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論文内容要旨(和文)

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論文内容要旨(和文)

平 成

18

年 度 入 学 大 学 院 簿 士 後 期 採 程 物 質 生 産 工 学 専 攻 機 能 性 高 分 子 化 学 学生番号

06522201

氏 名 井 口 徳

(英文の場合は,その和訳を( )を付して併記すること。)

論文題目 リン光性デンドリマー錯体の合成と有機

EL

素子への応用

有機

EL

材料の中で、三重項励起子のエネノレギ}をヲン光として取り出すことができる、リン光錯 体を可溶化させた塗布型

F

ン光材料は簡便な塗布法で製践するこ

k

ができ、高効率発光を実現するこ

k

ができる材料として注目されている。

塗布型リン光材料の中でも、発光ユニットにデンドロン{樹状突起)が置換されたデンドリマ}

は 、

R.G.  B 

(赤、緑、青)全ての発光が実現されて語り、分子量分布が単分散であるため、構造欠 陥の無い分子を合成するこ左ができる。分子が嵩高くなるため、耐熱性に後れた安定な膜を形成する ことも特長である。しかしながら、デンドリマーはその能力が最大限発揮される単模において濃度消 光を効果的に抑制する分子設計指針が明確に示されていない。また、発光ユニットにデンドロンを置 換した際の分子内エネルギ}状態が解明されておらず、これらの理由からデンドリマー単撲を用いた 素子の発光効率は、低分子材料の蒸着膜を積層させた素子よりも大幅に低い値に留まっていると考え

ら才もる。

そこで本研究では、デンドロンの置換数、種類を変えたデンドリマ}錯体を系統的 1 1:合成、評価す ることで、デンド~'i'"-鎗体の分子内エネルギー状態、濃度消光を効果的に抑制できる分子構造を明 確に示した上で、濃度消光の効果的な抑制に成功したデンドリマ}錯体の単撲を用いた高効率有機

EL

泰子を作製することを目的とした。具体的な内容は以下の

4

項目になる。

( .   1

新規デンド

P

マ}錯体の合成

リン光錯体

Ir(ppy)

,を発光ユニットとし、デンドロンの種類、デンドロンの置換数で分類

2. 

分子内エネルギ}状織の評価

デンドリマー錯体とデンドロンのサイクリックボルタンメトリ}測定を行い、吸収スベクトノレ測 定、紫外光電子分光測定の結果とを比較

3. 

渡度消光の発生原閣の解明

分子自体の発光能力を評価した上でデンドりマー単膜の PLQYを測定し、デンドリマ}錯体単撲 の平均分子関距離

k

を比較

4. 

商効率有機

EL

素子の作製

湧度消光の抑制に成功した、単膜において高い PLQYを有するデンドりマー錯体を応用 その結果として、

1 .   正孔の注入性、輸送役1 1:優れる

3.5

ピスジブエニノレアミノアェニノレ基もしくはパイポ」ラ性を

有する

3.5

日ピスカルパゾリノレブェニノレ基が

1

つの配位子に

1

つないし

2

つ慣換されたデンドリ

マ}錯体の合成に成功した。また、陰極からの電子注入性に優れる

3

5

ピスピリジルブエニノレ

(2)

基が置換された錯体の合成にも成功した。

サイクリッタボノレタンメト~---,測定においては l r(ppy) ,とデンドロンの酸化波が共に観測され た。この結果と

Ir(ppy)

,、デンドロンそれぞれの単鎮のイオン化ポテンシヤノレとを比較し、

I r

(ppy)

,のプエニノレピリジン西日位子に対しメタ位でデンドロンを置換することで共役の発達が 抑制され、

Ir(ppy)

,とデンドロンのエネルギー準位がデンドリマ)鎗体の状態でも維持されるこ

左を明らかにした。

3. 

デンドロンによる

Ir(ppy)

,の三重項励起エネルギ}閉じ込め効果の検証

l

とより、デンドロンの 震換が

Ir(ppy)

,の発光能力を低下させていないことが示された。また、膜厚を計漉

l

した単膜を 有機溶媒に溶解し、モノレ吸光係数の値から膜の分子密度を測定することで、平均分子間距離を算 出することに成功した。この結果から、配位子にデンドロンを

z

つ置換した鎗体の方が

1

つ置換 した錯体よりも平均分子関距離が長いことが示された。配位子にデンドロンを

2

つ置換した錯体 の方が 1つ置換した鎗体よりも単膜で PLQYの低Tが少なく、デンドロンを自己位子に対し 2つ置 換することが濃度消光の抑制に効果的であることが示された。

4. 

素子特性の比較から、浅い

HO!!O

を有する

3.5

ーピスジブぉニノレアミノ基を置換した錯体の方が

3.5

ピスカルパゾ

H

ノレプェニノレ基を置換した錯体より高いホーノレ注入性を有することが示され た。また、弘子ピスピリジノレフェエノレ基が置換された錯体を用いた泰子は置換されていない錆体 を用いた素子よりも低電圧駆動し、陰極からの電子注入性の向上が確認された。

3.

トピスカルパ ゾリノレフェ=ノレ義が

1

つの配役子に

2

つ匿換されたデンドリマー錯体の単撲を用い、電子輸送局 を積層した泰子では鍬以上の高い外部量子効率が得られた。

( l

Opt 2.000

字程度

2

頁以内)

(3)

輪文内容要旨(英文)

平成

18年度入学大学院博士後期課程物質生産工学専攻機能性高分子化学i

葺摩 学生番号

06522201

氏 名 井 口 徳

i

ilrl

ω

論文題目

Synthesof Phosphorescellt Dend

imer Compl同 国

alldApplicatioll 10 Organic LEDs 

As solution processable materials, de.ndrimer type phosphorescent iridium complexes have 

'j~'';'" •••••. .:~ ,‑;;' 

recently been reported. Phosphorell6ent deii.drimer consists of Ir(ppy)

, 

as emittingcore 

¥  I 

and surrounding dendrons. The phosphor国 民ntdendrimer consists of an emitting centl core and sllrrollnding dendrons.  These dendrons has roles of transporting charge carriers  and sllppressing interrnolecular interactions between iridium emittingr田, which cause  photoluminescence quenching in a neat film. 

Novel  phosphorescent  Ir(ppy)

, 

dendrimer  complexes  having  blllky  dendrons, 

35bis(d1phenylamino)phenylgroup  orf5bis(carbazolyl)p11enylgroupwere syntheSIzed  and investigated. 

Cyclic voltammetry, UVvis spectroscopy, and llltraviolet  photoelectron spectroscopy  were perforrned  to  investigate energy levels  of the complex回 . From these results, the  dendrimers have independent energy levels ascriYed' to the emitting core and the dendrons, 

Epectively.Triplet exciton energy confinement of the em回 目onby the  dendrons were  confirrned by phosphor回 目ncespectrum at 4 K or phosphorescence lifetime measurement  The substitution of the dendron did not affect the' emission efficiency of the dendrimer  complexes.  Neat film PLQY of the dendrimers were dramati llyincresedby douhly  dendronized ligand,∞mpared with monodendronized ligand. To investigate concentration  quenching of dendrimer complexes

, 

distallces be<Atw  ̲e̲ en the emsioncores were estimated  from density of neat films  of the  dimdrimer、∞uit1ex回.The average distances  of the  dendrimers with doubly dendronized ligand were larger than that with mOllodendronized  ligand. 

Organic  lightemitting  devices  with  the  dendrimers  were  fabricated.  The  device  characteristics of 35bis(diphenylainirio)pheilyr suosiituted dendrimers showed better hole  injection property than that of 3bis(carbazolyl)phenyl substituted ones. The dendrimer  having  doubly  35bis(carbazolyl)phenyl  substituted  ligands  exhibited  a high  extemal  quanmefficiency of over 9%. 

(12ptシングルスペース 300

語程度)

(4)

別 紙

専:r&

1 ' ,   I 

物質生産工学

i

氏 名

l

井 口 徳 晃 学位論文の審査結果の要旨

本論文は、リン光性デン附マー錯体の分子設計指針を明らかにし、高効率有機 EL素子を作成す ることを目的として行った研究の成果として、全編で計4章から構成されており、その内訳および審査結 果について下記に示す。

1章では、緒論として有機EL材料におけるりン光材料の優位性、塗布型リン光材料の分類とその 特徴について述べた。その上で、塗布型リン光材料の1つである、リシ光性デンドリマ」鎗体の構造お よび特長、問題点について述べた。

2章では、濃度消光の抑制、電荷の翰送、三重項励起エネルギーの閉じ込め、溶解性を付与す るデンドロン(樹状突起)をリン光錯体IrσPy)3の配位子l1つずつ置換した、デンドロン1震換錯体の 評価結果について述べている。デンドロンとしてはバイポーラ性を有するフェニノレカノレパゾーノレ、電子 注入性を有するフェニノレピリジン、正孔注入、輸送性を有するトリブェニノレアミンの3種類を検討し、それ ぞれの機能の発現を示している。これらの銭体はいずれもIrσPY)315wt%PMMA分散膜在比べて、

溶液状態から単膜への PL量子収率の低下が大きく抑えられている。また、デンドロンをフェニルピリジ ン配位子の

m

位で置換していることに着目し、Ir(PPy)3、デンドロン、デンドリマー錯体それぞれの電気 化学測定を行うことによって、デンドロン、Ir(PPY)3由来のエネルギー準位がデンドリマー錯体中に独 立して存在することを示している。フェニルカルパゾーノレ置換錯体を用いた素子では、外部量子効率

9.2%

の高効率有機 EL素子(緑色Jの作成に 功している

3章では、 ;ンドロン1置車道伝に誌}る議議萩態から与膜へのPL量子収率の低下をさらに抑え るため、デンドロンを IrσPy)3の配イ立子に2つずつ置換し、 IrσPy)3をより密に被覆した、デント守口ン2 換錯体の評価結果およびデンドリマ」鎗体の濃度消光、単膜における分子の集合状態について述べ ているロデンドロン2置換錯体はフェニノレカルパゾ」ノレ、トリフェニルアミンを置換した2種類を検討して いる。これらの錯体はデンドロン1置換錯体と比べて溶液状態から単膜へのPL量子収率の低下が抑え られ、単膜において60%を超えるPL量子収率が確認されている。デンドリマー錯体の濃度消光にはエ やンマ」形成によるものと、錯体自身の発光と吸収の重なりによるお四ter型エネ/レギー移動の2通りが 存在することを示し、濃度消光の完全な抑制にはデンドロンを2置換するだけでは不十分であり、イリジ ウム原子関を一定距離以上離すことが必要であると述べている。また、計算機、ンミュレーンョンと実担u よるイリジウム原子間距離の比較から、デンドロン1置換錯体はデンドロンが置換されていないIr(PPy)3 のピリジル側で接近して存在するのに対し、デンドロン2置換錯体はデンドロン同士が互いの隙院に入 り込んで存在していると考察している。また、トリフェニルアミンを2置換した錯体を有機 EL素子へ応用 したところ、 1置換鎗体よりも大幅に低い特性が認められ、分子中のデンドロンの割合が増えることで、

IrσPY)3由来のエネルギ}準伎への電子注入が起とりにくくなり、浅い LUMOを有するトリフェニルプミ ンデンドロンが電子注入を阻害したもの左考察し、デシドロンの設計の重要性を指摘している。一方、フ

エニルカルパゾ~/レを 2置換した銭体では、外部量子効率 12%の高効率素子(黄色発光)に成功して

い 知 章 で は 、 第2章および第3章の研究より、総括的考察をして内容をまとめている。

これら一連の研究は、リン光性デンドリマ」錯体めJ分子設計指針を与えるものであり、工学として学 術的解明かつ実用的な貢献という観点からも寄与が大きく、博士(工学)の学位を授与するに十分であ ると判断され、合格左認める。

最終試験の結果の要旨

最終試験では、リン光性デンドリマ}錯体の優位性、将来展望、応用した素子のさらなる 高効率化に関する質問などがあり、申請者はこれら質問に対し適切かっ具体的な説明を行い、

自分の研究内容や周辺内容において十分かつ本質的に理解していることが示された。また、発 表内容が独創的、具体的かっ本質的であり、さらに構成が明確であることから、合格と認める。

参照

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