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氏名 渡邉ワタナベ

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Academic year: 2021

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(1)

氏 名 渡邉

ワ タ ナ ベ

敬人

タ カ ヒ ト

所 属 理工学研究科 機械工学専攻 学 位 の 種 類 博士(工学)

学 位 記 番 号 理工博 第

204

号 学位授与の日付 平成

28

3

25

日 課程・論文の別 学位規則第4条第

1

項該当

学 位 論 文 題 名 構造音響連成系を対象とした構造変更による騒音低減 論 文 審 査 委 員 主査 教 授 吉村 卓也

委員

教 授 長谷 和徳 委員 准教授 小口 俊樹

委員

准教授 岩本 宏之(成蹊大学)

【論文の内容の要旨】

近年,自動車などの輸送機械においては,燃費対策として軽量化を達成すると共に,環 境対策並びに快適性向上の観点から,振動騒音の低減が求められている.特に,自動車,

飛行機等は客室が閉空間として構造に内包されていることから,客室内の騒音低減達成の ためには,構造振動に伴う固体伝播音を対策する必要がある.ここで,閉空間内の内部騒 音は,音響特性とそれを取り囲む構造体の構造特性の相互の影響を考慮する必要があり,

構造音響連成系として扱う必要があることが知られている.

定在波によって励起される内部騒音は構造振動と同様に音響系における固有モードの重 ね合わせによって表現され,共鳴モードと呼称される.この重ね合わせの考えから,共鳴 モードを特定し音響特性を変更し騒音を低減させる方法が考えられる.しかし,音響特性 は媒質の体積弾性率,密度及び音響空間の形状などによって定まるため,大きな特性変更 は困難である.

そこで本研究では,構造変更により内部騒音を低減することを試みる.構造音響連成系

の固有特性(連成固有振動数,連成固有モード)は基本的に一方の系の共振特性が支配的

になり音響主体の連成モード,構造主体の連成モードと区別することができる.本研究で

は,共鳴モードをこの音響主体の連成モードとして捉える事により,構造変更による騒音

低減を試みることを目的とする.これを達成するために本研究では,大きく分けて三つの

検討を行った.1)構造音響連成系の固有モード特性の実験計測手法,2)構造音響連成系

における音響主体連成モードの判別手法,3)音響主体連成モードを対象とした構造変更に

よる騒音低減の方法.

(2)

まず構造音響連成系の連成モードを計測するにあたり,新たな加振手法を提案している.

従来,モード特性を実験的に計測するために,動電式加振器やインパクトハンマを用いた 構造加振による周波数応答関数の計測が行われてきた.しかし,対象周波数を騒音帯域の 周波数とすると,モード密度が大きくなり,構造も複雑であることからモード特性の把握 が困難となる.さらに,音響主体の連成モードを把握するにあたり,共鳴モードを計測す る必要があり,音響系を確実に加振する手法が必要となる.そのため,音響加振方法につ いて検討した.本研究では音響加振用の六面体スピーカを制作し,その内部音圧を圧力計 測用マイクロフォンで計測し,スピーカの体積排除加速度を推定することにより,音響系 の周波数応答関数を計測する方法を提案している.

次に,提案された音響加振法を用いて連成モードの同定を行い,騒音対策のため音響主 体の連成モードを特定する.本研究ではこの連成モードの主体性の判別方法を提案してい る.連成モードの主体性はどちらかの系の特性の影響を大きく受けるため,それぞれの単 体系の解析を行うことができればこれを元に主体性を判断することができる.しかし,実 験計測では,通常他の影響を排除した単体系の特性を計測することはできない.そこで本 研究では連成間伝達率を新たに定義し,連成モードの主体性を判別する方法を提案してい る.

最後に,音響主体の連成モードを対象とした,騒音対策のための構造変更方法を提案し ている.構造変更による騒音低減に関する研究はこれまでにもいくつかの観点で行われて きた.本研究では,従来振動低減に用いられてきた動吸振器の原理を用いた音圧低減手法 を提案している.音響系を含む連成系を主系,構造変更を加える構造系を付加系と見なす ことにより,音圧低減の可能性を検討する.従来はヘルムホルツ共鳴器を用いた音響系に おける対策手法や,騒音源となる構造振動を動吸振器により低減する手法が取られてきた.

本研究は構造特性の一部の固有振動数を対象周波数に一致させることにより,音圧低減を 達成させる新しい方法を提案すると共に,その適用範囲について考察している.

本論文は以下の六章で構成される.

第一章は緒論であり,研究背景や研究目的に関して述べている.

第二章は基礎理論であり,本研究において基礎となる理論を述べている.構造音響連成 系の方程式の導出や周波数応答関数の推定法に言及している.

第三章は音響加振手法の提案であり,本研究で用いた六面スピーカによる加振手法を述 べている.手法の妥当性を検証すると共に,実車を対象に音響加振実験を行い連成モード の同定を行っている.

第四章は連成固有モードの主体性の判別である.同定した連成モードの主体性を判別す るために,連成間伝達率を提案している.まず,有限要素法を用いた数値解析により,理 論の妥当性を検証している.さらに,実験同定された連成モードを対象に主体性の判別を 行い,音響主体の連成モードの特定が可能であることを示している.

第五章は構造変更による音圧低減である.特定された音響主体の連成モードを対象に音

(3)

圧低減手法を提案している.数値解析により音圧低減効果を確認すると共に,その適用条 件にも言及している.実験においては,音響加振実験による実車を対象にした音圧低減の 検証実験を行った.ここでは,音圧低減効果が動吸振器設置位置の境界面の連成モードの 影響を受けることを確認した.また.車両の稼働状態を想定した効果検証を行い,提案法 の有効性と適用範囲についても実用的な観点から考察している.

第六章は結論であり,本研究で得られた知見を整理し総括している.

参照

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