動があり,学校への対応が難しい生徒 [教師の課題] 課題1 教師主導型の指導に傾斜した指導 課題2 学校組織としての協劫場面の不足 (2)実践研究の目的と課題 置籍校の課題から,生徒が抱える教育課題に 適合した効果のある指導を組織的に取り組むこ とにより,教育改善(生徒の変容)を具現化す ることを目的とした。 この研究の目的を達成させるために,本実践 研究の課題を次のように設定した。 ①学校アセスメントを実施し,置籍校の課題を可視化¥.-, 教職員組J織として共有する。 ②生徒の教育課題に適合した効果のある指導を設定¥.-,組 織的に取り組む教育改善プログラムを構築する。 ③②で構築した教育改善プログラムを置籍校に導入¥.-,協 働を展開する。 ④教育改善プログラムの組織への適合性と教育改善につい ての検証を行う。 2.先行研究 (t)中学生の意識と行動の構造に適合した教育改 善プログラムに関する研究 久我 (2013)は,児童生徒の学びや学校生活 で生起する諸問題(行動レベル)について,その行動を引き起こしている内面的な原因を解決 することの重要性を主張している。そして、そ の原因を根拠に基づいて省察し(内面レベル). その根源的な原因に適合した打開策を生成する ために,子どもの学びや生活に向かう意識と行 動の構造を解明し,その構造に適合した効果の ある指導を組織的に展関する教育改善プログラ ムを構築した。 p<ltfm 4月,、ぺ 1月
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(2)学校改善のための組織開発に関する研究 【図3 実践研究の展開イメ ジ】 久我 (2011)は,学校の組織化を促し,教育改 E 課題解決 善を実現する「教師の主体的統合モデル」を関 1.実践研究の計画 発した。その中で久我は,学校の組織特性に適 実践研究の展開は. [表1]のように計画した。 合した組織化のあり方や,教育改善を生み出す 「省察」の手順を明示している。この知見をも とに,組織的省察に基づく組織的意思形成,組 織的意思決定の過程を位置づけ,全ての教師に よる協働を生み出すモデルとした。 3.実践研究の枠組み 置籍校の生徒の教育課題を久我 (2013)の「生 徒の意識と行動の構造」に照らし合わせ,次の ような取り組みが有効であると構想した[図2
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生徒の事簡と行動問鱗温〈中学生3モ デ ル 図 【 久 義2013)に司医者加筆 【図2置籍校の教育改善プログラム1
また,置籍校の教職員の協働を生み出すため, 久我 (2011)において開発された「教師の主体的 統合モデノレjを活用することとし,置籍校の組 織マネジメントの展開計画を[図 3]のように 計画した。 n 2. 実践研究の実施 (1)Resarch期 置籍校の課題を明確にするために,生徒・教 職員アンケートを実施した。その結果を全教職 員に報告し,置籍校の実態を共有した。 また, 久我教授より.r
組織化による教育改善jと題し た講演後,生徒の実態について組織的省察を図 り課題を焦点化するためのワークショップ型研 修会を開催した[図4
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その結果. [図 5]に示すように,生徒は元気 で思いやりがありまじめである反面,自己対時 が弱く学び方も十分に認識できていないという 課題を教職員問で共有した。このことにより, 生徒の課題に基づいた組織的意思形成や教育改 【図5焦点化されたよさと課題のまとめ】 (2) Plan期 久我教授による「教育再生のシナリオの理論 と実践」と題した講演を実施した。この講演に よって,置籍校の課題を再確認すると共に,課 題解決に向け生徒の自己有用感を育成する必要 性について全教職員での共有が促された。これ までの置籍校の取り組みを,自己有用感の育成 と強く結びつけて実践することと,直接的に自 分のよさと向き合わせる新規の取り組みを融合 して設定した。生徒の主体性育成に向けた具体 的取り組み内容を[図6]に示す。 日1 研 究 課 題 具 体 的 な 底 値 混 籍 軍 誌 の 直 属
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沼宗主 │ ¥ [ 髄 生 徒 『 調 す 硝 報 開 ン ス 弘 │ [図6 取り組みの全体構造図] (3) Do期 1)初期指導 全校生徒に対して,学習面においては,将来 に生きる学び方を指導し,生活面においては, あいさつやルールの遵守が,社会に通用するマ ナーを体得することにつながることを指導した。 また.r
人を大切にするJことで自分自身が大切 にされることを説明した。 2) 目的意識の醸成 生徒の内発的な学びを促すツールとして学び のポートフォリオシートを導入した[図7]。 三者面談でこれを活用し,生徒・保護者にこ一
【図7学びのポートフオリオシート】 ※久我 (2013)を 部 修 正 3)多面的な勇気づけシステム ①家庭訪問による良情報共有システム 家庭訪問の日時を保護者に知らせるシートに, 「どんな子どもに育てたいかJr
子どものよさは何か」という生徒の良情報を記入する欄を設け, 家庭訪問時に記入内容について,面談を行い, 保護者,生徒との情報共有を図り,信頼関係の 構築に繋がるプラスの出会いを促進した。 ②日常のモニタリングによる良情報共有システム 生徒の自己有用感を高めるために,教職員聞 で生徒の良情報を共有し,組織で生徒を承認, 賞賛した。 ③視点生徒に関する情報共有システム 全教職員が視点生徒を肯定的に理解するとと もに,指導支援の共通理解を促進した。 4) 授業改善 公開授業週間を実施し,教科の遠いにかかわ らず,生徒の学習意欲を高める工夫のある授業 の展開,及び教科の専門性の向上を図るため, 参観者は,授業者の授業のよさを記録し,その 情報の交流を図ったo また授業中は,授業者と 参観者が一緒になって,生徒への勇気づけや価 値づけを行った。 3.実践研究の総括 (1)学榔臓こおけるプログ、ラムの有効性と今後
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髄 本実践研究を通して具現化されたものとして,I
図8]に示すように,①生徒の自分への信頼, ②規範意識,③学習意欲・理解,④クラスの自 治力の向上が確認された。 わたしぼま制の人Fために回こどをする二とができ否 叫u
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