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超高温 ガス炉

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Academic year: 2021

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博 士 ( 工 学 ) 角 田 淳 弥

学 位 論 文 題 名

超高温 ガス炉(VHTR) 開発 のための 黒鉛の照射挙動に関する研究

学位論文内容の要旨

  950℃ 以 上の 高温 のガ ス を取 り出 すこ とを 目 標と したVHTRは、 米国に おいて提唱された第4 世 代原 子カ シス テ ムのーっとして、世界的に 高い優先度で開発が進められ ている。このVHTRで は、炉心の出 カや出力密度が大きく、温 度条件が高温ガス炉(HTGR)と比較して厳しくをることか ら、VHTRの炉 心で使用される黒鉛構造物 に関して、使用期間中の健全性を確認すること及び高照 射量、高温に おける挙動を確認すること が重要である。また、¥rHTRにおいて炉心の出カや出力密 度を大きくす るためには、事故時の燃料最高温度の上昇を抑制する必要があり、そのためには黒鉛 材料の熱伝導 率の正確な評価が重要であ る。さらに、VH'IRでは炉内に黒鉛材料を大量に使用する ため、廃棄物 としての黒鉛の処分等は避けられをい問題であり、黒鉛廃棄物を低滅することが重要 である。加え て、VHTRの開発においては 水素製造設備に供給する熱源及びガスタービン発電効率 の向上をめざ して冷却材の高温化が重要であり、これに伴う炉内の高温化に耐え安全性を向上させ る方法として 、金属に替わるより高温で使用できる耐熱性セラミックス材料の炉内構造物への適用 が望まれる。

本 研究 では 、VHTRで使用される黒鉛材料の開 発に資することを目的として 、高温工学試験研究 炉(HTTR)の 炉心 で 使用されている黒鉛構造物 について健全性評価手法の確 立、HTTRに装荷され た黒鉛の照射 前特性評価、事故時の燃料最高温度の評価に係わる黒鉛の熱伝導率データの取得・評 価、照射済黒 鉛の埋設処分の検討及び黒鉛構造物の使用期間長期化による黒鉛廃棄物の低滅化のた めの技術開発 を行う。また、VHTRで使用 される新しいセラミックス材料の開発に資することを目 的 と し て 、 耐 熱 性 セ ラ ミ ッ ク ス 材 料 のVHTRへ の 適 用 性 に つ い て 検 討 を 行 う 。 本論文は6章 から構成されている。第1章 では、研究の背景として世界のエネルギー情勢、高温ガ ス炉開発の歴 史と今後の展望を示し、VH′rRで使用される黒鉛材料の開発に必要を課題と本研究の 目的を明らか にした。

第2章 で は 、VHTR設 計 の 基 礎 と を るHTTRの 概 要 を 示 し 、供 用期 間中 にお け るHTTR黒 鉛構 造 物の健全性評 価手法として、TVカメラを 用いて黒鉛構造物の表面を目視により観察する供用期間 中検査装置を 開発し、本装置を用いた目視検査及びサーベイランス試験による供用期間中の黒鉛の 特性値評価を 行う黒鉛構造物の健全性評 価手法を確立した。また、HTTRに装荷された黒鉛の照射 前特性評価を 行い、HTTR炉内に装荷され ている黒鉛の特性値は、データのばらっきが少をく良好 で、強度及び 破壊確率等が黒鉛構造設計方針で規定されている設計用データより優れた強度特性で あることを確 認した。

第3章では、 減圧事故時の燃料最高温度評 価に重要である黒鉛熱伝導率の焼きをまし効果(アニー

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リング効 果)について、黒鉛熱伝導率のアニーリング効果を適切に考慮することにより、合理的に 保守性を 排除することが可能とをることを解析的に確認した。また、実験データを基にアニ―リン グ効果を 定量的に評価し、任意の照射温度及び照射量においてアニーリング効果を考慮した熱伝導 率 の 導 出 を 可 能 と し、 炉内 構造 物の 温 度を これ まで よ り正 確に 評価 でき る こと を示 した 。 第4章で は、VHTRを対象とした照射済 黒鉛プロックの埋設処分の 検討を行い、黒鉛ブロックの埋 設におい ては黒鉛中に含まれる窒素 の量及びC‑14量を精度よく測定することが重要であることを 示した。 また、黒鉛構造物の寿命の要因である照射残留応カを直接測定する方法として圧子押込み 特性測定 による残留応力評価手法の開発を行い、照射後の黒鉛構造物の残留応カは圧子押込み深さ を測定す ることで評価できる可能性があり、黒鉛構造物の残留応カを評価し、低い残留応カの黒鉛 構造物を 再利用することで黒鉛構造物の使用期間の長期化によって黒鉛廃棄物が低減化できる見通 しを得た 。

第5章 では 、セラミ ックス製炉内構造物として 、C/C複合材や超塑性ジルコ ニアを適用する際の 構造設計 手法の検討を行うとともに、代表的を構造物への応用にあたり基礎的を成立性を検討し、

C/C複 合材 の強 度評 価 にお いて 競合 リス ク 理論 を用 いた 評 価が有用であり 、C/C複合材をVHTR の炉内構 造物として適用できる見通 しを得た。

第 6章 で は 、 本 研 究 で 得 ら れ た 成 果 を 総 括 す る と と も に 、 今 後 の 展 望 を 示 し た 。 以上、本 研究により高温ガス炉の黒 鉛構造物について供用期間中における健全性評価手法が確立 し、アニ ーリング効果を考慮して事 故時の黒鉛材料の正確を熱伝導率の導出が可能にをるととも に 、残 留応 カを評 価する技術を用いた黒鉛廃棄 物の低減化及び耐熱性セラ ミックス材料のVHTR へ の適 用の 見通し を得ることができた。これら の成果は今後のVHTRの開発 に大いに役立つこと が期待で きる。

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学位論文審査の要旨

学 位 論 文 題 名

超高温ガ ス炉 (VHTR) 開発のための 黒鉛の照射挙動に関する研究

950℃ 以上 の高 温の ガ スを 取り 出す こと を 目標 とし たVHTRは、 米国 において提唱さ れた第4世 代原子カ システムの→っとして、世 界的に高い優先度で開発が進 められている。このVHTRでは、

炉心の出 カや出力密度が大きく、温 度条件が高温ガス炉(HTGR)と 比較して厳しくをることから、

VHTRの 炉心 で 使用 される黒 鉛構造物に関して、使用期間 中の健全性を確認すること 及び高照射 量、高温 における挙動を確認するこ とが重要である。また、VHTRにおいて炉心の出カや出力密度 を大きく するためには、事故時の燃料最高温度の上昇を抑制する必要があり、そのためには黒鉛材 料の熱伝 導率の正確を評価が重要である。さらに、VH′rRでは炉内に黒鉛材料を大量に使用するた め、廃棄 物としての黒鉛の処分等は避けられ教い問題であり、黒鉛廃棄物を低減することが重要で ある。加 えて、VHTRの開発において は水素製造設備に供給する熱 源及びガスタービン発電効率の 向上をめ ざして冷却材の高温化が重要であり、これに伴う炉内の高温化に耐え安全性を向上させる 方法とし て、金属に替わるより高温で使用できる耐熱性セラミックス材料の炉内構造物への適用が 望まれる 。

本 研究 では 、VHTRで使用さ れる黒鉛材料の開発に資する ことを目的として、高温工 学試験研究 炉(HTTR)の 炉 心で 使用され ている黒鉛構造物について健 全性評価手法の確立、HTTRに装荷され た黒鉛の 照射前特性評価、事故時の燃料最高温度の評価に係わる黒鉛の熱伝導率データの取得・評 価、照射 済黒鉛の埋設処分の検討及び黒鉛構造物の使用期間長期化による黒鉛廃棄物の低減化のた めの技術 開発を行った。また、VHTRで使用される新しいセラミッ クス材料の開発に資することを 目 的 と し て 、 耐 熱 性 セ ラ ミ ッ ク ス 材 料 のVHTRへ の 適 用 性 に つ い て 検 討 を 行 っ て い る 。 本論文は 全6章で構成されており、各 章の概要は以下の通りであ る。

第1章で は、研究の背景として世界の エネルギー情勢、高温ガス 炉開発の歴史と今後の展望を示 し 、VHTRで 使 用 さ れ る 黒 鉛材 料 の開 発に 必要 を 課題 と本 研究 の目 的 を明 らか にし てい る 。 第2章 では 、供 用期 間 中に おけ るHTTR黒 鉛 構造物の健全 性評価手法として、TVカメ ラを用いて 黒鉛構造 物の表面を目視により観察する供用期間中検査装置を開発し、本装置を用いた目視検査及 びサーベ イランス試験による供用期間中の黒鉛の特性値評価を行うことによる黒鉛構造物の健全性

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孝 明

明 一

   

   

善 友

吉 柳

野 辺

授 授

授 授

教 教

教 教

査 査

査 査

主 副

副 副

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評価手法を確立し ている。また、H′rTRに装荷 された黒鉛の照射前特性評価を行い、HTTR炉内に 装荷されている黒 鉛の特性値は、データのばらっきが少をく良好で、強度及び破壊確率等が黒鉛構 造設 計 方針 で規 定さ れて い る設 計用 デー タ より 優れ た強 度特 性 であ ることを確認して いる。

第3章では、減圧事 故時の燃料最高温度評価に 重要である黒鉛熱伝導率の焼きなまし効果(アニー リング効果)につ いて、黒鉛熱伝導率のアニーリング効果を適切に考慮することにより、合理的に 保守性を排除する ことが可能とをることを解析的に確認している。また、実験データを基にアニー リング効果を定量 的に評価し、任意の照射温度及び照射量においてアニーリング効果を考慮した熱 伝導率の導出を可 能とし、炉内構造物の温度をこれまでより正確に評価できることを示している。

第4章では、VHTRを 対象とした照射済黒鉛ブロ ックの埋設処分の検討を行い 、黒鉛ブロックの埋 設においては黒鉛 中に含まれる窒素の量及びC‑14量を精度よく測定することが重要であることを 示している。また 、黒鉛構造物の寿命の要因である照射残留応カを直接測定する方法として圧子押 込み特性測定によ る残留応力評価手法の開発を行い、照射後の黒鉛構造物の残留応カは圧子押込み 深さを測定するこ とで評価できる可能性があり、黒鉛構造物の残留応カを評価し、低い残留応カの 黒鉛構造物を再利 用することで黒鉛構造物の使用期間の長期化によって黒鉛廃棄物が低減化できる 見通しを得ている 。

第5章で は、 セ ラミ ック ス材 料のVHTR炉 内構 造物 への 適 用に つい て、C/C複合材を用い た構造 設計手法の検討を 行うとともに、代表的を構造 物への応用にあたり基礎的を成立性を検討し、C/C 複合 材 の強 度評 価に おい て 競合 リス ク理 論 を用いた評価が 有用であり、C/C複合材をVHTR炉内 構造物として適用 できる見通しを得ている。

第6章では、本研究 で得られた成果を総括して いる。

これを要するに著 者は、高温ガス炉の黒鉛構造物について供用期間中における健全性評価手法を確 立し、アニーリン グ効果を考慮して事故時の黒 鉛材料の正確を熱伝導率の導出を可能とすること で、VHTRの高性能 化に大きく貢献している。ま た、残留応カを評価する技術を用いた黒鉛廃棄物 の低 滅 化及 び耐 熱性 セラ ミ ック ス材 料のVHTRへ の適 用の 見通 し を得 ることで、VHTRの 高性能 化の み 教ら ず経 済性 及び安全性 を考慮したVHTRの開発の道 を示している。これらの知見 は、原 子カ工学に貢献す るところ大をるものがある。よって著者は、北海道大学博士(工学)の学位を授 与される資格があ るものと認める。

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参照

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