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日本 国憲法第九条 の軌跡(四)

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料 〉

日本 国憲法第九条 の軌跡(四)

有事法制定過程の憲法社会学的分析 の試み

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シ ヤ ー 々 ソ み ・ア ノ〃デブ17ン (『私 た ちは い ま、 イ ラクにい ます』(2003年)よ り)

は じめに

有事 法制変 遷過程 の便 宜 的分 類

有事法 制年 表 一 争点 ・論調 ・分 析 一

第1期 湾岸危機か ら 「日米安全保 障共 同宣言」 を経 た後 の 「新ガ イ ドライン」策定 まで(以 上第35巻 第3号)

第2期 新 ガイ ドライ ン」策 定後 か ら 「周 辺事態 法」 等の 「ガ イ ドライ ン関連 法」 の成 立 時期 まで

第3期 周 辺事 態法」 等 の 「ガ イ ドライ ン関連法 」 の成 立時期後 か ら米 国同時 多発 テ ロ事 件 の発 生 まで(以 上第36巻1号)

第4期 米国 同時多発 テ ロ事件 の発生後 か ら 「武 力攻 撃事態法」、 「イ ラク特別措 置法 」成 立 まで(以 上 第36巻2号)

第5期 イ ラク対策特 別措 置法」成 立後 か ら今 日(06年5月3日)ま で(以 上 本 号) 世 論調 査 とその分 析

憲 法 第9条 の 規 範 性 1.集 団的 自衛 権 2.武 器輸 出3原 則 3.文 民統 制

4.有 事 法制 と基本 的人権 5.憲 法 第9条 の規範性 6.日 本 の平和保 障 の あ り方 ま とめにか えて

(2)

第5期 「イ ラ ク 対 策 特 別 措 置 法 」 成 立 後 か ら今 日(06年5月3日)ま 2003年12月9日

イ ラ ク派 遣 の 基 本 計 画 決 定

① 事 実 の概 要

政 府 は、 イ ラ ク に お け る主 要 な戦 闘 は終 結 し、 国 際 社 会 はイ ラ ク の復 興 支 援 に積 極 的 に取 り組 ん で い る、 イ ラ クの 再 建 は イ ラ ク国 民 や 中 東 地 域 の平 和 と安 定 は も と よ り、 我 が 国 を含 む 国 際 社 会 の 平 和 と安 全 の 確 保 に とっ て 極 め て重 要

で あ る と し、 自衛 隊 を イ ラ クに 派 遣 す るた め の基 本 計 画 を閣 議 決 定 した 。

実 施 措 置 と して 、 人 道 復 興 支 援 活 動 と安 全 確 保 支 援 活 動 を実 施 す る もの と し、

後 者 の 活 動 と して 、 医 療 、 輸 送 、 保 管 、 通 信 、 建 設 、 修 理 若 し くは整 備 、 補 給 又 は消 毒 を実 施 す る こ とが で き る と して い る。

ま た 、部 隊 の装 備 と して 、 ドー ザ 、 装 輪 装 甲車 、軽 装 甲機 動 車 そ の他 の車 両 、 安 全 確 保 に必 要 な拳 銃 、 小 銃 、機 関 銃 、 無 反 動 砲 及 び個 人 携 帯 対 戦 車 弾 、 輸 送 機 そ の他 の輸 送 に適 した航 空 機 、 輸 送 艦 そ の他 の輸 送 に適 した艦 艇 及 び護 衛 艦

を挙 げて い(『 防衛 白書』(平 成17年 度 版)392頁 以下参 照)。

小 泉 首 相 は、10月9日 の 会 見 で、 自衛 隊 派 遣 に つ い て 「日米 同盟 、 国 際協 調 の両 立 を はか る。 口先 だ けで は な い、 そ の行 動 が試 され て い る ときだ。」 と述 べ 、 国 際 協 調 主 義 を謳 っ た 憲 法 前 文 を読 み上 げ、 「日本 国 の 理 念 、 国 家 と して の 意 思 が 問 わ れ て い る。」 と主 張 して い る。

② 争 点

(1)基 本 計 画 策 定 の 是 非 につ い て

(II)武 力 行 使 を禁 ず る憲 法 に抵 触 しな い か

③ 論 調 ・分 析

朝 日新 聞 】朝 日新 聞 は 、自衛 隊 派 遣 の閣 議 決 定 をすべ きで はな い との 立 場 を採 っ て い る。

(1)今 回 の 決 定 は 、 国 際 協 調 よ り も 日米 同盟 を重 視 した もの で あ る。

「自衛 隊 派 遣 の基 本 計 画 決 定 に至 る右往 左 往 ぶ りに は、 政 府 内 か ら さ え 『首 相 の 対 米 配 慮 は異 常 な ほ どだ 』 とい う声 が 聞 こえ た ほ どだ 。 大 量破 壊 兵 器 の 未 発 見 に よ っ て イ ラ ク戦 争 の大 義 が 揺 ら ぐな か 、 米 兵 の 占領 統 治 や 市 民 の 犠

(3)

日本国憲法第九条の軌跡(四) 93

牲 者 を生 む掃 討 作 戦 に対 す る国 際 社 会 の 視 線 は 厳 しい 自衛 隊 派 遣 に よっ て 、 首 相 は ブ ッシ ュ政 権 側 に立 っ こ とを鮮 明 に した が 、 そ れ は こ う した 厳 しい視 線 に さ ら され る こ とも意 味 す る。 圧 倒 的 な 軍 事 力 を背 景 とす る米 国 主 導 の 国 際 秩 序 づ く りに 、 日本 は ど う向 き合 お う とす る の か 。 今 回 の 決 定 は この 重 い

命 題 を 改 め て 突 きつ けて い る」。(03年12月10日

(II)憲 法 が 禁 ず る外 国 で の 武 力 行 使 に発 展 す る可 能 性 、 払 拭 で きず 。 自衛 隊 は、 戦 争 に行 くの で は な い が 、 抵 抗 勢 力 に とっ て は格 好 の 敵 で あ っ て 、 米 英 軍 の 同盟 軍 と映 る。 襲 撃 され た 自衛 隊 が 反 撃 す れ ば 、 自衛 の 範 囲 を 超 え、 憲 法 が 禁 じ る国 外 で の 武 力 行 使 に発 展 す る恐 れ が あ る。 「平 和 立 国 」 を 指 針 と定 め た 日本 は外 国 で戦 争 を しな い こ とを 国 是 と し、 武 器 輸 出 を 禁 じ、

中 東 の どの 国 と も争 っ た こ とは な く、 経 済 貢 献 に徹 して きた 。 これ ま で 積 み 上 げ て き た平 和 貢 献 も、 大 切 な 日米 関係 も、 成 り行 き次 第 で は か え っ て 大 き

く損 な わ れ て し ま う。

基 本 計 画 で は 、 米 軍 な どの 後 方 支 援 で あ る 「安 全 確 保 支i援活 動 」 が 記 さ れ て い るが 、 武 器 ・弾 薬 の輸 送 を実 施 す れ ば、 米 国 の 期 待 に応 え られ る一 方 で 、 「米 軍 の 武 力 行 使 と一 体 化 す る」 との批 判 は避 け られ な い 。

(03年12月10日)

読 売 新 聞 】復 興 支援 は、 中 東 の エ ネ ル ギー に 多 くを 負 っ て い る 日本 の 国 益 に直 結 す るだ けで な く、 日本 と して 果 た さな けれ ば な らな い 国 際 的 な責 務 で あ る。

(1)日 本 の 国 際 協 力 に新 た な展 開 を も た らす 歴 史 的 決 断 で あ る。

イ ラ クの 復 興 支 援 は 、 日本 と して 、 資 金 協 力 、 物 的 支i援だ け で は な く、 自 衛 隊 を も含 む人 的支 援 をす る とい う意 思表 示 の 表 れ で あ る。 日米 同盟 は 、9.11 米 同 時 多 発 テ ロ以 降 、 テ ロ との戦 い で は さ らに拡 大 、 深 化 して い る。 世 界30 数 か 国 が イ ラ ク に部 隊 を派 遣 して い るが 、 日本 が他 国 の犠 牲 や 痛 み を傍 観 し、

平 和 が 確 立 さ れ て か ら支 援 に 乗 り出 す とい うの で は 、 憲 法 前 文 に あ る 「名 誉 あ る地 位 」 を 国 際 社 会 で 占 め る こ とは で き な い と主 張 して い る。

(03年12月10日) (ID非 軍 事 の 人 道 支 援 と憲 法 第9条 が 禁 止 す る侵 略 戦 争 とは次 元 が 違 う。

自衛 隊 が 海 外 に 出 て 武 器 を使 用 す れ ば 、 相 手 が テ ロ リス トで あ ろ う と憲 法 第9条 に違 反 す る と言 う人 もい るが 、復 興 へ の協 力 は あ くまで も非 軍 事 の 人

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道 支 援 で あ って 、憲 法 が 禁 ず る侵 略 戦 争 で は な い。 「自衛 隊 を 出す な 」 とい う こ とは 、 結 局 何 もす る な」 と言 うに等 しい 。 非 戦 闘 地 域 イ コー ル 安 全 で は な い が 、 安 全 か 否 か を見 極 め 自衛 隊 を派 遣 す る の は 当 然 で あ り、 携 行 す る対 戦 車 弾 な ど も安 全 確 保 の た め の必 要 最 小 限度 の 装 備 で あ る、 と主 張 して い る。

(03年12月10日)

2004年1月9日

陸 自先 遣 隊 に 派 遣 命 令

① 事 実 の 概 要

石 破 防 衛 庁 長 官 、 イ ラ ク で 人 道 復 興 支 援 活 動 を行 う陸 上 自衛 隊 の 先 遣 隊 に派 遣 命 令 を発 出 す る。1月26日 、 航 空 自衛 隊 のCl30輸 送 機 が 出 発 。1月31日

自衛 隊 の イ ラ ク派 遣 の 国会 承 認 案 件 が 衆 議 院 で 可 決 され る。2月3日 、 陸 上 自 衛 隊 本 隊 第1陣 が 出発 。2月9日 、 自衛 隊 の イ ラ ク派 遣 の 国 会 承 認 案件 、 参 議

院 で 承 認 され る。

2004年2月27日

「日米 物 品 役 務 相 互 提 供 協 定 」 第 二 次 改 正 に 署 名

① 事 実 の概 要

1999年 第0次 改正で、協定 第1第1項 に 「又 は周辺 事態 に対応 す る活動 」 を、

今 回の2004年 第土次 改正 で協 定第1条 第1項 に 「武 力攻撃 事態若 し くは武力攻 撃予 測事 態 に際 して 日本 国 に対 す る武 力攻撃 を排 除 す るた めに必 要 な活動 又 は 第六条 に定 め る活動」、第6条 に 「国際 の平和及 び安全 に寄与 す るための国際社 会 の努 力の促 進 、大規模 災害 へ の対処 その他 の 目的」 を加 えた。

改 正協 定(平 成16年 条約第4号)

第1条 第2項 この協 定 は、共 同訓練 、 国際平 和連 合維 持活 動、 人道 的 な国 際救援 活動 又 は周 辺事 態 に対応 す る活動 に必 要 な後 方支 援、物 品又 は役務 の 日本 国の 自衛 隊 とアメ リカ合衆 国軍 隊 との問 にお け る相互 の提供 に関 す る基 本 的 な条件 を定 め る こ とを 目的 とす る。

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日本国憲法第九条の軌跡(四) 95

第6条 いずれ か0方 の当事 国政 府 が、第 二条 か ら前条 まで の規 定(共 同訓 練(第2条)、 国際連 合平和維持 活動又 は入道 的 な国際救援 活動(第3条)、

周辺事態 に対応 す る活動(第4条)、 武 力攻撃 事態又 は武力攻撃 予測 事 態 に 際 して行 う活動(第5条)。()内 、筆者 註)を 受 け る活 動 以外 の活 動 で あって、 国際 の平 和及 び安 全 に寄 与 す るた めの 国際社会 の努力 の促 進 、大 規 模 災害へ の対処 その他 の 目的 〔自衛 隊 法第100条 の10の 第3号 、第4号

を指す。〕 のた めに 日本 国の 自衛 隊又 はアメ リカ合 衆 国軍隊が それ ぞれ の国 の法令 に従 って行 うものの ため に必 要 な後 方 支i援、物 品又 は役務 の提供 を 他 方 の当事 国政府 に対 して この協 定 に基 づ いて要請 す る場合 に は、 当該他

方の 当事 国政 府 は、 そ の権 限 の範 囲 内で 、要請 され る後 方支i援、物 品又 は 役務 を提供 す る こ とが で き る。

2004年4月20日 諮 問 機 関 設 置

① 事 実 の概 要

小 泉 首 相 は、 大 量 破 壊 兵 器 等 の拡 散 の進 展 や 国 際 テ ロ な どの新 た な脅 威 へ の 対応 が大 きな課 題 とな って お り、 こ う した 課 題 に適 切 に対 応 す る た め わ が 国 の 安 全 保 障 と防衛 の あ り方 につ い て 幅 広 い視 点 か ら総 合 的 な検 討 を 行 う必 要 が あ る とし、 首 相 の 諮 問機 関 ・「安 全 保 障 と防衛 力 に関 す る懇 談 会 」 の 設 置 を決 裁 し た 。 同 懇談 会 は、 同年4月23日 か ら13回 の 会 合 を 開 き、 早 くも同 年10月4日 は、 「未 来 へ の 安 全 保 障 ・防衛 力 ビ ジ ョン」 と題 す る報 告 書 を提 出 して い る。 懇 談 会 が 報 告書 のi提出 を 急 い だ 背 景 に は、 同 年12月 に策 定 され る予 定 の 防 衛 大 綱 」、 「中期 防衛 力 整 備 計 画 」 の 見 直 し(後 述)が あ っ た 。

2004年6月14日

「有 事 関 連7法 」 成 立

① 事 実 の概 要

有 事 関 連7法 の 内容 は 、 以 下 の とお りで あ る。

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武 力 攻 撃 事 態 等 に お け る国 民 の保 護 の た め の措 置 に関 す る法 律 」(平 成16年 法 律第ll2号)一 武 力 攻 撃 事 態 等 に お い て 武 力 攻 撃 か ら国 民 の 生 命 、 身 体 及 び財 産 を保 護 す る と と も に、 武 力 攻 撃 の 国 民 の 生 活 及 び 国 民 経 済 に及 ぼ す 影 響 が最 小 とな る よ うに す る こ との 重 要 性 に鑑 み 、 これ らの 事 項 に関 し、 国 、 地 方 公 共 団 体 等 の 責 務 、 国 民 の 協 力 、 住 民 の 非 難 に関 す る措 置 、 避 難 住 民 等 の 救援 に関 す る措 置 、 武 力 攻 撃 災 害 へ の 対 処 に関 す る措 置 そ の 他 必 要 な 事 項 を定 め る こ と

に よ り、 「武 力攻 撃 事 態 法 」 と相侯 って 、国全 体 と して 万全 の態 勢 を整 備 し、 もっ て 武 力 攻 撃 事 態 等 に お け る 国 民 の保 護 の た め の措 置 を 的 確 か つ 迅 速 に 実 施 す る こ と を 目 的 とす る法 律 。

目次

第1章 総 則

第1節 通 則(1条 一9条)

第2節 国 民 の 保 護 の た め の 措 置 の 実 施(10条 一23条)

第3節 国 民 の保 護 の た め の 措 置 の 実 施 に係 る体 制(24条 一31条) 第4節 国 民 の保 護 に 関 す る基 本 方 針 等(32条 一36条)

第5節 都 道 府 県 国 民 保 護 協 議 会 及 び市 町 村 国 民保 護 協 議 会(37条 一40 条)

第6節 組 織 の整 備 、 訓 練 等(41条 一43条) 第2章 住 民 の 避 難 に 関 す る措 置

第1節 警 報 の発 令 等(44条 一51条) 第2節 避 難 の 指 示 等(52条 一60条) 第3節 避難 住 民 の誘 導(61条 一73条) 第3章 避 難 住 民 等 の救 援 に関 す る措 置

第1節 救 援(74条 一93条)

第2節 安 否 情 報 の収 集 等(94条 一96条) 第4章 武 力 攻 撃 災 害 へ の 対 処 に関 す る措 置

第1節 通 則(97条 ‐lal条)

第2節 応 急 措 置 等(102条 一125条)

第3節 被 災 情 報 の収 集 等(126条 一128条) 第5章 国 民 生 活 の安 定 に関 す る措 置 等

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日本国憲法第九条の軌跡(四)

第1節 国 民 生 活 の 安 定 に 関 す る措 置(129条 一133条) 第2節 生 活 基 盤i等の確 保 に関 す る措 置(134条 一138条) 第3節 応 急 の 復 旧(139条 一140条)

第6章 復 旧 、 備 蓄 そ の 他 の措 置(141条 一158条) 第7章 財 政 上 の 措 置 等(159条 一171条)

第8章 緊 急 対 処 事 態 に対 処 す るた め の措 置(172条 一1S3条) 第9章 雑 則(184条 一一187条)

第10章 罰 則(188条 一194条)

第11章 事 態 対 処 法 の 一 部 改 正(195条)

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武力攻撃事 態等 にお け るアメ リカ合衆 国 の軍 隊 の行 動 に伴 い我が国 が実施 す る措置 に関 す る法律 」(平成16年 法律第113号)一 武 力攻 撃事 態等 において、 「日 米安保 条約 」 に従 って武 力攻撃 を排 除す るた めに必要 なア メ リカ合衆 国 の軍 隊 が 円滑 且つ効 果 的 に実施 され るた めの措 置 その他 の 当該行 動 に伴 い我 が 国が実 施 す る措置 につ い て規 定 す る法律 で、米 軍か ら協 力要請 を受 けた場合 、 国 は地 方 公共 団体 と調整 し、 土地 の使用 や 自衛 隊 に よ る物 品 ・役務 の提供 を行 う等 の 事 項 につ いて規定 して い る。

武力攻 撃事態等 にお け る特定公 共施設等 の利用 に関す る法 律」(平成16年 法律 第114号)一 国 民 保 護 の た め の措 置 を的 確 に行 うた め、 武 力 攻 撃 事 態 等 に お け る港 湾 施 設 、 飛 行 場 施 設 、 道 路 、 海 域 、 空域 及 び 電 波 の 利 用 に関 して 指 針 の 策 定 そ の他 必 要 な事 項 を 定 め る こ とに よ り、 も って 対 処 措 置 等 の 的 確 且 つ 迅 速 な 実 施 を 図 る こ とを 目 的 とす る法 律 。

武 力攻 撃 事 態 に お け る外 国 軍用 品 等 の海 上 輸 送 の規 制 に関 す る法 律 」(平 成16 年法律第116号)一 武力攻撃事 態 に際 して我が 国領 海 又 は我 が国周辺 の公海 にお

ける外国軍 用 品等 の海 上輸送 を規制 す るた め、 自衛 隊法第76条 第1項 の規 定 に よ り防衛 出動 を命 じられた海 上 自衛 隊の部 隊が実施 す る停船 検査 及 び 回航措 置 の手続並 び に防衛庁 に臨時 に設置 す る外 国軍用 品審判所 にお け る審判 手 続 を規 定 した法律 。

自衛 隊法 の一部 を改正す る法律」(平成16年 法律第ll8号)一 日米 物品役務 相 互 提供 協定 を武力攻 撃事 態や 武力 攻撃 が予 測 され る事態 、 さ らに国 際協 力、 大 規 模 デ ロな どの場合 で も米軍 に対 して 自衛 隊が物 品、 役務 を提 供 す る こ とがで

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き る よ う法 改 正 した もの で あ る。

武 力 攻 撃 事 態 に お け る捕 虜 等 の 取 扱 い に 関 す る法 律 」(平 成16年 法 律 第117 号)一 武 力 攻 撃 を排 除 す るた め に必 要 な 自衛隊 の行 動 が 円滑 、 効 果 的 に実 施 で

き る よ うに す る と と もに、捕 虜 の待 遇 に関 す る1949年8月 の ジ ュネ ー ブ条 約(第 3条 約)そ の他 の 捕 虜 等 に関 す る1949年8月 の 国 際 人 道 法 の 的確 な実 施 を確 保 す るた め 、 捕 虜 等 の拘 束 、 抑 留 な どの 取 扱 い に関 し、 必 要 の 事 項 を規 定 した 法 律 。

国 際 人 道 法 の重 大 な違 反 行為 の 処 罰 に関 す る法律 」(平 成16年 法律第115号)一 国 際 的 な 武 力 紛 争 で 適 用 され る国 際 人 道 法 に規 定 す る重 大 な違 反 行 為 を処 罰 す

る こ とで 、 同 法 の 的確 な順 守 を図 る こ とを 目的 とす る法 律 で あ り、 重 要 な 文化 財 を 破 壊 す る罪 、 捕 虜 の 送 還 を遅 延 させ る罪 、 占領 地 域 に移 送 す る罪 、 文 民 の 出 国 等 を妨 げ る罪 等 、 ジ ュネ ー ブ条 約 等 に基 づ い て 規 定 して い る。

有 事 関 連7法 は、 参 議 院 本 会 議 で0括 採 択 され 、 賛成163、 反 対31で あ っ た 。

「日米 物 品 役 務 相 互 提 供 協 定 改 正 」(平 成16年 条約 第8号)な ど関 連3条 約 も承 認 され た 。

② 争 点

(1)有 事 関 連7法 の 成 立 の是 非 につ い て

③ 論 調 ・分 析

朝 日新 聞 】 朝 日新 聞 は、 概 ね 賛 成 の 立 場 に立 っ て い る。

(1)有 事 法 制 は、 あ くまで 専 守 防 衛 の た め の もの で あ っ て 、 使 わ れ な い に 越 した こ と はな い 。

自衛 隊 の 誕 生 か ら半 世 紀 が す ぎた 今 日、 東 西 の 冷 戦 構 造 の 終 焉 を挟 ん で 世 界 は激 変 した 。 宗 教 紛 争 、 民 族 紛 争 、 国 際 テ ロ が 頻 発 し、 北 朝 鮮 の核 開 発 が 日本 を脅 か して い る。 い ざ とい う時 の た め に最 低 限 の 備 え は必 要 で あ り、 侵 略 や 不 法 な攻 撃 に晒 され れ ば 、 国 民 の 生 命 ・財 産 を守 るの は 当 然 で あ っ て 、 そ の 活 動 の 中 心 とな るの が 自衛 隊 で あ る。 同 時 に、 有 事 法 制 は、 国 民 の 基 本 的 人 権 を制 約 す る恐 れ の あ る法 律 で あ るか ら、 使 うに あ た っ て は政 府 も国 会

も用 心 の 上 に用 心 を重 ね るべ きで あ る。(04年6月15日)

読 売 新 聞 】 読 売 新 聞 は、 与 野 党 の 枠 を超 え た安 保 協 力 を高 く評 価 す る。

(1)平 和 と安 全 を守 る基 本 政 策 は 、 与 野 党 の枠 を超 え て 推 進 して こそ 成 熟 した政 治 の 姿 で あ り、 国 民 の 国 防 意 識 の 高 揚 こ そ肝 要 で あ る。

(9)

日本国憲法第九条の軌跡(四) 99

有 事 法 制 が 整 備 され て も、 な お 多 くの課 題 が 山 積 して い る。 「国 民 保 護 法 成 立 を 受 け 、 政 府 は避 難 の 指 示 、 被 災 者 救i援な ど を盛 り込 ん だ 『基 本 指 針 』 を 策 定 し、 自治 体 は具 体 的 な国 民 保 護 計 画 を策 定 す る。 警 察 、 消 防 、 自衛 隊 な どの連 携 、 調 整 に よ って 、 法 律 の実 効 あ る運 用 を図 らね ば な らな い 。 自治 体 は、 計 画 を 基 に訓 練 を重 ね 、 課 題 を明 らか にす る こ とが 重 要 だ 。 そ れ に よ っ て 、 有 事 に備 え る危 機 管 理 体 制 と、 国 民 の 国 防 に対 す る意 識 を 高 め た い 。」

(04年6月15日)

2004年6月18日

政 府 、 イ ラ クで の 自衛 隊 の 多 国 籍 軍 参 加 を 決 定

① 事 実 の概 要

政 府 は、 閣 議 で 「イ ラ クの 主=権回復 後 の 自衛 隊 の 人 道 復 興 支 援 活 動 等 に っ い て 」 の統 一 見 解 を了 解 し、 イ ラ ク特 措 法 施 行 令 に 多 国i籍軍 駐 留 の根 拠 とな る 国 連 安 全 保 障 理 事 会 決 議1546を 加 え る こ と及 び 関 連 す る基 本 計 画 の 変 更 を決 定 し た 。

統 一 見 解 の 内容 は、 以 下 の とお りで あ る。 す な わ ち、 イ ラ ク に お い て は 、6 月30日 を もって 占領 が 終 了 し、完 全 な主 権 が 回復 され る。 同 日以 降、 「自衛 隊 は、

多 国籍 軍 の 中 で、統 合 され た 司令 部(安 保理決議1546で は、"観 舜6460〃3〃3α%4"と なって い る。筆者 註)の 下 に あ っ て 、 同 司 令 部 との 間 の連 絡 ・調 整 を行 う。 しか

しな が ら、 同 司 令 部 の 指 揮 下 に入 るわ けで は な い 。 自衛 隊 は、 引 き続 き、 我 が 国 の 指 揮 に従 い 、 イ ラ ク人 道 支 援 復 興 支 援 特 措 法 及 び そ の 基 本 計 画 に基 づ き、

イ ラ ク暫 定 政 府 に歓 迎 され る形 で 人 道 復 興 支 援 活 動 等 を 行 う もの で あ り、 こ の 点 につ い て は、 今 般 の 安 保 理 決 議 の 提 案 国 で あ り、 多 国 籍 軍 及 び そ の 統 合 され た 司令 部 の 主 要 な構 成 国 で あ る米 、 英 両 政 府 と我 が 国 政 府 との 間 で 了 解 に達 し て い る。 な お、 自衛 隊 は 、 これ まで 同様 、 憲 法 の 禁 じ る武 力 の 行 使 に 当 た る活 動 を行 う も の で は な く、 イ ラ ク人 道復 興 支 援 特 措 法 に基 づ き、 い わ ゆ る 『非 戦 闘 地 域 』 に お い て 活 動 す る もの で あ り、他 国 の 武 力 の 行 使 と0体 化 す る も の も ので は な い 。」

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② 争 点

(1)多 国 籍 軍 へ の 参 加 の是 非 につ い て

③ 論 調 ・分 析

朝 日新 聞 】 朝 日新 聞 は、 憲 法 との整 合 性 が 問 わ れ る重 大 な局 面 で あ る に も拘 わ らず 、 首 相 か らの 満 足 な説 明 もな い ま まの 派 遣 決 定 は 、 日本 の進 む べ き 国 家 の 方 針 に深 い禍 根 を 残 しか ね な い と して い る。

(1)反 対 で あ る。

6月14日 の 多 国籍 軍 参 加 を め ぐ る 「参 議 院 イ ラ ク復 興 支 援 ・有 事 法 制 特 別 委 員 会 」 で の 小 泉 首 相 の答 弁 に は以 下 の 疑 問 が残 る(答 弁要 旨は、6月15日 朝刊14版4面 に掲 載)。

第 一 に 、 首 相 は 、 自衛 隊 は 多 国籍 軍 の 指 揮 は受 け な い と主 張 す るが 、 国 連 決 議 に は 、 多 国籍 軍 は 「統 一 さ れ た 指 揮 」 の 下 に 置 か れ る と書 い て あ る。 自 衛 隊 は 日本 の 指 揮 下 だ とい う こ とが 米 英 が 了 解 した とさ れ る が 、 運 用 で ど う 保 証 され るか わ か らな い 。

第 二 に 、 首 相 答 弁 で は、 サ マ ー ワ で 自衛 隊 が 行 っ て い る給 水 な どの 人 道 復 興 支 援 活 動 ば か りが 強 調 さ れ て い るが 、 現 に、 航 空 自衛 隊 は ク ウ ェー トとイ ラ ク国 内 を結 ん で 米 兵 や補 給 物 資 を運 ん で い る。 武 力 行 使 を伴 う治 安 活 動 と 密 接 な 関 係 に あ る こ とは言 う まで もな い と こ ろで あ る。 多 国 籍 軍 に 参 加 す れ

ば、 この 活 動 は よ り広 範 な も の に 広 が って い く危 険 性 が あ る。

第 三 に 、 多 国籍 軍 へ の 参 加 は、 イ ラ ク派 遣 の根 拠 で あ る イ ラ ク特 措 法 が 必 ず し も想 定 して い な か っ た事 態 で あ り、 本 来 な らぼ 、 国 会 の承 認 を得 て 行 う

べ き政 策 変 更 で あ る。(04年6月18日

読 売 新 聞 】 読 売 新 聞 は、 平 和 協 力 活 動 の幅 を広 げ る一 歩 で あ り、 国 際 社 会 の一・

員 と して 当然 の 責 務 で あ る と主 張 す る。

(1)賛 成 で あ る。

過 去 の 政 府 見 解 に従 え ば 、 国連 軍 の 目的 ・任 務 が 武 力 攻 撃 を伴 う場 合 、 憲 法 上 、 自衛 隊 は参 加 で き な いが 、 国連 軍 へ の 関 与 に は、 国 連 軍 の 司 令 部 の指 揮 下 に 入 る 「参 加 」 と、 「『参 加 』 を含 む 広 い 意 味 で の 関 与 」 で あ る 「協 力 」

とが あ る。 国 連 決 議 に基 づ く多 国 籍 軍 の任 務 は治 安 維 持 と人 道 復 興 支i援活 動 で あ っ て 、 人 道 復 興 支 援 活 動 は 、 憲 法 が 禁 じ る 「武 力 行 使 」 とは 、 何 等 の 関

(11)

日本国憲法第九条の軌跡(四) 101

係 もな い。

国 際社会 が大 き く変化 し、 自衛 隊の平 和協 力 活動 も人 道復 興支援 活 動 だ け で な く、平 和 の維持 や 回復 な ど幅広 い分野 での活 動が 求 め られ る時代 で あ る。

55年 体 制の憲 法解釈 に束縛 され、辻褄 合せ に終始 して い るので は国 際社会 の 責任 あ る一 員 として の責任 が果 たせ ない。(04年6月17日)

2004年7月20日

日 経 連 、 「提 言 」 発 表

① 事 実 の 概 要

日本 経 済 団 体 連 合 会 は、04年12月 に行 わ れ る予 定 の 新 た な 「防衛 計 画 の大 綱 」、

中 期 防衛 力 整 備 計 画(Ol年 度 〜05年 度)」 の 見 直 し(後 述)を 見 越 して か 、 わ が 国 の 安 全 保 障 政 策 の 検 討 に 際 して 、 防衛 産 業 の視 点 か ら基 本 的 な考 え を示 す と

して 、 「武 器 輸 出3原 則 」 及 び 宇 宙 の平 和 利 用 」 の 見 直 し を求 め 、 提 言 ・「

1)

後 の 防 衛 力 整 備 の あ り方 に つ い て 一 防 衛 生 産 ・技 術 基 盤 の 強 化 に 向 けて 一 」 を公 表 した 。 あ ま りに も時 期 を得 た提 言 と言 わ ざ る を得 な い 。

2004年7月21日

憲 法9条 「同 盟 の 妨 げ 」 発 言

① 事 実 の概 要

ア ー ミテ ー ジ米 国 務 副 長 官 は 、 中川 秀 直 自民 党 国 対 委 員 長 ら と国務 省 で 会 談 し、 「憲 法 の 問 題 は 日本 人 自身 が 決 め る こ と」 と しな が ら も、 「憲 法 第9条 が 日 米 同 盟 の 妨 げ の 一 つ に な っ て い る とい う認 識 は あ る」 と述 べ 、 日米 同 盟 強 化 の

た め に は憲 法 第9条 を見 直 し、集 団 的 自衛 権 の行 使 を認 め るべ きで あ る と発 言 。 また 、 同副 長 官 は、 「常 任 理 事 国 は 国 際 的 利 益 の た め に軍 事 力 を展 開 しな け れ ば な らな い。 そ れ が で きな けれ ば常 任 理 事 国 入 りは難 しい 」 と述 べ た 。(傍 線 筆 者)

(朝 日新 聞04年7月22日 付 夕 刊1面)

(12)

2004年10月4日

「安 全 保 障 と防 衛 力 に 関 す る懇 談 会 」、 報 告 書 提 出

① 事 実 の概 要

小 泉 首 相 の私 的諮 問 機 関 で あ る同 懇談 会(座 長 ・荒木浩東京 電力顧 問、座長代理 ・ 張富士 夫 トヨタ 自動車取 締役社 長)は 、 同年4月27日 か らの13回 に亘 る会 合 を経

z)

て 、 早 くも 「未 来 へ の安 全 保 障 ・防衛 力 ビジ ョン」 と題 す る報 告 書 を提 出 した 。 報 告 書 は、 同年12月9日 の 「武 器 輸 出3原 則 」 の 見 直 し、12月10日 の 「新 防 衛 計 画 の大 綱 」、 「中 期 防 衛 力 整 備 計 画 」 の 決 定 へ の露 払 い で あ り、 そ の 下 敷 きで もあ る。 報 告 書 の 内 容 は 、 日米 同盟 を強 く推 し進 め る それ で あ り、 英 文 が 添 付 され て い る。 要 旨 は、 以 下 の通 りで あ る。

複 雑 な21世 紀 の安 全 保 障環 境 の 下 で の わ が 国 の新 しい安 全 保 障 戦 略 の 目標 は 、 二 っ あ る。 第 一 の 目標 は、 日本 に 直 接 脅 威 が 及 ぶ こ とを 防 ぎ 、 脅 威 が 及 ん だ 場 合 に そ の 被 害 を最 小 化 す る こ とで あ る(日 本 防衛)。 第 二 の それ は、 世 界 の さ ま ざ ま地 域 に お いて 脅 威 の 発 生 確 率 を低 下 させ 、 日本 に脅 威 が 及 ば な い よ うに す る こ とで あ る(国 際 的安 全保 障環 境 の改善)。

国 防 計 画 の大 綱 」 等 の 策 定 や 武 力 攻 撃 事 態 等 の 緊 急 事 態 へ の現 実 の 対 処 と い っ た 政 府 の 意 思 決 定 の 中 心 的役 割 を 果 た す こ と とな っ た 安 全 保 障 会 議 は、

今 後 、 総 合 的 安 全 保 障 戦 略 実 施 の 中核 組 織 と して 、 そ の機 能 を抜 本 的 に強 化 しな け れ ぼ な らな い。 防 衛 庁 の あ り方 につ い て は、 自衛 隊 の 最 高 指 揮 官 た る 内 閣 総 理 大 臣 に対 す る補 佐 体 制 の 充 実 等 の 観 点 を踏 まえ つ つ 、 諸 外 国 の 例 も 参 考 に しな が ら議 論 して い くべ きで あ る。

民 主 主 義 、 市 場 経 済 、 法 の 支 配 、 基 本 的 人 権 な どの共 通 の 価 値 観 を 日米 両 国 の 同盟 関 係 は 、 直 接 的 な 日本 防 衛 に加 え、 国 際 社 会 に お け る脅 威 の 発 生 そ

の もの を予 防 す る機 能 を 高 め つ つ あ る。 米 国 の 世 界 戦 略 の変 革 の 中 で 、 積 極 的 に 日米 の戦 略 的 な 対 話 を深 め る こ とに よ って 、 両 国 の 役 割 分 担 を 明確 に し つ つ 、 よ り効 果 的 な 日米 協 力 の 枠 組 み を形 成 す べ きで あ る。 こ う した 協 議 の 成 果 を反 映 す る形 で 、 時 代 に適 合 した 新 た な 「日米 安 保 共 同 宣 言 」 や 、 新 た

な 「日米 防衛 協 力 の た め の指 針 」 を策 定 す べ きで あ る。

国際社会 は、 平和 維持 に とどま らず 、紛争 の予 防 か ら紛 争後 の 国家再 建 に

(13)

日本国憲法第九条の軌跡(四) 103 至 る一 連 の活 動 を展 開 させ て きて い る。 防衛 庁 、 内 閣 府 、 外 務 省 な ど各 機 関

が 相 互 に緊 密 に連 携 し、 国 際 平 和 協 力 の効 果 的 実 施 を 図 る必 要 が あ る。 国 際 平 和 協 力 活 動 は、 自衛 隊 の 付 随 的 任 務 と して 位 置 付 け られ て きた が 、 活 動 の 重 要 性 の 増 大 に鑑 み 、 自衛 隊 の本 体 業 務 と して 位 置 付 け るべ きで あ る。

国 際 共 同 開 発 、 分 担 生 産 が 国 際 的 に主 流 に な りつ つ あ る現 在 、 日本 の安 全 保 障 上 不 可 欠 な 「中核 技 術 」 を維 持 す るた め に は、 これ に参 加 す る こ との で

き る方 策 を検 討 す べ きで あ る。 さ ら に、 現 在 の 弾 道 ミサ イ ル 防衛 に関 す る 日 米 共 同 技 術 研 究 が 共 同 開 発 ・生 産 に進 む場 合 に は 、 武 ・器 輸 出3原 則 等 を見 直

す 必 要 が 生 じ る。 これ らの事 情 を考 慮 す れ ば 、 少 な く と も同 盟 国 た る米 国 と の 間 で 、 武 器 輸 出 を緩 和 す べ きで あ る。

効 率 的 な防衛 力 の漸 進 的整 備 と日米 安 保 体 制 を基 調 と して1957(昭 和32)年 に策 定 され た 国 防 の基 本 方 針 」 の策 定 か ら半 世 紀 近 くの 間 に 、 日本 の経 済 力 や 国 際 的 地 位 の 向 上 、 日米 安 保 条 約 の改 定 と 日米 防 衛 協 力 の進 展 、 国 際 社 会 の 相 互 依 存 関 係 の 一 層 の深 化 、 国 連 の役 割 の 変 化 な ど、 日本 の 安 全 保 障 環 境 は大 き く変 化 した。 新 大 綱 」 は、 こ う した 変 化 を 踏 ま え、 「国 防 の基 本 方 針 」 の考 え方 を も包 含 す る新 た な 安 全 保 障 戦 略 を示 す も の と して 策 定 さ れ る べ きで あ る。 新 しい 「大 綱 」 に は防 衛 力 の 定 性 的 な機 能 を 中 心 に 目標 を規 定

す る と共 に 、 現 在 の 別 表 に相 当 す る もの に つ い て は 、 防 衛 力 の 量 的 な 目標 水 準 の 変 化 と達 成 時 期 をわ か りや す く明 示 す る と共 に 、 時 代 の 変 化 に 合 わせ て 定 期 的 に見 直 す こ とが で き る よ う、 そ の 規 定 の 内 容 、 方 法 等 を検 討 す べ き で

あ る。

政 府 は、 集 団 的 自衛 権 の行 使 に関 連 して議 論 され る よ うな 活 動 の う ち 、 わ が 国 と して どの よ うな もの の 必 要 性 が 高 い の か 、 現 行 憲 法 の 枠 内 で そ れ が ど こ まで 許 容 され るの か 等 を 明 らか に す る よ う議 論 を深 め 、 早 期 に 整 理 す べ き で あ る。(傍 線筆者)

(14)

2004年12月9日

イ ラ クへ の 自衛 隊 派 遣 を1年 間 延 長

① 事 実 の 概 要

政 府 は、 臨 時 閣 議 を開 き、12月14日 で 期 間 の切 れ るイ ラ クへ の 自衛 隊 派 遣 を 1年 間 延 長(2005年12月14日 まで〉 す る基 本 計 画 を決 定 した。 「安 全 な水 の 供 給 は 十 分 で な く、 未 整 備 の公 共 施 設 も多 い。 復 興 支 援 に 対 す る地 元 の需 要 は 引 き 続 き強 い」 と して 、 派 遣 延 長 の必 要 性 を強 調 して い る。 基 本 計 画 は 、 強 い派 遣 延 長 反 対 の 世 論 に配 慮 して 、 ① 現 地 の復 興 の 進 展 状 況 の 変 化 、② 選 挙 の実 施 な どイ ラ クに お け る政 治 プ ロ セ ス の 進 展 状 況 、③ イ ラ ク治 安 部 隊 の 能 力 向 上 な ど 現 地 の治 安 状 況 、④ 多 国籍 軍 の 活 動 状 況 と構 成 の 変化 、 の4点 を挙 げ、 「諸 状 況 を よ く見 極 め必 要 に応 じ必 要 な措 置 を講 じ る」 と して い る。

② 争 点

(1)派 遣 延 長 の是 非 に つ い て

③ 論 調 ・分 析

朝 日新 聞 】 朝 日新 聞 は、 自衛 隊 派 遣 が 決 まっ た1年 前 、 「日本 の 道 を誤 らせ る な」 と題 す る社 説 を掲 載 し、 派 遣 に反 対 した が 、 派 遣 延 長 に つ い て も、2005 年3月 まで に 完 全 撤 退 す べ き で あ る と主 張 して い る。

(1)反 対 で あ る。

米 英 軍 の進 攻 か ら1年8ヶ 月 を経 て も秩 序 が安 定 す る兆 しは見 え ず 、 と く に駐 留 地 の 治 安 を 担 うオ ラ ン ダ 軍 が 撤 収 す る来 年3月 以 降 、 自衛 隊 が 安 全 に 活 動 で き る保 障 が な い 。 自衛 隊 に よ る人 道 復 興 支 援 の 限界 も見 え た 。 何 よ り も、 米 国 に 同 調 した か ら とい っ て イ ラ ク の再 建 が うま くい くとは考 え られ な い。」 「イ ラ クで は テ ロ にせ よゲ リ ラ にせ よ、 戦 争 が 続 い て い る。 戦 争 を避 け て 身 を守 るの は不 可 能 に近 い。 民 衆 の 心 も米 英 軍 に温 か くは な い 。 国 際 社 会 の足 並 み も乱 れ た ま まだ 。 い ま イ ラ ク に 自衛 隊 を送 るの は 『平 和 立 国 』 を 指 針 とす る 日本 に とっ て 危 う過 ぎ る。」(04年12月2日)

読 売 新 聞 】 イ ラ ク は、 国家 再 建 へ の 重 要 な局 面 に あ る。 復 興 支 援 活 動 に従 事 し て い る 自衛 隊 の撤 収 とい う選 択 肢 は な く、 日本 の責 務 は終 わ っ て い な い と強

く主 張 して い る

(15)

日本国憲法第九条の軌跡(四) zos

(1)賛 成 で あ る。

イ ラ ク の民 主 化 プ ロセ ス は、 来 年 一 月 末 の 国 民 議 会選 挙 か ら、 来 年 の総 選 挙 一 新 政 府 樹 立 に 向 け て動 き出 す 。 イ ラ クで は、 撤 収 した 国 も あ るが 依 然 、 三 十 か 国 が 復 興 支 援 を続 けて い る。 先 の エ ジ プ トで の 主 要 八 か 国 ・周 辺 国 閣 僚 会 議 は、 国 際 社 会 の 一 致 した支 援 を打 ち 出 した 。 国 際 社 会 の0員 と して 、 日本 も引 き続 き応 分 の 責 務 を果 た さね ば な らな い 。」 「国 連 安 保 理 決 議 に よ っ て 、 来 年 十 二 月 に多 国籍 軍 の駐 留 期 限 が 切 れ る。 仮 に そ れ 以 前 に 自衛 隊 が 撤 収 す る と して も、 米 国 や イ ラ ク政 府 との 緊 密 な 協 議 が 必 要 だ 。 無 論 、 日米 同 盟 が 揺 ら い だ り、 イ ラ ク の 民 主 化 プ ロセ ス を 阻 害 す る よ う な こ とあ っ て は な

らな い。」(04年12月10日)

2004年12月9日

政 府 ・与 党 「武 器 輸 出3原 則 」 見 直 し正 式 合 意

① 事 実 の 概 要

政 府 ・与 党 が 官 房 長 官 談 話 に盛 り込 む こ とを 同 意 した 「武 器 輸 出3原 則 等 の 取 り扱 い に つ い て 」 の 全 文 は次 の通 りで あ る。

武 器 の 輸 出管 理 に つ いて は 、 武 器 輸 出3原 則 等 の よ って 立 つ 平 和 国家 と して の基 本 理 念 にか ん が み 、 今 後 と も引 き続 き慎 重 に 対 処 す る との 方 針 を堅 持 し ま す 。 た だ し、 弾 道 ミサ イ ル 防 衛 シ ス テ ム に 関 す る案 件 に つ い て は、 日米 安 全 保 障体 制 の効 果 的 な運 用 に寄 与 し、 我 が 国 の安 全 保 障 に資 す る との 観 点 か ら、 共 同 で 開 発 ・生 産 を行 う こ とに な っ た場 合 に は 、 厳 格 な管 理 を行 う前 提 で 武 器 輸 出3原 則 等 に よ ら な い こ と と し ま す。 な お 、 米 国 との共 同 開 発 ・生 産 案 件 や テ ロ ・海 賊 対 策 支 援 等 に資 す る案 件 につ い て も新 『防 衛 大 綱 』 の 策 定 の過 程 で種 々 問 題 提 起 が あ り ま した 。 これ らの 案 件 につ い て は、 今 後 、 国 際 紛 争 等 の 助 長 を 回 避 す る とい う平 和 国 家 と して の基 本 理 念 に 照 ら し、 個 別 の 案 件 ご とに検 討 の 上 、 結 論 を得 る こ と と して お ります 。」

武 器 輸 出3原 則 の 歴 史 は、 以 下 の 通 りで あ る。

1976年 佐 藤 栄 作 内閣 、 共 産 圏 諸 国 、 国連 決 議 で 武 ・器輸 出 が禁 止 され て い る国、

国 際 紛 争 当 事 国 又 は お そ れ の あ る 国 に 向 け た 武 器 輸 出 を認 め な い 方 針

(16)

を打 ち 出 す 。

1976年 三 木 武 夫 内 閣 、3原 則 対 象 地 域 外 に っ い て も武 器 輸 出 を 「慎 む 」 方 針 を打 ち 出 す 。

1983年 中 曽根 康 弘 内 閣 、 米 国 に 限 っ て 武 器 技 術 の 供 与 を認 め る方 針 を決 定 。 但 し、 武 器 輸 出 や 共 同 生 産 は行 わ な い 旨、 確 認 。

② 争 点

(1)3原 則 見 直 しの是 非 に つ い て

朝 日新 聞 】 朝 日新 聞 は、 「個 別 の案 件 ご と に検 討 」 を 重 ね る こ とに よ っ て輸 出 可 能 な武 器 の 品 目や 相 手 国 が 増 大 して い く可 能 性 に 危 惧 を抱 い て い る。

(1)慎 重 論 を展 開 す る。

小 泉 内閣 が3原 則 を見 直 し た こ とに よ っ て 、 ミサ イ ル 防衛(MD)推 進 に共 同 で 取 り組 む 米 国 との 同盟 強 化 に加 え、 国 際 的 な共 同 開 発 に乗 り遅 れ た くな い とい う経 済 界 な どの働 きか け に も後 押 しされ 、 「他 国 に武 器 を売 らず 、 他 国 の 武 器 開 発 に もか か わ らな い で 、 自 らの 安 全 を高 め る」 とい う 日本 の戦 後 の 歩 み が 姿 を 変 え る こ とに な っ た 。 武 器 輸 出3原 則 は、 非 核3原 則 と並 ん で 戦 後 日本 の 平 和 国 家 」 像 の 象 徴 で あ っ た はず で あ る。 小 型 武 器 な ど国 際 的 な 軍 縮 外 交 で 日本 が 一 定 の発 言 力 を持 ち得 た の も、 武 器 輸 出3原 則 の 順 守 が説 得 力 を与 え て い た か らで あ る。 今 回 の緩 和 を な し崩 しの 武 器 輸 出 拡 大 につ な

げ な い た め に厳 格 な運 用 を ど う担 保 す るか 、 それ が 問 題 で あ る。

(04年12月10日)

読 売 新 聞 】 読 売 新 聞 は 、 見 直 し は世 界 の 武 器 開発 の 技 術 水 準 と経 済 事 情 に照 ら して 当 然 で あ る との 立 場 を とっ て い る。

(1)賛 成 で あ る。

世 界 の 兵 器 開 発 は、 日進 月 歩 だ 。 自衛 隊 が機 能 す る に は、 世 界 の 技 術 水 準 に見 合 う装 備 を持 つ 必 要 が あ る。 財 政 事 情 を考 えれ ば 、 コ ス ト削 減 は不 可 欠 だ 。」 「冷 戦 後 の 世 界 で は、 軍 事 費 の 削減 が進 む0方 で 、 兵 器 のハ イ テ ク化 が 生 産 コ ス トの 上 昇 を もた ら して い る。 そ れ が 軍 需 産 業 の統 合 ・再 編 を促 し、

各 国 が 兵 器 を共 同 で 開 発 し、 生産 す る こ とで価 格 を抑 え る、 とい う流 れ にな っ て い る。」 「米 国 との 共 同 開 発 も、 部 品 の輸 出 が 禁 じ られ て い る た め 共 同 生 産 に移 行 で きな い 。 共 同 開 発 した 装 備 が他 国 に売 れ な い な ら、 日本 とは組 め な

(17)

日本国憲法第九条 の軌跡(四) 107

い、 と言 わ れ か ね な い。 日米 安 保 を強 化 す る だ け で な く、 日本 の 防 衛 産 業 の 技 術 力 を育 て て い くとい う視 点 も重 要 だ 。」(04年1月16日)

2004年12月10日

新 た な 「防 衛 計 画 の 大 綱 」、 「中 期 防 衛 力 整 備 計 画 」 を決 定

①事実の概要

3}

政 府 は 、10日 の 閣 議 で 「平 成17年 度 以 降 に係 る防 衛 計 画 の大 綱 」 と して 、 新 た な指 針 を 決 定 した 。概i要 は 、 以 下 の通 りで あ る。

大 量破 壊 兵 器 や 弾 道 ミサ イ ル の拡 散 の 進 展 、 国 際 テ ロ組 織 等 の 活 動 を含 む 新 た な 脅 威 や 平 和 と安 全 に影 響 を与 え る多 様 な事 態 へ の対 応 は、 国 家 間 の 相 互依 存 関 係 の一 層 の進 展 や グ ロー バ ル化 を背 景 に して 、今 日の国 際 社 会 に とっ て 差 し迫 っ た 課 題 とな って い る。

北 朝 鮮 の 軍 事 的 な 動 き は、 地 域 の 安 全 保 障 に お け る重 大 な不 安 定 要 因 で あ る と と も に、 国 際 的 な拡 散 防 止 の努 力 に対 す る深 刻 な 課 題 で あ り、 中 国 は、

核 ・ミサ イ ル 戦 力 や 海 ・空 軍 力 の近 代 化 を推 進 す る と とも に 、 海 岸 に お け る 活 動 範 囲 の拡 大 な どを 図 っ て お り、 か か る動 向 に は今 後 も注 目 して い く必 要 が あ る。

我 が 国 の 安 全 保 障 の第 一 の 目標 は、 我 が 国 に直 接 脅 威 が 及 ぶ こ とを 防 止 し、

脅 威 が及 ん だ 場 合 に は これ を排 除 す る と と も に 、 当該 被 害 を最 小 化 す る こ と で あ り、 第 二 の 目標 は、 国 際 的 な安 全 保 障 環 境 を改 善 し、 我 が 国 に脅 威 が 及

ぼない よ うにす るこ とで あ る(傍 線筆者)。

今後 の防衛 力 につ いて は、 新 たな安全保 障環 境 の下、独 立 国 として の必要 最小 限度 の基 盤 的 な防衛 力 を保有 す る とい う、 「基 盤 的防衛力構 想」 の有 効 な 部分 は継 承 しっ っ、 新 たな脅威 や 多様 な事態 に実効 的 に対応 し得 る もの とす る必要 が あ る。 また、 国際的 な安全保 障環 境 を改 善 す るた め に国際 社会 が協 力 して行 う活 動 に主体 的且 つ積 極 的 に取 り組 み得 るもの とす る必要 が あ る。

今後 の我が 国 の防衛 力 につ いて は、 即応性 、機 動性 、 柔軟性 及 び多 目的性 を 備 え、軍 事技術水準 の動 向 を踏 まえた高度 の技術 力 と情報 能力 に支 え られ た、

多機 能 で弾 力的 な実効 性 の あ る もの とす る。

(18)

日米安 全 保 障体制 を基 調 とす る 日米 両 国間 の緊密 な協力 関係 は、 テ ロや弾 道 ミサ イル等 の新 た な脅威 や 多様 な事 態 の予 防や 対応 の た めの国際 的取 り組 み を効 果 的 に進 め る上 で も重要 な役 割 を果 た して い る。か か る観 点 か ら、 新 た な安全 保 障環 境 とその下 に お け る戦 略 目標 に関す る 日米 の認識 の共 通性 を 高 めつ つ 、 日米 の役 割分 担 や在 日米軍 の兵 力構成 を含 む軍 事体制 等 の安全 保 障全般 に関 す る米 国 との戦 略的 な対話 に主体 的 に取 り組 む。

中東 か ら東 アジ アに至 る地 域 の関係 各 国 との問で共 通 の安全保 障上 の課 題 に対 す る各般 の協 力 を推 進 し、 この地 域 の安定化 に努 め る。弾 道 ミサ イル攻 撃 に対 して は、弾道 ミサ イル 防衛 シス テムの整 備 を含 む必 要 な体制 を確 立 す

る こ とに よ り、実効 的 に対応 す る。

国際平 和協 力活動 に適切 に取 り組 む た め、教 育訓練 体制 、所 要 の部 隊の待 機 態 勢、輸 送 能 力等 を整 備 し、迅 速 に部 隊 を派 遣 し、継続 的 に活動 す るた め の各種 基 盤 を確 立す る と ともに、 自衛 隊 の任務 にお け る諸 活動 の適切 な位置 付 け を含 む所 要 の体 制 を備 え る。

各 自衛 隊 を一体 的 に運 用 し、 自衛 隊 の任 務 を迅速 且 つ効果 的 に遂 行 す るた め、 自衛 隊 は統合 運用 を基本 とし、 そのた めの体制 を強化 す る。 このた め、

統合運 用 に必 要 な 中央 組織 を整備 す る。

陸上 自衛 隊 の常備 自衛官 定員14万8千 人 、即応 予備 自衛官 員数7千 人。装 備 は、戦 車約600両 、護 衛艦47隻 、戦闘機 約260機 な ど。

4)

同時 に、05年 度 か ら5年 間 の 「次期 中期 防衛 力整 備計 画(次 期防)」 が、閣議 決定 され た が、 当該計 画 の概 要 は以下 の通 りで あ る。

統 合 幕僚 組織 の新 設及 び各 幕僚監 部 の改編 。情報 本 部 は、防衛 長官 直轄組 織 とす る。

陸上 自衛 隊 は、戦 車及 び主 要特 科装備 の縮 減 を はか りつつ、即 応性 、機 動 性 を向上 。機 動 運用 部 隊や専 門部 隊 を」 元 的 に管理 ・運 用 す る中央即 応集 団

を新設 。

海 上 自衛 隊 は、護衛艦 部 隊(機 動運用)を1護 衛隊4隻 、8個 護衛 隊 に集約 化 。護 衛艦 部 隊(地 域配備)の うち1個 護衛 隊 を廃 止 。

航 空 自衛 隊 は、警 戒航 空 隊 を2個 飛 行 隊 に改編 。 空 中給 油 ・輸 送 部隊 を新 設 。

(19)

日本国憲法第九条の軌跡(四) 109 弾 道 ミサ イ ル 攻 撃 対 応 機 能 付 加 の た め 、 イ ー ジ ス 艦 、 パ トリオ ッ トの 能 力

向上 。 新 た な警 戒 管 制 レ ー ダ.̲̲̲の整 備 。

ゲ リ ラや 特 殊 部 隊 等 に対 処 し得 る普 通 部 隊 の 強 化 。 島 撰 に対 す る侵 略 に 対 処 し得 る輸 送 ヘ リ、 空 中 給 油 ・輸 送 機 、F2戦 闘 機 の整 備 。 武 装 工 作 船 、 領 海 内 で潜 行 す る外 国 潜 水 艦 等 に対応 す るた め、P3C哨 戒 機 の 継 続 機 を整 備 。 早 期 警 戒 管 制 機 の 改 善 に着 手 。領 空 侵 犯 にF15戦 闘機 の 近 代 化 改 修 。F4戦 闘 機 の 後 継 機 の 整 備 。

計 画 実 施 に必 要 な総 額 の 限度 は、04年 度 価 格 で24兆2400億 円 程度 に と どめ る。

② 争 点

(1)新 防 衛 大 綱 を い か に評 価 す るか 。

朝 日新 聞 】 新 大 綱 は、 日本 の 防衛 政 策 を 「世 界 の 中 の 日米 同盟 」 に積 極 的 に組 み 込 も う とす る もの で あ り、 大 量 破 壊 兵 器 の 拡 散 や 国 際 テ ロ な どの 新 た な脅 威 に地 球 規 模 で 対 処 し よ う とす る米 軍 に い か に協 力 す るか に 重 心 を置 く もの で あ り、 この ま ま 日本 は 新 大 綱 が示 す 方 向 に 突 き進 ん で い い の か と して 慎 重

な姿 勢 を崩 して い な い。

(1)評 価 で きな い 。

「日米 は 同盟 関 係 に あ るに して も、 脅 威 の 見 方 か ら脅 威 へ の具 体 的 な対 処 ま で 、 米 国 の 軍 事 戦 略 を そ の ま ま受 け入 れ 、 協 力 す る こ とが 、 必 ず し も 日本 の 利 益 に な るわ け で は な い 。 今 の 米 国 と世 界 の現 実 を踏 ま えれ ば 、 日米 同 盟 を 強化 し さ えす れ ば何 事 も うま くい くほ ど単 純 で は な い」。 「小 泉 首 相 は、 『世 界 の 中 の 日米 安 保 』 と言 うが 、 『日米安 保 の 中 』だ け に世 界 が あ るわ けで はな い 。」

と し、 日米 同 盟 の 更 な る強 化 に危 惧 を表 明 す る。(04年12月11日)

読 売 新 聞 】 防 衛 大 綱 を実 効 あ る もの にす るに は、 装 備 や 組 織 だ けで は な く、 自 衛 隊 を機 能 させ るた め 、 集 団 的 自衛 権 の 容 認 な ど法 整 備 の 問 題 も絶 え ず 見 直 す必 要 が あ り、 自衛 隊 を正 当 に位 置 付 け るた め に は 防 衛 庁 を 「防衛 省 」 に 昇 格 させ る の も急務 で あ る と主 張 し、 大 綱 は防 衛 改 革 に とっ て ゴー ル で は な く、

出発 点 で あ る と して い る。

(1)大 綱 は 、 防衛 計 画 の 出 発 点 で あ る。

「日本 周 辺 や ア ジ ア太 平 洋 地 域 で の米 軍 の存 在 と 日米 同盟 は、 地 域 の安 定 の

(20)

"公 共 財"で あ る

。 国 際 的 な安 全 保 障 環 境 の 改 善 も、 唯 一 の超 大 国 で あ る米 国 の 存 在 を 抜 き に は考 え られ な い 。 日米 同盟 関 係 は 、 一 層 『世 界 の 中 の 日米 同 盟 』 とい う性 格 を進 め る こ とに な るだ ろ う。 安 保 環 境 の 変 化 に伴 い、 日米 同 盟 を ど う深 化 させ る のか は、 日本 に とっ て極 めて 重 要 な課 題 」 で あ る。 「今 後 の 防衛 力 整 備 に 当 た っ て は、 自衛 隊 の 構 造 改 革 を 図 り、 装 備 の ハ イ テ ク化 や 組 織 の 少 数 精 鋭 化 に よっ て 、 『ス リム で筋 肉質 な 自衛 隊 』 とす べ き」 で あ る。

(04年12月11日)

2005年1月18日

日 経 連 、 「提 言 」 発 表

① 事 実 の 概 要

日本 経 済 団 体 連 合 会 は、2001年1月 発 表 の 「ビ ジ ョ ン 『活 力 と魅 力 溢 れ る 日 本 を め ざ して 』」 並 び に各 委 員 会 で の個 別 問題 の検 討 を踏 ま え て 、 「わ が 国 の 基

5)

本 問 題 を考 え る〜 これ か らの 日本 を展 望 して〜 」 を 発 表 、 外 交 ・安 全 保 障 や 憲 法 につ い て 検 討 を加 え て い る。 「第IV章.憲 法 につ いて 」 の 内容 の要 約 を挙 げ る。

軍 事 力 こ そ平 和 を維 持 し、 実 現 す るた め の 必 須 の要 件 で あ る こ とを 国 民 は 直 視 して こな か っ た 。 憲 法 第9条 の 解 釈 を め ぐって は 、 長 ら く神 学 論 争 が 続 け られ た結 果 、 一 国 平 和 主 義 や 国 際 問題 へ の 消 極 的 関 与 に繋 が り、 問 題 を放 置 した こ とか ら、 国 民 の 間 に憲 法 へ 信 頼 感 が 薄 らぎ 、 そ の権 威 が 揺 ら ぐ事 態 を招 い て い る。21世 紀 の 日本 を創 造 す るた め 、 憲 法 の 歴 史 的 価 値 を棚 卸 し、

新 た な 国 の進 路 に関 し、 合 意 を形 成 す べ きで あ る。

わ が 国 が 今 後 行 うべ き 国 際 貢 献 ・協 力 活 動 を進 め る上 で 憲 法 第9条 第2項 の 「戦 力 の 不保 持 」 規 定 は 、 大 き な制 約 とな っ て い る。 従 っ て 、 「自衛 権 を行 使 す るた め の 組 織 と して 自衛 隊 の 保 持 を 明確 に し、 自衛 隊 が わ が 国 の 主 権 、 平 和 、 独 立 を守 る任 務 ・役 割 を果 た す と と もに 、 国 際 社 会 と強 調 して 国 際 平 和 に寄 与 す る活 動 に貢 献 ・協 力 で で き る旨 を 明 示 す べ きで あ る。」 さ らに、 自 衛 隊 の海 外 派 遣 の 活 動 内容 ・範 囲 に っ い て場 当 た り的 な 特 別 措 置 法 に代 わ る

L般 法 」 を早 急 に整 備 しな け れ ば な ら な い 。

集 団 的 自衛 権 が 行 使 で き な い とい う こ とは 、 同盟 国 へ の 支 援 活 動 が 否 定 さ

(21)

日本国憲法第九条の軌跡(四) 111 れ て い る こ と に な り、 国 際 社 会 か らの信 頼 ・尊 敬 を得 るた め の 足 枷 とな っ て い る。 わ が 国 の 国益 や 国 際 平 和 の安 定 の た め に行 使 で き る 旨 を憲 法 に明 示 し、

同時 に、 「安 全 保 障基 本 法 」 を制 定 す べ きで あ る。

憲 法 改 正 を待 つ が 故 に改 革 が 遅 れ る こ とは本 末 転 倒 で あ る。 その た め に、

国 の進 むべ き進 路 と憲 法 の規 定 との 間 に翻 臨 が 生 じた 場 合 、 適 正 に両 者 の 溝 を埋 め るべ く、 憲 法 改 正 の 発 議 要 件 な どを緩 和 す べ きで あ る。 憲 法 前 文 は、

理 解 困 難 で あ る。 全 文 を 置 く場 合 に は、 わ が 国 の 歴 史 、 文 化 、 伝 統 な どの 固 有 性 、 独 自性 を 十 分 に踏 ま え た 国 家 理 念 の 提 示 が 求 め られ る。(傍 線 筆者) 全 文32頁 を読 む と、 そ の発 想 の 根 底 に あ る もの は、 巨大 国 家 間 の 軍 事 紛 争 の 懸 念 は低 下 した も の の 、 非 国 家 主 体 に よ るテ ロ、 東 ア ジ ア 地 域 に お け る朝 鮮 半 島 や 台湾 海 峡 に お け る国 家 間 の 紛 争 の 危 機 が 、 わ が 国 の 企 業 に対 す る直 接 の 脅 威 に な って い る とい うaで あ り、 経 済 成 長 こ そ 国 民 福 祉 の 源 泉 で あ り、 科 学 技 術 創 造 立 国 と通 商 立 国 が わ が 国 の 繁 栄 を維 持 す る基 礎 で あ る とす る も の で あ

る とす る もの で あ っ て 、 そ の た め に は あ らゆ る障 壁 を か な ぐ り捨 て よ、 とい う 主 張 で あ る。 「必 要 な時 に必 要 な 〔憲 法 〕 改 正 を行 う こ とは、 法 の 支 配 を貫 徹 す る上 で も必 要 で あ る。」(16頁)と は、 一 体 ど うい う こ とで あ ろ う。 「法 の 支 配 」 の 名 を借 りた 改 憲 論 で あ る。

2005年7月29日

統 合 幕 僚 監 部 の 新 設 ・情 報 本 部 の 改 編

①事 実 の概 要

平成17年 法律第88号 に よ り、 自衛隊法並 び に防衛 庁設置法 が改正 され、 陸上 ・ 海 上 ・航 空 自衛 隊 を0体 的 に運用 す るた め に、 従来 の統 合幕僚 会 議及 び 同事 務 局 に代 わ って 、新 たに 「統 合 幕僚 監部 」 が設 置 され た(自 衛 隊法第2条 第1項 、 防衛庁設置法第21条 第1項)。

(統合 幕僚 監部 の所 掌事務)

防衛庁設 置法第23条 統 合幕僚 監部 は、 陸上 自衛 隊 、海上 自衛隊及 び航 空 自 衛隊 につ いて、 次 の事務 をつか さ どる。

0統 合運 用 に よる円滑 な任務 遂行 を図 る見 地 か らの防衛 及 び警備 に関 す

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