体 育 の 評 価 の 現状 と 問 題 点 一陸上競技の回帰評価、重回帰評価のための至適変量についての検討
野 田 洋 平
(1981年10月31日受理)
は じ め に
陸上競技は,自分の走・跳・投の能力や努力が記録として測定されるため,比較的評価が容易に なされてきた。反面容易であるがために,記録を相対的に評価するのみで,個々の能力や努力の 過程をないがしろにした評価の実践も少なくない。そのことは,評価に必要な条件としての測 定の妥当性,信頼性,経済性などの高い科学性を欠き,量的に測っただけの未処理のデータを相対 的に利用したことから起る重大な誤解である。測定そのものに教育的意義はないが,高い科学性を もたせ,評価の目的によって工夫され,価値を付与されることによって,追求する目標,学習目標 にどのように到達したか,期待した効果があがっているかなどを明らかにする評価にとって重要な フィードバック情報である。
本研究では,陸上競技の評価基準を作成するために,関連する体力,運動能力,体格等に関する 一般的なテストを用いて関係の深いテストitemを選択し,それらのテストitem 2変量,3変量に
よる回帰評価,重回帰評価を検討した。
1 陸上競技(五種競技得点)の回帰・重回帰評価のためのスポーツテストの検討1)
スポーツテストの結果の利用という観点と基礎体力と陸上競技(混成競技)との関連は大である という仮説から,五種競技の評価への利用を検討した。今回は,体力診断テスト,運動能力テスト ともに,テストを構成する個々のテストitemを使用せず,それらのスコア(得点)を説明変量とし た。身長や体重を独立変量とし,運動能力を従属変量とした2変量,3変量による回帰評価,重回 帰評価は,1953年以来,東大水野が研究成果を発表し,体格を考慮した評価方法を提案した。2)誰 れもが自分の身長を手掛りに,全国の同じ身長をした者の平均値を基準として,各自の出した測 定値をそれと比較して,優劣を明らかにすることが可能である。……測定値の絶対値によるので はなく,自分の身長と同じ小さい身長の日本人全体からみて良否を判定する相対評価である。従来 の1変量による体力,運動能力の評価では,体格という一っの指標を考慮していないという欠陥を 指摘し,同一条件(同じ体格の者同志)での評価,即ち教育の場では体格を無視した評価法は妥当
性を欠くために統計的回帰を導入して体格を考慮する評価方法を確立したと水野は説明している。
2変量同時使用の回帰評価法3)で身長を独立変量とすることは,即ち体格を考慮する意味は,体
力と運動能力の発揮には体格の大小との関連が大きく,体格の発育のよいものは一般的に運動の記
録がよく,小さい者はよい記録がでにくい(体格と運動能力とに有意な相関がある)という法則的
事実に依っている。体力,運動能力を従属変量とし,独立変量を基礎とした上で,従属変量の出来
ばえを評価するという考え方である。その評価の基準は,回帰直線であり,体格の大小に合せて,
生の基準値はスライドする。評価するときに,基準値からの上下へのずれ,へだたりを計る尺度は,
回帰からの標準偏差をあてる。図1のような5段階を形成する。各評価基準値は,回帰式に数値を Y 代入することによって容易に計算できる。
〈 一 一 ここで独立変量にされた身長は,遺伝的な影Y=Y+b(X−X) A
響を受けやすい身体指標であり,測定値の測定
(従属変量
講ll/難蒼欝糖鷺‡ll罪}Sylx (α138),11才(α179),12才(α328),つ髭SyD 13才(α491),14才(α437),女子は順
) Sy.x @ E に0.221,0.261,0.215,0.213,0.156である。
野田5)らのデータによれば50M走と身長の 相関は,0.200〜0.400の間に計算されている。
これらの統計値は,相関係数の有意性を説明 することは出来るが,運動能力を評価するた X
i独立変量) めにどのくらいの寄与率があるかといえば
図1 回帰評価法の5段階評価 (r2 x 100)」水野のデータは1.90〜24.10%,
野田のデータでは4〜16%であり,別な言い方をすれば,身長は50M走に2%〜24%程度しか 寄与していない(説明できない)。
本研究では,以上のことをふまえ身長よりは,測定値を得点化し,その得点には大きい日差がな いことに着目して,現在実施されている,体力診断テスト得点,運動能力テスト得点を独立変量と して使用し,陸上競技(五種競技)を評価しようと試みた。対象は茨城高専学生(2年男子359名),
陸上競技(200M,80 LH,走巾跳,走高跳,砲丸投げの五種競技……従属変量),スポーッテスト 得点(独立変量)とした。スポーツテスト得点と五種競技,身長との相関係数は表1の通りである
(1%水準で有意)。運動能力テスト得点の五種競技への寄与率は約55%,身長の寄与率よりは大 である。体力診断テスト得点も前者に劣る。二つの変量の平均,標準偏差,相関係数から,回帰方
表1 各種目間の相関係数
種 目
200M80LH 走巾跳 走高跳 砲丸投 五種得点 体力診断 運動能力
運動能力テスト得点 一〇.67 一〇.58 0.64 0.53
0.48 0.740.51
体力診断テスト得点 一〇.33 一〇.36 0.41 0.40
0.440.49 0.51
身 長 一〇.13 一〇.20
0.220.33 0.36 0.18
程式を求め,回帰係数,標準偏差を計算する。表2,表3は得られた結果である。この回帰方程式 から,独立変量の特定の値に対応する従属変量の平均値,即ち回帰(〈Y)がえられる。表4,表5 は運動能力テスト得点,体力診断テスト得点の五種競技への回帰評価表である。体力診断テストは
1点ごとに,運動能力テストは5点刻みに対応する回帰値を算出し,標準変差値(Sy.x)で5段階
に区分した。体力診断テストと運動能力テストを評価基準をつくるための変量として適当であるか
どうかを検討すると,後者の方が回帰からの標準偏差値が小さく,評価の巾がせまくなっているこ
とから,現場での指導実践のため,形成的評価のためのfeed back情報を早く提示するときには,
表2 陸上競技に対する体力診断テス トの回帰方程式 表3 陸上競技に対する運動能力テス トの回帰方程式
Syx Syx
走巾跳 ♀=6.35X+302船
34.76走巾跳 〈Y=1,80X+383.78
29.28走高跳 量=2.97X+ 63別
16.74走高跳 〈Y=0,71X+10640 工5.49
砲丸投 〈Y=18.61X+45230
93.42砲丸投 Y=3.68X+748.75 〈
91.2680LH 〈Y=−0.18X+ 19.60 1ユ7
80LH
〈Y=−0.053X+ 17.331.02
200M 〈Y=−0.21X+ 3496 1.44
200M 〈Y=−0.08X+ 33.051.14 五種競技
八Y=61.39X+1549.53 268.64五種競技 〈Y=16β2X+2352.14
207.28表4 五種競技得点に対する体力診断テスト得点の回帰評価表
∋価得、、
基準値
54
3 2 123 2961 〜3364 3363〜3096 3095〜2827 2826〜2559 2558〜
24 3023 〜3426 3425〜3158 3157〜2889 2888〜2621 2620〜
25 3084 〜3485 3484〜3217 3216〜2950 2949〜2682 2681〜
26 3146 〜3549 3548〜3281 3280〜3012 3011〜2744 2743〜
27 3207 〜3610 3609〜3342 3341〜3073 3072〜2805 2804〜
28 3268 〜3671 3670〜3403 3402〜3134 3133〜2866 2865〜
29 3330 〜3733 3732〜3465 3464〜3196 3195〜2928 2927〜
30 3391 〜3794 3793〜3526 3525〜3257 3256〜2989 2988〜
Syx 268β
表5 五種競技(得点)に対する運動能力テスト得点の回帰評価表
評価得い、
基準値
54
3 2 135 2941 〜3253 3252〜3046 3045〜2837 2836〜2630 2629〜
40 3025 〜3337 3336〜3130 3129〜2921 2920〜2714 2713〜
45 3109 〜3421 3420〜3214 3213〜3005 3004〜2798 2797〜
50 3193 〜3505 3504〜3298 3297〜3089 3088〜2882 2881〜
55 3277 〜3589 3588〜3382 3381〜3173 3172〜2966 2965〜
60 3361 〜3673 3672〜3466 3465〜3257 3256〜3050 3049〜
65 3445 〜3757 3756〜3550 3549〜3341 3340〜3134 3133〜
70 3529 〜3841 3840〜3634 3633〜3425 3425〜3218 3217〜
Syx 207,3
運動能力テスト得点から回帰式を求め,運動能力に至適な評価をすることが可能である。体力診断 テストは評価精度が甘い。
先の回帰評価が2変量同時使用の評価法で,個々の体力,運動能力に応じた五種競技の得点を評 価するというものであり,平均値評価法で無視しがちであったそれらの能力を考慮した評価である。
そこで2変量同時使用の評価をより精度高くするために,3変量同時使用の評価を試みた。対象
測定項目,得点については,回帰評価のときのデータをそのま〜使用した。独立変量となる2変量
はそれぞれ独立であることが条件だが,体力診断テストと運動能力テストの間には0.51の有意な相
関があり,同一の性質が存在していることが推測される。今回は独立性はうすいが,2つの変量を用
い重回帰方程式標準偏回帰係数重相関係数,回帰平面からの標準偏差を求めて評価基準性を検 討した。求めた方程式は表6である。
この式のX1に運動能力テス 表 6
ト得点XlAをX2に体力診断テ r1か3 r 13.2 r 23.1 R Syi2
スト得点X2Aを代入すると,A 金=15.04×1+1g創X2+1g6α48 α25α65α1gO.7520a83 と同じ運動能力,体力診断テス (0°51)(0 74)⑩・49)1
卜得点をもつものの五種競技得 r12.3運動能力テストと体力診断テストの偏相関係数 点傘が求められる。この金は r13.2運動能力テストと五種競技の偏相関係数 同じ得点をもつものの平均値を r23.1体力診断テストと五種競技の偏相関係数 意味する。同じ得点をもったも X1=運動能力テスト得点
のの平均値は・回帰平面上に数 餐・=体力診断テスト得点 多く存在しており,これを評価 Y =五種競技の期待値
R =重相関係数の基準にする。回帰平面からの
〈 Sy12=回帰偏差隔たり(Y−Y)をはかる尺度と
(胸は単相関係数しては,回帰平面からの標準偏
差(Sy囎)を使用する。評価をするときf±0.5 Sy.123±1.5 Sy.1,を計算し,回帰平面に平行な 4個の標準偏差の垂直距離だけ隔った4平面を構成しておけばよい。
変量が回帰評価の2変量から,重回帰評価の3変量になるため,それだけ得られる情報量が豊富 になる。変量がふえると尺度の幅(標準偏差)が縮少し,そのことから,得られる知識が多くなっ ていくことを説明できる。そのとき重相関係数が単相関係数より大になっている。即ち運動能力テ ストと五種競技との相関係数は0.74であるが,体力診断テストを加えることによりわずかに重相関 係数が上昇する。運動能力テスト得点だけで評価するより,よいことを意味する。しかし,体力診 断テスト得点の影響はきわめて少ない。運動能力テスト得点の影響を消去した偏相関係数r23.1が α19で低いことがそれを証明している。体力診断テストが評価基準の変量としては,貢献量は低い か統計的的には,2変量を3変量にしたために評価精度が若干上昇することは認められる。至適な 独立変量を選択することにより,3変量の重回帰評価が,評価のために有用であることがわかる。
体力診断テスト得点と運動能力テスト得点を評価基準変量として五種競技得点を評価したものを 表7に示した。紙面の都合上二つの場合にっいてのみ提示した。
表7 五種競技得点の評価基準
(1)体力診断テスト得点20点,運動能力テスト得点50点のとき五種競技得点3105点
5
4
32
1〜3411 3410〜3208 3207〜3003 3002〜2799 2798〜
(2)体力診断テスト得点30点,運動能カテスト得点60点のとき五種競技得点3451点
5
4
3 2 1〜3758 3757〜3554 3553〜3349 3348〜3145 3144〜
五種競技を体力診断テスト得点,運動能力テス 卜得点の2独立変量で回帰評価,重回帰評価し,
それら二つのテスト得点はそれぞれ独立しているとはい、がたいが,スポーッテストの利用という
点からすれば,容認ができる評価基準のための説明変量になり得ると思われる。特に五種競技の各 種目を云々することでなく,五種競技の得点を問題にするとき,基礎的な能力の総合力でそれを 判断することにも理があると考える。しかし,基礎的な体力のすぐれている者,劣っている者の評 価に関しては,先の方程式がそのま、適用できるとは思わない。それはその部分のデータが少な いこともあるし,充分なデータがあつめられれば,適用される範囲を明確にした上で,直線や平面 を形成し直す作業によって改善出来ると考えられるからである。よりよい評価をするためにも正確 なデータとデータの範囲は明らかにすべきである。また,身長と運動能力の関連から,身長が説明 変量となるためには,相関が有意であるというだけでは評価のための十分な条件になっていないと 考える。身長と200Mが0.13,走巾跳が0.22では,有意性を別にしても寄与率も低く,説明変量 として,説明できる能力をもっていない。しかし,級別指数(Classification Index,)Classifi一 cation Index(power test)7))五種競技との相関が0.38,0.59であることから,陸上競技の評価 には,身長,体重の影響を考慮しない評価は大切な条件を欠くことになる。
2 陸上競技(五種競技)の評価基準設定のための体力要素の検討8)
先の五種競技の評価に利用した体力診断テスト,運動能力テスト得点は,テスト種目を全て実施 し,総合しないと算出できない。体力診断テストは各種目のテストの記録を5段階に評価し,運動 能力テストは20点に区分し,それを総合して評価するため,生のデータが評価の基準値にはなって いない。体力,運動能力を総合した評価が出来るという長所と,個々の特性(体力,運動能力)を 埋没させてしまうという欠点もまぬがれない。そこで,1〜2種目の単一テストを実施し,評価の 基準値を作成することをねらいに,この稿では,五種競技の各種目(個々の種目)と体力,運動能 カテストとの関連を検討し,重回帰評価のための評価基準となるテスト種目を選択する試みをした。
対象は茨城高専(2年男子155名),測定種目は表8である。同表に平均(文),標準変差(SD),相 関係数(r)をのせた。表9は,各種目ごとの重回帰方程式である。種目ごとに代表的な二つの式を示
した。これから,各種目の評価基準を作るための至適な説明変量(独立変量)を検討する。
200Mでは,運動能力テスト得点と50 M走, Bench−stepping,立巾跳,垂直跳,連続片足跳,下 肢長との組合せが多く,それらのテストは評価のための基準的資料になれる説得性をもっている。し かし,運動能力テスト得点のように総合の力でなく,単一のテスト種目では,重相関係が0.70,即ち,
50%の関与率をもつ組合せは見当らない。したがって,200Mの競技力を評価するには,どうしても 総合的な見方をすることが大切であると推定される。運動能力テスト得点との組合せの中では,特に 瞬発力,脚パワーを代表するテストと関連が深く,それらの種目との組合せが多く,重相関係数も高 い。この研究に導入した貢献度(net−contribution)9)で,200 Mにどの程度貢献しているかをみてみ ると,運動能力テスト得点>50M>連続片足跳>20 M dash>垂直跳・立巾跳のような大小の関 係が成立できそうである。走距離の長い種目(50M)から,脚パワー系の種目に貢献度が下がって いくが,中学生の200Mと1500 Mの記録の相関が高いという事実から,200 Mには持久性が大い に関連していることがわかり,単一のテストで評価基準を作成するには,若干の危惧もある。以上 から,200Mの評価のためには,問題はあるものの総合力で評価することがよいと言えるし,その 他では,50M,脚パワー系テストの組合せで関与率で,約50%をカバーできる評価基準がつくれ
ると推測される。
一
¥8 測定種目の平均(X),標準偏差(SD),相関係数(r) N漏155
項 目 文 SD 200M(r)80 LH(r)L・J(r)H・J(r)
S・P(r)200M 29.95 L64 LOOO O.711 −0,818 −0.579 −0.471
801.H 1552 1.33 0.711 1.000 −0.795 −0.583 一刊D.545
Long Jump 475.57 38.90 −−0.818 −0.795 1.000 0.735 0.558
High Jump
130.40 9.69 −0.579 −0.583 α735 1.000 0.520Shot put
898.24 109.55 −0.471 −0.545 0.558 0.520 1.00020M dash 3.58 0.11 0.510 0.463 −0.586 −0.367 −0.336
50M dash 7.41 0.30 0.665 0.637 −0.716 −0.550 −0.476
背 筋 力 129.72 29.74 0.039 0.014 0.061 −0.019 −−0.056
脚 筋 力 261.72 70.22 0.153 0.191 −0.099 −0.099 −0.161
Side−step
46.37 3.82 −0.375 −0.432 0.435 0.248 0.382Burpee test 13。73 1.91 0.043 0.114 −0.036 −0.073 −0,019
Bench stepPing(1) 13.41 1.07 −0.359 −0.318 0.364 0.262 0.326
Bench stepPing(2} 7.57 0.66 0.288 0.290 −0.319 −0.269 −{〕.258
立巾跳(両足踏切) 232.35 12.85 −0.448 −0.536 0.568 0.467 0.472
立巾跳(片足踏切)
231.58 1445 −0.288 −0.417 0.450 0.445 0.377垂直跳(両足踏切) 57.95 5.49 −0.334 −0.291 0.406 0.460 0.399
垂直跳(片足踏切) 41,69 5.27 −0.324 −0.381 0.460 0.409 0.238
連 続片 足 と び 4.55 0.28 0.556 0.478 −0.600 −0.427 −0.262
開 脚 前 後 開 き 163.76 9.29 −0.123 −0.270 0.260 0.482 0。257
1立 位 体 前 屈 15.53 4.21 −0.064 −0.046 0.064 0.037 0.089
伏臥上体反らし 56.33 6.56 −0.130 −0.218 0.165 0.347 0.274
閉 眼 片 足 立 ち 48.19 31.98 −0.204 −0.150 0.094 0.139 −0.020
体力診断テスト(得点)
23.96 2.18 −0.255 −0.344 0.335 0.451 0.480運動能力テスト(得点)
42.59 9.54 −0.721 −0,683 0.732 0.587 0.519Ponderal Index 8} 23.03 0.65 0.019 −0.038 −{).130 −0.125 0.349
Classification lndex 571.07 19.57 −0.115 −0.288 0.201 0.360 0.632
Classification Index
@(power test) 1150.57 62.95 −0.327 −{〕.343 0.417 0.513 0.545
下 肢 長
7793 4.11 −0.143 −0.230 0。273 0.421 0.286身 長 16723 5.53 −−0.136 −0.264 0.290 α441 0.385
体 重 57.18 5.98 −0。096 −0.269 0.149 0.295 0.658
座 高 89.30 3.09 −0.052 −0.166 0.156 0.230 0.310
r≧0,16055%水準で有意 r≧0.2129 1% 〃
80LHでは,200 Mとことなり,運動能力テスト得点と20 M dash,50 M, side−step,立巾跳 垂直跳級別指数下肢長身長などの組合せによる方程式が重相関係数の高い式となる。この種 目は,形態(級別指数下肢長身長)との関連がつよく,総合体力と脚パワー,形態とが評価の ために必要な要素となる。貢献度でみると,運動能力テスト得点>50M>20 M dash>立巾跳〉
垂直跳〉形態・柔軟性である。形態の貢献度は,運動能力テスト得点との比較で4〜12%程度で
表 9
貢献度
偏相関係数
重相関標準偏差
種 目
独立変量 重回帰方程式 r貰2・3 r13・2 r23・1
係 数200M X1 50M
?Q運動能力テスト
〈Y=0.73X監一α21×2+33。40
X1365
263.5
一〇.434 0,320 一〇.477 0,754
0.68secx1連続片足とび w2運動能力テスト
〈Y=0.52×1−0.25×2+38ユ5
X121.7
2783 一〇.294 0,255
一〇.592 0,742
0.70sec80LH X1立 巾 跳 w2運動能力テスト
〈Y=−0.01×1−0.21×2+47.26 Xl 30ユ
w269.9
0,076 一〇.382 一〇.600 0,738
0.63secX1 50M
w2 Side−step
〈Y= 1.20×1−0.18×2+14.99 XI 73.4
226.6
0,075 0,615 一〇.386 0,703
0.67sec走巾跳
X1立 巾 跳 w2運動能力テスト
〈Y=0.56×1+1。21×2+294。50
X129.3 270.7
一〇.005 0,428 0,664 0,788 31.10cm
XI 50M
w2 side−step
〈Y=−742×1+0.93×2+487.66
X178β w221.4
0,141 一〇.705 0,405 0,770 32.30cm
走高跳
X1 50M w2開脚前後開き
〈Y=−2.88×1+0.44×2+79。67
X157.3 242.7
0,224 一〇.575 0,513 0,697 18.10cm
X1運動能力テスト w2身 長
〈Y=α54×1+0.48×2+26b1 X166.O w234.0
一〇.162 0,591 0,447 0,690
18.30cm砲丸投
Xl運動能力テスト w2体 重
〈Y=1.53×1+2βOX2+684.48
Xl 369
263.1一〇.357 0,595 0,706 0,796 51.40cm
X1 50M w2体 重
〈Y=−7.18Xi+255×2+80591 Xl 31.4
268.6
0,218 一〇.492 0,666 0,770 55.70cm
あり,総合体力の8〜9分の1程度であると推定される。また,一般的に言われている柔軟性の貢献 度も同程度であり,無視はできないものの,記録に関与する力はかなり弱いといえよう。バー
ドル走は走運動の変形といわれているが,200Mとことなり,高さを克服する種目だけに,形態の 大4、柔かさの要素が影響をもってくる。この評価には,総合力と走能力と形魍柔軟性が評価基 準変量として対応できる。
走巾跳では,重相関係数の高い方程式が多い。それらの組合せ変量は,運動能力テスト得点が中 心であり,脚パワー,敏捷性形態がそれらに関連している要素である。前の二つの走種目より以 上にいろいろの要素・種目との関係が深い。説明変量の組合せでは,運動能力テスト得点との組合 せが多いものの,この種目特有の特徴的な組合せ変量には,20Mdash(短かい走種目)とBench一 steppin&立巾跳,垂直跳体力診断テスト得点座高連続片足とび伏臥上体そらしなどとの組 合せが多く出現し,重相関係数も高い。これらの組合せによる走巾跳の評価精度は高いことが予測 できる。貢献度からみると,運動能力テスト得点>50M>連続片足跳>20 M dash>立巾跳〉垂 直跳〉形態・柔軟性・敏捷性となろう。走巾跳では,短距離走能力,脚パワーが主動的要素となろ うが,それらの力を跳距離で発揮させるためには,柔かい身体動作の切りかえの速さ,体格の大 小,リズム等も大きな条件になる。
走高跳では,今回測定したテスト変量による組合せで重相関係数がα70をこえたものはみられない。
したがって,これまでの種目に比して,評価基準をつくることが困難であると予測できるし,これ らのテストの組合せでは,評価精度が高いとは言えない。水平速度を垂直方向への上昇力にかえる Skill的要素が強い種目特性があり,簡単なテストでは測定しきれない深さをもっていることが理 解できる。この種目では,柔軟性(開脚前後開き)との関連が高く,運動能力テスト得点との組合 せで,比較的高い重相関を示した。ついで,形態(下肢長,身長)と運動能力テスト,瞬発力と運 動能力テストとの組合せがみられる。このことから,走高跳を評価する変量として,運動能力テスト 得点,柔軟性(開脚前後開き),形態(身長,下肢長),50Mなどがあげられるが,決定的な変量
と組合せは見出せない。貢献度をみても,形態,柔軟性の占める割合が他の種目に比べてきわめて 高い。評価には,この二つの要素を十分に加味する必要がある。50Mや運動能力テストの貢献度 は他の種目より低いが,依然として,総合力と走能力が影響していることは事実である。走高跳で は,単変量や相対評価では,無視してしまう大切な要素があることが推測されるので慎重にしなけ ればならない。
砲丸投では,50M,20 M dashと立巾跳,垂直跳,連続片足とびとの2変量の組合せに重相関 係数が高く,体重,級別指数を中心とした組合せも同様に高い。この種目では,評価のデータとして 体重,級別指数のもつ意味がきわめて重要であり,これを無視して評価をすることはきわめて正確
さを欠くことになる。同時に,これまでの種目で中心的変量であった,運動能力テスト得点の出現 率が低く,一般学生では,総合的な体力より,形態の方がより貢献していることが推測できる。貢 献度をみても体重〉級別指数〉運動能力テスト得点>50M,20Mdash>立巾跳,垂直跳,身長,
体力診断テスト得点,連続片足跳となる。形態とくに体重が重要なFactorになり,砲丸投げの評 価にか、せぬ要素であることがこの種目の特性である。
以上種目ごとに評価のための変量とその組合せを検討してきた。その変量と組合せに特性がみと められ,説明変量が一様でないことが判明した。運動能力テスト得点のように,いくつかの種目を 内包しているテスト項目は,それ自体問題はあるが,各種目をある程度はカバーできる能力をもっ ている。他のテストについても,種目の特性を出来るだけ説明できる変量の選択がされ,その変量 が独立した要素をもっている組合せで方程式が成立することがのぞましい。今回検討したそれぞれ の変量は,評価精度が高いと認められ,3変量同時使用による重回帰評価は,回帰評価より評価精 度が高くなることもわかる。より質の高い,より多い情報で,個々の能力の発揮する記録を正確に 評価する。そのためにも,種目の特性を把握できる,評価のための説明が十分に認められるテスト itemを選択する客観的な視点をもつ必要にせまられよう。そこから,五種競技各種目を説明でき るテストitemをみると表10のようにまとめられる。いずれも高い精度をもつ変量と組合せである。
その中核は,50Mと運動能力テスト得点の二種目である。
表 10
体力診断テスト 体力診断テスト
立巾跳(両)
50M CIassification lndex
Ponderal Index dash Classification Index 運動能
@ (power test) カテスト Classification Index
blassification Index(power test)
身長
体重
3 運動部学生と一般学生の50Mの記録の評価の発育発達的検討10)
茨城高専学生(運動部学生64名,一般学生104名)を23itemの測定結果で評価の検討をした。
50M走記録とテスト項目との相関をみると,運動部学生では,走巾跳,運動能力テスト得点,垂 直跳(1年だけ),級別指数(P)に著しい相関,握力,背筋力,持久走,体力診断テスト得点,ハ
ンドボールスローに低い相関を示した。一般学生では,走巾跳,運動能力テスト得点に著しい相関,
級別指数(P),垂直跳,握力に低い相関がある。それらの相関係数を両群で比較しても有意な差は みとめられないが,一般学生群の方が少し相関が高い傾向にあると思われる。テスト種目ごとに相 関係数を詳細に検討してみると両群間,学年間に50M記録を評価する変量に差があり,寄与率(r2)
に差があることがみとめられる(詳細は省略)。寄与率(r2),不関率(1−r2)で相関係数を検 討してみても,今回測定したテスト種目では,50M記録を評価するテストとしては,その関連を 説明できない場合が多く(r2が小さく,1−r2が1に近くなる)評価精度が低いと推測される。
貢献度からみてみると,静的なテスト種目よりは動的なテスト種目,敏捷性をはかるテストより は瞬発力(脚パワー)をみるテストの方が一貢献度が一般に高い。形態や柔軟性,心肺機能は50M への貢献度は低い。両群間,学年間には大きな差はない。そのことは,両群,学年間に特有な評価 の基準を設定するための独立変量はないと判断できる
この研究で測定したテスト種目の中で,50M記録の評価を充分に説明できるテスト項目は見当 らない。このことは両群各学年にも言える。その中でも,50M記録を評価する精度がよい組合 せ(関与率50%)は,一般学生では,運動能力テスト得点と身長,座高,下肢長の組合せ(1年),
運動部学生では,走巾跳と踏み台昇降運動(2年生)だけであり,一般学生が1年生で総合力と形 態の組合せに比較的評価精度の高い組合せがみられたが,その他では同じ1年で走巾跳と懸垂,4 年で総合力と下肢長の組合せがあるのみでそれ以外は,重相関係数が低い。運動部学生では,2年 生で先の一組の組合せだけがあるだけで,運動部の学生には,目立つ特徴はみられない。両群の50
M記録評価のための重回帰方程式は同じ傾向の組合せが多い。両群に独自な組合せで,ある程度学 年進行と平行して出現する組合せは.運動部学生に持久走と垂直跳び(1年〜3年)があるが,1 年で0.558,2年0.390,3年で0.312と段々低くなり,4〜5年では出現しない。座高と級別指数
(P)(2年,4年,5年)は0.300〜0.400の重相関係数で評価精度が低い。一般学生では,持久 走と背筋力(2年,3年,4年,5年),があるが,重相関係数は低い。また反復横とびと背筋力(2 年,3年4年)も運動部学生にみられない組合せだが0.30台のR値である。以上・50M記録を評価 するための独立変量(説明変量)を検討してきたが,23itemのそれらの中には,評価精度の高い テスト種目と,重相関係数が高い組合せはみあたらない。学年進行に伴う変量の変化,組合せの相 違もほとんどみられないし,あったとしても評価精度が低く利用できない。両群の相違は,特有の 変量が見当らないことからないと言える。しかし,一般学生より,運動部学生の方が50M走の評 価は困難であると推測される。
4走巾跳の記録を評価するための体九運動能力についての発育発達的検討(小学生の場合)11)
これまで説明変量として測定してきたテスト種目を再検討し,小学校児童37種目,中学校生徒
38種目に再構成した。小学生から中学生まで発育発達に伴い記録の評価にどの程度関与しているか
を明らかにするために,横断 表11相関係数(r),有意性検定(t),差の検定(小学生)
的に検討した。今回はそのう
男 子 女 子
ち,小学校児童についてのみ
テスト種目
5 年 6 年 5 年 6 年
報告したい。
r r r r
表11は走巾跳とテスト種目 身 長
0.3686 0.3513 0.2810 0.2526間の相関係数である。この表 体 重
0.1278 0.211902657
0.0743から次のようなことが読みと
形座 高
0.4889 0.4396 0.1380 0.1473れる。男子では,走巾跳と運
態下 腿 長
0.4044 0.1193 0.1163 0.1568と 大 腿 囲
0.4610 α1233 0.0674 0.1567動能力テスト構成種目,形態
形
下 腿 最 大 囲 一〇.1095
0.2238 0.1562 0.0136と有意な相関があり,6年に
態下 腿最 小 囲 一〇.4839
0.0500 0.1258 0.1133なると運動能力テスト構成種
指下 肢 長 一〇.4081
0.2101 α4172 0.2351目とは高い相関がある瓶形
数大 腿 長 一〇.4313
0.1694 0.5138 0.1884態は5年ほどでない。また,体 下 腿囲 比 率
0.3626一〇.2474 一〇.1276 一〇.1796
ローレル指数 一〇.4881 一〇.0939 0.1021 一〇.2158 力診断テスト得点は運動能
背 筋 力
0.5497 0.3794 0.2832 0.3156カテスト得点と同様の高い相 握 力
0.3890 0.4758 0.0975 0.3458関がある(5年6年ともに)。
筋連続さか上がり
0.2624 0.1862一〇.2463
0.3861女子では,体力診断テスト,運 斜 め 懸 垂
0.2383 α3940一〇.1036
0.3728動能力テスト種目との関連が
力脚筋力 (両足)
0.1980 0.1108 0.2349 0.1975つよいが5年,6年ともに形態 〃 (右足)
0.0698 0.1542 0.0065 0.1807〃 (左足) 0.0111
0.2629 0.1068 0.2140との相関は低い(これは男子
スピード 50 M 走 一〇.0903 一〇.1645 一〇.6942 一〇.5605 と相違している)。5年では柔 伏臥上体そらし
0.4348 0.2768 0.5394 0」524軟性瞬発力と有意な相関が
柔軟
立 位 体 前 屈
0.4443 0.3837 0.0126 α0420ある。6年では筋力,協応性
性開脚前後開き 一〇.1037
0.1839 0.6182 0.2619に有意な相関があり,5年生 柔 軟度 指 数 一〇.2949 一〇.0777
0.5169 0.0433バランス 閉眼片足立ち
0.0473 0.0558 0.6500 0.3059とはことなった有意1生を示し
持久性 踏み 台 昇 降 一〇.0364
0.0297 0.2823 0.1726ている。中学生になると男女 立 幅 跳 0.7461
0.6073 0.7198 0.4970とも高い相関を示す50M走
跳垂 直 跳
0.7268 0.6900 0.58200.3851
とは,小学男子で相関がまっ
躍片足垂直跡
0.5204 0.1116 0.7129 0.4559たくみとめられないが女子で
力片 足立 幅 跳 一〇.0822
0.2246 0.8199 0.368620M 片 足 跳
0.4289一〇.1812 一〇.6643 一〇。0817 は著しい相関を示している。
投力 ソフトボール投げ
0.7064 0.5150 0.2270 0.2992また,開脚前後開き,閉眼片
総体力診断テスト得点
0.7089 0.6069 0.6365 0.4287足立ち,立巾跳シャトルラ
合運動能カテスト得点
0.7443 0.6172 0.5532 0.7363ンとの相関係数は女子が有意
敏反 復 横 と び
0.6227 0.2518 0.7123 0.5061に高く,ボールスローだけ男
捷ジグザグドルブル 一〇.2514 一〇.4240
一α1825一〇,5892 子が高い。6年では50Mで
性 シ ャ ト ル ラ ン一〇.1256 一〇.3188 一〇,8246
女子が高く,垂直跳では,男 競技 走 幅 跳 1.0000 LOOOO 1.0000 1.0000
N=33 N=44 N;31 N=49 子が有意に高い。これらのデ 。 5% 田〉α謝国〉α謝1・1>幡51・1>α珊
一タを基本とし,走巾跳記録 。, 1% 1,1>α囎1・1>α謝1・1>α㈱1「1>α躍
の評価基準を作成するための, ***α1% 1・1>α魏1「1>α姻1「1>α鵬1「1>α緬
表12 組合せ(X1, X2L貢献度(%),重相関係数(DR),偏相関係数(r12.3,r13。2,r23.D,関与率(DR2)
重相関
組 合 せ 貢 献度〔鰯 係 数 偏相関係数 与率囲
X1 X2 Xl X2 DR r12・3 「16・2
r23・1 DR2
5
体力診断テスト 運動能力テスト
45.85 54.15 0.8649 0.2424 0.6597 0.7026 74.81ソフトボール投げ 体力診断テスト
49.69 50.31 0.8385 0.1530 0.6350 0.6384 70.31年 運動能力テスト 座 高
73.60 26.40 0.8294 0.3281 0.7680 0.5477 68.79(男)
背 筋 力 運動能力テスト
29.96 70.04 0.8254 0.2346 0.5341 0.737068ユ3
立 幅 跳 垂 直 跳
53.55 46.45 0.8156 0.1960 0.5388 0.4949 66.52立 幅 跳 乗 直 跳
36.53 63.47 0.7459 0.1978 0.3913 0.5451 55.646
立 幅 跳 運動能力テスト
48.41 51.59 0.7084 0.1911 0.4419 0.4590 50.18年 立位体前屈 垂 直 跳
17.97 82.03 0.7325 0.0855 0.3396 0.6757 53.66勇 垂 直 跳 運動能力テスト
62.75 37.25 0.7424 0.2489 0.5244 0.3784 55.12) 垂 直 跳
片足立幅跳 90.13 9.87 0.72830.237ユ
0.7110 0.3220 53.04片足立幅跳 シャ トルラン 48.82 51」8
0.8773 0.2500 0.5293 0.545ユ
76.97
5
体力診断テスト
片足立幅跳 27.68 72.32 0.87060ユ425
0.5i16 0.7702 75.79年 片足垂直跳 シャトルラン
32.22 67.78 0.8686 0.0301 0.4823 0.7075 75.45安 立 幅 跳 シャトルラン
31.89 68.11 0.8634 0.0995 0.4522 0.6868 74.55) 伏臥上体そらし
片足立幅跳20B5
79.15 0.8632 0.1926 0.4715 0.8003 74.516
ソフトボール投げ 運動能力テスト 一8.02
108.02 0.7468 0.5082 0.1848 0.7171 55.77年 運動能力テスト 20M片足跳
101.80一1.80
0.7457 0.3044 0.7436 0.1743 55.61運動能力テスト シャトルラン
94.055.95
0.7455 0.0265 0.7204 0.1725 55.58(女)
運動能力テスト 脚筋力(左)
93.466.54
0.7567 0.1569 0.7430 0.2580 57.26運動能力テスト 大 腿 長
95.46 4.54α7484
0.0977 0.7375 0.1987 56.01表13 重 回 帰 方 程 式
重回 帰方 程式
X1 X2
5 傘二18966+a8740X、+a8紹4×2 体力診断テスト 運動能カテスト
年
〈Y=170.57+ 1.8035×1+ 3.9952×2 ソフトボール投げ 体力診断テスト 勇
〈) Y= 34.73+ 8.6089Xl+ 3.1035×2 運動能力テスト 座 高
6〈Yニ112.08+ 0.6227Xl+ 2.5242×2
立 幅 跳 垂 直 跳
年( 金=ユ8923+24722×1+57661×2 垂 直 跳 運動能力テスト
署 傘一19乳65+α6135Xl+3.1463×2 立位体前屈 垂 直 跳
5
金=2a67+31080×1+1.3432文2 体力診断テスト 立 幅 跳
年
〈Y=463.27+ 2.3939×1−18.365 ×2 片足垂直跳 シャトルラン
9
餌3253ユ+0.9206×1−14.1478×2
片足立幅跳 シャ トルラン
6 〈Y=20895− 1.0447×1+16B596×2
ソフトボール投げ 運動能力テスト 年 金=18415+14舗4×1+1.0735×2 運動能力テスト 脚筋力(左)
安
〈) Y=149.13+14.9644×1+ 18345×2 運動能力テスト 大 腿 長
テスト種目の選択と,変量の組合せを検討した。それが表12であり,その時の重回帰方程式は表 13である。
表13から,5年男子では体力,運動能力テスト得点との組合せが多く,重相関係数も高い。運動能 カテスト得点は他の変量との内部相関が低い。運動能力テスト得点をのぞけば,垂直跳,立巾跳,
ソフトボール投げ,背筋力,・握力,伏臥上体そらし間の組合せが多く,形態(座高,大腿囲,下腿 囲最小囲,下肢長身長など)の各種目の組合せによる方程式も数多く成立し,重相関係数も高い。
また体力診断テスト得点とソフトボール投げの組合せからも精度の高い評価基準が設定できる。単 相関係数からの寄与率でみると50%〜55%程度しか説明できないが,2つの変量による関与率は 70%にまで上昇し,走巾跳の評価基準としてきわめて高い精度をもっていることがみとめられる。
貢献度をみると同じ瞬発力をはかるテストでも立巾跳の方が垂直跳より貢献度は高く,垂直跳は 反復横とびよりはすぐれる。背筋力と握力では前者の方が貢献度にすぐれ,ソフトボールスローは 体力診断テスト得点と同程度の貢献度を示す。形態では座高,下腿囲最小囲,下腿長,大腿長,身 長の順で貢献度がことなる。
6年男子では,関与率50%以上の組合せは5つの方程式が示す通りである。そして,その方程式 を形成する変量は5種目だけである。貢献度からみると垂直跳〉運動能力テスト得点〉立巾跳〉立 位体前屈〉片足立巾跳の順となる。5年男子とは,垂直跳と立巾跳の貢献度に相違がある。即ち5 年では立巾跳の方が貢献度が高いが,6年では,垂直跳の方が高くなっている。形態,ボールスロ 一,体力診断テスト得点などの種目は5つの方程式にはまったくみられない。
5年女子では,体力要素別にみると瞬発力,敏捷性,スピード,柔軟性,平衡性,筋力,総合力,跳躍力,
形態等多くの要素が関連している。男子と比べて平衡性,柔軟性種目との組合せに特徴がみられる。
重相関係数が0.80以上,関与率70%以上の高い評価精度をもつ方程式が13式である。この方程式 に含まれる説明変量は立巾跳,シャトルラン,反復横とび,伏臥上体そらし,50M走,体力診断,
運動能力テスト得点,閉眼片足立ち,垂直跳,20M片足跳などである。その中でシャトルラン(敏 捷性)が走巾跳に最も貢献度が高い。このことは男子にはみられない特長である。片足立巾跳片 足垂直跳も50M走よりは貢献度が高い。
6年女子では,走巾跳とテスト種目間の相関係数が低く,更に検討すると独立の変量が見当らな い。重相関係数がとにかく上位の方程式をえらんだにとどまった。即ち,走巾跳を評価精度高く説 明できる独立の変量がないことを意味している。そこから,6年女子では,評価が困難であること,
評価の基準をつくるための至適な変量がない。
小学校児童5年,6年男子,女子について走巾跳の評価(重回帰評価)基準をつくるための,十 分な条件をもっている説明変量を検討してきたが,男子でも5年と6年ではことなり,男子と女子 でもまた著しく説明できる変量がことなり,組合せも特長的である。今回のテスト種目の検討には,
対象人数が多くないので,より多くの対象により,正確な測定で良いデータを得て再検討しなければ ならない。しかし,発育発達,性別により評価のためのデータがことなっていることは考慮しなけ れだならない。
たとえば,5年男子では身体の総合能力が走巾跳に必要であり,その総合力をはかれるテストが,
評価基準のための変量となりうる。即ち,今回のテストで言えば,運動能力テスト得点,体力診断
テスト得点を軸にして瞬発力,敏捷性協応性筋力,形態など身体全体を使うテスト種目との組
合せで評価基準が構成できる。しかし,6年では脚パワーを中心とした種目が有用な説明変量にな
る。女子では,組合せの種目構成が多様化し,中でも平衡性,柔軟性種目がきわめて高い重相関係数 を示し,高い評価基準が設定できる中味をもっている。また女子はシャトルラン,片足立巾跳,片 足垂直跳など速い動作,振りこみ動作の巧みさ,バランスなどが走巾跳に関係の深いことも推測で
きる。