21 世紀を迎え,インターネットに代表される情報通信分野は急速に拡大成長していますが, この成長を可能にしたのは,携帯電話やモバイルパソコンなどに代表される IT 電子機器の飛 躍的な進歩であり,その進歩を支えているのが小型化,軽量化といった高性能化に対応した材 料や部品に関する技術開発であります。 これまで,当社,およびグループ会社におきましては,「鉄鋼業」を基盤として鉄鋼生産プ ロセス技術,材料開発技術など,さまざまな分野におきまして技術力を培ってまいりましたが, これらの技術を応用し,成長分野である化学,新素材,エレクトロニクスなどの先進分野でも 新製品,新技術の開発に積極的に取り組んでまいりました。そこで,このたび,最先端の情報 通信分野において,当社が積極的に技術開発に取り組んでいる電子材料に焦点を当て,小型化, 高性能化の要請に対応して得られた新技術,あるいは新製品をご紹介することとし,川崎製鉄 技報「電子・磁性材料特集号」を発行する運びとなりました。 当社鉄鋼部門の主力製品の一つである電磁鋼板は,古くから,電源トランス,モータなどの 用途にご使用いただいておりますが,高周波領域での鉄損の低減,薄板化,優れた加工性など のご要望に応じて極薄の電磁鋼板を開発して,携帯電話の小型振動モータにもご採用いただい ております。 ソフトフェライトでは,従来材に比べて使用温度範囲を大幅に広げた材質を開発しており, さらにデバイスにまで展開したパワー系プレナーインダクターは,携帯電話などの小型機器に 広くご採用いただけるものと期待しております。 特殊炭素材料の分野におきましても,当社材料の優位性を最大に発揮させ,Li イオン 2 次電 池負極材用で世界最高水準の充放電特性を有した材料の開発に成功し,パソコンや携帯電話用 電池材料としてご使用いただいておりますが,さらなる性能向上にも取り組んでおります。 その他,大粒径のマンガン亜鉛フェライト単結晶や,金属の超微粒化技術をベースにしたニ ッケル超微粉などについても好評をいただいております。 今後とも皆様に満足していただける製品,技術の創出が当社の責務と心得てさらなる飛躍を 目指して努力を傾注していく所存でございますので,情報通信,電子材料分野にかかわる多方 面の皆様からのご批判,ご指導をいただければ幸いでございます。
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