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砂防計画における流出土砂量推算に関する考察

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Academic year: 2021

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(1)

砂防計画 における流 出土砂量推算 に関する考察

A ReⅥ

ew

n   n O . 奥 村 武 信※

Estimation of Sediment Transport and Dervary

Debris and Sediment ControI PIans

Takenobu O KUMURA※

Summary

Plans for debris and sedinent control are characterized by the quality of estimating the sediment discharge or the‐ rate of sedinent yield and trans― pOrt. Therefore, plans have been estabhshed in various methods estimating the values.

In this paper, these methods are revie、ved and evaluated after the fono、 v_

ing conception: The process of sediment transport or delivary is subieCt tO l)the amOunt of a■ /ailable sedlments,2)tlle competence of streams in trans― porting sediments,and 3)the resiStance of sediments against transportation. Ancl the vahd estimatioA should take up these aspects coordinately with com― parable accuracy, even if insufficient respectively.

I

まえが き

砂 防計画 を流 出土砂量 において定量的に取 り扱か うことは

,1951年

に発表 された木村弘太郎のレ 防計画樹立 に対す る構想

J以

降通例 の こととな った。砂 防計画全体の好 し悪 しを左右す るのは

,

この 計画の対象 とな る基本 的な土砂量の把握の的確 さで ある とい えるも したが つて

,

この量のよ り正確な 把握 にむか って多 くの努力が払 われて きた。 しか し

,土

砂の生産

,流

出の現象 には多 くの要 因が関 与 し

,

しか も要 因相互がまた関連 し合 ってお り

,

さらに現象が非定常で再現性に乏 しいために

,流

出土砂量 考論理的に系統 だ って組み立てた手法 によ り決定す ることは非常 に困難である。それで

,現

在 まで に種 々の流 出土砂 量推定 の手法が提案 さ れ

,計

画立案 に利用 されて きた。 本文で は

,最

大洪水流砂量 あるいは年平均流出土砂量決定の手法の うちに

,土

砂流 出現象 の理解, 土砂流 出の取 り扱いを概観す る。

※ 鳥取 大学農学部砂 防工 学研 究 室;Laboratory of Erosion Control,Fac.of Agr.,Tottori Univ.,Tottori 680

(2)

信 村 その手法はま さに多岐にわた るので簡単 には類別で きないが

,以

下の よ うに分類 して

, 2,3の

考 察 を加 える。

(1)流

出土砂量の既往 実績資料の修正 による方法

(2)(生

産土砂量 )× (流出率)によ る方法

(3)流

出土砂量推算式 による方法

(4)流

量∼流砂量 によ る方法 ―― 水理学的手法

(5)地

形変化 に もとづ く方法

(6)そ

の他 つ ぎに

,

山腹で生産 された土砂量が ある計算点に到達す るまでに経て くる山腹・河道等 での貯留過 程 を詳細に考慮 した計画論あるいは計画例 について考察す る。 そ して最後 に総括 的に筆者の考 えを述べ ることにす る。

計画対 象 土砂 量 決定 の手法

計画対象土砂量 は

,洪

水時流出土砂量 あるいは年平均流 出土砂量か ら許容流砂量 を控 除 した もの と なろ うが

,こ

こで は主 として前

2者

の決定方法について考察す る。

また

,計

画の基本を洪水時流出土砂量におくか

,年

平均のそれにおくかの長い議論に示されるよう

,時

系列の概念が土砂流出現象の理解に入ってこなければならないが, ここでは時間の扱かいは一

応措 くことにする。

1.流

出土砂量 の既往実績 資料 の修 正 による方法

木村は

,流

域の現状における最悪の状態を仮定したときの洪水時流砂量すなわち「最大洪水流砂到

の決定手法の 上つとして

,「

実測法」を挙げ

,「

災害時に

,あ

る地点以下に流出した土砂量を測定し

,

これを最大計画雨量に結びつけて訂正する。」と説明していると

) 砂 防事業 と くに直轄砂 防事業の対象河川 はほ とん ど過去 に大規模な土砂災害をこうむ っているか ら, この手法はま った く初歩的であるけれ ども確かな説得力を有す る。 この「 実測法」 を基本にお く好例 として

,建

設省六 甲砂 防工事事務所の計画土砂量が挙げ られ る

?

住吉川 を含 む表六 甲諸河川 は

,1938年

の阪神間災害時に多量の土砂 を流送 し

,都

市域 に甚大な被害 を もた らした。住吉川流域で

,市

内堆積量

,山

地堆積量

,海

河 口堆積量および総堆積量は

,そ

れぞれ

1,543,26,160,1,729×

103″

と実測計算 された

?こ

の数 字 を基 礎に して

,当

時の最大時間雨 量

60,8翻

と計画時間雨量

80翻

との比,お よび実測時 に山地 とされた面積 と計画基準点流域面積の比 で修正 した値 に近 い数字 を最大洪水流砂量 としている。 木村 は もう1つの手法 として,

(1平

方粁 あた り流 出土砂量 )× (集水 面積)

(3)

-1

既往大災害 にお ける流送土砂量調査結果(矢野義男によ る) 災 害 名 山地1瘍あた り 流送土砂量103ガ 害 次 災 年 山地1瘍あた り 流送土砂量103ガ 害 次 災 年 阪神間災害 休 甲) 呉

害 赤 城 山周 辺 災 害 錦 川 災 害 亀 岡 災 害 南 山 城 災 害 阿 蘇 災 害 有 田 川 災 害 門 司 災 害 安 曇 川 災 害 大 戸 川 災 害 猪 名 川 災 害 小 丸 川 災 害 会 津 若 松 災 害

50∼ 70

10∼ 15

50∼ 70

10∼ 20

10∼ 15

50∼ 70

90∼ 100

70∼ 80

30∼ 50

30∼ 50

30∼ 50

10∼ 15

50∼ 60

20∼ 30

・3 20 22 26 〃 28 〃 ″ 〃 〃 〃 〃 29 3. 昭 兵 庫 広

島 群

馬 山

口 京 都 熊 本 和 歌 山 福

岡 滋 賀 庫 崎 島 兵 宮 福 諫 早 災 害 瀬 戸 災 害 阿 知 川 災 害 中 津 川 災 害 金 峰 山 災 害 狩 野 川 災 害 富 士 川 災 害 福 岡 県 北 部 災 害 伊 那 谷 災 害 長 岡 災 害 多 良 災 害 西 谷 災 害 根 尾 災 害

50∼ 90

20∼ 30

10∼ 15

10∼ 15

20∼ 30

20∼ 30

20∼ 77

10∼ 30

100∼ 150

30∼ 50

10∼ 70

100-150

30∼ 90

B832 83 34 36 37 40 長 崎 愛 知 長 野 岐

阜 貪重 ノに 静 岡 山 梨 福

岡 長 野 新 潟 佐 賀 福 井 岐 阜 砂防計画 にお ける流出土砂量推算に関す る考察 な る「 推定法」 をあげてい る♂矢 野 義 男 が その著 書で

,過

去 の 災 害 時に行な った調査 の結果 として 表

-1を

掲 げ

,「

地質的に類似す る流域 では

,や

は りこれ ぐらいの 流 出土砂量が あると考 え」

,そ

れ を異常洪水時の流出土砂量 とす る ことを説 ぎ

)1976年

に改 正 され た河川砂防技術基準が

,土

石流 区 域 およ び掃流 区域 にお ける計画洪 水時流 出土砂量 を決定す るに際 し て資料がないばあいは

,表

-2に

示 す値 を適宜伸縮 して用い ることを説 いてい る5)のは

,こ

の推 定法のための 目安の値 を与えるもので あ る。 この よ うに過去の災害時資料 を目安 として計画土砂量 を決定す ることが

,

と くに府県砂防の場合多 いよ うであるが

,そ

の数字の適用 に際 して留意すべ き点がい くつか ある。 第

1に

,拘

杞芳彦 も述べ てい るよ うに

Pそ

れが特異な事象でなか ったか否か を検討 しなければな ら ない。 第

2に

,こ

れ らの数字が いかな る面積移対象 とした調査結果であるのか

,

と くに生産土砂量がいか 表

-2

河川砂 防技術基準に示 された計画流出土砂量 地 域 地 質 条 件 計 画 流 出土砂量103″

/瘍

/1洪

備 考 土 石 流 区 域 花 筒 岩 地 帯 火山噴出物地帯 第二 紀 層 地 帯 破 砕 帯 地 帯 その他 の 地 帯

50∼ 150

80∼ 200

40∼ 100

100-200

30∼ 80

標準流域面積 1筋 流域面積が10倍の場合05倍 ″

1/10

″ 3倍 程度 とす る。 掃 流 区 域 花 筒 岩 地 帯 火山噴出物地帯 第二 紀層 地 帯 破 砕 帯 地 帯 そ の 他 の 地帯

45∼ 60

60∼ 80

40∼ 50

100-125

20∼ 30

標準流域面積10瘍 年超過確率 1/50 年超過確率1/100の場合 11倍 ,流域面積 による修 正 は上記 と同様

(4)

士 → なる貯留効果を受けた後の流出土砂量であるかを検討 しなければならない。表

-2で

は一応の対象流 域面積が示 されているので

,小

流域 ごとに補助基準点を設定 して対処す るにして も

,計

画基準点に到 るまでに受ける貯留効果が的確に評価で きなければ

,結

局は「単位面積あた りい くらとい った大雑把 な ものでは不満足 といわねばな らない。」のとい う

,計

画立案に実際に携わる者の述懐に落ち着 くこと になろう。 実績資料か ら単位面積 あた りの流出土砂量を求めて これを利用する手法は

,年

平均流出土砂量の決 定にも使用 され る。 たとえば

,建

設省吉野川砂防工事事務所では

,対

象流域内あるいは近傍流域に散在す る高ダムで毎 年測定 されてい る堆砂 量測定値か ら流域平均 の比流砂量 を求 め

,基

準地点の年平均流送土 砂量決定の基礎 として い るP この よ うな貯水池堆 砂量か ら求めた年平均 比堆砂量 は

,後

に述べ る多 くの流 出土砂量堆 算式 を誘導す るための 基礎 にな ってい る。 ま して

,対

象流域 内あ る いは近傍流域 に多 くの 高 ダムが あ る場合

,そ

の堆砂量 に基づいて対 象流域 か らの流 出土砂 量 を決定す る方法は, た しか に有効で

,説

得 力 のある手法であ るけ れ ども

,そ

の際留意 し なけれ│ゴな らなぃ点力ゞ い くつかある。 第

1に

,上

流貯水池 の存在や

,堆

砂 の進行 表

-3

吉野川水系砂防における年平均流送土砂量 河 川 名 流 域 面 積 単位面積あた り年 平 均 堆 砂 量流送土砂量平 均 備

考 吉野川本川 穴 肉 川 銅 山 川 祖谷川本川 松 尾 川 瘍

7346

865

1069

2693

967

E/筋/争eal l,000 4,676 1,118 1,375 3,737 V、ear 734,500 404,474 119,514 370,287 361,368 銅 山 川 資 料 穴内川ダム資料 柳瀬 ダ ム資料 名 頃ダム資 料 松尾川ダム資料 計 1,2 940 2,000,000 図

-1

吉野川上流水系図 (ハ ッチ部分が計画対象流域)

(5)

F I I I I I I ト ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー L 砂防計画 における流 出土砂量推算に関す る考察 に伴 な う流砂捕捉率 の減少 を考慮せず に

,あ

る貯水池 の堆砂資料か ら機械的に比流砂量 を算定す るこ とは

,不

的確な推定値に結果す る可能性が ある

?た

とえば

,銅

山川 の極l瀬ダ ム

(集

水面積

170肝

)の 上流 には

,か

な り離れてい るけれ ども

,総

貯水量

560万

プの別子 ダム

(28筋

)が

あ る。 このよ うな ばあいには

,柳

瀬 ダ ムを含 めた上流域 にある貯水池群 の堆積土砂量の総計 を もって

,柳

瀬 ダ ム地点 に お け る年平均流出土砂 量 とす る必要があろ うし

,柳

瀬 ダムの流砂捕 捉率が

10に

近 い こ とが前 提 とな る。 第

2に

,た

とえば流域面積

28,0所

の名頃ダム

,264溺

の松尾川 ダムにおける調査結果 を

,そ

れぞ れ

269筋

の祖谷川本川

,97所

の松尾川 に引 きのばすばあい

,比

流砂量 に強 く関与す る流域の崩壊面 積率 な ど

,比

較的定量イヒしやすい因子 で

,調

査 区域 と適用区域が同一条件であ ること考確かめてお く 必要が あろ う。 とくに

,柳

瀬 ダム

,穴

内川 ダ ムな どダ ム流域が適用流域 か ら離れてい るばあい

,

この 確認 はなお さら欠かせ ない。 た とえ

,同

一条件であ った として も

,比

流砂 量が流域 面積 の増大 に伴 な って減少す ることはよ く知 られて い る事実で あるか ら

,

この点での配慮 を行な う必要が ある。 第

3に

,高

ダムの堆砂量調査 は

,有

効貯水量 の減少 を知 るために

,満

水面以下の貯水域 での堆砂量 に主眼がおかれてい るので

,貯

水池末端部満水 面上 の堆砂が十分に算入 されてい るか 移検討 してお く ことは

,砂

防で問題 に しな ければな らない粒径 の土砂が この部分 に多 く堆積す ることか らして

,ゆ

る がせ にで きない。 第

4に

,比

較的短期間の調査による ものであるか ら

,当

該 期間中の 出水状況が計画期 間中のそれ を 十分 に代表で きる ものであるか を も検討 し

,あ

る種の修正 を加 えることも必要であろ う。 以上

,流

出土砂量の既往実績資料 を修正 して対象土砂量 を決定す る手法 について述べ たが

,

この手 法 は土砂流 出の過程 に対 す る検討 はほ とん ど行なわず

,流

域 の大小

,降

雨量の多寡 によ ってのみ乗 除 す るきわめて初歩的な手法で ある。

2. (生

産土砂 量

(流

出率

)に

よ る方法

木村は最大洪水流砂量推定の一法 として

,(1)式

(1平

方粁あた り流出土砂量

)を

崩壊土砂量とそ

の流出率に分解 した

(1平

方粁あた り崩壊土砂量)× (流出係数)× (集水面積) なる「推定法

Jを

あげている。木村が砂防計画に必要な土砂量 として崩壊土砂量をと この式が念頭にあったか らであろう。 (2) の は, 流出係数について木村は「集水面積が小 さくて河床勾配が急なばあいには

,崩

壊土砂量をはるかに 上まわる流出土砂量 とな り

,流

域面積が大 きく流路延長の長い流域では流下の途中で調節 され流出土 砂量は崩壊土砂量よ りも減少するものであって

,流

出係数は0.2∼5ぐ らいであろう。」と推定 してい る。この考え方は正 しいが

,係

数の決定あるいは選定にあた っては非常に直感的な点を残 している。

(6)

信 ところで木村の この式 は

,洪

水流砂量 をすべ て崩 壊土砂量 にむす びつ けてい るのであ るが

,新

沢直 治は崩壊土砂量 と渓間堆積量の

2つ

か ら洪水時流砂量 を推定 しなければな らない と論 じ,

V=ClK tt C2P

ここに

,V;洪

水 流砂 量

,K;崩

壊量

, P,渓

間堆 積 量 Cェ;崩 壊 係数

, C2;堆

積係 数 な る推定式 を使用 して いる:)こ こで崩壊係数

,堆

積係数 と名付 け られた ものは

,そ

れぞれ崩壊土砂, 堆積土砂 の流 出係数の意味であろ う。 この式は

,砂

防計画 をたて るばあい

,洪

水流砂量 を知 るだ けでは不十分 であ り

,崩

壊 によ り生産 さ れた土石 を主 とす る ものか

,渓

間堆積物の移動 を主 とす るものか を知 ってはじめて 山腹工

,床

固工, 堰堤工 な どの組 み合 わせ方が決 まる とす る論か ら発 してい る。それは同時 に

,本

村が計画 に必要 な土 砂量 としなが ら:)「 移動土砂量」 を洪水流砂量推定式に組み入れずに

,崩

壊土砂量 に乗ず る流 出係数 を大 きくとることで処理 していたの に比較す ると

,現

象 をよ り詳 しく追尾す るものであ る。河床堆積 物 を流 出土砂源 として算入すべ しとす るこの論 は

,1969年

か ら進め られた砂防計画の再検討期 にお いて見直 され

Pそ

れ以降

,不

安定土砂量 な る語が しば しば使用 され るよ うにな った。 ところで

,新

沢 は この係数について

,1)崩

壊量 も堆 積 量 も多 く

,そ

の両者に大差のないばあぃ,

Cl=02∼

0.5,C2=0,1∼

0.3,2)渓

床岩盤が露 出 してい る様な急勾配の渓流

(K》

P)で

は,

Cl=04∼

0.8,C2∼

0,3)洪

水時に新規崩壊がな く

,長

年月間に堆積 した土砂のみが流 出す る 渓流で は

,K=0,C2≧

1・ 0と見積 もってい る♂)し か し

,第

3のばあいの係数は不合理である。「 小 支渓 の渓床 に堆積す る土砂 は山津波 を発生 しやす く

,猛

烈な縦横浸食 を伴 う」 ことを

,C2塗

1・0と す る理 由にあげてい るが

,K《

Pで

あれ ば

,洪

水 時 に渓床堆積物のすべてが流出す るのが一般的現象で あ るとす る論には疑問が ある。流出土砂量の源泉 として

,河

道浸食量(現今の不安定土砂量 を越 える 部分 )を 算入す るべ きだ と筆者 も考 えるし

,ま

たその量の推定 も堆積量の伺倍 とい った と り方 しかな いか も知れない。けれ ども

,一

般 的に

,K=0,C2≧

1,0と す るのでな く

,あ

くまで も

C2≦

10で

あ って

,第

3項

として

,河

道浸食量

C3Pを

列挙すべ きで あると考 える。 この新沢の提案 した手法は

,新

沢 自身が那須 山地の砂防計画に│のまた椙本吉郎が

1953年

災害後の 筑後ナII上流玖珠川流域 の砂防計画ll)において適用 している。 木村 の流 出係数や新沢の崩壊係数

,堆

積 係数は

,河

床状況

,流

域状態の観察か らか な り直感的に決 め られ るものであるの に対 し

,柿

徳 市は「 土石流下率

Jと

名付 けて

,で

きるだ け客観的な係数 に しょ うと努力 した。 ここで は

,防

災 ハ ン ドブ ックに引用 されてい るlD利根川水系直轄砂防計画 を例 に して, この手法について

,2・

3考

察 して み る。 柿 は

,各

年の流 出土砂量 の経年変化 を示す「 流砂量曲線」の変動の様相 に拠 って

,流

出土砂の処理 計画 を変 えねばな らない との論 を展開 した。そ して

,河

川砂 防技術基準 にい う年 平 均 流 送土 砂 量13) 武 奥

(7)

砂 防計画 における流出土砂量推算 に関す る考察 (柿 はこれを周年平均流砂量 と呼んだ )の ほとんどが数

10年

に1度とい った異常な土砂生産,流出が 生起す る年の流出土砂量によるものであって

,平

年流砂量は至 って少ない河川 (体 眠性河川 と名付け た

)に

対 しては

,最

大洪水時の流出土砂量の処理に主眼をおいて

,ダ

ムの貯砂能力および調節能力に 期待す る「 間接―調節方式」の計画 をたてるべ きであるとした。 したが って

,利

根川水系を休眠性河川 と類別 した この計画における計画対象土砂量は洪水時流砂量 である。 柿は

,「

間接 ―調節方式」によ り処理すべ き土砂量「 ダム計画堆積土石総量」を次式で与え

,こ

れ を「砂防基本式」 と呼んでいる。

Va■

一〔

′ギ移イ

T tt

σ

脱〕

×

1ぼ

,は

「最大土石生産率

Jす

なわち計画降雨時の単位面積あた りの上石生産量ある いは崩壊土砂量

(106ガ /瘍 )で

あ り

が「 土石流下率」すなわ ち生産土砂量に対する流出土砂量の比であるか ら,

この積に流域面積

A(筋

)を乗 じた,・ β・

Aは

木村の推算式(2)に1よかな らない。εaは「許容合砂率」

で σが比流量であるか ら

,A.妬

'TCa・ 9'ιは洪水期間中の許容流砂量総計である。柿は

,P,β,Caが

知量であ り十分吟味されなければな らないと指摘 している。 利根川水系砂防計画 をたてるに際 して

,土

石生産率

2は

, 1952∼

56年

に行なわれた全国主要河 川水源 山地におけ る崩壊 と土砂生産, 流 出の実態調査の 成果 を もとに

,地

質区分 ごとに

,利

根 川 水 系での

50

年確率雨量

150∼

300″

π

/dayを

去の記録 に もつ, 地形条件が利根川 水系 に比較的類似 した流域での実績 か ら導 き出 した表

-4に

示す値 を使用 している。 この値の決 め方14)を こまか く見 ると多少の問題 も含んでいるが

,各

支 流域の上砂生産量は各地質の分布面積にこの表の値 を乗ずれば求まるわけである。 ところで

,

この生産土砂量(土石生産率)につ いては

,そ

の後多 くの勢力的な調査

,解

,研

究が 進め られて きてい る。た とえば

,村

野義郎 は

1961年

天竜川災害時における崩壊調査の結果 につ いて, (95) 表

-4

利根川水系砂防工事区域の地質分類 と最大土石生産率P 地 層 名 所 属 岩 石 名 最大土石生産率 水 成 岩 類 古 生 層 秩 父 古 生 層 秩父 古生層(石灰紀∼二畳紀)

003∼ 0075

長 瀞 変 成 岩 類 ホルンフェルス,秩父古成層変成部

0025

中 生 層 ラ 層 ュ 己

, ジ

, 自

南蛇井層,岩室層,古白亜紀層

0020

第二紀層 古 第 三 紀 層 御坂層

0015

新 第 三 紀 層 富岡層および他の新第二紀層 第 四 紀 層 洪 積 層 火 山 性 堆 積岩 各種熔岩類および火山砕暦物

0120

水 成 性堆積 岩 火 山灰層および洪積層 沖 積 層 沖積層

0010∼ 0005

火 成 岩 深成岩類および半深成岩類 花筒岩,閃 緑岩,斑岩,ひ ん岩

0030

噴 出 岩 類 流紋岩,安山岩,玄武岩

0030∼ 0070

(8)

信 奥 地質

,各

種の地形要因その他の流域特性

,雨

量 と

,崩

壊面積

,個

数 に関 して詳細な検討 を行ない

,興

味あ る結果 を得 た し17)打荻珠 男は集 中豪雨時の上砂生産量 をとくに雨量 と結びつ けて推算す る式 を提

案した∵

)ま

,西

畑勇夫らは天竜川上流域の

1961年

災害時およびその後の崩壊調査結果から

,地

類型

,流

域の平均傾斜度

,雨

量階によって崩壊生産量を推定する図表を作成し

,佐

久間

,秋

葉両ダム

流域においてその適合度を検証したピ

)け

れども,未 だ普遍的な数値を与えるには至っていない。

柿は

,土

石流下率′を洪水流量推定の合理式に使用される流出係数の概念で推定することを試みた。

すなわち「 降雨量のうちピーク流量に寄与する量の比率」を示す流出係数に対して

,「

生産土砂量の

うち流域末端に流出する土砂量の比率

Jを

示す土石流下率という類似である。そして柿は

,河

川工学

便覧に書かれている「物部公式によれば

Qは

(■

/そ

)。4/を

考に比例するか ら……比流量卿よを考に逆

比例する。 ……立 はほぼ

A形

に比例する。…・結局

TはAを

に比例することになる。」

2oを

引用 して, β

をつぎのように計算 している。

「一般に流域面積が 5筋 以下で

,渓

床勾配が

1/10ょ

り小さい急な小渓流では

,生

産土石の殆ん ど

100%が

土石流となって流下する。」ことを根拠に, この流域面積

,渓

床勾配を基準とした流域面積

係数

aな

らびに渓床勾配係数

iを

,そ

れぞれ次式によ り算出し

,土

石流下率 βはこの両者の積で表現

できるとした。そして,(6),(7)式 を

「流域面積係数曲線」

,「

渓床勾配係数曲線」 として表示 した。

β

=a×

i

t:三 :'(A///5/

:好

i=(I1/L/010)04

ここに

,A;流

域 面積

,H;流

域最大起伏量

, Li最

長流路延長 (5) (6) (7) さて, Q∝ (H//を)04/を 懸

(8)

に もどって考察 してみよ う。 物部公式 とは

Q=0,2778デ

・r・

A

デ,流出係数

(9)

であ り

,洪

水到達時間中の平均雨量強度rは詳 細な資料が得 られないばあぃ

,

日雨量rっ

4か

r=チ

(千

で推定す る。洪水到達時間

Tは ,Rtthaの

洪水到達速度の式

W(km/hr)=72(■

/を

)06 ここに

,を

;最 上流端か ら計算点までの河道水平距離

,H;そ

の落差 を用 いて

T(hr)=を

//舗

(9)

砂 防計画 にお ける流 出土砂量推算 に関す る考察 か ら求 めるとされてい る。 (9)∼ (12)式 か ら

,比

流量 につ いて

q∝

r24(■

/を

/rを

とな るので あ って

,(8)式

はまず成 立 しない ことが知 られ る。そ して何よ りも,(10),(■

)式

を認 め なければな らない。土砂流出の現象 において

,

この

2つ

の式がいかな る過程 を意味す るのか を明確 に で きないか ざり,(13)式が土石流下率推定 に援用で きる根拠 移 もたないはずである。 さらに,現象的に 考 えれ ば

,

βに対応す るの はむ しろ デで あ る。 この デ値 は

,雨

量 その もの によ って も変化す るといわ れ る。総雨量が大 きくな るほど増大す る性質の ものである。それ に対 し

,流

域 での生産土砂量が大 き いほど流域 内貯留量が増加す るのが土砂流 出現象で あるか ら

,

′は一般に減少 す る傾 向を もってい る。 このよ うに

,

′は土砂流 出現象 を的確 に考慮 した もの とはな っていない。 そ もそ も

,土

砂の流下率 が流域 の広が り

,勾

配 によ って アプ リオ リに決 ま って い るとの考 えには同意で きない。流下率 は

,生

産量 と河道の上砂輸送能力 との関係 において決 ま って くるはずで あ る。 また柿 は

,吾

妻川

869.2溺

につ いて は

85∼

88.8筋

18の

支流域 に

,片

品川609。2た栃につ い ては8,6∼

84.4筋

の支 流域 に区分 して

,各

支流域 あるいは残流域 について上記の方法 で算出 した流 下土石量累積 を吾妻川

,片

品川 の流下 土石量 として い るけれ ども

,流

域 の区分方法 によ っては累計 と しての流 出土砂量 には多様 な値が算出 されて くる可能性が ある。土砂の流下経路 を追 った流下率の計 算手法が織 り込 まれなけれ ばな らない。 ところで

,柿

は芦屋川

,都

賀川 にお ける砂 防計画 において

,計

画対象土砂量 を算定す るにあた って, 崩壊地源の土砂 に対 して は この流下率 を使用 しなが ら

,河

床堆積物に源 を もつ ものについては一律に 0.8の

流下率を採用しているζ

l)そ

れでは

,こ

の流下率とはいったい何なのかを問わざるを得ない。洪

水流量推定の合理式との類似から形づくられたものである以上

,論

理的には

,流

出可能土砂量が山腹

からの供給量であっても

,渓

床堆積量であっても同一に取 り扱われなければ意味をもたないと考える。

木村や新沢の直感 的な流 出係数や

,

この柿の流下率に対 して

,上

砂流 出の実態調査 に もとず く流 出 係数

,あ

るいはその反面の貯留係数 を用 いた対象土砂量決定手法 につ いて は

,節

を改 めて述べ ること にす る。 3。 流 出 土砂 量 推 算 式 に よ る手 法 土砂の生産

,流

送 に関与す る要因は多岐にわた り

,ま

た相互に影響 しあ うので

,そ

の関数形 を物理 的に決 め難 い。そ こで

,関

与す ると考 えられ る要因 を定量イヒし

,

これ とダムの堆砂実績な どか ら流砂 量または比流砂量 を推算す る式 を編 み出そ うとす る試 みが多 く現れて くる。 ここでは

,そ

れ らの雑算式のい くつかについて考察 してみることにす る。

(10)

武 村 奥 信

(1)多

重回帰分析 によ る推算式 多重 回帰式 によ る手法 は

,

と くにU.S.A。 において発展 して きた もので ある。 た とぇば

,ANDERSONな

どは

,野

火 にあ った とか

,伐

倒本が地曳 きで搬 出されてい るとかい った土

如利用条件まで含めた40の パラメーターまで考えている

7)し

かし

,こ

れらのパラメーターの多くは

,

WIscHwlEIERの

提 案 し たUniversal Soil Loss Equatiol12の

E―

R・ K・ L・

S,C・ P

(14)

における

,あ

る斜 面長

L,斜

面勾配

Sの

もとでの年平均雨量の潜在浸食力

Rと

erOsiOn rate Eの 関 係か ら決 めねばな らぬ

Kと

,す

っか り耕 された体閑地の浸食量 と他の耕作状況での浸食量の比であ るCとか

,勾

配 と土壌保全のために行 なわれ る耕作方法 とによる浸食量の差違 を表示す る

Pな

どのよ うに

,あ

る試験 区域で得 られた詳細な資料 に もとづいて定量化す る必要のあるパ ラメータで ある。 さて

,建

設省砂防課および土木研究所砂 防研究室は

,全

国の砂 防ダ ムにお ける堆砂資料 に もとづい て比堆砂量推算式を多重回帰分析によ り得ているζ4) 流域面積

A瘍

,起

伏量比

Rr(〔

流域最高点標高―ダム天端標高 〕

/〔

流路延長 〕

),流

域 平均高度

ME(〔

ダム天端操高十流域最高度標高 〕×

1/2),長

期間の年間平均雨量

R伽

/yrな

らびに期間内総 雨量

,期

間内継続5 0ηπ以上の雨量の年平均値

,期

間内継続1 00ππ以上の雨量の年間平均値および計 画貯砂量を要因 として分析 したのち

,比

堆砂量 qs″

/筋

/yrの

推定式をつ ぎのよ うに与えた。

10g qs=_3,198-0.2059 1ogA+0 9687iOg Rr+1 213 10g

[E +0.6 75 7 10gR (15) しか し

,つ

ぎに述べ る田中・石外の式が

loo筋

以下の流域 面積 しか もたない砂 防ダムに適 用 しに くい との理 由で新 ためて検討 された │こもかか わ らず, その適合度 はあま り改善 されていなし兆 (15)式 は,「捕 促 率が低下 した状態 の資料 も含めてい るよ うであるか ら, 計画対象土砂 を算 定す るのには

,表

-5に

示 され る未満砂防ダム堆砂資料 に もとづ く推算式2Dの方が適当で あろ う。 こ の ばあい

,時

間∼堆砂量曲線が最大の勾配 をなす部分の期 間

(1期

間の資料 しかないばあいには

,そ

の期間に1 50ππ

/day以

上 の雨量が記録 された もの )を とり,こ の期間内の最大洪水が期間堆砂総量 を もた らした と仮定 してい る。 したが って, ここで とられ る雨量のパ ラメーターは期間肉最大 日雨量 表

-5

未満砂 ダムの堆砂量式にお ける指数

qs=aAb RrC MEd Rde

地 質 区 分 d 考 慮 せ ず 古生層・中生層 第 3紀 ・第 4紀 火 山 砕 暦 物 噴

岩 岩 成 変 4924

0001742

1542

0000006573

29430

-01665

-07953

02502

-07324

-009524

02400

-08927

2292

-1460

04658

06763

2408

-03436

1854

-06778

04914

-03388

002425

1449 07472

(11)

砂 防計画 における流 出土砂量推算 に関す る考察 Rd″π

/dayで

ある。地質区分 ごとの推算式 は区分 Ⅲを除いて,(15)式よ りも高い相関係数を与えている。

(2)地

形量 によ る流 出土砂推算式 流域 の特性 を議論す るばあい

,地

形量 は比較 的定量化 しやすい。それで

,土

砂生 産・流 出に関 与す る と思 われ る地形量 を選んで指標 とした推算式が多 く提案 されてい る。推算式のすべてに伺 らかの地 形量が含 まれ ることによ って も

,そ

の ことがわか る。 田中治雄

,石

外宏は

,地

形・地質を貯水池堆砂量 と結びつけることを検討 したζ°彼 らの とりあげた 地形量は

,流

域平均標高Xlと平均起伏量

XP(そ

れぞれ地形図に4た″方眼をかけた時の各方眼における 値の平均 )で

,そ

の積

xを

「 地貌係数」 と呼んだ。このパラメーターをとりあげた根拠は明確でない が

,

これを独立変数 として

,地

質および気象条件を定性的に表現す る地方区分 ごとに

,表

-62つ の推 算式 を提案 してい る。 しか し

,少

ない資料か らかな り無理な決められ方 をしているので

,式

の適応性 は一 応検討 されてい る が

,axと

(b tt c)が 近 い値にな って しまう, あ るいは負の答 を与え る流域 もかな り出て く るよ うで

,実

用 には供 しに くい。 (な お,題 , X2の単位 について,文 献

26の

説 明文は ηで あ るが

,回

帰式 を得て い る図をみ ると

100翻

で あ る。)

び格

3/Km2

S=475el12C+950

(99) 表

-6

田中・石外の年比堆砂量式における係数表

Qs=ax一

b tt C 類 型 地 質 条 件 地 理 条 件 b

A

B

C

深成岩・半深成岩およびそ の変成岩類が 歩以上 陸 中部 山岳 ・ 奥 羽 中国 。近畿・東海

934

543

150

166

49 69

D

E

古生層 。中生層・第 3紀 層 が歩以上

101

99

254

77 107 51 F 結晶変岩・蛇紋岩が 歩以上 G 噴出岩が 歩以上 H 第 4紀 層 I 複 雑 6 10

田中らが「地貌係数

Jを

説明なくとりあげてい

るのに対し

,渡

辺和

1衛

が採用した「侵食係数

Jは

,

明確な意味を有する。すなわち

,「

侵食係数」と

, 5万

分の 1地 形図の集 曲線が描 き出す谷 口

300紀

未満の谷 を埋めるに必要な体積「崖端侵

食量」を流域面積で除した値で

,渡

辺は約 4万 年

以前か ら現在までの流域平均侵食深を示すと説明

している響

)渡

辺は, この侵食係数を使 って

,江

および大井川流域の資料にもとづいζ 次式の 陥

効流砂量公式」を提案している。

(図

-2)

O02

O04

侵 食 係 数C

O06

-2

侵食係数 と有効流砂量の関係および渡 辺の有効流砂量公式 8 6 4 2 年 有 効 流 砂 量 S

(12)

(100)

S=417 3 e l12c+950 (16)

ここに

, S,比

堆砂量 ル 瘍

/yF

Ci侵

食係数 瘍

/筋

隋 効」 を冠 しているのは

,流

域内での貯留堆積を考慮 して

,ダ

ム地点に到達する

,ダ

ム堆砂に有 効なとぃ う意味である。この式の適用性 については

,他

の多 くの流域で も検討 されている。た とえt式 先に例をあげた吉野川水系祖谷川の名頃ダ ム地 点では

, 1,500ガ

/筋

/yrと

な―るが 'の 実測量

1,375プ

/筋

/yr(表

-3)に

非常に近い値が 推算 されている。 渡辺はまた

,有

効流砂量 と侵食係数はこのよ うにかな り強い相関があるけれども(有 効流砂 量 と実測流砂量の間には捕捉率なる修正係数が 入 って くる

),

この要素以外に

,土

砂流送に直 接関与する重要な因子 として流量をとらねばな らないと考 え

, 60日

流 量ぉ それぞ流域面積で 除した

60日

高水比流量 をとって

,侵

食係数を パラメーターとして

,図

-3の

ようなグラフを 提案してい る計)各直線の傾 きは

Cの

2次

式で示 されそ うであ り

,

この図式計算では捕捉係数を

考慮しなくてもよいとしている。ところで,縦

軸の値は流域内に散在する砂防ダム群の堆砂量

か ら得た ものであって

,厳

密に言え囁 ある地 点今の流出土砂量ではないか ら

,(1の

式とは異 なる容が出て くる。渡辺 は

,一

般に図

-4に

よる推定値が(16)式による計算値よ りも小 さいことか ら , 後者は流域が 自然状態の時の比流砂量であ り

,前

者は流域内に砂防ダムが多数築設 きれ その効果が 表われた状態のそれであると説明し

,捕

捉係数を考慮 しな くて もよい根拠 ともしている。 しか し

,

こ の差を砂防施設の効果や捕提率 に先験的に結びつけることは無理があ り

,説

明しす ぎの感がある。 このように地形量および流量あるいは降雨量をとりあげた推算式 としては

,石

外宏のつ ぎの式があ

y) .

10g y=a10g x+b

(17)

ここに

, yは

比堆砂量 ″

/筋/yrで

, xは

〔起伏量 〕

X〔

大雨時降水量 〕であ り,常 数

a,bを

田 中・石外の式 と同様に

,地

質区分 ごとに表

-7と

して与えている。起伏量は田中・石外式のXlであり , 大雨時降水量 とは連続

loo印

以の降雨の年平均総量である。 武 村 奥

m3/KW隅

oρ │。4 O 砂 防 ダ ム 堆 砂 量 ︲

│ば

図 一

Ю中 嚇量喝陣

3⊆

謙経猛

t畿

F冒

(13)

砂 防計画 における流 出土砂量推算に関す る考察 (101)

(3)植

生因子 を と りあげた推算式 流域 の植生被覆状況は

,降

雨の もつ浸 食力, 斜 面の もつ耐浸食力

,雨

水の流 出過程 に対す る 影 響 を通 じて

,土

砂 生産・流 出現象 に複雑に関 与す る。 しか し

,そ

の定量化 は困難で

,植

生状 況 をいか に定量表示す るかが

,ま

ず もって問題 とな る。 表

-7

石外の比堆砂量式におけ る係数 log y=a log式 ― も

地 質 区 分 先 新 生 代 堆 積 岩 深成岩・半深成岩 。その変成岩 そ

他 難波宣士

,川

口武雄 は

,立

木地 面 積率

F(%)で

もって植生状 況 を単純 に定量化 した。 これ と

,「

実用の面 か ら簡便に評価で きる」因子 として,

20万

分の1」IL形図 に4え″方 眼をか けて得 られ る起伏量

R(1002)お

よび年平均 降雨量

P(100“

π)を 独 立変数 に選び

,車

生地が主 とした り 露岩地の多い流域 を除いたばあいの 土砂流 出推算のための回帰式 表

-8

林ホロによる子旨標 植 生 指 標 被覆度による指標 林 指 標 0 1 3 5 8 被

%

裸 車 雑 木 矮 林 地 地 b 林 0 20 40

60

80

100

15

18

20

E=0.474R+0.292P-0118F+2452

また は (″

/ha)

E=2,743

2.409

を得ている

なお

,そ

の適用範囲は10筋 以上の面積を有する流域としている。

難波 らは (19)式 が

, 1)Fの

10%の

増大が

100″

///瘍 の減少 をもた らす

,2)有

限の森林配置で 流 出土砂防止機能 を働かせたいばあい

,Rあ

るいは

Pの

大 きい部分 に配す るのが得策であ る

,3)P,

Rの

月ヽさい部分 で は森林面積の増大 とか保全 的施業制 限はそれ ほ ど考 えな くて よい

,

とい った実用 的 な示唆 を与えるとしてい る。 FERRELは植生 とその被覆強度 に対 しそれぞれ指標 とな る得 点 を与え

,小

面積 ごとの得 点か ら流域平 均得点 を算 出し

,こ

れ を浸食量予測式に導入 した計)表

-8は

FERRELの

表 を 山口伊佐夫が一部修正 し て表示 した30植生指標

Vegitation lndexで

,た

とえば,うっ閉 した喬木林は

8+20=28な

る得 点が付 け られ る。

FERRELの

浸 食量予測式 は

,つ

ぎの とお りである。 一

中一F

×

(14)

(102)

D=α Q17 Rr072(5+VI) 267

(20) こ こに

,Qは

期 間内最大

24時

間雨 量を使 って算 出され る最大 比流量で あ り

,表

-5の

未満砂 ダム の資料解析 と同 じ観点 にた って い る。

Rrは

流域 平均起伏量比で

,VIが

植生指標で あ る。係数 αは ヤー ドポ ン ド法 による

FERRELの

ばあい

35,600で ,山

口は各因子 をメー トル法 に読 み替 えて,αだ けを

19,740,000と

換算 してい る

(Di耐

/旅栃)35) 山 口 らは

,胆

沢川砂防で この手法 を使用 したY)そ こでは

,係

数 αを

20年

間の総堆砂量の実測値 と 計算 値が合致す るよ うに

,25,463,000と

修 正 してい る。 この係数 は普遍的な ものでなし、か ら

,そ

の修正は当然であるが

,Qを

算定す る式35)

Q=0.018(P-35.5)A「

α

l (21)

こ こに

,P:最

24時

間雨量

,A:流

域 面積 にお ける無効雨量 なども流域 によ って変化す る もので あるか ら

,検

討 して お く必要が あ ったろ う。 この手法 によれ ば

,森

林伐採計画な どを もとに将来の流 出土砂量 の変 動予測 も可能で あるが

,計

算 期間

,雨

量 をどの よ うに とるかが問題 とな る。胆沢チIIでは

,過

去の最大 日雨量

,50年

確率雨 量

,既

往最大 日雨量 を とって

3通

りの値 を推算 して い る

oし

か し

,Qの

定義か らすれ ば

,後

に述べ る生起確 率 の概念 を導入で きる性質 の ものであろ う。 植 性指標の差が流 砂量

(FERRELの

定義では浸食量)にどれ ほど効 くものか を検討 してみる と

,胆

沢ナI十流域

58.0筋

VIが

o.5%小

さくなれば

,土

砂量 は

1%ふ

,前

チキ1流域 66.3筋では

,52%の

VIの

低下が

6∼

10%の

流 出土 砂量 の増加を もた らす ことになる。 律

)崩

壊地 面積 を考慮 した推算式

江 崎一博 は

,貯

水池 流入土 砂を

bed material loadと

wash ioadに

分 け

,後

者 には流域 内崩 壊 地 面積が関与す ることを考慮 し

,つ

ぎの仮定の もとに式を立て

,実

測値 との比較 か ら係数 を決定 し て い る♂

①流 入土砂量

Vsは

,河

道堆横止 砂の移動量 と崩 壊地か らの流出量

(wash load)か

ら成 り立っている。 ②前者は

,貯

ホ池末端付近平均河床勾配 Sと 洪水量 Iに 規定 され

,後

者 は

,流

域内崩壊面積

Ad,崩

壊地平均勾配

Dお

よび洪水量Iの うち崩 壊か らの流出分I×

Ad/1A(A:流

域面積 )で 決まる。 ③関数形は

,そ

れぞれ 〔洪水量 〕×〔勾配 〕

2で

与 えられる。

Vs=Kl I S2+K21(Ad/4A)。

D2 (22)

と表示で きる。

① Iは

,QoS=10(Q;流

量 ″

/sec)を

満足す る値以上の

Qの

時間累積量 とする。 ⑤実測値 との比較 か ら

,Kl=8.85,K2=7.83が

得 られる。 ③

Dの

値は他の量に比 して精度がわるいので ,(22)式 右辺第

2項

K21(Ad/A)・

Dと

すると

,Kl

8.30,K2=5,47と

なる。 このよ うに

,流

出土砂量 を 2つ の部分に分けた こと

,wash 10adの

供給源 としての崩壊地面積を 信 武 村

(15)

砂防計画にお ける流出土砂量推算 に関す る考察 (103) 導入 した こと

,流

量 と勾 配の積 とい う関数形 を与えた ことは

,従

来の推算式 に比較す る と土砂流出現 象の物理 的な面 を考慮 した点で一歩前進 して い る。 護た

,砂

防 のば あい

wash loadは

考慮 外 に置 く場合が多いけれ ども

,都

市河川 の環境 問題等の見 地か ら無視す ることがで きな くな って こよ う。

4.流

量 ∼ 流 砂 量 の 生 起 確 率 に よ る方 法 土砂 流送 は流水 によ って行 なわれ る。だか ら水理量 なかで も流量 を根拠 に した流出土砂量 を推 算す る手法が当然に出て くる。そ して

,流

量の生起確率 に関す る水文統 計学の知 識を導 入すれ ば

,最

大 か ら最小 に至 る各種 の規模の洪水が将来起 こ りうるとして

,そ

の時 々の流砂量 を包含 して年平均 した流 砂 量で あ るところの年平均流送土砂量 を推算す る最善 の手法 とも考 え られた。 ここでは

, 2,3の

計 算例 につぃて考察す る。 宮 田辰男 は

,流

量 を根拠 として年平均流 出土砂量 を推定す る方法 を

,鬼

怒サII支川大谷川 を対象 に試 みた♂ 宮田は ,あ る規模の洪水 による流 出土 砂 量

Qsと

,そ

の洪水の年間平均生起度数

nの

積 を

,平

年 洪水か ら計 画最大洪 水 まで累計 した「 年間確率流砂量期待値」 に

,平

年洪水 によ る平年流砂量 を加 算す ることによ り

,年

平均流送土砂量 を求 めよ うとした。 ここに

,平

年洪水の と り方 は明確 ではない が

,宮

田は

2年

確率流量 よ りい くぶん大 きい値 を とって い る。 さて

,nは

日雨 量あるいは流量 に関す る長期の資料 さえあれば計算で きるが

,Qsを

い か に算定す るか ゞ問題 とな る。宮田は, ① 最大 洪水 時流 砂量

Qsmaxを

,各 支 川の河床堆積量

,新

規崩壊見込量

,崩

壊拡大見込量および既往 崩壊地 残土量 に

,そ

れぞれ比較的直感的に見積 った流出率 を乗 じて求 める。 ② イ)ハ イ ドログラ フは ピー ク流量 を頂点 とす る

2次

曲線 で ある,口 )含砂率は流量に比例す る,′→ こ の 関係が 最大洪水

,任

意の規模の洪水の ピーク時含砂率 に も成立す る

,と

すれば

,任

意規模 の洪水期 間中の流 出土砂量 は,

Qs=

Qpmax2

Qsmax

によって計算で きる。 ③ 平年流砂量 は

,平

年洪水の うちでの最大流量 で計算 した流砂量が

,平

年流砂量の

5∼ 7割

を占め る として計算す る。 と してい る。つ ま り

,直

感 的な流 出率 を乗 じて得 られ る最大 洪水時流砂量 と計 画洪水流量 とい う

1つ

の 点

(Q=Qmax,Qs=QSmaX)と

原 点

(Q=0,Qs=0)を

通 る

2波

Q∼

Qs曲

線 によつて,それ ぞれの洪水 にお ける流砂量 が決 ま るとす る もので ある。 流 砂量 式 を持 ち出す ことはやめて お くとして も

,各

種土 砂源 に対 して任意 に設定 された流出率か ら 決 まる含砂率 に計算の根拠 をお くことは

,流

量 ∼流砂量関係 に非常 に恣意 的な面が入 ることにな る。 Q p2

(16)

一︲

(104) 大谷川では最大洪水 ピーク時の合砂率が

0.54と

計算 されたけれ ども

,最

大洪水流量 と流出土砂量を 別個の根拠か ら算出す るか ざり, 1.0以 上の含砂率 となる可能性 もある。 このよ うに計算過程に問題を含んでいるけれ ども

,年

平均流 出土砂量の算定方法に生起確率の概念 を導入した ことは大いに評価 されていい。 藤村敏夫は,常 願寺川砂防計画 におして

,生

起確率による手法を平年流砂量の算定に使用 した評)彼の ばあい

,各

規模の洪水の ピーク時流砂量

Qspを

,河

川の掃流力 と

Krey式

による限界掃流力を用いて

Schokh tschの

流砂式で算定しているから,宮 田の方法で恣意的であった部分は取 り除かれている。しかし , ① l洪水の流砂量を,ピーク時流砂量

Qspの

みを根側に,時間∼流砂量曲線が2次 曲線であると仮定して,

QS=÷

Qsp・

T

と計算 しているが

,ピ

ー ク時掃 流力 さえ限界掃流 力 を越 えておれば,その洪水期間中流砂が続 くのか ② (24)式のT′を,基底流量 を控除 した流 出総量

2垢

T(Q― Qb)dtが

有効降雨総量に等 しくな る時 間 と してい るが

,限

界掃流 力の概念 を導 入 して いるの であるか ら

,限

界流量以上の時間 とす るべ きで な いか

,な

ど詳細に検討すれば

,2, 3の

疑 問 もは さみ うる。 さて

,以

上の よ うに して得た

Qsに

年生起頻度を乗 じ

,累

加 して平年流砂量を計算 しているの であ るが

,年

平 均疏 出土 砂量 は

,平

年流 砂量算定の過程 で得 られた流量∼流砂量関係

Qs=1.5×

1」5Q15 (あ) を用いて

5∼

150年

確率雨量による洪水時流砂量を算定しなが ら

,砂

防計画期間が

20年

であるか らとの理由で

, 20年

確率流砂量の1///20のみ をさきの平年流砂量 に加算 したもの としている響)も この方法を踏襲す るな ら

,100年

確率流砂量 したがって

,100年

確率雨量は

,100年

計画翻よじめて 問題にされ ることになる。それゅえに「計画年数

20年

としたばあい……①確率

20年

の洪水

1回

だ けのばあい

,④

最大 洪水Cr11)がェ期間に起 こると考 えたばあいetcな どがある……

,超

過土砂量 を考 えると④のばあいは①の ばあいの 2倍 以上Cr L2)に なるので(計画土砂量は)簡単 には決定できかねる」30 とい うことになる。 これでは確率水文量の概念 を理解 していないことにな り,こ の部分にこそ宮田が 行 ったように

,生

JfE確率の概念が入 つてこなければな らない。 この概念の導入を平年流砂量の算定に 限 る理由は少 しもないはずである。 以上考察 した

2つ

の計画における流砂量の算定は必ず しも十分ではない。 しか し

,生

起確率の概念

,剛

間のとり方によって

,そ

のなか│こ含 まれる異常現象の回数と規模が ことなるので

,…

…過去の 脚注

1

鷲尾蟄龍が手取川の数値 を基礎に推定 した4)12× 106∬

2

この比較 計算は, さきに書いたよ うにある確率流砂量をその確率年で除した値のみを平年流砂量に加算 しているか ら

,確

率年を大 きくとるほど平均年流 出土砂量 は小さくなる。④については, うえの12×106 ∬を20年で除して

,平

年流砂量に加算 している。 村 (24)

(17)

砂 防計 画にお ける流 出土砂量推算に関す る考察 (105) 災害の時系列的検討を行ないその意 味杉明確に してお く」4)ために も必要 な1つの手法 を与 えるもの で ある。 ところが,この手法 は現在 あま り使用 されていないよ うで ある。確か に

,宮

田 も断わ つて い るよ うに

,移

動供給 しうる土砂源が常にあ り

,流

出条件が時間的に大 き く変化 しない場合 にのみ適用 し うるとい う限界が あ り

,ま

た砂防が対象 とす るよ うな急勾配でかつ砂礫が 巨大な条件 の もとでの従 来 の流砂量式の適用 性が 明確 にされていない現状で あ るけれ ども

,流

量∼流砂量関係 とその生起確率 に もとづ く流 出土砂量算定手法の有用性を高める努力 は必要であると考 える。

5.地

形変化量計側にもとずく手法

砂 防の対象 は浸食現象であるとの論がある。それはlEl々の斜面 の浸食で あって も

,大

地形のそれで もいい。 ある範囲の地形 の変化量 は

,そ

の範囲の地形が浸食 されて

,範

囲外 に流 出 した土砂量 の積分 で ある。た とえば

,裸

地 斜面か らの流出土砂量 は斜面上 の各点の低下量の総計 として

,あ

るいは斜 面 末端 に設 けた砂沼 めへ の流入土砂量 として得 られ る。流以 の浸食量 ない しは流 出土 砂量 は

,流

域末 端 に砂溜め としての貯水池 や湖沼があれば

,そ

こへ の推砂量でつかまえられ

,そ

うでないば あい地形の 変化量総量 としてお さえられ る。その経過年数 を知れば

,年

平均流 出土砂量が算定で きる。 現 在 のよ うに空中写 真が比較的手軽 に撮 られれ ば

,時

間をおいて撮影 した空 中写真 の比較 によ って 変 化量 をこまか く知 りえる。 しか し

,こ

の手段で変化量 が得 られ る例 は少な く

,可

能であ つて もその 時 間は短か く測定 精度が 問題 にな るこ とが多 い。 そ こで

,長

時間の変化量 は

,現

在得 られ る地形図か ら

,あ

る規準の もとに過去の地形 を推 定 し

,経

過時間を推理す ることによ り年平 均流出土砂量を得 よ うとす る手法が考 えられ る。

たとえば,大 山砂防で流出土砂量を算出した手順は以下のようである∵

) ① l々″方 眼 を使 つて切峯 面図を描 く。す なわ ち

,何

年 か以前 には1た″方眼中の最高点を包絡す る面 が封色表 面で あ った と仮定す る。 しか し

,堆

積地形区域の過去 の形状 は復元 で きない。 ② この切峯面お よび現地形の'ヾ一セ ン ト・ ヒプソメ トリック・ カーブを描 く。パ ーセン ト表示す る 必然性はない。 ①2つの地形の ヒプソメ トリック・ インテグラルの差 △

IH,流

域 面積

A(筋

),最

大起伏量

H

(た

2)か

,山

体減 少量

V(瘍

)が計算で きる。

V=△

IHo A・

H

(26) ① この 山体減少 を もた らした期間 を推定す る。 この手法 の問題点 は ここに凝縮で きる。 さきの渡辺 の侵食係数が

40,000年

間の浸食深 を表現 しそ うだ との推定は

,比

較 の規 準 としての実測値が あ つた り

,世

界 的に言 われてい る

04伽

/yr

の値 と比較 しての ことである。大 山では

,こ

の期 間を

100万

年 前後 としてい る。 しか し,この数字が層序学 的に

,ま

た広 く地質学 的に根拠が あるとして も

(大

山 火 山は更新世

200万

年前か ら

1万

年前 に形成 された4め

),1々

″方 限によ る切峯面図が描 き出す地形が その時代の もので あ ると判断す る根拠 は薄弱で ある。 もし

,答

えを適当な値 にす るため に経過時間 を

(18)

一 ︱ ︲ ︲ (106) 与 える とすれば

,初

めか ら適当な年平均流 出土砂量 を恣意 的に与 えて も変 わ りがな くな る。 ⑤

Vを

この期 間で除 して

,年

平 塩疏 出土 砂量 とす る。 さて

,前

述 した渡辺 の侵食係数 も,このばあい と比較 して切峯 面 とす るか埋谷面 とす るかの違いは あ るが

,あ

る規準の もとに過去の地形 を推定 して計測 され る ものであった。 しか し

,渡

辺 の侵食係数 は指標 として推算式,こ使 ったので

,検

証 されたよ うに有効で あったのに対 し

,こ

の ばあい⑤の計算値 その もの を年平均流 出土砂量 とす るので

,①

の期間推定の適石が 結果の妥 当性 を大 きく左右す ること にな る。

土砂 の流 送過程 を考慮 した計 画対 象 上砂 量 決定 の手法

Ⅱで述べ た手法 は

,た

とえ流域 を細分 して種々の指標 を算 出す ることはあって も土 砂流 出の現象そ の ものについては対象流域 を1つの単位 とした扱か いであるか

,せ

いぜい小流域 における流 出土 砂量 を単 純に積算す る手法で あった。 土 砂流 出の現 象を的確 に解析す ることの困難 さの1つは

,前

述 したよ うに

,山

腹で生産 された ある いは渓 床か ら移動 をは じめた土砂が計算点に達す るまでには さまれ る複雑な貯留現象である。 これは

I-2で

述べた直感的な流 出率

,土

砂流 出現 象 を的確 に表現 しない土石流下率 では十分 に処理 しきれ ない。 こ こでは

,流

域 内に展開す る河道網での上砂 の貯留 に関 してかな り詳細に検討 した流出土砂量算定 手法 について考慮す ることにす る。

1.貯

留 係 数 に も とづ く遂 次 計 算 天竜川上流 砂防計画では

,各

小流域 および河道がおかれた河道網内の位置 によ り異な った貯留係数 を与えて

,流

出土砂量 の遂次計算を以下 のよ うにすすめてい るT)そ の係数が災害 時の実態調査 に基礎 をおいている点

,お

よび小流域 における生産土砂量 を基礎に して流下経路 に従 って貯留効果 が算入で きる点で

,従

来 の流出率の概念 を導入 し た多 くの手法に比較 して高 く評価で きる。 ①

1961年

6月伊 那谷豪雨災害後の調 査結果 を

HoRTON―

STRAHLER流

の 河 道 次数で整理す ると

,あ

る次数以下の渓床 ・河道 に堆積 した土砂の総量の流域 内崩 壊土砂量に対す る比yvと河 道 次 数

xの

% 4。     2。     Ю 8 6 4     2 H 冊 逐 蝉 涸 E 逐 斎 漁 ヽ 積 里 囀 引 郵 番 │ 図

-4

2 5

河 道 次 数 メ 天竜川上流域 におけ る河道次数 と累 積河道堆積率 の関係

(19)

間にはつ ぎの関係が見 出 された。(

10g yv=ax+b

ここにい う流域内崩壊土砂量は, あ るが

,「

全流域 河道堆積量 に 対す るある次数以下の河道 にお け るそれの比 と河道次数 との 間 に も同様 な関係が ある。」4の とさ れてい ること

,中

樹稔 氏が その 私 信で使 われた「 河道堆積量の 流域 内分布」 とい う語か ら推察 す ると

,前

者の よ うで ある。す な わ ら

,1,0か

ら最高次数河道 の

yvを

差 し引いた値が従来の 流 出率 に相 当す る。 ②上 の事実か ら

,最

大 洪水流 砂量が豪雨型 山崩れ によ って形 成 され

,河

道堆積物 をltE源とす る流 出土砂が比較 的少ないばあ い

,山

地崩壊量 と河道貯留量の 間 に一定の関係が成立す ると考 えて

,河

道次道 ごとに表-944) の よ うに貯留係数 を与 えて,(28) 式の手順で計画″すす め る。 「 流域貯留常数」 と「 河道貯 留常数」の 2つ の係数 を与 えて い るのは

,計

算 点 を「 支川流域 内における経済量 および崩壊地 砂 防計画における流 出土砂量推算 に関す る考察 (107) 図

-4)40

(27) 調査対 象全流域 での それ か あ る次数 の流域 肉での それか不 明確 で 表

-9

天竜川流以砂防計画における貯留常数表

で     o

に   と   量 > つ   者   込 よ   後   見 の   が   壊 5   数   山 朋 一   係   規 図   微   新 が   の   十 ,   そ   量 J   ,

単   一 副   拡 F   が   壊 く   v 崩 帥 式のy 叫 単   n   土 算   確   定 計   は   安 , て   不 に   し   + め   と   皇 皇 た   方   土 る   え   残 い   考   壊 て   , 崩 し   り   往 定   あ   既 設   で   〓 め   め   皇 皇 ゴ   た   砂 て   い   土 し   な   象 案   い   対 勘   て   出 を   れ   流 査   さ 調   化 流域貯留量

=流

出対象土砂量 ×流域 貯留常数 最大 洪水流砂量

=流

出対象土砂量 一流域貯留量 また は

=上

流計算点最大洪水流砂量合 計一河道貯留量 河道貯留量

=上

流計算点最大洪水流砂量合計 ×河道貯 留常数

の触

腿竜 西 流 域河道貯留 流域 貯留三 峯 川 流 域河道貯留 新宮川・小渋川流域流域 貯留 河道貯留 α β α β α β 1 2 3 4 5 6

017

020

024

030

003

004

006

013

016

020

0.28

043

003

004

008

015

o13

015

019

024

035

053

002

004

005

011

018

﹃ □ o ・ 流 域 河 道 補 助 基 準 点 計 算 点 図

-5

小渕H流域 洪水流砂量算定における流域 区分 と計算点 (流域河道内の数字は次数

,()内

数字は計算点番号)

(20)

(108) さて

,貯

留係数の算出根拠 を全流域の崩壊土石総量 にお くな らば

,係

数 の使用 にあた って多少の難 点が含 まれ る。 第

1に

,計

算点の設定方法 によ って種 々の流砂量が計算 され る可能性が あ る。いま

,流

出対象土砂 量が

1次

流域 にのみあつて

,高

次河道は1次低い河道 のみを承 ける極端 な河系が竜 西地域 にあった と 仮定す ると

,①

4次

河道末端 のみに計算点を設定 し

,全

流域 を 1ま とめに して しま うと

,流

域 貯留が

0.30で

あるか ら

^流

域 末端 での流 出土 砂量 は

0.70で

あ る。②

4次

河道上流 端 に補助基準点を設定 す る と

,3次

流域 および

4次

河道 の貯留量が それ ぞれ

0.24,0.0456で

,末 端流砂量 は

0714と

な る。 ③

3次

河道 上流 まで計算点 をふやす と

, 2次

流域

,3次

河道 および

4次

河道 の貯留量が

,そ

れぞれ

020, 0.032,0.046で

,末

端流砂量 は

0,722で

あ る。④すべての合流点で計算 をすす めると, 末端流 砂量 は0,736と な る。 もっと も

,一

般 の河 系は複雑で

,土

砂源 も広 く分布す るか ら

,こ

の程度 の差は議論 の対象 とな らないか も知れない。 第

2に ,同

じ貯留常数が算 出され るとして も

,流

出土 砂源の あ り方 が考慮 されないために

,計

算点 の設定方法 によ って は

,実

態 と大 きく相違す る流砂量 を計算す ることが ある。た とえば

,先

の河 系に おいて

,土

砂源 の0.5が

1次

流域 に

,残

りが

2次

流域 の残留域 にあ った と考 えると

,1久

流域 か ら2 次河道への

,2次

流域 か ら

3次

河道への

,/

欠流域 か ら

4次

河道へ の流出量が それぞれ 0,33,

0.80,0,76で ,末

端流砂 量

070と

の夫,し

1貯

留 係数が算出され る。 ところが

,す

べ ての合流 点 に計算点を設定す ると

,各

流砂量 はそれぞれ

0,415,0.888,0852,0.801と

計算 され る。末 端流砂量が実際の値 どお りに計算 されるの は

,従

来か らの流 出率 と同 じく

,対

象全流域 を1ま とめに した場合だ けで ある。 このよ うな不十分 さは

,単

位流域 を次数で斉― にす ること

,各

貯留係数 を各次数流域 内における移 動可能土 砂 量を基礎 に算出す ることによ り克服で きよ う。 流域貯留 常数

,河

道貯留常数は普遍的な もので ないか ら,この手法が使用で きるのは

,過

去の洪水 時の土 砂生産・ 流送 に関す る詳細な検討によ って これ らを求め うるばあい限定 され ることは言をまた ないが,さ きに述べ た優位性 をもってい る。 しか し

,考

え方に対す る根本的な疑間 もある。 流 出対象土 砂量の多寡 にかかわ らず

,同

一流域 では常 に同一の流出率 を もつのかP

2.貯

留 量 に よ る遂 次 計 算

打荻珠男は,彼 の砂防計画論の中でつぎのような流出土砂量算定手法を提案している

?す

なわち

,

①流域 杉

l‐lH筋

。支川筋を横断する河流域「土砂生産単位域」に分割する。②この単位域内に存在す

る土砂源から単位域内の川筋上に設定する「代表流出点」への流出土砂量「流出生産量」を推定する。

(こ こに

,降

雨の流 出係数に相当す る流 出率の概念が入 ってい る。

)こ

の量の最上流代表点か らの累 加値を「仮定流出量

Jと

呼ぶ。③各流出代表点FHIの河道に安全に貯留で きる土砂量を別個に推定 し, 信 武

(21)

砂 防計画における流 出土砂量推算に関す る考察 (lo9) 上流端か ら累加す る。これを「 安全河道調節量」 と呼ぶ。④仮定流出量と安全河道調節量の差が

,各

代表流出点を

1洪

水期間中に通過す る土砂量 であ り

,こ

れを「 仮想流出量」 と呼ぶ。③河道を土石流 区域 と掃流区域 に分画す る。各区画の始点においてはその点の水理条件で決まる「 水理的運搬量」を, その他の点では始点の水理的運搬量に各始点で0と した「 仮想流出量」を合算 した量を「 想定流出量」 と呼ぶ。①各代表流出点の想定流出量 と水理的運搬量の差が「 仮想超過流出量」であ り

,こ

の処理の 施設計画 を立案す る。 ③で

,土

石流区域

,掃

流区域 に分画 したあと

,各

区画の始点での流出量が水理的運搬量にまで下が ることは理解できない点である。この操作のために

,想

定流出量は不連続 とな って しま う。④の「 仮 想流出量」が従来の意味での洪水時流出土砂量であろ う。 天竜川のばあい

,貯

留量が崩壊土砂量あるいは流出可能土砂量 に対 す る比率で決まるとしていたの に対 して ,こ の論では

,河

道条件 として個有の貯砂能力が生産

,流

出土砂量の多寡にかかわ らず与 え られるとする。 この区間貯留量

(「

安全」か否かは別にして)を流出土砂量か ら挫除しつつ遂沃計算す る手法は

,真

名川流域砂防計画で実行されているτ

)鶴) 果 状 河道堆 積土砂 景 平 衡 河 床 対象流域 を柿 のい う非活動 性河川

=休

眠性河ナIIと 定 義づ けた うえで

,流

域末端 に存在す るダム貯水池 流入土砂量推定の考 え方 と して

,図

-6の

モデルを 設定 して い る。つ ま り

,土

石 流 区流

,掃

流 区域にか か わ らず

,異

常 洪水 の とき

,各

河道 区間の有す る土 砂貯留容量あるいは限界 までの流出土砂量 は各区間 に残留 し

,超

過量のみが下流 区間に流下す る。 そ し て,この堆積土砂量

,河

道残留土砂量 は休眠期の中 刈ヽ洪水で流下 し

,つ

ぎの異常洪水時 までには貯留容 量 は回復す るもの と考 える。上流区間か ら遂次流 出 対象 土砂量 と貯留容量 の差 を累計す れば

,各

合流点 および流域末端部での流 出土砂量が計算で きるとす 河 道 流 出 エ 河 迫 残 宿 三 図

-6

真名川ダム貯水池流入土砂量算定 における土砂流出過程のモデル る もの とす る。

貯留容量については

1965年

9月

出水後の河道堆積調査

)を

基礎に推定した河道堆積量 (表

-10

の④

)が

,貯

留限界土砂量でもあるとしている。

ところで ⑤

=①

十②十①十④ ′ 最大洪水流砂量

=⑤

十⑥一貯留限界土砂量 (⑥ は上流区間よ りの洪水流砂量) ヽ ︱ ︱ ︱ ″ ︱ ︱ リ 土 石 流 区 政     掃 流 区 以     ダ ム 流 域 貯 水 池 (29)

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