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物体操りの適応協調制御の研究

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Academic year: 2021

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Title

物体操りの適応協調制御の研究( 内容の要旨(Summary) )

Author(s)

上木, 諭

Report No.(Doctoral

Degree)

博士(工学) 甲第311号

Issue Date

2007-03-25

Type

博士論文

Version

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12099/21451

※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。

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氏名(本籍) 学 位 の 種 類 学位授与番号 学位授与日付 専 攻 学位論文題目 学位論文審査委員 上 木 諭(福井県) 博 士(工学) 甲第 311 号 平成19 年 3 月 25 日 生産開発システム工学専攻 物体操りの適応協調制御の研究 (ResearchonAdaptiveC00rdinatedControlforOt力ectManipulation) 授 教 久彦 男 晴秀和 崎本 川 山 谷 授授授 教教教 ) ) 査査 主 副 ( ( 佐々木 実

論文内容の要旨

協調制御は複数のロボットを協調的に用いて,お互いに力学的に干渉するような作業を 行う場合の制御則である.人間の手による器用な物体操作や両腕を用いて行う搬送などの

作業は複数ロボットの協調制御で初めて可能となる.協調制御の多くは,インピーダンス

制御をベースにした制御則や位置と力のハイブリッド制御をベースにした制御則が広く 用いられてき.た・これらの制御側ではシステムモデルのダイナミクスが既知として制御を 行っているが,実際にはシステムのダイナミクスを正確に求めることは困難であり,また, システムの動力学パラメータは作業内容や作業実行中に変動する.一方で,システムモデ ルのパラメータが未知あるいは変動する場合に対応した協調制御則の研究は,ニューラル ネットワークを用いた制御則,学習制御,及び適応制御などがあり,その中での主流は適 応制御をベースにした制御方法である.しかしながら,従来の適応協調制御は,アーム相 互の状態フィードバックを必要として複雑であり,対象物とロボットの両者のパラメータ を推定することになっていない.さらに,どの適応制御法もメカニカルグリッパなどでし つかりと把持されていると仮定した制御則であるため,多指ハンドに適用する場合には問 題が生じると考えられる. 本研究では,対象物とロボットの両者のパラメータを推定する分散型適応協調制御則を

提案する.提案する適応協調制御則は,(1)対象物の動力学パラメータの推定に基づいて

目標外力を計算し,目標把持力を加えて各ロボットの目標接触力を生成,(2)ロボットの 動力学パラメータの推定に基づいて制御入力を生成する,の2長那皆の構成になっている. 各ロボットフィンガの制御器の上位に目標軌道と目標接触力の生成器を設けることで各 ロボット間の通信の必要性を無くし,計算負荷の分散を図り,さらに対象物と各ロボット の両方の動力学パラメータを個々に推定が可能な構成になっている.この結見制御器の 構成に少しの変更や追加を施すことにより,様々なケースに対応可能になっている. 最初に,把持物体換りの基本となる単一の剛体を固く把持している系に対して,力覚セ

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ー34-ンサを用いない,対象物とロボットアームの両方の動力学パラメータが未知である場合の 分散型適応協調制御則を提案し,理論的に対象物の目標軌道に漸近的に収束することを kapunov・1ikeLemmaを用いて証明している.そして,2台の3自由度ロボットを用いた 平面内の操り実験により,提案した制御則の有効性を示している. 次に,複数のロボットで固く把持した物体を拘束面の法線方向に一定の力で押さえつつ 拘束面上に目標軌道を描く作業に前述の制御法を拡張している.提案した制御則は,環境 との接触力の計測を必要とするが,ロボットと対象物の間の接触力の計測を必要としない ことを特徴としている.対象物軌道と拘束面での接触力が目標値に漸近的に収束すること を証明し,2台の3自由度ロボットを用いた拘束のある平面内の操り実験により,提案す る制御則の有効性を示している. さらに,多指ハンドロボットによる把持物体の操り問題として対象物と各ロボットフィ ンガーが転がり点接触する系に対して,力覚センサを用いない適応協調制御則と力覚セン サを用いる適応協調制御側を提案している.前者の制御側については,対象物軌道が目標 値に漸近的に収束し,持続的励振条件を満たすときは接触力も目標値に収束することを示 した.後者の制御側については,対象物体の軌道誤差と接触力の誤差が漸近的に零に収束 すること証明した.3関節3自由度のロボットハンドをモデルにした数値シミュレーショ ンで両者を比較評価し,力覚センサを用いる場合の制御則の有効性は実験でも実証してい る. 最後に,対象物と各ロボットとの接触に滑りを考慮した系に対して,適応協調制御則を

提案している.ローパスフィルタを通した接触力誤差が零に漸近的に収束することと対象

物軌道が目標軌道に漸近的に収束することに加えて,対象物表面上の接触点位置が目標に 漸近的に収束することを理論的に証明している.また,数値シミュレーションにより,提 案した制御則の有効性を検証している.

論文審査結果の要旨

物体の器用な操りや把持・搬送は,単一ロボットでは困難であっても複数のロボットや 多指ハンドによる協調制御により実現が可能となることが多い.本学位論文は,複数のロ ボットアームと多指ハンドによる円滑な協調作業の実現に向け,物体の把持,搬送,操り のための適応協調制御の研究を対象としている.従来の適応協調制御法は,ロボット相互 の状態フィードバックを必要とした複雑な集中制御であり,対象物とロボットの動力学パ ラメータを同時に推定していないため負荷変動に対してロバストでない. 本研究では,物体の把持・操作を対象とした対象物とロボットの両者のパラメータを推 定する分散型適応協調制御則を提案している.提案している適応協調制御則は,(1)対象物 の動力学パラメータの推定に基づいて目標外力を計算し,目標把持力を加えて各ロボット の目標接触力を生成,(2)ロボットの動力学パラメータの推定に基づいて制御入力の生成, の2段階の構成を基本としている.各ロボットアームの制御器の上位に●目標軌道と目標接 触力の生成器を設けることで各ロボット間の通信の必要性を無くし,各ロボット毎に独立

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ー35-制御則を求められるように計算負荷の分散を図り,さらに対象物と各ロボットの両方の動 力学パラメータを個々に推定が可能な構成としている. 最初に,把持物体操りの基本となる単一の剛体を固く把持している系に対して,力覚セ ンサを用いない,対象物とロボットアームの両方の動力学パラメータが未知である場合の 分散型適応協調制御則を提案し,理論的に対象物の目標軌道に漸近的に収束することを I.yapunov-1ikeLemmaを用いて証明している.そして,2台の3自由度ロボットを用いた 平面内の操り実験により,提案した制御則の有効性を示している. 次に,複数のロボットで固く把持した物体を拘束面の法線方向に一定の力で押さえつつ 拘束面上に目標軌道を描く作業に前述の制御法を拡張している.提案した制御則は,環境 との接触力の計測を必要とするが,ロボットと対象物の間の接触力の計測を必要としない ことを特徴としている.対象物軌道と拘束面での接触力が目標値に漸近的に収束すること を証明し,2台の3自由度ロボットを用いた拘束のある平面内の換り◆実験により,提案す る制御則の有効性を示している. さらに,多指ハンドロボットによる把持物体の操り問題として対象物と各ロボットフィ ンガーが転がり点接触する系に対して,力覚センサを用いない適応協調制御則と力覚セン サを用いる適応協調制御側を提案している.前者の制御側については,対象物軌道が目標 値に漸近的に収束し,持続的励振条件を満たすときは接触力も目標値に収束することを示 した.後者の制御側については,対象物体の軌道誤差と接触力の誤差が漸近的に零に収束 すること証明した.3関節3自由度のロボットハンドをモデルにした数値シミュレーショ ンで両者を比較評価し,力覚センサを用いる場合の制御則の有効性は実験でも実証してい る. 最後に,対象物と各ロボットとの接触に滑りを考慮した系に対して,適応協調制御則を 提案していろ.ローパスフィルタを通した接触力誤差が零に漸近的に収束することと対象 物軌道が目標軌道に漸近的に収束することに加えて,対象物表面上の接触点位置が目標に 漸近的に収束することを理論的に証明している.また,数値シミュレーションにより,提 案した制御則の有効性を検証している. 以上のように,単一の剛体の操り制御に関して,対象物とロボットの両方の動力学パラ メータが未知あるいは変動するときにも適用できる分散型適応協調制御則を示した.これ らの研究成果は,器用なロボットによる物体操作の基礎理論を構成するものであり,ロボ ットの応用範囲を広げることに貢献するものと期待できる.

最終試験結果の要旨

論文の内容は,これまで国際会議で3件講演発表を行い,学術論文誌に2件掲載されて いる・博士後期課程学生としての必要な単位も修得し,公聴会での質問事項にも適切な回 答をしており,学位論文の授与に値するものである.

参照

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