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区域区分(線引き)廃止が地価に与えた影響と土地利用変化に関する分析
~香川中央広域都市計画区域をケーススタディーとして~
政策研究大学院大学 まちづくりプログラム MJU09064 橋本 和則 第1章 はじめに
1-1.研究の目的
『区域区分制度』(以下「線引き制度」という。) は、昭和 43 年の新都市計画法において、開発許可 制度とともに高度経済成長時の急激な都市化によ る無秩序な市街地の拡大を防止し、計画的な市街 化を図ることを主たる目的として導入された制度 である。しかし、その後の都市をめぐる社会経済 情勢は、尐子高齢化の進展やモータリゼーション の進展など多くの面で大きく変化した。そのため、
2000(平成 12)年 5 月には都市計画法が抜本的に 改正され、線引き導入や廃止を都道府県が決定で きる選択制に移行した。この改正により、香川県 においては県全域で都市計画区域の拡大再編の見 直しが行われ、すべての都市計画区域で線引きが 廃止された。
本研究は、香川中央広域都市計画区域に着目し、
人口動向、地価動向、土地利用動向などから分析 を行い、線引き廃止がどのような影響を与えてい るのか分析することを目的とするものである。
1-2.先行研究
線引き廃止に関する先行研究としては、都城広 域都市計画区域を取り上げた阿部1、香川県の線 引き制度廃止を取り上げたものとして桑田・越沢
2や石村ら3の研究がある。しかし、人口動向や土 地利用動向を分析した研究はなされているが、今 までのところ経済的視点で地価から線引き廃止を 研究したものは見当たらない。
1-3.研究の方法
研究の方法としては、線引き制度の意義や地方 線引き都市にもたらされる問題点、香川県の線引 き廃止の背景などを整理した上で、人口動向や公 示地価、土地利用動向の変化により線引き廃止に よる影響を定量的に分析する。そのうえで、分析 結果に人口流出への歯止めと地価に与えた影響お よび土地利用、土地利用形態変化の観点から考察 を加え、線引き廃止に対する提言を行なう。
第2章 線引き制度の概観
2-1.2000 年都市計画法改正内容の概要
2000(平成 12)年の法改正は、地方分権の流れ
に沿って行われ、地方公共団体が地域の実情に応 じて、柔軟に具体の都市計画を定めていくという 体系を明確にしている。大きな改正点は以下の 5 つである。
(1)都市計画に関するマスタープランの充実、
線引き制度及び開発許可制度の見直し
(2)良好な環境の確保のための制度の充実
(3)既成市街地の再整備のための新制度の導入
(4)都市計画区域外における開発行為及び建築 行為に対する規制の導入
(5)都市計画決定手法の透明化と住民参加促進
2-2.線引き制度の意義と効果
日本の土地利用規制の法的基礎は、都市計画法
(1968 年)、建築基準法(1970 年)の大改正によ って現行の法体系が確立された。1992 年にはこれ ら 2 法の改正が行われたが法体系の根幹は変わら なかった。その法体系の根幹が 2000(平成 12)年 の法改正で抜本的に見直された。
線引き制度は、市街化区域として市街化を促進 させる区域と、市街化調整区域として市街化を抑 制させる地域を区分することで、都市の無秩序な 拡大を抑制し、都市の郊外化によって引き起こさ れる外部不経済の減尐や道路整備などのインフラ 整備の非効率を防止する効果が期待された。昭和 43 年当時の人口増加局面の社会情勢を背景にし ており、特に、東京・大阪・名古屋などの三大都 市圏においては、急激な人口流入によって都市の 郊外化は深刻であり、線引き制度導入によって、
外部不経済の減尐やインフラ整備の非効率の未然 防止などの効果を発揮していた。
2-3.地方線引き都市の問題点
人口の流出が進んだ地方都市においては、想定 したほど都市部への人口集中は起こらず、尐子高 齢化による人口減尐局面への移行や自動車保有率 増加によるモータリゼーションの進展、郊外居住や 郊外大型店舗の出店などに伴う生活圏域の広域化 など、社会経済情勢の変化とも相まって、郊外部 の市街化を抑制する規制の厳しい市街化調整区域 を避け、より安価で土地利用規制の緩やかな都市計 画区域外に居住する者が増え、線引き制度の意図に そぐわない状況が発生していった。また、このような郊 外化は、道路や水道などの社会インフラ整備の非効 率や除雪や維持管理経費の増大をもたらし、地方財
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政をひっ迫させるといった問題も引き起こすこととなっ た。2-4.香川県における線引き廃止の背景
香川県は、都道府県面積としては全国一小さい にもかかわらず、讃岐平野が広がっているため、
可住地面積は比較的広い。河川による地形的分断 が尐ないことから、居住地を選定する際の物理的 阻害要因が尐なく、市街地が平面的に広がりやす いという特徴がある。また、条里制に端を発した 地域形成がされてきたことで、追加的な基盤整備 の必要性が尐なく、集落(住宅地)と農地が混在 しやすい地域が広がっている。道路基盤もある程 度整備されているため、どこにでも居住可能とい う条件を備えていると言える。そのため、宅地開 発などの都市的な土地利用に関しては、線引き制 度による市街化調整区域を設定して、市街化抑制 を図るという考え方がなじみにくい土地柄であっ た。
2-5.香川県の線引き廃止後の土地利用規制 香川県においては、線引きを廃止する前提として、
容積率・建ぺい率などの形態規制や開発許可制度 の見直し、特定用途制限地域の新設など新たな土地 利用コントロール方策を導入している。以下に土地利 用規制の見直し内容を示す。
第3章 線引き廃止による人口、地価、土地利用変 化の分析
3-1.線引き廃止前後の人口動向分析
香川県全体の人口動向は、線引き廃止直前には、
市街化区域や市街化調整区域の人口変動がほぼ横 ばいであるのに対し、都市計画区域外である周辺 2 市 10 町のうち 8 町の人口が増加しており、スプ ロールが進んでいたと考えられる。
線引き廃止後には、旧市街化調整区域の人口が 増加し、旧市街化区域、旧都市計画区域外の人口
は減尐している。しかしながら、線引き廃止と同 時に見直された都市計画区域の再編や市町村合併 などにより、同一都市計画区域や同一自治体にな っており、周辺町への人口流出歯止めについては、
すでに意義が薄れている。また、香川県全体の人 口についても、平成 7 年に減尐に転じてから一貫 して減尐を続けている。
3-2.線引き廃止前後における地価の実証分析 3-2-1.仮説の設定
線引き制度による土地利用規制導入以前は、土 地に対する需要は、市街地中心部が高く、距離が 離れるにつれて低くなる右下がりの曲線で表すこ とができる。しかし、線引き制度が導入され市街 化調整区域に指定されると、本来土地需要がある 地域でも、原則宅地開発が禁止されるなど土地利 用が厳しく制限される。そのため、宅地開発が可 能な市街化区域や利用規制の緩やかな都市計画区 域外で土地利用が進むこととなる。市街化区域な らびに都市計画区域外において、市街化調整区域 で賄えなかった土地需要を吸収するため、需要曲 線が上方にシフトし、本来の均衡価格よりも上昇 し、地価は上昇する。一方、市街化調整区域では、
宅地として供給できる農地は存在するものの、区 域内居住者以外の開発が制限され、農地への需要 が下がることによって、需要曲線は下方にシフト し、農地価格は下落する(図 3-1)。
次に、線引きが廃止された場合の仮説を設定す る。旧市街化調整区域では、線引き廃止によって、
農地の宅地転用や開発が可能になり、旧市街化区 域や旧都市計画区域外によって吸収されていた宅 地への需要が旧市街化調整区域で賄われることに なる。旧市街化調整区域において農地から宅地へ 転換可能な土地供給が増加するため、供給曲線が 右方にシフトする。そのため、旧市街化調整区域 の既存宅地の地価は下落し、旧市街化調整区域の 農地の地価は上昇する。また、この変化によって 旧市街化区域と旧都市計画区域外の宅地需要は共 に下方シフトし、旧市街化区域と旧都市計画区域 外の宅地地価は下落する(図 3-2)。
図 3-1.線引き時の価格変動 表2-1.線引き廃止に伴う土地利用規制の見直し内容
地価
都市計画区域外
農地などの地価
0 中心からの距離
市街化区域 市街化調整区域
既存宅地地価
規制内容 線引き廃止前 線引き廃止後
【見直し】
形態規制 容積率:400% 容積率:200%
(容積率・建ぺい率) 建ぺい率:70% 建ぺい率:70%
【見直し】
(市街化調整区域) (市街化調整区域)
開発許可制度 対象面積:全て対象 対象面積:1000㎡以上
(都市計画区域外は3000㎡のまま)
最低敷地面積:各都計毎 最低敷地面積の統一:100~200㎡
特定用途制限地域 【新設】(旧香川中央都計区域のみ)
用途白地における特定用途の立地を規制
【見直し】
8地区 8地区→12地区
風致地区
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3-2-2.地価による実証分析前節の仮説を基に、線引き廃止による土地利用 の変化が地価に現れると考えられるため、平成 15 年と平成 21 年の公示地価、都道府県調査を用いて 計量分析を行う。
本研究における対象が、香川県における線引き 廃止の影響であるため、分析に当たっては、政策 が 与 え た 影響 を 確認 す るこ と が でき る 、
DID estimator(Difference-In-Differences)の手法を
用いる。この手法では、比較を行う線引き廃止を 行っていない近隣県が必要となるが、四国4県の 中で愛媛県西条市や新居浜市などでも線引き廃止 を行っているため、徳島県を取ることとした。ま た、分析に用いた推計式と説明変数の内容は以下 のとおりである。推定式:
lnY=β
0+ β
1d2 + β
21dAs + β
22dAt + β
23dAk
+ β
31d2・dAs + β
32d2・dAt + β
33d2・dAk + X
Y+ ε
ε:
誤差項
3-2-3.推計結果
***,**,*は 1%,5%,10%の統計的有意水準を示す。
3-2-4.推定結果の分析
推定の結果、区域区分ごとの線引き廃止による 政策効果は、旧市街化区域においては、線引き廃 止前に比べて、地価を 12.59%押し下げるというこ とが統計的有意水準 10%で示された。
これは、線引き廃止によって地価は押し下げられ るという仮説とも整合する。また、旧市街化調整 区域、旧都市計画区域外については、有意な統計 的水準が得られなかったが、係数の符号がマイナ スとなっており、旧市街化調整区域において農地 から宅地への土地利用変化が進み、宅地の供給量 が増加したことによって、既存の宅地の地価を押 し下げたと考えられる。農地価格は公表されてい ないため、実際の土地利用変化を確認しなければ ならない。
3-3.線引き廃止前後の土地利用変化の概観 農地転用件数を見ると、香川中央広域都市計画 区域を形成していた 3 市 2 町すべてにおいて、旧 市街化調整区域の農地転用件数は急増しており、
線引き廃止によって農地への需要が高まっている ことがわかる。
3-4.旧調整区域における土地利用の実態 3-4-1.土地利用変化(転用目的)
前節の概観により、旧市街化調整区域の土地利 用変化が顕著であることが認められるため、旧市 街化調整区域に着目する。転用件数からは転用目 的が確認できないため、実際の農地転用届出資料 から転用場所、転用規模、転用目的を抽出し、地 図上にプロットすることでより詳細に土地利用変 化を調査した。転用目的別に変化を見ると、共同 住宅など住宅系への転用が各年度転用件数の約
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割を占め、宅地の供給量が増加していることが確 認された。農地から宅地への転換が増加しており、3-2-1
で示した仮説を補完するといえる。図 3-2.線引き廃止時の価格変動
図 3-4.届出数に占める農地転用目的別割合(旧市街化調整区域)
図 3-3.農地転用許可件数の推移
ln地価 係 数 標準誤差
政策実施前後ダミー(β1) -0.34998 *** 0.03889 線引き廃止市街化区域ダミー(β21) -0.05015 0.05828 線引き廃止市街化調整区域ダミー(β22) -0.12065 0.10042 線引き廃止都市計画区域外ダミー(β23) -0.31661 *** 0.06755 市街化区域政策効果(β31) -0.12587 * 0.07310 市街化調整区域政策効果(β32) -0.10277 0.14072 都市計画区域外政策効果(β33) -0.09589 0.09320
最寄駅距離 -0.00443 *** 0.00029
公共交通所要時間 -0.00962 *** 0.00045
都市ガスダミー 0.31143 *** 0.04459
下水道ダミー 0.09233 ** 0.04328
土地面積 -0.00089 *** 9E-05
前面道路幅員 0.01899 * 0.01014
定数項(β0) 4.72556 *** 0.07022
サンプル数 532
R2(adj ) 0.737
0
13.9 8.9 8.5 9.7 10.1 5.3
31.1 29.9
28.7 30.9 31.4 26.0 31.4
2.9
7.9 9.9 10.7 13.1
13.2 12.6 11.5
5.7 5.6 5.1 4.5 8.7 13.5
9.1
4.8 11.0 6.9 6.3 6.9 5.3
0
1.6 1.1 1.6 1.0 1.0 0.5
4.3
6.8 6.9 8.3 10.5 7.6 4.8
21.5
18.7 17.9 15.4 16.0 16.7 16.4
12.4
8.8 7.6 9.8 5.0 7.6 4.8
7.2 2.0 2.4 2.7 2.6 2.1 5.3
0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%
h15 h16 h17 h18 h19 h20 h21 年度
その他 道路・水路 駐車場・資材置場 倉庫・納屋 工場 店舗・事務所 住宅拡張用地 分譲住宅用地 住宅用地 共同住宅用地 0
13.9 8.9 8.5 9.7 10.1 5.3
31.1 29.9
28.7 30.9 31.4 26.0 31.4
2.9 7.9
9.9 10.7 13.1
13.2 12.6 11.5
5.7 5.6 5.1 4.5 8.7 13.5
9.1
4.8 11.0 6.9 6.3 6.9 5.3
0
1.6 1.1 1.6 1.0 1.0 0.5
4.3
6.8 6.9 8.3 10.5 7.6 4.8
21.5
18.7 17.9 15.4 16.0 16.7 16.4
12.4
8.8 7.6 9.8 5.0 7.6 4.8
7.2 2.0 2.4 2.7 2.6 2.1 5.3
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
80%
90%
100%
h15 h16 h17 h18 h19 h20 h21 年度
その他 道路・水路 駐車場・資材置場 倉庫・納屋 工場 店舗・事務所 住宅拡張用地 分譲住宅用地 住宅用地 共同住宅用地
0 100 200 300 400 500 600
H15 H16 H17 H18 H19 H20
件数(件)
旧高松市
旧市街化 旧調整 新規編入 区域外
0 20 40 60 80 100 120 140
H15 H16 H17 H18 H19 H20
件数(件)
旧丸亀市
旧市街化 旧調整 新規編入 区域外
0 5 10 15
H15 H16 H17 H18 H19 H20
件数(件) 宇多津町
旧市街化 旧調整
変数名 内容 単位 予想符号
被説明変数 (Y)
住宅地価(香川県と徳島県の公示地価・都道府県地価) (千円/㎡)
最寄駅までの距離 (X1) (百m) -
説明変数 JR高松駅(徳島駅)から最寄駅までの公共交通所要時間 (X2)
(分) -
(X1~X6) 土地の面積(地積)(X3) (㎡) -
前面道路幅員(X4) (m) +
都市ガスダミー(X5) +
下水道ダミー(X6) +
地価
(宅地) (農地)
0 中心からの距離
旧市街化区域 旧市街化調整区域 旧都市計画区域外
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また、住宅系転用の中でも、共同住宅、分譲住 宅の割合の伸びが顕著である。特に、分譲住宅の 割合は農地転用件数が減尐している中で、2.9%か ら 13.2%に割合を上げており、宅地の供給量を増 やしている。3-4-2.土地利用変化(転用場所)
宅地への転換が旧市街化調整区域の、どの場所 で行われているかさらに詳細に見ると、開発場所 は幹線道路近辺が多い。(図3-4.)また、極端 に集中することもなく市内に一様に分散しており、
建てやすい所から開発されていることが分かる。
分譲住宅に着目してみると、規模の小さい開発 が増加している。10 棟未満の戸建住宅開発(以下、
ミニ開発という。)が増加しており、その土地利用 形態は進入路が袋小路となっているものが多い。
しかし、開発者負担とできるために、新たな道路 整備など行政コスト増加を伴うものではない。
第4章 香川県の線引き廃止に対する考察
4-1.人口流出への歯止めに対する評価
旧区域区分ごとに見れば、旧市街化調整区域の 人口が増加していることから、人口の歯止めにな っていると言えないことはないが、香川県におい ては線引き廃止による都市計画区域の再編を行な ったこともあり、人口流出への歯止めの意義が薄 れている。香川県全体での人口動向は線引き廃止 後も減尐を続けており、線引き廃止による人口流 出への歯止めの効果は認められない。
4-2.地価に対する評価
線引きを廃止すると、旧市街化区域の地価を下 落させることが確認された。これは、線引き制度 によって土地利用が制限されることで、本来の地 価よりも高い価格になっていたと考えられる。線 引きの位置を行政が正確に把握することは困難で、
最適であったとも言えず、土地利用の資源配分上 の非効率が発生していたと考えられる。
4-3.土地利用変化に対する評価
線引き廃止により、旧市街化調整区域の農地か ら宅地への土地利用変化が増加し、土地利用形態 として袋小路のミニ開発が増加することが確認さ れた。これは前節でも述べた資源配分上の非効率 が解消されていると考えられる。また、ミニ開発 は袋小路が多く、好ましくないとする意見もある が、開発者負担とすることができ、交通渋滞など の集中も尐ないため、新たな道路整備などの行政 コスト増加を伴うものではない。
第5章 線引き廃止に対する提言と今後の課題 5-1.分析評価をうけての提言
【提言1】線引き廃止には、人口流出歯止めの効 果があるとは言えない。
香川県においては、旧区域区分で見ると、人口 流出の歯止めが認められたが、県全体としての人 口減尐には歯止めがかかっていない。
人口流出の歯止めのみを目的とする線引き廃止 の選択は、効果が認められず行なうべきではない。
【提言2】線引き廃止の検討をする場合には、旧 市街化調整区域における土地の利用形態変化
(ミニ開発)が増加することを認識しておかな ければならない。
廃止の選択によってこのような変化が起こるこ とを認識したうえで、線引き廃止の検討を行なう べきである。
【提言3】線引き廃止によって地価は下落し、ミ ニ開発が増加するが、開発増加に対する行政コ スト増加が小さければ、線引き廃止をしてもよ い。
ミニ開発の是非は意見が分かれる場合があるが、
新たなインフラ整備による行政コストの増大がな ければ、大きな問題があるとは言えない。
5-2.今後の課題
人口や地価、土地利用動向などは、依然変化を 続けている。今回の分析だけではなく、今後も継 続して調査を続け、定期的に分析を続けていくこ とが必要である。
1阿部成治(1999)「都城広域都市圏における線引き廃止への経緯と効果」
第34回日本都市計画学会学術研究論文集No.46 2桑田智子・越澤明(2004)「平成12年都市計画法改正に基づく香川県の線引き廃 止と都市計画区域再編に関する考察」日本建築学会技術報告集 第20号 3石村壽浩・鵤 心治・中出文平・小林剛士(2006)「香川県線引き廃止に伴う土地 利用動向に関する研究」日本建築学会計画系論文集 第607号 図 3-5. H17 農地転用個所と幹線道路の位置関係
市道 県道 国道 高速道路