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謝罪を拒絶されることが加害者のその後の心理と行動に及ぼす影響 [ PDF

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Academic year: 2021

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問題と目的

人は「謝罪をされたら赦す」という赦しスクリプトを もつ(Darby & Achlenke,1989)。加えて人は「謝罪をさ れたら赦すべき」という寛容性規範をもつ(大渕, 2011)。 よって加害者は,謝罪をすれば赦される可能性が高い。 しかしながら,本来被害者が加害者を赦すか否かは, 違反の種類や加害者の特性に大きく左右される(Darby, et, al. 1982)。すなわち,加害者が被害者に謝罪をして赦 されるだろうと予測しているにもかかわらず,謝罪が拒 絶される場合があるといえる。 では,謝罪したにもかかわらず赦されなかった加害者 は,どのような感情を抱き,行動をするのであろうか。 謝罪の拒絶の結果何が起こるかほぼ検討されていないと している(Okimoto, Wenzel & Hedrick, 2012)。よって直 接的に謝罪を拒絶された加害者の行動を検討した研究は ないが,例えば中山(2003)は子供の葛藤場面で,加害児 が謝罪をしても被害児が加害児を責めると,加害児は強 い口調で言い返すという行動を報告した。 これは赦しスクリプトが規範として共有されており, それを被害者が破った為加害者が怒りを表出したと考え られる。以上より,謝罪をしても許されなかった加害者 は被害者に対し,俗に言う逆ギレのような行動を行う(以 下不義的怒り行動と記述)可能性がある。 しかし,中山(2003)の研究において見られた不義的 怒り行動は事例的なものである。よって本研究では,成 人を対象として,加害者が謝罪を拒絶されたとき,不義 的怒り行動がどのような条件下で生じるのか実証的に検 討する。このことは,葛藤を解決する謝罪が新たな葛藤 を生み出してしまう可能性を指摘することとなる。 では,どのような条件下では逆ギレ行動がおこるのか, 本研究ではその予測を左右する要因を二つ検討する。ま ず一つ目に,被害の大きさという要因が考えられる。被 害が大きい場合,被害者の攻撃的感情の宥和効果は弱く なる(Ohbuchi, Kameda, & Agarie, 1989)ことが知られ ている。すなわち,被害が大きいとそもそも許されにく く,それを加害者もそれまでの経験から予測でき,不義 的怒り行動を起こさないと思われる。 二つ目に,宥和事情の要因が考えられる。宥和事情が あると人は責任を加害者に帰属させない (Baron & Richardman, 1994)からである。宥和事情とは,加害に 対する責任を左右するものである。加害者は自分に責任 がなければ,被害者が加害者に行う責任追及が緩められ るだろうという予測を持つ(大渕, 2011)。よって,宥和 事情がある時はないときより不義的怒り行動を起こすと 考えられる。 加えて,不義的怒り行動が起こらなかった場合どのよ うな行動が起こるのかも検討する。土井・高木(1993) は,被害が大きく宥和事情がない場合には,加害者は被 害者に対しすまなさや不快を感じると示している。すな わち与えた被害が大きく宥和事情がない時には,加害者 はネガティブな感情を持つと考えられる。よって本研究 においては怒りだけではなく,ネガティブ感情である対 人不安感情も同時に計測する。 では不安になると人はどのような行動をとるだろう か。先行研究において対人不安は他者との関係悪化の懸 念をするという側面を持つ(向井, 2001)ことがわかって いる。よって対人不安が高まると関係悪化の懸念をし, 被害者との関係を修復しようとすると考えられる。 よって加害者の与えた被害が大きい場合や,宥和事情 がない場合に謝罪が拒絶された際は,対人不安が生起す る可能性がある。さらに生起した対人不安は,関係の懸 念を喚起させるため,再謝罪のような関係を修復する行 動につながると考えられる。 以上より本研究の仮説は以下の通りである。1)加害 者は与えた被害の程度が小さい時や宥和事情の程度が大 きい時,謝罪を拒絶されると怒りを抱きやすく,逆条件 だと対人不安を感じる。2)抱いた怒りが強くなるほど 不義的怒り行動が起こりやすい。逆に対人不安が高くな ると再謝罪行動が起こりやすい。3)不義的怒り行動と 再謝罪行動は、怒りと対人不安を媒介して、加害の程度 と宥和事情の程度によって引き起こされる。 方法 実験デザイン 3:宥和情報の程度(なし/中程度/高度) ×2:被害の大きさ(被害大/被害小)の 3×2 の被験者間 実験デザインであった。

謝罪を拒絶されることが加害者のその後の心理と行動に及ぼす影響

キーワード:謝罪,謝罪拒絶,怒り,不安,不義的怒り行動,再謝罪 所 属 行動システム専攻 氏 名 小倉 恵

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調査対象者 福岡県内の 253 名の大学生(男性:63 名, 女性:157 名,不明:3 名)。調査対象者は 6 群へランダ ムに振り分けを行った。 手続き 福岡県内の大学の講義中,場面想定法質問紙を 配布し回答してもらった。 質問紙の構成 宥和情報の程度と被害の大きさを組み合 わせて設定された 6 場面を記述する短文と,その場面を わかりやすく示した漫画があり,その場面と漫画を読ん で、感情(10 項目)、行動(4 行動 1 項目ずつ)、を質問す る質問紙である。場面設定は土井・高木(1993)のもの を一部研究にあわせて改変したものである。場面の具体 例は、被害小・宥和事情なしの場合、「あなたは,スマー トフォンを見ながら道を歩いていました。前方からあな たと同じくらいの大学生(A さん)がこちらに向かって 歩いてきていました。このままだとぶつかりそうなため, A さんはあなたを避けようとしました。しかしあなたは スマートフォンに夢中になっていたため,すれ違う寸前 になってA さんが来るのに気付きましたが,慌てて A さ んにぶつかってしまいました。A さんはよろめきました が,転倒はしませんでした。しかしあなたには,何の被 害もありませんでした(前半部分)。」「あなたはA さん に悪いことをしたと思い,「すみませんでした」と謝りま した。しかしA さんは「ふざけるな!」と言い,とても 怒った様子です(後半部分)。」というものだった。また 被害大・宥和事情中程度状況では「あなたは3 日ほど前 から風邪を引いており,ひどい頭痛に悩まされながら歩 いていました。前から,あなたと同じくらいの大学生(A さん)がこちらに向かって歩いてきていました。このま まだとぶつかりそうなため,A さんはあなたを避けよう としました。しかしあなたは,頭痛に気を取られていて 避けきれずにA さんにぶつかってしまいました。あなた の勢いが強かったので,A さんは転倒し,着ていた服が 破れ,ひじと膝をすりむきました。しかしあなたには, 何の被害もありませんでした(前半)。」「あなたはA さ んに悪いことをしたと思い,「すみませんでした」と謝り ました。しかしA さんは「ふざけるな!」と言い,とて も怒った様子です(後半)。」というものであった。なお 宥和事情高度では、「あなたは 3 日ほど前に階段から落 ちて怪我したので,右足にギブスをつけて松葉杖を使い ながら歩いていました。前から,あなたと同じくらいの 大学生(A さん)がこちらに向かって歩いてきていまし た。このままだとぶつかりそうなため,A さんはあなた を避けようとしました。しかしあなたは,松葉杖がうま く扱えず,A さんにぶつかってしまいました。」という風 に記述を変えて条件を操作した。 感情は,項目は多面的感情状態尺度(寺崎・岸本・古 賀, 1992)の測定感情である敵意(むっとした・おこっ たなど)・不安(不安な・気がかりななど)からそれぞれ 5項目を抜粋したものを使用し、「全く当てはまらない」 ~「非常によく当てはまる」までの 6 件法で測定した。 なお,本研究においてはこの敵意項目を「怒り」として 使用している。中井(2012)によれば,怒りは敵意の中心 概念であり近似概念であり敵意を問う質問項目で怒りを 測定することは十分に可能であると考える。 行動の評定では, 4 つの異なる行動をどの程度取るか 測定した。これらの行動は,1)もう一度謝る,2)避 け損ねた理由を説明する,3)その場を立ち去る,4) 自分ではなく相手に非があると主張する,というもので あり,いずれも5 件法で評定を求めた。なお,これらの 行動指標は大渕(2010)のまとめた釈明行動を参考に作 成し,さらに回避行動としてその場を立ち去るという会 話回避,を加えた4種類であった。本研究においては, このうち正当化・回避行動を不義的怒り行動、謝罪を再 謝罪として検討した。 結果 怒り得点と不安得点の作成 怒り得点と不安得点作成の ため,怒りの質問項目5 項目と,不安の得点項目5項目 のCronbach のα係数をそれぞれ算出した。結果,怒り の質問項目のα係数は.83 であり,不安の質問項目のα 係数は.89 であった。よって怒りの質問項目 5 項目,不 安の質問項目5 項目の得点のそれぞれの平均を怒り得点 と不安得点とした。 条件が怒りに及ぼす影響 宥和事情の程度条件,被害の 大きさ条件,前述条件の交互作用項の3変数を独立変数, 怒り得点を従属変数として,強制投入法による階層的重 回帰分析を行った。結果,主効果のみのモデル(R2 = .15, F(2,247) = 22.75,p < .001)と比較して,交互作用項を 含めたモデル(R2 = .15, F(3,246) = 15.54,p < .001) は交互作用項の投入によるR2の変化量が有意ではなかっ た(ΔR2 = .00, n.s.)。ただし,宥和事情の程度条件 の主効果(β = -.30, p < .001),被害の大きさ条件の 主効果(β = -.25, p < .001)が有意であった。交互作 用は有意ではなかった(β = -.06, n.s.)。よって,宥和 事情があるほど,また被害が小さいほど,怒り得点が高 くなることが示された。 条件が不安に及ぼす影響 宥和事情の程度条件,被害の 大きさ条件,前述条件の交互作用項の3変数を独立変数, 不安得点を従属変数として,強制投入法による階層的重 回帰分析を行った。結果,主効果のみのモデル(R2 = .056,

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F(2,248) = 8.41,p < .001)と比較して,交互作用項を含 めたモデル(R2 = .062, F(3,247) = 6.48,p < .001)は交 互作用項の投入による R2の変化量が有意ではなかった (ΔR2 = .01, n.s.)。ただし,宥和事情の程度条件の 主効果(β = .17, p < .001),被害の大きさ条件の主 効果(β = .17, p < .001)が有意であった。交互作用 は有意ではなかった(β = .10, n.s.)。よって,宥和事 情がなく,与えた被害が大きいほど不安得点が高くなる ことが示された。以上より、仮説1は支持された。 喚起された感情が行動に及ぼす影響 仮説 2・3 を検討 するためパス解析を行った(Figure 1)。 Figure 1 宥和事情の程度条件と被害の大きさ条件から再謝 罪・不義的怒り行動へのパスモデル 適合指標は次の通りである。Χ2=5.65 df = 5, p = .342, RMR=.015,GFI=.994,AGFI=.96, ,CFI=.997 , RMSEA=.027,であり,モデルは適当であったと考えら れる。次に,宥和事情の程度条件と被害の大きさ条件か ら感情へ伸びるパスを見てみると,宥和事情の程度が高 いほど,怒りが生じた(β = .35, p < .001)。また,宥和 事情の程度が低いほど不安が生じていた(β = -.25 p < .01)。被害の大きさのパスを見てみると,被害の大き さが小さければ怒りが生じていた(β = -.46, p < .001)。 反対に被害の大きさが大きければ不安が生じていた(β = .41, p < .01)。次に,感情から行動へ伸びるパスを見て みると,怒りは会話回避(β = .21, p < .01)と正当化(β = .24, p < .001)に正のパスが伸びていた。また,再謝罪 には負のパスが伸びていた(β = -.27, p < .001)。また, 不安からは再謝罪に正のパスが伸びており(β = .29, p < .001),会話回避(β = -.17, p < .001)と正当化(β = -.24, p < .001)には負のパスが伸びていた。弁解にはいず れの感情からもパスは伸びなかった。また,宥和事情の 程度条件から直接行動に伸びるパスとして,正当性の主 張に正のパスが伸びていた(β = .16 p < .01)。さらに, 被害の大きさ条件から直接行動に伸びるパスとして,会 話回避に負のパスが(β = -.40, p < .01),正当化に正のパ スが伸びていた(β = .26, p < .001)。 結果のまとめ 宥和事情の程度が高いほど,被害の程度 が小さいほど怒りを誘発し,反対に宥和事情の程度が低 いほど,被害の程度が大きいほど不安が誘発された。誘 発された怒りは正当化と会話回避を増加させ,再謝罪を 減少させた。また不安は,再謝罪を増加させ,正当化と 会話回避を減少させた。弁解にはいずれのパスも伸びな かった。ただし,宥和事情の程度が高いほど,正当性の 主張が増加した。さらに,被害の程度が小さいと会話回 避が増加した。被害の程度が大きいと,正当化の主張が 増加した。よって仮説2・3 は一部支持されたといえる。 補足分析 本研究においては赦しスクリプトがあり,さ らにそれは社会規範としての面を持つために,裏切られ ると,「なぜ謝罪したのに赦してもらえなかったのか」 と考え怒りを感じるとしていた。しかしながら,他のメ カニズムも考えられる。 阿部・高木(2007)は,被害者の被害の程度や加害者の 責任の重さによって,怒り表出の正当性の評価がなされ ることを示している。その際,被害の程度が小さかった り,加害者の責任性が低く不当とみなされた時には否定 的な印象が形成され,その後「責任の否定」「無視」とい った行動を行い,被害の程度が大きかったり,加害者の 責任が重い時は,被害者の怒りは正当とみなされて肯定 的な印象が形成され,その後「謝罪」や「補償」を行う ことを示している。 この説に従えば,本研究の結果は以下のような解釈が 可能である。与えた被害が大きい場合,もしくは加害の 責任が重い場合には謝罪の拒絶が正当なものと判断され, 再謝罪などにつながり,逆に与えた被害が小さく加害の 責任がない場合には謝罪の拒絶が不当なものと判断され て不義的怒り行動につながったと考えられる。そこで, ポジティブ印象とネガティブ印象を媒介としたモデル検 討を行った(Figure 2)。 Figure 4 宥和事情の程度条件・被害の大きさ条件から印象 を媒介して行動へ至るモデル ポジティブ印象とネガティブ印象を媒介とするモデルは 不 適 合 で あ っ た( χ2=5.01, df = 3, p = .170, GFI=.994,AGFI=.948, CFI=.992,RMSEA=.051)。また, 個別のパスの強さにおいても,ネガティブ印象から正当

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性への主張のパスは有意ではなかった(β = 05, n.s.)さ らに会話回避へのパスも有意ではなかった(β = .07, n.s.)。また,ポジティブ印象から再謝罪へのパスも有意 ではなかった(β = .05, n.s.)。よって,本研究において は怒りや敵意といった感情を媒介して再謝罪や不義的怒 り行動にいたるモデルのほうが適合的だといえる。 考察 仮説の検証 本研究では,宥和事情の程度と被害の大きさ が怒りと不安の感情を媒介して,不義的怒り行動や再謝 罪行動に与える影響について検討を行った。 本研究の結果から,宥和事情の程度が高いほど,また 被害の大きさが小さいほど,謝罪を拒絶された際,怒り が誘発された。逆に宥和事情の程度が低いほど,また被 害の大きさが大きいほど謝罪を拒絶された際,不安が誘 発された。これは仮説1を支持する結果であった。すな わち,宥和事情の程度が高い場合,もしくは被害の大き さが小さいと赦しスクリプトに基づいた「謝罪をすれば 赦してもらえるだろう」といった予測が働き,その予測 が裏切られることによって怒りを生じると考えられる。 逆に,宥和事情の程度が低いために自らの責任が大き く,もしくは被害の大きさが大きいと謝罪をしても赦し てもらえないという予測が立ちやすいため怒りは生じず, むしろ関係悪化を恐れ不安を感じると考えられる。 さらに誘発された怒りは,「自分ではなく相手が悪 い」といった正当化や「無視をする」といった会話回避 のような不義的怒り行動に結びついていた。また,「もう 一度謝罪する」といった再謝罪を減少させていた。さら に誘発された不安は,再謝罪に結びつき,不義的怒り行 動を減少させていた。これは仮説 2 を支持する結果であ り,生起された怒りは不義的怒り行動を増加させ,不安 は再謝罪を促進していた。これは,「なぜ謝ったのに赦し てくれないんだ」という怒りによって謝罪を拒絶した被 害者への不義的怒り行動が引き起こされたためだと考え られる。逆に不安が生起すると被害者との関係悪化を懸 念し,関係修復を望むために再謝罪が起こったと予想さ れる。 最後に,全体のモデル検討から,宥和事情の程度と被 害の大きさから怒りや不安といった感情,怒りや不安と いった感情から再謝罪と不義的怒り行動が引き起こされ ることが予測された。これは仮説 3 を一部支持する結果 であった。加害者側の責任が小さい場合,また与えた被 害の大きさが小さい場合に怒りが誘発され,誘発された 怒りが不義的怒り行動に結びつくことが示された。 すなわち条件によっては,謝罪を拒絶されると「謝罪 をすれば赦してもらえる」という赦しスクリプトに基づ いた予測が外れることとなり,怒りを生じることが考え られる。そして生じた怒りによって,赦しを請う立場に もかかわらず加害者が被害者に怒りを表出し,自分は悪 くないなどと正当性を主張したり,相手を無視したりす る行動をとる可能性があるといえる。逆に,謝罪を拒絶 されるだろうという予測が立ちやすい条件の下では赦し スクリプトは働かないため謝罪を拒絶されても怒りは生 じず,むしろ関係が悪化するという不安が喚起され,そ して不安ゆえに関係修復をしようとして再謝罪を行う頻 度が上がる可能性が示された。 ただし,仮説 3 の検討においては,宥和事情の程度条 件および被害の大きさ条件から行動への直接効果が見ら れ、不安や怒りといった感情では説明がつかなかった。 本研究の限界 本研究の限界は,2 点ある。1 点目の限 界点として,不義的怒り行動とした「正当性の主張」の 平均値が1.85 と非常に低く、床効果の影響が考えられる ことが挙げられる。おそらく社会的望ましさの影響を強 く受け,低い平均値になったと思われる。よって、正当 性の主張についての結果は慎重に解釈する必要がある。 すなわち,自らに責任がない時,さらに与えた被害の程 度が小さい時に謝罪を拒絶されると怒りが誘発され,そ の怒りによって正当性の主張が行われるといった一連の モデルについては,社会的望ましさの影響を受けないよ う項目を変えて再検討する必要がある。 2 点目として、本研究は質問紙による場面想定法であ った。そのため,謝罪を拒絶されると,不義的怒り行動 や再謝罪行動が実際に生起するのかは検討できず,どの 程度一般化できるかも不明である。よって,将来的には 実験や観察法によって不義的怒り行動や再謝罪行動が実 際に生起するかを検討する必要がある。 主要引用文献 阿部晋吾・高木修 (2007). 被害者が示す怒りに対する 加害者の認知的・行動的反応を規定する要因 社会心理 学研究, 22, 258-266

Darby, B. W. & Schlenker, B. R. (1989). Children’s reactions to transgressions: Effects of the actor’s apology, reputation, and remorse. British Journal of Social Psychology. 28, 353-365. 大渕憲一 (2010). 謝罪の研究-釈明の心理と働き 東北 大学出版会 中川美和 (2003). 対人葛藤場面における年長児の謝 罪-許容スクリプト 広島大学教育学研究紀要, 52, 345-353.

参照

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