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非対称情報のもとでの 外国人労働者の受け入れ

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(1)

経営 と経済

8 8

巻 第

1

2 0 0 8

6

非対称情報のもとでの 外国人労働者の受け入れ

Abs t ract

Wei nve s t i ga t et hee f f e c t so fi mmi gr a nt so nt hee c o no myc o mp r i s e d o fs ubs t i t ut ea ndc o mpl e me nti nd us t r i e sunde ra s ymme t r i ci nf o r ma t i o n.

I nt hi se c o no my,wa ge sa r ede t e r mi ne da c c o r di ngt hee f f i c i e nc ywa ge hypo t he s i s .I mml gr a nt Sa r eS ubs t i t ut e sf o rna t i vewor ke r si nt hes ub‑

s t i t ut ei ndus t r ya ndi mml gr a nt Sa r eC O mpl e me nt st ona t i vewo r ke r si n t hec o mpl e me nti nd us t r y. Wea l s oa s s umet ha te f f e c t i vel a bo rpe rc a pi t a di f f e r sa mo ngl mml gr a nt Sa ndt ha tf i r msi nt heho s tc o unt r ydono tha ve c o mpl e t ei nf or ma t i ono ni ndi vi dua le f f e c t i vel a bo ro fe mpl o ye di m一 mi g r a nt s .Wes ho wt ha ti ti sl i ke l yt ha ti nt hes ubs t i t ut e( c o mpl e me nt ) i nd us t r yna t i vewo r ke rut i l i t yi nc r e a s e s( de c r e a s e s )a ndt hepr o f i to f f i r msde c r e a s e s( i nc r e a s e s )a smo r ei mmi gr a nt sa r ea c c e pt e d.Thi s r e s ul ti sc o nt r a s t e dwi t ht hec a s ewhe r et he r ei snoa s ymme t r yo fi nf o r 一 ma t i o nbe t we e nf i r msa ndi mml gr a nt S .I no t he rwo r ds ,whe ni nf o r ma ‑ t i o ni ss ymme t r i c,t hena t i vewo r ke rut i l i t ybe c o me sl o we r( hi ghe r ) andt hepr o f i to ff i r msbec o me sl a r ger( s mal l e r )i nt hes ubs t i t ut e ( c o mpl e me nt )i nd us t r ywi t hi nc r e a s e si nt henumbe ro fi mmi g r a nt s . Ourr e s ul t ss ugge s tt ha tt hec o nf l i c t i ngr e l a t i o no fi nt e r e s t sbe t we e nna ‑ t i vewo r ke r sa ndf i r msa r ea f f e c t e dbyt hea va i l a bi l i t yo fi nf o r ma t i o na s we l la sbyt her e l a t i o no fna t i vewo r ke r sa ndi mml gr a nt Sa Sf a c t o r so f pr o duc t i o n.

Keywords:i mml gr a nt S;a s ymme t r i ci nf o r ma t i o n;e f f i c i e nc ywa ge s;

s ubs t i t ut ei ndus t r y;c o mpl e me nti ndus t r y

(2)

1節 は じ め に

本論文 の 目的 は,受 け入れ国の企業 と外 国人労働者のあいだで情報 が非対 称 的であ る場合 に,外 国人労働者 の受 け入れが 自国人労働者 と企業 にお よは す影響 を明 らかにす ることである.具体的 には,外 国人労働者 1人あた りの 有効労働 力が異 な り,企業 が これ について完全 な情報 を もたない と仮定す る.

また 自国人労働者 と外 国人労働者 が生産要素 として代替 的な関係 にあ る産業 と自国人労働者 と外 国人労働者 が生産要素 として補完的 な関係 にある産業 を 仮定 す る.そ して これ らの産業が外 国人労働者の受 け入れを増加 させ る と, それぞれの産業 の 自国人労働者の効用 と企業 の利潤 が どの ような影響 を うけ るかを調 べ る. これ よ り自国人労働者 と外 国人労働者の生産要素 としての関 係 の違 いや情報 の非対称性の有無 が外 国人労働者の受け入れにたいす る自国 人労働者 と企業 の利害関係 とどの ように係わ ってい るかを明 らかにす る.

国際労働移動 で もっ とも重要 な問題 の 1つは,外 国人労働者 が受け入れ国 に どの ような影響 をお よぼすかであ る.すなわち どの ような外 国人労働者 を どの くらい受 け入れ る と, どの ような主体 に どの ような影響 が し ょうじるか であ る. これについては これまで様 々な研究 がお こなわれ,国際労働移動 の 主要 な研 究テーマの 1つを形成 してい る1).また外 国人労働者 は異な った主 体 に異な った影響 をお よぼすか ら,外 国人労働者 を円滑 に受け入れるため に は,主体 間で し ょうじる利害の不一致 を調整 しなければな らない.これにつ いて もこれまで様 々な研究がお こなわれて きた

2 ).

1

)ごく一部をあげれば,理論研究には

Sc hmi dt ,St i l

,a ndZi mme r ma nn( 1 9 94),Zi m‑

me r mann( 1 996)

などがある.また実証研究には

Bor j as( 1 9 97),Gr os s man( 1 9 82)

,

Fr i e dber ga ndHunt( 1 9 9 5 ),Zo r l ua ndHa r t o g( 2 00 5 )

などがある・仮に自国人労働者と 外国人労働者が生産要素として代替的であったとしても,外国人労働者が自国人労働者

におよはす影響についての実証分析の結果は,研究によって大きく異なる.

2

)主体間で利害の不一致がしょうじるため,外国人労働者の受け入れ枠

( i mmi gr at i on q uo t a)

の決定は,政治的プロセス

( po l i t i c alpr oc es s )

に任せられやすい・政治的プロセ

スによる外国人労働者の受け入れ枠の決定については

,Shugha r te ta

l

( 1 9 86 ),Ben‑

ha bi b( 1 9 9 6 ),Fl or e s( 1 9 9

7)

,Ame ga s hi e( 2 0 0 4 ),Bodvar s s o ne ta

l

・( 2 0 0 7 )

などの研究 がある.

(3)

非対称情報のもとでの外国人労働者の受け入れ

3

これ らの研究はたいへん興味深いが,情報の非対称性 にたいする考慮が じ ゆうぶんではなかった.すなわち企業は外国人労働者 について も完全な情報 をもっている と仮定 して,外国人労働者の受け入れの影響や利害の調整を検 討 して きた. しか し労働市場は本来,情報の非対称性によって特徴づけ られ る市場である.例 えば労働者は企業が知 らない情報 ももっている.た とえ自 国出身の労働者であって も彼 らの生産性は企業に とってわか りやすいもので はないか ら,外国出身の労働者であれば彼 らの生産性は企業 に とってひじ ょ

うにわか りに くいだろう.

したがって情報の非対称性を国際労働移動の分析に導入す ることは 自然で ある.

Kat za ndSt ar k( 1 9 84,1 986,1 9 87,1 989)

St ar k( 1 99

1)は企業が 外国人労働者の生産性について不完全な情報 をもっている場合を仮定 し,情 報の非対称性 によってどの ような生産性を もった外国人労働者が流入 しやす いかを分析 した.しかし外国人労働者の生産性にかんする情報の非対称性は, 流入す る外国人労働者の生産性の違 いに影響をお よばすだけではない.む し

ろ国際労働移動の どのような側面 も,情報の非対称性 と無関係ではないだろ う.

そ こで本論文は,外国人労働者の生産性 についての情報が外国人労働者 と 企業のあいだで非対称的である と仮定 して,外国人労働者の受け入れが 自国 人労働者の効用 と企業の利潤に どの ような影響をおよぼすかを調べ,外国人 労働者の受け入れにおいて 自国人労働者 と企業の利害が どの ような関係にあ るかを明らかにする.この ような分析は,外国人労働者受け入れ政策を立案 するための手掛か りをあたえるだろう.

本論文の主な結果は,以下の とお りである. 自国人労働者 と外国人労働者 が生産要素 として代替的である場合,外国人労働者 1人あた りの有効労働 力 の平均値が受け入れる外国人労働者数にかん して弾力的であるな らば,外国 人労働者の流入は 自国人労働者の効用を増加させ企業の利潤 を減少 させる.

一万, 日国人労働者 と外国人労働者が生産要素 として補完的である場合,外

(4)

国人労働者 1人あた りq)有効労働力の平均値が受け入れる外国人労働者数に かんして弾力的であるならば,外国人労働者の流入は自国人労働者の効用を 減少させ企業の利潤を増加させる.したがって外国人労働者の生産性につい ての情報が外国人労働者 と企業のあいだで非対称的であっても,外国人労働 者の受け入れにかん して自国人労働者 と企業の利害は一致 しない.

これ らの結果は,外国人労働者の生産性についての情報 に非対称性が存在 しない場合 と反対である.すなわち代替的である場合,外国人労働者の流入 は 自国人労働者の効用を減少 させ企業の利潤を増加 させ る.一方,補完的で ある場合,外国人労働者の流入は 自国人労働者の効用を増加させ企業の利潤 を減少 させる.したがって外国人労働者の生産性についての情報の非対称性 はそれぞれの場合において,外国人労働者の受け入れにおける自国人労働者

と企業の利害関係を逆転させる可能性がある.

本論文の構成は,以下の とお りである.

2

節は, 自国人労働者 と外国人労 働者が生産要素 として代替的な関係にある産業 と自国人労働者 と外国人労働 者が生産要素 として補完的な関係にある産業をモデル化する.

3

節は,自国 人労働者 と外国人労働者が生産要素 として代替的な関係にある産業が外国人 労働者を受け入れるとこのような産業の自国人労働者の効用 と企業の利潤が どのように変化するかを調べる.

4

節は,自国人労働者 と外国人労働者が生 産要素 として補完的な関係にある産業が外国人労働者を受け入れるとこの よ

うな産業の自国人労働者の効用 と企業の利潤がどの ように変化するかを調べ る.

5

節は,本論文をま とめ,今後検討 し改善すべ き点をあげる.

2

モデル

本論文は

Bo d va r s s o ne ta

l

.( 2 0 0 7 )

な どと同じように, 自国人労働者 と 外国人労働者が代替的な生産要素である場合 と自国人労働者 と外国人労働者 が補完的な生産要素である場合を仮定する.本論文は, 自国人労働者 と外国

(5)

非対 称情報 の も とでの外 国人 労働 者 の受 け入 れ

5

人労働者が代替的な関係 にある産業を代替的産業 とよぴ, 自国人労働者 と外 国人労働者が補完的な関係にある産業を補完的産業 とよぶ.前者では一方の 生産要素の限界生産力が他方の生産要素の減少関数であ り,後者では一方の 生産要素の限界生産力が他方の生産要素の増加関数である.本論文では外国 人労働者は,生産 をつうじてのみ受け入れ国に影響をおよばす

3)

.それぞれ の産業は自国人労働者 と外国人労働者を雇 い,

1

種類の財を生産す る.それ ぞれの産業の資本ス トソクは一定で,生産要素 として明示的に生産関数 に現 れない.代替的産業 と補完的産業は独立である

4).

代替的産業 にはあ らか じめ 自国人労働者 が

N ‑

S存在 す る.

N Hs

は外生的 に あたえ られ,分析 をつうじて変化 しない. これ らの労働者はすべて同質で, 雇用す る自国人労働者

1

人あた りの有効労働力を 1とする.代替的産業の企 業は, これについて完全な情報 をもっている.補完的産業にはあ らかじめ 自 国人労働者 が

N Ic

存在す る.

N Ic

は外生的 にあたえ られ 分析 をつ うじて変 化 しない.これ らの労働者はすべて同質で,雇用する自国人労働者 1人あた りの有効労働 力を

1

とす る.補完的産業の企業は,これについて完全な情報 をもっている.

外国人労働者 も自国人労働者 と同様 に,すべて同質で企業は これについて 完全な情報 を もっている, と仮定 されることが多い. しかし本論文 は,外 国 人労働者は異なる労働生産性を もち,企業は雇用する個 々の外国人労働者の 生産性 について完全な情報を もっていない, と仮定す る

5)

.具体的 には,つ

ぎの ような仮定をお く.

3

)外 国人労働者 は,受 け入れ国で生産 され る財 にたいす る需要 な どに も影響 をお よばす

( Gr ee nwo oda ndHunt1 9 9 5 ).Bodva r s s o n, e ta l .( 2 0 06 )

による と外国人労働者は,財需 要を増加させ ることによって間接的 に自国人労働者の雇用を増加 させ る可能性がある.

4)Shi ma da( 2 0 0 8)

は代替的産業 と補完的産業 か らなる経済を仮定 したが, 自国人労働者 が産業間を国内移動 する場 合には代替的産業 と補完的産業は独立ではなかった.

5

) もち ろん雇用 してか らあ る程度時間が経過 すれば正確 にわか るか もしれないが,す く な くとも雇用す る時点では企業は個 々の外国人労働者の生産性 を正確 にわか らない.

(6)

代替的産業は受け入れ条件

( admi ss i oncr i t er i a)

をもうけて,それをみた す外 国人労働者 をMs受け入れ る.M

は外生的 にあたえ られ るが,変更 さ れ る.補完的産業 も受け入れ条件 を もうけて,それをみたす外 国人労働者 を

M ‑

C受け入れる.

M ‑

Cは外生的 にあたえ られ るが,変更され る.

M 晦

M I

cの 増加は,代替的産業や補完的産業の外国人労働者の受け入れ条件の緩和 を意 味す る

6).

外国人労働者 の受け入れ条件 を緩和 して受 け入れ数を増加 させ ると, より 高 い労働生産性 を もった外国人労働者 が流入す るだ ろう. このため外国人労 働者 1人あた りの有効労働力の最大値 は,外 国人労働者数 の受 け入れ数の増 加 に ともなって増加す る. したが って代替的産業の外国人労働者 1人あた り の有効労働 力の最大値

qH( M Ns )

と補完的産業の外国人労働者

1

人あた りの有 効労働 力の最大値

qH

(

M Ic )

を,

6

)実際に どの ような労働生産性を もった外 国人労働者 を受 け入れ ることになるかは,政 策的に定める受け入れ条件だけでな く,外国人労働者の 自己選択

( s e l f ‑ s e l e c t i o n)

によっ て も影響 される.企業が外国人労働者の生産性 について不完全な情報 しか もたない場合, 熟練労働 は生産性 を測 りに くいため,熟練労働者の賃金率 は生産性 よ りも低 く設定 され やすい.一部の熟練労働者の生産性 は,企業 によって設定 された賃金率 よ りも高い.一 方 ,不熟練労働 は生産性を測 りやすいため,不熟練労働者の賃金率 には生産性が反映 さ れやすい.このため生産性の低い労働者のほうが生産性の高い労働者 よ りも外国へ移動

しやすい.すなわち外国人労働者の負の 自己選択

( ne ga t i ves e l f ‑ s e l e c t i o n)

が しょうじ やすい

( Ka t za ndSt a r k1 9 8 7 ).

一方

,Chi s wi c k( 1 9 9 9 ,2 0 0 0 )

は情報の非対称性を仮定 せずに,正の 自己選択

( po s i t i ves e l f ‑ s e l e c t i o n)

,すなわち外国人労働者の 自己選択の結 果 ,生産性の高い労働者のほ うが生産性の低い労働者 よ りも外国へ移動 しやすいことを 示 した.

Be l l e t t i nea ndCe r o ni( 2 0 0 7 )

によると,労働者の 自己選択のほ うが政策的に定 める受け入れ条件 よ りも外国人労働者の生産性 にかんする最終的な結果 に大 きな影響 を およばす.しか し本論文は簡単化のために,外国人労働者の負の 自己選択 も正の 自己選 択 もおこらない と仮定 する.外国人労働者 の受け入れ条件q)緩和 は一般 に,生産性の低 い外 国人労働者の流入 を可能 にする. このため本論文の仮定の もとでは受け入れ条件 の 緩和 によって,高い生産性 を もった外国人労働者の流入 よ りも低 い生産性 をもった外 国 人労働者 の流入が促進 され るだろう.外国人労働者 の生産性 (外国人労働者 1人あた り の有効労働力)の分布 については,本節の後述を参照せ よ.

(7)

非対称情報の もとでの外国人労働者の受け入れ 7

o <q H( M i ) ≦

1,管

,

o

・i ‑

S

,

C, と仮定する.

また外国人労働者の受け入れ条件 を緩和 して受 け入れ数を増加させ ると, より低い労働生産性をもった外国人労働者 も流入するだろう.このため外国 人労働者 1人あた りの有効労働 力の最小値 は,外国人労働者の受け入れ数の 増加に ともなって減少す る. したがって代替的産業の外国人労働者 1人あた りの有効労働力の最小値

qL( M s )

と補完的産業の外国人労働者 1人あた りの 有効労働力の最小値

qL( M Ic

)を,

o

<q L( M l・ )

<

1,響

くo・i‑S,C, と仮定する.

代替的産業 においても補完的産業において も,外国人労働者の受け入れ数 の増加は受け入れ条件の緩和 によるか ら,労働生産性の低い労働者 が労働生 産性の高い労働者 よりも多 く流入す るだろう.このため有効労働力の最小値 の減少は,有効労働 力の最大値 の増加 よりも大 きいだろう.そ こで,

f

I ,

,i

‑S, C

と仮定する.

代替的産業の外国人労働者

1

人あた りの有効労働力や補完的産業の外国人 労働者 1人あた りの有効労働力はそれぞれ,一様分布に したが うと仮定す る.

以上の仮定の もとでは,代替的産業の外国人労働者

1

人あた りの有効労働 力の平均値 (予想値)

o( M M s )

(…os)と補完的産業の外国人労働者 1人あた りの 有効労働力の平均値 (予想値)

o( M T

t)(

o c )

は,

o( M T・ )‑

qH(Mi)

+ q

L(Mi)

,i ‑S, C

,

2

と求め られる.代替的産業や補完的産業の外国人労働者

1

人あた りの有効労

(8)

働 力の平均値は, 0よりも大 き く1以下であ る,また仮定か ら代替的産業や 補完的産業の外 国人労働者 1人あた りの有効労働力の平均値は,受け入れる 外国人労働者数の増加 とともに減少す る.すなわち,

<

o・i S, C ,

である.

代替的産業の外国人労働者 1人あた りの有効労働 力の平均値の代替的産業 が受け入れる外 国人労働者数 にかんす る弾力性

りo s (

≡‑0'(M

〜S )

MIS/0(M

Ts ))

と補完的産業の外国人労働者

1

人あた りの有効労働 力の平均値の補完的産業 が受け入れる外 国人労働者数にかんす る弾力性

榊C (≡‑0' ( M Tt) M IC / 0( M ‑C ))

を一定 と仮定する.

代替的産業の生産関数を,

Y s ‑Fs( Ns + 0( M Is ) Ms )

,

Fs ' >

0

,F

s"

<0

,

と仮定す る. ここで,

N s

は代替的産業で雇用 され る自国人労働者数を表 し, M

s

は代替的産業で雇用 される外 国人労働者数を表 す.代替的産業で雇用 さ

れ る自国人労働者の有効労働力は

N s

であ り,代替的産業で雇用 され る外 国 人労働者の有効労働 力は

0( M ‑S ) Ms

である

7 ).

代替的産業の企業は,利潤最大化を 目指 して 自国人労働者 と外国人労働者 を雇 う

8)

. 自国人労働者 と外国人労働者は,つぎの条件 をみたす ように需要 される.

7)既 に仮定 した ように, どち らの産業 において も企業は雇用す る個 々の外国人労働者 の 労働生産性について完全な情報 をもっていないため,雇用する外 国人労働者の有効労働 力を完全 にコン トロールで きない. このため実際 に代替的産業で雇用 され る外国人労働 者の有効労働力が

0( M T; ) Ms

に等 しい とは限 らない.

8

)代替的産業の企業の利潤

7 C s

は,

A ‑ S

ps ( Ns 十0( M Ts ) Ms )‑ws N Ns ‑u ' s MMs

と定義 され る. ここで

,u J s N

は代替的産業の 自国人労働者の賃金率 を表 し

,ws M

は代替的産業の外 国人労働者の賃金率を表す.代替的産業の財価格は,分析をつうじて 1であると仮定する.

(9)

非対称情報 の もとでの外 国人労働者の受け入れ

Fs ' ‑WS N .

o( M 〜S ) F s ' ‑u J s M.

9

補完的産業の生産関数を,

Y c‑F c ( N c ,

0(

M Ic ) Mc )

,

Fc l ,Fc Z >

0,

Fc 1 2 ,Fc 2 1 >0

,

Fc l l ,Fc 2 2 <0,Fc l l Fc z 2 ‑Fc 1 2 Fc 2 1 >0 ,

と仮定する

9 )

.ここで,

N c

は補完的産業で雇われ る自国人労働者数 を表 し,

Mc

は補完的産業で雇われる外 国人労働者数を表す.補完的産業で雇用 され

る自国人労働者の有効労働力は

ⅣCであ り,補完的産業で雇用 され る外国人

労働者の有効労働力は

0( M Tt ) Mc

である

1 0)・

補完的産業の企業は,利潤最大化を 目指 して 自国人労働者 と外国人労働者 を雇 う

1 1 )

.自国人労働者 と外国人労働者は,つぎの条件 をみたすように需要 される.

Fcl ‑u ) c N ・

o(

M Ic ) Fc 2 ‑Wc M .

本論文では賃金率は

,Sha pi r oa ndSt i gl i t z( 1 9 8 4 )

な どに よる非怠業モデ

ル ( no n‑ S hi r kmo de

l)によって決定 される.すなわち代替的産業 と補完的産 業 における自国人労働者の賃金率 と外国人労働者の賃金率は,雇用 されたそ

9)Fc l ≡∂ Fc / ∂ Nc ,Fc 2 ≡∂ Fc /

∂〈0(

M T h) M

c),F

c12 ≡∂( ∂ Fc / ∂ Nc ) / ∂( 0( M Tt ) Mc

),

Fc 2 1 …∂ [ ∂ Fc /

∂(0(

Mc ) Mc ) ] / ∂ N c ,Fc ll …∂( ∂ Fc / ∂ Nc ) / ∂ N c ,

1 0)

代替的産業の場合 と同様 ,実際に補完的産業で雇用 される外国人労働者の有効労働 力 0

( M Ic ) Mc

に等 しい とは限 らない.

ll)補完的産業の企業の利潤

7 T c

は, 7

T c …Fc( Nc, 0( Mc ) Mc )‑wc N Nc‑u ' c MMc

と定義 され る,ここで

,wc N

は補完的産業の 自国人労働者の賃金率を表 し

,u ) c M

は補完的産業の外 国人労働者の賃金率を表す.補完的産業の財価格は,分析をつ うじて 1であ ると仮定す る.

(10)

れぞれの労働者の怠業を防 ぐように決定される.

代替的産業 で雇用 され怠業 しない代表的な 自国人労働者の瞬間的効用 を

WS N‑e s N

とす る. ここで

es N

は,代替的産業 で雇用 されてい る代表 的な 自 国人労働者の努力を表す

. es N

は外生的にあたえ られ 分析 をつ うじて変化 しない.一方,代替的産業で雇用 され怠業す る代表的な 自国人労働者の瞬間 的効用 を

u) s N

とす る.代替的産業で雇用 されてい る代表 的な 自国人労働者 は怠業す る と

, ps N

の確率で怠業 が見 つか り解雇 される

・ ps N

は外生的にあ たえられ,分析をつ うじて変化 しない.さらに代替的産業で雇用 されている 代表的な 自国人労働者 は,怠業以外の理 由で

βs N

の確率 で離職 す る

βs N

外生的にあたえられ,分析をつ うじて変化 しない.

代替的産業 において離職する自国人労働者 は, 自国人労働者の代替的産業 における失業への流入を形成する.一方,代替的産業において失業 している 自国人労働者 は

,α s N

の確率で再雇用 される.この ような 自国人労働者は, 自国人労働者の代替的産業 における失業か らの流出を形成する.定常状態 に おいては,代替的産業で失業者 となる自国人労働者数 と再雇用 される自国人 労働者数 は等 しい

.α s N

は定常状態 において, この条件 をみたす ように決定

される.

これ らの仮定の もとでは,代替的産業で雇用 され怠業する代表的な 自国人 労働者の予想生涯効用

V E S sN

は,

r v

E

S

sN

‑Ws N+

(

Ps N+PS N) ( V Us N‑ V E S s N)

と表 され る. ここで γは,割引率を表 す.γは外生的にあたえ られ 分析 を つ うじて変化 しない・また

V Us N

は,代替的産業で失業 している代表的な 自 国人労働者の予想生涯効用であ り,

r vUs N

‑W+as

N( V E S s N ‑ V Us N) ,

と表 され る. ここで u7は,失業手 当を表す.失業手当は,失業 しているす

(11)

非対称情報の もとでの外国人労働者の受け入れ

ll

ベての労働者 に とって共通であ る.W‑は外生的にあたえ られ,分析をつうじ て変化 しない.代替的産業で雇用 され怠業 しない代表的な自国人労働者の予 想生涯効用 VETNは・

rvETN‑

Ws N‑e s N+

PsN(VUsN‑VE:N), と表 される.

非怠業条件 VEt ‑VESsN(

≡V E s N )

を課 し,定常状態 においては

β s

NNs‑αsN

x

(NT;

‑ N s )

が成 り立つことか ら,代替的産業の 自国人労働者の定常状態で の賃金率を求める.

W S

N

‑ W

+

e

sN+

P s N e s N・ ( 2 s n)

縦軸 と横軸 にそれぞれ代替的産業の 自国人労働者 の賃金率 と雇用量 を とる

, ( 2 s n)

式 をみたす代替的産業の 自国人労働者の賃金率 と雇用量の組み合 わせは右上が りのグラフ として描かれる.

また代替的産業で雇用 されている代表的な 自国人労働者の定常状態での予 想生涯効用 と代替的産業で失業 している代表的な 自国人労働者の定常状態で の予想生涯効用はそれぞれ,

v E s N ‑ 雷 + t N l 1 I

v Us N ‑雷鳥 N

( Ns /(

NI

s ‑ N

s))β

e s N, e s N,

( 3 s n)

( 4 s n)

と求め られる.(

3 s n)

式 と(

4 s n)

式によると,代替的産業 において 自国人労働 者の雇用量が増加す ると,自国人労働者は雇用 されていて も失業 していて も,

よ り高い予想生涯効用が得 られ る.

同様 にして,補完的産業の 自国人労働者の定常状態での賃金率は,

W

C

N ‑ W+ e

cN+

( N t/(

NLc

Nc ) ) β c N+r

P c N ec N, ( 2 c n)

(12)

と求め られる.定常状態においては,補完的産業で失業者 となる自国人労働 者数 と再雇用 される自国人労働者数 が等 しい ことに注意せ よ・ここで

, βα

は補完的産業で雇用 されている代表的な 自国人労働者の努力を表 し

, pcN

補完的産業で雇用 されている代表的な 自国人労働者が怠業が見つか り解雇 さ れ る確率を表 し

, βα

は補完的産業で雇用 されている代表的な 自国人労働者 が怠業以外の理 由で離職 す る確率を表 す

・ ecN, PcN

お よび

βcN

は外生的 に あたえ られ 分析をつうじて変化 しない.縦軸 と横軸にそれぞれ補完的産業 の 自国人労働者の賃金率 と雇用量 を とる と

, ( 2 c n)

式をみたす補完的産業の 自国人労働者の賃金率 と雇用量の組み合わせは右上が りのグラフ として措か れる.

また補完的産業で雇用 されている代表的な 自国人労働者の定常状態での予 想生涯効用 と補完的産業で失業 している代表的な 自国人労働者の定常状態で の予想生涯効用はそれぞれ,

V E c N

V

U c

N

垂+ r . P ⊥ c N ( Nc /( N L c‑Nc )) β

垂 + ⊥ ( Nc /(

NC

Nc )

r

PcN r

β C Ⅳ, ( 3 c n)

( 4 c m)

と求め られる.

( 3cn)

式 と(

4cn)

式 に よる と,補完的産業 において 自国人労 働者の雇用量が増加すると, 自国人労働者は雇用 されていて も失業 していて

も,よ り高い予想生涯効用が得 られる.

代替的産業 の外国人労働者の定常状態 での賃金率

wsM

と補完的産業の外 国人労働者の定常状態での賃金率

wcM

はそれぞれ,

WSM ‑ W l es M +

(

M ‑

s/

二M

PsM s))βs M †‑ res M,

u) cM = u 7 + ecM + ( 垂 / ( M +C ‑M c ) ) βcM +

r

PcM

( 2 s m)

( 2 c m)

と求め られる.定常状態においては,それぞれの産業で失業者 となる外国人

(13)

非対称情報 の もとでの外国人労働者の受 け入れ

1 3

労働者数 と再雇用 される外国人労働者数が等 しい ことに注意せ よ.ここで,

e s Mは代替的産業 で雇用 されている代表的 な外 国人労働者の努 力を表 し, p s Mは代替的産業で雇用されている外国人労働者が怠業が見つか り解雇 され

る確率 を表 し

,β s Mは代替的産業で雇用 されている代表的な外国人労働者 が

怠業以外の理 由で離職する確率を表す・e

s M,P s Mおよび β s Mは外生的にあた

え られ,分析をつ うじて変化 しない.また

e c Mは補完的産業で雇用 されてい

る代表的な外国人労働者の努力を表 し

,p c Mは補完的産業で雇用 されてい る

外国人労働者 が怠業が見つか り解雇 される確率を表 し

,β c Mは補完的産業で

雇用 されている代表的な外国人労働者が怠業以外の理 由で離職する確率を表 す・e

c M,P c Mお よび β c Mは外生的にあたえ られ,分析 をつ うじて変化 しな

い 1 2)

代替的産業の均衡条件は,

( 1 s n)

式および

( 2 s n)

求,

( 1 s m)

式 および

( 2 s m)

式 か ら,

Fs

'

‑W

+

e s N + ( N Is /( N IsINs )) β s N

+

r P s N

o( M ‑S ) F s , =w l e s M.

e s N'

Ms

))

PS

M+r P s M e s M'

( 5 s n)

( 5 s m)

であ り,補完的産業の均衡条件は,

( 1 c n)

式 および

( 2 c n)

式,

( 1 c m)

式および

( 2 c m)

式か ら,

F cl ‑W ‑'e c N」 N Ic

/(NIc

三些 哩 c Pc N N ‑ 1 ‑ r e c N,

P c M

である.

( 5 c n)

( 5 c m)

12)

代替的産業の企業は,外国人労働者であって も彼 らの努力や怠業確率や離職確率につ いては完全な情報を もっている, と仮定する.また補完的産業の企業は,外国人労働者 であっても彼 らの努力や怠業確率や離職確率については完全な情報を もっている, と仮 定する.

(14)

3 節 外国人労働者の受け入れが代替的産業の 自国人労働者 と企 業におよぽす影響

本節は代替的産業 において,外国人労働者の受け入れ条件の緩和による外 国人労働者の受け入れの増加が 自国人労働者の効用 と企業の利潤 にお よぼす 影響を調べ,外国人労働者の受け入れにおける代替的産業の 自国人労働者 と 企業の利害関係を明 らかにする.

代替的産業 への外 国人労働者 の受 け入れの影響 を明 らかにす るために,

( 5 s n)

式 および

( 5 s m)

式を全微分する.

( F;‑E s Nl ) d Ns+O s F;d Ms ‑ ‑ 0 ; MF;dM Is , ( 6 s n)

C S F芸d Ns+(

Os2F

昌一Es M

l)d

Ms ‑ (‑ O s 0 ; MF;+Es M2 I0 ; F; ) dM Is , ( 6 s m) N s P s N

T e s N>

0

,Es M l

Ns

(

N‑S‑N

s ) 2

ps

N

ここで,EsNl

% N ‑

E s が 驚 ‑

Ms Ps M ( M Is‑Ms ) 2

PSM

∂ Ms ‑( M Is ‑Ms ) 2

PS

M a u J s M Ms P r s J M ▲ Y

L

:

es

M

>0,

≡ 竺

es

M<0

,であ る・また仮定 か ら,dN

s‑0

ある.

( 6 s n)

式および

( 6 s m)

式を

d Ns

について解 き,代替的産業が外国人労働者 の受け入れを増加させた場合に, 自国人労働者の雇用量が どの ように変化す るかを調べる.

d Ns̲‑O s F芸 Es M2

( es)

+ O s O

;F

; F

( 7 s n) ( 7 s n)

式の右辺の分母は正であるが,分子の符号は定ま らない.このため代 替的産業が外国人労働者の受け入れを増加 させ る と代替的産業の 自国人労働 者の雇用量が増加するか減少す るかは,一般的には定ま らない.

しか し ヮ

o s >1

な らば,(

7 s n)

式の右辺の分子が正 とな り

,d Ns / d M ‑S>

0と

(15)

非対称情報のもとでの外国人労働者の受け入れ

1 5

なる.言い換 えれば,代替的産業が受け入れ る外国人労働者

1

人あた りの有 効労働力の平均値が受け入れる外国人労働者数にかん して弾力的であるな ら ば,代替的産業が外国人労働者の受け入れを増加 させる と自国人労働者の雇 用量が増加する.

この ような結果が しょうじるのは,り

o s >1

な らば代替的産業が外国人労働 者の受け入れを増加 させることによって却 って,代替的産業で雇用 される外

国人労働者の有効労働力が減少するか らである.すなわち,

d M s

O s Es NI Es M2

(1

os)+

O s

eF

もE s Nl

E s NI Es Ml ‑F;( O s 2 Es N

l+

Es Ml )

であ り,ワ

o s >1

な らば右辺の第

1

項 と第2項は ともに負である・また代替的産 業で雇用され る外国人労働者の有効労働力の減少は,代替的産業の 自国人労 働者 にたいす る需要曲線を右上へシフ トさせ るか らであ る.すなわち代替的 産業の 自国人労働者 にたいする需要関数

( 1 s n

式)において,

d ws N‑F昌d Ns + F芸 d( 0( M Ls ) Ms ),

が成 り立 っている.さらに

2

節で述べた ように,非怠業条件をみたす代替的 産業の 自国人労働者の賃金率 と雇用量の組 み合わせ

( 2 s n

式)は右上が りのグ

ラフ として描 かれるからである.

( 2 s n)

,( 3 s n)

式 および

( 4 s n)

式 によると,代替的産業の 自国人労働者の 賃金率や予想生涯効用は,代替的産業の 自国人労働者の雇用量の増加関数で ある. したがって代替的産業の 自国人労働者の賃金率や予想生涯効用が増加 するか減少す るかは一般的には定ま らないが,ワ

o s >

1な らば代替的産業への 外国人労働者の受け入れの増加は代替的産業の 自国人労働者の賃金率や予想 生涯効用を増加 させ る.

代替的産業が外国人労働者の受け入れを増加 させると,代替的産業の企業 の利潤はつぎの ように変化する.

(16)

義 ‑ o ; F; Ms

一驚

Ns

一驚

Ms ・

(8sf) (8sf)式 による と,代替的産業への外 国人労働者の受け入れの増加が代替的 産業の企業の利潤を増加させ るか減少 させ るかは,一般的には定ま らない.

しか し

dws N/ d M Is

は ヮ

o s >1

な らば既 に述べた ように正 であ る・

d ws M/ d M Ts

の符号は定ま らないが,雇用 される外国人労働者数は雇用 される自国人労働 者数 に くらべて小 さいので,

ワ o s >1

な らば

d w s / d M Is<

Oであ る可能性 が高

い 1 3)

要するに代替的産業への外国人労働者の受け入れが自国人労働者の厚生や 企業の利潤を増加 させ るか減少 させ るかは,一般的には定 ま らない. このた め外国人労働者の受け入れにおける代替的産業の 自国人労働者 と企業の利害 関係 も,一般的には定まらない.しか し代替的産業が受け入れる外国人労働 者 1人あた りの有効労働力の平均値が弾力的であるな らば,外国人労働者の 受け入れの増加は 自国人労働者 に良い影響をおよば し,企業に悪い影響をお

よばす.

この ような結果は,代替的産業が受け入れる外国人労働者 1人あた りの有 効労働力が一定で企業がそれについて完全な情報を もっている場合 と対照的 である.

♂ ;‑0

な らば,

d Ns O s F芸 Es M 2

d M J s偏‑o E s NI Es M1 ‑F芸( o s 2 Es

Nl+

Es Ml ) < 0 ,

である

1 4)

.したがって代替的産業の 自国人労働者の賃金率や予想生涯効用 も, 代替的産業への外 国人労働者の受け入れの増加 に よって減少 す る

( ∂u ) s N/

∂ M

hs

巌 o <0,∂VE s N /∂ M

T

s l o ; =o <

0

,∂VU s N /∂ M ‑sl o ; =o <o )

・これにたいして 0

;‑0

13)du

) s M/ d Ms‑d( O s u ) s N)/ d

MTs

‑o ;u J s N

+

O s( dws N/ d

Ms)

1 4)

なぜ な らOsが一定 な らば,代替的産業が受け入れ る外 国人労働者数が増加す る と,代 替的産業 で雇用 され る外 国人労働者 の有効労働 力がかな らず増加 す るか らであ る.すな わち

,dI 0( M Is ) Ms )/ d Ms E o ;

=。

‑ o s( F;Es M2 ‑E s NI Es M2 ) /t E s NI Es Ml

‑F

芸( o s 2 Es N

l+

Es Mi ))

>0

であ る.

(17)

非対称情報の もとでの外国人労働者の受け入れ

な らば,

d 7 ̲ T s

d Ms f e ; = . 一 驚 N s一 驚

M

s

,0

1 7

である.要するに代替的産業が受け入れる外国人労働者 1人あた りの有効労 働 力が一定で企業が これについて完全な情報をもっているな らば,外国人労 働者の受け入れの増加は, 自国人労働者 に悪い影響をおよほ し,企業に良い 影響をおよばす.

以上の結果をま とめれば,外 国人労働者が異なる労働生産性 をもち雇用す る個 々の外国人労働者の生産性 について企業が完全な情報を もっていない場 合 において も,代替的産業が受け入れる外国人労働者 1人あた りの有効労働 力の平均値が代替的産業が受け入れる外国人労働者数 にかん して弾力的であ るな らば,代替的産業への外国人労働者の受け入れは代替的産業の 自国人労 働者 と企業 にたい して相反する影響をおよぼす. この結果は,外国人労働者 1人あた りの有効労働力が一定で企業がこれについて完全な情報を もってい る場合 と同 じである.しかし外 国人労働者の受け入れが 自国人労働者 と企業 におよばす影響は,外国人労働者 1人あた りの有効労働 力が一定で企業が こ れについて完全な情報をもっている場合 と反対である. したがって情報の非 対称性 によって代替的産業の外 国人労働者の受け入れにおける自国人労働者

と企業の利害が逆転する可能性があるといえよう.

熟練 自国人労働者 と熟練外国人労働者は通常,生産要素 として代替的な関 係 にあ り,不熟練 自国人労働者 と不熟練外国人労働者 も通常,生産要素 とし て代替的な関係にある.また

Ka t za ndSt a r k( 1 9 8 7 )

が考 えた ように,熟練 労働は不熟練労働 よ りも労働者の生産性を測 るのが難 しいか ら,企業は熟練 外国人労働者の生産性について不完全な情報 をもつだろう. これにたいし不 熟練外国人労働者の生産性 については,完全な情報をもつことが可能かもし れない.この ように考えると本節の結果は,つぎの ことを合意 している.受 け入れる外国人労働者 1人あた りの有効労働力の平均値 が受け入れる外国人

(18)

労働者数 にかん して弾力的であるな らば,熟練 自国人労働者 と熟練外国人労 働者を雇用する産業では熟練外国人労働者の受け入れは,熟練 自国人労働者 に有利 にはた らき,企業に不利にはた らく

1 5 )

.これにたい し不熟練 自国人労 働者 と不熟練外国人労働者を雇用する産業では,不熟練外国人労働者の受け 入れは不熟練 自国人労働者に不利 にはた らき,企業 に有利 にはた らく.

4

外国人労働者の受け入れが補完的産業の 自国人労働者 と企 業におよぼす影響

本節は補完的産業 において,外国人労働者の受け入れ条件の緩和による外 国人労働者の受け入れの増加が 自国人労働者の効用 と企業の利潤にお よばす 影響を調べ,外国人労働者の受け入れにおける補完的産業の 自国人労働者 と 企業の利害関係を明 らかにする.

補完的産業 への外 国人労働者 の受け入れの影響 を明 らかにす るために,

( 5 c n)

式 および

( 5 c m)

式を全微分する.

( Fc l l ‑E c Nl ) d Nc+O cFc 1 2 d Mc‑‑

0

乙McFc 1 2 dM Ic, ( 6 c n)

o c Fc 2 1 d Nc

+(

C BFC 2 2 ‑Ec Ml ) d Mc‑( Ec M2 ‑乾Fc 2 ‑

OcO

b Fc 2 2 Mc ) dMc ,( 6 c m) N。 . 3 1 、 . \ ・

Nc

( N TH‑Nc ) 2

pcN

ここで

,Ec N

l

% N‑

Ec M2 1 ‑驚 ‑

Mc P c M ( M Tt‑Mc ) 2

PCM

e

c N>0 ,Ec M

l

a wc M Mc

T

β r c L M Y

Jec

M>0

,

M

c ( M ‑C‑Mc ) 2

pcM

ec

M<0

,であ る・また仮定 か ら

,dNc‑

0で

1 5)

この ような場合には企業は資源を投入 して,雇用す る熟練外国人労働者の生産性 を正 確 に把握 しようとす るか もしれない.なぜな ら熟練外国人労働者 の生産性を正確 に把握 で きるようにな る と,熟練外国人労働者の受け入れによって企業の利潤 が増加する可能 性があ るか らである.

(19)

非対称情報のもとでの外国人労働者の受け入れ 1 9

ある.

( 6 c n)

式お よび

( 6 c m)

式 を

d Nc

について解 き,補完的産業が外国人労働者 の受け入れを増加 させた場合に, 自国人労働者の雇用量が どの ように変化す るかを調べる.

d Nc ‑O cFc 1 2 E

cM2(1‑

7 c c ) +O c

O

とFc 2 Fc 1 2

dM t o B( Fc l l Fc 2 2 ‑Fc 1 2 Fc 2 1 ト ( Fc l l E c Ml +0 3 Fc 2 2 Ec Nl )+ E c NI E c Ml ( 7 c n) ( 7 c n)

式の右辺の分母は正であ るが,分子の符号は定 ま らない.このため補 完的産業が外 国人労働者の受け入れを増加 させ る と補完的産業の 自国人労働 者の雇用量が増加す るか減少す るかは,一般的には定 ま らない.

しか しT

o c >1

な らば

, ( 7 c n)

式の右辺q)分子が負 とな り

,d Nc / dM Tt : <

oと なる.言い換 えれば,補完的産業が受け入れる外 国人労働者

1

人あた りの有 効労働力の平均値が受け入れる外国人労働者数にかん して弾力的であるな ら

ば,補完的産業が外国人労働者の受け入れを増加 させる と自国人労働者の雇 用量が減少す る.

この ような結果 が しょうじるのは,

T o c >1

な らば補完的産業が外 国人労 働者の受け入れを増加させ ることによって却 って,補完的産業で雇用 され る 外国人労働者の有効労働力が減少するか らである.すなわち,

d

(

0 ( 垂) M c )

̲

O c ( Fc l l Fc M2 ‑F c NI F c M2 )

(ト 7cc)

O c

O

乙Fc 2 Fc

ll+O

c 乾E c NI F c 2

であ り,

ワ c c > 1

な らば

d(

0(

M Nc ) Mc ) / dM Ic<O

である・また補完的産業で雇 用 され る外国人労働者の有効労働力の減少は,補完的産業の 自国人労働者 に たいする需要 曲線を左下へシフ トさせ るか らである.すなわち補完的産業の

自国人労働者 にたいする需要関数 (1cn式)において,

dwc N‑Fc l l d Nc+Fc 1 2 d( 0( M Tb ) Mc

),

が成 り立 っているか らである.さらに2節で述べたように,非怠業条件をみ たす補完的産業の 自国人労働者の賃金率 と雇用量の組 み合わせ

( 2 cn

式)は右 上が りのグラフ として措 かれるか らである.

(20)

( 2 c n)

式,(

3 c n)

式 および

( 4 c n)

式 による と,補完的産業の 自国人労働者の 賃金率や予想生涯効用は,補完的産業の 自国人労働者の雇用量の増加関数で ある.したがって補完的産業の 自国人労働者の賃金率や予想生涯効用が増加 す るか減少す るかは一般的 には定 ま らないが,

ワ o c >1

な らば補完的産業へ の外国人労働者の受け入れの増加は補完的産業の 自国人労働者の賃金率や予 想生涯効用を減少 させ る.

補完的産業が外国人労働者の受け入れを増加 させ ると,補完的産業の企業 の利潤はつぎの ように変化する.

‑o tFc 2 M c一 驚 N c 一 驚 Mc ・ ( 8 c f ) ( 8 c f )

式 による と,補完的産業への外国人労働者の受け入れの増加が補完的 産業の企業の利潤を増加 させるか減少 させるかは,一般的には定まらない.

しかし

dwc N/ d M Ic

は 7

c c >1

な らば負である・

0 ' F c 2 Mc < 0

であ り

dwc M/ d M ‑C

の符号は一般的には定ま らないが,雇用される外国人労働者数は雇用 され る

自国人労働者数 に くらべ小 さいので,

T o c >1

な らば

d7 r c / d M ‑C> 0

であ る可 能性が高い

1 6 )

要するに補完的産業への外国人労働者の受け入れが自国人労働者の厚生や 企業の利潤を増加 させ るか減少 させるかは,一般的には定 ま らない.このた め外国人労働者の受け入れにおける補完的産業の 自国人労働者 と企業の利害 関係 も,一般的には定ま らない. しか し補完的産業が受け入れる外国人労働 者 1人あた りの有効労働力の平均値が弾力的であるな らば,外 国人労働者の 受け入れの増加は 自国人労働者 に悪い影響をおよほ し,企業に良い影響をお

よばす.

この ような結果は,補完的産業が受け入れる外国人労働者 1人あた りの有 効労働力が一定で企業がそれについて完全な情報 を もっている場合 と対照的 である・

乾‑0

な らば,

16)

d wc M/ d

M

C ‑Ec Ml ( dwc / d M t)十E c M2・

(21)

非対称情報のもとでの外国人労働者の受け入れ

, ' i A , I

;

i .

I 0 c Fc 1 2 E c M2

2 1

o t = o o B( F c l l Fc 2 2 ‑Fc 1 2 Fc 2 1 )‑( Fc l l Ec Ml

+

0 3 Fc 2 2 Ec Nl )

+

E c NI Ec Ml

である17).したがって補完的産業の 自国人労働者の賃金率や予想生涯効用 も, 補完的産業への外 国人労働者 の受け入れの増加 によって増加する (

∂wc N/

∂M ‑cl 乾‑ 0 > 0 ,∂VE c N / ∂ M Lcl 乾= 0 > 0 ,∂VU c N / ∂ Mcl 乾= 0 > 0)・

また

o ' C‑

0な らば ,

雇用 される外 国人労働者数 は雇用 され る自国人労働者数 に くらべ小 さいの で,

t

o b =. 一 驚 N c ‑ 驚 Mc< 0,

である可能性が高い.要するに補完的産業が受け入れる外国人労働者 1人あ た りq)有効労働力が一定で企業が これについて完全な情報 を もっているな ら ば,外国人労働者 の受け入れの増加は,自国人労働者に良い影響をおよほ し, 企業に悪い影響をおよばす.

以上の結果をま とめれば,外国人労働者が異なる労働生産性をもち雇用す る個 々の外国人労働者の生産性 について企業が完全な情報 を もっていない場 合において も,補完的産業が受け入れる外国人労働者 1人あた りの有効労働 力の平均値が補完的産業が受け入れる外国人労働者数 にかん して弾力的であ るな らば,補完的産業への外国人労働者の受け入れは補完的産業の 自国人労 働者 と企業にたい して相反する影響をおよはす.この結果は,外国人労働者 1人あた りの有効労働力が一定で企業がこれについて完全な情報を もってい る場合 と同じである.しかし外国人労働者の受け入れが 自国人労働者 と企業 におよぼす影響は,外国人労働者 1人あた りの有効労働 力が一定で企業が こ れについて完全な情報を もっている場合 と反対である. したがって情報の非

1 7 )なぜな ら βCが一定 な らば,補完的産業 が受 け入れ る外 国人労働者数 が増加す る と,捕

完的産業で雇用 され る外 国人労働者の有効労働 力がかな らず増加す るか らであ る.すな わち

,d( 0( 碗 ) Mc )/ dM Tdβ 乙 ‑. ‑O c( Fc l l Ec M2‑ E c NI Ec M2 )/( 0 g( Fc l l F

c22F

c

12Fc21)‑

( Fc l l Ec M l 十G B Fc 2 2 Ec N l )十E c NI Ec M l ) > 0

である.

(22)

対称性 によって補完的産業の外国人労働者の受け入れにおける自国人労働者 と企業の利害が逆転す る可能性がある といえよう.

熟練 自国人労働者 と不熟練外国人労働者は通常,生産要素 として補完的な 関係 にあ り,不熟練 自国人労働者 と熟練外国人労働者 も通常,生産要素 とし て補完的な関係 にある.また

3

節で述べた ように,企業は熟練外国人労働者 の生産性 については不完全な情報 をもつだろうが,不熟練外国人労働者の生 産性 については完全な情報をもつ ことが可能であるかもしれない.この よう な仮定の もとでは,本節の結果はつぎの ことを合意 している.熟練 自国人労 働者 と不熟練外国人労働者を雇用する産業では不熟練外国人労働者の受け入 れは,熟練 自国人労働者 に有利にはた らき,企業 に不利 にはた らく.これに たい し不熟練 自国人労働者 と熟練外国人労働者を雇用する補完的産業では熟 練外国人労働者の受け入れは,受け入れる外国人労働者 1人あた りの有効労 働 力の平均値が受け入れる外国人労働者数にかんして弾力的であるな らば, 不熟練 自国人労働者 に不利 にはた らき,企業 に有利 にはた らく

1 8)

5 節 まとめ

本論文は,外国人労働者の生産性 について受け入れ国の企業が不完全な情 報 をもっている と仮定 して,外国人労働者の受け入れが 自国人労働者 と企業

に どの ような影響をおよぼすかを調べた.

外国人労働者が受け入れ国の主体におよぼす影響 については, これまでた くさんの研究がおこなわれて きたが,労働市場を特徴づける労働者の生産性 についての情報の非対称性は明示的に分析 に取 り入れ られなかった.そ こで

1 8)

自国人労働者 と外国人労働者が生産要素 として代替的である場合 と異な り,企業は資 源を投入 して,雇用する熟練外国人労働者の生産性 を正確 に把握 しようとしないだろう.

なぜな ら資源を投入するために費用がかかるうえに,熟練外国人労働者の生産性を正確 に把握で きるようになると,熟練外国人労働者の受け入れによって企業の利潤が低下 し て しまうおそれがあるか らである.

(23)

非対称情報のもとでの外国人労働者の受け入れ

2 3

本論文は

Ka t za ndSt a r k( 1 9 87 )な どにな らって,外 国人労働者の生産性 に

ついての情報 の非対称性 を国際労働移動の分析へ導入 した.また本論文 は

Bodvar s s one ta l .( 2 0 0 7)な どと同 じように,自国人労働者 と外国人労働者

が生産要素 として代替的な関係 にある場合 と補完的な関係にある場合を仮定 した.これ らは外国人労働者の影響 を調べ るさい もちい られるもっ とも基本 的な関係である.

そ して外国人労働者の生産性 についての情報が非対称的であって も,代替 的産業 と補完的産業の両方で外国人労働者の受け入れにかん して 自国人労働 者 と企業の利害は相容れないことがわかった.また 自国人労働者 と企業の利 害は, 自国人労働者 と外 国人労働者の生産要素 としての関係の違いや情報の 非対称性の有無 によって逆転する可能性があることがわかった.

本論文の結果によれば, 自国人労働者や企業が外国人労働者の受 け入れに ついて どのような政策を望むかは, 自国人労働者 と外国人労働者の生産要素 としての関係や外 国人労働者の生産性 についての情報の利用可能性 によって 異なるだろう.例 えば代替的産業で熟練 自国人労働者 と熟練外国人労働者 が 雇用 され 補完的産業で熟練 自国人労働者 と不熟練外国人労働者が雇用 され るな らば, 自国人労働者 は どち らの産業において も外国人労働者の受け入れ の拡大を望み,企業はどち らの産業において も外国人労働者の受け入れの抑 制を望むかもしれない. このような場合,企業q)不利益 を緩和 しなければ, 外国人労働者の受け入れを増加 させることは難 しいだろう.

本論文で今後検討 し改善すべ き点 として,つぎの ことがあげ られ る.1 は,企業が外 国人労働者の何について完全な情報 をもっていな

かについて である.企業が不完全な情報 しかもっていないのは,本論文 で仮定 した外 国 人労働者 1人あた りの有効労働力についてだけではない.これに代わる仮定 1つは,外国人労働者の努力の違い とそれについての情報の非対称性であ る.このような仮定のもとでは,企業は外国人労働者の努力の期待値 に基づ いて非怠業条件をみたす賃金率を決定するか ら,努力の期待値 よりも実際の

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