紹 介
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(2) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ ‑402‑. 第5 5 巻 第 3・ 4号. 748. 援にモデルになるという人物でないとしているから,タッシィにせよケイにせよ,かれら は遠く近くに接しえたスミスの姿を心に留めて制作したものとおもわれる。残念なことの 、ひとつは例のジ z イムズ・ウォットがスミスの頭像を作ったとされていながら,それが現 存していないことである。 このようにスミス像は向時代人の作品をふくめてなんらかの意味で想像の産物ばかりで あるけれども,立体像はとくにその性格がつよいために,今日においても久ミス研究,と りわけ人間スミスの研究がすすむことに平行してスミスの風貌を彫塑する仕事には一定の 意義をみとめることができる。. 9 7 5 年の秋から 7 7 年の春まで欧米に在外研究の機会を与えられたとき, M a r o c h e t t i 私は1 の縮小版でもよいから入手したいと努めたのだが,徒労におわった。そうして 7 6 年の秋に トロント大学マッ、ンー・カレジの名誉教授のスウイントンから若いカーコーディの芸術家 が『諸国民の富』二百年を記念してスミス像を制作したことを告げられ,その作品をトロ シト大学と教授自身とが 1点づっ受贈する予定である,と知らされた。現物はまだトロン トに到着していないといわれ,ほぼ完成じた作品の写真ならばここにあると机上を示し て,教授は胸を張ったのである。スウイントンはカーコーディの出身で動物学が専門であ り,同郷の先人スミスの骨粗,人相,体形など人間スミス,動物あるいは生物としてのス ミスに関心があるという特異な人物であることがスミス像への関心と自然に重なったよう である。私は教授に早速にも同ーのコピーを日本にもゆずってもらえまいか,. とお願い. し,教授は考慮したいといわれた。その後,各種の経緯があったが,教授から寄付者とし. .R . .Jackmanを紹介され, てトロント在住の H. ジャックマンのご厚意と芳宏、によりス. ミス像が香川大学に贈られることになった。私自身は日本のスミスの会への寄付を希望 し,大河内一男会長のご意見を伺ったのだが,大河内教授は悶定した会館をもたない同会 の現状から,むしろ大学のような研究機関をすすめられ,そのお奨めにしたがったのであ る 。. 9 7 9 年 4月にリヴァプール港から船積され,同年夏に神戸港を経て香川 このスミス像は1 大学に到着し,大学側で台座やネイム・プレイトを調達し,据えつけを終えたのは同年度 のおわりであった。 本像はスミスの胸像であり,材質がグラスファイパーであることから,ガラス・ケース を特注し,正面にはスミスの自署?を拡大したプイレト,右側に寄付者,制作者の氏名を刻 印したプレイトをつけてある。.
(3) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 7 4 9. 403. あるスミスの狗像について. 制作者はカーコーディに{i:む若い女流の彫塑家 E u n i c eG .Camer 、 onである。. ユーニ. J f i i jからコピーの追加注文があって多忙の スはスミス像を制作したことで著名になり,各ゴI う 。 極に達したと L、. ということ~諸国民の富 J 公刊二百年とい. うことのほかにはないと私への手紙にあった。彼女が同封してこられた地方新開には「大. i 亡がし」の彼女の生活ぶりや香川大学への作品の送付ーなどが記されている。. A. B. ここに掲げる写真 A は全体のもの, B は正面左下方からのものである。みられるよう にユーエスはチャールズ・スミスや M a r o c h e t t i による大きく閉し、た襟元を採用,顔付 はやさしさをもちながらも精停〔せいかん〉で男性的なものである。 一体,スミス像にはふたつの系列,一方はアポロ的で柔和な,大河内教授のいわれる 「福徳円満」のもの,他方は精力的で客気があるものにわかれ,前者にはケイ,カロ ピー,スティヴンスン,ガッサーのもの,後者にはチャールズ・スミス,. デューラム,. M a r o c h e t t i,C e s a rのものをかぞえうる。スミス{象としてもっとも信頼のおけるタッシー のメダイヨンは 2系列の中間であり,横向きであるためもあって,どちらとも断定しがた いが,全体の雰囲気はアポロ的であるといえよう。この問題は対象とするスミスの年齢に.
(4) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ ‑404ー. 第5 5 巻 第 3・ 4号. 7 5 0. もかんけいがあり, 40 歳代, 5 0 歳代のスミスはかなり zネルギッシュであり, 60 歳代のス ミスは福徳円満型,内省型,病身型に移行したともかんがえられる。しかしカロピーのも のなどは壮年期でありながら,じつに柔和そのものであることも注意されてよい。 ユーニスの作品はあきらかに第 2系列のスミスであり,カロピーと好一対をなすものと いうことができる。そこには女性特有の明敏な観察をよみとりうると同時に彫塑のタッチ は意外に荒々しく,スミス像の新境地を開拓したものである。なおユーニスからの手紙に よれば,彼女はスミス像をいくつか試作し,丹念に修正をくりかえしていること,複数の 作品自体もそれぞれ手を加えているので同一作品ではないことであり,彼女のスミス像の 全貌はそれらのすべてをみなければ論じえないのである。彼女は明言は避けているが,香 川大学所蔵分は溜身の作品であるようである。 さいごに謝辞をのべておきたい。制作者カメロン,寄贈者ジャックマンのふかド国際的 友情について,またスウイントン教授の懇篤なあっせんに対してお礼申しあげたい。また 大河内一男教授のご海容とご指導,さらに受入側として数々の面倒な作業に応じられた当 時の香川大学経済学部長木村等教授ならびに横井義則教授,同事務長藤井久米夫氏,管理 運営委員の諸先生,会計係事務官の各位にかりそめならぬ謝意を表したいとおもう。.
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