誤 答 分 析 の 実 際
― 中 学 2 ・ 3 年 生 の 主 語 把 握 に つ い て ― ( I )
諏 訪 部 真
序 論
実際に英語を教えていて,生徒たちが英文を理解できないでいるのはその英文の主語が ど れであるかわか っていないことが障害になっていることを我 々は体験的によ く知 ってい る.
例えば中学
2
年生でWhe ndo e ss c ho o lb e gi ni nAme r i c a?
とい う質問をす るとAme r i c a b e gi nsi nSe pt e mb e r .
と答えた り,Whe r ei st hebo o k?
の問に対 してThede s ki s .
と 答えた りする.また,Thebo o ko nt hed e s ki si nt e r e s t i ng.
の意味を 日本語で言わせ る と,その文の探層構造 とで も言えそ うな 「その本は机の上にあっておもしろい」 とか英文の 構造にはおか まいなしに 「机の上におもしろい本がある」 と説明した りす る. どうして この ように答えるかについては細かな分析が必要であろ うが,Thebo o ko nt hed e s k
….
‥の文 について,学習者は前置詞句に よって修飾された主語が理解 されていないか らであろ うし,Ame r i c ab e gi n si nSe pt e mb e r .Thede s ki s .
と答えた者は質問文の文法的主語が識別出 来ていないか らだ と考えられ る. (心理的主語 としてはAme r i c ab e gi ns
……Thede s ki s .
と答えるのも可能であるが.‥…)
英文の主語を識別するのにはい くつかの方法があろ う.語の形態か ら (屈折変化を消失さ せた英語では人称代名詞を別に して困難である), イン トネーシ ョンやス トレスか ら, また イエスベルセ ソの言 うような文中の 動詞をとり出 してそ こに
Who
とかWha t
が来 るかを 見 るや り方な ど. しか し実際に 生徒たちに 英文の主語を 識別 させ るには 「主語」に続いて「動詞」が来 るとい う語限,いいかえれば
"S+V"
の関係を把撞 させ ることが肝要 と思わ れ る.(語順転倒の場合は これに当てはまらないが)日本語において,動詞は英語のよ うな人称性はない し,
S+
Ⅴ とい うよ うな構成上の結 びつきもない.従 ってここで試みたテス トでも生徒たちに 日本語で,「主語は どれか」 とい うような質問は していない し, 日本語 と英語の主語の比較 とい うよ うな こともしていない.英文の構文の骨 とも言 うべ き
S+
Ⅴ の関係が どのように理解 しているかを,主語の後に 動詞が続 くとい う語順に注 目させ,問題文の どの位置に動詞を入れ るかに よってテス トしようとした.また誤答分析においてほ集団に対する調査 と同時に誤 りを した個人に対する調査 も必要であるとい う立場か ら,抽出 した二人の生徒に対 して直接教えている担任が個人面接
*
昭和5 4
年6
月 中部地区英語教育学会第9
回 (山梨)大会及び5 4
年8
月全国英語教育学会第5
回 (秤 馬)大会において発表.**一般科英語 教授
原稿受付 昭和
5 4
年9
月29
日小森忠(長野市裾花中) 中村安男(同篠ノ井西中) 膏沢邦夫洞 北部中) 堀内一穂 洞 桜ケ岡中) 和田宏一(同桜ケ岡中)氏との協同研究である.
して ど うして そ の よ うな誤 りを したか理 解 し よ うと した .
1. 誤 り の 調 査
1 .1 調
査の日的ここ
で は
序論で述べてきたこと を背景にして, (
1)2年生と3年生 とでは結果に差があるか.(2)主語
を 構
成する語数によって困難は増すか.(3)前置詞句によって後置修飾されている主語の場合
は
どうか. (
4)どの ような語(句)の後に動詞をそ う入させ るか.(5)被扱者の誤答か ら全 体 として 何
か採型的な誤 りのバク‑ソが現れ るか,を調査 しようとする.1 . 2 調
査の方法被故
老
長野市内公立中学校5校 (大規模校)生徒, 2年生125名,3年生122名,
合計247名 (自
然 学
級の生徒).テス
ト の
実施 予備テス トは54年 3月.本テス トは54年 4月下旬に実施.テス トに要 した時間は
各 校
ともほぼ15分.テス
ト 文
及びテス トの方法 (表1参照)テス ト文は被験者全員が使用している教科書,東京 表1 テス ト文の 1部次の各文の中へ うしろにある( )内の語を入れると した らどこに入れますか.その入る部分の番号を線 へ書 きなさい.
1.
Thatboymybrother.(is) 1 2 3 4 2. Mike'scamerathis.(is)1
2
33
. YouandFredg00dstudents.(are)1 2 3 4 5
4. Whichlonger,mineoryours?(is)
1 2
3
4 5?. Thosebo1okshi
ー
2s.(3are) 6. Thishouse丘verooms.(has)1 2 3 4
7. Whosedollbigger,Nancy'sorKate'S?(is)
1 2 3
4
5 68. Thoseb00kshisfather'S.(are)
1
2
3 49. Thesemy瓜owers.(are)
1 2 3
10. Thiscarnew.(is) 1 2 3
ll. Thattallboymybrother.(is) 1 2 3 4 5 12. Whatonthetable?(is)
‑1
2 3 413. Oursch∞1libraryg00db∞ks.(has)
1
2
3 45
14. Whichpencillonger,mineoryours?(is)
1 2 3
4
5 615. ThiswatchMike'S.(is)
1
2
3書
籍 N e
w HorizonBook1,Book2の既習の部分か ら作成 した.ただし教科書に出ている 文をそのまま使用することは避 けた.問題文は30問である.
テス トの形式は,動詞をあら か じめ除いてある肯定文,Wh 疑問文にbe動詞 (一部have動 詞)をそ う入させた理解力テス トである.すでに述べて来たよ うに正 しい位置に動詞を入れ る ことができない生徒は主語を正 確に把捉 していないと考えられ るのであるが,事実,予備テス トの後に個人面接によってその ことを確かめている.なお今回 テス トではbe動詞を使 ったテ ス ト文が多かったため英文の型 としては SVO型よりも
S
VC 型が大部分を占めた.1.3 調査の結果と考察 学年による差 以下に述べ る 3問を除いて学年による大きな 差はなかった(表2参照).2年 生全体の正答率は70%,3年生
誤答分析の実際
表2 各問題に対する正答率及びその順位
正 答 率(%)l正答率
6 9
問 題 文
2
年l3
年 l平均 匝Tl l atbo ymybr o t he r .( i s )
Mi ke ' sc ame r at hi s .( i s )
Yo uandFr e dg o o ds t n de nt s .( a r e ) Whi c hl o nge r ,mi neo ryo ur s ?( i s ) Th o s eb ∞kshi s .( ar e )
Thi sho us e丘ver 0 0ms .( ha s )
Who s edo l lbi gge r ,Na nc y ' so rKa t e ' S ?( i s ) Tho s eb∞kshi sf at he r ' S .( ar e )
The s emyf l o we r s .( ar e ) Thi sc arne w.( i s )
Thatt a l lb o ymybr o t he r .( i s ) Whato nt het a bl e ?( i s )
Ours c h0 01l i br a r yg0 0db o o ks .( h a s ) Whi c hp e nc i ll o nge r ,mi n eo ry o ur s ?( i s ) Thi swat c hMi k e ' S .( i s )
Mi ke ' sbato nt hede s k.( i s )
Thats c ho o ll i br ar yg
∞db 0 0ks .( ha s ) Mi kea ndIg∞df r i e n ds .( a r e ) Tho s er e df l o we r s .( ar e ) Whatb ∞ko nt hede s k?( i s ) Thi swat c hne w.( i s ) Ours c b∞ll i br ar y.( h a s )
Agi r lf r o m Ame r i c ai no urc l a s s .( i s ) Thec apne w.( i s )
Thi sMi ke ' swat c h.
The丘r s tda yoft hewe e kSund a y.( i s ) Myba go nt hede e k.( i s )
Thi sane wwat c h.( i s ) .
Who s ebi gge r ,Na nc y' sd o l lo rKa t e ' S ?( i s ) Theb ∞ko nt hed e s kTo m' S .( i s )
75 80 92 日
加85 69 47 93 60 59 94 鎚 61 67 82 68 89 87 19 62 94 16 田 90 31 朗 96
71討糾 59 馳 乃 50 86 62 57 91 81 65 93 65 餌 相 即 77 97 87 22 83 93 19 94 94 33 94 96
朗3 79 m 93 83 47 85 66 52 92 m 62 94 郎 61 70 85 73 93 87 21 花 93 18 91 92 32 91 96 68 3 19 LL, 13 26
1121 25 6 18 23 2 22 別 17 12 15 3 10
討16 4 30 8 7 27 9 1 20 2
のそれは
72 %
でその差は2%
である. 問21Thi swat c hi sne w (2
年正答率62 %, 3
年8 3
%)問1
0Thi sc ari sne w ( 60 %,8 0 %)
問2Mike ' sc amer ai st hi s . ( 8 0 %,59%) .
こ のことはこれ らの問題について, 生徒の学習は 一部を除いては 過渡的なものではな く, 定 着 してお り, い くつかの問題では誤 りのまま化石化する憤向が見 られる.叙述文と疑問文 (Wh 疑問文)テス ト文
3 0
間の うち疑問文は6
問で正答率は66 %
,叡述支 の正答率は7 2 %
であった.疑問文が どうい う文型であるかは別に しても,疑問文はやや困難 であるのか もしれない.ha ve
動詞を使 ったテス ト文は3
問あるけれ ど (正答率8 4%)
これ は特に問題は見 られない.前置詞句を伴 う主語 主語が後置修飾されているものは識別に困難であることを予想 して
いたが,テス ト文
2 3 ,2 6,2 7
のそれぞれの正答率は1 8 %,3 2 %,3 0 %
で,他の問題に比 して かな り低い.上記の3
問について,誤 りが どこに集中しているか,いいかえれば,どの語句 を生徒が主語 と考えているかを調べてみる.問2 3A gi r lf r o m Ame r i c ai no urc l as s .
でA g ir
l の次に動詞をそ う入 した者が半数以上6 6 %.
問2 6 The f ir s tda y o ft he we e k Sund a y.
でThe丘r s tda y
の後に入れた者が4 9 %.
問3 0Thebo o ko nt hede s kTo m' S .
でTheb o o k
の次に入れた老5 7 %
であった. いずれに して半数 もしくは半数以上の者が, 文頭か ら最初の語 (句)の次に動詞をそ う入するとい う炉型的な誤 りをしている.この時点で はこれ らの生徒のこの構文に対す る学習は定着 していないよ うに思われる.この誤 りの原田 については彼等の既習の 「規則」によって誤 った類推を しているのか,それ とも 「名詞の後 は動詞」" A g ir li s "
とい うパターンが体系化 していて,それが誤 りにも拘 らず無意識に当 てはめているのかいずれかであろ う.主語の語数と正答率 主語の語数が増すごとに困難は増すだろ うとい う予想はあったが, 実際の結果は予想 どお りであった (表
3
参照).表3
で疑問詞を含ん だ も の を除いて主語の表 3 主語を構成する語数と正答率
表
4
(主語としての)最小語群中に動詞をそう入 した例と誤答率例 円安戸L頻度数
a /t he
辛(形容詞)名詞My /hi s /O ur
*(名詞)名詞Mi k e ' S /Na n c y'
S*名詞 形容詞/名詞*名詞Thi s /Tha t /Th o s e
*名詞Wh a t /Wbi c b /Who s e
*名詞2 3 8 8 7 3 2 4 2 8 4 0 8 3 日U r=
前置詞句
i n*O urc l a s s o n*t hec l a s s o
m*t h et a b l e o f*t h ewe e k f r o m*Ame r i c a
事動詞をそう大した位樫語数
, 1
語, 2
語, 3
語の正答 率を見ると,それぞれ9 2 %‑8 3
% ‑6 7 %
と,ほぼ1 0 %
ずつ率が 低 くなってい く.このことか ら も初学者にとって主語を構成す る語数が多 くなればなるほどど こまでが主語であるかを見分け るのに困難であることが推測で きる. (なおand
で結ばれる主 語Yo uandFr e d,Mi keand
I.は共に高い正答率9 3 %
を示している)
また表
3
か ら, Thi s ,That
,The s e
が指示代名詞 として使 用されている時には9 2 %
の正答 率であるが,それ らが指示形容 詞 として使われていると2 0 %
か ら3 0 %
も正答率が 低 くな る.What
,Whi
ch
,Who s e
など についても同じことが言える.これは
Thi s ,That
,Wha t
,Whi c h
の形容詞的な用法がよ く獲得されていないことか ら来 るのであろ うが,既習のThi s
i s …Wba ti s
‥.
とい う型がひと つの塊 りとなって定着 していてそれが障害に
なっ
てこのような 誤 りをおこすの
かもしれない.一方人称代名詞+名詞の型は93
%の高い正答率を示 しているが, この形がよく
使わ
れることと, 人称代名詞それだ
けで独立して 使用されない羊と
か らこのよう な結果になったの
だと考えられ る.主語として把握されやすい語 (群) 表 5は表2の「各問題 と正 答率」を主語を中心にして述べ たものである
が,
主語と認め得 る最小語群の中でも,生徒が容 易に主語 と認めるものと,認め ないものがあることが理解され る.主語 として認めるのに困難 なのはすでに何度も述べたよう に語数が多いもの,前置句が含 まれるもの (後置修飾)Those, Whatな
どが形容詞的に使用さ れている
ものなどである.次
に,
主語 として成 り立つ語 群の中に動詞をそう入している 誤 りを調べてみる(表4参照).この
誤り
が少ない語群は生徒た ちにとっ
て語 と語の間の結合力 が強く,
安定 している語群 と感じられるのかも しれな い.
誤答分析の実際
表
5
どの語群が主語 として把垣 されやすいか71
順可 主語 としての語 (群日 問題番号) l正答率
Thi s( 2 9 )
Wha t Mi kea n dI Ours c I 1 0 0 1 Yo ua n dFr e d Tl l e S e Thi s( 2 5 ) Thec a p Myb a g Th o s e Thi sh o u s e Mi k e ' sba t Tha tb o y Whi c h
Thi swa t c h( 2 1 ) Thi swa t c h( 1 5 ) Thi sc a r Mi k e ' Sc a me r a Tha ts c ho o ll i br a r y Wh o s e
Wh o s ed o l l Ours c l l O O ll i br a r y Tha tt a l lb o y Whi c hp e n c i l Tl 1 0 S eb o o ks( 8 ) Tho s eb o o ks( 5 )
The丘r s td a yo ft hewe e k Theb o o ko nt hed e s k Wha tb o o k
Agi r lf r o m Ame r i c a
96 糾 93 93 93 92 92 91 91 87
おお乃 乃 乃 e e 69 餌
飴朗 66 62 飢 52 仰 31 30 2l l
♯
Theiscapnewや ♯ Mya r
e且o
wersはさすがに少ないが( 2% ,
3%),♯
Mike'sis
c a
merathis. ♯ T
hattalli s
boy‑… とする者はかなり増し(
8%)
,何度 も述べてい るが
This,Whichな
どが形容詞的に使
われていても♯ Thi
s isc a
rn e w
辛 Wha t
are boo ks
onthetabl e ?
とする者は多い.なお前置詞句について見ると
, 他のものに 比 して from America のみ
が途中に
11%の者
が動詞をそ う入されていて,他ときわだった相違を 見せている.fromA
me r i c a
はそれだ
け結合が弱いと思えるのだろうか.誤答の類型 表6は動詞のそう入さ
れ
た位置か らの誤答を調べたもので,ここではその1 部247名中 7%以上が誤ったものを示した.これ らを概観してす(・気付 くことは, 生徒たち が文の最初の語,もしくは語句のす (・後に動詞を入れる傾向が強いことである.誤 りが多い のは具体的には ThiS/That/Those+名詞,WhaVWhich/Whose+名詞で始まる文である表
6
そう入位置よりみた誤答の結果 (数値の多い脱に示す)*の位匿に動詞を括入
順位 匝題番号t テ ス ト 文
What辛bookonthedesk?
A gi
r l*
from Americainourclass. Thebook*onthedeskTom'S. Those*
bookshis.Tlle丘rstday
*
oftileWeekSunday.Those
*
bookshisfather'S. Ourschoo
l*
librarygoodbooks. Which*pencillonger,mineoryours? This*
carnew.That
*
tallboymybrother. This*watchnew.This*watchMike'S. Mike'scamerathis
辛 .
Thatschool〜librarygoodbooks. Whose*dollbigger,Nancy'sorKate'S? Whosebigger事,Nancy'sdollorKate'S? That
*
boymybrother.Thosered
*
丘owers.Whichlonger*,mineoryours? Mike'
S*
batonthedesk.A girlfrom
*
Americainourclass. Tllishouse丘ve*
rooms.Whosedollbigger*,Nancy'sorKate'S? Thatta
l l*
boymybrother.The丘rstIdayoftheweekSunday.
Whichpencillonger*,mineoryours? ThisMike'S*watch.
Mike'scamerathis.
★
%
*
Ee 6
5 7 49 4 9 42 31 3 0 2 9 2 6 2 6 2 4 2 3 23 21 21 1 9 1 2 1 2
ll ll9 8 8 8 8 7 7
**被験者
24 7
名中の誤答 が,後に続 く名詞の直後に動詞を入れ るのではた く, Thisとか W hichのす ぐ後に動詞を そ う入 している. これはThisとかThatがそれだ け で も主語 として成立する語句であるか らであろ う.また A girlfrom America inourclassとい う問題文でも,生徒はA girl, from America,in ourclassとい う3つの語群をとらえるが, A girlとい う文頭の語句 のみに注 目してその後に isをそ う大してしま う.我 々は今述べて来たよ うな誤 りを 「Thisis型の誤 り」 と呼ぶ ことにした.そ してこの誤 りが今回のテス トの誤 りの大部分を占めている.何度 もすでに言 っていることだが,学習者 はThis,Whichが形容詞的に使用され る用法が理解できていないのだが,彼 らの頭の中に Thisisapen.の "Thisis"の結びつ きがひ とつの塊 りのよ うになっていて,他の要素が 入 って くるのを容易に受けつけないでいるのか もしれない.
誤答分析の実際
73
一方,Thi si s
型の誤 りに比 して少数ではあるが, (このことは個人面接でよりはっきり した)我々が「 i sne w
型」 と呼ぶ誤 りがあることが理解された. この誤 りをする生徒は, 文頭にある語 (句)に注 目するのではな く,文尾にある語 との関係で動詞をそ う入する.具体 的には文の終 りの語句の直前に入れている.問題6,9,1 9
などに見られる.♯The s emy
*
瓜o we r s
のような例である.これ以外に少数だが文尾に動詞を置 く型
Tho s ebo o kshi sa r e .( 4 %)Ours c ho o ll i br a r y ha s .( 4 %)
などがある. これは文末に動詞を置 く日本語の語順の影響かもしれない.これ と 多少関係すると思われるが,問題文2
でMi ke ' sc a me r at hi si s
とす る誤答が多 く, 2
年 生で1 2 %,3
年生で3 4 %
に達 している.これは 日本語の影響 と共に3
年生で感嘆文の学習をしたことが影響 していると思われる.
2 .
この調 査 か ら示 唆 され る こと と今 後 の 研究この調査問題に関 しては学年による学習の差はほとA!ど認められなかった.このことは一 部の学習者にとっては主語,動詞の把捉の仕方がパターン化 していて
Se l i nke r( 1 9 7 2 )
の言 う 「化石化」,もしくはSc huma nn( 1 9 7 8 )
の言 う" me mo r i z e dc hun k"
のような現象がお きていることを示 しているように思える.具体的にはそれ らが 「Thi si s
型」 「 i sn e w
型」誤 りの炉型 となって現れている.
「 Thi si s
型」 の誤 りが どうしておこるか.これは規則の 過度の一般化か らで あ ろ うし, くりかえ し行われたThi si s
とい う構文の学習の転移であ るか もしれない.又 「 i sne w
型」の誤 りを示 した 学習者にとってはそ うすることがひ とつ の学習への方略であった ように感 じられる.具体的な授業 との関係でみるならば代名詞の
Thi s ,Tha t
, 疑問詞のWhi c h,Wha t
が 形容詞的な用法で使用されている構文の教授の場合十分注意をする必要がある. これは同時 に主語の語数が2語以上になった時の困難 さとも関連するが,主語を構成する語が多い時に は どこまでが主語であるかを理解させることが肝要である.後置修飾が含まれる主語の把握が困難であることがこの調査で理解されたが,すでに調査 した前置詞句だけでな く,関係詞,分詞な ども含んだ構文について も調査を続けたい.又, 個人調査では全体の調査では得 られない新 しい事実を知ることがあるが,そのよい方法を見 つけだしたいと考えている.又誤 りを実際に直す面については今後の課題である.
3 .
付記 抽 出生 の誤 答 (面 接 , 追 跡 調 査 に よ る もの)W
さん (中3
女子3 0
間中誤答数5 A
中学)(1)日本語訳 と動詞そ う入位置のずれ,
5 .Tho s e*bo o kshi s .( a r e )
あれ らの本は彼の(1回 日) (2 回E ])
です.
6 .Thi swa t c hMi ke ' S事.( i s )
(2)動詞そ う人位匿の変動5 . Tho s e*bo o kshi s事.
( a r e )
(間隔は1
週間)2 6 .Thef ir s tda y
*(1 )o ft hewe e k *( 2 )Sun d a y.i s
(3)日本 語 と して意味が通ればいい.3 0 .Theb o o k*o nt hed e s kTo m' S .( i s )
トムの机の上に本が あ ります.2 3 .A g i
rl* f r o m Ame r i c ai no urc l a s s .( i s )1
人の少女がアメリカか ら 私たちの クラスに来た.Wさんの動詞のそ う入位置と日本語の訳文は一致 しない.同一問題について日数をおいて テス トすると 「ゆれ」があることがわかる.国語担任教師も彼女の 日本語の主語 ・述語の閑
係把捉の弱きを指摘.(3)で見 られ るよ うに,英文の構造に関係な く彼女 自身の 日本語にてら して 「意味の通 る日本語」に して しま う.動詞の位置や語順を入れかえた英文にして もほぼ 同 じ日本文にして しまう.
Y
君 (中3
男子3 0
間中誤答1 9 C
中学)(1)一見でた らめと見える誤答 ♯ Thisais a new watch. ♯ Mybag on is the desk
.
♯ The丘rstdayofistheweek.
♯ Those red are 且owers. ♯ This house fivehasrooms.
(2)Y君の正答Thiswatch isnew.Thiscarisnew.ThiswatchisMike'S. Y君に面接 してみると, (1)の誤答について 「よく考えて正 しいと思ったところに 解答 し た」 と言 っている.Y君の正答 と誤答を調べてみると,Thisisで始 まる構文では正答にバ ラツキが認められるがThis+名詞 で始まる文の答は安定 している.彼の場合にはThisと い う主語 との結びつきで isを入れるのではな く,文尾の new との結びつきで動詞をそ う 入 している. これによって正答11間中
7
問の解釈ができる.参 考 文 献
Cancins,班.,Rosanky,E.J‥ Shumann,∫.H.
,1 97 8.
Acquisition ofEnglish negativeand interogativesbynativeSpanishspeakers.InHatch(ed)SecondLanguageAcquisition.Rowley:NewburyHouse.
2 2
1.SelinkerL.
,1 9 7 2 .
Interlanguage.InRichards(ed)ErrorAnalysis.London:Longman.31
‑54.Jespersen,0.
1 93 3.
EssentialsofEnglishGrammar.London:George.Allen&Urwin.大塚高信編
1 9 5 9
『新英文 法辞典』 東京 :三省堂.国語 学会
筋 1 9 6 0
『国語学辞典』 東京 :東京堂.三上 章