第1章 文京区教育振興基本計画とは
1 位置付け
本計画は、教育基本法(平成18年12月22日法律第120号)第17条第2項に規 定する「教育の振興のための施策に関する基本的計画」であり、本区においては個別計画 の一分野として教育施策の全体を示す計画です。
このため、区の最上位計画である「文京区基本構想」1や、これを具現化するための「文
京区基本構想実施計画」2をはじめとした他の各種計画等との整合・連携を図るとともに、
「教育ビジョン~個が輝き共に生きる文京の教育~」の実現を目指し、教育目標に基づいた 教育施策を推進していけるよう、中期的な計画(5年計画)として策定しました。
なお、本計画は、計画期間内に教育委員会として実施すべき施策の方向性等を掲げたも のであり、具体的には、文京区基本構想実施計画への位置付けや各年度の予算計上により 実施していきます。
教育ビジョン
(理念)教育目標
(将来の人物像)教育委員会の主要施策
(単年度計画)
教育振興基本計画
(5年計画)
「個が輝き共に生きる文京の教育」
○ 心身ともに健やかで、自他を尊重し、 人間性豊かにたくましく生きる人 ○ 自ら学び考え、表現し行動する人 ○ 社会の一員として広い視野をもち、 日本の将来を担う人
○ 地域を愛し、共に生きる社会を築く人
1………文京区基本構想…平成22年6月策定。文京区における総合的・計画的な行政運営指針で、最上位に位置付けられる計画。
教育分野の内容については次頁参照。
2………文京区基本構想実施計画(平成26年度~28年度)…基本構想に基づく文京区の事業実施を推進する基本的な計画。予
算と連動した行財政計画でもあるため、他の計画に基づき実施するものについても、この計画に定めていくことになる。
基 本 構 想
基本構想 実施計画 (3年計画)
・教育委員会の個別計画 ・各種 PT での検討報告
「文京区基本構想」(平成22年6月策定)に掲げる、教育分野の将来像
~10年後にあるべき姿~(抜粋)
実現に向けた基本的取組
①……互いに信頼し合い、他人を思いやる心を養うため、集団生活を通じ、子ども一人ひとりの個性を尊 重しながら、いじめの未然防止や男女平等などの人権教育をはじめ、豊かな人間性の育成を図る教 育を推進します。
②……社会で自立して生きていくことができるよう、知識・理解にとどまらず、問題を発見し、解決する 力など、広い意味での学力やさまざまな「知恵」を育みます。
③……子どもたちの健やかな成長を促すため、学校と家庭とが協力し、基本的な生活習慣の定着を図るな ど、健康教育を充実させます。
④……心身ともに健康で、人間性豊かな子どもを育成するため、スポーツ、遊びなどのさまざまな体験や 地域の多様な人たちとのかかわりを通じ、絆をさらに強いものとします。
⑤……子どもたちが文京区の歴史や文化を大切にする心を持てるよう、本区に培われた伝統と文化などを 活かした教育活動を進めます。
⑥……子ども一人ひとりの基礎・基本の学力を育成するため、発達段階に応じた指導方法を充実させます。 ⑦……各成長段階の連続性を踏まえた指導を充実させるため、保・幼・小・中の連携を進め、つながりを
強化します。
⑧……子どもたちの学力向上に向けたシステムを構築するため、地域、区内の教育機関及び事業者などと の連携を推進します。
⑨……特別な支援が必要な子どもたちが、社会の一員として自立し、充実した生活を送れるよう、一人ひ とりの状況に応じた特別支援教育等を推進するとともに、学校を中心とした関係機関の協力体制を 構築します。
⑩……学校支援機能を高めるため、教育センターを核として、教員の資質向上のための研修を充実させる とともに、療育部門など関係機関と連携し、総合教育相談事業の機能強化を図ります。
⑪……地域ぐるみで子どもたちの学びを支えられるよう、地域住民の学校教育への参画を促進するととも に、地域とのかかわりを大切にした学校支援体制を整備します。
⑫……子どもたちが、のびのびと学校生活を送れるような教育環境を整えるため、学校の適正規模・適正 配置を進めるとともに、校舎等の整備を行います。
豊かな環境と人とのかかわりの中で、
子どもが「個」として尊重され、共に学び合うまち
平成 31 年度 平成 26 年度 平成 27 年度 平成 28 年度 平成 29 年度 平成 30 年度
2 計画の目的
3 計画の期間
4 施策の点検・評価
<< 点検・評価のイメージ >> (計画期間 平成26~30年度)
子どもたちの「生きる力」を育むため、幼児期から義務教育期間の終了までに必要となる「文 京区にふさわしい教育のあり方」について、子どもたちの将来を見据えて、本区が取り組む べき教育施策の方向性等を示すことを目的としており、学校教育を中心に策定しています。 本計画では、区立学校における取組について整理していますが、さらに就学前教育や家庭 教育への支援、地域との連携などの取組を通じて、本区で暮らすすべての子どもたちの「生 きる力」を育み、地域を愛し共に生きる社会を築く人を育成することを目指します。
平成26年度から平成30年度までの5年間とします。
本計画の実効性を高めるためには、施策の取組状況を定期的に検証し、必要に応じて施策 の改善・見直しを進めていく仕組みづくりが必要です。教育委員会では、「地方教育行政の 組織及び運営に関する法律(昭和31年法律第162号)」第27条に基づく「教育に関す る事務の管理及び執行の状況の点検及び評価」の制度により、施策の取組状況の点検・評価 を行います。
具体的には、本計画の個別の施策のうちから毎年度定める「主要施策」の取組状況につい て、教育委員会事務局で点検・評価を行い、学識経験者による第三者評価を経て、教育委員 会として最終評価を行います。その評価結果については、公表するとともに区議会に報告し、 施策の改善・見直しに反映させていきます。
また、計画期間の最終年度である平成30年度には、教育改革区民会議において計画期間 全体の取組状況を総括評価するとともに、次期計画の策定に取り組みます。
個別の施策(第 3 章 視点1~視点3)
総括評価
教育委員会 の主要施策 (単年度計画)
教育委員会 の主要施策 (単年度計画)
教育委員会 の主要施策 (単年度計画) 教育委員会
の主要施策 (単年度計画)
教育委員会 の主要施策 (単年度計画) 抽出 抽出
反映
抽出
反映 抽出
反映
抽出
教育委員会 点検・評価
教育委員会 点検・評価
教育委員会 点検・評価
教育委員会 点検・評価
教育委員会 点検・評価
公表 公表 公表 公表 公表
計画策定
(教育改革 区民会議)
計画期間
第2章 文京区の特性
1 位置・面積
2 歴史・文化
本区は皇居から見て北の方角、特別区の中心地近くに位置しており、東に荒川区・台東区、 西に豊島区・新宿区、南に千代田区、北に北区と6つの区に囲まれています。
区の面積は11.31㎢で、特別区の中で20番目の大きさです。この広さに対して、地
下鉄が6路線・20駅と約20系統のバス路線のほか、コミュニティバス3(B -ぐる)を
2系統運行しています。また、文京区はJR山手線、中央線、総武線に囲まれて位置して いるため、区境近くにも多くの駅(大塚、巣鴨、駒込、西日暮里、上野、御徒町、秋葉原、 御茶ノ水、水道橋、飯田橋)があり、交通利便性が極めて高い地域となっています。
本区は、「文教の府」といわれ、「文化の香り高いまち」として歩んできています。 江戸時代初期には、大名屋敷や武家屋敷が置かれ、また、伝通院、護国寺、根津神社など の寺社も創建され、江戸の面影を残す歴史的なまちを形成しています。
徳川第五代将軍綱吉が儒学の振興を図るため湯島聖堂を創建した後、幕府直轄学校とし て昌平坂学問所が開校されました。明治時代になると、昌平坂学問所跡には東京師範学校、 女子師範学校が続いて設立されました。このほか広大な武家屋敷跡が教育機関等に転用さ れ、加賀前田家上屋敷跡に帝国大学(現・東京大学)が開学すると、わが国の学術研究と 高等教育推進の中心的役割を果たしました。さらに多くの教育機関の立地が進んだことで、 文教の地としての厚みを増してきたといえます。
一方、徳川第十五代将軍慶喜の生誕の地である水戸徳川家の上屋敷内庭園が小石川後楽 園に、甲府の柳沢家の下屋敷庭園が六義園になるなど、貴重な緑地として今に残されてい ます。
また、本区は、近代文学発祥の地として、文学史上に名を連ね る文豪たち(森鷗外、夏目漱石、樋口一葉、石川啄木など)が居 住したまちとして広く知られており、暮らしに身近な場所が数々 の名作の舞台として著されています。
3 年少人口
【年少人口の推移(毎年4月1日)】
【年齢別人口(平成25年4月1日現在)】
本区の年少人口(0~14歳)は、都心回帰等の影響により徐々に増えてきています。
また、年齢別人口においては、年齢が下がるほど人口が多くなっており、本区の人口推
計調査4を上回る勢いであるため、今後の人口動態を注視していく必要があります。
10 年度 11 年度 12 年度 13 年度 14 年度 15 年度 16 年度 17 年度 18 年度 19 年度 20 年度 21 年度 22 年度 23 年度 24 年度 25 年度
17,524 年少人口
0 10,000 20,000 (人)
17,514 17,576 17,701 17,668 17,731 17,895 18,296 18,621 19,107 19,455 19,916 20,365 20,901 21,416 22,433
0 歳(入学 H31 小・H37 中) 4 歳(入学 H27 小・H33 中) 8 歳(小 3) 12 歳(中 1)
2 歳(入学 H29 小・H35 中) 6 歳(小 1) 10 歳(小 5) 14 歳(中 3)
1 歳(入学 H30 小・H36 中) 5 歳(入学 H26 小・H32 中) 9 歳(小 4) 13 歳(中 2)
3 歳(入学 H28 小・H34 中) 7 歳(小 2) 11 歳(小 6)
1,347
1,400
1,413
1,369
1,353
1,418
1,408
1,382
1,553
1,531
1,599
1,667
1,645
1,662
1,686
1,200 1,300 1,400 1,500 1,600 1,700(人)
4 教育
【区内の学校・園数(平成25年10月1日現在)】
【園児数・児童数・生徒数の推移】 (1)学校・園数
本区には、区立幼稚園10園、区立小学校20校、区立中学校10校のほか、国立・都立・ 私立の幼稚園、小・中学校、中等教育学校、高等学校、特別支援学校、大学等、数多くの 学校があります。
(2)区立幼稚園園児数・区立小学校児童数・区立中学校生徒数の推移
園児数は、平成10年度が533人、平成25年度が842人であり、増減を繰り返し ながら増えてきています。年少人口増の影響もあり、平成25年度からは3歳児の定員を 見直しています。
児童数は、平成10年度が6,792人、平成25年度が7,057人であり、減少傾向 は平成15年度を底に、その後は増加に転じています。また、今後は、現状における未就 学人口(0~5歳)増の影響が次第に表れてくることが見込まれます。
生徒数は、平成10年度が2,906人、平成25年度が2,115人と減少していますが、 小学校同様、未就学人口増の影響が次第に表れてくると考えられます。
10 年度 11 年度 12 年度 13 年度 14 年度 15 年度 16 年度 17 年度 18 年度 19 年度 20 年度 21 年度 22 年度 23 年度 24 年度 25 年度 0
1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 6,000 7,000 (人)
単位:校(園)
小学校・児童数
中学校・生徒数
幼稚園・園児数
区立 国立 都立 私立
幼 稚 園 10 2 - 16
小 学 校 20 3 - 1
中 学 校 10 3 - 13
中等教育学校 - - 1 -
高等学校 - 2 3 19
特別支援学校 - 2 1 -
【当初予算の推移】
本区の過去3年間の一般会計予算は、約700億円前後で推移しています。
教育費は、予算の構成比では、民生費・総務費に続いて3番目の割合を占めています。
【各年度の当初予算構成比】 (3)教育施策に関する予算
各年度の重点施策 (区の全施策のうち重点的に行う優先度の高い施策として選定したもの) ○平成23年度 交流及び共同学習支援員配置事業、特別支援教室専門指導員派遣事業、健
康教育推進事業、いのちの教育の推進、第六中学校改築、教育センター等建て替え整備 事業、耐震性能の向上、校庭の整備、給食室の整備、小・中学校特別教室の冷房化、幼 稚園保育室の冷房化
○平成24年度 教育振興基本計画の策定、学校安全アドバイザー派遣事業、防災拠点とし ての学校 ( 園 ) の機能強化、教育情報ネットワーク環境整備の充実、地域大学連携事業「東 大博物館がやってきた」、第六中学校改築、教育センター等建て替え整備事業、耐震性能 の向上、外壁・サッシ改修、校庭の整備、給食室の整備
○平成25年度 新たな校外学習の取組、学校防災宿泊体験、区立中学校進学キャンペーン 「もっと知ろう!区立中学校!」、武道・ダンス外部指導員の活用による保健体育授業の 充実、いじめ・不登校対策の推進【学校教育相談室等運営】、教育センター等建て替え整 備事業、第六中学校改築、防災拠点としての学校 ( 園 ) の機能強化、耐震性能の向上、外 壁・サッシ改修、校庭の整備、給食室の整備
年度
一般会計(全体) 教 育 費
比 率
23
70,393百万円
8,591百万円
12.2%
24
69,497百万円
8,380百万円
12.1%
25
71,044百万円
10,633百万円
15.0%
0% 50%
議会費
議会費
議会費
産業経済費
産業経済費
産業経済費
土木費 予備費
予備費
予備費 土木費
土木費 都市整備費
都市整備費
都市整備費
資源環境費 諸支出金
諸支出金
諸支出金 資源環境費
資源環境費
100% 23 年度
24 年度
25 年度
総務費
総務費
総務費
区民費
区民費
区民費
衛生費
衛生費
衛生費
教育費
教育費
教育費
民生費
民生費
民生費
① 少人数指導等への取組
確かな学力を定着させるため、区立小・中学校において、各学校・各学年の規模や状 況に応じた適切な指導方法を導入し、きめ細やかな指導にあたっており、毎年、運用内 容を見直しながら実施しています。
「ティーム・ティーチング」(以下「TT5」という。)は、国の第6次公立義務教育諸
学校教職員定数改善計画(平成5~12年度)により、都による教員の加配措置として 導入された後、区による非常勤講師の配置も始めました。これに続く国の第7次教職員 定数改善計画(平成13~17年度)により、平成14年度から「少人数指導」を行う ため都の加配教員が配置されました。
平成19年度には、区立小学校高学年を対象とした「教科担任制6・複数担任制7」を
試験的に実施するため、区による非常勤講師を配置しました。
このように、非常勤講師の配置を順次導入してきましたが、各学校において全体的な 調整が必要となってきたことから、現在は、区立小・中学校校長の学校経営方針による、 非常勤講師を活用したTT、少人数指導、小学校における教科担任制・複数担任制を実 施しています。このほか、学級運営に支援が必要な学級が生じている区立小・中学校に 対しては、安定的な教育活動が実施できるよう、区による非常勤講師の配置も同時に始 めました。
また、いわゆる「小1問題」や「中1ギャッ プ」といわれる接続期における課題に対応 するため、小学校低学年のうち35人以上 の全学級に対し、区の非常勤講師を活用し た「複数担任制」を実施しました。これに 続き、小学校低学年と中学校1年生におい て人数が多い学級に対しては、都による加 配教員が配置されました。その後、義務標
準法8改正等により、平成23年度以降、
小学校1・2年生に35人学級編制が導入 されたため、現在では35人学級対応のた めの非常勤講師の配置は終了しています。
(4)主な教育施策の経緯
【小1問題(小1プロブレム)】
新しく小学校1年生になった児童 が、集団行動がとれない、授業中に 座っていられない、話を聞かないなど の状態が数か月継続する状態のこと。
【中1ギャップ】
新しく中学校1年生になった生徒 が、新しい環境での生活や学習にう まく適応できずに、不登校等の問題 を抱えてしまう現象のこと。
5… 複数の教員がティームを組んで役割を分担し、協力し合いながら指導計画を立て授業を進める方法。または、そのために
配置された教員のこと。
6… 区立小学校における教科担任制とは、学級担任が全教科を教えるのではなく、教員の専門性を活かして教科別の授業を実
施する方法。比較的学級数の多い区立小学校を対象にして実施した。
7… 区立小学校における複数担任制とは、1 学級の人数が多い学級等において複数の教員を担任とする方法。比較的学級数の
少ない区立小学校を対象にして実施した。
② 特別支援教育9
平成19年4月から「特別支援教育」が学校教育法に位置付けられ、すべての学校に おいて、障害のある幼児・児童・生徒の支援を充実していくこととなり、様々な取組を 実施しています。
特別支援教育へと制度が転換した平成19年度から、校内での特別支援教育体制の中 心となって取り組む教員を「特別支援教育コーディネーター」として、校長が指名をし ています。指名された教員は、研修や専門家等からの指導・助言、他校との情報交換な ど質の向上に取り組んでいます。
『通常の学級に在籍する特別な支援を必要とする児童・生徒』に対する取組
… 平成20年度から区立小・中学校全校に「特別支援教育支援員」を配置し、日常生 活の介助や学習活動のサポートを開始しました。
… 平成23年度からは3年間のモデル事業として小学校3校、中学校2校において「特 別支援教室専門指導員派遣事業」を実施し、『通常の学級に在籍する特別な支援を必 要とする児童・生徒』に対して、より円滑に集団生活に適応していくためのコミュニ ケーションスキル等に関して一部特別な指導を行うことを目的とした個別指導を行う ための区による非常勤講師を配置しました。
『特別支援学級に在籍する児童・生徒』に対する取組
… 3年間のモデル事業を経て、平成23年度から「交流及び共同学習支援員配置事業」 を開始しました。固定制特別支援学級を設置する区立小・中学校に各1~2名の支援 員を配置し、通常の学級の児童・生徒との学習や活動に参加するときの支援、安全確 保などのサポートを行っています。
… また、「文京区交流及び共同学習ガイドライン」の策定に向け、平成24年度にガ イドライン(素案)を作成し、平成25年度からは、全校体制でガイドライン(素案) に基づく交流及び共同学習の更なる推進を図りつつ検証を行い、平成26年2月にガ イドラインを策定しました。さらに、国のインクルーシブ教育システム構築モデル事 業を活用し、児童・生徒一人ひとりの障害の状態や教育的ニーズに応じた支援を進め ています。
また、平成23年度からは、区の子育て関係部署や特別支援学校の教職員で構成する 「特別支援教育連携協議会」を立ち上げました。障害の早期把握や切れ目のない継続的 な支援を行うための連携・協力体制を構築する取組を行うとともに、専門家チームを設 置し、保育園、幼稚園、小・中学校に対して技術的支援を行っています。
このほか、大学生等のボランティア・NPO法人等と協働で実施する「バリアフリー・ パートナー事業(平成16年度開始)」や、身体的な介護を必要とする児童・生徒に対 する介助員の派遣なども継続して実施しています。
9… 特別支援教育とは、障害のある幼児 ・ 児童 ・ 生徒の自立や社会参加に向けた主体的な取組を支援するという視点に立ち、
③ 保・幼・小・中の連携
子どもたちの成長過程において、生活環境や学習環境の著しい変化は大きな負担であ り、いわゆる「小1問題」や「中1ギャップ」の対応が課題となっています。そこで、 保育園・幼稚園・小学校・中学校の連携を進め、円滑な接続を図っています。
平成18年度からの3年間には、「幼・小・中一貫教育推進事業」を実施し、区立幼稚園、
区立小・中学校教育の12年間についての一貫教育の可能性と効果について実践的な研 究を行いました。
平成21年度からの3年間には、都のモデル事業の指定を受け「就学前教育プログラ ム及び就学前教育カリキュラム実証研究事業」に取り組みました。
平成22年度からは、区立保育園も参加する「保・幼・小・中連携推進プロジェクト」 を開始し、就学前アプローチカリキュラム・小学校スタートカリキュラム・中学校スター トカリキュラムの研究を行いました。
平成25年度からは、地域ごとに9つの連携推進ブロックを編成し、これらのカリキュ ラムの実践を通して、ブロック内の各学校・園が連携した教育課程の改善、相互交流の 充実を図っています。
④ 学校と地域の連携
地域ぐるみで子どもたちの学びを支えられるよう、開かれた学校・園づくりを進め、 学校・家庭・地域の連携・協力を促進していく体制整備に取り組んでいます。
『学校運営連絡協議会』
平成13年度から区立小・中学校全校に設置し、続いて区立幼稚園全園にも平成 15年度に導入しました。学校運営や教育活動に、児童・生徒、保護者、地域住民等 の意見を反映し、開かれた学校・園づくりを推進するための情報提供や意見交換を行 う場になっています。
『学校関係者評価委員会』
学校運営の改善を図るため、平成19年度から区立小・中学校全校に設置しました。 毎年度、保護者、児童・生徒へのアンケート結果をもとに、教育活動の評価を実施し ています。なお、区立幼稚園では、学校運営連絡協議会で同趣旨の活動を行っています。
『学校支援地域本部』
平成20年度から、区立小・中学校に順次導入し、保護者や地域住民が学校支援ボ ランティアとして、学校管理下における学習支援や部活動の指導など、地域の実情に 応じて学校教育活動の支援を行っています。
『学校運営協議会(コミュニティ・スクール)』
⑤ 区立幼稚園等における取組
幼児期の教育は、生涯にわたる人格形成の基礎を培うものであり、就学前において教 育・保育を一体として捉えた取組が求められています。区立幼稚園では、区立保育園と ともに就学前教育カリキュラム等に取り組むほか、様々な形態の事業も実施しています。 平成18年度には、モデル園として幼保一元化施設「柳町こどもの森」を開設しました。 開設から3年目を迎えた際には、事業の総括と今後の幼保一元化施設のあり方を検証す
るための委員会を立ち上げ、平成21年3月に報告書10を取りまとめました。
平成21年度からは、区立幼稚園全10園で子育て支援の一助として「預かり保育」 を導入しました。導入にあたりモデル実施を行ったほか、事業開始後も利用枠の改善や 時間延長などの見直しを図っています。
⑥ 学校選択制度
平成15年の学校教育法施行規則の一部改正により、通学区域11制度の弾力化等が図
られました。その一環として、区立中学校において学校選択制度を平成15年度新入学
から導入しています。これにより、指定校12を含めた区立中学校全校が学校選択の対象
となりましたが、本区の学校選択制度では、通学区域に居住する子どもたちの入学を優 先しており、各校への希望者が受入れ可能人数を上回る場合には、通学区域外の子ども
たちについて抽選13を行っています。
学校選択制度により、子どもたちは私立等も含め、学校の校風や伝統、学習内容、部 活動など、それぞれの学校の魅力を比較検討して、自分の進学する学校を選ぶことがで きます。また、各学校の活性化や特色づくり等にもつながります。
なお、区立小学校においては、ボランティア活動などを通じて地域との密接な関係を 築いており、また、児童の成長段階や通学路の安全確保の面においても、徒歩で通学が できる区域が望ましいことから、学校選択制度を実施していません。
10… 同報告書では、今後の方向性について、既存施設に必要な設備を付加するための立地条件、施設整備に係る多大な経費、
円滑な運営のための一定の準備時間等を指摘した上、現時点では新たな幼保一元化施設を開設する方向を示すのは難しい と報告している。
11… 学校教育法施行令第5条に基づき、教育委員会では、入学すべき区立小・中学校を児童・生徒の住所地によって決めてい
る。この住所地の範囲のことを「通学区域」という。
12… 通学区域内にある学校のこと。