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Vol.19 , No.1(1970)079紅楳 英顕「親鸞浄土教における正助二業について」

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Academic year: 2021

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親 鷺 浄 土 教 に お け る 正 助 二 業 に つ い て ( 紅 楳)

正 助 二 業 に つ い て の 問 題 は、 本 願 寺 派 宗 学 に お い て 助 正 論 と し て 種 々 に 論 じ ら れ て き た も の 一で あ る。 抑 も 正 助 二 業 と は、 善 導 が ﹃ 観 経 疏 ﹄ ﹁ 散 善 義 ﹂ 深 信 釈 就 行 立 信 下 (真 聖 全 一 ノ 五 三 七) に、 浄 土 の 行 業 と し て 正 行 ・ 雑 行 の 分 別 を し、 更 に そ の 正 行 の 中 に 正 定 業 と 助 業 と の 名 目 を 設 け て 区 分 し た こ と に は じ ま る の で あ り、 法 然 ・ 親 鷺 へ と 継 承 さ れ た も の で あ る。 本 願 寺 派 の 宗 学 史 上 で 問 題 に さ れ た 点 は、 善 導 ・ 法 然 ・ 親 鷺 と 継 承 さ れ た 正 助 二 業 を 真 実 の 行 相 と み る べ き か、 方 便 の 行 相 と み る べ き か に つ い て 検 討 さ れ た も の で あ り、 正 助 二 業 が 往 生 行 と し て 語 ら れ た 方 便 の 行 相 と み る の が 花 園 学 派 の 主 張 で あ り、 報 恩 行 と し て 語 ら れ た 真 実 の 行 相 と み る の が 石 ( 1) 泉 学 派 の 主 張 で あ る。 然 る に こ れ ら の 主 張 は、 親 鷺 の 立 場 を 据 り と す る こ と に よ り、 善 導 ・ 法 然 の 立 場 が そ れ と 同 一 で あ る と い う こ と を 前 提 と し て 検 討 さ れ た も の と 思 わ れ る。 本 稿 で は、 善 導 ・ 法 然 ・ 親 攣 と 継 承 さ れ た 正 助 二 業 に つ い て 教 理 史 的 立 場 よ ゆ 検 討 す る こ と に よ り、 親 鷺 の 正 助 二 業 観 を 窺 い た い と 思 う の で あ る。 先 ず 善 導 の ﹁ 散 善 義 ﹂ に お け る 正 助 二 業 で あ る が、 こ れ は 上 述 の 如 く、 三 心 中 の 深 信 釈 下 に あ る も の で あ り、 こ の 三 心 は ﹃ 観 経 ﹄ に は ﹁ 具 三 心 者 必 生 彼 国 ﹂ ( 同 六 〇) と あ り、 善 導 も ﹁ 散 善 義 ﹂ に は ﹁ 三 心 既 具 無 行 不 成 ﹂ ( 同 五 四 一)、 ﹃ 往 生 礼 讃 ﹄ に は ﹁ 具 此 三 心 必 得 生 也 ﹂ ( 同 六 四 九) と 述 べ て い る 如 く、 往 生 の 因 と し て 扱 わ れ て い る も の で あ る。 従 つ て、 善 導 の 立 場 で は 深 信 釈 就 行 立 信 下 に あ る 正 助 二 業 は 往 生 の 業 因 と し て 扱 わ れ て い る と み る の が 妥 当 で あ ろ う。 次 に 法 然 で あ る が、 法 然 は ﹃ 選 択 集 ﹄ 第 二、 二 行 章 ( 同 九 三 四) に、 ﹁ 散 善 義 ﹂ 就 行 立 信 下 の 正 助 二 業 の 文 の 全 文 を 引 用 し て、 次 下 に、 称 名 は 本 願 の 行 で あ る か ら、 必 ず 往 生 を 得 る ( 同 九 三 五)、 正 助 二 行 は 回 向 を 用 い ず と も 往 生 の 業 と な る ( 同 九 三 七) と 述 べ て い る 如 く、 正 助 二 業 を 往 生 行 と し て 語 つ て い る の で あ る。 こ の よ う に 善 導 ・ 法 然 に お い て は、 正 助 二 業 は 往 生 行 と し

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-354-て 実 践 す べ き こ と が 主 張 さ れ て い る の で あ り、 祷 園 学 派 の 主 張 す る 如 く、 方 便 の 行 相 で も な け れ ば、 石 泉 学 派 の 主 張 す る 如 く、 報 恩 の 行 相 で も な い の で あ る。 し か る に 善 導 ・ 法 然 の 主 張 の 相 異 点 で あ る が、 善 導 で は ﹁ 玄 義 分 ﹂ 六 字 釈 ( 同 四 五 七)、 ﹁ 散 善 義 ﹂ 下 々 品 に お け る 転 教 口 称 釈 ( 同 五 五 五)、 更 に は 書 闇 分 下 の ﹁ 上 来 錐 説⋮ 一 向 専 称 弥 陀 仏 名 ﹂ ( 同 五 五 八) の 文 等 に よ れ ば、 助 業 に か か わ り な く 称 名 一 行 の 専 修 を 主 張 し て い る よ う で あ る が、 ﹃ 法 事 讃 ﹄ に は、 三 因 五 念 畢 命 を 期 と し て 正 助 四 修 を 刹 那 も 無 間 に す べ し (同 五 六 五) と も あ り、 善 導 に お い て は 必 ず し も 称 名 一 行 の 修 す べ き こ と を 主 張 し た の で は な く 余 行 も 兼 修 す る 正 助 合 行 の 実 践 が 述 べ ら れ て い る と 思 わ れ る。 こ れ に 対 し て 法 然 で は ﹃ 選 択 集 ﹄ 第 二、 二 行 章 ( 同 九 三 四) で は ﹁ 散 善 義 ﹂ の 正 助 二 業 の 文 を 引 用 し て、 正 行 雑 行 の 得 失 を 判 じ 正 助 二 業 の 正 行 に 帰 す べ き こ と を 主 張 し て い る が、 集 末 の 三 選 の 文 ( 同 九 九 〇) に お い て は、 正 助 二 業 の 中 で 助 業 を 傍 に し て 正 定 業 で あ る 称 名 を 専 ら に す べ き こ と を 主 張 し て お り、 又、 第 四、 三 輩 章 ( 同 九 四 七)、 及 び ﹃ 漢 語 灯 録 ﹄ 大 経 釈 ( 真 聖 全 四 ノ ニ 九 四 以 下) で は、 大 経 下 巻 の 三 輩 に お け る 念 仏 と 諸 行 と の 関 係 に つ い て 廃 立 ・ 助 正 ・ 傍 正 の 三 義 ( 大 経 釈 で は 但 念 仏 ・ 助 念 ・ 但 諸 行) の 三 義 を 設 け、 三 輩 に 念 仏 と 諸 行 と が 説 か れ て い る の は 廃 立 の 義 と み る べ き で あ る と 述 べ て い る の で あ り、 善 導 が 助 業 と し て む し ろ す す め た も の と 思 わ れ る 読 諦 ・ 観 察 ・ 礼 拝 ・ 讃 嘆 供 養 等 の 行 も、 同 類 の 助 成 と は す る も の の 廃 す べ き も の と し て い る の で あ る。 こ の ﹃ 選 択 集 ﹄ に お い て、 第 二、 二 行 章 で は、 助 業 を 廃 す と す る 意 向 は な い が、 第 四、 三 輩 章、 及 び 三 選 の 文 に お い て は 助 業 を 廃 す べ き こ と を 主 張 し て い る の は 如 何 に 考 え る べ き か で あ る が、 ﹃ 和 語 灯 録 ﹄ に は、 本 願 の 念 仏 は ひ と り だ ち さ せ て 助 を さ さ ぬ、 助 さ す 程 の 人 は 辺 地 に む ま る ( 真 聖 全 四 ノ 六 八 二)、 ﹃ 黒 谷 上 人 起 請 文 ﹄ に は、 三 心 も 四 修 も 南 無 阿 弥 陀 仏 に こ も る ( 同 四 四) と あ る と こ ろ よ り 考 察 す れ ば、 二 行 章 で は、 正 雑 二 行 に つ い て の こ と で あ り、 雑 行 を 捨 て て 正 行 に 帰 す べ き こ と を 述 べ て い る の で あ る か ら、 善 導 を そ の ま ま 承 け た の で あ り、 三 輩 章、 三 選 の 文 に お け る 助 業 を 廃 し よ う と す る 意 向 こ そ が 法 然 の 主 張 せ ん と す る と こ ろ と み る べ き で あ り、 法 然 で は 全 く の 称 名 一 行 の ( 2) 専 修 が 主 張 さ れ て い る と 思 わ れ る の で あ る。 こ の ﹃ 選 択 集 ﹄ 第 四、 三 輩 章 に よ つ て、 石 泉 僧 叡 は 安 心 廃 立 ・ 起 行 助 正 と し ( 3) て 仏 恩 報 謝 の 報 恩 起 行 に 助 正 を 説 く と 主 張 し、 茄 園 大 濾 は 正 定 業 を 助 成 す る こ と を 説 く の が 助 正 で あ る か ら、 助 正 は 自 力 ( 4) 策 励 の 相 で あ る と 主 張 す る の で あ る が、 三 輩 章 に お け る 法 然 の 意 は 往 生 行 と し て 正 定 業 で あ る 称 名 に は そ れ を 助 成 す る 助 業 は 不 必 要 で あ る か ら 廃 す べ き も の と 主 張 し て い る と み る べ き で あ ろ う。 次 に 親 攣 で あ る が ﹃ 教 行 信 証 ﹄ ﹁ 化 巻 ﹂ ( 真 聖 全 ニ ノ 一 五 〇) 親 攣 浄 土 教 に お け る 正 助 二 業 に つ い て ( 紅 楳)

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-355-親 鷺 浄 土 教 に お け る 正 助 二 業 に つ い て ( 紅 楳) に ﹁ 散 善 義 ﹂ の 就 行 立 信 下 の 正 助 二 業 の 文 を 引 き、 そ し て 次 下 に ﹁ 従 二 此 要 門 一 出 二 正 助 雑 三 行 一 ﹂ ( 同 -五 三) ど 述 べ て お り、 こ れ は 大 瀬 が 助 正 方 便 説 を 主 張 す る 有 力 な 根 拠 と な る と こ ろ ( 5) で あ る。 親 鷺 は ﹃ 教 行 信 証 ﹄ に お い て ﹁ 散 善 義 ﹂ の 正 助 二 業 の 文 の 全 文 は ' ﹁ 化 巻 ﹂ に の み 引 い て い る が、 ﹁ 行 巻 ﹂ に は 助 業 を 傍 に す べ き こ と を 述 べ た ﹃ 選 択 集 ﹄ 三 選 の 文 を 引 い て お り、 又 ﹁ 信 巻 ﹂ に は 正 定 業 と 助 業 の 別 を 述 べ た 文 で あ る 合 門 助 正 の 文 を 引 い て い る の で あ り、 親 鷺 に お け る 正 助 二 業 は 方 便 の ﹁ 化 巻 ﹂ の み で 扱 わ れ て い る の で は な く、 真 実 を 表 わ す ﹁ 行 巻 ﹂ ・ ﹁ 信 巻 ﹂ に お い て も 扱 わ れ て い る の で あ る。 上 述 の 如 く、 善 導 に お い て は 称 名 一 行 に よ る 往 生 を 主 張 す る の で あ る が、 そ こ に 助 業 も す す め る 正 助 合 行 の 実 践 が 主 張 さ れ て い る の に 対 し、 法 然 で は 全 く の 称 名 一 行 の 専 修 が 主 張 さ れ て い る の で あ る。 即 ち 法 然 で は 本 願 の 行 と 非 本 願 の 行 と に 本 質 的 ( 6) な 価 値 分 別 が な さ れ て い る の で あ る。 従 つ て 本 願 の 行 で あ る 称 名 と 非 本 願 の 行 で あ る 助 業 と に 価 値 分 別 が 明 確 に な さ れ て い る の で あ り、 そ れ を 継 承 し た 親 鷺 は 正 定 業 と 助 業 の 分 別 の な さ れ て い る 三 選 の 文 や、 合 門 助 正 の 文 は 真 実 を 表 わ す ﹁ 行 巻 ﹂ ・ ﹁ 信 巻 ﹂ に 引 用 し た も の で あ ろ う と 思 わ れ る。 そ れ か ら ( 7) 上 述 の ﹁ 従 二 此 要 門 一出 二 正 助 雑 三 行 こ の 釈 に お い て、 ﹁ 正 者 五 種 正 行 也、 助 者 除 二 名 号 一已 外 五 種 是 也⋮ ﹂ ( 同 一 五 五) と あ る 如 く、 こ こ の 正 は 正 定 業 の 意 で は な く 五 種 正 行 の 意 で あ り、 正 定 業 と 助 業 と の 区 分 の さ れ て い な い と こ ろ の 正 行 の 意 味 で 語 ら れ て い る の で あ る。 従 つ て ﹁ 従 二 此 要 門 出 二 正 助 雑 三 行 こ と あ る こ と を 根 拠 と し て、 大 瀬 の 如 く、 正 助 二 業 を す べ て 方 便 と す る こ と も、 僧 叡 の 如 く、 所 迷 を 能 迷 に 従 え て ( 8) 要 門 の 行 と す る、 と い い あ く ま で も 報 恩 行 と す る こ と も 共 に 無 理 が あ る と 思 わ れ る の で あ る。 こ の よ う に 親 鷺 に お い て は、 正 定 業 と 助 業 と の 価 値 分 別 を 明 確 に し た 法 然 を 承 け て、 正 定 業 で あ る 称 名 と 助 業 と の 価 値 分 別 の な さ れ て い る も の は 真 実 と し て 扱 い、 そ う で な い も の は 方 便 と し た も の と 考 え ら れ る。 更 に 検 討 を す す め る と 助 業 に つ い て、 上 述 の 如 く ﹁ 助 者 除 二 名 号 幡 已 外 五 種 是 也 ﹂ と あ る 如 く、 助 業 は 読 ・ 観 ・ 礼 ・ 讃 の 四 種 で あ る べ き も の が 五 種 と さ れ て い る の で あ る が、 こ れ に つ い て は ﹃ 愚 禿 砂 ﹄ の 深 信 釈 下 に ﹁ 就 二 正 行 一有 二 五 正 行 ・ 六 一 心 ・ 六 専 修 一 ﹂ ( 同 四 七 一) と あ り、 五 正 行 中 の 第 四 の ﹁ 一 心 専 称 仏 名 ﹂ と、 次 下 の 二 心 専 念 弥 陀 名 号 ﹂ と が 区 分 さ れ て い る の で あ り、 親 鶯 で は 正 定 業 と し て の 称 名 と 助 業 と し て の 称 名 と の 区 分 が さ れ て い る の で あ る。 従 つ て ﹁ 助 者 除 二 名 号 一 已 外 五 種 是 也 ﹂ の 五 種 に は、 前 三 後 一 の 助 業 の 他 に 自 力 の 称 名 も 含 ま れ て い る こ と に な る の で あ る。 又 ﹁ 化 巻 ﹂ の 次 下 に は ﹁ 就 二 専 修 一有 二 二 種 一、 一 者 唯 称 二 仏 名 ー、 二 者 有 二 五 専 一﹂ ( 同 一 五 五) と 述 べ て ﹁ 唯 称 仏 名 ﹂ と 五 専 中 の 専 称 と の 区 分 が さ

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-356-れ て い る の で あ る。 こ れ は 法 然 で は ﹃ 選 択 集 ﹄ 第 二、 二 行 章 に ﹁ 助 業 者、 除 ご 第 四 口 称 一 之 外、 以 二 読 諦 等 四 種 一而 為 ご 助 業 一﹂ (真 聖 全 一 ノ 九 三 四) と あ る 如 く、 助 業 と は 称 名 を 除 い た 四 種 で あ る が、 親 鷺 で は 特 に 称 名 の 中 に お い て も 自 力 に よ る も の は 助 業 と さ れ て い る の で あ る。 も つ と も 法 然 に お い て も ﹃ 和 語 灯 ﹄ に、 他 力 の 念 仏 は 往 生 す る が 自 力 の 念 仏 は 往 生 し な い ( 真 聖 全 四 ノ 五 九 一) と あ る 如 く、 自 力 ・ 他 力 の 念 仏 の 区 分 の 意 は あ る が、 親 鶯 で は こ れ を 正 助 二 業 の 中 に お い て 位 置 づ け が な さ れ て い る の で あ る。 そ し て、 善 導 ・ 法 然 で は 専 修 と は 正 助 二 業 の 正 行 を 修 す る こ と で あ り 3 .雑 修 と は 雑 行 を 修 す る ( 9) こ と で あ る と 考 え ら れ る が、 親 攣 は ﹁ 化 巻 ﹂ に ﹁ 夫 雑 行 雑 修、 其 言 一 而 其 意 惟 異 ﹂ ( 真 聖 全 ニ ノ 一 五 五) と、 雑 行 と 雑 修 の 意 の 異 な る こ ど を 述 べ、 次 下 に ﹁ 助 正 兼 行 故 日 雑 修 ﹂ ( 同 一 五 六) と 述 べ て お り、 又 ﹃ 高 僧 和 讃 ﹄ に は、 助 正 な ら べ て 修 す る は 雑 修 と な つ く ( 同 五 〇 九) と あ る 如 く、 正 行 中 の 助 正 兼 行 ・ 助 正 並 修 を 雑 修 と し て い る の で あ り、 す で に 法 然 に お い て、 価 値 分 別 の 明 確 で あ る 正 定 業 と 助 業 と の 分 別 が よ り 徹 底 さ れ て い る こ と が 明 ら か で あ る。 こ の よ う に、 親 黛 に お い て は 正 定 業 と 助 業 と の 価 値 分 別 が 徹 底 さ れ て い る の で あ る が 隅 こ の 正 定 業 と は ﹁ 行 巻 ﹂ 冒 頭 の ﹁ 大 行 者 則 称 元 得 光 如 来 名 ﹂ ( 同 五)、 正 信 偶 の ﹁ 本 願 名 号 正 定 業 ﹂ ( 同 四 三) と あ る 本 願 成 就 の 名 号、 即 ち 他 力 回 向 の 名 号 大 行 に 他 な ら な い の で あ る。 そ し て ﹁ 化 巻 ﹂ 真 門 釈 下 ( 同 一 五 七 以 下) に 示 さ れ る 如 く、 本 願 の 嘉 号 を 己 が 善 根 と す る 自 力 真 門 念 仏 を 簡 別 し、 余 他 の 行 と 本 質 的 に 価 値 を 異 に す る 他 力 回 向 の 名 号 正 定 業 の 位 置 を 明 確 に し て い る の で あ る。 以 上 の 如 く、 善 導 に よ り 創 唱 さ れ た 正 助 二 業 は 法 然 ・ 親 鷲 へ と 継 承 展 開 さ れ、 親 黛 に お け る 正 定 業 は 他 力 回 向 の 名 号 正 定 業 で あ り、 法 然 に お い て 本 願 行 ・ 非 本 願 行 と し て 助 業 と 分 別 さ れ た も の が、 他 力 回 向 の 行 で あ る か 否 か に よ つ て な さ れ て い る の で あ り、 正 定 業 と 助 業 と の 価 値 分 別 は よ り 一 層 徹 底 さ れ て い る も の と い え る で あ ろ う。 従 つ て 助 正 兼 行 ・ 助 正 並 修 は 雑 修 と さ れ て い る よ う に、 助 業 の 往 生 行 と し て の 価 値 は 全 く 否 定 さ れ て い る の で あ り、 そ れ と 本 質 を 異 に す る 他 力 回 向 の 正 定 業 の み が 価 値 あ る も の と さ れ て い る の で あ る。 1 普 賢 大 円 博 士 ﹃ 真 宗 教 学 諸 問 題 ﹄ 一 七 二 頁 以 下、 参 照。 2 拙 稿 ﹁ 善 導 浄 土 教 と 法 然 浄 土 教 ﹂ ( 竜 大 仏 文 研 究 所 紀 要 第 九)、 参 照。 3 助 正 釈 問 (真 全 五 〇 ノ 三 二 四) 4 愚 禿 砂 仰 高 記 ( 下 一 = 丁 左) 5 同 上 ( 下 二 十 二 丁 右) 6 拙 稿 註 2 参 照。 7 こ こ の 正 助 雑 の 三 行 の 解 釈 に は 異 説 が あ る が、 こ こ で は ﹃ 本 典 研 鑛 集 記 ﹄ ( 本 願 寺 派 宗 学 院 編) に 従 つ た。 8 助 正 菱 作 ( 真 全 五 〇 ノ 四 四 一) 9 往 生 礼 讃 (真 聖 全 一 ノ 六 五 二) 選 択 集 (真 聖 全 一 ノ 九 四 〇) 親 鷺 浄 土 教 に お け る 正 助 二 業 に つ い、 て ( 紅 楳)

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