現代企業の進化的イノベーション行動と技術開発方 法論
その他のタイトル Firm's Evolutionary Innovation Behavior and Technology Development Methodology
著者 廣田 俊郎
雑誌名 關西大學商學論集
巻 44
号 4
ページ 627‑652
発行年 1999‑10‑25
URL http://hdl.handle.net/10112/00019080
関西大学商学論集 第
44巻第
4号
(1999年
10月 )
(627) 255現代企業の進化的イノベーション行動と 技術開発方法論
廣 田 俊 郎
I
序
現代企業を取り巻く経営環境において,情報化,グローバル化,ソフト 化などの様々な変化が急速に進展している。このように急速に進展する経 営環境変化に対して,企業経営者は環境適応を図るべく様々の改革を行お うとするのみならず,自ら主体的にさまざまのイノベーション,たとえば 新製品の開発,新規事業の創造などを行おうとしてきている。このように 現代企業のイノベーション行動は,急激に変化する経営環境のもとで行わ れるとはいえ,そのイノベーション行動の実施にあたっては企業が管理で きるヒト,モノ,カネ,情報などの経営資源を活用して行うことになる。
ところで,企業が活用可能な経営資源についての急激な組み替えは困難な
ことが多いことを考えると,企業のイノベーション行動は,ラジカルな変
化を伴いながら行われるというより,むしろ進化的に行われるものとなる
ことが多いと考えられる。本稿は,現代企業がイノベーション行動を繰り
広げるうえで,各企業独自の技術開発方法論を持っており,その特性を活
かしながら,進化的にイノベーション行動を行っているのではないかとい
う想定に立って,現代企業のイノベーション行動を説明する論理の解明を
図ろうとするものである。
巻 第
4号
II
進化論的アプローチとは
生物学における進化論的アプローチによれば,進化プロセスにおいて,
( 1 ) 個体についての変異が何らかのメカニズムを通じて生み出される, ( 2 ) 生 み出された変異が生存競争を通じて選択されたり,逆に言えば淘汰された りする, ( 3 ) そのような経過を通じて生成してきた個体のあり方を保持する とともに,そのような個体のあり方について,新たな変異の発生と選択が 行われる,などの一連のプロセスが生じると想定されている。これらのプ ロセスの累積的な展開の結果として,現実の生物界の多様なあり方が生成 されてきたと考えられているのである。
また変異の発生に関しては,それぞれの個体について,その個体に独自 なものとして備わったもので,その生涯を通じて一定であるような要索な いし側面が進伝子などの形で存在し,それが表面上異なった外見を持つ 様々な変異を作り出すと考えられている。このように一定なものとしての 遺伝子をもとに,様々の異なったものが生み出されて来るのであるが,そ のようにして生み出されてきたものは表現型と呼ばれている。
図 1
進化プロセス
ところで企業行動に目を移すと,企業はその独自の風土やビジョンにも
とづきながら,様々の新しい動きを生み出しているという事態を見いだす
ことができる。また技術の変化についても,初期のある一つのオリジナル
な発想にもとづいて,次々と新たな発展がなされ,時にまた意外な方向へ
の展開が見られると言う事態を見出すこともできる。このように一定なも
現代企業の進化的イノベーション行動と技術開発方法論(廣田)
(629) 257のから様々のバリエーションが作り出されるとともに,その中からより妥 当なものが選ぴ出されていくという動き(進化プロセス)は,生物の世界 において見られるだけでなく,企業行動や技術変化プロセスについても見 出 だ す こ と が で き る と い う こ と が 多 く の 論 者 に よ っ て 論 じ ら れ て き た
(Nelson & Winter (1982), Dosi & Nelson (1993), Collins & Pollas (1994))。本論は,このような進化論的アプローチを採用しながら,企業の イノベーション行動についての分析を行おうとするものである。
III
研究方法と分析フレームワーク
1992
年
2月に日本の製造企業
500社を対象とする「研究開発のマネジメン トについてのアンケート」調査を実施した。調査対象企業は,製造業売上 高上位
500社であった。本報告の分析は,製造業企業
204社(回答率
=40.8%)の回答データに基づいたものである。
アントケート票において,各社の本業と典型的な新規事業の名称,各企 業が直面している市場構造の特色,それらの事業における技術開発方法の 特性,本社レベルの技術開発マネジメントの特色,研究テーマの設定方法
と技術開発上の問題解決の方法などについて質問した。
また企業のイノベーション行動を進化論的なフレームワークにしたがっ て理解することとし,図
2のような関係が成り立つのではないかと想定し た。すなわち,各企業は研究開発企画部や経営企画部などと呼ばれる組織 単位や委員会を持っており,これらの部署は様々な革新的行動を統合する 役目を担っている。また,各企業は,イノベーションを生み出すための技 術開発方法論を持っており,それを活かして新規事業・新製品を生み出し てきている。この技術開発方法論は,コアコンピタンス(中核的な強み・
能力)
I)と呼ばれることがあるものにも対応するもので,それが言わば進化
1) Hammel & Praharad (1994)
参照。
第
図2
企業の進化的イノペーション行動の分析フレームワーク
論で言う遺伝子の役割を果たし,それらの能力を顕在化させたものとして 新規事業や新製品などが生み出されてきたと考えることにした。また,こ のようにして生み出された新規事業や新製品は,社内でのサポートを獲得 するための競争や市場競争を通じて関係者や顧客によって選択されたり,
あるいは選択されずに淘汰されてしまったりする。そこで,このような淘 汰プロセスを通じて生き残ることができた新規事業や新製品についての点 検・評価がなされ,成功した新規事業や新製品の開発に用いられた方法論 を保持しようとすると思われる。本稿において,企業は,そのようにして 形成した技術開発方法論を活用しながら,より一層のイノベーションの達 成を行おうとしていると想定して分析を行い,アンケート票によって得ら れる各側面についての実態が,このような想定とどの程度合致しているか
を検討することにしたい。
IV
企 業 の 進 化 的 イ ノ ベ ー シ ョ ン 行 動 の 各 段 階 に つ い て の 検 討
1
•パリエーションの発生の段階についての検討
まず,このような進化プロセスの第
1の局面であるバリエーションの発 生の段階に目を向け,検討を行うことにした。その際,分析フレームワー クにおいても述べたようにこのようなバリエーションを生み出すにあたっ て,企業は従来から受け継いできた「技術開発方法論」
2)を活用することが
2)
プライアン.
J.ロースピーは今井
(1988)において「企業を一つの学派と考える
こと」を主張している。
Nelson& Winter (1982)によって,企業内のスキルやル
現代企業の進化的イノベーション行動と技術開発方法論(廣田)
(631) 259多いと考えた。企業が持つ,そのような独自の「技術開発方法論」に支え
られる形でコアコンピタンスが形成・活用され,それら技術開発方法論や コアコンピタンスを言わば進化プロセスにおける遺伝子とし,それをもと に新規事業や新製品などを生み出してきていると考えたのである。そこで,
そのような技術開発方法論にはどのような類型があるのかを検討すること にした。
( 1 ) 技術開発方法論の諸類型
質問票において,各企業の本業と新規事業のそれぞれに関する技術開発 方法の特色について,以下のような項目がどの程度あてはまるかという質 問を行った。
・科学技術の進展に依存する程度
・研究を計画的に進めるというよりあらゆる可能性を網羅的に調べるこ とが多い程度
・供給業者のアイデアに依存する程度
・索材・マテリアルの研究が中心である程度
・種々の部品をアセンプルしてシステムに統合することが多い程度
・開発イメージが最初から分かっている程度
・顧客との情報交換が大事である程度
・社内の情報交換が大事である程度
各企業に対して,これらの側面がどの程度当てはまるかを
5点尺度で評 価してもらった。すなわち,そのような側面が非常に弱いならば
1点,中 程度であるならば
3点,非常に強いならば
5点と言うようにである。それ らの評価スコアを用いて因子分析を行い,その結果,技術開発方法類型に
ーチンの変化が経済変化を生じさせることが示されたが,ロースピーはそのような
議論を発展させ,企業内の知識の成長が企業行動の変化をもたらすと主張している
のである。筆者が,ここで企業の持つ「技術開発方法論」を重視するのは,ロース
ビーの主張するところと共通する面がある。
第
44巻 第
4 号関する四つの因子を見いだした。表
1には,それらの因子と,諸項目の中 で因子負荷の高いものだけを選んで示し,( )内に因子負荷スコアを示し ている。まず,第
1の因子は,その値が大きいほど科学に依存しながら技 術開発を行う程度が高く,その値が小さいほど供給業者を活用しながら技 術開発活動を進めていく程度が高いことを意味するもので,科学技術活用 ー供給業者活用因子と呼ぶことにした。この科学技術活用ー供給業者活用 因子は科学技術を活用しながら技術開発を行うか,あるいはまた供給業者 を活用しながら技術開発を行うかという技術開発方法についての対比を示 すのに役立つものである。また第
2の因子は,その値が大きいほど,シス テム研究を志向し,その値が小さいほど索材研究を志向するというもので あり,システム研究一索材研究因子と呼ぶことにした。このシステム研究 ー素材研究因子は,当該企業がシステム研究に焦点を置くか,素材研究に 焦点を置くかという技術開発の対象についての対比を示すのに役立つもの であると言える。
表
1技衛開発方法論についての因子
因 子 因 子 負 荷 ス コ ア
科学技術活用ー供給業者活用因子 科学技術活用 (0.862),供給業者活用 (‑0.654) システム研究一索材研究因子 索材研究 (0.846),システム研究 (‑0.839) 情報交換活用度因子 顧客との情報交換 (0.745),内部メンバーとの情
報 交 換 (0.780)
開発コンセプト事前明確性因子 コンセプトは当初から明確 (0.845), 試行錯誤に よる模索 (‑0.732)
このような性格づけをふまえて,科学技術活用ー供給業者活用因子の得
点が平均より高い企業の技術開発方法は科学技術活用型,その得点が平均
より低い企業の技術開発方法は供給業者活用型であると見なすことにし
た。なお,このような合成変量として求めた因子得点にもとづいて企業の
類型区分を行い,回答企業を科学技術活用型と供給業者活用型とに分類す
るにあたり,そのような分類の客観的妥当性を確保するため,科学技術活
用因子得点が平均より高いことに加え,その技術開発方法が科学技術に依
現代企業の進化的イノベーション行動と技術開発方法論(廣田)
(633) 261存する程度について,
4.かなり高い,あるいは
5.非常に高い,と答え ている企業のみを科学技術活用型に分類することにした。
また,システム研究一索材研究因子の得点が平均より高い企業の開発対 象はシステム的なものであり,その得点が平均より低い企業の開発対象は 索材的なものであると見なすことにしたが,この側面についても,分類の 客観的妥当性を確保するため,システム研究一索材研究因子得点が平均よ り高いことに加え,「種々の部品をアセンプルしてシステムに統合すること が多い」という側面の評価点が,「索材・マテリアルの研究が中心である」
という側面についての評価点より高いか等しい場合に,その企業をシステ ム製造に関わる企業であると考えることにした。
このように,各企業の技術開発対象と技術開発方法を,それぞれ二つの タイプに区分し,それらの二つの側面についての二つづつのタイプの組み 合わせにより,四つの技術開発方法論類型を考えることにした。第
1のタ イプは,開発対象が索材的なものであり,技術開発方法が供給業者活用型 のものであった。そのような企業の技術開発方法論を索材生産型技術開発 と呼ぶことにした。また第
2のタイプは,開発対象が索材的なものであり,
技術開発方法論が科学技術活用型のものであった。そのような企業の技術 開発方法論を索材創造型技術開発と呼ぶことにした。さらに第
3のタイプ は,開発対象がシステム的なものであり,技術開発方法論が供給業者活用 型のものであった。そのような企業の技術開発方法論をシステム生産型技 術開発と呼ぶことにした。そして第
4のタイプは,開発対象がシステム的 なものであり,技術開発方法論が科学技術活用型のものである。そのよう な技術開発方法論をシステム創造型技術開発と呼ぶことにした。以上のよ うな分類を示したものが表
2である。
このようにして,各企業の技術開発方法論のあり方を分類することにし て,各企業の本業
3)と新規事業
4)の双方について,このような分類を行った。
そのうえで,産業別の技術開発方法論類型の分布を示したものが表
3であ
る 。
表2 技 術 開 発 方 法 論 型 研究開発方法
供給業者活用 科学技術活用 索開
発 対 象
材 I素 材 生 産 型 シテスム
素 材 創 造 型
システム生産型 システム創造型
表 3 産 業 別 の 技 術 開 発 方 法 類 型 の 分 布
~ .
.
索 材 シ ス テ ム 索 材 シ ス テ ム本 業 索 材 シ ス テ ム 索 材 シ ス テ ム新 規 事 業 生 産 組 立 創 造 創 造 生 産 組 立 創 造 創 造
食 品
7 2 1゜
7 3 1 1繊 維 4
゜
3゜
4゜
5 3紙 ・ パ ル プ
2 1゜゜
1 1 2 1化 学 工 業 7 1 8 1 6 2
,
3医
薬品
゜゜
3゜゜
1゜゜
そ の 他 化 学 2
゜
4゜
1゜
7゜
石 油
゜゜゜゜
1゜゜゜
ゴ ム 3 1 1
゜
3 1 2゜
セ メ ン ト
2 2゜゜
4゜゜゜
鉄
鋼 3゜
4゜
2 1 3 1非 鉄 金 属
5 2 1 2 2 3 4 2機 械
゜
7 2 2゜
6 2,
電 気 機 器 3 5 4 10 3 5 8 12
船 舶
゜
1゜゜
1 1゜゜
輸 送 機 械 1
,
2 4 2 6 4 2 精 密 機 械゜゜゜
3゜
4゜゜
そ の 他 4 1 1
゜
1 表中の数字は会社数を示す丸2 2 13)
質問票においては,「事業の発展の経緯や売上高の大きさなどの観点から,貴社が本業と見なしておられる事業名をお示し下さい」と依頼した。この報告では,企業 による回答をもとにして分析を行っている。
4)質問票においては,「1970年前後以降に創業した新規事業のうち,代表的なもの一 つの名前をお示し下さい」と依頼した。この報告において,各種の新規事業と見な
しているのは,この質問に対する各社の回答をもとにしている。
5) 既に述べたように,各技術開発方法類型への分類に当たっては,いくつかの条件 を満たすことを条件とした。そのため,それらの条件の一部を満たさないため,こ
現代企業の進化的イノペーション行動と技術開発方法論(廣田)
(635) 263ここでの分類から索材型の技術開発方法論を持つことが多い産業として は,食品,繊維,紙・パルプ,化学工業,その他化学,鉄鋼などがあり,
システム型の技術開発方法論を持つことが多い産業には,機械,電気機器,
輸送機械,精密機械などがあることが分かった。
また電気機器産業企業の本業にはシステム創造型に分類されるものが当 然のことながら多くなっていることが分かった。ただし,同業界には索材 生産型に属するものも
3社あったが,それは電池を製造していたり,電子 部品を製造している企業であった。また,輸送機械についてもシステム生 産型が多いが,索材生産型と分類されたものも
1社あった。その企業は,
自動車部品をプレス技術や溶接技術を用いて製造している企業であり,そ の意味で索材生産型として分類されるということは妥当な分類であると言 えよう。また,輸送機械産業企業の中でも,リニアモーターや
ABSプレー キシステムなど革新的な部品を作っている企業については,それが索材創 造型の企業と分類されることも納得できる分類であると言えよう。
(2)
本業と新規事業における技術開発方法論の差異
以上のように,産業毎に技術開発方法論が一定のタイプに集中しやすい ことを示したが,次に,各企業の本業と新規事業における技術開発方法論 のタイプが,どのような対応関係を持っているかを調べることにした。そ の調査のため,クロス集計表を作成することにした。すなわち,その表頭 の列部分には本業の技術開発方法論タイプをリストアップし,また表頭の 行部分には新規事業の技術開発方法論タイプをリストアップしたマトリッ クスを考え,特定の行と列の交わるセルには,本業についてはその行の表 頭に示された技術開発方法論タイプを持ち,新規事業についてはその列の 表頭に示された技術開発方法論タイプを持つ企業の数を記入することにし
こでの集計には登場しない企業もいくつか出てくることになった。そのため,各産
業に所属する企業の数は本業についての分類の合計と新規事業のついての分類の合
計とは一致しないことがある。
第
44巻 第
4号
た(表
4参照)。このようにして作ったクロス集計表について入
2検定を行う と,入2=52.368 で
p=O. 01水準で有意であった。このことの意味は,このク ロス表における企業の数の分布は,ランダムなものではなく,一定の偏り をもって分布していると言うことである。それでは,どのような偏りがあ るのかということになるが,驚くべきことに, と言うべきか,あるいは,
当然のことながらというべきか,本業と新規事業の技術開発方法論が同じ であるという企業(表
4の左上から右下に通ずる対角線のセルに該当する 企業)の数が相対的に多数になるという形で分布していることが分かった。
たとえば,本業と新規事業がともに素材生産型の事例は
16社あり,本業が 素材生産型の企業総数
27社の
44%に当たっている。また,本業と新規事業 がともにシステム生産型である事例も
16社あり,本業がシステム生産型の 企業総数3
6社の
44%に当たっている。また,本業と新規事業がともに索材 創造型である事例は
17社あり,本業が索材創造型の企業総数2
8社の61% に 当たっている。そして本業と新規事業がともにシステム創造型である事例 は ,
8社あり,本業がシステム創造型である企業総数1
8社の
44%に当たっ ている。以上で言及した会社
57社は,本業と代表的新規事業の技術開発方 法論がそれぞれ同一のものであるような企業である。
それに対し,システム創造型から索材生産型への進出,あるいはその逆 の素材生産型からシステム創造型への進出,また索材創造型からシステム 生産型への進出,またはその逆のシステム生産型から索材創造型への進出 は,技術開発対象と技術開発方法がともに異なる分野への進出という意味
表
4本業と新規事業における技術開発方法類型
本\業業 索 材 生 産 型 生 産 型 システム 索 材 創 造 型 創 造 型 システム
索 材 生 産 型
16 4 10 6システム生産型
3 16 4 4索 材 創 造 型
5 1 17 5システム創造型
゜
7 3 8*
p<o.10* *
P<0.05* * *
P<o.01 x2=52.368***現代企業の進化的イノベーション行動と技術開発方法論(廣田)
(637) 265で技術開発方法論におけるラディカルな変化を伴っていると考えられる。
ところで,このような技術開発方法論におけるラジカルな変化を伴うケー スは相対的に少ないようであった。すなわち,それらのケースとは表
4に おける左下から右上に通ずる対角線に属する企業であり,合計で1 1社がこ のような技術開発方法論のラジカルな変化を経験していたに留まってい た 。
このような観察をふまえて主張できると思われることは,企業はその本 業の経験を通じて形成した技術開発方法論を保有しており,新規事業に進 出するときには,従来の技術開発方法論がかなり適用できるような分野へ の進出を選ぶことが多いのではないかということである。
また表面上,ラジカルな変化のように見えても,そこには共通性が存在 する場合が少なからずあるようであった。たとえば,ある自動車タイヤ企 業の場合は,従来テニスポールも作っていて,そのうえで補完的商品であ るテニスラケットなどのスポーツ用品に進出したのであった。また,電力 ケープルを製造していた会社が光ファイバーに進出した事例については,
それらがともに通信用に用いられるものであると言う共通性を持ってい た。以上のことから,新規事業の展開は,技術開発方法論が共通なものヘ と展開されることが多く,また技術開発方法論が異なる場合でも,市場面,
チャネル面など何らかの共通性がある分野へ展開することが多いと思われ る。その意味で,新規事業の展開は進化的になされるのであり,ラジカル な変化を伴いながら展開されるものは少ないということが言えるのではな いかと思われる。
ただし,少数例とは言えラジカルな技術開発方法論の変化を経験した企
業も存在したわけで,それらの事例を表
5に示すことにした。その表から
分かることは,技術開発方法論がラジカルな変化を伴うとは言え,食品産
業の例に見られるように,肉製品事業から総菜事業への進出,油脂食品製
造事業から蛋白加工食品製造事業への進出のように同一の産業内での新規
事業である場合もあると言うことである。ここで,総菜事業がシステム生
表5
技術開発方法論のラジカルな変化を伴った事例 新規事業進出のタイプ 本 業 新 規 事 業 索材創造型→システム生産型 肉製品事業 総菜事業
システム生産型→索材創造型 ビール製造 医薬品開発 車両用灯体灯具製造 半導体事業
バルプ製造 エクステリア・フィルター 索材生産型→システム創造型 油脂食品製造 蛋白加工食品
綿合繊製品 情報開発 繊維事業 電子関連事業 鉛蓄電池 電源システム
産に分類されるのは,通常の感覚とは一致しないようにも思われるが,食 品製造に当たり,様々な食材を組み合わせて一種のシステムとして作り出 すという観点からは納得できる分類と言えるであろう。ただし,繊維事業 から電子関連事業への進出,綿合繊事業から情報開発事業への進出,車両 用灯体製造事業から半導体事業への進出,ビール製造事業から医薬品開発 事業への進出,バルプ製造事業からエクステリア・フィルター事業への進 出など産業を超えた新規事業であって,技術開発方法論も異なるという事 例も見出すことができた。
以上の一連の観察をふまえて,バリエーションの発生にあたっては,技 術開発方法論のように従来から受け継いだ強みを活かしながら,進化的に 継続性を持った変化を生み出していると言えるのではないかと思われる。
言い換えれば,企業革新は企業の技術開発方法論というコアコンピタンス を用いつつ,進化的になされるのではないかということである。
このように各企業の持つ技術開発方法論は,企業のイノベーションに対
して進化的,継続的な側面をもたらしてきていると言うことを述べてきた
が,技術開発方法論以外に企業のイノベーションのあり方に影響する要因
にはどのようなものがあるであろうか。ここで,そのような変化を生み出
す仕組みを革新メカニズムと呼ぶことにすると,そのような革新メカニズ
ムとして,各企業が設置している研究企画組織や研究所組織などの存在が
考えられるのではないかと思われる。
現代企業の進化的イノベーション行動と技術開発方法論(廣田) (639) 267 (3) 企業の革新メカニズムとしての研究開発組織とそのバリエーション発
生 へ の 効 果
そこで,企業において,様々な革新メカニズムがどの程度整備されてい るかをまず調べることにした。表6がその調査結果である。
表6 革新メカニズムとしての研究開発組織の 設置の有無
各研究開発組織 設置 なし
技術本部(研究開発本部,開発本部) 136 50 中央研究所 97 88 基礎研究所 60 125 事業部付設の研究所 67 117 研究開発企画部 170 16 表中の数字は会社数を示す。
表6の結果から分かるように,多くの企業が統合的に技術開発を方向づ けていくための組織として技術本部を設置していた。またほとんどの企業 が研究開発企画部を設置していた。このように日本企業の多くにおいては,
全社的・統合的な革新メカニズムが存在すると言う姿は,アメリカ企業の 実態とは明確に異なっている。アメリカ企業においては,本社は財務コン トロール的な課題を担当し,技術開発については各事業部で取り組むよう なシステムの確立が行われていることが多い6)。なお表7においては,研究 開発企画部が組織としてどの部署のもとに置かれているかを示している。
このような日本企業における革新メカニズムのあり方は,バリエーショ ンの発生にどういう影響を及ぼしているのであろうか。このような関係を 調べるには,発生したバリエーションの程度を測る尺度が必要となる。質 問票においては,本業と新規事業とについて,顧客,市場の共通性,流通
6)廣田(1988)p. 213参照。アメリカ企業において見られる分散的技術開発という体 制は,コアコンピタンス論の提唱などをきっかけとして,見直しが図られてきてい るように思われる。日本企業においては,コアコンピタンス論の提唱の前から,
ょ
り全社的な技術開発の方向づけを行う組織単位が設置されていることが多かったと 思われる。
表
7研究開発企画部の位置
匡
表中の数字は会社数を示す。経路の共通性,基盤となる研究分野の共通性,応用研究分野の共通性,生 産技術の共通性,部品・原材料の共通性などについて,それぞれがどの程 度のものであるかをたずねていたが,この質問に対する評価回答データを 発生したバリエーションの程度を測定するものとして用いることにした。
なお,共通性の評価に当たっては,
1=非常に低い共通性,
3=中程度の 共通性,
5=非常に高い共通性,という尺度を用いていたので,仮に
5点 という回答が得られているときには,本業と新規事業の間の共通性は非常 に高く,バリエーションの程度は非常に低いと考えることにした。
このように想定したうえで,個々の革新メカニズムを設置している場合 と設置していない場合との本業と新規事業の間の共通性の程度が有意に異 なるものに着目し,それを表
8に示した。そこから言えることは,技術本
表
8企業の革新メカニズムと新規事業に見られるパリエーションの程度
顧客市場流通経路研究分野 応用研究生産技術都品原材料 共 通 性 共 通 性 共 通 性 分 野 共 通 性 共 通 性 共 通 住 技術本部の設置をしている場合 3.43**
していない場合 3.06 中央研究所の設置をしている場合
していない場合
基礎研究所の設醗をしている場合 3.56** 3_55••
していない場合 3.19 3.14
事業部付設研究所をしている場合 3.10* 2. 76* していない場合 3.41 3.12 研究開発企画部を
技術本部の下に設醤の場合 3.48** 設置しない場合 3.13 担当役員の下に設置の場合 3.06*
設箇しない場合 3.39
*
p<0.10* *
P<0.05* * *
P<0.01 有意性の検定は,それぞれの研究開発組織の設置 をしている場合と, していない場合についての比較についてなされている。現代企業の進化的イノペーション行動と技術開発方法論(廣田)
(641) 269部を設置したり,基礎研究所を設置したり,研究開発企画部を技術本部の 下におく方法は,バリエーションの結果である新規事業と本業との共通性 を相対的に高め,バリエーションの程度を相対的に低める傾向を持つのに 対し,事業部付設の研究所を設置したり,研究開発企画部を担当役員の下 におく方法は,バリエーションの結果としての新規事業と本業との共通性 を低め,バリエーションの程度を相対的に高める傾向を持つように思われ る。したがって企業の革新メカニズムとしてどのようなものを採用するか に応じて本業と新規事業とのバリエーションの程度が決まってくると思わ れる。
以上で見てきたように,企業が様々なしかたで生み出すバリエーション
(=イノベーション)の内容は,企業がもともと保有している技術開発方 法論に規定される形で生み出される傾向があると言うことが言えるにせ ょ,それに加えて企業の持つ様々な革新メカニズムのあり方がバリエーシ ョンの程度を決めているのではないかと思われる。
2 . 選択・淘汰の段階についての検討
企業は,様々の動きを見せている経営環境のもとで種々のイノベーショ
ンを展開していく。企業が新製品,新規事業として展開したイノベーショ
ンは,企業をとりまく経営環境のもとで,どれが経済社会にとって必要な
ものか,あるいは適切なものであるかの判断にもとづき,その受容の度合
いが決定されていく。すなわち,市場構造の状況,技術革新の推進に関連
する動向,科学技術変化の影響などを通じて,各種のイノベーションのあ
るものについては消費者に受け入れられ,売上げが上がることを通じて企
業のイノベーションの適否が経営環境により選択されていくと考えられ
る。ここでは,それらの経営環境の影響によって,企業がイノベーション
の形で作りだしたバリエーションが選択され方向づけられていく様を分析
したい。その分析に取りかかる前に,経営環境における種々の側面につい
ては,どのようなものがあるかを簡単に検討する。また,それとともに,
第
44巻 第
4号
それらの影響の結果として方向づけられるイノベーション行動の一つとし て企業の技術多角化の行動があると考えて分析を行うことにしたい。その ためには,その技術多角化というイノベーション行動の内容についても検 討しておきたい。
まず経営環境の一つの側面であり,企業の製品売上げの動向に影響を及 ぽすものとして市場構造の状況があげられる。この側面については,質問 票において,「本業と新規事業のそれぞれについて,市場における売り手の 状態はどのようなものですか」,「また市場における地位についてもお答え ください」と依頼していた。前者の市場における売り手の状態については,
l=
高度の寡占的,
3=中程度の売り手数,
5=非常に多数の売り手, と いうように評価スコアを設定した。また市場における地位については,
l=トップ,
2=2位 ,
3=3位以下, というように評価スコアを設定した。
なお,市場における地位についての得点については,そのスコアを逆転し て使用し,その得点が高い方が市場における地位がより
1位に近く市場支 配力が高いように再設定した。
別のタイプの経営環境の側面としては,技術革新の推進に関連する動向 があげられ,本業の技術ベースの複合化,既存の研究分野の新しい科学技 術知識による置き換え,環境保護の観点の浸透,製造工程のコンピュータ 化,自動化の進展などの側面がどの程度見られるかについての評価データ
を得ることにした。
経営環境のさらに別の側面としての科学技術の進展の影響については,
質問票においていくつかの技術領域を取り上げ,それぞれの技術領域の変 化が事業運営や研究・技術開発活動にどの程度の影響を及ぼしたかをたず ねた。すなわち,電子・情報系,物質・材料系,生命科学系,社会システ ム関連とわけてその影響についての質問を行っていたが,ここでの分析で は,電子・情報系と物質・材料系の影響について得た評価データを用いる ことにした。
以上のような諸要因が企業によるバリエーション発生の選択や方向づけ
現代企業の進化的イノベーション行動と技術開発方法論(廣田) (643) 271
にどのような影響を及ぼしているかを検討したい。その際,バリエーショ ン発生の選択や方向づけを行うイノベーション行動の一つとして技術多角 化というものがあると考えた。ここで,技術多角化とは,本業の周辺に向 けて,新規事業の創造を可能にする方向に向けて,基盤技術の充実の方向 に向けて,開発技術の幅を広げる方向に向けて,など保有技術領域を多様 な方向へ向けて広げていくことを意味している。質問票においては,技術 多角化を以上のそれぞれの方向にどの程度重点を置いて広げようとしてい るかを聞いていた。
このようにして得た経営環境の側の評価データと,技術多角化の方向に ついての回答データとの相関分析を行うことにより,経営環境の側の側面 が技術多角化に対して及ぼす影響の程度を明らかにできると考え相関分析 を行ったが,その結果は表
9に示すようなものであった。
表9
経営環境諸要因が技衛多角化の方向づけに及ぽす影響
経 三 営 環 境 諸 要 因固
本 業 の 周 辺 新 規 事 業 の 基 盤 技 術 の 開発技術の 創 造 を 可 能 充 実 に 資 す 幅 を 広 げ る に 向 け て に す る 方 向 る 方 向 方 向
闊
売り手の数市場支配パワー 00..109166* ** ‑0.106 0.093 00 ..013342 ** ‑0.016 0099 境i
本業の技術ベースの複合化 0. 366 ... 0.003 0.290*** 0.179**既存研究分野の科学技術知識転換 0.061 0.191*** 0.239*** 0.199*** 環境保護 0.055 0.112 0.108 0.042 製造工程コンピュータ化,自動化 0.103 0.035 0.100 0 .122* マイクロエレクトロニクスの影評 0.022 0.127* 0.164** 0.017
i 旦
通信技術の影響精密加工技術の影響資源・エネルギー技術の影響コンピュータの影響 ‑0.037 ‑0.109 00..012198 000 0....111142182779 *** * 0 0 00 ....111106241177 * * * * 0000....111010439246 * * 新索材技術の影響 ‑0.035 0.173** 0.148** 0.037*
p<0.10* *
P<0.05* * *
P<0.01そこでの結果をふまえて言いうることは,本業の市場において売り手の
数が多く,競争的な場合には,本業の周辺に向けての技術多角化がなされ
る傾向があることである。また本業における市場支配力が強い時には,市
場における支配力の一層の強化を図るべく基盤技術の充実を図る方向に技
術多角化がなされる傾向があることも指摘できると思われる。もし市場支 配力が強くなければ,このような基盤技術の充実を図るという技術多角化 を図る余裕も生まれないであろうから,このようなイノベーション行動は 企業が持つ余裕(スラック)にもとづくスラック型のイノベーションの一 例であると考えることができる。
また技術革新の推進に関連する動向として,技術の複合化が進展してい る場合には,本業周辺に向けてや,基盤技術の充実に資する方向,また開 発技術の幅を広げる方向にバリエーションの方向づけがなされる傾向があ るように思われる。このような場合には,本業の深耕が可能なのであり,
新規事業の創造に向かうよりは,本業の周辺あるいはその基盤技術あるい はより市場志向の開発技術の開拓に向かうと考えられる。さらに既存の研 究分野における科学技術知識の転換が見られるときには,新規事業の創造 を可能にする方向,基盤技術の充実に資する方向,開発技術の幅を広げる 方向にバリエーションの方向づけがなされる傾向があると考えられる。こ のような場合は,本業が転換点を迎えているので,このような展開がなさ れると思われる。また製造工程のコンピュータ化や自動化が進展している 場合には,開発技術の幅を広げる方向にバリエーションの方向づけがなさ れる傾向があると言える。すなわち,このような状況とは産業のある程度 の本格的成長が既にスタートし始めていることを意味するので,このよう な方向づけがなされると思われる。
さらに,マイクロエレクトロニクスの影響,通信技術の影響などがある 場合には,技術多角化は,本業周辺に向けてではなく,新規事業の創造を 可能にする方向や,基盤技術の充実に資する方向になされる傾向があると いえる。ただし精密加工技術の影響が見られるときには,新規事業の創造 を可能にする方向や,開発技術の幅を広げる方向へと技術多角化がなされ る傾向があると言える。
以上の考察より,経営環境の側の諸側面のありかたに対応して,技術多
角化などのバリエーションの内容の選択や方向づけがなされる傾向がある
現代企業の進化的イノベーション行動と技術開発方法論(廣田)
(645) 273ことが分かった。ある企業の経営環境について,市場的には売り手の数が 多かったり,技術ベースの複合化が見られるように,まだまだその本業が 成長段階にあるような場合には,本業の周辺に向けてバリエーションの方 向づけがなされる。また市場支配パワーが強く,本業の技術ベースの複合 化が見られたり既存研究分野の科学技術知識の転換が見られるように多少 産業が成熟しかけているような状況では,技術のバリエーションを基盤技 術の充実に資する方向へと方向づける傾向があるように思われる。また技 術ベースの複合化,既存研究分野の科学技術知識の転換が見られ,精密加 工技術の影響が強いような産業の場合は,転換期を迎えているとはいえ,
新たな観点での再活性化が可能な場合であり,開発技術の幅を広げる方向 へと技術多角化を方向づける傾向があると言えよう。さらに既存研究分野 の科学技術知識の転換が見られたり,各種科学技術進展の影響が強いよう な場合で,産業が転換点を迎えている場合には,新規事業の創造を可能に する方向へとバリエーションの方向づけがなされると思われる。
3.
保持段階についての検討
企業が用いる技術開発方法論の基本類型としては
4つのものがあること を示した。各企業は,その企業が持つ革新メカニズムを活用しつつ,その 技術開発方法論を適用しながら,技術の多角化や新製品・新規事業の推進 を行っていくと言えよう。ただし,そのような企業のイノベーション行動 の方向づけは,市場構造の状況や技術革新の推進に関連する動向,科学技 術の進展の影響などの経営環境によって影響されると考えられることは以 上で示した通りである。
このようなバリエーションの発生,そしてその選択というプロセスの反
復を通じて,それぞれの企業がその技術開発対象と技術開発方法とに適合
的な特有の研究開発マネジメントのパターンを制度化していくと考えられ
る。このような想定のもとに,各技術開発方法論類型毎の研究テーマの設
定方法と,問題解決方法の差異を検討することにより,各技術開発方法論
に適合的な研究開発マネジメントのあり方がどのようなものであるかを検 討していきたい。企業は,そのような各技術開発方法論毎に適合的な研究 開発マネジメントのパターンを生成・活用することにより,継続的に新製 品や新規事業などのイノベーション成果を生み出しつづけていると思われ るからである。
( 1 ) 研究テーマ設定の方法の相違
研究テーマの設定の方法には,いくつかのものがあるが,それらがどの 程度多く用いられているかの分析結果が表
10で示されている。なお表
10で
は研究テーマの設定方法として八項目のものを示しているが,それらにつ いて本業と新規事業のそれぞれにおいて,その使用度合いを評価してもら った。各項目に関する第
1行目の数字が本業についてのものであり,第
2行目の数字が新規事業についてのものである。
その表から明らかなように,索材創造型やシステム創造型においては,
研究者の提案で研究テーマの設定を行うことが多いことが見出される。そ れらの技術開発方法論を取る企業では,科学技術知識の進展を利用するこ とが多いため,このように研究者の提案によって研究テーマが設定される ことが多くなると考えられる。このことは本業についても,新規事業につ いてもともに見出されている。
ところがシステム生産型や素材創造型においては,顧客・ユーザーから の提案で研究テーマを設定し始めることが多いことが見出された。これは 比較的シンプルなシステム生産型の製品の開発に当たっては,顧客やユー ザーの方でも開発プロセスのイメージが描きやすく, したがって顧客・ユ ーザーが自らイノベーションを実現したり,研究テーマの提案を行ったり
したとしても不思議ではないと思われる。また索材創造型の企業の顧客や
ユーザーには,高度なシステム創造型の企業が存在すると考えられ,それ
らの企業が研究テーマの設定を提案することは大いにあり得ることである
ように思われる。
現代企業の進化的イノベーション行動と技術開発方法論(廣田)
(647) 275 表10研究テーマの設定方法
研究テーマ設定方法
[公式的要請に基づくもの]
トップの指示 事業部からの依頼 全社レベルの依頼
[非公式の意見表明に基づく]
研究者の提案 供給業者からの要望 顧客・ユーザーからの提案
[体系的調査に基づくもの]
科学技術情報収集・調査に もとづいて
ニーズ情報収集・調査にも とづいて
索材 システム 素材 システム
F値 生産 生 産
創 造 創 造2.9 2.7 2.9 2.5 0.68 2.9 2.8 3.1 2.7 1.07 4.0 3.9 4.0 3.9 0.15 3.2 3.4 3.3 3.1 0.63 2.9 3.0 3.1 2.8 〇.45 2.6 2.8 2.8 2.3 1.41
3.1 2.9 3.5 3.4 3.25** 3.5 3.3 3.6 3.6 0.58 2.3 2.2 1.9 2.4 〇.93 2.1 2.6 2.3 1.9 2.77** 4.0
彗
3.7 3.3 2.04 3.3彗
3.8 3.1 3.35**2.6 2.3 3.1 2.8 5.43*** 3.0 2.8 3.3 3.1 2.40* 3.4 3.1 3.7 3.7 2.30* 3.2 3.2 3.7 3.4 2.27* l=