<研究論文>わが国医療行政の方向性に関する基礎的
考察 : 平成9年度社会保険診療報酬改定も手掛かり
にして管理会計的側面から
著者
大坪 宏至
著者別名
Ohtsubo Hiroshi
雑誌名
経営論集
巻
46
ページ
17-43
発行年
1997-12-24
URL
http://id.nii.ac.jp/1060/00005636/
Creative Commons : 表示 - 非営利 - 改変禁止 http://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/3.0/deed.ja経 営 論 集 第46 号 (1997 年12 月 )
わ が 国 医 療 行 政 の 方 向 性 に 関 す る 基 礎 的 考 察
一
平成9 年度社会保険診療報酬改定も手掛かりにして管理会計的側面から
大 坪 宏 至 はじめ にI. 平 成9 年 度社 会保険 診療報 酬 改定1. 消費 税対応2. 情報提供n. 平均 在院 日数1. 入院時 医学管 理料2. 病 床利用 率 との関 連 お わり に 17 は じ め に 本年4 月 、 社会 保 険診 療 報 酬の改 定 が行 わ れた。 今 回 の改定 は 、表 向 きに は 消費 税 率 の変 更に 伴 うも のであ る とい わ れ るが 、 改定 内容を 見 る限 り、 消費 税率 ア ップだけ が理 由 では な い よ うであ る。 わが 国 の医療 費 は増 大 の一途を 辿 り、 特に 老 人医療 費 の増 大 は 今後 さら に 進む と 予 測 され るこ と か ら、 医療 行政 は 医療 費 を 何 とか抑 制し ようと 躍起 と なっ てい る。 今回 の改正 に も 、 医療 費 抑制 の態 度 は大い に 窺え る。 例 えば 、 入院 診療 計 画 加算 、 退 院指 導料 、 入 院時 医学管 理 料 とい っ た 項 目は、 早期 退院 を 促す こ とに よっ て、 少 しで も 医療費 を抑 制 し よ うと す る医療 行 政 の姿 勢 が明 ら かに現 れ てい る とい え よ うレ そ こで 、 わが 国医 療 行政 の 方 向 性を 探 るに は、 今 回の 改定 に 注 目す る こ とが有 効で あ ると 考え る。 本稿 で は 今回 の改 定を 手 掛 か りに し て、 医 療行 政 の方 向性を 探 るこ と とする。 診療 報 酬 の改定 とは。 点 数 を操作 す る こ とに よっ て、 各病 院を 医 療行 政 の方 向 性 に 沿 わせ ようと する 誘導 策で もあ る。 こ の 点数操 作 に よる誘 導策 に対 し て、 各 病 院は どの よ うに 応 じ てい っ たら よ い のであ ろ うか。 短 期 入 院患 者を対 象に した 急性 期 病床を 目指 す 場合 もあ れ ば、 病 床 利 用率 の 維持 に 努 め、長 期 入 院患 者を 対 象 にし た療 養型 病床 群 を 目指 す場 合 もあ ろ う。 そ うし た 病 院 の採 る べ き 対 策に つい て も、 あ る病 院 モデルを 設 定し て 検討 し、 若 干 の考 察を 加 え るこ と とす る。 なお 、 本稿 は東 洋 大 学特 別 個人 研 究の助 成を 受け てお り、 こ こ で感 謝申 し 上げ た い 。 本稿 はそ の 成果 の一 部で あ る。 /18 経 営 論 集 第46 号 (1997 年12 月 ) I. 平 成9 年 度 社 会 保 険 診 療 報 酬 改 定1. 消費 税 対応 今回 の 改定 は,1996年8 月10 日に 厚生 省か ら示 さ れた 「診療 報 酬に 関す る 主 な検討 項 目」1)が 「 診 療報 酬 改定 検 討項 目ベ メ モ」」2)とい う形 で集 約さ れて 点 数配 分 に 結び 付い てい る。 平 成9 年 度 の 改定 の目的 のひ とつ は, 消費 税 率 の3 % か ら5 % へ の変更 に対 応 し ようと する こ と で ある。 医療 サ ービ スの 提供 に よ り発生 す る費 用に 伴 う消費 税は ,患 者 が直 接 負担 す る もの では ない。 消 費 税分 は 診療 報 酬点 数 に繰 り込 まれ る ことに な る。 つ ま り, 消費 税 率が上 が っ た場 合 ,診療 報 酬点 数 に上 乗 せさ れ る とい うこ とであ る。 消費 税 引 き上げ へ の対応 を 明 確に す るた め, 消費 税 負担 が 大 きい と考 えら れ る項 目に代 表さ せて 点 数が 引 き上 げ ら れ てい る。 例 えば , 次 のよ うな項 目であ る。 入院 料 とし て は, 入院 環 境料 … … … …156,点→160点 老人 入 院環 境 料 … …156,1^→160点 入 院時 食 事療 養 費 関 係とし て は, 入 院時 食 事療 養 費 (1 ) … …1.900円→1,920 円 入 院時 食 事療 養 費 (n) … …1,500円→1,520円 老人 性 痴呆 疾 患 療 養病 棟 入 院料 とし ては , 老人 性 痴呆 疾 患 療 養病 棟 入 院料(A ) ……l,100,点→1,104点 ニ づ 老 人性 痴呆 疾 患 療 養病 棟 入 院料(B ) ……LOTO, な→1,074点 診 療所 老 人 医療 管 理料 に つい て は 診 療 所 老 人 医療 管 理料 (I ) … …1,090,点→1,094点 診療 所 老 人 医療 管 理料(I )‥…・655,1^→659 点 特定 入院 につ い て は, 特定 機能 病 院 入 院診 療料 ( 紹 介30% 以 上) … …900,^→1,050点 特定 機能 病 院 入 院診 療料 ( 紹介30 % 未満) … …45O,'i(→600 点 各種 療 養病 棟 入 院料 とし て , 精神 療 養病 棟 入 院料 (A ) … …1,065,点→1,069点 精神 療 養病 棟 入 院料 (B ) … …755,1^→759点 特殊 疾 患療 養 病 棟 入院 料(I ) … …l,900,点→1,904点 特殊 疾 患 療 養病 棟 入院 料(n ) … …l,soo,点,→1,504点
わが国医療 行政 の方 向性に 関す る基礎的 考察 19 老 人性 痴呆 疾 患治 療病棟 入 院料(3 月 未 満) … …1,270,1^→1,274点 老 人性 痴呆 疾 患治療 病棟 入 院料(3 月 以 上) … …1,170,点→1,174点 訪 問看 護 療 養費関 係 として は、 訪 問看 護 療 養費… …7,000円→7,050円 老 人 訪問 看 護療養 費 も同 様に50円 のア ップ3)。 診 療 所、100 床 未満病 院 の外来部 門に つ い ては 、 各 種指 導料 の引 き上げ で対 応 し てい る。 例え ば、 次 の ようで あ る。 診 療 所 の場 合、 特 定 疾患 療 養指 導料 … …20Qλ 老 人 慢性 疾 患生 活指 導料 ……210点.→212点100 床 未満 病院 の場 合、 犬 特定 疾患 療 養指 導料 ……135点 →137点 老人 慢性 疾 患 生活指 導料 ……135 な→137点 検 査に つい て は、 検査判 断料 の引 き上 げ で対 応 し てい る。 例 えば次 の ような項 目であ る。 生 化学 的検 査(I ) 判断 料… …110λ 検 査判 断料 は10点 の引 き上げ であ るが 、委 託 料 金及 び試 薬 料金 等 から考 えて 、 不 十分 で あ ると も い え よう4)。 病 院 ・診療 所等 の機能 や病 床規 模・診 療 科 の バ ラン スに配 慮 した 引 き上げ とし ては、 例 えば 次 の 項 目が あ る。 静 脈 内注 射 ……27,点→28点 マ ス クまた は気 管内挿 管に よる閉鎖循 環式 全 身麻 酔 ……5,500,蕪→5,800点 静 脈 内注 射 は1 点の 引 き上げ であ るが 、 閉鎖 循環 式 全身 麻 酔は300点 の引 き上 げ で 、 引 き 上げ 幅 に かな りの差 があ ると いえ る。 こ れら の改 定項 目か ら、 病院に つし て は 入院 環境 料 や 入院 時食 事療 養費 等を 消費 税と の関 連 が深 い項 目とし て 代表 させ 、適 当な点 数 がな い無 床 診療 所 等に つ い ては各 種指 導料 関 係 の項 目を 引 き上 げ 、検 査に つい ては 検 査判断 料を 引 き上げ 、老 人 保 健施 設6)や訪 問 看護 の療 養費を 上げ る等 し て、消 費 税 の対応 とし てい るこ とが わか る。 十 と ころ で、 薬価に つ いて は医療 費 ベ ー スで1.27% 、特 定保 険 医療 材料 価格 は0.05% とそ れぞ れ引 き下げ ら れて い る(合 計 で1.'i'y% の引 き下 げ)。 こ れら 引 き下げ 分 と改定 率 とを 比 較 し た の が 表I −1 であ る。 ニ
20 経 営 論 集 第46 号 (1997 年12 月 ) 表I −197 年診 療 報酬 ・薬価等 改定 率の内 訳(医 療費ベ ース) 診療 報酬 薬 価 医療 材料価 格特 定保険 計 消費 税率 引き上げ に よる負担 増 の補填 分 0.32% 0.40% 0.05% 0.77% 診療 報酬 合理化 のた めの引 き上げ 分 0.93% - - 0.93% 薬価 ・材 料価 格基準引 き下げ 分 - −1.27% −0.05% −1.32% 計 名 目改定率)1.25%( −0.87% 0.00% 0.38%( 実 質改定 率*) *た だ し 消 費 税 率 引 き 上 げ へ の 対 応 分 の0.77 % は 、 医 療 機 関 の 負 担 増 を 補 填 し た だ け の も の で あ り 、 医 療 機 関 の 実 収 入 ベ ー ス で は −0.39 % (0.93 % −1.32 % ) と な る 。 資 料 出 所 : 風 間浩 稿 「 消 費 税 が ら み の97 年 改 定 の 意 味 入 院 時 医 学 管 理 料 の 読 み 方 、 外 総 診 の 行 方 」、 『 日経 ヘ ル ス ケ ア 』、 日 経BP 社 、1997 年4 月 、37 頁 。 消費 税 率引 き上げ に よる負担 増 の補 填 分は0.77%、 そ れに 診 療 報 酬 合 理 化 の た め の 引 き 上げ 分0.93 % を 加え る と1.70%に な る。 そ こ か ら 薬 価 ・ 材 料 価 格 基 準 の引 き 下 げ 分 の1.32 % を 引 く と0.38 % の改定 率 とい うこ とにな る。 し か し、0.77% は消費 税 負担 の補 填分 であ り、実 収 入 が増 え る 訳 で はな い とす れば、 診療 報酬 合 理化 の た めの引 き 上げ 分0.93% と薬 価・ 材料 価 格 基 準引 き下げ 分1.32 % との 比較に より改定 率を みるべ き とす る主 張 も成 り立 つ か もし れな い 。 そ の 場 合 、 前 者 の0.93 % は後 者 の1.32% の70.45%に し か 相当 し ない た め6)、 実質 −0.39% とい う マ イ ナス の 改定率 に な って し ま うのであ る。 した が って、消費 税率 引 き上げ に 対す る今回 の 改定に 対 して は、「実質 サイ ナス 改定 で あ り、かつ 消費 税 分 も帳 消しに な るた め、 医療 機 関 の経 済は 大変 な こと にな るこ とが予 想 さ れ る。」7)とい っ た 否 定 的 な評 価 が出 され てい る8)。 一 方 で、「1989年 に比 べ ると 改善 の跡 は み ら れる」9)とい づた、一 定 の評価 も示 され て い る10)。日本 医師 会 常任 理 事 の菅 谷 忍氏 は 「診療 報 酬 で の対応 に は限 界 があ り、今後 仮に 税 が引 き 上げ ら れる こ と があ った ら、 税 体系 全体 の中 で別 の対 応を 考 えなけ れば なら ない。]11)とさ れ てい る。 今 回 の 改定に ょ り、 医療 現場 の 事務 処 理 は より繁 雑に な ってい る のが実 情 の よ うで あ る12) 2 .情報 提 供 / 患 者 に対 す る医 療情 報 の提供 は 、 今後 一 層求 めら れ る よ うに なる と思 わ れる。 そ こで 、今 回 の改 定に お い て、 情 報提供 に 関す る取 り組 み方 を ま とめて み るこ ととす る。 ま ず、 薬 剤に 関す る情 報提 供を 促 そ うとし た のが薬 剤 情報提 供料 であ る。 こ れは 薬剤 情報 提供 加 算 (1 ヵ 月5 点) に 代わ っ 七新 設 され 、1 ヵ月7 点( 処 方瀋変 更 後はそ の都度 ) と さ れてい る。 そ の主 な変 更 点は 、説 明す べ き項 目に 副 作用 ・ 相 互作用 が 加 わっ たこ とであ る。 し た が って 、 薬剤 の
わ が国医療 行政 の方 向性に 関す る基礎的考察 21 名 称 、用 法 、 用量、 効 能、 効果、 副作 用 、 相互 作用 に 関す る 主な 情報 を、 文書 に よっ て患 者に 提 供 し た と きに 算 定さ れる も のであ る。 また、 複 数受 診に よる重 複投薬 の チ ェ ッ ク等 を 目的 と した 改定 とし て は、薬 剤服 用 歴 管理 指 導料( 処 方 簾受 付1 回に つ き) が30点 から32 点に 、 重 複投 薬 ・相 互作 用防 止 加算 が35点 から40点 に 引 き 上 げ ら れて い る。 犬 老 人 の場 合 、健康 手 帳を 活用 すれ ば13)、 老 人薬 剤 情 報 提 供 料 を 月1 回、12 点 算 定 で き る こ と に な った( 処 方 の変 更 があ った場 合に はそ の都度)。 健 康 手帳 に記 入 しな い ときは7 点 の算 定 で あ る。 薬 剤 情報 提 供料 に関 し ては、「こ こ まで 詳細 に わ たる説 明 が患 者に と って 本当 に 必 要 な こ と な の か」14)とい った、 この項 目 の有効性 を疑 問 視 す る主 張や 、「電 算化 さ れてい な い病 院 で は 、 困 難 な 作 業 を 伴 う」I5)措置 で あ り、「手間に 比 べて 点数 が低い 」16)とい っ た事務 手 続 の繁 雑さを 危惧 す る 主 張 も あ る。 し かし 、 病院に よって は既に 薬 袋 の裏 面に 薬 剤 情報を 印字 して い ると ころ も あ る17) 十 薬 剤情 報 の提 供は 患者 に とって は望 ま しい ことで あ ろ う。 ただ し注 意 しなけ れ ば な ら ない こ とは、 薬 剤 が抗 癌 剤等 の場 合、 告知 の問題 に も な る とい う こと であ る。 特に 、 健康 手帳 に 薬 剤 名を 記 載す る 老 人薬 剤情 報 提供 料 の場 合には、 十 分 な 配慮 が なさ れ なけ れば なら ない で あろ う。 ま た、 文 書に よる 説 明 も、 で き るだけ 患 者 が理 解し 易 い ように な され なけ れば なら ない。 細 か い 文 字 で項 目を 列 記 さ れた だけ では、 医 師だけ が理 解で き る 情報 で あ って、 患 者に と って はあ ま り役 立 た ない ものに な っ てし ま う。 こ うし た点 に十分 注 意さ れ るな ら ば、 薬 剤情 報は 患者 に とっ て有 効 な も のに な る可 能 性 が あろ う。 薬 剤 情報 の 次に 、情 報提 供に 関す る項 目とし て は 、入 院診 療 計 画加算 と退 院 指 導 料 があ る。 入 院 診 療 計 画加 算 は入 院治 療計 画 加算 が名称 変 更 さ れ、 患者 へ の説 明 内容 が より多 く な っ た点 と 、計 画 は 医 師 だけ で 策定 せず に看 護婦 等 と協力 し て 策定 す る こ とに な っ た点 が変 更 内容 で あ る18ソ 点 数 は200 点 から350 点に 大幅 に(75 %) ア ップ し て い る。 退 院 指導 料 は退 院時 指 導料 が変 更さ れ た も ので、 こ れ も160点 から300点 へ 大幅 に ア ップし た。 変 更点 は 、 入院 診療 計 画加 算 と同様に 、 計 画 の作 成 は医 師、 看 護婦 等 の協力 に よりな さ れ る とい うこ と と、 文 書で の説 明を す る こと、 さら に、 退 院 後 必要 に な るサ ービ スを示 す こ とで あ る19)。 患 者 に と って は、 入院 して から ど の よ うな診 療 がな さ れ るの か、退 院 して か ら ど こで ど んな サ ー ビ スを受 け ら れ る のか等 を知 るこ と がで き、 入院 診療 計 画及 び 退院 指導 は 情報 提供 とし て役 立 つ も のに な ろ う。 同 時に 、計 画作 成 が医 師だけ で なく 看護 婦 等 も協 力し て行 わ れ るこ と に なれ ば、 医 療 担当 者 の コ ミュ ニケ ーシ ョンを図 る場 とし て も活 用 さ れる こと にな ろ う。 また 、 場 合に よっ ては 、 メ デ ィ カル ・ ソ ーシ ャル ワ ーカー(MSW) 等 の コ ーデ ィネ ータ ーが重 要 な役 割 を 果 たす こ とに な る の か もし れな い。
22 経 営 論 集 第46 号(1997 年12 月 ) 薬 剤 、 入 ・ 退 院 以 外 の 情 報 提 供 と し 七 は 、 輸 血 に 関 し て も 文 書 で 患 者 に 説 明 す る こ と に な った2Oj。 こ の 要 件 を 満 た し た 場 合 に 輸 血 料 の 算 定 が で き る≒ 患 者 へ の 説 明 文 書 は 、 現 段 階 で は 個 々 の 病 院 で 独 自 に 作 成 す る こ と に な ろ う22)。 診 療 情 報 提 供 料(D) が500 点 で 新 設 さ れ た が 、 こ れ も 情 報 提 供 の 項 目 と い え る か も し れ な い ふ特 定 機 能 病 院 か ら 診 療 所 ま た ぱ200 床 未 満 の 病 院 に 診 療 情 報 を 提 供 し た 場 合 に 算 定 で き る も の で あ り、 紹 介 さ れ た 患 者 を 紹 介 元 へ 戻 す 逆 紹 介 が 少 な い こ と か ら の 新 設 で あ る と い え よ う23)。 以 上 、 平 成9 年 度 の 改 定 に み ら れ る 情 報 提 供 に 関 す る 取 り 組 み を ま と め て き た が 、 情 報 提 供 と は 患 者 に 説 明 を す る と い う こ と で 、 で き れ ば 納 得 し て も ら う こ と も 必 要 で あ る。 こ う し た 試 み は 、 欧 米 で 進 ん で い る24)イ ン フ ォご ム ド ・ コ ン セ ン ト25)を わ が 国 の 医 療 に 適 し た 形 で28)進 め よ う と す る も の と 解 さ れ る 。 そ の 場 合 、 患 者 が 必 要 と す る 情 報 は 何 な の か 、 患 者 が 理 解 し 易 い 説 明 方 法 と は ど の よ う な も の な の か 等 に つ い て 、 十 分 な 検 討 が な さ れ る べ き で あ る。 今 回 の 改 定 に み ら れ る 情 報 提 供 に 関 す る 項 目は 、 わ が 国 の イ ソ フ ォ ー ム ド ・ コ ン セ ン ト の あ り 方 を 探 る た め の 出 発 点 で あ り、 今 後 さ ら に 新 設・ 改 定 が な さ れ る べ き で あ る 。。 十 n. 平 均 在 院 日 数1. 入 院時 医 学管 理料 平成9 年 度 の 改定 で平 均 在 院 日数 に直 接関 連し てい る項 目は 入 院時医 学 管 理料 で あ る。 まず 、改 定 の中 で 入 院時医 学管 理 料 が ど の よ うに 扱 わ れてい る か みて みる こ とに す る。 一 般 病棟27)の入 院時医 学 管 理料 は 、平 均 在 院 日数に 応 じて 評価 さ れてお り、 平均 在 院 日 数30 日 で 大 き く2 分さ れ てい る。 始 めに 平 均 在 院日 数 が30日以 内 の病 院 に つ い て 整 理 す る( 表n −1 を 参 照。)。 表n −1 平 均 在 院 日 数 が30 日 以 内 の 病 院 ( 一 般 病 棟 )〈 入 院 時 医 学 管 理 料 〉 旧 新 新( 注) 2 週以 内2 週∼1 ヵ 月1 ヵ月 ∼2 ヵ月2 ヵ月 ∼3 ヵ月3 ヵ月 ∼6 ヵ月6 ヵ月 ∼1 年1 年J. 年6 ヵ月1 年6 ヵ月 以 上 571 370 258 231 157 121 101 98 595( 十24)390 ( 十20)220 ( −38)220 ( 一山140 ( づ7 )121 (O )101 (O )98 (O ) 750( 十179)39022022014012110198 ( 注 ) 平 均 在 院 日 数 が20 日 以 内 で か つ 紹 介 料 が30 % 以 上 の と き 算 定 資 料 出 所 : 松 尾 茂 稿 [ 平 成9 年 診 療 報 酬 を 考 え る ]、『病 院 賃 金 労 務 事 情 』、Nal42 、 産 労 総 合 研 究 所 、1997 年4 月5 日、50 頁 。
わが国 医療行政 の方向 性に関す る基礎的 考察 23 患 者 入院期 間が2 週 以 内で は、571点 か ら595点 に24点 の ア ップ が示 さ れ、紹 介 率 が30% 以 上 のと きに は750点 (179点 の アップ) と大 き く引 き 上げ ら れて い る。2 週 間を超 え て レ (20点 ア ップ) とな ってお り、2 週 間 以 内 より は引 き上げ 幅 が小さ い が、 ここ まで は点 数 を引 き上 げ てい る。 と ころ が、 レ2 ヵ 月 を超 え て3 ヵ月 まで も同 じく220点(11点 ダ ウン)、3 ヵ月 を 超え て6 ヵ月 ま では140 点(17点 ダ ウ ン) で 、 引き下 げ 幅に差 はあ る も のの、 ここ まで は引 き下 げら れてい る。6 ヵ月 を超 え て1 年 ま で は121点、1 年 を超 えて1 年6 ヵ 月 まで は101点 、1 年6 ヵ月 以上 は98点 とな って お り、 これら は変 わっ てい ない。 ニ ‥ 平均 在 院 日数 が30日以 内の病 院で は、 患 者を 早 く退 院 さ せれ ばさ せ る程 、 高い 点数 が 請求 で き る 仕 組 みに な ってい る こ とがわ かる。 次 に、平 均 在 院日 数が30 日超 の病 院に つ い て み るこ とと す る(表n −2 を 参照c)。 表u −2 旧 新 2 週以 内2 週∼1 ヵ月1 ヵ月∼2 ヵ月2 ヵ月∼3 ヵ月3 ヵ月 ∼6 ヵ月6 ヵ月 ∼1 年1 年 ∼1 年6 ヵ月1 年6 ヵ月 以上 571 370 258 231 157 121 101 98 510( −61) `417( 十47)284 ( 十28)240 ( 十9 )175 ( 十18)121 (0 )101 (O )98 (O ) 資 料 出 所 : 松 尾 茂 稿F 平 成9 年 診 療 報 酬 を 考 え る 」、『 病 院 賃 金 労 務 事 情 』、Nal42 、 産 労 総 合 研 究 所 、1997 年4 月5 日 、51 頁 。 入 院期 間 が2 週 以 内 の場合 は510点(61点 ダ ウン)で、同 じ2 週以 内で も平均 在 院 日数 が30 日以 内 の 病 院(595 点) に比 べ て、85点 もの差 が 出 てし ま う ことに な る。2 週を 超 えて1 ヵ月 ま では417 点 (47 点 ア ップ)、1 ヵ 月を 超 えて2 ヵ月 まで は284点 (28点 ア ップ)、2 ヵ月を 超 え て3 ヵ月 ま で は240 点(9 点 ア ップ )、3 ヵ月を 超え て6 ヵ 月 まで は175点(18点 ア ップ )と、そ れぞ れ 引 き上げ ら れ て お り、 平均 在院 日数 が30日以 内の病 院 と の格 差 が大 きい の は2 ヵ月を 超え て3 ヵ月 の場 合 で、 そ の差 は64点 で あ る。6 ヵ 月 を超え て から は 、平 均在 院 日数 が30 日以内 と30日超 の 病院 と で変 わ りは な い 。 入 院 期間 が2 週以 内 の場 合 の点 数引 き上げ は、1994年に24 点、96年に26点 とこ れ まで も行 わ れて きた 。 こ れ まで の引 き上げ と違 う のは、 平 均 在院 日数 を30日 で区 切 ってい る こと で あ り、 急性 病院 と慢 性 病院 との 区分を 促し てい る ことで あ る。
24 経 営 論 集 第46 号 (1997 年12 月 ) 老人 入 院時 医学管 理 料につ い て は6 ヵ月 を 超え て から 若干 の違い は あ るも の の6 ヵ月 まで は同一 の改定 に なう てい る( 表 Ⅱ−3 を 参照 。)。 表n −3 老 人 入 院 医 学 管 理 料 の 見 直 し ( 一 般 病 棟 に 入 院 し て い る 患 者 の場 合 ) ( 現 行 ) ( 改 正 後 ) 入 院期 間 点 数 ∼2 週以 内 571 2 週 ∼1 月 370 1 月 ∼2 月 258 2 月 ∼3 月 231 3 月 ∼6 月 157 6 月∼1 年 115 1 年∼1 年6 月 90 1 年6 月超 80 → 医療機 関の平均 在 院日数 30日 以内* 30日 以内 30日 超 750 595 510 390 390 417 220 220 284 220 220 240 140 140 175 115 115 115 90 90 90 80 80 80 * 紹介 料30% 以上 の医 療機 関の み 資 料 出所: 『 日経 ヘル ス ケア』、 日経BP 社、1997年4 月 、44頁 。 こ こ で , 患 者 の 入 院 期 間 に よ っ て , 改 定 前 と 改 定 後 の 入 院 時 医 学 管 理 料 の 累 計 点 数 が ど の よ うに 変 化 す る の か 求 め て み る。 /a. 入 院 期 間 が33 日 の場 合 改 定 前:14,800 点28) 十 改 定 後 ( 平 均 在 院 日数30 日 超 ):14,797 点29)b. 入 院 期 間 が34 日 の 場 合 改 定 前:15,058 点30) 改 定 後 (平 均 在 院 日 数30 日 超 ):15,081 点31) ■c. 入 院 期 間 が48 日 の 場 合 改 定 前:18,670 点32) 改 定 後 ( 平 均 在 院 日数30 日 以 内 ):18,700 点33)・ ■d. 入 院 期 間 が49 日 の 場 合 改 定 前:18,928 点34) 改 定 後 (平 均 在 院 日 数30 日 以 内 ):18,920 点35)
わ が国医 療行政 の方向性 に関す る基礎的考察 25 e. 入 院 期 間 が42 日 の 場 合 改 定 後 ( 平 均 在 院 日 数30 日 超 ):17,353 点38) 改 定 後 ( 平 均 在 院 日 数30 日 以 内):17,380 点37)f. 入 院 期 間 が43 日 の 場 合 改 定 後 ( 平 均 在 院 日 数30 日 超 ):17,637 点38) 改 定 後 ( 平 均 在 院 日数30 日 以 内 ):17,600 点39)a 、b よ り 、入 院 期 間 が33 日 ま で は 改 定 前 の 方 が 改 定 後( 平 均 在 院 日 数30 日 超 ) よ り も 高 い 入 院 時 医 学 管 理 料 を 請 求 で き る が 、34日 を 過 ぎ る と 逆 転 す る こ と が わ か る 。し た が っ て 、平 均 在 院 日 数30 日 超 の 病 院 で は 少 な く と も34 日 以 上 の 入 院 患 者 で な け れ ば 料 金 ア ッ プ に は な ら な い と い う こ と で あ る 。c 、d よ り、 入 院 期 間 が48 日 ま で は 改 定 後 ( 平 均 在 院 日 数30 日 以 内) の 方 が 改 定 前 よ り も 高 い 点 数 に な る が 、49 日 に な る と 改 定 前 の 方 が 高 い 点 数 に な っ て し ま う こ と が わ か る 。 つ ま り 、 平 均 在 院 日万数 が30 日 以 内 の 病 院 で は 、 少 な く と も48 日 以 内 の 入 院 患 者 で な け れ ば 料 金 ア ヅ プ は 望 め な い と い う こ と で あ る。 \ へe 、f よ り 、 入 院 期 間 が42 日 ま で の 患 者 は 平 均 在 院 日 数 が30 日 以 内 の 病 院 で 受 け 入 れ た 方 が 高 い 点 数 に な り、43 日 以 上 の 患 者 に つ い て は 平 均 在 院 日 数 が30 日 超 の 病 院 の 方 が 高 い 点 数 に な る と い う こ と が わ か る 。 入 院 時 医 学 管 理 料 の 累 計 点 数 を 改 定 前 と 比 べ 、 増 減 率 を 求 め て み る と 、 平 均 在 院 日 数 が30 日 以 内 の 病 院 で は 、 入 院 期 間2 週 ま で は 増 加 率4.20 % で一 定 で あ る が 、2 週 を 超 え る と 漸 増 し て31 日 で4.73 % と 最 高 に な り 、 以 降 漸 減 す る こ と に な る 。49 日 に な る と マ イ ナ ス に な る こ と は 前 述 し た 。 平 均 在 院 日数 が30 日 超 の 病 院 で は 、 入 院 期 間2 週 ま で は −10.7 % で 一 定 で あ る が √2 週 を 超 え る と 漸 増 し 、34 日 以 降 プ ラ ス に 転 じ る こ と に な る40)。 2. 病床 利 用率 との 関連 二 十 病 院機 能評 価 の指標 とし て は、 従来 か ら病 床 利 用率 が重 視 さ れて きた とい え る。 とこ ろ が、 最近 で は こ れに代 わっ て平 均 在 院日数 が 注 目さ れ る よ うに な っ てき た。この指 標 は次 式 で 求 めら れ る瓢 平 均 在 院 日数 病床 数 ×病床 利 用 率×30 日1 ヵ月 の新 規 入 院患 者数 (1) 式 か ら 、(2) 式 が 成 り 立 つ 。
讐琵1ビ 献賢 四 季3O¨
……(1) 式 ‥…(2) 式26 経 営 論 集 第46 号 (1997 年12 月 ) こ こで、 厚 生統 計協 会 の調査 に よる病 床 利用 率42)及 び平 均 在 院日数43)に 基づ い て 、(2)式 を 用 い て 必 要新 患 者数 を 求め て み る( 表U −4 を 参 照。)。 表n −4 病 床 規模 病 床利 用 率 平均 在院 日数 必要新 患者 数 175床 82.6% 45.0日 97人 250 83.2 38.3 163 350 83.6 29.6 297 450 85.2 26.9 428 550 84.1 27.4 506 一 般病床175 床 の病 院 で は、 病床 利 用 率 が82.6% であ り、45.0 日の平 均 在 院 日 数 を 達 成 す る た め に は、97 人 の新 規入 院患 者 が 必要 に な る。ス カ月 の新 規 入院患 者 数は 目 標平均 在 院 日数に 対 する 必 要 新 患者 数 とい うこ と がで き る。 目標 平 均 在 院 日数を30 日に設 定 す れば 、必要 新患 者 数 は145 人 と なる (175床 ×0.826×30 日÷30 日=145 人)。七 た が って、 あ と48人 の新 規 入院 患 者 が必 要 とい うこ とに な る(145 人−97人 =48人 )。 犬 同 様に 、250床 の病 院が平 均 在院 日数 を あ と8.3 日縮 めて30日に す る ために は 、必 要 新患 者 数は208 人 とな り、新 た に45人 の新 規 入 院患 者 の増 加を 図 ら なけ れば なら ない こ とに な る。 こ こ で、あ る 病院 モ デル を 考え てみ たい 。 〈 病 院モデ ル1 〉 病 院名 :x 病 院。 尚 病 床 :一 般 病床125 床。 病床 利 用 率:80.0 %。 患 者 構成 : 入院 期間 別に 患 者数 の割 合を 示 す と次 の よ うで あ る。2 週 間以 内 は30%。2 週 から1 ヵ 月 が20 %。 ニ1 ヵ月 超 から2 ヵ月 が30%。2 ヵ月 超 か ら3 ヵ月 が10%。3 ヵ月 超 か ら6 ヵ月 が10%。6 ヵ月 超 の 入 院患 者 はい ない 。 入院 期間 別 の患 者数 の割 合及 び1 ヵ 月 の新 規 入 院患 者数を 示 し だの が表n −5 で あ る。
わ が 国 医 療 行 政 の方 向 性 に 関 す る 基 礎 的 考 察 表n −5 入院期 間 患者数 割合 入棟 者数 新 規入 院患者 数 2 週以 内 30% 30人 60人 2 週超 ∼1 ヵ月 20 20 20 1 ヵ月 超∼2 ヵ月 30 30 0 2 ヵ月 超∼3 ヵ月 10 10 0 3 ヵ月 超∼6 ヵ月 10 10 0 現 在、新 規 入 院 患者 は80人 であ る。 し た がっ 七、平 均 在院 日 数は、 125×0.80×3080 =37 5 日 27 で あ る。 目 標平均 在 院日 数を30 日 と設定 す ると、 あ と7.5 日め短 縮 が必 要で あ り、そ の た め の 必 要 新 患 者 数 は、 し 125×0.80×3030 =100 人 で あ る。 ▽ つ ま り、 現 在 の新 規 入院 患者数を あ と20人増 加 させ るこ とを 考 えなけ ればな らな い。 そ の ため の 対 策 とし て 、 次 の4 案を 検 討する こ ととす る。 し 対 策A: 入 院期 聞 か2 週を 超え て1 力片 まで の患 者に つい て、20人を2 週以 内に 移 行す る よ うに 入 院 期間 の短 縮を 図る。 そ の結 果、2 週 以 内 の新 規入 院患 者数を100 人 に す る こ と に な り、平 均 在 院 日数 は30日に なる。 ト 、 対 策B: 入 院 期間 が1 ヵ 月超か ら2 ヵ 月 ま で の患 者に つい て、 入院 期 間の短 縮に 努 め、20人を2 週 超1 ヵ 月 ま でに 移行 す る。 そ うする こ とで、2 週超! 力月 の新規 患者 は40人 に な り、2 週 以 内と 合 わせ て100人 の新 患者 が獲 得 で きる。◇ 対 策C:< 入 院 期 間 の短 縮を 図る よりは、2 ヵ 月を 超 え る患 者20人を 他 の医療 機 関 に移し √そ の分 を2 週超 か ら1 ヵ月 の患者20人 の獲得に 当 て るこ と で、新 規 患者 数1)0 人を 目指 す。 対 策D :対 策A は患 者 の疾 患の特性 から 考 えて非 常 に 難し い。 むし ろ 対策B の方 が達 成可 能 な努 力 で あ る。し か し、対 策B だけ では 新 規入 院患 者100人 の達成 は不 確実 な た め、同 時に 対 策C も 行 うべ きで ある。 ‥ い
28 経 営 論 集 第46 号 (1997 年12 月 ) 以上 の よ うな4 つ め対 策案 を 挙げ て みたが、 こ のモデ ルを できる だけ 単純 に する た め、 あえ て疾 患 の詳細 な 区分 や地 域医 療環 境等 は考 慮し ない こ ととす る。 こ こで 、実 行可 能性 の よ り高い と思 われ る対 策B 、c 、D の3 つ の案 につ い て、入 院 時医 学管 理料 を 算定 し て みる こ とにす る。 算定 点数 は3 つ の案 が 予定 通 りに 実行 さ れた と仮定 し て の もので あ る。x 病 院 の平 均在 院 日数は20 日以 内で はない し 、 紹介 率")も30%以 上で は ない ため( 紹 介 率 の 条 件 を つ け たこ と には 厚生 省 の意 図が感 じら れる)≪)、 平 均 在院 日数30 日以 内 の点数 で 算定 する 。ま た、対 策 実 施前 と の比較 検討 のた め、 現在 の点 数は平 均 在院 日数30 日超 で算定 す る( 表n −6 を 参照。)。 表 Ⅱ−61 ヵ 月間(30日 で計 算)の 入院 時医 学管理 料(点 数) 入院期 間 実施前 対策B 対 策C 対 策D 2 週以 内 459,000 535,500 535,500 535,500 2 週超∼i ヵ月 250,200 468,000 468,000 702,000 1 ヵ月 超∼2 ヵ月 255,600 66,000 198,000 66,000 2 ヵ月 超∼3 ヵ月 72,000 66,000 0 0 3 ヵ月 超∼6 ヵ月 52,500 42,000 0 0 合計 1,089,300 1,177,500 1,201,500 1,303,500 対 策を 実 施す る 前 の入院 時 医学管 理 料は 、1,089,300点 とな る46)。 そ れぞ れの 合計 は表n −6 の通 りであ る。こ のこ とから 、対 策D が 予定 通 り実 行で き れば 、実施 前に 比べ て214,200点 の 引 き上げ に な り、 格差 は最 も大 きくな る6 次は 対 策C で、 実 施前 に 比 べて112,200点 の引 き上 げ 、 対 策B で は88,200 点 の上昇 とい うこ とに なる。 対 策B は 患者 に と って も望 ましい こ とで あ り、 各病 院 で の一層 の 努力を 期待 し たい もので ある。 対 策C は 紹 介患 者を 絞 り込 ん だ り、 患 者 の移動 先 の確保 ・整 備を 進 める等 の努力 が 必要 であ る。 そ の場 合、 在 院 日数短 縮 のた め とはい っ て も患者 が 放 り出 さ れる よ うなこ とがあ って はな らな いし 、 移動 先に つ い ては患 者 の希 望 も十 分に 聞い て、 患 者 の納得 が得ら れる よ うに 患 者や家 族 の 意思 も尊 重 す べ きで あ るJ 対 策D は 病 院に とっ ては 、4 つ の中 で は最 も点数 の 高く なる 対策‥とい え よう。 こ れら の対 策 に似 た取 り組 みは、 既に い くつ か の病 院 で みら れる47)。 十 十 ここ で、 病 院 モデル1 のX 病院 と同 規 模で、1 ヵ月 の新 規入 院患 者数 尤同 じ であ るY 病 院 モデ ル を 考 えて みたい 。 十 ト 犬 ニ ダ 〈病 院 右デ ル2 〉 十 二 二 ニ 』 病 床 : 一般 病床125 床。
わが国医療 行政 の方 向性に関 する基礎 的考察 29 病床 利 用率:60.0 %。 患 者 構成: 入 院期 間 の別に より√ 患 者数 の割 合を 示 す と次 の ようであ る 。2 週 間以 内 は33% の25人。2 週か ら1 ヵ月 は67% の50人。Y 病 院の1 ヵ月 の入院時 医学管 理 料は 、l,03L250 点 で ある:48)こ れを モデ ル1 のX 病 院 の対 策B 、C 、D の場 合 と比べ て み たい 。X 病院 の対 策B をXB 、対 策C をXC 、対 策D をXD とそ れぞ れ略 称し 、入 院時 医 学管 理 料を求 め( 表H −6 を 参照 。)、Y 病 院 と の格差 が ど の程 度 で あ るかを ま と めた のが表n −7 であ る。 表H −7 1 ヵ月 (30日) の入 院 時医学 管理 料( 点数) Y 病院 との差 Y 1,031,250 点 XB 1,177,500 146,250
xc
1,201,500 170,250 XD 1,303,500 272,250 x 病 院 の入 院患 者数100 人 とY 病 院 の 入院 患者 数75人 の差 は医 業 収益 の差 とし て 現 れ る 。 そ の 医 業 収益 の差 に最 も 大 きく作 用 する の は入 院時 医 学管 理料 で ある。x 病 院 とY 病 院 は ともに2:1 看 護料 を算 定 し てい る こと とす る と、x 病 院 の必 要 看 護婦 数 は50 人 、一 方、Y 病 院 の必 要看 護 婦数 は38人 であ る。x 病 院 とY 病 院 の費 用に おい て最 も大 き な差 が現 れる のは看 護 婦 の人件 費 であ る。 人 件費 の差 とは 、x 病 院 の12人 分 の人件 費 合 計を 意味 す る。 こ の 人 件費 合 計 と表n −7 に示 し たY 病 院 と の入 院時 医学 管 理料 の差を 比較し て みれ ば 、 どち ら の病 院 の方 が より高い 利 益を 得 てい るかが わ かる。 つ 例えば 、x 病 院 の看 護 婦1 人当 り平 均人 件費 が226,875円 よりも 高け れば 、Y 病 院 はx 病 院 が 対 策B 、c 、D のい ず れを 実 行し てい る 場 合 より も高い 収 益を 得 てい る ことに な る。 あ るい は 、平 均 人件 費が226,875円 よ りも低 く、かつ 、141,875円 よ りも高い 場 合に は、Y 病 院 の収 益 は 、x 病 院が 対 策D を 実行 し た場 合 よ りは 低く なる が、 対 策B 、 もし く はc を 実 行し た 場 合 よ りは 高 くな る。x 、Y 病 院 モデル は、 単 純 化さ れて い る ため 、実 際に は さら に 複雑 な計 算 に な る が、 基本 的 には 以上 の よ うな比較 が可能 で あ る。 し た が っ て、x 病 院 の病床 利 用率80% と平 均 在 院 日数30 日、Y 病 院 の病床 利 用率60% と平 均 在 院日 数22.5日 とい っ た指 標を 、そ れぞ れ単純 に 比較 す るだけ で は 病院 の 経営 状況を 判 断す る こ とは 難し くな う てい る とい え よう49)。30 経 営 論 集 第46 号(1997 年12 月 ) お わ り に 平 成9 年 度 社会 保 険診 療 報 酬 改定 に おい ては 、 消費税 対応 とし てい くつ か の 項 目を 代 表さ せて引 き 上げ ら れて い る。 し かし 、 こう し た 対応 では 不十 分 であ る とし て、 日本 精 神 病 院協 会 会長 の河崎 茂 氏は 、[今 回 の改 定は 我 々民 間精神 病 院に とっ ては、全 く不 本 意 な もの とい わざ るを え ない。]50)と 主 張し てい る。 河 崎茂 氏 は、日本 精 神病 院協 会 の要 望書51)、及 び七 者懇 談 会0 要望 書52)が 今回 の改定 には 反 映 され てい ない こ とか ら も否 定的 な 評価 を示 して い る。 精神 科 診療 報 酬 に関 す る 検討は別 の 機会 に 譲 るこ とと す る。 し し 今回 の 改定 では 情報 提 供 に 関す る 箇所 がい くつ かみら れ た。そ れら につ い て も本 稿 七 は整理 検討 し てき たつ も りで あ る。 医 療に おけ る 情報 提供 は今 後一 層 求め ら れ るこ とに な ろ う が、 レセプ ト の 開示 に は205 円ル ールS3)が あ る等 、患 者に とって は 未だ各 種 の障 害 が多 数残 さ れ てい る。 イ ソフ ォー ムド ≒コンセ ント を 重視 し な がら 、 わ が国 独 自の情 報提 供 のあ り方 を 探 って い く こと が必 要であ り、 診療 報 酬制 度 と も関 連 させ な がら 、 継 続的に 検 討 され るこ と が望 まれ る。 入院 時医 学管 理 料 は、 わ が 国 の医療 行 政 の方 向性 を 明確に 示 した もの とい え よう。 こ の改定に よ り、 病 院 の機能 分 化に 拍 車 が か か る可能 性 が大 きい とい え よう。 入 院 時医 学 管 理料 が平 均 在院 日数 と 密接 に 関連し て い る こ とか ら √平均 在院 日数 は今 後一 層 注 目され る指標 と な って くる。 各病 院は 平均 在 院 日数を 意 識 し なが ら、 同 時 に病 床利 用 率に も配 慮 しな がら 、 進む べ き 方 向を探 るこ とに な るノ また、 患者 の 疾患 別 の 分 析 も重要 とな って く る。 つ ま り、 脳血 管 障害 等 め 長期 入院 患 者 の割合 が どの 程度 か とい っ た、 疾 患 の別 、 入 院期 間 の別に よる患者 構成 に つい て の 認 識 がな さ れなけ れば なら な い。 病院 の 取 り組 み 方 とし て、 本 稿 では モデ ルを 設定 し て若 干 の考 察を 行 った。 わ が 国医 療行 政 は急 性 期 病床 と 療 養型 病床 の2 極 分化 の 流れ で動 きつ つ あ る とい え る。 そ の場合、 医療 サ ービス を 受け ら れ な い患 者 が 出て く る こと があ っては な ら な い し 、 患 者 の 行 き場 が な い と い うこ とに な って は なら な い54)。 そ の ため に も患者 の受 け 皿 の整備 を 重 視し た 医療 行 政 で な け れ ば なら ず、 単 に医 療 費抑 制 の た めだけ の政 策 であ っ てはな らな い 。 し た が っ て 、 常 に 患 者 のQOL(qualityoflife) を 考 えて い かな け れ ばな らな い ので あっ て、QOL 研 究 も 望 ま れ る と こ ろ で あ る。
わが国医 療行政 の方 向性に関 する基礎的 考察 〈 注〉 一1 ) 診療 報酬 に関 す る主 な検 討項 目とは、以 下の7 項 目であ る。 診療 報酬に関 する主 な 検討項 目 1 。診 療 報 酬 体 系 の あ り 方 (1) 支 払 方 式 ( 出 来 高 払 い 、 包 括 払 い 、 総 額 請 負 払 い 等 ) (2) 物 と 技 術 の 分 離 ( ド ク タ ー ・ フ ォ ー と ホ ス ピ タ ル ・ フ ィ ー、 運 営 費 用 と 資 本 的 費 用 の 区 分 等 ) 2. 医 療 技 術 の 適 正 な 評 価(1) 医 療 技 術 の 適 正 な 評 価 (2) 遠 隔 地 診 断 等 新 た な 技術 の 評 価 3 。保 険 給 付 の 範 囲 と 診 療 報 酬 の あ り 方 (1) 給 付 の 重 点 化 ( 軽 医 療 や ホ ス ピ タ ル ・ フ ィ ー の 給 付 除 外 等 ) (2) 混 合 診 療 と 特 定 療 養 費 4 。医 療 提供 体制 と診療 報酬のあ り方 5 。 薬 価 制 度 のあ り 方 (1) 薬 価 差 の 解 消 ( 薬 価 基 準 制 度 の 廃 止 、 参 照 価 格 制 の 導 入 等 ) (2) 薬 価 算 定 方 式 の 見 直 し と 透 明化 6 。診 療 報酬等 の合 理化 ・適正化 尚 (1) 社 会的 入院の 解消 (2) 薬 剤使用 の 適正化 (3) 検 査・ 画像診 断 の適正化 (4) 重 複受 診 の抑 制 (5) そ の他 (特定 医療 保険材 料価格 の適 正化、 レ セプト のあ り方 等) 7 。 そ の 他 (1) 終 末 期 医 療 等 の あ り方 (2) 医 療 情 報 の 提 供 の 充 実 (3) 医 薬 分 業 の 推 進 (4) 審 査 ・ 指 導 監 査 の 充 実 強 化 31 資 料 出 所 : 松 尾 茂 稿 「 平 成9 年 診 療 報 酬 改 定 を 考 え る 」、『 病 院 賃 金 労 務 事 情 』、Nal42 、 産 労 総 合 研 究 所 、1997 年4 月5 日 、56 頁 。
32 経 営 論 集 第46 号 (1997 年12 月 ) 2) 診療 報酬改 定検討 項 目( メ モ) では 、 消費税 引 き上げ への対 応及 び診療報 酬の合 理 化へ の対 応とい う2 つ の項 目に 分け て、 次の よ うに まとめ ら れてい る。 犬 診 療報 酬改定 検討 項目( メモ) 平 成8 年12 月 の「 中 医 協 意 見 取 り ま と め 」に 基 づ き 、本 年4 月1 日 に 以 下 の 診 療 報 酬 改 定 を 実 施 す る 。 1. 消費 税引 き上げ への対応 ○ 指 導料等 ○ 入 院環境料 、入 院時食 事療 養費 ○ そ の他 ・検査、 注射 、処置 、麻 酔、 放射線 治療 、菌 科補綴 、調 剤等 ・老人保 健施設 療養費 等 2 。 診 療 報 酬 の 合 理 化 へ の 対 応 (1) 医 療り 質 の 向 上 と 効 率 化 を 図 る た め の 事 項 ① 長 期 入 院 の是 正 と急 性 期 入 院 医 療 の 充 実 ○ 診 療 計 画 に 基 づ く 早 期 退 院 へ の 取 組 み 体 制 の 充 実 ○ 平 均 在 院 日 数 に 着 目し た 入 院 時 医 学 管 理 料 の 体 系 化 ○ 急 性 期 入 院 に お け る 手 術 、 麻 酔 等 の 評 価 ○ 医 療 法 標 準 人 員 に 満 た な い 医 療 機 関 の 適 正 化 ○ 老 人 そ の 他 看 護 の 人 員 配 置 基 準 の 見 直 し ○ 療 養 型 病 床 群 へ の 転 換 の推 進 ② 医 療 の効 率 化 に 向 け た 医 療 技 術 等 の 評 価 ○ 処 方 ・ 調 剤 の 技 術 の評 価 ○ 薬 歴 管 理 等 の 評 価 ○ 検 査 の 適 正 化 ○ 有 床 義 歯 に 係 る 技 術 の 評 価 ○ 特 定 機 能 病 院 か ら の 情 報 提 供 の評 価 。 ○ 小 児 う 触 患 者 の 継 続 管 理 の 評 価 ( 特 定 療 養 費 制 度 の 活 用 等 ) (2) 緊 急 に 対 応 を 図 る べ き 事 項 ○ エ イ ズ 医 療 対 策 等 の 推 進 (3) そ の 他 ○ 国 立 病 院 等 に お け る 入 院 医 療 定 額 払 い 方 式 の 試 行 ○ 点 数 表 の 簡 素 合 理 化 資 料 出 所 : 松 尾 茂 稿 「 平 成9 年 診 療 報 酬 改 定 を 考 え る 、」、『 病 院 賃 金 労 務 事 情 』、Nal42 、 産 労 総 合 研 究 所 、1997 年4 月5 日、56 頁 。 し し・。
わが国医療 行政 の方 向性に関 す る基礎的 考察 33 3) 老 人 訪 問 看 護 療 養 費 に つ い ては ,1 ヵ 月 に つ き 何 日 か に よ っ て , 以 下 の よ うに そ れ ぞ れ50 円 引 き 上 げ ら れ て い る 。1 日 の 場 合・・… …・・‥7,000 円→7,050 円2 日 の 場 合 … … … …9,900 円→9,950 円 犬3 日 の 場 合 …・・… ……12,800 円→12,850 円 +4 日 の 場 合 … … … …15,700 円 →15,750 円 し5 日 の場 合 … …18,600 円 →18,650 円6 日 の 場 合 … … … …21,500 円 →21,550 円7 日 の場 合・・… … ……24,400 円 →24,450 円 丿8 日 の 場 合 … … … …27,30〔〕円 →27,350 円 :9 日 の場 合 … … … …30,200 円 →30,250 円 \10 日 の場 合 … … … …33,100 円 →33,150 円11 日 の 場 合 … … ‥・・・■36,000円-*36,050 円12 日 以 上 の 場 合 … …38,900 円 →38,950 円 \ \4 ) 以 下 の 項 目 で も10 点 の 引 き上 げ で あ る。 基 本 的 検 体 検 査 判 断 料 (O … … …450 点 →460 点 し 基 本 的 検 体 検 査 判 断 料 (n) …… ……350 点 →360 点5 ) 老 人 保 健 施 設 療 養 費 に 関 し て は , 基 本 施 設 療 養 費 (l ヵ 月 に つ き ) が 次 の よ う に 引 き 上 げ ら れ て い る 。 入 所 者 基 本 施 設 療 養 費 (I )6 ヵ 月 以 内 … … … …・■■264,810円 →265,620 円6 ヵ 月mi 年 以 内 … …254,820 円- ≫255,630円1 年 超 …‥… … … … ……248,000 円 →245,610 円 入 所 者 基 本 施 設 療 養 費 (H )6 ヵ 月 以 内 … … … ……・・279,630円 →280,440 円6 ヵ 月 超1 年 以 内 … …265,650 円 →266,460 円 /1 年 超 … … … …‥・251,670円 →252,480 円6 ) 「通 常 の 改 定 セ は , 薬 価 等 の引 き 下 げ に よ っ て 浮 い た 財 源 は す べ て 診 療 報 酬 引 き上 げ の 原 資 に な る 。 だ が 今 改 定 で は 医 療 保 険 改 革 で 薬 剤 問 題 が や り 玉 に 挙 か っ て い る こ と も 影 響 し , 約7 割 (0.93 % ) し か 戻 っ て こ な か っ た 。」( 風 間 浩 稿 「 消費 税 が ら み の97 年 改 定 の 意 味 入 院 時 医 学 管 理 料 の 読 み方 , 外 総 診 の 行 方 」, 『 日 経 ヘ ル ス ケ ア 』, 日 経BP 社 ,1997 年4 月 ,37 頁 。) … …7 ) 松 尾 茂 , 前 掲 稿 ,48 頁 。8 ) 否 定 的 な 評 価 と し て は , 例 え ば 次 の よ う な 指 摘 も あ る 。 「 と て も 消 費 税2% ア ッ プ 分 を カ バ ーで き る とは 考 え 難 い 。・…… … …( 中 略 )… … … …補 填 率 は あ ま り に も 少 な い 。損 税 の 幅 が ま す ま す 拡 大 し 病 院 経 営 を 圧 迫 す る こ と は 明 白 で あ る 。八 梅 津 勝男 ,神 尾 友 和 稿「 経 営 の 視 点 か ら み た 改 定 の 問 題 点 」,『 病 院 賃 金 労 務 事 情 』,No.144、 産 労 総 合 研 究 所 ,1997 年5 月5 日 ,14 頁 。)9 ) 「日 本 医 療 法 人 協 会 に よ る 試 算 で は ,今 回 の税 率 引 き 上 げ の 補 填 に 必 要 な 財 源 は0.43 % 。0.1 ポ イ ン ト の 誤 差 が あ る も の の , 会 長 の 神尾 友 和 氏 は 『89 年 に 比 べ る と 改 善 の 跡 は み ら れ る 』 と 一 定 の 評 価 を す る 」 ( 風 間 浩 , 前 掲 稿 ,38 頁 。)
34 経営論集 第46号(1997 年12月) 1 〔〕) 例え ば、 次 の ような指 摘もあ る。 「消費 税 に関 して は、89年導 入時 に十 分な対 応 がな さ れなか った ため、 中間 事業 者 であ る医 療機 関に“ 損 税 ”が発 生す る とい う問題 があっ た。 今回は そ の反 省を 踏ま えて 、あ る 程 度 厳 密に 転 嫁 さ れ た よ うだ 。」 (風 間浩 、 前掲稿 、38頁 。)11 ) 同上。 ∧12 ) 「今 回 の改定 の趣 旨は 、消費 税率 が3 % か ら5 % に変 更 する に伴い 、薬 価、 給食料 等 の税負 担 分の点数 へ の取 り込 みが主た る もの である が、こ の薬 価へ の振 替 分と、薬 価 改定を 同時 に行 うため 、現 場で は大変 な 混 乱状 態に なっ でい るの が実情 である。」( 松尾 茂、 前 掲稿、48頁。)13) 健 康手 帳に は薬 の名称 を記 載し、 名称 、用 法、用 量 、 効能、 効果 、 副作用、 相互作 用に 関す る主 な情 報を 文 書に よって患 者に 提供し なけ ればな らない 。 十14 ) 梅 津勝 男、 神尾友 和 、前 掲稿、!6頁。15 ) 同 上。16 )武 田京 子 稿「患 者 への情 報提供 料の 算定法 薬 袋 の裏 面に 薬の説 明を 記載す る診 療所 も」、寸日経 ヘル 不 ケ ア』、 日経BP 社 、1997年6 月、64頁 。 つ17 ) 例え ば、 奈良 市の中 谷皮 膚科( 西 田秀 造院 長) で は、 使用 薬剤180種類 の説 明文 を作成 し 、96年11 月以来 、 薬袋 に印 字し てい る(同 上。)。 そ の薬袋は 次 の ような もの であ る、 IC 外 用 薬 扉 守 れ ぎ / & 麗坐 薬 うがい薬 目 薬 点 鼻 藁 ト D - チ { のま ず tこなめ て( ださ`リ 一日 回 部位 うらt* ずお 鸚みT5l> 資 料出 所 :武 田京 子稿 「患 者 への情 報提供 料 の算 定法 薬袋 の裏 面に薬 の説 明を 記載す る診 療所 も」、 『 日経 ヘルス ケ ア』 日経BP 社 、1997年6 月 、64頁 。 18 )1997 年3 月 ま で の 入 院 治 療 計 画 加 算 で は 、「病 名 、推 定 さ れ る 入 院 期 間 」に 関 し て 文 書 で 患 者 に 説 明 す る こ と に な っ て い た 。4 月 か ら の 入 院 診 療 計 画 加 算 で は 、「 医 師 、看 護 婦 等 が 協 力 し て 」診 療 計 画 を 作 成 し 、病 名 、 入 院 期 間 、「 症 状 、 検 査 内 容 、 手 術 内 容 等 」 に 関 し て 文 書 で 患 者 に 説 明 す る こ と に な っ た の で あ る。
わ か 国 医 療 行 政 の 方 向 性 に 関 す る 基 礎 的 考 察 35 19) 退 院 時 指 導 料 で は「退 院 後 の 療 養 上 の指 導 」を 行 え ば よ か っ た が 、退 院 指 導 料 で は「退 院 後 必 要 と な る 保 健 医 療 サ ー ビ ス ま た は 福 祉 サ ービ ス等 退 院 後 の ヶ ア 計 画を 作 成 七 、 文 書 で 患 者 に 説 明 」 し な け れ ば な ら な く な っ た 。た だ し 、入 院 期 間 が1 ヵ 月 を 超 え る 患 者 に 限 っ てい る 点 は 、ど ち ら も 同 じ で あ り 変 更 さ れ て い な い 。20 ) 輸 血 を 行 う 際 に 、 そ の 必 要 性 、 輸 血 量 、 輸 血 方 法 、 副 作 用 、H 工V 感 染 等 の 危 険 性 、 輸 血 終了 後2 ヵ 月 目 にHIV 抗 体 検 査 を 実 施 す る こ と等 、 文 書 で 患 者 に 説 明 し なけ れ ば な ら な い 。21) 輸 血 に 関 す る 点 数 は 次 の よ うで あ る 。 自家 採 血 輸 血 (200mZ 毎 )550 点 →700 点 保 存 血 液 輸 血momi 毎 )250 点 →400 点 自 己 血 輸 血 (200mZ 毎 ) 液 状 保 存 の 場 合 … … …600 点 →900 点 冷 凍 保 存 の 場 合 … … …!,200 点→!,800 点 交 換 輸 血 (1 回 に つ き ) … … …5,000,ほ→5,150 点22 ) 例 え ば 、 神 戸 市 の 新 須 磨 病 院 ( 沢 田 勝 寛 院 長 ) で は 次 の よ うな 文 書 を 作 成 し て い る 。 新 須 磨 病 院 が 作 成 し た 輸 血 同 意 書j 原 本 → カ ル テ 貼 付 輸 血 同 意 書 年 月 日 主 治 医 輸 血 の 必 要 性 □ 貧 血 を 治 す た め □ 手 術 で の多 量 の 出 血 に 対 処 す る た め □ 予 想 以 上 の 出 血 で 輸 血 を す る と き も あ り ます 輸 血 方 法 及 び 予 定 さ れ る 輸 血 量 等 □ 濃 厚 赤 血 球 口 新 鮮 凍 結 血 漿 口 保 存 血 □ そ の 他 輸 血 に 関 連 す る 検 査 等 血 液 型 : 不 規 則 抗 体 : 無 有 起 こ り う る 副作 用 等 そ の 他 留 意 点 感 染 症 に つ い て :D 日 赤 血 液 セ ン タ ー で 管 理 さ れ た 血 液を 使 用 し て い ます 。2 )B 型 肝 炎 ・c 型 肝 炎 ・ エ イ ズ ・ 梅 毒 の 検 査 か 行 わ れ 、 陽 性 の 血 液 は除 外 さ れ て い ま す。( た だ し、 感 染 早 期 の 場 合 、 検 査 で 分 か ら な い と き が あ り ま す )3 ) 輸 血 し て 約2 ヵ 月 後 の エ イ ズ 検 査 は 保 険 適 用 で す。 ア レ ル ギ ー反 応:1 ) じ ん ま し ん 、 発 赤 が で る こ と が あ り ま す 。2 ) 重 篤 な 反 応 と し てGVHD ( 移 植 片 対 宿 主 病 )があ り ま す。 輸 血 さ れ た 血 液 中 の リ ン パ 球 が 体 組 織を 攻 撃 し 、 発 症 す る と95 % は 致 死 的 な 経 過 を た ど り ま す 。 年 間 お よそ100 万 人 が 輸 血 を 受 け 、 そ の う ち10 人 程 度 の 発 症 が あ り ま す。 私 は 、 現 在 の 疾 病 の 診 療 に 関 し て 、 上 記 の 説 明 を 受 け 、 十 分 に 理 解 し た 上 で 輸 血 を 受 け る こ と に 同 意 し まし た 。 ( 患 者 氏 名 ) 印 ( 家 族 等 氏 名 ) 印 ( 患 者 と の 続 柄 : ) ※ 患 者 の 署 名 が あ る 場 合 に は 家 族 等 の 署 名 は 不 要 ( 特 定 医 療 法 人 ) 慈 恵 会 新 須 磨 病 院 資 料 出 所 : 武 田 京 子 、 前 掲 稿 、67 頁
36 経 営 論 集 第46 号 (1997 年12 月 ) 23) 診 療 情 報 提 供 料 (D ) が500 点 で あ る の に 対 し て 、診 療 情 報 提 供 料(A) は200 点(150 点 か ら50 点 ア ッ プ で あ る 。 こ れ は 病 院 か ら 病 院 へ の診 療 情 報 提 供 に つ い て で あ る 。)、 診 療 情 報 提 供 料 (B ) は270 点 (220 点 か ら50 点 め ア ップ で あ る。 こ れ は 病 院 か ら診 療 所 、診 療 所 か ら 病 院 の 場 合 で あ るい で あ る 。こ れ ら の点 数 の 差 か ら 、 大 病 院 志 向 を で き る だ け 抑 え て 、 診 療 所 を 活 用 し て も ら お う と す る 意 図 か 現 れ て い る と い え よ う。24 ) イ ソ フ ォ ー ム ド・コ ン セ ン ト の 考 え 方 は 、1947 年 の ニ ュ ー ル ン ベ ル ク綱 領 、1964年 の ヘ ル シ ン キ 宣 言 、1973 年 の 患 者 の 権 利 章 典 、1981 年 の リ ス ボ ン 宣 言 の そ れ ぞ れ に 述 べ ら れ て い る 。 ア メ リ カ で は 医 療 訴 訟 の 賠 償 額 の 増 加 も あ っ て 、 医 師 の 説 明義 務 が 求 め ら れ て い る 状 況 に あ り 、 監 視 制 度 も運 営 さ れ て い るレ25 ) イ ソ フ ォ ー ム ド ・ コ ン セ ン ト に は 種 々 の 訳 語 が あ り 、 こ こ で は こ の ま ま の用 語 を 用 い た 。1995 年6 月22 日 に 、「元 気 の 出 る イ ソ フ ォ ー ム ド ・ コ ン セ ン ト を 目 指 し て 」 と い う 報 告 書 を 、「 イ ン フ ォ ―ム ド ・ コ ソ セ ン ト の 在 り方 に 関 す る 検 討 会 」( 柳 田 邦 男 氏 を 座 長 と す る15 名 の メ ン バ ー に よ り 、1993 年 か ら12 回 の 検 討 を 重 ね て い る 。) が 厚 生 省 健 康 政 策 局 長 に 提 出 し て い る 。そ の 報 告 書 に お い て も、訳 語 で は な く イ ソ フ ォ ー ム ド ・ コ ン セ ン ト の 用 語 が 使 わ れ て い る 。 ト ニ レ26 ) わ が 国 で は 患 者 と 同 様 、 家 族 も 重 視 す る 傾 向 か あ り 、 欧 米 と は 異 な る 状 況 が あ る。 〉 「わ が 国 で は 以 前 か ら 、 患 者 は と も か く と し て 家 族 に 対 す る イ ン フ ォ ー ム ド ・ コ ン セ ン ト は よ く 行 わ れ て い た と も い え る。 … … ( 中 略 ) … … 欧 米 流 に い う と イ ソ フ ォ ー ムド ・ コ ン セ ント の 基 本 は 患 者 本 人 の 問 題 で 、 家 族 は い わ ば 他 人 で あ っ て 、 本 人 の許 可 な く 家 族 に 患 者 の 秘 密 を 漏 ら す こ と は 犯 罪 的 行 為 と も い え る 。 し か し 、 わ が 国 の 実 状 で は な お 家 族 の 存 在 が 大 き く 、 こ の 点 も 欧 米 諸 国 と 極 め て 異 な っ た 状 況 で あ る 。」 ( 森 岡 恭 彦 稿 「 日 本 式 イ ソ フ ォ ー ム ド ・ コ ン セ ン ト の 課 題 」、『 医 療'96 』、Vol.12 、Na2 、 メ ヂ カ ル フ レ ソ ド 社 、1996 年2 月 、32 頁 。) ト27 )1989 年 か ら96 年 ま で の 入 院 時 医 学 管 理 料 は 以 下 の よ うに 改 定 さ れ て き た 。 一 般 病 棟 入 院 時 医 学 管 理 料 ( 円 / 日) 入 院期間 8 年 6 年 4 年 2 年 元年 増 加額 1 週 間以 内2 週 間以 内2 週 間 超1 月 以 内1 月 超2 月 以内2 月 超3 月 以内3 月 超6 月 以内6 月 超1 年 以内1 年超1 年6 月 内1 年6 月 超 5,710 5,710 3,700 2,580 2,310 1,570 1,210 1,010 980 5,450 5,450 3,550 2,500 2,260 1,550 1,210 1,010 980 5,210 5,210 3,310 2,350 2,220 .1,510 1,170 980 960 4,540 4,400 2,880 2,100 L980 1,440 1,150 970 950 4,400 4,300 2,800 2,050 1,950 1,400 1,150 970 950 1,310 1,410 900 530 360 170 60 40 30 注 : 平 成 元 年 度 、2 年 度 及 び4 年 度 に つ いて は 甲 表 に よ り 作 成 し た 。 資 料 出 所 : 竹 下 昌 三 稿 「診 療 報 酬 と 厚 生 省 の 医 療 行 政 」、『 岡 山 商 大 論 叢 』、 第33 巻 、 第1 号 、 岡 山 商 科 大 学 学 会 、1997 年5 月 、6 頁 。 28) 入院 期間2 週 まで の合計 は、571 点×14 日=7,994点4 とな る。‥…・a15 日目か ら31日 目まで の合計は 、
わが国医療 行政の方 向性 に関す る基礎的 考察 370 点 ×17 日 =6,290 点 、 と な る。一……b32 日 目 と33 日 目 の 合 計 は 、 \258 点 +258 点 =516 点 、 と な る 。 … …c し た が っ て 、a 十b 十c =14,800 点29 ) 入 院 期 間2 週 ま で の合 計 は 、 ダ510 点 ×14 日 =7,140 点 … … … … …… ■d15 日 目 か ら31 日 目 ま で の合 計 は 、417 点 ×17 日 =7,089 点 … … …… … …e32 日 目 と33 日 目 の 合 計 は 、 284点 +284 点 =568 点 f 37 d 十e 十f よ り ,!4,79? 点 とな る 。 。 。。30)14 日 目 ま で の 合 計 は28) のa よ り7,994 点 ,15 日 目 か ら31 日 目 まで の 合 計 は28) のb よ り6,290 点 と な り,32 、33 、34 日 目 の 合 計 は ,258 点 ×3 日 =774 点 と な る 。 し た が っ て ,7,994 十6,290 +774=15,058 点 と な る 。31)14 日 目 ま で の 合 計 は29) のd よ り7,140 点 ,15 日 目 か ら31 日 目 ま で の 合 計 は29) のe よ り7,089 点 ,32 日 目 か ら34 日 目 ま で の合 計 は ,284 点 ×3 日 =852 点 と な る 。 し た が っ て ,7,140 十7,089 +852=15,081 点 と な る 。32)14 日 目ま で の合 計は28) のa よ り7,994点 ,15 日 目か ら31 日 目 ま で の合 計 は28) のb よ り6,290点 ,32 日目 か ら48 日 目 まで の合 計 は ,258点 ×17 日=4,386 点 と な る。 し た が う て ,7,994 十6,290 十4,386=18,670 点 と な る 。33)14 日 目 ま で の 合 計 は , ■ ■■ ■■■ ■595 点xl4 日 =8,330 点 … … … …g15 日 目 か ら31 日 目 ま で の 合 計 は , 390点 ×17日=6,630点 220 点×17 日=3,740点 h ・ 1 32 日 目 か ら48 日 目 ま で の 合 計 は、 し た が っ て ,S 十h 十i =18,700 点 と な る。: ■ ■ ■ ■34)14 日 目 ま で の合 計は28) のa より7,994点 ,15 回目 から31 日 目ま で の 合 計は ,28) のb より6,290 点 ,32 日 目 か ら49 日 目 ま で の合 計 は ,258点 ×18 日=4,644 点 と な る。 し た が って ,7,994 十6,290 十4,644=18,928 点 とな る。35)14 日 目 ま で の合 計 は33) のg よ り8,330点 ,15 日 目 か ら31 日 目 まで の合 計 ぱ33) のh よ り6,630点 ,32 日 目か ら49 日 目ま で の 合 計は ,220 点 ×18 日=3,960点 とな る 。 し た が っ て ,8,330 十6,630 十3,960=18,920 点 と な る 。36)14 日 目 ま で の合 計 は29) のd よ り7,140 点 ,15 日 目 か ら31 日 目 ま で の 合 計 は29) のe よ り ,7,089 点 と な り ,32 日 目 か ら42 日 目 ま で の 合 計 は ,284 点 ×11 日 =3,124 点 と な る 。 し た が っ て ,7,140 十7,089 十3,124 ニ17,353 点 と な る 。37)14 日 目 ま で の合 計 は,33) のg より8,330点 ,15 日 目 から31 日 目 まで の 合 計 は33) のh よ り6,630点 ,32 日 目か ら42 日 目 ま で の合 計は ,220 点xn 日=2,420 点 とな る 。 し た が っ て,8,330 十6,630 十2,420=17,380 点 と な る 。38)14 日 目 ま で の 合計 は ,29) のd より7,140 点>15 日 目 か ら31 日 目 ま で の合 計 は ,29) のe よ り7,089 点 ,32日 目 か ら43 日 目 ま で の合 計 は,284 点 ×12 日=3,408 点 と な る。 し た が って ,7,140 +7.089 十3,408=17,637 点 と な る 。39)14 日 目ま で の 合 計は ,33) のg より8,330 点 ,15 回目 から31 日 目 ま で の合 計 は33) のh より6,630 点 ,32 日 目か ら43 日 目 まで の合 計は ,220点 ×12 日=2,640 点 と な る。 し た がっ て ,8,330 十6,630 十2,640=17,600 点 と な る。40) 改 定 前 を 基 準に し た 場 合 , 入 院 医 学 管 理 料 の累 計 の 増 減 率 は 次 の よ う に な る 。
38 5% 0% -5 % −10 % 経 営 論 集 第46 号 (1997 年12 月 ) 改定 前 を基準と し た「 累計」 入院時 医学管 理 料(一 般病棟) の増 減率 平 均在 院 日数30日以 内 (20以 内 かつ 紹介 率30% 以上 を除 く) 資 料 出 所 : 風 間 浩 、 前 掲 稿 、38 頁 。 41) この式 はヴ 般病棟 だけ の病院 の概 算式 であ り、 他に 病棟 があ る場合 は次式を 用い る ことに な る。 42 ) 平 均 在 院 日数 = a +b +c-d a : 当 該 病 棟 に お け るS ヵ 月 の 在 院 患 者 延 べ 日 数b: 当 該3 ヵ 月 の 間 に 新 た に 当 該 病 棟 に 入 棟 し た 患 者 に つ い て 、 当 該 病 院 に 入 院 し た 日を 初 日 と す る 他 の 病 棟 に お け る 在 院 日 数 が あ る 場 合 は 、 そ の 延 べ 日数c : 当 該3 ヵ 月 の 間 に 当 該 病 棟 か ら 他 の 病 棟 に 移 動 し た 患 者 が あ る 場 合 に 、 そ の 患 者 数d : ( 当 該病 棟 に おけ る当 該3 ヵ 月 間 の新 入 棟 患 者 数 十当該 病棟 に おけ る当 該3 ヵ 月 間 の新 退 棟 患 者 数 )÷2 風 間 浩 稿 「病 院 の 命 運 を 握 る 平 均 在 院 日 数 」、『 日 経 ヘ ル ス ケ ア 』、 日 経BP 社 、1997 年7 月 、14 頁 。 ( %) 平 成6 年年 間 病床利 用率 一 般病 床 療 養型病床 群 総数20 ∼29 床30 ∼3940 ∼4950 ∼99100 ∼149150 ∼199200 ∼299300 ∼399400 ∼499500 ∼599600 ∼699700 ∼799800 ∼899900 ∼ 床以 上 81.7 52.8 64.6 71.8 78.2 80.9 82.6 83.2 83.6 85.2 84.1 83.4 87.0 84.5 81.1 92.6 92.2 109.5 85.8 84.2 112.8 95.4 86.8 132.5 109.4 資 料 出 所 : 『 平 成6 年 医 療 施 設 調 査 病 院 報 告 』、 厚 生 統 計 協 会 、1996 年5 月 、374 頁 。
43 ) わが 国医療 行政 の方向 性に関す る基礎的考察 一 般病床 の病床 規 模別に 見た平均 在院 日数 一 般病 床 療 養型病床 群 療 養 型病床 群 総 数1 ∼49 床50 ∼99100 ∼149150 ∼199200 ∼299300 ∼399400 ∼499500 ∼599600 ∼699700 ∼799800 ∼899900 ∼ 床以上 34.6 29.1 41.6 45.1 45.0 38.3 29.6 26.9 27.4 25.6 29.3 28.8 30.1 35.1 29.7 41.7 45.1 45.5 38.6 30.3 27.6 27.8 26.4 29.9 29.8 30.8 △0.5 △0.6 △0.1 0.0 △O 。5 △0.3 △0.7 △0.7 △0.4 △0.8 △0.6 △1.0 △0.7 資 料 出 所 : 『 平 成6 年 医 療 施 設 調 査 病 院 報 告 』、 厚 生 統 計 協 会 、1996 年5 月 、272 頁 。 44) 紹 介 率 は 次 の よ う に 計 算 さ れ る 。 紹 介 率 = A +B 十C-B +D 39 A: 紹介患 者数B: 他の病 院 または 診療 所に紹 介し た患者 の数C : 救急用 自動 車に よ って搬入 され た患者 の数jD: 初診 の患者 の数 松尾 茂、前 掲稿、53頁 。 つ45 ) 平均 在院日 数20日以 内 の点数に 紹介 率30% の条 件を つけ た 理由に つい て、厚 生省保 険 局医 療課 長の 今田寛 睦氏 は次の ように 述 べ てい る。 「急 性期医 療に的 確 に対 応する 病院 は、た だ単 に在 院日数 が短け ればい い とい うも のでは な く、そ の機能 を 『地域 の医療 機関 と め連 携』 の中 で とらえ るべ きだとい う考 えだ。 紹介率 に よっ て、 それを 評価 したつ も りだ。] 「イン タビ ュー」、『日経 ヘ ルス ケア』、 日 経BP 社、1997年4 月、39頁。46 ) 次式 よ り求 めら れる √ づ510 点×30人×30 日=459,000点417 点×20人×30 日=250,200点284 点×30人×30 日=255,600点240 点×10人×30 日=72,000 点175 点×10人×30 日=52,500 点 こ れらの合 計が1,089,300点であ る。47 ) 例え ば、群馬県 の 宏愛 会 ・篠原病 院( 篠原 宏康 院長、123床)では、1997年5 月に 宏愛 会 第二 リ ハビリテ ー
40 経 営 論 集 第46 号 (1997 年12 月 ) シa ン病院を 開設し 、既 にあ る老 人保健 施設宏愛 苑 とと もに 、維 持期 に入 った患 者を 篠原 病 院から移す こ と で、 在 院日数 短縮 に取 り組 んで いる( 下図を 参照。)/‥ ‥‥ ‥ ‥‥ 篠原 病院 にお ける リハビ リテ ーションの 機 能分担 のイ メージ
吟
沸 機 能: 病 院 な ど⑤
篠 原病 院 I 急 性 期 `、 ’ ヽ、∼ 回 復 期 .jl ヵ 月 目 安≠
⑤
宏 愛 会 第 二 リ ハビ リ テ ー ション 病 院 ( 回 復 期 ∼ 維 持 期) へt‘ |∼ .”“ 老 人保 健 施設 宏 愛 苑 ▽( 維 持期 中心)千
千
資料 出所 : 『日経 ヘル 不ケ ア』、 日経BP 社、1997年7 月 、19頁 。 また、広 島県 の紅 十字 会 ・総 合病 院三 愛( 楢崎幹 雄院 長、200床)では 、ホ ー ムヘ ル パ ―付き のケ アハウス 等に長 期入 院患 者を 移し 、救急 機 能の強化を 図ろ うとしてい る( 下図を 参照よ グ 総 合 病院三 愛の機 能強化 の イメー ジ 丿愉
総 合 病 院 三 愛 ホー ムワ ークヘ ルパ ー常 駐 型 ケ アハウ ス 資料 出所 :『 日経ヘ ル スケ ア』、 日経BP 社、1997年7 月 、21頁 。ニ ノ また、 仙台市 の宮 城厚 生 協会 ・泉病 院(今 田隆一 院長 、99床) では、 紹介患 者 の絞 り込 みに も取 り組 んで い る ようであ る。 とれら の病院 の取 り組 みに つい ては 、『日経 ヘル ス ケア』、 日経BP 社 、1997年7 月、18∼22頁を 参 照され た し。48 ) (595点 ×25人×30 日) 十(390点×50人×30 日)=l,031,250点 、 となる。49 ) 平均 在院 日数 、病床 利 用率 、並 びに 必要 看護婦 数 の関 係は、 次 図の モデル から も理解 さ れ よう。入 院 月200人 退 院 月200人 わが国 医療行政 の方向性 に関す る基 礎的 考察 平 均 在 院 日 数 と 病 床 利 用 率 、 必 要 看 護 婦 数 の 関 係 A 病 院 (200 床 ) 入 院 月200 人 退 院 月200 人 B 病 院 (200 床 ) 病床利用率60 % 看護婦60 人 (2 :1 ) 平 均 在 院 日 数30 日 平 均 在 院 日 数18 日 月200人の入 院患 者 がある200床の 病 院を仮 定す る。 病床利 用率100% のA 病 院は平 均 在 院 日数 が30日、60 % のB 病 院 は18日 にな る。2 :1 看護 料 を算 定し てい る 場合 の 必 要 看 護婦 数はA 病 院 が100人、B 病 院が60人 と なる。 ㎜㎜ ■■ 41 資 料 出 所 : 『 日 経 ヘ ル ス ケ ア 』、 日 経BP 社 、1997 年7 月 、15 頁 。50 ) 河 崎 茂 稿 「 積 み残 し た 精 神 科 診療 報 酬 の 適 正 評 価 を 問 う」、『 病 院 賃 金 労 務 事 情 』、Nal44 、 産 労 総 合 研 究 所 、1997 年5 月5 日 、4 頁 。 づ 河 崎 茂 氏 は 改 定 の 消 費 税 対 応 につ い て 、 次 の よ う な 否 定 的 評 価 を 主 張 し て い る 。 「平 成7 年6 月 に 実 施 さ れ た 中医 協 医 療 経 済 実 態 調 査 の モ デ ル で 精 神 科 病 院1 施 設(250 床 )当 り を 試 算 し て み る と、 消 費 税 率 が3 % か ら5 % に2% ア ッ プ す る と 、支 払 い 消 費 税 額 は1 ヵ 月 当 り 。514,265 円 の 負 担 増 と な る の で あ るし。 他 方 、 今 回 の 診 療 報 酬 改 定 分 、 主 に 入 院 環 境 料 ・ 入 院 時 食 事 療 養 費 等 の 改 正 に よ る 収 入 は 、250 床 未 満 で 試 算 し て も450,000 円 十 α の ア ッ プ に 過 ぎ な い 。 ま さ に 、 精 神 科 病 院 に と っ て は マ イ ナ ス 改 定 とい わ ざ る を え な い 。]( 同 上 。)51 ) 日 本 精 神 病 院 協 会 ( 会 長 、 河 崎 茂 ) は1996 年9 月27 日 に 、『 次 期 診 療 報 酬 改 定 に 関 す る要 望 』を 提 示 し て い る。 そ こ で の 要 望 点 は 次 に 示 す よ う で あ る 。 次 期 診 療 報 酬 改 定 に 関 す る 要 望 平 成8 年9 月27 日 紬日 本 精神 病院 協会 1. 「入院 治 療計画 加算」 を 精神科 病棟 でも認 めるこ と イソフ ォー ムド・ コ ンセ ント は精 神科 医療に と って も必要な こ とであ り、一 般 病棟 に 限ら れた こと で はな い。 イy フ ォー ムド ・ コンセ ント促 進 のために 新設 さ れた 「入院治 療計 画 加算」 を 精神 科病 棟で認 めら れない のは 不合 理 であ る。 今後 の精 神 科医療 の方 向を考 え れば 、 む し ろ 積 極 的 に 精 神 科 に おけ る 「入院治 療計 画加 算」を 認 める べきであ る。2. 精神科 医療 におけ る 「特 定入院 料」 の施設 基 準と包 括項 目を 見直す べき である1 )「 精神 科急性 期治 療 病棟入 院料」 の施 設基 準を 見直 すこと。 前 回の 改定 で 新設 さ れた「精 神科 急性 期治 療病棟 入院 料」 は、精 神科 医療 に新し い枠 組 みを つ くっ