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溶接オイルヒューム回収用集塵機の開発

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Academic year: 2021

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小特集 集塵技術

∪.D.C.る21.928.94:[る21.791:る28.511.123]

溶接オイルヒューム回収用集塵機の開発

Deve10Pment

OfWelding

OilFume

Collectors

溶接ヒュ【ムの捕集については各椎の回収機があり,溶接作業の環境改善に役立 っているが,溶接母材にプレス油,防錆油など油が埠布されている場合,車乞いた溶 接ヒュームと油分が熟で分解されて,オイルヒュ【ムとなって発生し、特にオイル ミストがフィルタに付着して日詰まI)を起こい吸引力の低下が著しい。また,溶接 時に発生する溶接火花によって油の付着したフィルタが焼損する危険性があり,使 用できない問題をもっていた。本集塵機は,従来のフィルタ方式を基本に,前段に 長繊維フィルタと洗浄液によるスプレ【部を設け,長繊維フィルタ部でオイルヒュ ームを回収し,スプレーで洗浄することにより長繊維フィルタの目詰まりがなく,万 一溶接火花を吸引してもシャワーと長繊維の効果により,焼損の危険怖がなく,か つオイルミストによるH詰まI)が少ないなどの特昆をもつものである。 lI

言 職場の環境改善に対する意識が高まりつつある中で,特に 最近溶接作業の溶接ヒュームによる弊害が取-)上げられ,ヒ ューム回収の需要が高し-。溶接ヒュームによる弊害は,じん 肺症状,金属熱症状などが挙げられ,更にこのヒューム中に 有害物質が含まれると,その物質特有の症状が起こると言わ れている。一方,法的規制の面からみると,普通鋼溶接ヒュ ームの許容濃度は5mg/m3以下(日本産業衛生協会)に定めら れているが,発生源に近い作業者のマスク付近では許容濃度 を超えることがあり,発生源から直接ヒュームをq及引して処 理する必要がある。溶接母材に油が塗布してある場合は,従

来のフィルタによる炉過方式では,(1)音戸過フィルタの目詰ま

りにより圧力損失が増大し,q及引風量が低下する。(2)油分が

フィルタに付着し除塵による目詰まり回復が悪い。(3)フィル

タに油が付着しているため,溶接火花吸引によってフィルタ 焼損の危険性があるなどの問題があった。 本機は,これらの問題を解決するために,油塗布鉄板溶接 ヒュームの粒子径を分析し,乾し、た溶接ヒュームの杓子径が 約0.2/∠に対し油分のオイルミスト粒子径が約1.5/∠と約一桁程 度異なることに着目し,前段でオイルミストを長繊維フィル タで捕集し後段で乾いたヒュームをバグフィルタで摘果する 新方式のオイルヒューム用集塵機を開発した。以下,その概 要について紹介する。 臣l オイルヒューム性状 2.1 オイルヒュームの測定 オイルヒュームは,液状のミストと固体粒子であるヒュー ムが混在しているため,両者の発生量を定量的iこ把握する必 要がある。測定方法は,溶接によって発生するオイルヒュー ムをフアンにより全量吸引し,その一部をJIS Z8808に準じ て音戸祇で採取し,オイルヒュームの発生量を求めた。次に, オイルヒュームが捕集された折紙をベンゾールで洗浄して油 分(オイルミスト)を除去し,その差からヒュームとミストを 定量的に求めた。 2.2 発 生 量 オイルヒュームの発生量は,i容積棒の太さや母材に喰布さ (訳)件当G+ペ…e甘→-H山ユ「†七 25 20 5 ∩) 5 秋葉 勇* 雪竹次太** J5αm礼 Aたどムα r5址タ∼んgγO y加点g∫αんe 注二母材(50mmX50mmX6mm L形鋼長さ400mm) 油塗布量(0/7g) 陀m 銘仙 油 スピンドル油 タービ ン油 図l 油を塗布Lた鋼材を溶接Lたときに発生するオイルミスト の比率 油の種類により,オイルミストの発生比率は異なる。 本稿中で便用する用語で,オイルヒューム,オイルミスト及びヒュー ムを以下のように定義する。 (1)オイルヒュームとは,「防錆油,70レス油などの油が鉄板に塗布され ている場合の溶接作業時発生する全体の煙(オイルミスト+ヒューム)+ を言う。 (2)オイルミストとは,「防錆油,プレス油などが溶接熟で加熱されて発 生した油煙+を言う。 (3)ヒュームとは,「一般の油の付着していない場合の溶接作業に発生す る微粉塵+を言う。 * 日立製作所多賀工場 ** 日立製作所日立研究所 31

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116 日立評論 VOL.64 No.2=982-2) れた油の量などにより異なるが,平均的には100mg/m3であ る。一方,ヒュームとミストの比率は,図1に示すように油 の種類によっても異なり,10∼20%のミストが含まれている。 2.3 粒度分布 図2にヒュ】ム及びミストの粒度分布を,また溶接ヒュー ムの成分を表1に示す。大気中に浮遊した状態の粒径を測定 するために,ヒュームとミストをそれぞれ単独に発生させ, レーザダストモニタを用いてi則定した。溶接ヒュームの平均 粒径ほ約0.2/∠に対し,オイルミストは1.5/∠と約一一桁大きし、こ とが分かる。 8

オイルヒューム用集塵機の構成

3.1 集塵方式 本集塵方式は,従来の才戸過集塵をベースとして,払い落と し性に優れた集塵機を目指して行なった。集塵機構として, 繊維充唄層の炉過集塵では,数ミクロン以上の粒子に対して は,繊維周辺での子充線の急激な曲折のために慣性力で軌道を外 され,繊維表面へ衝突付着する。一方,0.5/′以下の粒子は慣 性力はほとんど期待できず,主として拡散運動に基づいて繊維 表l 溶接ヒュームの成分 一姫に鋼材の溶接ヒュームは,酸化鉄(Fe203) が主成分である。

成 分 SiO2 Al203 Fe203 CaO MnO MgO F Cr20ri CuO

含有量 (W%) 12.80 5.65 58.Ol 0.08 9.45 0.60 0.07 0.20 0.13 87.0 )主:溶接条件 種頬(CO2アーク溶接)榛名〔DW53A(¢l.6)〕 母材(SM材)電ン充(280∼300A) g9.9 99 95 gO 80 70 60 5040 30 20 (祝言、)世蝶州側懸畔 10 5 溶接ヒューム オイルミスト 0.1 0.3 0.5 1 3 粒子径(〃) 注:測定器(日立光散乱方式ダストモニタ) 図2 溶接ヒューム及びオイルミストの粒度分布 溶接ヒュームと オイルミストの粒子径はほぼ一桁の差がある。 32 0● 0 ● ● ・ 〇 ● ○ ● (⊃ 0●●○●

】次フィルタ Jnノ/nJ_0ノ ● ニニ∩ノ、_b⊃二 ● ソニニ∩二.二二_6ノ 1二dノわJ上ゝンニ ● ● J二月ニ′blンニ: ● l、こ二h二こ二二 . ノノn/ノノノノノa′.● 1U、U、、U、 スト ヒューム ミスト ● ●

D

二次フィルタ ヒューム 図3 オイルヒュームの集塵法 一次フィルタでオイルミストを.二 次フィルタでヒュームをそれぞれ分背任して捕集する。

0ガス流

_rt√▼ ■l ′l_rIrl′■ ′l_l _rし■■_′■▲′l▲llJ l ■■JIJ l 呵 lll打

く:) ⊂:) N 200 一/ 枠体 長繊維 図4 一次フィルタの外観,構造図 長織維をのれん状に取り付けて あり,ガス流は長繊維と平行になっている。 表面へ衝突付着する。前述したように,オイルミストは1.5/ヱ, 音容接ヒュームは0.2/ノと約一桁の差があり,両者を分離捕集で きれば,フィルタではヒュームを乾式で捕集できる。以上の効 果を発揮させるために,図3に示すオイルヒューム用集塵法 を考案した。本方式は,ミストを捕集する一次フィルタとヒ ュームを捕集する二次フィルタから構成されている。慣性衝 突による捕集効率は繊維径が小さいほどよく,一次フィルタ の形状は多数の起毛をもつ長繊維のi戸村を使用し,ガス流方 向に平行に配列している。二次フィルタはバグフィルタを採 用している。一次フィルタでは主にオイルミストが選択的に 分離捕集され,二次フィルタではi容接ヒュームが捕集される。 図4に一次フィルタの,図5に二次フィルタの外観構造を 示す。 3.2 構 造 図6に本集塵機の外観を,図7に概略構造を示す。 ガス流は矢印で示すように吸込口から吸引され,一次フィ ルタで主にオイルミストが捕集され,二次フィルタではヒュ ームが捕集されて清浄な空気がフアンを通過して本体外に排 気される。万一,溶接ヒュームと同時に溶接スパッタ(火玉)

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溶接オイルヒューム回収用集塵機の開発 117 吸込ロ 335 フィルタ枠 ⊂) ⊂) 寸 三戸 布 (材質:ポリエステル織布)

280 タ戸布数13枚 図5 二次フィルタの外観構造 起毛したフィルタ材を整列に袋状に 取り付け,袋の内側にはケージにより空間をもたせて通風損失を少なくしている。 トj旦担旦+ 区16 溶接オイルヒューム回収用集塵機の外観 溶接ヒュームはフ …ド,ダクトを介Lて,集塵機内のフィルタ部で捕集される。 や大きな塵接が吸引された場合は,シャワーノズルの下面に ある粗.い金網で捕集され,一次フィルタへの進入を防止する。 また,安全性面から見ると溶接スパッタは高温であり機内を 焼損させる危険性があるが,プレフィルタ上に洗浄液がスプ レーされることにより危険性がなくなる。一歩こフィルタは前 述したように,ガスi充にiF行に取I)付けて庄‡貝を少なくし,か つオイルヒュームが一次フィルタに付着後,洗i争液により洗 浄作用が効果的になるようにしている。洗浄液は一二大フィル タの下面部に分離装置を設け,二次フィルタ側への進入を防 止している。また洗浄液は一二大フィルタをi先浄後,洗浄液タ ンクに落下回収きれ,ポンプにより集塵機本体運転と同時に シャワー ノズル プレフィルタ ー次フィルタ (ミスト捕集部) 洗浄液分離板

ポンプーヰ

ファン 1,000

廿

廿

q〉

⊂ク

ム 血 b 血 ▲ ▲凸 占▲ ○ バグフィルタ の の 寸 (ヒューム捕集部) ダストボックス 洗浄液タンク 図了 i容接オイルヒューム集塵機の構造 オイルミストとヒュームを それぞれ分離Lて,捕集する構造となってし、る。 表2 溶接オイルヒューム回収用集塵機の仕様 真空度を高くし圧 力損失を少なく している。 項 目 仕 様 形 式 MF-2200 電 源 三相交流200V 出 力 Z.2kW 風 量 12m3/min 真 空 度 358mmAq 集 塵 方 式 長繊維フィルタ十スプレー+バグフィルタ 収 塵 容 量 35J 概 略 重 量 230kg 取 イ寸ホ ー ス 径 150mm 常時動作させている。二次フィルタは起毛.状のフィルタにし i容積ヒュームの捕集効率を上げる材質を採用している。また, 溶接ヒュームの目詰まり時の払い落とLは,フィルタの表面 をかき落とす構造として払い落とし性を効果的にしている。 払い落とされたi容]妾ヒュームは本体下面のダストボックス内 に回1促される。また溶接作業が移動する場合にも追従できる ように,本体下面に車輪を取F)付け可搬形としている。 この集塵機の仕様は表2に示すとおりである。 田

集塵性能

本集塵方式では,一次フィルタの性能が本体の性能を左右

する。図8及び図9に一次フィルタの捕集効率及び通風損失 を示す。き戸過速度が速くなるほど集塵率は高くなるが,通風 壬員失との関係から実用的には4m/s程度が限度であー),その 捕集効率は約80%である。この一次フィルタの捕集効率は高 いほど好ましいが,一次フィルタで80%のミストが除去され ると,二次フィルタへ導入されるミスト量は約一与に減少し, 二次フィルタの払い落とし性は向+二する。一次フィルタでは 主にミストの捕集であるが,ヒュームも約30%程度捕集され 33

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118 日立評論 VO+.64 No.2(1982-2〉 95 O g (訳)掛萩城彗 オイルミスト

溶接ヒューム 0 1 2 3 4 5 さ戸過速度(mノノs) 図8 一三欠フィルタの集塵特性 i戸過速度が速くなるほど捕集効率は 高くなるが,通風損失から実用的には4m/s不量産が限度である。 200 00 50 40 30 20 (言∈∈)水照頑照 0 1 2 3 4 5 三戸過速度(mノノ′s) 図9 一三欠フィルタの通風損失 ;戸過速度が速くなるほど通風損失も 増大するので,捕集効率から実用的速度を決める必要がある。 るために,フ ィルタは水?先を行なっているっ しかし,水洗に よる通風才員実の上昇ははとんどない。水子先方式を採用した他 の効果として,加熱したスノヾツタなどが集塵機に流入した場 合,i脊却作用により装置♂)安全性の向上にもつながる。 圭た一次フィルタの構成は捕集効率,庄子員,目詰まり耐久 惟などの作能を満足させるために,長繊維フィルタの材質, 長さ,太さ,密度など集塵性能に見合うように選択すること が重要である。 弟こに実際の油付着鉄板溶接作業で,一二大フィルタ+シャワ ー十二次フィルタを取り付けた二状態での†容積オイルヒュMム 回収絹集塵機の総合捕偉効率は98∼99%であI),緒言で述べ た日本産業衛生協会の許容値5mg/m3を十分満足できる。な お,実際の職場で本機を使用した場合の室内盲農度は,約島程 度に環】尭を改善することができる。この集塵機のヒューム吸 引状況を図10に示す。 同 結 言 今までの集塵機では種々問題があった油の付着した鉄根の 溶接作業時発生するオイルヒュームの集塵法として,オイル ミストとヒュームをそれぞれ分離捕集する新しい炉過集塵機 34 ㌢′

ノ≠ (a)集塵機イ亭止時

トー→

300mm (b)集塵機運転時 図】0 オイルヒューム吸引状況 集塵横停止時と運転時とのヒューム の状況の差が一目ではっきりと分かる。 を開発Lた。二れら効果をまとめると次に述べるようになる。 (1)一一二大フィルタ(長繊維)でオイルミストを捕集し常時?先浄 する ̄方式であるため,オイルミストの宗き響が少なくなり二次 フィルタの日詰ま1=生能が向上しヒュ)ムの払い落とし効果 が高い。

(2)一次フィルタは常時洗浄しているため,オイルヒューム

による目詰まりは少なく安定Lた風量が得られる。

(3)シャワー洗浄方式のため,万一溶接スパッタ(火玉)など

を吸引しても着火することがなく,安全性が高い。 参考文献 1)三上:溶接ヒュームはどのように測定すべきか,溶接技術, p・49∼53(昭45-12) 2)池森,外:バグフィルタ用ろ布の陳じん性能,第6回日本大 学工学ヰ斗学術講演会論 ̄丈(昭32) 3) 木村:バグフィルタによる集じん技術、化学工学,p・15∼17 (昭48-3) 4)橋本,外:静電気とその産機技術,東京電機大学出版局,p・74 (昭44-7) 5)大熊,外:溶接ヒューム回収用静電処理集じん機の開発,日 立評論,61,147-150(昭54-2)

参照

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