著者
斎藤 弘行
著者別名
Saito Hiroyuki
雑誌名
経営論集
巻
5
ページ
85-105
発行年
1976-12-05
URL
http://id.nii.ac.jp/1060/00005893/
Creative Commons : 表示 - 非営利 - 改変禁止 http://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/3.0/deed.ja経 営 的組 織 と シ ステ ム思 考
斎 藤 弘 行 はじめに こ の小稿 では, 経 営的 組 織論 に でて く る「体系 」 ない し は「 シス テ ム」 の 考 え方を観察 す ること を 目的 と する 。 従 って そ れは定 義 を努 力 する ことで は ない 。周 知 のよ うに システ ム思 考 は, 一般 的 システ ム論 へと発 展 する のであ る が, 他方 で, 組織 が社 会的 システ ム( 体系)として理 解 され, シス テ ムの 思考に よって説 明 されてい るこ と も事 実で あ る。 その こ とは オ ープ ン・ シス テ ムとして の経 営 とい う考 えに も到 着す る。 しかし我 々が 今理 解 で きない こ とは,経 営 を社 会的 体系 として の組 織 と みな すこ とは, そ れで よい とし て 醜 そ こに至 る まで に は, シス テ ム論 が一 般 シス テ ム論 を得 て, そ こから 社会的 体系 の理 解に行 くか どう か とい うこ となので あ る。 す な わ ち, 一 般 シ ス テ ム 論 と社会的 体系 の関 係, 前者 が後 者 に とって ど のよ うな知 識 を提 出し, また システ ムとい うこ とに 関 して 同 じこ と を示 してい るの か ど うかが 明白 で ない ので ある。 この よ うな疑問 は奇妙 な こ とか もし れない。 しかし, 我 々は組 織 論 の文献 を通 して, 「体 系」 ない し は「 シス テ ム」 の 語に限 りなく 出会 う。 その とき, 我 々 の知 識不足 の た めその理 解に 甚 だ困難 を感 じてい る。 そ れ故 に, 我々は既 に分 っ たもの と して 語ら れてい るこ れらの 思考 を も う一 度 調べ て み ようと するので あ って, 結 論 がで る こと を予 期 してい ない。 も う一 つの暗 々の うちに あ る ものは, 我 々 が体 系( ないしはシステム) を考 え ること は, 「 複雑な 外 界の な かに 維持 され うる社会的 体 系 の本質的 な 構造 標識 の作成」 に注 目してい るこ とな ので あ る。 それは 他方 で, とくに, 社会 科学 におい て, 進 化理論 の思 考 が入 って きてい ること へ の関 心 か おるこ と を 示 す1)。 し かし これら は今 の と ころ直 接表面,に でて くる の では ない 。 シ入 テムを考えることから出てくるものではあろうが, 未だに統一的な意識にのぼ って きてはい ない。 要するに我 々は一般システム論を語るとい った大きな企図を持つのでなく て, システ ムまたは体系を語ることは, その意味づけとしての, 何らかの種 類の システ ムにっいて語らざるをえない ことになるとい う程度の事 情に終る のかもしれない。 また経営的組織か体系の理解に よって解 明されるという前 提もそこにあることを付記しなくてはならない。 だがこの関 係についてはこ こでは十分に説明で きない。さらに, システ ムと体系 の用語は, 相互に交換 的に用い られるであろうが, その意味にっいての相違 の検討はしてい ない の で, どれほどの差異かおるかには自信がない。 この言葉の ゆれもまた,い わ ゆるシステ ム理 解を困難 にしてい るかもしれない のである。 部分と全体についての見解 グロ ッホ ラ ーの指摘 に よる と2), システ ム思 考は ア ン グロ・ ア メリカ語圏 で,一 般的 シス テ ム理 論 の概 念の展 開 として広 く ゆき渡 ってい る とい うので ある。 これは 自然 科学 の 領域や, 精 神科学 の領 域に お け る発 展が 寄与 してい る こ とぽい う まで もない 。 そ れに基づい て システ ム概 念に 方向 づけ ら れた二 つ の 専門分 野の方 向 がで て きたの だとい うので あ る。 そ の一 つが「一 般 シス テ ム理 論」 の方向で あ って, 理論 的領域 が問 題 と され る。 他 は, 「 システ ム ズ科学 」 の方 向で あ って, 実 践技術 や方法 技術 の方 向 を と る領域で あ る。 こ こで は, 「 シ ステ ムズ分 析」,「 システ ム ズ・エ ンジュ ア リン グ」,「 システ ム ズ設 計」,「 シス テ ムズ開 発」 の ような局面 がと りあげ ら れ る とい う。 我 々 の関 心は 差 し当 って, 前 者に あ る。 また後者 の領域 につい てそ れぞ れ の名称 の内容 がど うな ってい る かの知識 もない ので, は っ きりした ことは言 えない。 し かしこ 前者 に おけ る研究 結果に よって, 後 者 の問 題 か豊に される こ とだ けは 想像 がっ くで あろ う3)。 さて¬ 般的 シス テ ム理 論 の源泉 は, 全 体論 の 思考, ま た生 物学 の有 機体論 的 思考 のな かに ある こ とはよ く知 ら れてい る。 こ の点 に ついて 更に ダロッホ ラ ーの 説 瞬を 聞い て み よう4)。 この考 えを 古代に まで さか めぼ る こ とは別に して, な か んず く20 世 紀 の初 頭に, 科学 の方 法論 的経 過 への 影響 を与 えたの
経営的組織とシステム思考 訂 で ある。 それ は機 械論的 =合成 的 現実 性解 明に 代 って, 構成 体 肛 まる ごと, 無 傷の構造関 係にお い て 観察 され ると ころに注 目したの で あ る。 そ れはい う まで もなく, 現実 的 構成 体 の解 明 が, 部 分 の特性=と, 行 為 様式 の 孤立 し か研 究 に よう ては不 可能 であ るこ とを示 す もので あ る。 だからとい って, 「全体 は そ の部分 の合 計 よ りも大 きな かの」 とす る命題 をその まま適用 す るとい ってい る のでは ない 。 そ れ は, ある一定 の現 実的対 象 の本質 を記述 して はい ない ので ある。 そ の ことは また, 概 念的 に 把 握 され た全体 性に たい して, 理 論的 に 基 礎づ け られた説 明をし てい る ので もない こ とに気が付 くので あ る。 十 もちろ ん, 我 々 は全 体 性 に関 す る十 分 な哲学的 知識 を持 だ ない け れ ども, これにっい て こうい う ような こと が考 え られる5)。 す な わち, この 概念 に関 して,三 つ のこ とが ら が思い っ く こと がで きる。(a)有 機 体的 な もの と有 機体 的 な ものに あら ざ る ものの 関 係の問 題( 生命の問題),(b)精神的 な もの に 対 す る物質的 な ものの関 係 の問 題( 肉体・精神の問題),(c)全体 性に たい す る個 の関 係 の問題(共同体の問題)が これで あ る。 そして これら の ことは全 体性 を考慮 すれば答 えられ る もの だとす る 信頼 か おるの だ とい われてい る。 こ れは全体 性に たい する信 仰 の一 つ の例 を示 す もので あっ て, 我 々 はそ れ がど の ように して成 立す るか を考 え るので はない 。 我 々は むしろ次 の こ とに注 目す る。 つ まり元 来, 全 体 性 の概 念 が用い ら れ る ときに は, そ こに成 立 して く る心 象ない しは構成 体に2 種類 のも の が区別 される とい うことな ので ある。一 方 は, 部分 の 単な る「合 計」 で あ って, そ れ は 丁組 立て ら れる」 ものな ので あ る。 例 えば家 が 個々 の材 料 から 組上 げら れるとい うこと が考 えら れ る。 この点 に関 して は全 く問 題 のない もの として 話 題に のせない の が普通 で あ る。 し かし他方 で, 第2 の種 類 の全 体 があ る。 こ れは, い わ ゆる部分 の 単な る合 計以 上 の もの を もつ全 体で あ って, 部 分 と は全く異 な る特性 を持 つ もの と され てい る。 例 えば メロデ ィは 個 々の 音調 と 憶 全く 異 なる もの と されてい る( この例では,心理学のゲシュタルトと同じであ るかもしれない)。 有 機 体は 単 な る細胞 の積 重 ね以 上 のも めで あ る とい う こと もよく引合い に 出 され てい る。 そ こで我 々 は複雑 な もの が真 の全 体 ない しは ゲシ^ タ ルトで ある とす る考
えに 至 る よ うで ある が, それに は二 つの基 準が示 され る のが 普通 だ とされて い る。w 構 成 体 の特 色 はその部 分 の特色 から 「組 立て 可能 」(誘導できる) で あ る こと。(b)部分 のど れも保持 されない と して も, 構 成 体 の特 色は不変 の ま まで あ りう るとい うこと, す な わ ち「移 調 可能」 だとい うこ と。 このあ た りの説 明に たい しては我 々が しばしば 聞 く こ とので きる範 囲に入 る ことがで きるけ れ ども, 実際 に この基 準 が十 般 に 適用 され うるの かとする 質 問 が 出され る。 必 ず この基 準 が適用 さ れる事 例ば か りが ある のか ど うか, 「特 色」,「組 立 可能」,「移調 可能」 と は一 体 どうい うこ とな のか。 我 々は一 般 に は これら の質問 に は既に 答 えら れた もの として合 計 とか全体 の ことを考 え てい るので あ って, そ れは誤 った仮定 だ とい うので あ る。 例 えば 「組 立 て」 とい う語を とり あげ る としよ う。 す る と, 建 物 に関 して は 材 料 の空 間 的並 列 を意味 してい る こと が分 る。 メロデ ィにっい て, 音の時 間 的 な 配列 の ことだ と考 える。 和 音 は個別 の音 から組立 ってい て, そ れが時 間 的 に 同時 に 鴉 るという ことを示 す もので あ る。 従 って, そ のた びに, 部分 的 に は全く 異 な った, 対 立 し た使 用法 が 同じ言葉 のな かに あ る ことが分る。 物 理学 で, 力 を平行 四 辺形で 説 明す るなら ば, ベ クト ル の組立 が表 わされて い る と見 るで あ ろ う。 哲学者 は,こ の こ とにつ い て, 何 かの 「付加 的」「 総 合 的 」 過程 が問題で あ る かない かにつ い て論 じ, ベ クト ルが 純粋に用 語的問 題 に ほ かな ら ない の だとい うことを考 慮 しない。 総合 の こ とを語 るの は何時 に す る かを任 意 に決 める のは我 々 の自由 な ので あ って, そ れを差 し止 める理 由 は ない ので ある。 実 に, 「全 体」 とか「総 計」 とい う語 は通常 は曖 米 に,多 義的に, また比 喩的 に用い ら れてい るか ら, それ の語 ってい る もの を評 価 するに は その意味 が よ く分ら な くては不 可能 だ とい うので あ る6)。 そ こで は大 きく分 類 する と, 部 分 の総 計 が必 然的に 全体 と同じ もの と, 同じ でない ものと の場合 が考えら れて く る。 そ して殊に 後者 の場合 に, そ れが論理 的に 不合 理 な もの といい き れ ない よ うな 情報 を与 える こと もある わけで あ る。 そ の と きに は「全 体」 と か「 部 分」 とい う語 が, 前者 の場合 に比 べて全 く異 な る 意味 を持 っ てい る こ と を知 らな くては なら ない 。 そ こで こ の 丁全 体」 と「部 分」 の使用 法 をい くっ か列 挙 して みる とこ うい
経営的組織とシステム思考89 う ことにな る とい う。(a)空 間的 な広 が りをもっ た対象 の 表示 のた めの もので, 長 さレ 平面, あ るい は容 積な どの表示 に とくに 関 係する 。(b)時 間 間隔に関 連 する表示 を意 味 する。(c)任 意 の部類, 集合, あるい は諸 要 素 の合 計に か んし て使用 され る。(d)ある対 象 または過 程 の特性にっ い て語 られ る。(e)特定 の種 類 の対象 ない しは事象 の間 の関 係 の基 準に関 係 す る。 そ の場 合 に, こ の基 準 ( ないしは手本)は異 な る機 会に際 して, また 異 な る修正 をして 実 現 される。 (f)全体が あ る過程 に関 係 し, その部分 は異 な る過 程で あ って, それは よ り大 きな 過程 の局面 の区 分 可能 な もの として 現 われる。 ㈲全 体 が具 体的 な対 象物 に関 係し, 部 分 は その対 象 の特性に 関 連する。(h)結局, 全 体 とい う語 は しば しば,何 ら かの シス テ ムの表示 の ために 適用 さ れる。 そ の空 間 の部分 は, 相 互 の異な っ た動 態的 依存 関 係に ある。い わゆる有 機体的 単位 の多 くは こ の種 の システ ムと して示 される。 無 論この説 明 だけで は十 分 ではない 。 また, とくに,(h)の説 明は, 我 々が これから接近 しょ うとする問題 にっ い ての ある結 論 を先 取 りしてい る ものと い える(従らてこの点にっいてはさらに後に付加的に語られることになるが)。 これ ら のことは さしお く として も, 全 体 とか部分 とい うこと はか な り種 々な用法 に 置かれ てい る こと さえ分 れば よい 。 そ れだか らこ そこ の考 えに たい して批 判 がな されてい るので あ る。 たしかに, 有 機体 が その物 質的 構成 要素 の総 計以上 の もので ある こ とはた やすく語ら れるけ れ ども, そ の意味 の解 明は困難 で ある。 な か んず くこ の命 題 は生気 論 のな か で語 ら れてい る こど もまた哲 学 の歴 史 の教 え る ところで あ る。 しか しそ の よ うに生 物体 を形 成 してい る要 素に はど れ もあ る種 の生命 の 力 が備 わってい て, それに支 配 さ れる とい うよ うに 決め て し まう 根 拠 執 な かな か人 を納得 させない もので ある こ とを見 ぬい た もの が,V. バ よ タ ラソ フ ィであ るとい われてい る。 にエンテ レケイ ア要 素 が, 全体 値 を決定 する と い う生気 論的 仮定 を, 形 而上 学的レ 従って非 科学 的 な もの と して 拒絶 する」 のか彼な ので あ る。j ただ有 機的 構 成体 の「本質 の内 容的 記述」 を求 めるの な らば, 全 体性 とい う概念は都合 が よい 。 と ころ が構成体 の「固有 性 と行 動 様式 」 を解 明 するに は向い てい ない とす るので あ る。 我 々 はこの場 合, 本質 と固有 性 の区 別は ど
うす るか につい て全 ぐ知 識 を持 たない け れ ど 仏 彼 の 言お うとしてい名。こ と は, 「 全体 性 とい う術 語 に よっ て概 念的 に把 握 さ灘 だ実 際 関 係を正 確 に, 自 然 科学的:に 研究 し, 解 明す るこ と」 なので ある7)。 要 す るに, 彼は「全 体性 とい う極 念を シ ステ ムとい う概 念に よ って 代 え, こ の システ ム概 念を, お互い に 相 互 作用 す る諸要 素 の 複合 体 と して 定 義 す る」 ので ある。 こ れは シス テ ムの最 小限 の定 義 とされてい る。 こ の ことから 種 々な 思考 が展 開 斗れる こ とに な る のだ が, 先ず, 彼 の考 え は, 有 機体 を一 つの動 態的 シ ステ ムと みな し, その シス テ ムの特性 と行 動 様式 は一定 のシ ス テ ム法・則 のも とに 置 かれ る。 そ して この法 則 を見 出して, 形 式 化す る こと が システ ム理論 の課題 で あ るの はい うまで もない 。 バ ータ ラソ フ ィは, もちろ ん生物 学 の領 域に おけ る課 題 を考 えてい たので あ ろ うが, こ の生物学的 有 機体 の システ ムは 特別 な「 記 述 モ デル及 び説 明モ デル 」 を案 出七 て, これ を具体的 に示 そ う としたので ある。 この モデル がい わ ゆる 「 オ ープ ン・ シス テ ム」 として示 され るので あっ て, そ れに よ り, 適 応, 成 長, 制御, 均 衡 な ど の生 物学 的 組 織問 題 の説 明 が可能 に なっ たので あ る。 この モデルに よ ると, 生物学 的 組 織問題 の構造 は, 他 の学 科の問 題 構造 に とって しば しば 同形 的 で あ る とい う仮定 をつ くり 出七 , それ は( 一 般的 シ ス テ ム理 論上 へと普遍 化 ない し は拡 大 化 され るに 至 る とい われ てい る8)。 こ うな れば, 一般的 シス テ ム理 論 の課 題 は, 「物質的 な種 々な 実際 関 係にっ い て, 形 式的 な 同形性 を理 論 構造 の な かで 明白 に し, 統一 的 な用 語 で記 述 し, イ ンタ ーデ ュプ リ ナリ ー的 に適用 可 能 な一 般 化 され た理 論体系 へと ま とめあ げ る ことで あ り, 理 論体 系 の数学 的 形式 化 も その際努 力 される こと」 であ っ て よいこ とに な る。 実 際に 「 シ ステ ムズ運動 」 と呼 ば れる もの は, そ れ があ っ たか ど うかの詮 議 は別 に して, 軍事 上 や, 産 業上 の課題 への 適用 に限 ら れる のでは ない ので あ る。 し かし 科学に お け る シス テ ム発展 に は幅 広い 側 面 を持 つ ので あっ て, こ れが一 般的理 論 を改 めて 求 め させ るよ うに した わけで あ る。 専門化 が増大 す ればす るほ ど, 学 科 の間 の 橋渡 し をし, 統一 化 され た理論 め組 立 を必 要と する人 々が増大 す る。 そ れに よって経 験的 世 界 の一 般的 な関 係 が討議 で きる からで あ る。 『一 般的 シス テ ム理 論 の た めの基本的 な 鍵 は, 一 般的,な シス テ
経営的組織とシステム思考91 みの行動 を記 述。, 説 明, 予知巻 す る ためにつ く ら れた概 念 の型 と対 立性 のな か に ある」 とい うことがで きる9)。 システム論の発展方向 い わゆこる シス テ ムの説 爽( ないしは解説)はす でに多 く の人 々に よって 試 み ら れてい る ので, こ こでは, 一 般 的に シ ステ ムを考 えるに 当 って ど のよ うな 要 囚 がある か を列 挙 するだ けに とど めるで あろ う。 そ れは これ まで の システ ム論 からの成 果 を受 入 れ るこ とに な る。 グロッホ ラーの説 明に よる七, シ ステ ムとい う表 現は, 先ず哲学 的解 釈で は, 「事物, 経 過, 部分 の全体 的 関連 」 のこ とで あって, そ の場合, 「 個 々 の 構成要 素 の本質 は上 位秩 序 の全体 から 決定 さ れる」 とい う10)。 しかし 哲学 的 範 躊を越 え たと ころで もレ シ ステ ムその もの の意味 決定’は それ ほど大 きく 異 な るとい うのでは ない 。 例え ば次 の よ うな ものがい くっ か示 される。 すなわ ち, 「相 互 作用 に ある諸 要 素 の全体 性」,「柑 互的 な 作用 を ともな う 対 象 の全 体 性」,「相 互 作用 をす る部分 から成 立す る単位」,r 動 態的 な諸 要 素 の集 まった もの で, そ の境界 が 明快 に 決っ てい る もので あ 呪 この要 素 は柑 互 関 連並 びに 相互 依存に あ り, あ る法則 に 従っ て, ま た特 色 あ る全 体的 な効 果 を出す よ うな方 法で相 互 作用 し続 ける もの で ある」 と11)。 そ こで シス テ ム は, 組織化 され た全体 性 を示 すので あ り, そ の場 合 に, 全 体 性 の 特色 は相互 に コミュニ ケーシ ョンをな す諸 要素 の組 織 から 生じ る もの と みる ことが で き る。 これにっ い てバ ーク ラ ンフ ィも同 じ よ うな表 現 を してい るので ある。 我 我 は この ような 説明 から何 か を引 出す こ とを狙 うの でな くて, システ ム概 念 に は二つの 領域 が含 まれてい るこ と が認 識 さ れ るとす る ダ1=・ ツホラー の説明 に 賛成する。 す な わち, 丁現実的 な, 物質的 な対 象 システ ムと, この対 象 シ ス テ ムにつ いて の モデル と理 論 の形 式 に おけ る陳述 体系 が問題 」 だ とい うわ け で ある。 し かし我 々の課 題 は どちら に ある か を問 うので は なく て, また 語 ら れ るべ き次の ようごなこ とに注 目して 行 く。 す なわ ち, シス テ ムの特性 と行 為 様式 にお け る質的 区 別 は, シス テ ムを形 成 す る要 素の 特性 と, その要 素 の間 に ある諸 関連 の 種類お よび それが どの く ち,い あるか とい丿 こ とから「 結局 で てTくる」 とい うこ と な のであ る。 種 々な
要 素が, 関 連に よ って, どの よ うに して一 つ の システ ムに 結合 する かに 応じ て, システ ムの なかでの要 素 が質的 に異 なる 特色 と行 為 様式 を示 す とい うこ とな ので あ る。 種 々 な複合 性程 度 の ために この よ うな 異 な る システ ム性質 が で て くる ので あっ て, こ れを配列的 に 観察 する 作業 が 我 々の理 解 を助 ける こ とに なる。 そ れは, 「 シス テ ムの ヒ,エラル ヒ ー的 水 準 」 として 知 られてい る もので あ る12)。 そ の なかで も ボ ールデ ィ ングに よる9 段階 の複合的 ヒ エ ラルヒ ーは有名で あ って,多 く の者 に よ って引用 されてい る13)(我々の関心はそのうち第8 のレベ ルにある)o その ほかに グロ ッホ ラ ーの提 出す るの はビ ーアの区 別で あ る14)。 そ れに よる と, シス テ ムの質的 区 別 は, 「 複合 性 」 と「 規定 可能 性」 の標識 に よ って 段階 づ けが な される。 前者 におい て,「単純」,「複雑」,「最 も複雑」 の区 別 が, 後 者 におい て は, 「 規定的 」 と 「確率的 」 の区別 が行 なわれる。 また近頃 組 織論 におい て 常識化 されっ つ あ るの は, バ ータ ラソフ ィに よる, 「開い たシス テ ム」 と「閉 じ たシス テ ム」 の区 別 も あ る ことは 忘 れる ことが で きない 。 そ れ はシ ステ ムのあら ゆるレ ベルを 横断 し てい る 同形 性 に注 目す る もので ある。 環境 に たい して シ ステ ムが オ ープ ンで あ る か クロ ーズドで あ る かど うかに 従 って,「 リビ ン グ・シ ステ ム」 と,「 ノ ソ・ リビ ン グ・ システ ム」 の区別 を行 な う。 例 えば, ミュラ ーの如 きは15), 前 者 に の み限定 して考 え てい る16)。 種 々なシス テ ム水 準 を示 した ところ で, そこ から 適 切 な結果 がでて くる こ とは容 易に 期待 され ない 。 そ れは た だ我 々 の関心 がど こに 置か れる かの基準 を教 えてく れ るだけで ある。 そ うい うこ とに なれば, 自然 と, 「 オご プ ソ , シ ステ ムとして の, 人間 ・社 会的 シ ステ ムと, その 複 雑性」 に 焦点 が合 わさ れる ことに なる。 ト ト それは純 粋 に システ ムの み を考 え るので なく て, 社 会 科学 に たい する シス テ ム思考 の役立 ない しは関 連 として システ ムを考 える こ と なので ある。 この こ とに関 して, とくに フ ァ ン クジ ョナ リズ ムとの関 係 で 語ら れる こ とは カ ー ス ト とロ ーゼ ン ツズ イ クの教 え ると ころで あ る17)。つ まり,「フ ァ ン クジョ ナ リズ ムの 基礎的 な強 調点 は, 諸 関連 の体系 と, 部 分 と サブ ・シ ステ ムを統合 して一 つ の機 能的全 体 に する こ とに ある。 フ ァ ンクジ ョ ナリ ズ ムは, 社 会的
経営的組織とシステム思考 幻 シ ステ ムを, 構造, 過 程及 び機 能 の立場 から眺 め, これら 諸 要 素 の間 の関 係 を理解 しよ うと試 みる。 文 化 ない しは 社会的 制度 の各 々 の要 素 は, よ り広い シ ステ ムに おいて あ る機能 を持 つ とい うこ とを強 調す る」 と。 それは社 会的 システ ムの 要 素の 作用 側面 を, とくに シ ステ ムの 目標に かん して把 え る方 法 を言 うので あ る。 シス テ ムの 目標 を社会 の内容的 ・理 論的 モ デルから 引出 すので は ない 。 そ うで は なくて, システ ムの 目標 が方 法的 操 作 と して 分析 の なかに 導 入 され るので あ る。 これは, 社会的 システ ムの なかに 経 過してい る多 くの 過 程 を, シス テ ムの基準 価値 の実 現 の た めに プ ラス ない し はマイ ナ スの意味 を もつ 局面 に限定 して考 え ること なので ある18)。 なかんず く文 化的 機 能主義 に おい て文 化要 素の体系 が人間的 必要 充足 と生 活克服 の機能 から文化 要 素 の体系 を解 明 しよ うとす る もめで あ る。 こ れは, ラド クリフ・ ブ ラ ウン やマ リ ノフス キイ の先駆的 研究に よって よく知ら れて い る。 「 社会的 習慣, 行 動 様式 及 び 制度 は独立 して存在 す るの で は なくて, 全 体的 な文化 に関 連 して 考慮 されなけ れば なら ない 。社 会生活 のあ ら ゆる局 面 は関連づ けら れた全 体 を形づ くるに違い ない 。 また社 会 は相 互結 合 した シ ステ ムとして最 もよく理 解 され うる。 かくて, 婚 礼 あるい は刑 罰 の 如 き社 会 的 行為は全 体 と して の文 化 の な かに機 能 を持 つ, そして 社 会的 構 造 の維持に 貢 献する19)」 とい う説 明 が我 々の理 解 を助け る もので あ る。 このよ うに して, 我 々は, 我 々 の固有 の, 経 営学 ない しは経 営的 組 織論に お けるシス テ ム理 解 へ と接 近 す る こと がで きる。 つ まり, シ ステ ムの 孤立的 理 解 から, 社 会 科学 とい う特定 の領域 に おけ る社会的 シ ステ ムない し は リビ ン グ・ シス テ ムの理解 に 入っ て 行 くこ とがで きる。 社会的システム(主としてミ・ユソヒによる) 特に, 社 会的 システ ムを考え ると きに, ここで は シス テ ム, 外 界( または 環境),存 続にっ い て言 及 される こ とに なる20)。あ るシ ス テ ムは環境 と の関係 に あり, その環境( または)外 界の な かに システ ムは自己 を維推 し, 存 続す る ことに な る。 従 って世 界 は シス テ ムと この システ ムの外 界に 分 割 され る。 何 か システ ムで, どれ が外 界 かは 個 々の場合 に 決定 される ことで あ って, 客 観 的 基 準の もとに定 めら れる ので は ない21)。
こ こで「 社会的 」 とい う名称 の付 される システ ムが形 成 され るのは, パ ー ト ナ ーの 間に おけ る, 特別 の意味 の関 連あ る相 互 作用 の集 合 か おる と きなの で あ る。 この場合, この パ ート ナ ーは その シス テ ムの成 員 なので ある。我 々 は この 「 意味」 とい うことに注 目し なくて は なら ない 。 つ ま り相互 作用 の意 味 か おる こと を認 める と きに, そ の ときの 相 互 作用 なので あ っ て, そ れは, 他 の相 互 作用 から区 別 され る。 この こと が社 会的 シス テ ムに たい して, その 特定 の 同一 性 を与 え るこ とに なるので あ る。 またそ れに よって シス テ ムの境 界 が 明白 に される わけで あ る。 そ こで また 次の よ うな説 明 も使用 す る こ とがで きる。 「人 間 の特別 なネ ッ ト ワ ー クの間 に相対的 に首 尾一 貫 し た相互 作用 の 情況 を認 め る限 り, 社会的 シス テ ムを持 ってい る こ とにな る」 と。 社 会的 シス テ ムは そ の成 員 の間に共 通 な行為 パタ ー ンを展開 してい るこ とが必 要 なので あ る22)。 こ の システ ムの成 員 の特色 は,(a)シス テ ムをつ く りあげ てい る相 互作用 へ の 参 加者,(b)相応 す る権 利 と義務 を負担 す る者,(c)特定 の 規範的 期 待 を受 入 れ そして 送 る者, つ まり,(d)あ る役 割の所 有 者 と して示 され る とい うのであ る。 そ こで あ る システ ムの成 員 と なる のは こ の役割 の所 有者 として 意味 をも っ の で あ り, そ の立場 で, 当 該 の社 会的 シス テ ムの外 界に も帰属 す る。 もち ろ んそ の時に は他の役 割 を所 有 す る者, つ まり パ ーソナ リテ ィをもっ た者 と して の 外界 へ の対 応で あ る。 それ故 に 次の よ うな表 現 が重 要 性 を増 して くる。 『社会的 シス テ ムの同一 性 は人 間 から 生じ る ので なくて , 相互 作用 の 意味 か ら生 じ る 』と23)。 我 々は社 会的 システ ムが, 純粋 の, あ るい は単 純の ままの 人 間 から成立 してい ない こ と, あ る組 織 ない し は システ ムが ある意味 づけ を 持 つ こ とに よ って始 めて対 象 システ ムと して 我 々の取 扱い 可 能 な ものとなる こと を認 識 す る。 社 会的 シ ステ ムが同一性 と限 界 を持 つ の は現在 のよ く分 化 した社 会では, 相 互 作用 の進 行に よる ので あ って, これ が特定 の機能 の 達成 に向い, また独 自 の 特性 を維 持す るので あ る。 そ れで「分 化 し た全体 社 会 は, その 部分 シス テ ムの相 互 作用 構 造 のな かに, また部分 シス テ ムを相 互 に 結びつ け, 関連を 保 ちな がら外 界 と区 別 させ うる よ うな相 互 作用 構造 の な かに 自己 の同一 性 を 見 出す」 ので ある。
経営的組織とシステム思考95 この関 連づ け, あ るい は区 分 はあ って も, 関 連 があ る とす る思考 に よって, あ る社会 の限 界 が保持 され続け る こ とに なる。 た とえ そ の社会 の部 分 システ ムが異 なる形態 で, 他の 社会 とか ら み合 わ されてい て も, 自己 の 同一 性 を保 つ こと がで きる とする。 例 えば, あ る社 会の 径済的 部分 シ ステ ムは 他の複数 社 会の経 済的 システ ムと の相 互 作用 構 造 を形 成 してい る ので あ るが, この こ と は, 我 々の関 心の中 心で ある企 業経 営 の活 動 に ぴ った り一 致 す る もので あ ろ う。 例 えば その 他の政 治的 あるい は法 律的 シ ステ ムの如 き部分 シス テ ムはその 社 会の構成要 素 では ある が, 特定 の相互 作用 関 係 を維持 す る もので はない と さ れる。 つ ま り機能的 に分 化し た部 分 シ ステ ムが現 代の 社会 を構成 してい る こ とに な る。 さらに 社 会的 システ ムで は, 生 存 にっい て 考 慮 され る こと も指摘 されてい る。 この システ ムは普 通に は存 続す る け れど 仏 前から 存在 してい る, 特別 の 意味 の相互 作用 構造 がもは や存在 し なく なる と きに は, 存 続し なく なる と い うので ある。 そ れは, 成 員 が出 て行 く か, そ れ とも他 の 意味 の相互 作用 が 採 り入れら れる か, 既 にあ る外 界 がそ の シス テ ムの なか に移転 されると きに こ のこと が発生 して くる。 外 界 の シス テ ムへ の移行 とい うこ とは, 成 員 や相 互 作用 の拡 大に よ って, あ るい は シ ステ ムの 外界 へ の合 併に よって 生じ る24) ( まだそこには前のシステムのある部分はなお残っているとしても)。 シス テ ムの存 続 にっい て 語る と きに は この ように, シス テ ムの定 義の 否定 に よって 明ら か に されるで あろ う。 社会的 シス テ ムを考 えるに当 って(その反対概念として)存続 も合 わせて 考 え るために 定義 をやっ かい に す る。 すな わ ち, 社 会的 シ ス テ ムは徹底的 な変 化 をこ うむるけ れど も, そ の同一 性 を保 っ てい る とい う こ とがそ れで あ る。 存 続 は, 何 ら かの不 可解 な, 神 秘的 な 目標状 況 に社 会的 システ ムを関 係づけ るこ とで は明白 に でき ない 。 規 範構 造 におい て制 度化 さ れ た相互 作用 構造 は, 社 会的 システ ムに たい して同一 性 を与 え るけ れ ど も, そ の 種の相互 作用 を生 存 のための条 件 として, もはや研 究 の対 象に は な らない のだ とい う指摘 が な さ れてい る。 この ことに 関 して, ミュソヒは, 先 ず,一 定 の外界条 件 を入 れる とす れば,
システ ムに は次 の よ うな可 能性 が残 されてい る とい う。(1) シス テ ムは外 界 を変 化 させ, 外界 が, シメ テ ムに たい して, システ ム の相 互 作用 構造 の維 持 を可 能 な ように させ る。 (2) シス テ ムは 複雑 な相 互 作用構 造 を持 つ。 その程 度 は, 常 に変 化 する外 界 条 件に適 応 し うる ほ どの もので ある。 但しそ の同一 性 を変 化 す る ことを し ない 。(3) シ ステ ムは外界 に よ って過 剰に 負担 を課せら れて 生 存 し なく なる。 そ のと き現 われ る相 互 作用 構造 の変 化は 同一 性変 化 ど, 従 って古い システ ムの 死 滅 と, 新 しい シ ステ ムの復 興 を意味 する。 ‥ なか んず く,(3)に おい て シ ステ ムの同一 性 が問題 に され る。 そ れは次の よ うな例に見 ら れ るで あろ う。 す な わち, 農業 社会 が, 産 業 社 会に よって引 継 が れる と きで あ って, それ は, 経済的 部分 シス テ ムの規 範構 造 の根 本的 な変 化に よって の み可能 なの だ とい うこと なので あ る。 二 つ の もの が 同じ領域 に あ って, また同 類 ない し は同質 系の 内部に 存在 する という こ とは, 異 なる同 一 性 の二 つ の シ ステ ムの死 滅 と再生 に何 の変 化 も生じ ない とい うこと を示 す ので あ るよ 生 物学的 進 化 は数 え きれない ほどの回 数 で, 同 一 性 喪 失 を 有 す るので あ る。 社 会的 進 化 の場合 に, 何 がな んで も「最 終的 な」 同一 性に し が みつ こう とす る のは, 生物 学的 進化 を見 る限 りで は筋 が通 ら ない ように見 え る。 社 会的 シス テ ムが外界 と の関係 におい て さえ も, こ の最 終的 同一 性 を固執, す るとい う こと は, 社会的 進 化に 終止符 を打 つ ことな の であ り, システ ムの 意味づ け が 決っ て し まう こと を意味 す る。 ある時代 の 大 思想家 ない しは大哲 学 者 が彼等 の立場 からっ くり 出し た意味の ところ に社 会 の進 化 が定 着し, そ こで最終的 妥当 性 を保持 す るとい うこ とに この考 えは 似 てい る。 世 界 は人 が 暫定的 に し ろ意 味 を固定 で きるほ どで はなくて 本質的 に もっ と複雑 な ので あ, る。 二時的 に意 味づ けを し よう とす ること, システ ムの同一 性 を固 定 して, も うこれ以上 の異 質性 は 起 りえ ない ものと する ことは, その外 界 が変動的 で あ れぼあ さほ ど, 強 制力 と暴力に よって, 外 界 を単純 化 し よ うとす る存続戦 略に で るので あ る。 我 々は こ のあ た りで か なり システ ムの説 明か ら逸脱 し かか ってい るのに気。
経営的組織とシステム思考97 付 くのだが, 最後 に 語 る ことは, 社会的 進 化 の考え が提 出 す る もの は何 かと い うことで あ る。 そ れ は, 「 複雑 な外 界で生 存能 力あ る よ う な社会的 システ ムの相互 作用 構造 」 の標 識 をつ くり 出した とい うこ とな ので あ る。 つ まり, 社 会的 システ ムの よ り以 上 の変 化で あ り, 復活 であ り, 絶 滅 を含 む もので あ る。 部分 システ ム へと分化 す るこ と もまた含 めら れる。 すな わち, 部 分 シス テ ムは, システ ム¬ 外 界一 関 係に おい て 相互関 係に あ り, そ の ことに よって, 社 会の複雑性 を増 大 す る。 そ の場合 に, そ の と きの シス テ ムの 成員 は 自己 の 必 要性 を明確 に区 分 し, 行為 を選抜 す る必要 を高 めさせ るの が こ の複雑 化現 象 である。 そ れは, い わば 「 高い 任意性 」 を持つ 相互 作用 構 造 を発生 させる こ とでも ある。 もっ と具体的 な表 現 を用い る ならば, そ のよ うな相互 作用構 造 は,「 全体的 な民主 化 」 とい う今日 強 く喧 伝 されてい る 考 え方 よ り も, む しろ,「支 配権 力分 割」,「法 治国家 性」 及 び「 自由」 の 諸原 則 に 相応す る も の だとい うので あ る。 こ れ まで, これ ら原則 の間 には緊 張 関 係 か おる ものと さ れてい たので あ って, その解 決 は明 かに, そ のどれ か の原 則 が優 先し なく て は済ま され ない もの と みな されてい たので ある。 社会的 システ ムが明 快に, また狭 く限 定 されてい るこ と を基 本 に する なら ば( 実際にはそううまく行っていないけれども)この 関係 から, 完全 な, ま た 直 接的 民主 々義 は 単純に, 複雑 な社 会 へと移行 される ので あ って, 既 に, 民主 的 ユ ートピ アは完成 され てい る筈で あ る。 しか もこ の立 場 に あ る者 は甚 だ多 い のであっ て, 彼等 は, 複雑 な社 会に とって 最 も重 要 な 局面 た る進 化的 シス テ ムを見 の が してい る のであ る25)。 この ような社 会的 システ ムに たい して生 存 思考 を投 入 す るこ とが, 進 化的 考 慮 をせ ざ るを えない こ とを示 唆 す る もので あ る。 無 論 そ の際 に は進化 その ものについ て の知 識を必 要 と す るけれ ど 仏 我 々は ここ で は シス テ ム思 考の 発 展 の方向 を知 っ たこ と で満足 しなけ れば なら ない。 そ れ は また, 一 般的 シ ス テ ム論 の意味 づ け として の社 会的 システ ムの説 明手段 と して有 効で あ るこ と も判明 する。 こ れにっ い て一 つの ヒ ント を与 えて く れ るの が, ミ ラーの次 の ような陳述で ある。「一 般的 シ ステ ム理 論 は,物 質 とエ ネル ギ ーの組立 の統 合的 ヒエ ラル ヒ ーとして の現実 を 扱 う,定 義, 仮定 及 び 前 提 のー ま と まりの 関 連づけ であ る。 一 般的 リビ ン グ・ システ ムは あら ゆる システ ムの 特殊 のサ
ブ セ ットで あ る, リビ ン グ・ シス テ ムに関 連す る」 と。 つ まり, 我 々は一 般的 シス テ ムを扱 ってい たの では, 文字 通 り「 意味 がな い 」 ので あ っ て, その サブ セ ットで ある, 社 会的 シ ステ ムに関心 を向け たの で あ る。 そ れ は なか んず く生物 学的 思 考( バータランフィによって代表されて) から多 くの知 識 を受 入 れてい る のは 周知 の ことで あ ろ う。 さらに そ れに整 理 を した のが, こ の リビ ング・ シス テ ムの思 考 だとい う こ とがで きる ので あ る。 具体的対象システムとしての経営 我 々はより具体的 な対象 として,当該の関心事である経営組織に 目を移し て みることに する。 それは, ト ータル・ システ ム内におけ るサブ・システム である,個人,集団あるいは部門 から形成 されてい ることは間違い ない ので あって,社会的 システ ムなのである。 とくに, このような人間的要因に着目 して「ヒ ューマン・オーガ ユゼーショ ン」と, 社会的 システムを呼ぶことも 行なわれる2几 / そこで経営がシステムとして考えら れるときに, どのようなシステム水準 にあるを見なければならない が, 近時 とくに我々の注 目をひき,常識化した ものに, オープンヘ・システ ムとしての経営とい う考えである。 もちろんこの ことを語るときには対称概念である クpxーズド・システムを語り,吏にあの バ ータラソフィの見解にさかのぼら ねばならない が, 差当ってこの場合,所 与 の概念としで取扱 うことにする。 経営に関しては, そのシステ ムの発展と維持は,政治的,経済的,技術的, 社会的条件に依存しでてい ることはい うまで もない。 この条件は常に変化にさ らされてい るので,大きな種類の予測可能なまた可能 ならざる外界諸条件に 反応しうるほどのシステ ムを形成しようとする問題 が提出されることになる。 そのためには一般的に,経営の目標設定,一定 の経営的要素ストッ ク, その ときの外界条件の如 き特別の決定要素に基づいて出来 る限 り最適なシステム を開発しようとすることが, この形成 目標 とい うことができる。このために, 経営的 システムの不変的基本構造と,変化可能な, また形成可能 な構造要素 の確認 が必要になってくるわけである。 そのような事情を頭に置けば, 各々の経営は非常に複雑 なシステムを示す
経営的組織とシステム思考99 こ とが分 る。 しか もこの システ ムは人 間 の形成 方 策 を も って意 識的 につくら れ たもの なので ある。 かくて グロ ッホ ラ ーは, とくに 「現 象学的 に見 れば」 とい う前 置を して, 経 営的 シスデ ムの も とで は オ ープ ソ ・ システ ムが問題 な の だとい うので ある28)。 ベイ カ ーの指示 を待つ までもな く, ア メV カの 組織理 論( ならびに調査)は 個人の心理 学 やイ ンタ ー・ パ ーソ ナルの関 係 とい っ た伝 統的 概 念から オープ ン・シス テ ムの概 念 へと その力点 を移 して行 っ た。 そ れに大 きな貢 献 を なし たのはガ ッツ とカ ーンの研究 成果で あ るこ とは間違い ない 。 彼等 は バ ータラ ソフィと その後 継者の一 般 シス テ ム理 論 と, イ ギ リスに お け る タ ビ スト ッ ク・ グル ープ の社 会技術的 シス テ ム ズ・ アプ ロ ーチ に出 会 うこ とに よって, 組 織に たい して オープ ン・ シス テ ムズ・ アプ ロ ―チを採 り入 れたので あ る29)。 実に, ガ ッ ツと 力ゞ ンの言葉 にあ る如 く, ただ シス テ ムとい っ ただけ では, まだその物理的 空 白 の なかに とど まるに 過 ぎない 。 そ れ は人 間, 物 体, その 他 の人工 物 とい っ た具体的 世界 に結 びっ け ら て ぱじ めて 社会的 シス テ ムとい わ れる。 こ れらの要 素 は自然的 に 相互 作用 は し ない ので あっ て, あ る特別の 物 的 パ ート が独立 してい て, そ れが捨 てら れ たり, 取 替 えら れた りするのが 社 会的 シス テ ムなので ある。生 物学的 シス テ ムに比 べる と社会的 システ ムの サ ブ・ パ ート の間 に ある相 互影 響は一定 に 保 たれ るこ と は わず か なのであ り, ますます不 完全 なもの と なる。 そこで彼等 は社 会的 システ ムが物理的 パ ート よ りはむ しろ事 象 の構造化 な の であって, 機 械化 を別 にす ると構 造 は ない ので あ る。 物 理的 または生物的 シ ステ ムは こ れに たい して, そ れが機能 してい なくて も確認 さ れうる よう な 分 析的 構造 を特 ってい る。 生物的 有 機体 が機能 を停 止 し て も, 物理的 な体は なお残 ってい て, なお分 析 は可能で ある。 ところ が 社会的 シス テ ムが機能 を 止 めると, もは や確認 しう る構造 が存在 し ない ので ある 。 し かし人 間 は社会 的 システ ムを事 象の構 造と して見 る こ とに は上 手 で ない ので あ って, 世界 を もっと具体的 に, また単 純に眺 めよう とす る欲 求 が勝 ってい る とい うので あ る30)。し かし, 我 々は 社 会的 シス テ ムの意 味 が既 述 の こ とにあ る こと だけ は 忘 れてはなら ない 。 しかしど ちら にし て 仙 人 は単純 化 を求 めてい るので あ る( ここでは具体化
することは単純化す名ことかどうかの議論はさしおくとして)。 基 礎 に な ってい る 広い 相違 点 は深 遠 な類 似 なの であ り, それが認識 される ならば, 混 沌 から秩 序 を, 従 って 複雑 性 から 単紺 匝をつ く り出す こと がで き るとす る 信念 があ っ て, はじ めて 単純 性 への 探求 がで て くるのだ とい われ る。 例 えば, あ る生活 してい る有 機体 と, 語ら れ た言語 は広 く相違 のあ る実 体 のあ る ように 見 える。 し かるに, 両者 と もが, 大 きなシ ステ ムの要 素 として考 え うる な らば( それ は一方では種であり,他は言語である), あ る事 柄の 組 立の なか で のそ の類似的 立場 が はっ き りして く るので あ る。 事 情は前 よ りも単純 化 されてい る よう に 見 えて くる。 かっ て は リビ ング・ システ ムの特 色だ とし か考 え ら れ なかっ た ものが, オ ープ ン・ システ ムの特 性 だ とい うこ とに なっ て, そ こに類 似性 が 見 出 しだの が,い う まで もなく バ.―タ ラソフ ィで あろ う。 こ うす る ことに よ っ て, リビ ン グと ノソ・ リビ ングの間 の連 続性 が打立て ら れる こ と に も な る31)。 我 々はこ こで経 営 とい う事 象 か あるい は実 体に たい し て 目 を向 ける と, そ れ が より具体的 存在 として ある と同時 に, 複雑 なもので あ る こ とを知 る。 け れ ども シス テ ムの思 考 に基 づい て 考 えると単純 化 への方 向に 向 うとい うこと だけは理 解 で きる( 実際にそうなったかどうかは別にして) 。経営 も社 会的 システ ムで あり, リビ ン グ・ シス テ ムなので ある。 更に, 単純 化 した とい うことは, あ ら ゆる こ とが解 明 で きた こと を直 ちに意味 し ない こと も また知 る べ きで あ ろ う。 そ こで経 営 の こ とを よく社 会的 組織 とい うけれ ど も, そ れは 「社 会的 シ ステ ムの一 つ の タイ プで ある か またはサ ブ・ クラス」 なので ある32)。 それ は より多 くの シス テ ムの 特性 を備 えてい る もの なで あ る。 この経営 ない しは経 営的 組 織 は, よ り具体的 シス テ ムで ある と共 に, 普遍 的 現象 として あ る こと も疑い え ない 。 当然 の こと な加ら, この実 在 の証 明は 哲 学上 のこ とか も しれ ない 。 し かし 我 々は, 社 会学的, 心理 学的, 技 術的 等 等 の視 野か らの取 扱い も また必 要 な ことを知 ってい る。 そ こに システ ム理論 の入 りこ む余地 が あ る。 す なわ ち, 種 々な現実的 システ ムの 特色及 び 行為様 式 は形式的 に 同質 的 シス テ ム法 則 に よって解 明 される とい う一 般的 システ ム 理 論 の仮定 が重 要性 を持 つ。 そ れは異 なる学 科の陳 述価 値 を 相互 に比 較 して, 一 般化 し, 他 の学 科 へと移 行 す るこ とを役割 とす る33)。
経営的組織とシステム思考101 とくに経 営(組織)の問題 に とっT, 「複雑 な人 間 ・機 械 システ ムの 特 性 及 び行為様 式 の 統一的 な記述, 解 明及 び予 知 を与 え るよ うな 包括的 陳 述体系 が展 開 され る こ と」 が大 切 なので ある。 終りに 経営的組織をシステムの立場から見ることは現在では とくに新 しい ことで は ない。我 々はここではシステム思考的 にはどのようなものがあるかを主と して取りあげた。仮に システ ムの理解があったとして も, 具体的にそれが経 営組織の解 明に どう適用 されるのかは分らない。ただ我々は, システムの使 用法 が, その内容をも含めて, とくに一般的 システ ム理 論から離れるや否や, 相当に異 なっていることを発見したに過 ぎない。 殊に,我 々の興味をひいたのは, ミュンヒによる, システム概 念への進化 思考の導入で ある。 そのこと自体は斬新とい うのではない が, システ ムの存 続ということはシステムの他の標識に対立してしまうとい うことには注 目さ せられる。 存続することは システムの成員の自由裁量余地 を増大 することで あり,相互作用に任意性を加えることなのである。 これを身近 の課題にっい て考えると, 直接的 な, 完全な民主 々義が単純に も複雑な社会に移行できる とする視野に立つ人 夕の誤りへの指摘である。 システムかおる究極的 な,最 後 のシステムとしてあることはない のであって,常に変化 する ものだという 考えに立つなら, 最後にユートピアが来たときに, システ ムの進化(変化) が終了する とするのは余 ㈲こ単純 な思考とい わざるをえ ない。 一般的にシステ ムについてはまだ説明されるべきテ ーマは多く残されてい る。 例えばこれに関して,我々は,N. ルーマンの社会的 システムにまで言 及できなかったのは残 念なことである。 1) これにっい て,R.Miinch,EvolutionareStrukturmerkmaleKomple χerSozialerSysteme.AmBeispieldesWissenscheftssystem 万s,in:KZfSS ,26Jg.,Heft, 。4,1974,S.681.2 )E.Grochla,Systemtheorie リndOrganisationstheorie,in :ZfB.40jg.,Nr,1 ,S.3. もちろ ん一般的 システ ム理論 は,1930年代 におけ るV.Bertalanffy に よって打立 てら れたけ れども,その他 に,Acko 狂,Ashby,Boulding,Mesarovic の貢献 もあ る旨 の指示 も されてい る。 これらについて は既 に多 くの研 究及 び紹介
があるので,ここでは個別 に と りあげられない。3 ) 例えば,とく に次の如 きものが 参照 されるで あろ う。V.Bertalanffy,GeneralSystemTheory ―ACriticalReview ,In:GeneralSystemsvol.7.1962,p.3. 及びG.Wegner,Systemanalyse,in:HandbuchderOrganisation1969 ,Sp.1611. 4 ) こ れ に っ い て , そ く に,Grochlaa.a.O. ,SS.4 ∼7.5 ) 以 下 に お け る 説 明 は 全 体 性 論 に た い す る 批 判 的 考 察 で あ る 。 こ れ に つ い て と く
に,M,Schlick,ijberdenBegri 任derGanzheit ,in:E,Topitsch (hrsg )。LogikderSozialwissenschaften,1965,SS.213 ∼214 か ら 引 用 す る 。6 ) と く に 以 下 に お け る 説 明 は ,E.Nagel,OntheStatement “Thewholeismorethanthesumofitsparts" ド イ ツ語 訳 か ら 引 用 し た も の で あ る 。E.Nagel,ijberdieAussage: 》DasGanzeistmehraledieSummeseinerTeile 《in:LogikaerSozialwissenschaften,a.a.O. ,SS.225 ∼228. (iibersetztvonJ.u.F.Frenzel )。例 え ば こ うい う よ う な 説 明 も 見 ら れ る 。 四 角 形 は 一 つ の 平 面 を か こ む 。 こ の 平 面 が 二 つ の 部 分 平 面 に 対 角 線 を も と に し て 区 分 さ れ る と す れ ば , 合 計 は , こ の 部 分 を 合 わ せ た も の に 等 し い 。 こ の よ う な コ ン テ ク ス ト に お い て , 全 体 は 部 分 の 合 計 に 等 しい と い う こ と は 普 通 真 で あ る ば か り か , 必 然 的 に 真 実 だ と 表 示 さ れ る 。 し か し 他 方 で , あ る 物 質 ( こ こ で は 鉛 糖 が あ げ ら れ て い る ) の 味 と 。 そ の 化 学 的 構 成 要 素 の 味 の 比 較 に 従 っ て , そ の 部 分 の 合 計 は 全 体 と は 同 じ で な い と 主 張 さ れ る 。7 ) ダT・ツ ホ ラ ー に よ る と , 生 物 学 に お い て , 機 械 論 的 観 察 方 法 と 全 体 性 的 観 察 方 法 の 対 立 が , 有 機 体 的 生 命 の 解 明 に 当 っ て 明 白 と な っ た と い う。 そ こ で 生 物 学 の 機 機 論 的 方 向 は 物 理 学 的 方 法 の 助 力 に よ っ て , 有 機 体 的 構 成 体 の 特 性 と 行 為 様 式 を研 究 し , 物 理 学 的 一 化 学 的 法 則 に よ っ て 解 明 し よ う と し た 。▽し か し , 適 応 , 自 己 制 御 , 自 己 再 生 の よ う な 目 的 論 的 過 程 は こ の 方 法 で は 説 明 さ れ な い た め に , 形 而 上 学 的 過 程 と み な さ れ た 。 こ れ に たい し て , 生 物 学 者 で 哲 学 者 で あ るDriesch は 物 理 的 一 化 学 的 原 理 ぽ 生 物 学 的 問 題 の 解 明 に は 十 分 で な い と し た 。 こ こ に 有 名 な , 有 機 体 は そ の 物 質 的 構 成 要 素 の総 計 以 上 の も の と す る 命 題 が 提 出 さ れ る わ け で あ る 。 す な わ ち , 有 機 体 的 な も の に お け る あ ら ゆ る 現 象 は 全 体 性 因 果 関 係 に よ っ て 支 配 さ れ る と す る の で あ る 。 と く に ,Grochla ,a.a.0 ・,s.5. な お , 次 の 書 物 も 指 示 さ れ て い る 。H.Driesch ,PhilosophiedesOrganischen,Bdlu.BdII,1909. こ れ は1907-1908 に 大 学 で 行 な わ れ た 講 義 録 で あ る が 内 容 に つ い て は 分 ら な い 。 ま た ,W.Kohler が 物 理 学 の 領 域 に お い て 真 の 全 体 性 か お る と い っ て , 証 明 し て い る の に対 し て,Driesch は , 物 理 的 な ゲ シ ュ タ ル ト は , 真 の 全 体 性 を含 む の で は な く て , た だ 「 作 用 単 位 士 を示 す だ け だ と し て い る 。 こ れ に っ い て ,M.Schlick ,a.a.O.,SS.217 ∼218.8 ) と く に,Grochla,a.a.O.,S.6. な お , バ ー タ ラ ソ フ イ は 「 一 般 的 シ ス テ ム 理 論 」 と 共 に ,「 一 般 的 シ ス テ ム 論 」,「 組 織 の 一 般 理 論 」 と い う 言 い 方 を し て い る と 指 摘 し ヤい る 。
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) これに関 して,とぐに,F.Baker (ed.),OrganizationalSystems:GeneralSystemsApproachestoComplexOrganizations,1973,pp.1 ∼2andp.3. ま た,O.R.Young,ASurvayofGeneralSystemsTheory,in:GeneralSys-terns,1964,9,pp.6 工∼80 が指摘 されてい る。 バ ータ ラソフィとそ の同志 が1955年 に,TheSosietyfortheAdvancementofGeneralSystemsTheory を設立 したとい われてい る。10 ) こ れに関 して ,R.Eisler,WorterbuchderphilosophischenBegriffe.III.Bd ・,4Aufl・,1930,S.204. が示 されてい る。11
) とくに ,Baker,op.cit.,p.4. これらの定義 はそ れぞれ ,Bertalanffy(1965 ),Hall &Ji-agen (1956 ),Ackoff(1973 ),Boguslaw.(1965 ) から のものである。12 ) とく に,これにっい て,Grochla ,a.a.O ・,s.8 及 びBaker,op.cit. ,pp.4
∼5.13 ) ボ ール ディン グの区 別におい てはこ うなってい る。最初 の三つ のレベルは静態 的構造 ,単純 な動 態的シ ステム, サイバネ ティ ク・シ ステ ムであ って, これらは , 物理的機機的 シ不テ ムとして,主 として物 理学 の領域で ある。第4 ∼6 のレベル は,オ ープン・システ ム,遺伝的一社会的 シ ステム,動物 的シ ステ ムを含む。 こ れは 生物 学的 システ ムの領域 に入 る。 後 の三つは 人 間シ ステ ム, 社会的システ ム,超 越的シ ステムである。 これらはすべて人 間の社会的 シ ステムを含む。 また, 芸術, 人 文 学 √宗 教 の領域 でもある。 社 会科学者 の関 心は ここにある。K.E.Boulding,GeneralSystemsTheory:TheSkeltonofScience,in:GeneralSystems,1956,1,pp.11 ∼17. 我 々はとく に,組 織論 と の関連 において ,このhumansocialsystem のことを念頭 に置い てい る。14 ) これについ て, グロッホラーは次のもの を指示 する。S.Beer,KybernetikundManagement,1962,SS.27 ∼34.15 )J.G.Miller,TheNatureofLivingSystems,in:BehavioralScience ,Volume20,1975.16 ) グロ ッホ ラー は, バータ ラソフ ィのオ ープン・シ ステムにっい て次 のよ うに解 説してい る。( なお この種 の説 明はあらゆるところでな さ れてい る のでこ こでは 簡略 にとどめる)(1)真 の対 象システ ムは物質及 び/又はエ ネルギ ーを外界と交換 する。 またそ れと共に情報 の受 入と引 渡が考えら れる。そ れらを自己の内部です べて処理して ,変形 した状態で外界にもどす。(2に の交換 過程 で,システ ム構成 要素は継続的 に整理 ,更新 されて行く。この よのよ うな流 れのなかで,流動均衡 が保 持 される。(3に り 均衡状態の達成 は初期的条件 でなく て,シ ステ ムの行動に 基づく もので ある。従 って,equifinalty の状態 だとい うことがで きる。(A オ ー プソ・シ ステ ムが 目的的行為 をなしうるのは,予 め与え ら れた基 準の幅を越えて, 構造的変更 により,妨 害に反応 する能力が あるからだとす る。 これが,流動的制 御ない しは第1 次的制御と呼ば れる。 これにたい して機能 的及び構造的 に決定 さ れた ノカニズ ムによって作 用される適合 過程 は第2 次的制 御 と呼ば れる。(5)例え ば,ある要 素が常に全体シ ステムの内部 で同 じ機能 を果 す ことによって,要素の 特性が継続的 に同 じ方法で要求 されると ,要素 の専 門化 と同時 に,特性 の退化 を
生む。極 端の場合 にはシ ステ ムの機能的決 定や構造的固 定化 へと導く。 それは効 率 の増大 を招 くが ,他 方で構造的適応能力 の幅 を狭くし,第 工次は制 御 への能力 が限定 され ることになる。( とく にGrochla,a.a.O.,SS.8 ∼10 )17 )F.E.KastandJ.E.Rosenzweig,OrganizationandManagenient:ASys-ternsApproach,1974,p.104.18 )W.Fuchset.al. (hrsgs ),LexikonzurSoziologie,1973,S.219. 及び,平 几社 ,哲 学事典,昭和46 年,311 頁。 とくに19 世紀後半 から社会 学,人 類学の領 域 で語 られたことにっい て指摘 される。純粋 のものとか ,実体 や本質 を対 象とす るので なく て,現象の間 の関 係と機 能を主題 とする。19 )KastandRosenzweig,op.cit.,p.104. 次の著書が指示 されてい る。A,R.Radcliffe-Brown ,StructureandFunctioninPrimitiveSociety,1952. 及びB.Malinowski ,AScientificTheoryofCulture,1950.20 ) 以下 に関 して,Miinch ,a.a.o. ,ss.681 ∼684 から主と して引用 する。21 ) ミュソヒはこ れにっ いて動物 界の例 をあげてい る。 アカシ カの生存 条件のこと を考えると,広葉樹が それに応 じた外 界である。広葉樹 の生存条 件 を考えると, 広葉樹はシステ ムで あって , アカシ カは外 界の部分で ある。 これに関 して例えば,E.Mayr,AnimalSpeciesandEvolution,1963 をあげてい る。22 )M.H.Levenson ,HumanRelationships:AnIntroductiontoSociologicalConcepts,1974,p.15. この成員が一 定の地理的及び政治的限 界 を結合 するシス テムが,社 会とい われることも付 け加 えら れる。23 ) ミュソヒは これにっい て,とくに,T.Parsons (l961 ,1968)やM.Weber を あげてい る。 また社会的 システ ムと役割 の関係にっいて は例 えば,p.F.Secordandc.w.Backman ,SocialPsychology,1964,p.458. 「特別 の社会的役割 は, 他の社会的 役割 と の関 係を離 れて は考えられない。 あらゆる社会的 役割はそ れが 関係する他人 をもつ。 そ れと共 に,関連する社会的 役割 は,そ のなかで人 口が相 互作用 をなすシ ステ ムない しは構造 を形成 する。 その 上うなからみ合 っ た社会的 役割が普通 ,社 会心理学者 によって,社会的システ ムとい われる……」24 ) ミュソヒの例と しては,2 人 の当事者の間の交友関 係の社 会的シ ステ ムにっい てあげられる。 そ のシステ ムが存 在しなくなるのは次のと きであ る。一方 のパ ー トナ ーで退去 するとき,敵 意又 は無関心が生 じたと き,融合 関係が生 じ る と き (交流 がなくる),第3 のパ ートナ ーが取入 れられると き,あるい は ,上位秩序の クラブの一部 に過 ぎなく なると きに。 とくにMiinch ,a.a.O. ,SS.681 ∼683.25 ) ミュンヒの説明は更 に続 くのであ るが ,我 々の現在の関心の範 囲 を次第 に超 え るので,このあ たりで 中止 するけ れども,彼 はとく に,社会的シ ステ ムの生存 条 件にかんして, 次 の如 き質 問を提 出してい る。剛存 続う るた めには, 特定 の社会的 システ ムは如 何な る外 界条件 を前提 に するか。(2.1 )特 定の外界に直 面 して存 在 するためにはシ ステ ムは如 何なる条 件 を果 すべ きか。(2.2 )任意 の複雑 な外界に おい て存続 し うるために,社会的シ ステムは如何なる構 造標識 を所持 すべきか。 その 上うなシ ステムは,その場 合に同一性変化 を経験する ことなしに ,最 も変 化 能力 がなくてはな らない。(3)特 定 の外界におい て存 在する ために,社会的シ ステ
経 営的 組 織 とシ ス テ ム思考 朋 ム に と っ て 如 何 な る 同 一 性 変 化 が 必 要 な の か 。 古 い シ ス テ ム の 死 滅 に 続 く の が そ の と き , 新 し い シ ス テ ム の 復 活 で あ る 。 と く に シ ュ ダ ヒ は ,(2.2 ) の 質 問 に 答 え よ う と す る 。(Munch,a.a.O.,bes.S.684 ).26 )Miller,op.cit.,p ,344. こ こ で は , シ ス テ ム の 基 本 概 念 と し て , 空 間 ,時 間 。 物 質 , エ ネ ル ギ ー , 情 報 を あ げ て い る 。27 )E.F.HuseandJ.L.Bowditch ,BehaviorinOrganizations:ASystemsApproachtoManaging,1973,pp.30 ∼35.28 )E.Grochla,Systemtheoretisch-KybernetischeModellbildungbetrieblicherSystem,in:SystemtheorieundBetrieb,ZfbF ,Sonderheft3,1974,S.13.29 ) 我 々 は ,D.KatzandR.L.Kahn,TheSocialPsychologyofOrganizations1966 を 忘 れ る こ と は で き な い 。「 リ ビ ン グ ・ シ ス テ ム は , 生 物 学 的 有 機 体 で あ る う と , 社 会 的 組 織 で あ る う と , 正 確 に は , そ の外 的 環 境 に 依 存 す る , そ し て , そ う す れ ば オ ー プ ン ・ シ ス テ ム と し て み な さ れ ね ば な ら ない 。」 と く に,p.18. ま た , オ ー プ ン ・ シ ス テ ム の 理 論 は , 社 会 的 役 割 と 期 待 に か ん し て 「 合 意 の 原 則 」 を想 定 し て い ない の で , シ ス テ ム が 環 境 と 相 互 作 用 を す る も と し て , そ の 過 程 を強 調 し た の が 社 会 学 の 領 域 に 存 在 す る と い わ れ る 。E.HaasandT.E 。Drabek,ComplexOrganizationsiASociologicalPerspective,1973,pp.84 ∼85. な お , こ こ で は,W.Buckley,D.Thompson, 及 びp.R.LawrenceandJ.W.Lorsch の 名 前 と 著 書 名 も 示 さ れ て い る 。30 ) と く に,KatzandKahn,op.cit.,pp.30 ∼31. な お , オ ー プ ン ・ シ ス テ ム の 特 色 を8 ま で あ げ て 説 明 し て い る (pp.19 ∼26 )。31
)A.Rapoport,TheSearchforSimplicity,in:E.Laszlo (ed. ),TheRele-vanceofGeneralSystemsTheory:PapersPresentedtoLudwigvonBer ,talan
狂yonHisSeventiethBirthday,1972.pp.26 ∼28.32
)KatzandKahn ,op.cit.,p.47.33