Ⅰ 調査目的と実施要領
1 調査目的
日本政策金融公庫総合研究所では、新規開業の実態を把握するために、1991年から毎年「新規開業実態調査」を実施してきた。しかし、同調査
の調査対象は、開業前後に日本政策金融公庫から融資を受けた企業に限られるという制約がある。そこで、同調査を補完し、「開業前後に融資を受
けなかった人」や「まだ開業していない人」にも焦点を当てるため、インターネットを用いたアンケート「起業意識に関する調査」を実施した。
2 実施要領
(1)調査時点
2013年11月
(2)調査対象
全国の18歳から69歳の男女7万5,139人
(3)調査方法
インターネットによるアンケート(スクリーニング調査と本調査の2段階)
インターネット調査会社から登録モニターに電子メールで依頼し、ウェブサイト上の調査画面に回答者自身が回答を入力。
① スクリーニング調査 … 本調査の調査対象(「起業家」「起業予備軍」「起業無関心層」)に該当するかどうかを判別するための簡易なアンケート
② 本調査 … 調査対象の該当者(「起業家」「起業予備軍」「起業無関心層」)に対して行う詳細なアンケート
<調査対象の選別方法>
(4)回 収 数
(注)1 スクリーニング調査の調査対象(7万5,139人)は、性別、地域(10ブロック)、年齢層(10歳刻み)を人口構成に合わせて抽出。
2 本調査の対象は、スクリーニング調査の回答者のなかから「起業家」「起業予備軍」「起業無関心層」がほぼ同数(男女各200件)となるよう回収。ただし、「女性
起業家」は出現率が低かったため、当初のスクリーニング調査とは別にランダム抽出したサンプル(2万787件)から「女性起業家」を85件選別し、追加した。
41.6% -
女 性
男 性
回収率
合 計 3万1,247件 409件 415件 426件
209件
206件
213件
213件
① スクリーニング調査 ② 本調査
起業家 起業予備軍 起業無関心層
1万5,632件
1万5,615件
204件
205件
経験なし
今は関心なし 昔から関心なし
関心あり
経験あるが廃業
自身以外が開業
2007年以前
2008年以降
事業経営経験の有無 ▶
自身が開業
経験あり継続中
起業家
開業者 ▶
開業時期 ▶
起業への関心の有無 ▶
調査対象外 調査対象外 調査対象外 起業予備軍 調査対象外 起業無関心層
① スクリーニング調査
全国の18歳から69歳の男女7万5,139人
② 本調査
p.4~p.5
p.6~p.13
「起業意識に関する調査」回答者の概要
スクリーニング調査
性 別
職 業
(単位:%)
年 齢
配偶者の有無
(注)いずれの項目も、調査時のもの(本調査も同じ)。
男 性
(n=15,615)
女 性
(n=15,632)
全 体
(n=31,247)
1.0 1.4 0.6
5.9
15.0 22.3 7.7
5.9 5.6 6.3
7.4 3.1 11.7
1.5 0.7 2.4
7.1 1.5 12.7
25.4 14.6 36.2
5.5 6.4
29.5 44.2 14.8
1.2 1.2 1.3
100.0 100.0 100.0
専業主婦・主夫・無職
その他
合 計
会社や団体の常勤役員
正社員・職員(管理職)
正社員・職員(管理職以外)
パート・アルバイト
派遣社員・契約社員
企業経営者・自営業主
家族従業員
学 生
50.0
50.0
2.8
2.9
2.8
15.5
15.2
15.4
20.3
19.7
20.0
21.8
21.4
21.6
18.4
18.5
18.5
21.2
22.4
21.8
男 性
(n=15,615)
女 性
(n=15,632)
全 体
(n=31,247)
18~19歳
60歳代
40歳代
30歳代 50歳代
20歳代
58.3
66.3
62.3
5.3
8.8
7.0
36.4
25.0
30.7
男 性
(n=15,615)
女 性
(n=15,632)
全 体
(n=31,247)
(単位:%)
未婚
既婚 離別・死別
(単位:%)
(単位:%)
(n=31,247)
女性
男性
<参考>「2013年度新規開業実態調査(特別調査)」の実施要領等
本調査
「2013年度新規開業実態調査(特別調査)」
性 別
(1)調査時点
2013年8月
(2)調査対象
日本政策金融公庫国民生活事業および中小企業
事業が2012年4月から2013年3月にかけて融資
した企業のうち、融資時点で開業後5年以内の
企業(開業前の企業も含む)1万2,813社
(3)調査方法
調査票の送付・回収ともに郵送、アンケートは
無記名
(4)回 収 数
3,011社(回収率23.5%)
回答者の概要
性 別
年 齢
開業時の年齢
(注)「2013年度新規開業実態調査(特別調査)」は日本政策金融公庫総合研究所が実施した調査
で、「起業意識に関する調査」結果の比較対象として本資料の一部に用いている。
50.1
49.9
2.1
2.2
2.2
17.8
15.5
16.6
25.8
26.2
26.0
23.2
25.1
24.2
16.3
18.2
17.3
14.7
12.8
13.8
男 性
(n=624)
女 性
(n=626)
全 体
(n=1,250)
18~19歳
40歳代
30歳代 50歳代
20歳代
(単位:%)
(n=1,250)
60歳代
13.3
86.7
(単位:%)
(n=3,011)
10.1
7.5
9.7
39.5
31.2
38.4
26.9
32.9
27.7
16.7
19.7
17.1
6.9
8.7
7.1
男 性
(n=2,610)
女 性
(n=401)
全 体
(n=3,011)
40歳代
30歳代 50歳代
29歳以下 60歳以上
(単位:%)
女性
男性
女性
男性
(単位:%)
Ⅱ 調査結果
1 起業意識の分布
~経営経験のない人の21.0%が起業に関心あり~
図-1 経営経験の有無
資料:日本政策金融公庫総合研究所「起業意識に関する調査」(2013年)(以下同じ)
(注)1 「起業意識に関する調査」のスクリーニング調査結果を集計したもの(図-4まで同じ)。
2 現在の職業別では、「企業経営者・自営業主」「家族従業員」「その他」は記載を省略した。正社員は「会社や団体の常勤役員」「正社員・職員(管理職)」「正社員・職員(管理職以外)」、
非正社員は「パート・アルバイト」「派遣社員・契約社員」、専業主婦等は「専業主婦・主夫・無職」(以下同じ)。
図-2 起業への関心の有無
(注)事業を経営したことのない人に尋ねたもの。
56.9
73.8
66.0
15.8
10.6
13.0
27.4
15.6
21.0
男 性
(n=11,872)
女 性
(n=13,764)
全 体
(n=25,636)
64.8 64.6 62.8 64.5 67.4 71.2
5.3 7.3 11.2
12.7 15.1
19.8
30.0 28.2 26.0 22.9 17.6 9.0
10歳代
(n=837)
20歳代
(n=4,338)
30歳代
(n=5,437)
40歳代
(n=5,583)
50歳代
(n=4,422)
60歳代
(n=5,019)
59.1 66.6 64.8 73.7
13.8 13.0
5.4
13.6
27.0 20.5 29.8 12.7
正社員
(n=9,305)
非正社員
(n=5,788)
学 生
(n=1,727)
専業主婦等
(n=8,298)
○ 経営経験の有無を尋ねたところ、「現在事業を経営している」が9.8%、「事業を経営したことはあるが、すでにその事業に関わってはいない」
が8.2%で、「事業を経営したことはない」が82.0%となった(図-1)。女性よりも男性のほうが、また年齢が高いほうが、「現在事業を経営
している」人の割合は高くなる傾向がある。
○ 事業を経営したことがない人に起業への関心の有無を尋ねたところ、「起業に関心あり」が21.0%、「以前は起業に関心があった」が13.0%と
なった(図-2)。女性よりも男性のほうが、また年齢が低いほうが、「起業に関心あり」の割合は高くなる傾向がある。
76.0
88.1
82.0
9.5
6.9
8.2 14.5
5.1
9.8
男 性
(n=15,615)
女 性
(n=15,632)
全 体
(n=31,247)
95.3
90.4 87.1
82.8
76.7 73.6
4.0
6.8
6.3
6.3 8.3 13.1
0.7 2.8 6.6
10.8
15.0 13.3
10歳代
(n=878)
20歳代
(n=4,799)
30歳代
(n=6,243)
40歳代
(n=6,739)
50歳代
(n=5,768)
60歳代
(n=6,820)
87.6 88.4 93.4 90.0
8.4 9.8
5.9 9.2
4.0 1.8 0.8 0.7
正社員
(n=10,627)
非正社員
(n=6,545)
学 生
(n=1,850)
専業主婦等
(n=9,216)
事業を経営した
ことはあるが、
すでにその事業に
関わってはいない
現在事業を経営
している
性 別 年齢別 現在の職業別
事業を経営した
ことはない
(単位:%)
性 別 年齢別 現在の職業別
(単位:%)
起業に関心あり
以前も今も
起業に関心なし
以前は起業に
関心があった
~起業予備軍の約4割が女性~
図-3 経営経験の有無と起業への関心の有無(性別)
<参考>開業年
(注)1 自分が起こした事業を現在も経営している人に尋ねたもの。
2 複数の事業を経営している場合、最も古いものについて尋ねた。
図-4 起業家・起業予備軍・起業無関心層の性別構成
(注)「新規開業実態調査」のデータは、「2013年度新規開業実態調査(特別
調査)」による(以下同じ)。
27.5 22.6 49.9
全 体
(n=2,136)
○ 経営経験の有無と起業への関心の有無を組み合わせると、「自分が起こした事業を経営している」は6.8%、「起業に関心あり」は17.3%、「以
前も今も起業に関心なし」は54.1%などとなっている(図-3)。
○ 起業家(2008年以降に自分が起こした事業を現在も経営している人)のうち、女性が占める割合は26.5%であった(図-4)。この割合は、
起業予備軍(経営経験がなく、現在起業に関心のある人)における女性割合(39.8%)よりも低い。起業に関心があっても踏み切れない人の
割合が男性よりも高いためと考えられる。なお、起業無関心層(以前も今も起業に関心のない人)における、女性割合は60.1%である。
43.2
65.0
54.1
12.0
9.3
10.7
20.8
13.7
17.3
9.5
6.9
8.2 4.1
1.8
2.9 10.4
3.2
6.8
男 性
(n=15,615)
女 性
(n=15,632)
全 体
(n=31,247)
事業を経営したことはあるが、
すでにその事業に関わってはいない
自分が起こした
事業を経営している
自分以外の人が起こした
事業を経営している
(単位:%)
以前も今も起業に関心なし
以前は起業に関心があった
起業に関心あり
経
営
経
験
あ
り
経
営
経
験
な
し
起業無関心層
起業予備軍
起業家
うち2008年以降に開業
24.0
76.0
2000年以前
2001~2007年
2008年以降
(単位:%)
26.5
39.8
60.1
13.3
73.5
60.2
39.9
86.7
起業家
(n=588)
起業予備軍
(n=5,393)
起業無関心層
(n=16,910)
新規開業
実態調査
(n=3,011)
男性
女性 (単位:%)
(
参
考
)
88.1
11.9
18.0
82.0
2 起業の阻害要因
~起業しない最大の理由は「自己資金が不足している」~
図-5 起業しない理由(複数回答、起業予備軍のみ)
(注)1 「起業意識に関する調査」の本調査結果を集計したもの(以下同じ)。
2 起業予備軍に尋ねたもの(表-1も同じ)。
○ 起業予備軍に対して起業しない理由を尋ねたところ、「自己資金が不足している」が47.0%と最も多くなった(図-5)。約半数の人が理由
として挙げたことになり、資金面の不安が起業の大きな足かせとなっていることがうかがえる。そのほかの理由としては、「ビジネスのアイ
デアが思いつかない」(34.0%)、「失敗したときのリスクが大きい」(34.0%)、「財務・税務・法務に関する知識が不足している」(25.8%)
など、アイデアや知識面の不安を挙げる人が多い。一方、「とくに理由はない」と答えた人は18.3%にとどまっており、大半の人には起業に対
する何らかの制約がある。
47.0
16.9
8.7 10.6 8.2
7.2
34.0
25.8
19.5
8.4
5.5
1.0
34.0
20.0
12.5
10.1
1.2
18.3
0
10
20
30
40
50
自
己
資
金
が
不
足
し
て
い
る
外
部
資
金
の
調
達
が
難
し
そ
う
従
業
員
の
確
保
が
難
し
そ
う
販
売
先
の
確
保
が
難
し
そ
う
仕
入
先
・
外
注
先
の
確
保
が
難
し
そ
う
希
望
の
立
地
が
見
つ
か
ら
な
い
ビ
ジ
ネ
ス
の
ア
イ
デ
ア
が
思
い
つ
か
な
い
財
務
・
税
務
・
法
務
に
関
す
る
知
識
が
不
足
し
て
い
る
製
品
・
商
品
・
サ
ー
ビ
ス
に
関
す
る
知
識
や
技
術
が
不
足
し
て
い
る
勤
務
先
を
や
め
る
こ
と
が
で
き
な
い
家
族
か
ら
反
対
さ
れ
て
い
る
相
談
し
た
相
手
か
ら
止
め
ら
れ
た
失
敗
し
た
と
き
の
リ
ス
ク
が
大
き
い
十
分
な
収
入
を
得
ら
れ
そ
う
に
な
い
家
事
・
育
児
・
介
護
等
の
時
間
が
取
れ
な
く
な
り
そ
う
健
康
・
体
調
面
に
不
安
が
あ
る
そ
の
他
と
く
に
理
由
は
な
い
(%) 経営資源 取引先・立地 アイデア・知識 周囲との関係 その他の不安 (n=415)
~女性に目立つのは家事・育児・介護に伴う時間的制約~
表-1 起業しない理由(複数回答、起業予備軍の属性別)
(単位:%)
(注)全体と比較して高かった項目に網掛けをし、なかでも属性ごとに全体との差が大きい3項目に濃い網掛けをした。
47.0 16.9 8.7 10.6 8.2 7.2 34.0 25.8 19.5 8.4 5.5 1.0 34.0 20.0 12.5 10.1 1.2 18.3
(再掲)全 体
(n=415)
性
別
年
齢
別
現
在
の
職
業
別
女 性
(n=209)
男 性
(n=206)
10歳代
(n=15)
20歳代
(n=90)
30歳代
(n=114)
40歳代
(n=98)
50歳代
(n=63)
60歳代
(n=35)
正社員
(n=173)
非正社員
(n=100)
学 生
(n=38)
専業主婦等
(n=96) 40.6 17.7 5.2 6.3 9.4 4.2 30.2 28.1 20.8 1.0 4.2 0.0 30.2 19.8 32.3 14.6 0.0 20.8
0.0 2.6 0.0 18.4 10.5 0.0 5.3 5.3 36.8
50.0 21.1 15.8 13.2 10.5 7.9 21.1 15.8 10.5
5.0 5.0 2.0 33.0 14.0 13.0 9.0 1.0 16.0
51.0 16.0 10.0 12.0 6.0 7.0 43.0 31.0 19.0
16.8 7.5 1.2 39.9 24.9 4.6 8.7 0.6 14.5
47.4 15.6 8.7 11.6 8.1 8.1 33.5 22.5 21.4
5.7 5.7 0.0 37.1 22.9 2.9 17.1 0.0 11.4
40.0 14.3 8.6 11.4 8.6 5.7 31.4 22.9 14.3
15.9 7.9 1.6 38.1 22.2 7.9 19.0 1.6 14.3
49.2 12.7 6.3 4.8 7.9 7.9 31.7 20.6 14.3
8.2 5.1 0.0 32.7 15.3 12.2 5.1 1.0 22.4
45.9 15.3 4.1 10.2 6.1 6.1 37.8 24.5 20.4
21.1
43.9 16.7 10.5 13.2 7.0 7.0 31.6 29.8 22.8 10.5 3.5 2.6 33.3 22.8 20.2 10.5 0.0
6.7 0.0 33.3 18.9 12.2 7.8 1.1
21.1 12.2 8.9 8.9 8.9 38.9 26.7 20.0 3.3
26.7
53.3 26.7 13.3 26.7 26.7 6.7 13.3 26.7 20.0 0.0 6.7 0.0 26.7 20.0 0.0 0.0 13.3
0.5
そ
の
他
と
く
に
理
由
は
な
い
42.6 13.9 8.1 8.1 8.1 7.7 30.1 22.5 16.3 6.2 4.3 0.5 33.0 20.1 22.0
16.5
51.5 29.1 22.8 10.7 6.8
1.9 20.1
15.8
自
己
資
金
が
不
足
し
て
い
る
外
部
資
金
の
調
達
が
難
し
そ
う
従
業
員
の
確
保
が
難
し
そ
う
販
売
先
の
確
保
が
難
し
そ
う
仕
入
先
・
外
注
先
の
確
保
が
難
し
そ
う
希
望
の
立
地
が
見
つ
か
ら
な
い
ビ
ジ
ネ
ス
の
ア
イ
デ
ア
が
思
い
つ
か
な
い
財
務
・
税
務
・
法
務
に
関
す
る
知
識
が
不
足
し
て
い
る
19.9 9.2 13.1 8.3 6.8 37.9
52.2
製
品
・
商
品
・
サ
ー
ビ
ス
に
関
す
る
知
識
や
技
術
が
不
足
し
て
い
る
勤
務
先
を
や
め
る
こ
と
が
で
き
な
い
家
族
か
ら
反
対
さ
れ
て
い
る
相
談
し
た
相
手
か
ら
止
め
ら
れ
た
失
敗
し
た
と
き
の
リ
ス
ク
が
大
き
い
十
分
な
収
入
を
得
ら
れ
そ
う
に
な
い
家
事
・
育
児
・
介
護
等
の
時
間
が
取
れ
な
く
な
り
そ
う
健
康
・
体
調
面
に
不
安
が
あ
る
1.5 35.0
9.1
19.9 2.9 11.2
周囲との関係 その他の不安
経営資源 取引先・立地 アイデア・知識
○ 起業しない理由には、属性によって違いがみられる。性別にみると、女性は「家事・育児・介護等の時間が取れなくなりそう」と答えた割合
が22.0%と相対的に高い(表-1)。年齢別にみると、10歳代や20歳代といった若い世代では「自己資金が不足している」「販売先の確保が難
しそう」「仕入先・外注先の確保が難しそう」など勤務経験自体の浅さに起因するような項目を挙げる人の割合が高く、50歳代や60歳代では「失
敗したときのリスクが大きい」や「健康・体調面に不安がある」といった心理的、肉体的な面の不安を挙げる割合が高い。また、「家事・育児・
介護等の時間が取れなくなりそう」と答えた人は、30歳代を中心とした壮年者層で目立つ。
3 起業家・起業予備軍・起業無関心層の違い
~起業予備軍には、起業無関心層に比べて「両親が経営者だった人」が多い~
図-6 起業家・起業予備軍・起業無関心層の属性比較
(1)年 齢
(3)両親の職業
(注)起業家は、開業時の年齢で比較した。
(2)配偶者の有無
(4)年 収
(注)起業家は、開業直前の年収で比較した。
○ 起業家・起業予備軍・起業無関心層には属性の違いがみられる。年齢をみると、起業無関心層は起業予備軍よりも「60歳代」(22.3%)や
「50歳代」(18.3%)が多く、年齢が高い(図-6(1))。また、起業家は起業予備軍よりも「30歳代」(34.2%)や「40歳代」(26.4%)が多い。
○ 配偶者の有無では、「既婚」は起業無関心層で63.4%と最も多く、起業予備軍(53.7%)、起業家(46.7%)の順となった(図-6(2))。
○ 両親が経営者だった人の割合は、起業無関心層(7.7%)と起業予備軍(18.3%)の間で差がみられる(図-6(3))。一方、起業予備軍と
起業家(17.1%)の間には、それほど大きな差はみられない。
○ 年収をみると、「100万円未満」の割合は起業家(開業直前の収入)が13.7%と最も低く、起業予備軍(31.5%)、起業無関心層(38.1%)
の順に高くなっており、起業無関心層に収入が低い人が目立つ(図-6(4))。
16.9
25.3
19.0
34.2
27.5
20.4
26.4
23.6
20.0
16.9
15.2
18.3
5.6
8.4
22.3
起業家
(n=409)
起業予備軍
(n=415)
起業無関心層
(n=426)
(単位:%)
29歳以下
60歳代
40歳代
30歳代 50歳代
46.7
53.7
63.4
10.8
7.2
5.2
42.5
39.0
31.5
起業家
(n=409)
起業予備軍
(n=415)
起業無関心層
(n=426)
(単位:%)
未婚
既婚 離別・死別
17.1
18.3
7.7
82.9
81.7
92.3
起業家
(n=409)
起業予備軍
(n=415)
起業無関心層
(n=426)
経営者以外
経営者
(単位:%)
13.7
31.5
38.1
28.2
30.1
25.4
43.0
31.0
29.3
15.1
7.3
7.2
起業家
(n=344)
起業予備軍
(n=355)
起業無関心層
(n=362)
300万円以上
700万円未満
100万円未満
(単位:%)
100万円以上
300万円未満 700万円以上
~起業家のイメージは、「収入が高いが不安定」「自由度が高い」「能力を発揮しやすい」~
図-7 「起業家」に対して抱くイメージ
(1)勤務者に比べて高い収入が得られる
(3)勤務者に比べて自由度が高い
(注)自由度が高いとは、好きな仕事を選べることや、好きな時間帯に働けること。
(2)勤務者に比べて収入が安定している
(4)勤務者に比べて能力を発揮しやすい
14.9
19.3
12.9
48.4
54.9
52.3
30.1
20.0
25.1
6.6
5.8
9.6
起業家
(n=409)
起業予備軍
(n=415)
起業無関心層
(n=426)
どちらかと言えばそう思う
そう思う
(単位:%)
32.5
22.9
11.5
52.3
54.0
57.5
11.0
15.7
21.6
4.2
7.5
9.4
起業家
(n=409)
起業予備軍
(n=415)
起業無関心層
(n=426)
(単位:%)
○ 「起業家」に対して抱くイメージについて尋ねたところ、勤務者に比べて高い収入が得られると「思う」(「そう思う」と「どちらかと言えばそ
う思う」の合計)人の割合は、起業家・起業予備軍・起業無関心層の三者ともに6割を超えた(図-7(1))。一方、勤務者に比べて収入が安
定していると「思う」人の割合は、三者とも2割前後にとどまっている(図-7(2))。
○ 勤務者に比べて自由度が高いと「思う」人の割合、勤務者に比べて能力を発揮しやすいと「思う」人の割合は、起業家・起業予備軍・起業無関
心層のすべての層で7~9割程度と高い水準となっている(図-7(3)(4))。とりわけ起業家自身が起業予備軍や起業無関心層に比べてこれ
ら二つの要素を高く評価している。
31.5
28.0
17.4
58.9
61.7
63.1
7.6
8.4
15.3
2.0
1.9
4.2
起業家
(n=409)
起業予備軍
(n=415)
起業無関心層
(n=426)
(単位:%)
どちらかと言えば
そう思わない そう思わない
4.4
4.3
2.6
12.0
15.7
17.8
50.6
51.6
49.3
33.0
28.4
30.3
起業家
(n=409)
起業予備軍
(n=415)
起業無関心層
(n=426)
どちらかと言えばそう思う
そう思う
(単位:%)
どちらかと言えばそう思わない そう思わない
どちらかと言えばそう思う
そう思う
どちらかと言えばそう思わない そう思わない
そう思わない
どちらかと言えばそう思わない
どちらかと言えばそう思う
そう思う
63.3
74.2
65.3
16.4
20.0
20.4
84.8
76.9
69.0
90.5
89.6
80.5
4 起業家の実態
~3人に2人が自宅で営業~
表-2 業 種
図-8 現在の従業者数
(単位:%)
図-9 主な営業場所
(注)1 起業家に尋ねたもの(以下同じ)。
2 複数の事業を経営している場合、最も古いものについて尋ねた(以下同じ)。
3 「起業家全体」(ネットアンケート)と「新規開業実態調査」を比較して高かった項目
に網掛けをし、なかでも両者の差が大きい3項目に濃い網掛けをした。
飲食店、宿泊業 3.2 2.9 3.4 11.6
12.8
卸売業 1.7 1.0 2.4 7.3
小売業 11.5 12.7 10.2 11.7
情報通信業 4.2 2.5 5.9 3.7
合 計 100.0 100.0 100.0 100.0
不動産業 3.9 2.9 4.9 4.8
その他 6.1 4.4 7.8 1.7
事業所向けサービス業 14.4 8.8 20.0 11.3
医療、福祉 4.4 3.9 4.9 13.8
教育、学習支援業 10.8 15.2 6.3 2.8
個人向けサービス業 29.3 36.8 22.0
運輸業 1.5 0.5 2.4 3.1
製造業 3.9 3.9 3.9 4.7
建設業 5.1 4.4 5.9 10.5
(参 考)
新規開業
実態調査
(n=3,011)
起業家全体
(n=409) 女性起業家
(n=204)
男性起業家
(n=205)
○ 開業業種をみると、「個人向けサービス業」が29.3%と最も多く、次いで「事業所向けサービス業」(14.4%)、「小売業」(11.5%)となって
いる(表-2)。「新規開業実態調査」のデータと比べて「個人向けサービス業」や「教育、学習支援業」が多い反面、「医療、福祉」「飲食店、宿
泊業」「卸売業」などが少ない。
○ 調査時点の従業者数をみると、「1人(開業者のみ)」が66.5%と過半を占めている(図-8)。「新規開業実態調査」のデータと比べて、規
模は小さい。
○ 主な営業場所は、「自宅と同じ場所」が65.8%と過半を占めている(図-9)。
16.4
65.4
67.6
66.5
42.5
21.0
19.1
20.0
24.6
3.4
2.9
3.2
16.5
10.2
10.3
10.3
新規開業
実態調査
(n=2,944)
男性起業家
(n=205)
女性起業家
(n=204)
起業家全体
(n=409)
(単位:%)
1人(開業者のみ) 2~4人 5~9人 10人以上
23.6
64.9
66.7
65.8
76.4
35.1
33.3
34.2
新規開業
実態調査
(n=2,959)
男性起業家
(n=205)
女性起業家
(n=204)
起業家全体
(n=409)
(単位:%)
自宅と同じ場所 自宅と異なる場所
(
参
考
)
(
参
考
)
~開業費用「100万円未満」が5割強~
図-10 開業費用
図-12 開業費用に占める自己資金割合
図-11 開業費用の調達額に対する満足度
図-13 開業時の金融機関からの借入の有無
(注)借入には、民間金融機関、公的金融機関、地方自治体の制度融資を含む。
10.2
8.3
9.3
89.8
91.7
90.7
男性起業家
(n=205)
女性起業家
(n=204)
起業家全体
(n=409)
62.0
52.5
57.2
○ 開業費用をみると、「100万円未満」が55.3%と5割強を占めている(図-10)。「1,000万円以上2,000万円未満」は3.0%、「2,000万円以上」
は4.4%など、投資額は少額にとどまっている。
○ 開業費用の調達額に対する満足度をみると、「希望どおり調達できた」と答えた割合は68.7%で、「多少の不足があった」(20.0%)や「かな
りの不足があった」(11.2%)と答えた割合を大きく上回った(図-11)。
○ 開業費用に占める自己資金割合をみると、「100%(自己資金だけで開業)」だった人が57.2%と半数を超えている(図-12)。
○ 開業時の金融機関からの借入の有無をみると、「借入をした」人の割合は9.3%となっている(図-13)。また、この割合は、女性起業家
(8.3%)のほうが男性起業家(10.2%)よりも低い。
(単位:%)
6.8
51.7
59.1
55.3
36.3
31.0
25.0
28.1
27.6
8.0
10.4
9.2
17.3
2.9
3.0
3.0
12.0
6.3
2.4
4.4
新規開業
実態調査
(n=2,813)
男性起業家
(n=174)
女性起業家
(n=164)
起業家全体
(n=338)
100万円未満 100万円以上500万円未満
2,000万円
以上
500万円以上1,000万円未満
1,000万円以上2,000万円未満
(単位:%)
借入をした 借入をしなかった
(自己資金だけで開業)
(自己資金だけで開業)
(
参
考
)
68.3
69.1
68.7
22.0
18.1
20.0
9.8
12.7
11.2
男性起業家
(n=205)
女性起業家
(n=204)
起業家全体
(n=409)
(単位:%)
かなりの不足があった
希望どおり調達できた 多少の不足があった
(自己資金だけで開業)
(単位:%)
14.5
12.7
17.2
14.9
32.2
11.2
12.3
11.7
18.4
4.4
7.4
5.9
13.7
9.8
10.8
10.3
21.1
62.0
52.5
57.2
新規開業
実態調査
(n=2,819)
男性起業家
(n=205)
女性起業家
(n=204)
起業家全体
(n=409)
0% 100%(自己資金だけで開業)
0%超30%未満
30%以上50%未満
50%以上100%未満
(
参
考
)
~月商「50万円未満」が6割超、副収入がある人は約7割~
図-14 現在の月商
図-16 現在の売上状況
図-15 収入に占める事業収入の割合
図-17 今後の売上高に関する考え
23.4
22.5
23.0
13.7
14.7
14.2
18.5
20.6
19.6
13.7
11.3
12.5
30.7
30.9
30.8
男性起業家
(n=205)
女性起業家
(n=204)
起業家全体
(n=409)
25%未満
25%以上
50%未満
50%以上
75%未満
75%以上
100%未満
(単位:%)
12.4
55.9
72.0
63.9
14.5
18.4
8.7
13.6
44.9
15.1
10.7
12.9
28.2
10.5
8.7
9.6
新規開業
実態調査
(n=2,798)
男性起業家
(n=152)
女性起業家
(n=150)
起業家全体
(n=302)
50万円以上100万円未満
50万円未満
(単位:%)
100万円以上500万円未満
○ 現在の月商をみると、「50万円未満」が63.9%を占めている(図-14)。「新規開業実態調査」では「50万円未満」は12.4%と少なく、「100万円
以上500万円未満」が44.9%、「500万円以上」が28.2%を占めるなど、事業規模は「起業意識に関する調査」における起業家よりも大きい。
○ 収入に占める事業収入の割合をみると、「100%(副収入なし)」と答えた割合は30.8%にとどまっており、残る7割の人は副収入を得てい
る(図-15)。
○ 現在の売上状況をみると、「増加傾向」の割合は26.7%と「減少傾向」の19.3%を上回っている(図-16)。しかし、その水準は、「新規開業
実態調査」(56.6%)に比べて低い。
○ 今後売上高を「拡大したい」と考えている人の割合は53.5%と過半を占めている(図-17)。
100%(副収入なし)
500万円以上
56.6
26.3
27.0
26.7
34.8
57.1
51.0
54.0
8.5
16.6
22.1
19.3
新規開業
実態調査
(n=2,905)
男性起業家
(n=205)
女性起業家
(n=204)
起業家全体
(n=409)
増加傾向
(単位:%)
横ばい
(
参
考
)
(
参
考
)
減少傾向
88.9
59.5
47.5
53.5
11.0
37.1
45.6
41.3
0.2
3.4
6.9
5.1
新規開業
実態調査
(n=2,988)
男性起業家
(n=205)
女性起業家
(n=204)
起業家全体
(n=409)
拡大したい 現状程度でよい
(
参
考
)
縮小したい
(単位:%)
~開業費用を希望どおり調達できなかった人ほど、売上高が「減少傾向」である割合は高い~
図-18 開業費用の調達状況別にみた現在の売上状況
(1)開業費用に占める自己資金割合別
(3)開業費用の規模別
(注)自己資金には、家族や親族からの借入金・出資金は含まない。
(4)開業費用の調達額に対する満足度別
(2)開業時の金融機関からの借入の有無別
(注)借入には、民間金融機関、公的金融機関、地方自治体の制度融資を含む。
○ 開業費用に占める自己資金割合別に現在の売上状況をみると、「減少傾向」の割合は、自己資金「0%超50%未満」で8.3%と最も低く、次
いで「50%以上100%未満」(19.0%)、「100%」(21.8%)、「0%」(23.0%)の順となった(図-18(1))。
○ 開業時の金融機関からの借入の有無別に現在の売上状況をみると、「減少傾向」の割合は、借入をした人(10.5%)のほうが、借入をしな
かった人(20.2%)よりも低い(図-18(2))。
○ 開業費用の規模別に現在の売上状況をみると、「減少傾向」の割合は、「100万円未満」では19.3%、「100万円以上500万円未満」では18.9%、
「500万円以上」で10.7%となっており、開業費用の規模が大きいほど、売上高が「減少傾向」である割合は低くなっている(図-18(3))。
○ 開業費用の調達額に対する満足度別に現在の売上状況をみると、「減少傾向」の割合は、「希望どおり調達できた」と答えた人(12.5%)に
比べて、「多少の不足があった」と答えた人(29.3%)や「かなりの不足があった」と答えた人(43.5%)では高い傾向にある(図-18(4))。
34.2
25.9
55.3
53.9
10.5
20.2
借入あり
(n=38)
借入なし
(n=371)
(単位:%)
増加傾向 横ばい 減少傾向
29.4
23.2
28.6
51.3
57.9
60.7
19.3
18.9
10.7
100万円未満
(n=187)
100万円以上
500万円未満
(n=95)
500万円以上
(n=56)
(単位:%)
24.6
31.9
28.6
25.2
52.5
59.7
52.4
53.0
23.0
8.3
19.0
21.8
0%
(n=61)
0%超
50%未満
(n=72)
50%以上
100%未満
(n=42)
100%
(n=234)
(単位:%)
30.6
20.7
13.0
56.9
50.0
43.5
12.5
29.3
43.5
希望どおり
調達できた
(n=281)
多少の不足
があった
(n=82)
かなりの不足
があった
(n=46)
(単位:%)
増加傾向 横ばい 減少傾向
増加傾向 横ばい 減少傾向
増加傾向 横ばい 減少傾向