ス キ ー に お け る 力 学 的 研 究*
芳賀武 加藤俊也 関川三男
Dynamic Study in Skis
Takeshi HAGA Toshinari KATO and Mitsuo SEKIGAWA
Ididacomparisonstudyofskimaterialsfifteen yearsagoandpresentinareas ofdynamicandstaticsystems.Skisaregradedinthreelevelsofquality・demonstra・
tion(GPX),slalom(SRX)andgreatslalom(GRX).Iused thesetorecordtheresults asfollows.
1
) Sagging ofthreetypeswasnotdifferentin staticexperiment.ButGRX had thesmalleststrainofthe three.Sothe stability ishigherinthe direction of boththetipandtailofGRX.Incomparison with the GRX, SRX needs small gyration andhashigh deformationin the direction ofits tip, but GRX has highdeformation inthedirection ofitstail.2) In thedynamic experiment,viscosity ofGPX,SRX and GRX issmall. GRX absorbitsvibrationfastestofthethree.Thevibrationabsorptionfactorforeach ofthepresent・dayskisisdemostratively high erthanthoseof丘fteenyearsago・
1. 緒 R
この数年間に産業用材料は新素材の発達によってめま ぐるしく進歩 した.中で もスキー材 質は木材, メタル, グラスファイバーお よび
FRPとい う材料の組合せによって変化 して栄 ている.現在のスキーはこの種 々の材料の利点を生か して著 しく性能が向上 して来た.
筆者等
(1)(2)は
15年間にスキーの芯材によって力学的研究を行って釆たが,現在 のスキーは
15年前のスキーに比較 してどのように変化 しているかを力学的な立場で,現在のスキ‑の弾 性および粘性を定量的に測定 し,検討を加 え考察 した.
2 . 供 託 ス キ ー
スキ‑はデモソス トt /‑♂‑用
(GPX),回転用
(SRX)お よび大回転用
(GRX)の3 種 頬を供試スキーとした.
2‑1
断面構造
* 昭和62年
9月 日本体育学会第
38回大会講演会において発慕
* * 横桟工学科 助教授
* 榊 一 般 科 助教授
** * * 機械工学科 教 授
原稿受付 昭和6
2年
9月
30日
16
芳賀 武 ・加藤俊也 ・関川三男
( a)
GPX:ウレタソと
FRPの‑段通芯材が主で
, FRPクロスとカーボン等を重ね 合せてある1.
( b
) SRX:ウレタンホーム芯材で中央が中空になっていて
, FRPクロス と
FRPマ ッ ト等を重ね合せてある.
(o)GRX
:木芯二段通芯材にアル ミニウム
, FRPクロス等を重ね合せてある.
15
年前のスキーは
( d)
DEM :クモ とイタヤの‑段通芯材で, グラス等を重ね合せてある.
( e)
GPM:ナラとイタヤそ してブナの二段通芯材であ り, グラス等を重ね重せてある.
(5)DX・Ⅹ :
ウレタンホーム芯材であ り, メタル等を重ね合せてある.
2‑2
形 状
( a) 厚 さは図
1に示す ように, テール部 ( 左端 より
200mm付 近}では
DX‑Ⅹ
,GPM,DEMが厚 く,中央部 ( 左端 より
900‑ 1000mm付近)では
SRXが 一 番厚 く
,GPXが一番薄い. トッ プ部 ( 左端 より
1500‑1600mm付近)では
GPX,̀GRX,SRXが
DX・Ⅹ
,GPM,DEMより厚 い
・15年前 と現声のスキーを比 べ ると,現在のスキーはテ‑ル 部が薄 く, トップ部が厚 くなっ ている.
(b)
幅は図
2に示す ように
,ThiclくneSSDistribution
GPX,SRX
お よび
GPXは同 じサイ ドカープである.
15年 前の ら比べると中央部は変化ないが, トップ部 とテ‑ル部は多少変化がある.
図
2各種スキーの幅分布
3
. 実 験 方 法 スキ‑の力学的田子 として,静的および動的測定を行 った.
3 ‑1 静的測定
静的ひずみ とたわみを測定す るため,図
Ta.. 3に示す位置
A,Bお よび
C点 の表面にス
5.Iトレソゲージを貼 り,中央部の
B点に荷重
31.0kgを加え, ス トレソゲージか らス ト
I/
ソメータ測定器‑ と接続 し,表面ひずみ 図 岳 ,スキ‑の測定位置 を測定 した.
たわみは図
3に示す各点の位置を‑イ ドゲージで実測 した・理論的なたわみ
Yの計算式は つ ぎの
(1)式か ら求めた.
Y‑P
Z
3/48EI・
・‑・ ・
・・ ・ ‑
‑・
・・
‑・ . ・ ・
・ ・・
‑‑・ ・ ( 1 )
ただ し
E:縦弾性係数
(kg/mm2
) 10kgの静的荷重をかけた ときのひずみ
(8)と応力
(q)か ら
E‑d/sで求めた.
Ⅰ:断面二次モーメソ ト
(mm4)i‑bh8/12, ここで
bは
B点の幅
, hは厚 さの平均
,Pは荷重
31.0kg,Jは支点間距離
1760mm.3‑2
勤的測定
たわみは静的測定 と同様,中央部の
B点に重 さ
8.2kgの重 りを
150mmの高 さか ら落下 さ せ
,B点のたわみの減袋を ビデオカメラに より投影 し,モニタを通 して実測 し,たわみの減 衰曲線か ら減衰係数
Cを求めた.ただ し減衰係数
Cはつ ぎの( 2 ) 式か ら計算 した.
C‑ 2EP
・ ・
・・ ・ ・ ‑・
・. ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ‑‑・ ・ ・ ‑
・・・(2)ここで
,C‑ECc, cc‑2mwn, wA‑J支7品m :
重 りの質量
(kg), k :曲げ弾性
(kg/cm),E :減衰比
4‑1
静的実験結果 表
1は静的たわみ,表面 ひずみおよび弾性の値を示 す.表
1の結果か ら,つ ぎ のように要約 され る.
( a ) たわみについて
GPX,SRX
お よび
GRXの
3台のスキ‑を比較す る と実測値は余 り変化ないが , 計算値は単純支持は りと仮 定 して( 1 ) 式に代入 した結果 で, これに よれは実測値 よ りも3 台 ともかな り大 きい
4 . 実験結果および考察
表
1静 的 結 果
18
芳賀 武 ・加藤俊也 ・関川三男
値を示 した. この理 由は材質が一様であるとし,形状を長方形断面 とした ことと支持方法を 単純支持は りとして計算 したため とアーチ
ペソ トの影響があったためである. 3 台のスキー の中で厚 さの一番薄い GPX が一番たわんでいた.GPX
える.
( b ) 表面ひずみについて
トップ部 (A点) , 中央部 (B点)お よび テール部
(C点)の各点のひずみを測定 した結果を図
4に示 し た.デモンス トレーター用である GPX は他の 2台に 比較 して全体的にひずみは小 さい, トップ方向 とテー ル方向のひずみはほぼ同じ程度で安定 している.それ に比較 して回転用の SRX はテール方向よりトップ方 向のひずみが大 きい. これは トップが軟 く,小さな回
の材質が一番軟いとい うことが言
5
0 5
もLXU !? JIG
図
4 表面ひずみ転を必要 とす るような場合に適 してい るように思われる.大回転用の GRXは トップ方向よ りもテール方向のひずみの方が大 きくなっている. このことは トップが硬 く,高速滑走時に おいて最高の性能が引き出せ るよ うになっているもの と思われ る.
(o)
弾性について
3台の中で SRX が一番大 きな値になっている. これは SRX が一番酸いと言える.また
15年前のスキーと比べ ると,現在 のスキーはかな り硬 く,約
2倍以上大 きな値を示 している 事がわかった.
4‑2
勤的実験結果 ( a) 粘性について
動的たわみ減衰曲線を図
5に示す. この減衰曲線か ら減衰係数
Cを
(2)式か ら求め, これを 粘性 と仮定 した.粘性は表
2に示すよ うに,GPX,SRX そ して GRX の順に小さくなって
図
5動的たわみの減衰曲線
5 .
結 論筆者 らは
15年前のスキーの現在 のスキーの材質の研究を静力学 と動力学の方法か ら研究 し
た.スキ‑の材質は 3種現でデモソス トレータ〜用 ( GPX) ,回転用 ( SRX)および大回転
用 ( GRX)の供試スキーを使用 した.
その結果,つぎのように要約された.
(1)
静的実験において,たわみは
3種塀 とも変化ないが, しか しひずみは
GPXが他の
2台に比較 して小 さく, トップ方向 とテール方向のひずみ もほぼ同じで安定 している.それに 比較 して
SRXは小 さな回転を必要 とす るため, トップ方向のひずみが大 きく
,GRXはそ の道である.
(2)
動的実験において,粘性は
GPX,SRXそ して
GRXの順に小 さくなっている.
GPXが一番早 く振動を吸収す る.1
5年前のスキーに比較 して桁違いに大 きくなっている.
参 考 文 献
(1)
関川三男,芳賀 武,滝沢 亮,宮川栄二 :日本校械学会北陸信越支部,諏訪地方講演論文集,昭 和4
8年
10月
,p.159.(2)