1 荒井研究室 2013/4 改訂 阿波田
NMRトラブル対処法 ~最近よくある事例から~
~ 原則 ~
分解能が悪いなど問題があるときは、内線で連絡(→上級者→森山先生 or 荒井先生→共用機器センタ ーの順で)、できる限り解決しましょう。 NMR室からの内線のかけ方は 0を押してから内線番号です。 荒井研:3697 荒井先生:2889 森山先生:3693 マニュアルを見てできるだけ頑張って頂きたい限りですが、 操作が不安なときは内線で連絡を取りましょう。 やむを得ず解決できないときは、測定記録簿・ホワイトボードにその状態を書きます。 問題があった後は荒井先生への報告も忘れずに。もくじ
1、基本操作:分光計の再立ち上げ 1ページ
2、基本操作:手動グラジエントシムのかけかた 2ページ
3、分解能が悪い 4ページ
(シムファイルの読み込み 5ページ)
4、スピンがかからない(Info 欄にそういったメッセ-ジが出る。) 7ページ
5、エアーが出ていない、弱い 7ページ
6、ロックがかからない 7ページ
7、Job リストがいつもと違う。
(初心者用のプログラムになっていない。
) 8ページ
8、オートサンプラーがぜんぜん応答しない 9ページ
9、サンプルが排出できない。
(特になんの前触れもないとき) 9ページ
10、サンプルが排出できない。(Job を中止できない) 10ページ
11、サンプルが入っていないのにサンプル交換中になる(Job が停止する?)10ページ
12, 測定したチャートが出てこない 10ページ
1、基本操作:分光計の再立ち上げ
NMR 室備え付けのマニュアルもしくは基礎講習会で配布された NMR の基本操作マニュアルに従う。 2013年から導入された分光計内部にあるサーバ PC の電源は、以下の通り。 分光計の扉を開けて ここを押す。2
2、手動グラジエントシムのかけかた
① サンプルを投入する。 ② マニュアル制御画面を開く。 ② スピンをかける。 ③ グラジエントシムツールを開く クリック クリック3 ③、グラジエントシムツールの内容を確認して、自動収束にチェックを入れ、 グラジエントシムを開始する。(2013年に設定に変更がはいりました。) チェックがある事を確認 Z1からZ4にチェックが入っている 事。 チェックあり 自動収束にチェックが入っている事。 チェック無し Range の値が適切であるのを確認。 (図くらいが適切。0-100%は異常。) 確認したらクリック ④、グラジエントシムが終わったら、(100%完了と表示される。)収束し ているのを確認してグラジエントシム画面を閉じ、測定登録を押す。 (グラジエントシムは終了しているので、あとはロックがかかって、通常の 測定が開始される。)
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3、分解能が悪い
分解能が悪いときの手順は以下の通りです。 以下状況が改善しない場合順々に行っていってください。 若葉 1、サンプル・セットの仕方の確認 基本 2、シムファイルの読み込み 基本 3、シム調整 上級 4、プローブの汚れの確認 1、サンプル・セットの仕方の確認 AGE をはかり、0ppm と 6ppm の分離を確認してみましょう。AGE がきれいなら、試料調整に問題がない か、ローターをしっかり伸ばしきっているか等セットの仕方を確認します。 ○試料調整の注意点のおさらい ~こんなサンプルはダメだ~ ・液量を4センチを大幅にずれている。(4センチ以下4.5センチ以上である) ・濃度が濃すぎる。(粘度が高すぎる。) (あまりに薄すぎてもベースラインに埋もれてくるので汚く見える。) ・不溶物がある。 ・常磁性物質がある。(荒井研だと二価の銅など。) ・濃度勾配がある。 ・サンプルが高分子、あるいは会合性である。 このとき、グラジエントシムがちゃんと機能しているか Info 欄を確認しましょう。 また、グラジエントシムの設定があっているか確認してください。 グラジエントシムの各種設定があっているのにうまくいかないときは、内線で連絡をとりましょう。5 2、シムファイルの読み込み 分析センターの方が作成したユーザーシムもしくは、システムシムを読み込みます。 ユーザーシムを読み込む場合は、日付は新しいもののほうが良い事が多いです。 ① 分光計コントロールのサンプルタブを選択、図のようにシム→シムファイルの読み込み→ユーザー シムもしくはシステムシムを選択。(どっちを読み込むかは共用機器センターの人がそのとき推奨してい る方でお願いします。) サンプルタブ にする。 選択! ② シムファイルを選択し、実行する。(シムファイルは大抵マイドキュメント内にあります。) 選択して、クリック ③ Info 欄に、数行の黒字のメッセージが出てきた時点でシムファイルが読み込まれているので、 通常通り測定を行います。
6 3、シム調整 ●シムファイルを読み込んだ後、分解能がやや悪い場合 オートシム調整を行います。NMR の基本操作マニュアル(講習会で配布)に記載の〈シム値による、分 解能の乱れ〉を参考にしながら、オートシムを調整します。 シムの組み合わせは[Z1,Z2] [Z1,Z3] [Z2,Z4]です。よくわからなかったら、 [Z1,Z2]→[Z1,Z3]→ [Z2,Z4]→[Z1,Z2]の順で調整してみましょう。 ・オートシムのかけ方 シムグループから、Z1,Z2 を選び、オートシムをクリックする。 オートシムが終わったら、自動シム停止を選択して通常測定を行う。 ボタンはこれ ●2で分解能がかなり悪い場合 NMR の基本操作マニュアル(講習会で配られるやつ)に記載の通り、Saw tooth でロックシグナルを確 認します。その後、グラジエントシムをかけて通常測定をしましょう。改善する兆しがあれば、上記の オートシムの調整に移ります。 後は可能性に応じてプローブの汚れを確認し、改善しない場合は内線で連絡をとりましょう。
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4、スピンがかからない(Info 欄に VT Alarm~~とか出る。)
ローターを換えて、キムワイプなどで拭き、正しくセットしてみてください。 (なお、どうしてもスピンがかからないローターを発見した場合は、回転不良と書いた紙を添えて、他 のローターと分けておいてください。) この操作で直らない場合はプローブの汚れもしくは、エアーの異常の可能性があるので、内線で連絡 お願いします。5、エアーが出ていない、弱い
エアーが弱いと感じたら絶対にサンプルを入れないでください。(割れて大変なことになります。) 可能性1:コンプレッサーのトラブル コンプレッサーの数値が0.6-0.7の範囲にあるか確認してください。 それ以下は異常なので、内線で連絡-分析センターです。 可能性2:プローブに何かつまっている 前の人がサンプルを出し忘れていないかチェックしてください。 そうでない場合は、プローブの掃除が必要なので内線で連絡お願いします。6、ロックがかからない
まず以下の3点をチェックしてください。 1、重水素溶媒を用いているか 2、溶媒の設定は合っているか3、サンプルのパラメータの LOCK STATE が AUTO LOCK になっているか。
チェック事項が全部OKなのにロックがかからない場合は、内線で連絡をとりましょう。
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7、Job リストがいつもと違う。(初心者用のプログラムになっていない。)
Job リストがいじられていた場合は、新しく Job リストを呼び出しましょう。 ① 図のボタンをクリッ クします。 クリック ②図のように、マイドキュメント内の 1H,13C,DEPT.jtx を選択して緑のボタンをクリックします。 (このファイルもいじられている場合は backup を選択してください。) 選択してクリック これで普段使っている初心者用のプログラムが呼び出されます。 いじられている Job は消してしまいましょう。また、前の測定者が呼び出した特殊測定の Job が残っ ている場合も同様に消してしまいましょう。 ちなみに Job を消すボタンはコレ9
8,オートサンプラーがぜんぜん応答しない
1.サンプルタブの各エントリーが『ベリファイ』にチェックが入っているか確認してください。 2.測定 Queue タブの右 Quee state が実行中になっているか確認してください。
(測定 Queue に縦二重線がついており、job が今はまだ実行できませんになっている場合は、 青い三角のボタンをおして実行中にします。) 3.上記で異常がない場合、オートサンプラーがフリーズしている可能性があります。 オートサンプラー裏の以下のスイッチを ON→OFF してみてください。 その後、必要に応じて、Delta を一度消して再接続して みてください。 スイッチ
9、サンプルが排出できない。
(特になんの前触れもないとき)
サンプルの排出ボタンが白抜きになっていて選択できないケースです。 以下の手順を状況が改善しない場合に応じて順々に行ってください。 1、オーナー接続になっているか確 認する。 ココにチェックが 入っているか確認 (2、オートサンプラーがある分光計の場合、サンプルが入っていないエントリーを選択し、 投入ボタンを選択する。(サンプルを交換させるモーションをさせて排出させる。)) 3、分光計を切る再立ち上げを行う。 ※排出ボタンは押せるが、サンプルが出てこない場合はサンプルが浮き上がってこないエラーです。 (エアーが弱くなっている、サンプルのセットが適切でない、サンプルを2つ入れてしまったなど。) この場合は、プローブの引き抜きを行う必要があるので、内線で連絡お願いします。10
10、サンプルが排出できない。(Job を中止できない)
ここ数ヶ月でたまにおきている異常です。シム調整が長く、異常を感じ、Job を中止しようとしたら 10分以上たっても Job が中止されず、サンプルが排出できないときの対処法です。 1.分光計を再起動する 2. シムファイルを読み込み、AGE を測定します。11、サンプルが入っていないのにサンプル交換中になる(Job が停止する?)
ここ数ヶ月でたまにおきている異常です。 以下の操作で解決できますが、できれば機器管理責任者の方が居る方がいいと思います。1.分光計をシャットダウンしますが、このとき Control Servece Management で Delete Job File に check を入れます。 2.分光計を再起動すると、エントリーがないまっさらな状態になっていますので、元に戻す操作が 必要です。よって、まずいつも通り Console で入ったら、エントリーを1つつくり pretune を行います。 とりあえずスロットを一つ指定し、ベリファイに check を入れるのを忘れないようにしましょう。 3.pretune が終わったら、一旦そのエントリーは消去し、Delta で再度ログインします。 4.再びまっさらな状態になっていますので、ECA500 ならエントリーを16個つくります。それぞれ のスロットを指定し、ベリファイに check をいれます。 5.1H,13C,DEPT jtx のジョブを呼び出します。 6.あとは通常通り、AGE を測定しましょう。
12, 測定したチャートが出てこない
理由1:サンプル名が適切ではない 何かの記号が対応しておらず出てこないケースです。 この場合は、Info 欄にそういったメッセージが出ます。 理由2:job パラメータが visualize になっていない 測定が終わったチャートが自動で出てくるのは、job パラメータの visualize にチェックが入っている からです。よって、特殊測定をしたときなど visualize を設定し忘れると、分光計のパソコンから、 解析用のパソコンにデータが転送されて来ません。データの取り出しを行う必要があります。 理由3:チャートが出てくるタイミングで Delta がフリーズしてしまった これもデータの取り出しを行う必要があり ます。 ・分光計のパソコン内のデータの取り出し方 ①ファイルブラウザを開く。 選択してクリック11 ②分光計のパソコンのデータサーバーをクリック。 ③下矢印をクリックする(出てくるのに少し時間がかかる)。 ④自分のデータを選択する ⑤実行する。 visualize の設定方法 ①1Hとか13Cの段落を選択 ②job パラメーター枠の下の+をクリック。 ③下矢印をクリックし、visualize を出す。 ④visualize にチェックを入れる。
②
③
④
⑤
①
②
③
④
12 終わりに・・・・・・ ・シムとかロックとかよくわからない・・・・・・だけど、物理化学は苦手という貴方に。 日本分析化学会編 『分析実技シリーズ 機器分析編 3 NMR』共立出版 ・物理化学は得意。NMRマスターになりたいという貴方に。 荒木俊ほか編 『有機化合物のスペクトルによる同定法』東京化学同人