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工業立地に於ける國家的干渉

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(1)

工業立地に於ける國家的干渉

鵜夢

、    、    、

工業不振地帯獲展策としての補助金政策

立地統制政策 連用上の諸問題

結   論i膚歯放任政策か統制政策か

 本論文は英國つ︒譲鋳藻黛大錨経霊夢教授類同︵︒ご野饗隣§署︑工業立地及び不振地下悶題﹂︵8びσ轡8幾ご影窺H昌伽μ簗藁巴鉱

筈のこ禽︶謬湊鶏誇お帥3謬いジ一門ご二畠︒詳︶所載の第五識挙帆.欝曵の囲峯費!︑①潤すニニじ◎◎募δ二︑旛を灘撫したる亀のである◎本書の全貌

を鱗剛へるために・次に本激nの内容構⁝域・ビ畠小して隅兄やうQ      ︑.

 第  一 部

  囲︑工業立地の諸學翫

  ご︑叡﹃勲nの研究ふ刀法     

  三︑蓮 逡 因 子

  工業立地に於ける國家的干渉 ︵太曾︶ ︑      一五三

(2)

綱五四

 四︑覚ハ他の立地閣りす

 五︑工業立地に於ける國家的干渉

第  二  部

 山ハ︑︸金張地響の諸闇一顯⁝

 ・七︑工⁝業の︷溺加郷地︷域への移働酬問顯⁝

 入︑政府の立⁝蹴政策

 本書は著者がマンチェスター大鷲の経費研究調査部群議たりし時の調査研究の結實として硯はれたる竜のである◎英國が

飽の工業國と等しく第一次大戦後に於て最も麟まされたる終繍恩讐の一に︑重要工業都門の不振問題を黎げなければならな

い︒即ち大戦申に於て腔賑を極めたる工業部門竜畔度亭和とな衡るに及んで︑不況に見舞はれ不振状態に隔るに三つたのであ

るQ鼓に於て工業立地の移動現象が生じ︑勢働力移動の論題を獲生し︑かくて経論問題としてのみならず祉會問題としての

不振地帯︵ご︒箕窪港缶掛謬節瓢︶葛生を罷る諸問題が現はれ︑英國政府の之に欝する敷鞭策が講ぜらるエこと蕊なった◎ら工業      も  る  ヤ立塘に於ける國家的干渉﹂は蜜に之を縫る政策論的研究である◎今H決戦騰制下に於ける工業濡雪決定の條轡は︑國防的鶴

子を以て最も概要なる竜のとすべきこと疑問の絵地はない◎然し戦後に現はるべき工業立地上の問題は︑第→次大戦後のそ

れとは性絡総評ズ同一なりとは書ひ難いではあらうが︑同じ範疇に入れらるべき竜のも幾分かは存するであらう◎此の意味

に於て︑英國の縄験したる結果を分析研究すること竜︑また以って潔癖の蝋石とするに足ると信ずる◎

 本書に喰めらる蕊他の諸論丈は︑工業立地論研∵究藤壷・唆に富む竜の轟くないが︑乏は他の魚心會に紹∵介したいと⁝恩ふ︒

 終りに︑課者にとっては未開拓なるこの分野の研究に常って︑本論題の選定蛇びに礫⁝心土幾多膚釜なる御示敏を與へられ

たる高橋次郎藪ハ授に威心置の意を捧げたい駐      ︵二六〇四・六・−回○︶

(3)

脚 工業不振地帯登展策としての補助金政策

 軸地域に於ける工業立地は︑人口の愛馬より主として獲生する脱會的諸耳蝉を醸生する◎更に工業分布の攣

遷は他の諸聞合を生ぜしむるが︑その最重要なるものは工業不振地帯︵O童話鴇の伽︾欝器︶存在の問題である︒

不振地帯の例は︐第一次世界大戦後の英國のみならす︐アメリカ及びフランス︵二黒・鋼業地帯︶に於ても之.

を見るごとが串來るが︑之は過去・現在に止らすまた將來に嘗ても現はれる事象であらう◎蓋し工業組織は攣

遽を冤かれ得ないものである限りに撃ては︑需要蛇びに技術的攣纒に件びその存在が失はれ行く工業形態に代

位せらる蕊工業活動の新形襲の生成獲展に依って︐工業不振地帯獲生の隠題が現はれるからである︒立地及び

その憂欝が程度の差こそあれ重覗すべき結果を齎す事實によって等企業者の立地の選定上に國家的干渉を加ふ

べしといふ要求が生れてきたのである︒この種の要求は︑輕度の長家的干渉例へば獄ンドン市を中心とする工

業的獲展の阻翫よ抄︐立地の全面的領家干渉に至る迄種々舞げられる︒

 貸家は既に︑不振地帯虞理聞題については︑或程度封策を試みたのであるが.いまその経過について一瞥を

與へて見ること玉しやう◎

 英國に於ける國家的干渉の大部分は︐一九三四年制定の﹁特殊地域法﹂︵8ぽ︒︒鷲︒繊︾遷器︾9︶に基き任

命せられたる委員會の活動の結果として行はれたものであるが︑右法律は委員會運用の原則を明示してみない

   工業立地に於ける國家的干渉 ︵木曾︶         撃      一五五

(4)

       ノ ︐       桶五六

ためにその多くは断片的なるものであった︒かくして國家的干渉が意識的に行はる製に至ったの獄實に一九三

・七年以後の事に鵬する︒一九三七年以前に於ける同委員會の活動は︐﹁特稼地域﹂外の企業家を誘致せんが允

めの﹁特殊地域﹂の改善蚊びに︐﹁特殊地域﹂を工業獲達に圃騒総合せしむる方向に導くことに直接向けられ

てみたのであった︒然るに一九三七年に護鉱8一露OQ3毛鋤嵩の提案によっても ﹁特殊地域﹂に工場を建設せん

とする工業家に封して或種の尊家的﹁誘致﹂︵政府の下附する﹁舞働補助金﹂︶が輿へられる憶こと玉なったの

であるρこの補助金は同委員會が特定の會凪の借地料隔借家料︐所得税等の全額叉は一部を一定期聞︵通常三

年乃至五年︶支彿ふ形式をとるも6である︒然るにか曲る補助金下附雲叢が諸薫製によって大いに利用せられ

・て︐不振地帯の同復振興を岡の得るならんとの政府當局の豫期に反してその蓋果は案外勘かつた︒

  廟九三七年六月より難三八年九月迄の聞に撃てかkる補助金下附は六十肚に解して約せられ.歎就以外全部

實現せられたのであった︒之等の中︑二十六就は政府補助による地域に.二十三猷は外妾贅本によって設立せ

らる製こと製なってみた︒さてこの計鑑の雇傭に輿へ得る影響は特に大なりとは言ひ⁝難いであらう︒即ち六十

就が全部設立せられたりとするも.八千入の雇傭入員に上る土定で︐しかも圃九三九年九月迄には漸く二十就

が生産を開始してみたに過ぎなかったからである︒更に︐之等二十巌の立地の決定が如何なる程度迄政府の補

助金によって事典上影響せられたかの測定は困難なる問題であり︑例へば若干の工場は既に﹁特殊地域﹂に建

 流せられてあった工場と關聯を有してみたので︑補助金の有無︑に拘らすごの地域に立地せられたことであら

(5)

う︒然し︑之と同時に激工場は最少不振地帯よの最大不振地帯へ縛費して立地せられた事實も認めなければな

らない︒か淘る経験よ汗して一短期闇の實験を通じてとはいヘー暫定的ながら求め得らる玉結論の⁝つは︑立

地なる問題は一般に思惟せらる玉よりは︐汰り少く恣意的なるか︐或は翼リ多く恣意的なるものであるといふ

ことである︒即ち前者の獲生する場合は︐不振地帯以外に工業を獲展ぜしむる維濟的要素を支配する程の充分

なる効果を驚し得ない政府補助の歌態にある時であ︑り︐後者の場合は補助金下附が工業家の⁝愚心を引きつける

ごと少く︐從って生産費︑を無覗して立地する歌態の下に於て行はれるものである︒前述の吾人の析幽にして愛

當なわとすれば篭前者がヨリ疋しい結論の如くに考へられる◎

 國家的干渉の他の方向は︐8舞魯轟野蒜霧の規定及び勢働者の不振地帯よ妙殿賑地無への移動政策である︒

後者は.不振地幣問題に頗る重要なる關聯を有するが︐之に就ては後に論述すること賦するも︐この勢働者移      

動に封ずる國家的干渉は︐企業家又は勢働者の員櫓となるべき移動費用を國家が員駕する結果として︑工業の

移動に質献ずること篤なること︑從ってか穿る國家的干渉なきときは移動が行はれざるために︐殿賑地帯の工

業的獲展が阻害せらる製ことを舷で特に注目すべきである◎

 斯くの如くして︐吾八は國家的干渉の原理的分野に中心を据える段階に達したのであるが︐原理的な事柄の

若干のものは鰍示的ではあったが明らかに看過せられてみたが︑留意は干渉政策の申に自ら顯現せられてきて

みる︒政府の奨鋤政策が現在目指してみる破果を牧めんとすれば︐現在賦絶してみる恩悪より遙かに大なるも

   工業立馳に於ける國家的干渉 ︵木轡︶       一践七

(6)

       一五八

のを輿へなければならないことは明らかなる以上︑現在の諸困難は更に塘大すること蕊ならう︒尤も不振地帯

の護展に一度着手せらる瓦や︑工業下達の蓄積的特質がそれ以上の奨働を必要とせざるやうに至らしむるとい−

ふことも現はれることもあらう◎然し現在の歌紅土にあっては勤か蕊る硬筆を不要とすること嵐なる可能性は

相馬遠い將來のことに薦する︒否むしろ︐自彊的に更に不振地帯を嚢達せしむるに必要なる舟運を創建するた

めに︑國家的干渉の要が頗る大なりと言はねばならない︒か塗る政府の行ふ所謂﹁誘致﹂︵回欝瓢郎O①導⑳舞碑ω︶は﹁補

助金﹂の一形態であることは︑勿論明瞭なことであり︑こ蕊に含まれてみる原理は既に是認せられてるる所で

ある︒補助金はこれがための経濟的制度としては極めて普通のものであるから特に驚くには及ばない︒然しこ

の場合の補助金は特異的一形態であるから幾分考慮の絵地は存するひ﹁誘致﹂が黄緯的ならんがためには︐之を

受ける側に可成り目に見ゆる外患乃至利釜を與ふるといふことが前提せられなければならない︒更に閥題とな

るのは︑か障る補助金の馬脳に關聯する事柄である︒奨鋤金については総てにか遷る負樵⁝決定の困難なる聞題

が磯生するものではあるが︑實篤し得る擦る蝋様の條件を形成し之に依って多くの主要なる例外を除くことは

必ずしも不可能なる事ではない︒例へば︐練漁業に封ずる補助金の場合にあっては︐練漁に充用せらる製船舶

の所有が第一の條件であり︑從って鯨漁船を所有せざるも︑資金を紡績工場に投下してみる入の如きはこの補

助金を受くる資格を有しない︒然し︐﹁誘致﹂の場合にあってはか驕る明確なる定義は存在しない︒但し之に

代るに一蓮の差別が存するが︑差別たる以上不公告なる條件が含意せられ︑從って政策の雑用は釜々困難さを

(7)

加へること峯なる︒言語を用ぴて一つの範疇を形成することは容易である︒例へば︑不振地帯に設立せらる淘

新會就全部に封して補助金を下附するといふが如き之である︒然し︑實際の運用上に於ては︐か弱る方法は決

して満⁝足なるものではない︒第一に獲生する困離は︑﹁新﹂會舐の﹁新らし寒こを如何にして決定するかσ問

題である◎勿論︐時無的制限例へば設立後五ケ年以内を以て﹁新﹂會励と看徹すといふことによって一實際

にはかくの如く行ってみるが一との困難を克服せんとしてみる︒併し工業部門の異なるに從ひ︑また各個別會

麓相互間に必ずしも事惰は同じくないため勢ぴ激多の例外が生じてくる︒か曇る特異的様相は.實際的には︐

關親制度に於ける﹁幼稚産業﹂に相濁する立場に置くととxなる︒尤もかくの如き困難が獲生するや否やの豫

見は︑政治的諸聖慮に依存するこ老が頗る多いだけに不可能であるが︐か転為難黙が存することは事實であ

る︒之に加ふるに︑不振地帯に既存の諸會肚側はまた﹁新﹂會就のか製る取扱に一鶴せん乏強硬に要求するこ

と竜あらう◎彼等は﹁薪﹂會耐とまさに同一の不利さを持つ立場からも︐か馨る要求を心魂に響けることは必

ずしも容易たり得ない︒かくの如くなりとせば掛この補助金にまる工業の不振地帯への﹁誘致﹂政策はその齎

す利釜に比して.犠牲が鹸ゆにも加増せらるエことNならう︒尤もこの政策が域撰すれば他の部面に於ける狸

合せによってこの犠牲も償ぴ得らる箋ことも老へらる玉が︑更に焚生することあるべき他の問題は︑不振地

帯の﹁新﹂翰墨と同一の工業部門に属しつXも︑不振地帯外の地域に設立せらる製會肚の取扱ぴである︒然し

この問題は︑國家的援助は工業部門よりは︑地域別を基準として行はる蕊もの℃あるといふ輝明によって一三

   蘇工業立地に於ける國家的干渉 ︵水曾︶       .      一五九       卵

(8)

幽六〇

答へらるxやも知れない︒      一

 さりながら︑右の事柄は第二の困難に導く︒即ち補助金を適用すべき地帯限定の閥題之である︒蓋し︑補助

金を下附するに適格と思惟せらるべき不振地帯と非不振地帯とに匿別を劃すべき線は事書上存しない︒明らか

に﹁特殊地域しの限界は餐當を歓くものであり︑之等﹁特殊地域﹂と指定せらる蕊ものは選定上田を得ざる不

振地帯の一部に過ぎす︑從って﹁特殊地域﹂に.於ける閲題解決は不振地帯に局所化せる失業問題の全面的解決

策たの得ないこと蕊ならう︒かくして一つの新しき基礎に擦り一つの範疇を決定して適用する必要が生する︒

之に答へて取り上げらるべき殆ど唯一ともいふべき範疇乃至は規範は﹁鹸剰螢働住し︵Q︒ξ茗蕊㌶ぴ︒霧︶の欲如

叉は存在を指示すゐ﹁失業水準﹂︵い黛鉛直毎の固瓢箪◎畷導㊦9︶であらうゆこの指標は既に勢働省が螢働奢学移動計聲

に於て探濁してみる所であるが︑被移動者が補助を受くるには︑彼等は誓事庭働力の存する地域より移動し來

るといふ條件を必要とし.螢働省は之等の地域の明細表を豫め準備してみるのである︒併し︐直ちに槻取し得ら

る蕊如く︑この方法には一つの一般的な歓陥が存する一即ち局所化せる不況を指示するものとして取り上げら

れる﹁失業水準しは︐.一般的塵早歌態の攣化と共に必然的に攣化すること之である︒惟ふに景笠当動に樹して維

持する相封的地位は各地営庭に同一であり得ないが故に︑補助金の實施せらる玉地帯もまたこの景氣攣動の波

によって墜化するであらう︒さて︑假にか曇る﹁籐剰勢望力﹂による範聴が定め得られ︐その憂化が計議せら

れ得たるにもせよ︑更に加はる無難はこの範躊を果して総ての地帯に適用すべきかの問題であるL即ち股賑地

(9)

方の高度の失業地域へか︑或は不振地方の輕度の失業地域へ之を適用すべきか乃至は︑か悟る爾地域とそれ等

の翻続地域との闇は如何に優別せらるべきか等々の困難が存在する︒主要地域は勿論可域り明瞭であらうが.

総膿に於て問題とせらる﹂場合が紗からすある︒更に︐歌謡の攣化なる事實もあの︐不振地帯の股輪回と共に

﹁誘致しは必然的に浩滅すること玉ならう◎﹁誘致﹂政策は叫号その成果を牧むるに及んで存績の必要なきこと

は言を侯たない所ではあるが︑如何なる時を以てこの時期の画意と看微すかの決定には大いに困難が伏在して

みる︒かくの如き時期の延長に加ふるに︑不振の程度の甚しからざる地域に封ずる豊漁の攣化と共に︑補助金

政策を巧みに利用せんとする企業家も現はれ︑こ蕊に混飢を葱起すること蕊なる憐れもあらう︒

 以上の要因はすべて﹁誘致﹂政策の効果を阻害するものであらう︒轡入はもとよりこの政策の効果を否定す

るものではない︒た穿その結果が所期の成果を絡げ得す︐・從って数多の例外を伴ふに至るであらうといふこと

を示唆せんとするにある︒元來・補助金政策には若干の困難が附 帯するを常とすることは認めらる媛も︑右の場

合に於ては異常なる困難が目立って豊艶してみる︒しかもか纏る困離の若干は﹁誘致﹂の特性と矛贋なく緩和

歌態にある如くではあるが勤既に現はれてるるといふ事實は重要なることである◎例へば不振地幣外の諸會就

より彼等の競争者の補助金下附をなしつ玉あることに劉する異議申立が既に行はれると共に︑不振地帯に既存

の古き會冠が︑﹁新﹂會就にして始めて獲篤し得る不況に直面しつ蕊もその事業の進展をなし得つ製ある事實

が︐一企業家によりて指摘せられその問題の繧心の究明が迫られてみるのである︒尤もこの政策は頗る周到な

   工業立地に於ける國家的干渉 ︵・木曾︶      一六一

(10)

      ・    ︑    一六二

る注意を以て實施せられてみるごとは重視すべきでみり︑講書委員は既存會祉と新會祉とが直接に競争的地位

に立つものではないことを充分に認めたる上に於て始めて︑ ﹁誘致﹂ノをなすものである◎以上に於て見る如

く︑不振地帯の諸困難を充分解決かるに足る廣苑なる政策の重要項目として﹁誘致﹂政策を用ぴるとせば︑か

玉る方法の不適當なることは明らかである◎

二 立地統制政策蓮用上の諸問題

 補助金政策は統制政策に比して之を擁護支持する者は少い︒補助金制度にば明らかに若干の不利なる黙が存

するに烈し︑完全なる統制政策︵例へば認可制によるが如き︶は︑その方法簡素にして直接的効果を學ぐるこ

とを得る如く見ゆるのみならす︑また局所化せる失業に關博する諸問題は倦とより︑その他の激多の禰題例へ

ばロンドン市の周國及びミドランド地方に︑二期増加の一路を辿りつ蕊ある人口の都市集中問題の如きに封し

て︑補助金政策よグは遙かに魔範團なる解決法を與へ得ると郷ふ鐵に於て一般には望ましく思はれる︒然し更

に立入って検討するに及んで︐一見實施の簡易に思はる蕊この統制政策の利黙は会え失せてゆくことが分る◎

 先づ第一に︐統制政策なるものは︑可成り確定的な基準の上に立たなければならない︒この政策の各種の支

持者の意見が相識慰する根雪は實に此の黙に存する︒たとび一蓮の異なる目的物の順位を決定し得たとするも

・i例へば不振地精の爽展をば現存都市集申人口の疎開︵この爾密な矛盾するであらうが︶に優先さすべきとす

(11)

る竜−他の諸困難が獲生するであらう︒よしそれが恐らく根本的重要性を有せざるものであるにしても︒いま

不振地帯の三塁問題を統制の主要目的なりと假定するとせば︑各不振地帯に封し工業の選る﹁理想﹂型︵︒鑓の巴

鵠登戸︶を決定することが必要となる︒而して︑此の場合に於ける主要問題の一つは分散化︵Uぞ︒鼠旨鼠象︶

と山門化︵︒︒℃a農鵠酔︷露︶との衝突を解決する必要に迫らる﹂に至ることであるが︑統制政策適用上からは

分散化がその目的であることは恐らく當然であらう︒然るに︑一方に於ける分散化と殿賑︑他方に於ける專門

化と不振とのこ者は相關性を有するものなりとの信念が一般的に存在してみるが︑之は表面的には合理性を持

つもの\如くであるが︑疑問の徐地なしとは言ひ難い︒諸地域に於ける工業的分散化と失業水準との二三の詳

細なる統計的分析は︑この聞題に封しては特に肯定的なる結果を輿へてはみない︒しかも︐研究の封象となっ

た若干の地域に於ける︐過去六ヶ年闇の攣動より叢生した工業の分散化は︑之等の地域の工業構成上には根本

的影響を殆ど輿へなかったことが實騙せられてるる︒更に箏本調査に當れる日誘鴇氏は.﹁現存の資料の限り

に於ては︑分散化政策はその提唱者等を満足せしむるに足る程の定論化の可能性はないもの蕊如くである﹂と

述べて有力なる諸理由を墨げてるる︒勿論︑一般論としては分散化は專門化に優るごと恋有り得やう︒專門化

地域は分散化地域に比して︑持績的不況への轡調整手段として新編展を圖る立場からは遙かに劣るものであ

る︒分散を目的とする政策は噛將來の諸攣動の影響を綾和するといふ黙に於ては望ましきものであらう︒然し

不振地帯の再臨現の可能性を全く除去することは出面ないゆ次に︑工業によっては高度に局所化せざるために

   囁工業立地に於ける國家的干渉 ︵・木曾︶        ︑      一六三

(12)

      瞬六四

却って能率低下を招蔵する可能性の生するものもあるが故に︑以下この問題を検討しやう︐

 實際的立場から重要と考へらる蕊主要問題は二つあるが︑その一は統制の工業への影響︐その二は統制の地

帯への影響に關聯するものである︒先づ︑工業との關聯について見るに︑新獲展が必ずしも総て不振地帯に向     毒って行はる蕊とは云ぴ難いことは明らかである◎各種部門の企業者が殿賑地帯蚊に現存入画集話中心地へ新た

に入り込むことが認められなければならぬことは鷺を倹たざる所であるから︑との事實のみにても新活動の相

當なる部分を占めることΣなる︒この勲に撮して︑滋◎誘謹①敏授は﹁入獄調査し資料を基礎として︑工業部門

別に﹁局所化傾向指激し︵じ8鑑塁鉾δ⇔回a窪︶なるものを算出したのである︒この係数は主要地域に於ける工

業の局所化現象の度合を表示するもので︑局所化の現象を全く認めざるものは○・○○として︐最高度のもの

は二・○○として表はされる︒高度の局所化を示すもの︵レース工業一・六八︑ヅリキ製遭エ業一・八一︑紡績

工業丁四九︶及び著しく低度のもの︵膿泉工業○・一三︶を除けば︑中闇的係数を示す工業系列が掌る︒而し

て︐か彫る申闇系列に薦する工業が不振地帯の獲展には最適の工業部門なのと同論授は驚く︒かくして︐高度

に局所化せる工業は局所化組織の立場より︑また局所化せざる工業は入口分布の原理と同じく.分布の必要よ

ゆ除外せらる玉こと曳なるのである◎

 この肇鶏窪8敏授の決定基準は明らかに簡易なる電のではあるが.爾鋏陥が認めら為蕊︒第一に︐著しく

高度叉は低度の係激を有する工業を全く除斥することは愛戯写り得ない◎蓋し︐前瀞の場合に於ては︑工業部

(13)

門に高度の詩劇性が存し︐その結果として之等の工業が局所化の歌態を曳くるとともある◎然るに他の異る地

域にあっては局所化によ惹経濟性を全ぐ犠牲に供する必要なき工業部門も見出される︒更に︑後者の場合︐即

ち著しく低度の局所化雛型を有する型の工業の場合について観δに︑各工業部門を全膿として観るときは低度      鴇の指墨が現はれるとしても︑之は工業が全く局所化せざる磁区とは必ずしも考へられ得ない◎周冨需躊8敏授自

らも認むるが如く︑この指鐵は頗る廣義的のものであり︐以る黙に於ては不完全なる尺度である︒例へばも磯

泉工業の場合にあっては︑この工業は相学廣範團に散在してみるが灘製晶の輸途費が嵩まることが主要原因と

なって︑國内市場に製晶を供給する大器磁から構成されてみるのである︒勿論︐継る場合にあっては︑低度の

指数は可成り正確に工業が番所化せざることを表示するものであるが︐との場合に於ては相欝欝い地域の︸つ

に基いて指撒の測定が行はる蕊ことを前提とする︒

 第二に︐韓換に適合せ夢と考へらる逗工業についても︐第一に於けると類似の考慮が存する︒贈鶏窪8敏授身

曰く﹁中欝気係数を持つといふことのみを以て︑その工業が不振地帯に於ける感風に適すと断定するには充分

ではないとと勿論である﹂と︒即ちその立地々精及び工業の特殊性乃至は事情が個々の場合について考慮せら

れなければならない◎然りとすれば︐一般的に提言し得る一輪は︑或種の工業が﹁申聞書係数しを有するといふ

理由は.他の工業が高度又は低度の係数を有すること︑同様に愛當性を有するものであり.二って○・五三の

       あ  や  ゑ係数を持つ一工業が○・二この工業に比して磨り縣換に適するものなρと断定する論理的愛當性を持つもので

   工業立地に於ける國家的干渉 ︵木曾︶       一六五

(14)

       ゴハ六

はないこと玉なる︒かく考へるとき︑同教授の提言はまさしく高度に偶獲性を持ち︑且つ維濟構造の他の條件

よ珍離隔したる立地型を有する・一蓮の工業が存在し︑しかも立地が生産費に影響を及ぼさすとの観念に基くも

のであるといふべく︑﹁中脳的係撒﹂はこの観念の現れとして探られたるものに外ならない◎

 詣りとすれば︐か﹄る論争に封して果して一つの現實主義的基礎が存するであらうか︒これに封ずる解答は

またして竜懐疑的ならざるを得ない︒申聞的係籔を有する工業とても種女多様であり︑また個別的にも異同性

を有し︑個々に分散しつ玉も殆ど全罷としては集申してみるのである︒例へばもココア及びチョ3レー︸製造

工業︵綴蓋○・八六︶は幾多の大辛蔵︵即ち集中してみる︑尤も必ずしも局所化とは稻し得ないが︶と激多の

小三惑よりなり.玩具︑遊戯︑運動其製造工業︵係激○・七四︶は個々猫馨したる工業の唄集團であるが︑そ

の中の少くとも︑一つはロンドン市を続って高度に局所化して居り︑また鑛山機械製造工業︵係数○・八二︶は輸

出市場とも軍慮を持って立地してみるが︑同時に親工業と相當密接に關聯を有する從鉱工業の一例である◎以

上の範疇に遷する工業の考察によって︑この係数なるものが誤謬に導き易いか︑或は特定の工業に早しては中

聞的係藪の存在が︐︑何等かの確立せる理由を有するものならんとの印象を吾々に與へる︒更に重要なる事は︐

申間的係数系列に薦する工業は数に予て謙り多くはなく︑從って全膿的に槻るときは.大いさに閲する限りそ

の相封的重要性はさして大ではないといふご乏である︒

 實際⁝間題として︑統制を司る當局としては︑縛換を行岸べき工業よりは︑寧ろ各商就め特殊事情に封して考

(15)

慮を佛ふべきであらう︒即ち統制は恥質的には︑工業︵抽象化せられた︶として穿はなく︑現實の商就に封し

       だて行はる玉べきものである︒惟ふに工業的標準を遵守することは︑頗る多くρ場合に於て不可能なりとは云は

ぬ迄も困難なることは︑以上の現状によって疑の蝕地が存せぬ如くである︒或る少数の場合に於ては︐が蕊る

標準に碁器することも可能ではあらうが1商麗の事惰が立地聞題を無管簾たらしめた蕊めに一之等はむしろ例

外的であり︑然らずんば隔この標準は必然的に第二義的のものとなるであらう︒     が       毒 かくて護憲せしむべき地帯の決定をなすべき段階に達するが︐蓋し確定的結論に到達することば殆ど不可能

であらう︒今迄この間︐題を続って吾々が検討した結果として得た唯一の命題は︐還る現存入口集中都市の團続

地帯の電器を制限すべしといふことであり︑不振地帯の磯展の支持は最も漠然とした形に於て提唱されてるる

に過ぎない︒政策たる以上ヨリ精確なる規範を持たねばならぬことは明らかなることであり︑しかも吾々が考

察してみるこの閥題に煮て直面する憲たる困難は︑不振程度の最も少き地域と最も大なる地域との何れを獲展

せしむべきかの決定これである︒前者の場合に於て統制が行はるべきものなりとか︑或は新設工場の強制的立

地によ秒救済し得る都市と︐然らざる都市との轟然たる匪別をなすべしとの臆断が屡々早計になさる瓦ことが

見出さる蕊が灘蓋しか瓦る見解は工業を最も獲展の可能性ある地帯に立地せしむることによって︑工業能察の

喪失よ妙生することあるべき統制の費用を最少限度に止めんとする希望に基くものであらう︒最も容易に縛換

せしめ得る工業の乞︒吋窪8敏捜の分類もまた之と同じ観念に擦ること勿論である︒この費用に關する全般的

   工業立地に於ける國家的干渉 ︵木曾︶       一六七

(16)

       一六八

問題の討究は後に譲るとして︑差し當妖か踊る上述の如鷺竣別︵敦上し得る場合と然らざる場合との︶をなす

ことの申に包藏せらる蕊困難を別としても︐ごの見解は統制を露當化するために通例主張せらる曳主なる理由

と一致せぎるものであるごとを指摘することは必要であらう︒統制政策の自的は︑それ自衛としては再調整し

得ざる地域に薪工業を創設することにある︒不振程度の最も少き地帯は資リ過激性の少き手段により︐ヨリ適

切に虞姦し得るであらうし︑また強制の全般的必要は焦る地帯が著しく不振に陥り極度の手段を必要とする揚

合のみに発生すゐ︒地帯の決定上の困難の大部分はこの事實に基くものである︒勿論例外も多激に上るであら

うが︐今は論じない︒有致なる國策を實施する上に於ては不快なる差別立てが新工場の設立せらる蕊地帯の間      ヨちに當発給髄するであらうが︑主なる困難は或る程度既に不振に陥ってみる地帯から獲展性が他へ鱒換さる均こ

とから生するものと思はれる︒一例を示せばい鍵鶏︒・霞器に創設せられたる商履をむ◎◎舞剛で♂<霧脅U霞訂ヨに立

地せしむるために強制力を如何にして正當に振ふかといふことは容易ではない◎かxる困難は︑不況時にあっ

ては多量の失業者によって総ての地鼠が悩むのであるから︑一般的のものとなること言を挨た激い︒ 辱

 以上指摘したる諸問題は︐大抵の場合一つの完全なる﹁計欝﹂をはっきのと具像化しない統制手段より稜生

する◎立地統制が露髄せられたる組織の一部分を形成してみるならば.か転る蜜蝋は勿論生じないであらう︒

然しそれにも拘らす他の種類の困難が存する︒例へば︑暫定的の諸要求と長期闇に亙る獲展計叢との適合の如       みき主要問題もあり︵之は勿論欝り緩かな駒統制下に於ても存在はするが︶.また絡局的に意聴する獲展系列に封

(17)

する決定の根本開題及び創出すべき立地型の問題︵即ち立地型が技術的・計略的叉は各種の賭博的考量の何れ

に依存すべきかの問題︶もある︒統制が或る制約を受くべき性質の賂のであり︑計叢的組織の一部をなさすと

するも︐この統制に或る附濡物が随伴してはみないものとして︑之を具像化すること億容易ではない愚例へ

ば︑商説自盤が不適當なりと考へる或る地帯に國家が工場立地を強制する場合にあっては︑か蕊る手段より生

する結果に凝しては國家もその責任の一部を員措するととを要するであらう◎大抵の商醐は彼等自らが選握し

τたる立地を最適のものと考へるであらうから︑如圭の問題は全般的のものであらう︒かく観るとき︐不振地帯︑       ザ  の申には多激の不適當なる立地が見出さるエことも確實である︒然鈴とすれば︐國家の行ふ裁断の紘果として

獲生する損失︵明らかに獲生したが︶を禰償する何等かの國家的救濟方法なくして︐此の統制を考へることは

困難なる事に属する︒更に︑統制を受けざる他の要因の攣化に基く結果として生する困難も存する︒この最も

 著しき場合は︐勢働力の移動であるが.工場立地の統制には三島力の配置にも或程度の干渉を及ぼす意味が含

 まれてるる︒尤もか嵐る種類の閑難は無計上的組織に顧ては別として︐何等かを増々的に行はんとする場合に

 は大抵不可避的のものである︒

  更に考慮に入れらるべき他の要因は︑噺新企業を縣薫せしむる計書が或る種の愈愈を阻位するに至る懸念が存

 するといふことであるがもとの黙は 8奮菊自鉱O◎雲叢︒︒驚◎欝に於て︐8冨じ畷認識無言︑二号及び8露男&興?

 銑露駄謡講罷職ぎ伽霧擾呪一8が共に特に強調したる所でもある︒後者の参考入の委員會に於ける陳述を引用する

    工業山鼠地に於けウ○國家的干渉  ︵木曾︶      ︐       一山ハ∴ん

(18)

      一七〇

と﹁創作的刺戟が多数の人々に與へられてはみない︒而して余はこの創作的刺戟の流れを堰き止める如きもの

には応じ難い﹂と述べてみる︒誇張的なる所を斜酌はするとしても︑工業を將碁駒の如く移動せしめ得ないこ

とは是認せらるべきである︒即ち現存の紐織よりの獲展が強調せられ︑關聯性を有すδ組織よりか蕊る獲展性

を移動せしむることは︑失敗を招く結果となることは紗くともあり得ることである︒

 以上の難黙の若干は︐陰る場合に例外を認め且つ大抵の場合に或程度の自由を認めることによって︑統制に

弾力性を與へ以て之を遜け得られるであらう︒之は實に統制政策を提唱する一部の人々によって具像化せられ

てみる所で︑彼等は例へば或地帯の立地を禁止し︑其以外の地帯を工業家に解放せんとするのである℃然し之

は不振地帯の磯展を圖る目的のために︑統制政策をむしろ無敷たらしむる結果を零すこと媛なるであらう︒敏

に於て︑この政策を数果的ならしめんとせば如上の諸困難が獲生すること瓦なり︐またか論る主なる諸困難を

避けんとすれば︑所期の目的を達成するための手段として.かエる統制政策の償値の大聖を失ふといふディレ

ンマを脱却することが實に中々容易ならざるもの蕊如ぐに見える︒更に論議せらるべく残されたる聞題は︑立

地の統制は果して工業能率を犠牲にするものなりや︑また之は就會的利釜を輝すものなりやといふことであ

る︒いま吾々は一つの有敷なる立地統制政策.が蓮欝せられ︑實際上の諸困難が寛復せられ.しかも例外的事象

を除外するとの群羊の上に立つとする︒一見したる所︑統制の結果による利害の大いさを比較決定することは

不可能なる如くであらう︒之は恰も計探せらる蕊或る目的の達成より生すべき能峯の増減を測定することが困

(19)

難なると同様である︒然し︑この問題を今少しく綾和し得るある廣い観黙が存するもの蕊如くであり︑粧確な

る測定は不可能なりとするも︑熱る主要なる要素の藁蕎的重要度を評定することは可能である︒例へば︑不振

地帯の歌謡を緩和するための政策を途行ずるに當っては︑その商さる筑誌面釜の態様は全般的に知り得るとい

はれやう︒﹂即ち局所化せる失業の説會的悪の問題が︑たとび臨画的犠牲を幾分彿ふとしても解決せらる玉とい

ふことは直ちに容認せらる玉であらう︒加之︑失業者数の総病的水準が低下するといふ利釜もあり得る︒また

獲展過程にある地帯に於ける不振地帯の﹁賛詞資本﹂︵・・8凶鋤︒巷搾既︶冷之はQ9覧教授の用語で締る︶の重複が⁝避

けられることもある︒これは恐らく一人頼り三百傍といふ相當な額に上るかも知れない︵三萬人の住民を擁す

る一落都市を建該するには約一千萬膀の費用を要する︶︒ 更にまた不振地帯に於ける失業者数を減少せしむる

結果としての︐地方行政の業績向上も可域り大なるものである︒下等の他の牛面は︑ある股賑地帯に工業が著

しく集申することが減する結果として獲生する維濟乃至は露悪となり︑またか蕊る集中の結果を克復するため

に利用せられつ瓦ある就響町資源が漸次塘早してるること瓦なって現はれる︒最後に抽不振地帯よりの勢働力

移動に要する費用の節減も齎されるであらう◎この費用節減の程度については︑勢働省の螢働力移動計書の所

費要用よりして或る概念が得られる︒家族移動費用は現在迄で︑三十三萬傍に達し︑之は一家族當り十二碑と

なるが︑他方一九三五年嫡月より一九三六年十月迄の期間に封しての︑勢働省獲表の費用総計によれば一入當

り約十膀となカ︑之を基準にとれば政府は今田迄に三百萬傍以上の勢働力移動費用を支出してみることしなら

      /   工業立地に於ける國家的干渉 ︵木曾︶      一七一

(20)

      一七二

う︒加之︐一人熱りとしては小額ながらも︑全膿的には妙からざる金額に上る諸種の費用を各移動者が個別的

にも員携してみるのである◎二千萬傍といふ費目は必ずしも特に大なる金額とは言ぴ難い迄も︑決して看過す

ることを許さぬものである︒かくて︑全艦的に見るときは︑牧め得る諸利釜は相聖なるものと言ぴ得やう︒

 か生る諸利釜に尊して.工業の立地宜しきを得ざるために生する︑能率の喪失に基く犠牲も他方に於て獲生

する︒この程度が如何なるものであるかは.立地に封ずる見解に依の決せられる︒吾汝が既に論評した所によ

って得た結論に依れば︑政府の干渉なき場合にこそ工業の立地は理想的たり得るといふ︑商務省の見解には賛

じ難いとするも︑立地の最適型と現實型との差異の程度は統制政策支持者が一般に信ずる程には大ではない︒

かくの如く︑問題となる一答は︐統制なるものが果してヨリ大なみ麗度の差異を必要とするかといふことであヨ

る.一般的根擦に基けば︐差異を創造し得る諸要因の多ぐが除去せらる義が故に︑砦べらる製よりも少い差異

が現はれる如くに思はれる︒

 立地の統制が贈る程度の的確なる知識に照して︵現在利用せらる嵐限度の︶︑また費用といふ考慮に基き行

はる瓦と假謝すれば︑現存する恣意的要素も潰え失せるであらうし︑また現状に封ずる知識も更に完全となる

ことであらう︒何となれば.現在得らる製知識は総ての場合に利用せられ.最適條件を攣化せしむる要素の幾

つかは区画的に制御し得ること製なる故に︑豫見も今迄に比して濁り容易となるからである︒更に︑費用の総

てが考慮の中に入れらるNが故に︑樽入費用と冠會費用との懸隔も=贋少くなるであらう◎

(21)

 然し︑以上蓮べたることは︑いは穿原則的のもであり︑統制に蘭島して要する費用の額は探り上げらる蕊政策

の如何に依るものである◎例へば︑不振地帯の中で最悪歌態の地帯たるO蕪冨鑓及び○︒◎露胎ピ欝川霧の﹁放棄

せられたるし︵¢巽巴凶鑑︶鑛山地帯の嚢展を目指したる政策は︑入臼集申せる都市の穏かなる疎開政策に比して

遙かに多額の費用を要したこと瓦なら覧︒之に加ふるに︐各種工業に劉する統制法の態様も重要である︒蓋し

工業によっては立地の墾更は由々しき問題であるからに外ならない◎との事柄は各種の工業に封ずる基準を定

式化するに當って考慮せられてるることは言を挨たない所であるが.全膿の問題に封して重要なる一黙が存す

る︒﹂既に第三章及び第四章に於ける立地諸因子の分析の結果に依って︐工業全般に亘って︐﹁技術的﹂因子が

漸次その重要度を失ひ︐之に封して﹁維濟的し因子がその藁紙度を加へつ玉あることが示されてみる︒工場立

地及び原料所在位置の悪しきために多額の費用を獲生せしめ得る第一次的因子は︑極く少数の工業部門に於て

⁝はなほ支配的な要素ではあるが︑一般的には現在に簸ては比較的に重要度に乏しいのである◎重要性を有する

主要なる因子は︐入麟分布及びこの結果としての市場地域鼓びに勢働力供給の決定i特に前者が重要であるが

一である︒この人寿分布の攣化と現在のこの論究との關聯は︑統制を行ふ上に遡り大なる自由を與へるといふ

黙に存する︒技術的因子が西郷的なる場合にあっては︑理想的立地は狡い範士に於て決定せられ︑︑これより逸

脱することは相當に費用を要すること蕊なる︒之に反して︑非技術的因子が支配的なる時には︑必ずしもか厩

る事が現はれるとは限らない︒蓋し工業獲展といふ事案其自膿が更に心癖するための立地的選取を創造するか

   工業立地に於ける國家的干渉︵木曾︶︑  .      一七三

(22)

       一七四

らである︒かくして︑例へば・立地の統制の結果として工業が不振地帯へ移動するために︑最初は若干の費用

が警むとするも︑之は永績的なるものではない︒何となれば︑獲展に俘ぴ効果も蓄積的となり︑この不振地帯

は途には各種工業に封して理想的立地々帯となるが故である︒この事は︑翠黛を穏指して選織せらる瓦如何な

る地帯にも適用せらる玉こと言を挨たない︒之は立地の決定が自然的條件よりはむしろ︑現存の型によって舅

り多く制約せられるといふことに過ぎない︒

       婁 結論一自由放任政策か統制政策か

 以上よりして︑立地の統制は自由放任の場合に比して︑最適状態︵尤も之は疑はしいが︶より逸脱すること

は多いとしても︑このために要する費用は永綾的に多額とはならないといふ結論が導き出され得る︒然し︑か

揺る立地統制政策に証しては︑通常主張せられてるる反劉論とは異る性格を有する異論が存する︒政策實行に

ノ       ド當って直面すべき諸困難の若干については既に蓮べたが︑しかも︑之等の困難が克復せられなければ︑利盆を

減じ費用を増大し︑かくして統制の債値に影響を及ぼすであらう︒細動の困難に加ふるに︑更に二つの重要な

る事柄が存する︒その一は︑﹂既に指摘した所であるが︑統制政策の各種型の範疇決∵定に關漉する若干の困難で

ある︒統制政策の樹立に於ては︑確たる規範に無難を置き︑遠き將來を慮り︐また充分附明せられたる目標を

達成すべき長期闇に亘る計謁樹立上︑知悉せらる瓦総て︐の要因が愼重に考量せられてるることは︑統制なるこ

(23)

とを論ずる場合に常に擬岩せられてるる所である︒然るにも拘らす︑か﹂る假定は政策に影響を輿ふる非合理

的な且つ關聯を持つ要因とは頗る相容れない如くである︒若し吾々が他の維濟的ゐ問題に勤して行はる﹂國家      へ的干渉傷経験より判断し得るとすれば一例へば農業計叢︑欄干制度運用上の干渉︑不況時に於ける或産業部門

への特別助域︑否︑不振地帯に卜する政策i剛政策が他の政策に比してヨリ大なる結果と︑ヨリ長期的の目標

を有するといふ考へ方によって︑他と齪越せらるものと期待することは鹸りにも樂槻に過ぎる︒制度なるもの

は梢もすれば計書倒れとなる可能性が存するものである◎混載的便宜主義に基き立地を統制に服せしむるか︑

或は各種の政治的動機の下に立地統制を行ふのは︑自由放任政策には若干の望ましからざる結果があるにもせ      ちよ︑之に代るものとしては誠に物足らざる憾みがある︒既に自明の亀のとして︐統制の必要を承認せざる人々

の抱く疑問の根擦は︐統制主膿が完全に適格を有するものなりとの漸騰に基く分析の根擦志同様︑しかく不安

定なる感じを吾入に與ふるものではない︒

 次の問題は︑統制が完全に行はる玉とすれば︑短期的問題に封して長期的封策の採らる玉といふ矛盾が生す

るといふととである︒問題の申には︑人蔭の命激を以て測れば長期のものもあり︑更に週期的に反覆せらる製同

じ型のものも存する◎然し︑制度は常に攣化するものであり︑新しき問題は古き問題とは決して鑑確に同一め

ものではないが故に︑安康なる封策はそれに從って攣化すべきである◎噸度統制が行はる製に至れば︑たとひ

それが政治的便宜主義より行はれざるとするも︑その政策は特定の方向に据えられなければならない︒而し

   工⁝漿立地に於ける國家的干渉 ︵木曾︶       一七五

(24)

      扁七六

て︑政策の再調整は解決せらるべき聞題の磁化に比して漁り遅く行はれる︒かくして不振地帯を続る現在の諸

問題を震澄することを目指す統制の完全なる一つの心病は︑なほ依然として僧事せられ得るではあらうし︑そ

の近き將來に於ける効果は漸く現はれ始めるであらうが︑之と同時に異る性格の新しき問題と︐統制の新しき

規範の必要とが注意を喚起すること蕊ならうQ

 現在の所︑結論としては立地統制を行ふことが霧隠なりとすることは困難の如くである︒尤も自由放任政策

とても理想的結果を輿ふるものではない︒統制政策は差し煙り大なる費用を要することなく︵恐らく事實は之に

反するであらうが︶︐亘る問題を総理する可能性を有する愚︑なほ考慮せらるべき他の問題が存する◎即ち︑

多くの實際的困難︐廣萢なる計書を意味する絡局的目標樹立の必要︑長期闇に獲生する細れある有害島なる結       夢蝋果︑長期闇に於ける利釜の不確確性︐政治力の計叢への滲透の可能性之である︒未だ最短的結論を導き禺すこ

とは不可能な参とするも︑絡繰的結果が一顧も實に暫定的に幾らかの結果が一以上の諸問題を解決し得ざるを

以て︑現在の諸解決の手段として統制政策を用ふることは要當を輝くといふことは明らかである︒

 ・︵註一︶本論交の節溺は課者が便賞上施したる竜のである︒

  倉証二︶ 雷轟要工業部門と關描署する﹁不振地帯しの主⁝農なる・ものは次の如くである︒

      ︑コお宏◇三で翻霧酔Oo印加8αo露︸写づ︐の箸㏄8二霧POOo醇げづ ガδぷピ讐皆霧三δン︷窺器︾.虹臨ρ卿Ω酬ヨご︒ユ§斜

参照

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