平成13年3月15日 第48巻 日本公衛誌 第3号 209
インターネットによる医療情報公開に関する質問紙調査
遺伝子情報と一般的医療情報による違いについて
ユアサ ヒデミチ 湯浅 秀道 目的 近年,医学における個人情報の取扱いが問題とされ,特に遺伝子情報に関しては,社会問 題に発展しているにもかかわらず一般的医療情報と遺伝子情報の認識の違いが明らかとされ ていない。そこで,医療情報の公開に対する一般的医療情報と遺伝子情報に関する2つの質 問紙調査を行い,意識の違いを明らかにすることとした。 方法 対象は,ネット対応携帯電話(iモード:NTTドコモ)を使ったインターネット上で本質問紙調査に同意した者とした。質問紙は,Common Gateway Interface (CGl)を使ってラ ンダムに一般的医療情報に関する調査と遺伝予情報に関する調査のどちらかのみを提示する ようにプログラムされた本調査専用ホームページに2000年7月1日∼2000年7月31日の1ヵ 月間提示した。 結果 1. 有効回答数は1,045通であり一般医療情報の調査で520通,遺伝子情報の調査で525通 であった。 2. 統計(疫学)情報について,“同意があればかまわない”が一般的医療情報の調査で 58.1%,遺伝子情報の調査で65.5%であった。症例報告について,全体で統計学的有意差が あったが,“同意しない”は,一般的医療情報の調査で3%,遺伝子情報の調査で3%であ り,差がなかった。別の検査についての調査は,“同意があればかまわない”が一般的医療 情報の調査で53.1%,遺伝子情報の調査で61.7%であった。非公開について,“同意があれ ばかまわない”が一般的医療情報の調査で44.6%,遺伝子情報で51.2%であり,全体で統計 学的有意差がなかった。 結論 一般的医療情報の調査と遺伝子情報の調査の比較より,その差は僅かであった。その理由 としては,質問内容が曖昧であったことが考えられ,今後の調査が必要であろう。 Key words : 患者情報,倫理的問題,プライバシー,インターネット調査