大学医療情報ネットワークを利用した薬剤情報の共 同利用の検討
著者 西村 久雄, 小村 直之, 岩本 喜久生, 古川 裕之, 市村 藤雄, 折井 孝男, 伊賀 立二, 櫻井 恒太郎, 開原 成允, 片桐 義博
雑誌名 病院薬学
巻 19
号 3
ページ 248‑254
発行年 1993‑06‑21
URL http://hdl.handle.net/2297/6292
腱J蝉舗澱]
大学医療情報ネットワークを利用した薬剤情報の共同利用の検討
西村久雄TI,小村直之↑1,岩本喜久生↑l,吉川裕之↑2,市村藤雄↑2,
折井孝男↑3,伊賀立二↑3,櫻井`恒太郎↑4,開原成允ヤイ,片桐義博↑5 烏根医科大学医学部附属病院薬剤部↑’
金沢大学医学部附属病院薬剤部T2
東京大学医学部附属病院薬剤部↑3,同中央医療情報部↑4 I岐阜大学医学部附属病院薬剤部↑5
TheMethodtoSendlReceivetheDruglnformationSystemon
MS-DOSbyUniversityMedicallnformationNetwork(UMIN)
HIsAoNIsHIMuRAf1,NAoYuKIOMuRA↑1,KIKuoIwAMoTo↑',
HIRoYuKIFuRuKAwM2,FuJIoIcHIMuRA↑2,TAKAoORIIT3,TATsuJIIGA↑3,
TsuNETARoSAKuRAIT4,SHIGEKoToKAIHARA↑4,YosHIHIRoKATAGIRIT5 DepartmentofPharmacy,ShimaneMedicalUniversityHospitallrl
DepartmentofPharmacy,UniversityofKanazawaHospital↑2
DepartmentofPharmacy↑3,andHospitalComputerCenter↑4,UniversityofTokyoHospital
DepartmentofPhamacy,GifuUniversityHospital↑5
(臓温IiUf1Hiii諾i蝿92)
UniversityMedicallnformationNetwork(UMIN)hasbeendevelopedbyconnectingallof thenationaluniversityhospitalhostcomputers、Throughthisnetwork,hospitalpersonnel shareinthebenefitsofvariousmedicalinformationservices、Weattemptedtosend/receiveMS- DOSdruginformationsystemfilesbyUMIN、UMINdoesnotacceptbinarydata,butthe
“ishfileconverter,,hasenabledustoconvertbinarydatafilestotextfilesforuploadingand downloadingNewADMICS(AdvancedDrugMixtureInformation&ConsultationSystem)has beendevelopedonFMR(Fujitsu)personalcomputersbyinvestigatingADMICSfilesonPC-
9800(NEC)personalcomputers・AbatchfilemadeitpossibletoupdateADMICSautomati- callyandimmediatelywithfilesdownloadedfromUMIN、UMINisexpectedtofacilitatecol-
laborationamonguniversityhospitalsinutilizingapplicationprogramsanddatabasesoriginallydevelopedonMS-DOSateachuniversityhospitaL
Keywordg-UMIN;ADMICS;MS-DOS;ishfileconverter;FMR;batchfile
↑l出雲市塩冶町89-1;89-1,Enya-cho,Izumo-shi,
693Japan
↑2金沢市宝町13-1;13-1,Takara-cho,Kanazawa- Shi,920Japan
↑3,4束京都文京区本郷7-3-1;7-3-1,Hongo,Bunkyo- ku,Tokyo,113Japan
↑‘岐阜市司町40;40,Tsukasa-cho,Gifu-shi,500 Japan
はじめに
大学医療情報ネットワーク(UniversityMe- dicalInformationNetwork:UMIN)は,国 立大学病院にそれぞれ設置されているコンピュー
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病院薬学VOL19,No.3(1993) 249
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Fig.1.UMINの概念図
タを東京大学医学部附属病院を核として連結し,
医療I情報に関する相互協力の促進を目的として構 築されているn.UMINは東京大学病院に設置さ れたセンターコンピュータ(HITACHIM640/30 およびIBM9375/60)と各大学病院のコンピュ ータとが学術情報ネットの専用回線を経由して通 信プロトコルN1方式によって接続されている.
また,パーソナルコンピュータと公衆回線を利用 した通信(パソコン通信)によってDDX-TP (DigitalDataExchangeTelephonePacket)
などを経由してUMINとの接続が可能となって いる(Fig.1).
このネットワークには運用のための重要事項を 審議する運営委員会,および各専門分野ごとに作 業を行う小委員会が設けられ,システムの開発や データの利用などに関して検討を行っている.薬 剤小委員会ではこのネットワークによる薬剤情報 の相互利用という点について検討を行ってきてお り2),現在では医薬品添付文書情報および厚生省 医薬品副作用`情報などの情報提供サービスが行わ
れている3).
UMINから情報の提供を受けるだけでなく,
各大学において開発したプログラムあるいはデー タをUMINを介して共同利用できるシステムを 考えることも小委員会における活動の1つとして 重要である.薬剤小委員会においては注射薬混合
`情報についてデータの登録・検索システムの検討
屯行っている.そこで,注射薬混合情報システム についての検討の一環として,輪液情報コンサル テーションシステム(AdvancedDrugMixture lnformation&ConsultationSystem:AD- MICS)4)をモデルとして用いて,UMINへのフ ァイルの登録およびUMINからのファイル転送 を試承,プログラムあるいはデータなどから成る 薬剤情報の共同利用の可能性についての検討を行
った.
なお,ADMICSをUMINへ登録し大学病院 において共同利同することについては大塚製薬 のご好意により許可をいただいており,さらに ADMICSの二次的著作物の使用に関する契約書 を取り交わしている.
1.ファイル転送のシミュレーション
島根医大病院薬剤部においてはパソコン通信に よってUMINと接続されている.このパソコン 通信によりUMINの機能の1つである電子メー ルを利用してファイル転送のシミュレーション を行った.テストにはC言語(MS-CVer、4)で 作成されたPC-9801版を用いた.ADMICSの 実行ファイルの1つ(約8KB)を,ファイルを1 つにまとめたり圧縮することによりサイズを小さ くするためのアーカイバとして高圧縮書庫管理プ ログラムLHAを用いて圧縮凍結した.さらに,
UMINにはバイナリファイルの転送機能がな いために,バイナリーテキスト相互変換用ツール
ト長7ビットのテキスト形式に変換した.UMIN の電子メール機能には表示行数を制御する機能が あるため,ADMICSの実行ファイルを圧縮・テ キスト変換化した後,C言語により作成したプロ グラムにより行末端を保護してアップロードし
た.
このようにしてUMINのセンターコンピュー タに登録されたテスト用ファイルを電子メールと してパソコン通信によりダウンロードした.この ファイルを行末端保護解除プログラムによって,
表示行数の制御文を除き,同時に行末端の保護を 解除し,LHAにより圧縮凍結されたファイルを 解凍し,ishfileconverterによりバイナリ形式 に変換した.このファイルをADMICSの元の実 行ファイルと入れ換え,作動の確認を行ったとこ ろADMICSは正常に作動した.すなわち,バイ ナリ形式のファイルでもUMINから転送して利 用することが可能なことが確認された.
Zテスト運用
電子メールによるファイル転送のシミュレーシ ョンの結果に基づいてUMINのセンターコンピ ュータにADMICSのすべてのファイルを登録し テスト運用を行った.ファイルの転送を行った場 合に行末端に障害が起きないようにあらかじめフ
ァイルの行末端の保護処理を行った後,LHAお よびishfileconverterを用いてファイルを 圧縮・テキスト形式とし,ファイルのすべてを UMINのテスト運用システムへ登録した.UMIN のテスト運用システムに登録されたADMICSの ファイルを島根医大病院ではパソコン通信により 転送した.また,東京大学病院および金沢大学病 院では学術情報ネットの専用回線を経由し,それ ぞれホストコンピュータとして富士通FACOM-
M760および日本電気ACOS630を使用したホス ト間通信により,ファイルの転送を行った.
UMINのテスト運用システムに登録したAD-
MICSのファイル(約530KB)をダウンロードす るのに要した時間は,島根医科・大学におけるパソ コン通信で約85分,金沢大学におけるホスト間通 信で約19分,東京大学でのホスト間通信で約12分
大学通信方法(機種)時間(分)
パソコン(FMR70-HD)
ホスト(FACOMM760)
ホスト(ACOS630)
島根医科大学 東京大学 金沢大学
529 811
(527KB)
であった(Tablel).ホスト間通信はパソコン通 信に比較して約4~7倍速いことが判明した.パ ソコン通信あるいは日本電気および富士通のホス トとUMINのセンターコンピュータとのホスト 間通信において通信障害は生じなかった.島根医 科大学のパソコン通信によって転送したADMI-
CSおよび東京大学のホスト間通信によって転送 したADMICSの行末端の保護を解除し,LHA およびishfileconverterを用いて実行用ファ イルに復元したところ,それらのADMICSは PC-9801で正常に作動した.しかし,金沢大学で は端末がパソコン端末でないためにホストコンピ ュータとパソコン間のファイルをオンラインで交 換することは不可能であった.そこで,ホストコ ンピュータとパソコン間のファイル交換のソフト として,日本語ファイル・コンバータJF-TRAN⑰
(エージーテック)を使用した.これを用いてホ ストコンピュータに転送されたファイルをMS-
DOS形式に変換したところ,PC-9801でAD-
MICSは正常に作動した.
3.システムの共通化
各大学の異なった機種のパソコンで相互に利用 するシステムをUMINによって提供するために は,できるだけ互換性の高いシステムを開発する 必要がある.UMINのテスト運用システムへ登 録したADMICSのシステムは,MS-C(Ver、4)
を用いてPC-9801用に開発されたシステムであ り,他の機種のパソコンでは使用できない.これ は,ADMICSのシステムで用いられているグラ フィック機能あるいは外字などが他の機種のパソ コンでは使用できないためである.そこで,各大 学においてオーダリングシステムの端末機とし て比較的多く用いられている富士通のパソコン FMRでも使用できるように,システムの共通化
病院薬学VOL19,No.3(1993) 251
A)PC9801用システムファイル
coMMAND・COM,ATOK6A、SYS,AToK6B・SYS,pRINr・sYs B)FMR用システムファイル
COMMAND,COM,OAKO・SYS,OAKLSYS,GDS、SYS,GDSHX・SYS,SCHCOPY・SYS,CTL.SYS C)PC-9801およびFMR各々に専用のファイル
ADMICSBAT,YURKLEXE,CONFIG・SYS,CALC1,IVH・PIC,CALCl・FRM,CALC2,CALC2、FRM,CALC3,CALC3・FRM,
Suc、.HLP,CALC.HLP,KINPUT.HLP,KIHON.HLP,KoNcHu.HLP,KEIsAN.HLP,ADMIcSHLp,LOAD、HLp,ASsIT・HLp,
HAIGo.HLP,sHoHIN.HLP,INDEXHLP,YosoKUHLBoHrEST.HLP,SAVE.HLP,SHoHO・HLp,YuTORo・HLp,AsSIsT・INC,
ASSIST・PIC,KIHON・INP,SUCUCH」NP,HAIGOlNP
D)PC-9801およびFMRに共通のファイル
MASTER・MGR,AUTOEXEC・BAT,HELVB.FON,CALCDOC,IVH・FRM,HENKACD.HLP,DAIBUNHLP,HELP・DOC,
HoJo・HLp,PRINT.HLP,YuEKIcDHLP,USER,HLP,BuNMEN.HLP,YAKKo.HLP,cAuTcD.HLP,YoKIcD・HLp,
ABUN.HLP,YUEKLHLP,RIKKACD.HLP,COLORCD.HLP,SYOKEN.HLP,SENTAKU.HLP,YUEKLMNU,HAIGO・MNU,
HOJYO・MNU,KEISAN、MNU,MAIN・MNU,MENU・DOC,PRT・MNU,YAKKOU、MNU,INPUT・DOC,YUEKLMTR,
PHSN、CNT,BUNKEN,MTR,RIKKA、MTR,BOITLEPTN,TILE、PTN,BOITLEMTR,YOSIKU・MSG,EMRMSG・MSG,
HAIGo、PRT,TIMEALcNT,PHAL、CNT,TIME・CNT,MASTER・DOC,HENKA・MTR,COLOR・MTR,cAurloN・MTR,
CHANGE,MTR,TIMESN・CNT,TREAT・MTR,YAKKOU、MTR,YAKSUB・MTR,DATAEMGR,DATAEDEF,
KUSURLDAT,KIHONDAT,HAIGO・DAT,YUEKLIDX,YAKKOU・IDX,SHOHIN,IDX
Fig.2.PC-9801およびFMR用ADMICSのファイルの共通性 を行った.
データ部分をのぞいて,プログラム中でグラフ ィック機能を制御することが可能な言語(MS-C Ver、6)を使用し,PC-9801用のシステムを作 成した.この新しく作成したPC-9801用のAD-
MICSにおいては,全ファイルのうちPC-9801 およびFMRの両機種において共通して使用でき るファイルの容量は,全体のファイルの容量の約 7割である.それ以外は,使用する辞書および画 面の枠を表示する文字コードなど,MS-DOSの システムとしてFMRと共通性のないファイルが ある.また,PC-9801のグラフィック機能は FMRとの仕様が大きく異なり共通性がない.さ らに,ファンクションキーの機能など両機種のハ ード面の差異のため共通にすることができないフ ァイルもある.
このようなファイルは,内容を一部変更したり あるいは内容をすべて新しく書き直すことによっ て,FMR用のファイルとした(Fig.2).さらに,
PC-9801およびFMRに共通して利用できるフ ァイル部分とそれぞれの機種に専用の部分とを組 糸合わせ,PC-9801およびFMRシリーズ専用フ
ァイルに分けてデータファイルとともにUMIN へ登録した(Fig.31
*輸液情報コンサルテーションシステム(ADMIcs)
1.ADMlCDATバッチファイル、共通ファイル 2.DATAISHデータファイル
3.PC-AnlSHPC-9801シリーズ専用ファイル 4.FM-ADjISHFMRシリーズ専用ファイル
*ファイルの通信ツール
5.XISH10qDATツール作成用初期ファイル 6.ISH111EISHツール作成用中間ファイル 7.ISH203JSHバイナリーテキスト変換ツール
&LHA、ISHファイルの凍結・圧縮用ツール E、終了
Fig.3.ADMICSおよび通信ツールの転送画面 4.通信ツール
バイナリファイルの転送機能がないUMINに ADMICSのファイルを登録する際に,アーカイ バとしてLHAおよびバイナリーテキスト相互変 換用ツールとしてishfileconverterを使用し た.UMINから転送したADMICSのファイルは これらのツールを用いて実行用ファイルに復元す る必要がある.これらの通信ツールは,NIFTY- Serve,ASCIINET,PC-VANなどのパソコ ンネットワークでバイナリファイルの通信プロト コルB-plusあるいはX-MODEMを用いるこ とにより,フリーソフトウェアとして入手可能で ある.しかし,すべての大学病院においてパソコ ン通信が行われているわけではない.したがって,
UMINからファイルを転送する際に,これらの
I
DEBUGEXE
Fig.4.通信ツールの復元法
dLDM-BATAD
Fig.5.ADMICSの復元法
(XISHDAT)とバッチファイル(ISHBAT)
に分ける.次に,XISHDATをシンボリックデ バッガーで処理し活性型のXISHCOMファイ ルにする.ISHBATを起動することにより自 動的にXISH・COMを介してLHA・ISHおよび ISH111E・ISHとISH2031SHからそれぞれの 実行用ファイルであるLHA・EXEとISH203・
EXEが作成される(Fig.4).これらの通信ツー ルは,転送した後,約5分程度で復元することが 可能である.
5.システムの復元
UMINから転送したADMICSのシステムを ツールも同時に転送することができれば最も都合
がよい.しかし,バイナリファイルの通信が不可 能なUMINにおいて,バイナリファイルである LHAおよびishfileconverterを転送するこ とは,理論的に矛盾している.そこで,パソコン 通信の初期に行われた方法を参考に,UMINに おける通信ツールの転送法を検討した.
LHAおよびishfileconverterをADMICS と同時にUMINに登録した.UMINからこれら のファイルを転送し,復元操作の説明文を含む元 ファイル(XISH100DAT)をエディターを用い アセンブラー言語で記述された不活性型ファイル
LHA、ISH , ISH111E・ISH, ISH203・ISH XISH100,DAT
UMIN
S
FLLi1J
PC-AD・ISH(FM-AD・ISH), DATA・ISH ADMICDAT
UMIN
A モー、子…
病院薬学VOL19,No.3(1993) 253 利用するには,ファイルを提供する前の状態に復
元し,各ファイルをその作動環境に設定する必要 がある.そこで,バッチファイルを作成し,自動 的にシステムを復元する機能をADMICSのファ イルに追加した.UMINからADMICSのファ イルを転送し,そのなかのADMICDATをエ ディターでバッチファイルであるADMBATと PC-9801およびFMRの両機種に共通のファイ ル(データ除く)で構成されているADM・ISH に分ける.次に,バッチファイルADMBATを 起動させると前述の通信ツールLHAEXEおよ びISH203EXEによって,PC-9801専用のPC-
ADISHあるいはFMR専用のFM-AD・ISH,
両機種共通のADM・ISHおよびデータDATA,
ISHが実行用ファイルに変換され,さらに必要な ディレクトリが作成された後,ファイルがそれぞ れ必要なディレクトリに格納ざれ作動する環境に 設定される(Fig.5).この作業は自動的に行わ れ,システムを復元するのに要する時間は約13分 程度である.
terを用いてアスキーのJIS7コードに変換して 通信を行った.これにより,文字化けなどの通信 障害を全く生ずることなくファイルの転送を行 うことができた.また,これらの通信ツールも UMINから転送し利用することも可能になった.
各大学で使用しているパソコンはすべて同一で あるとは限らず,異なった機種のパソコンでも利 用可能なシステムを提供することが必要である.
そのためには,できるだけ互換性の高いシステム を開発すると同時に,異なった機種のパソコンで も共通して利用できるファイル部分とそれぞれの 機種に専用のファイル部分とを分けて提供するこ とが重要となる.これにより,利用者が使用する パソコンの機種に対応して必要なファイルを効率 的に利用することが可能であり,また,提供者側 もシステムやデータのメンテナンスを効率的に行 うことが可能となる.また,提供するシステムに そのシステムを再構築するためのバッチファイル を添付することにより,専門的な知識が無くても 有用なデータベースの利用が可能となり,提供さ れたシステムを多くの施設で復元して利用する際 に重要である.
今回の検討により,1)ファイルの登録および転 送には通信ツールを用いる,2)異機種のパソコン でも利用できるように互換性の高いシステムを開 発する,3)専門的な知識が無くてもシステムが利 用できるようにバッチファイルを作成する,など の工夫により薬剤情報のシステムあるいはデータ をUMINを介して相互に利用しうることが明ら かとなった.島根医大病院ではADMICSをオー ダリングシステムの端末へ移植することをすでに 試ゑている⑪.薬物療法において輸液および注射 剤の利用頻度は高くなり,それらが併用される場 合が多い現在多くの大学病院で稼働しているオ ーダリングシステムの端末にADMICSを移植す ることにより,薬剤|fllliからの配合変化情報など の提供あるいは病棟をはじめとする診療部門で ADMICSの機能が活かされれば,より適切な薬 物療法を行う上で役立つものと考えられる.
現在,薬剤小委員会ではし'二1毒情報,薬品識別情 報,Fill作用'情報および治験用薬剤、情報についての おわりに
現在では,全国の国立大学病院においてオーダ リングシステムが取り入れられるようになり,オ ーダリングシステムをサポートするための薬剤情 報に関するシステムの必要性が増している.この ような点から,薬剤情報に関するシステムあるい はデータベースの開発について相互に協力するこ とは,より良い医療の向上につながるものと考 えられる.そこで,ADMICSをモデルとして,
UMINによる薬剤,情報の共同利用の方法につい て検討した.
UMINは,東京大学病院のセンターコンピュ ータに各大学の異なった機種のホストコンピュー タを接続している点およびバイナリファイルのプ ロトコルを有しない点など現状のパソコン通信の ネットワークなどとは異なったネットワークを形 成している.これまで,UMINのホスト間通信 においては漢字の文字化けが報告されている5).
今回,漢字データおよびバイナリデータを,LHA を用いてファイルを圧縮した後ishfileconver-
悦郎,中村幸一,伊賀立二,中川富士雄,開原成 允,中島新一郎,古川裕之,二橋純一,林英一,
木邑道夫,門林宗男,笘野陽彦,西村久雄,見元 尚,牧野和隆,第9回医療情報学連合大会論文 集,pp、157-160,1990.
3)開原成允,桜井恒太郎,折井孝男,大江和彦,フ アルマシア,26,1018-1022(1990).
4)輸液情報システム研究会,これからの輸液療法の 指針と考え方ADMICS,大塚製薬株式会社,東 京,1988.
5)二橋純一,姉崎健,藤井喜一郎,内藤恭嗣,田 中博,菅野剛史,平成元年度国立大学附属病院 医療情報処理部門連絡会議総会プログラムおよび 医療情報システムシンポジウム・ワークショップ 演題抄録集,ppユ40-142,1990.
6)片桐義博,西村久雄,小村直之,岩本喜久生,病 報および治験用薬剤情報については近いうちに提
供される予定になっている.今後とも,各大学病 院がUMINで提供・利用するシステムやデータ ベースなどを相互に協力して作成することによ り,UMINがさらに有用なネットワークに発展 し,各大学病院の薬剤業務の効率化とレベルアッ プに大きく貢献すると考えられる.
謝辞LHAを作成された吉崎栄泰氏,ishfilecon- verterを作成された石塚匡哉氏,ADMICSを提供し ていただいた大塚製薬ならびに登録に援助された元 UMIN事務局の小島基之氏に謝意を表する.
引用文献
大橋靖雄,入江五朗,大槻昌夫,里村洋一,開原 成允,山内-信,高橋隆,井上通敏,平川顯名,
森忠三,北添康弘,野瀬善明,浅野正一郎,石 田晴久,第8回医療情報学連合大会論文集,PP、
365-368,1988.
1)
院薬学,16,211-214(1990).