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老人性痴呆発症の環境因子の探索と社会的支援のモデル地区設定にカンする研究

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Academic year: 2021

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Title

老人性痴呆発症の環境因子の探索と社会的支援のモデル地

区設定にカンする研究( はしがき )

Author(s)

岩田, 弘敏

Report No.

平成4年度-平成6年度年度科学研究費補助金 (一般研究(B) 

課題番号04455015) 研究成果報告書

Issue Date

1994

Type

研究報告書

Version

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12099/127

※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。

(2)

わが国における人口の高齢化の速度は著しく早い。世界でもたぐいまれな高齢社会をや がて迎えることになる。それは高齢者が増加することを意味する。人は高齢化すればする ほど有病者となり、有病所見も増す。これによる保健医療福祉にわたる社会的影響はきわ めて大きい。特に高齢者の寝たきりと痴呆は社会問題となってきている。うち痴呆は排御 や物忘れなどを伴う精神障害であるので、痴呆性老人を家庭に抱えると家族の負担は並大 抵のものではない。 そこで、まず、岐阜県の既存の資料から在宅の老人性痴呆の出現率を求めた。その中か ら比較的新規の患者を把握して老人性の痴呆の発症要因を見つけだしたい、その要因も家 族や地域社会で対処できるものを見つけだしたい、その目的で初年度は患者・対照調査を 実施した。しかし、対象の把握と把握されても患者宅への訪問調査にはかなりの抵抗があっ た。わが国には特殊な疾病に対する社会的偏見があるからである。幸い、多くの関係保健 婦、民生委員の絶大な協力により、ある程度の成果を得ることができた。関係保健婦、民 生委員の労に深謝したい。 次いで、地域社会は来るべき高齢社会の時代に備えて、地域社会として対処できる施設、 マンパワーを持っているのか、あるいは持とうとしているのか、対象を岐阜娼の99市町 村に限り、市町村ごとに調査した。これも保健衛生担当側と福祉担当側とに見解の相違が あるかも知れないと思い、両担当者に対して調査を行なった。マンパワーについては補充 計画中のためか的確な回答は得られなかった。しかし、全般的には誠意のある回答を得た と考えている。調査に協力いただいた関係市町村担当各位に深謝したい。 3年目には老人間題に深く取り組んでいるといわれている2つの町村を訪問して、関係 者と意見の交換をした。老人性痴呆は予防できるものもあるが、予防できないものもある。 個人のもっている性格、体質もかなり発症に影響を与えているが、これには対応の余地が ない。しかし、社会的支援のできるものもかなりありそうである。特に様々な施設の設置 とマンパワーの充足は市町村の課題である。その様々な施設享は何かを考慮すると、従来 型の医療福祉領域のもののみならず、保健領域の施設を、それもメニューの多いものであ ることが望まれる。その一つに最近、わが国のみならず、諸外国でも取り上げられている 保養地医学、自然療法医学があげられる。自然治癒力を高めるための補完医学、代替医学 とも云われている。その必要性を議論し、県内一ケ所ぐらいは長期滞在型の健康保養地が 設置されるようになれば、老人性痴呆の発症を若干なりとも予防する一助になるのではな かろうか。それは単に老人性痴呆に限らず、すべての慢性疾患の予防、健康の保持増進に も通じる支援のように思われる。これが社会的支援のモデル地区設定につながるのではな かろうか。

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