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霊長類研究 Primate Res. 24: , 2009 情報 話題 マダガスカルでの霊長類の研究と保護 : ワオキツネザルを中心に 小山直樹 1) 高畑由起夫 2) 1) 京都大学名誉教授 2) 関西学院大学総合政策学部 マダガスカルの地史と歴史この小論では, マダガスカルでの霊長類

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(1)

マダガスカルでの霊長類の研究と保護:ワオキツネザルを中心に

小山直樹

1)

・高畑由起夫

2) 1)京都大学名誉教授 2)関西学院大学総合政策学部

マダガスカルの地史と歴史

 この小論では,マダガスカルでの霊長類の

研究並びに保護の現状について,南部ベレン

ティ私設保護区でのワオキツネザルの長期調

査を中心に報告したい。

 マダガスカルは面積 58 万 7 千

km

2

,南緯 11

度 57 分~ 25 度 35 分にかけて南北 1

,600 km に

広がっている。地質学的には,ゴンドワナ大

陸の一部として約 1 億 3 千万年前にアフリカ

から分離後,さらに約 8

,500 万年前にインドお

よ び セ ー シ ェ ル と 分 か れ た と さ れ て い る

Briggs, 2003)。哺乳類は,この孤立した島に「漂

流物に乗って偶然渡来した」との説が有力で

あ る が, 論 争 は 続 い て い る( 例 え ば,

Cox,

2000

; Masters et al., 2006; Stankiewicz et al.,

2006)

 長い地理的隔離と多様な環境下で動植物は

独自の適応放散をとげ,

固有種が多い。例えば,

淡水魚 21 科 54 属約 143 種のうち,

93 種

(65

.0%)

が固有種である(

Sparks & Stiassny, 2003)。爬

虫類では 346 種中 314 種(90

.8%)がマダガス

カルに固有で(

Raxworthy, 2003),飛翔能力が

ある鳥類でも 283 種中 107 種(37

.8%)が固有

種とされる(

Hawkins & Goodman, 2003)。この

ように希少な自然が残されているマダガスカ

ルだが,一方で,大規模な環境破壊が進行し

ている(山岸,1999)

 マダガスカルの人々は 18 ほどの民族からな

るが,18 世紀~ 19 世紀初頭に中央部のメリナ

王国によってほぼ全土が統一された(

Brown,

1995)

。その後,1896 年にフランスがメリナ王

国を滅ぼし,全土を植民地とする。後で触れ

るベレンティ私設保護区も,植民地時代にフ

ランス植民者が開いたプランテーションの一

郭にある(図 1)

 独立は 1960 年だが,その後も政治的な争い

が 絶 え な い(

Brown, 1995)。最近では,2001

年の大統領選挙後,二人の大統領が一時並立

して,政治的混乱と内戦が起きた。2002 年 8

月の国連からの現大統領ラヴァルマナナへの

支持表明等で,この混乱は終結して,ラヴァ

ルマナナは 2006 年 12 月の選挙で再選されて

いる。こうした政治的混乱は経済等にも影響

が大きい。例えば,2001 年には 22 万人の外国

人がマダガスカルを訪れたが,2002 年は 7 万

3000 人に激減した(

African Economic Outlook,

2005

-2006)。物価の上昇で,窃盗件数等も増

えたと言われている。外務省の資料によれば,

2005 年の平均年間所得は 309 ドル,経済成長

率は 4

.6%だが,インフレ率は 11.4%で世界で

も最貧国の一つである(外務省,2006)

2008 年 4 月 4 日受付,2008 年 7 月 3 日受理 e-mail: nk05401@mx.cable-net.ne.jp 289 情報・話題

(2)

マダガスカルでの自然破壊と保護区

 マダガスカルの自然に甚大な影響を与えた

東南アジアからのヒトの渡来は,現在から約

2000 年 前 頃 と 推 定 さ れ て い る(

Dewar &

Wright, 1993)。13 世紀には,アフリカからウ

シが渡来したようだ。水田農耕(図 2)と牧畜,

そして燃料のための伐採は確実にマダガスカ

ルの自然植生を破壊した。進化史的にはきわ

めて近年に,キツネザルに(あるいは他の動

物にも)大量絶滅が起きていることもヒトの

渡来と無関係ではないだろう(斎藤,1999)

 マダガスカルには,1998 年現在で 8 つの厳

正自然保護区(計 2683

.6 km

2

,23 の特別保護

区(3914

.3 km

2

,12 の 国 立 公 園( 約 8888

.8

km

2

)がある(川又,1999)

。ただし,全保護

区をあわせても約 15500

km

2

で,

全面積の 2

.6%

に過ぎない。マダガスカルの人口は 2007 年に

1960 万人(33

.4 人/ km

2

)で(外務省,2008)

2000 ~ 2005 年の人口増加率は 2

.78%と世界平

均の 1

.21%を上回っている(国立社会保障・

人口問題研究所,2008)

。このような状況を考

えると,マダガスカルの自然は今後とも,危

機にさらされ続けることが容易に想像できる

(山岸,1999)

マダガスカルの原猿類

 マダガスカル島とその周辺に生息する原猿

類の種数・系統関係は,新種の発見や分類の

再検討が続いており,暫定的なものに過ぎな

い。例えば,1986 年にはキンイロジェントル

キツネザルがラヌマファナで発見され,翌年

新 種 と し て 記 載 さ れ て い る(

Meier et al.,

1987)

。表 1 では,キツネザル下目を 5 科 15

属 70 種 に 分 け て い る( 相 見・ 小 山,2006)

内訳はコビトキツネザル科 5 属 26 種,キツネ

ザル科 5 属 20 種,イタチキツネザル科 1 属 10

種,インドリ科 3 属 13 種,アイアイ科 1 属 1

種である。

 現生種以外に 17 種が比較的近年に絶滅して

いる(

Mittermeier et al., 2006)。とくに,真猿

類との競争がなかったためか,独自に種分化

をとげた昼行性の大型原猿類が絶滅においや

られたようだ。現生で最大の種はインドリ

(9

.5

図 1 マダガスカル。斜線部がワオキツネザルの分布 域,星印は調査が継続している二つの保護区。 図 2 マダガスカルの水田の風景

(3)

学 名 和 名 活動性 Family Cheirogaleidae コビトキツネザル科 Genus Cheirogaleus コビトキツネザル属 Cheirogaleus medius フトオコビトキツネザル 夜行性 Cheirogaleus adipicaudatus ミナミフトオコビトキツネザル 夜行性 Cheirogaleus major オオコビトキツネザル 夜行性 Cheirogaleus crossleyi ミミゲコビトキツネザル 夜行性 Cheirogaleus minusculus ショウコビトキツネザル 夜行性 Cheirogaleus ravus ハイイロコビトキツネザル 夜行性 Cheirogaleus sibreei シブリーコビトキツネザル 夜行性 Genus Microcebus ネズミキツネザル属 Microcebus murinus ハイイロネズミキツネザル 夜行性 Microcebus rufus チャイロネズミキツネザル 夜行性 Microcebus ravelobensis キンチャイロネズミキツネザル 夜行性 Microcebus myoxinus ピグミーネズミキツネザル 夜行性 Microcebus tavaratra キタチャイロネズミキツネザル 夜行性 Microcebus sambiranensis サンビラノネズミキツネザル 夜行性 Microcebus berthae マダムベルテネズミキツネザル 夜行性 Microcebus griseorufus アカハイネズミキツネザル 夜行性 Microcebus lehilahytsara グッドマンネズミキツネザル 夜行性 Microcebus jollyae ジョリーネズミキツネザル 夜行性 Microcebus mittermeieri ミターマイヤーネズミキツネザル 夜行性 Microcebus simmonsi シモンネズミキツネザル 夜行性 Microcebus bongolavensis ボンゴラヴァネズミキツネザル Microcebus danfossi ダンフォスネズミキツネザル Microcebus lokobensis ロコベネズミキツネザル Microcebus macarthurii マッカーサーネズミキツネザル Microcebus margotmarshae マーゴット・マーシュネズミキツネザル Microcebus arnholdi アーノルドネズミキツネザル Genus Mirza オオネズミキツネザル属 Mirza coquereli コクレルオオネズミキツネザル 夜行性 Mirza zaza キタオオネズミキツネザル 夜行性 Genus Allocebus ミミゲネズミキツネザル属 Allocebus trichotis ミミゲネズミコビトキツネザル 夜行性 Genus Phaner フォークキツネザル属 Phaner furcifer ヒガシフォークキツネザル 夜行性 Phaner pallescens ニシフォークキツネザル 夜行性 Phaner parienti サンビラノフォークキツネザル 夜行性 Phaner electromontis アンバーフォークキツネザル 夜行性 Family Lemuridae キツネザル科 Genus Lemur ワオキツネザル属 Lemur catta ワオキツネザル 昼行性 Genus Eulemur チャイロキツネザル属 Eulemur macaco クロキツネザル 周日行性 Eulemur fulvus チャイロキツネザル 周日行性 Eulemur sanfordi サンフォードキツネザル 周日行性 Eulemur albifrons シロビタイキツネザル 周日行性 Eulemur rufus アカビタイキツネザル 周日行性 Eulemur collaris アカエリキツネザル 周日行性 Eulemur albocollaris シロエリキツネザル 周日行性 表 1 キツネザル類の学名と和名(相見・小山,2006 を一部改変)

(4)

学 名 和 名 活動性 Eulemur mongoz マングースキツネザル 周日行性 Eulemur coronatus カンムリキツネザル 周日行性 Eulemur rubriventer アカハラキツネザル 周日行性 Eulemur cinereiceps ハイイロアタマキツネザル 周日行性 Genus Hapalemur ジェントルキツネザル属 Hapalemur griseus ハイイロジェントルキツネザル 周日行性 Hapalemur aureus キンイロジェントルキツネザル 昼行性 Hapalemur meridionalis ミナミジェントルキツネザル 周日行性 Hapalemur occidentalis サンビラノジェントルキツネザル 周日行性 Hapalemur alaotrensis アラオラジェントルキツネザル 周日行性 Genus Prolemur オオジェントルキツネザル属 Prolemur simus ヒロバナジェントルキツネザル 周日行性 Genus Varecia エリマキキツネザル属 Varecia variegata シロクロエリマキキツネザル 昼行性 Varecia rubra アカエリマキキツネザル 昼行性 Family Lepilemuridae イタチキツネザル科 Genus Lepilemur イタチキツネザル属 Lepilemur mustelinus イタチキツネザル 夜行性 Lepilemur microdon ホソバイタチキツネザル 夜行性 Lepilemur leucopus シロアシイタチキツネザル 夜行性 Lepilemur ruficaudatus アカオイタチキツネザル 夜行性 Lepilemur edwardsi ミルン=エドワールイタチキツネザル 夜行性 Lepilemur dorsalis セスジイタチキツネザル 夜行性 Lepilemur septentrionalis キタイタチキツネザル 夜行性 Lepilemur ankaranensis アンカラナイタチキツネザル 夜行性 Lepilemur seali シールイタチキツネザル 夜行性 Lepilemur mitsinjonensis ミツィンジョイタチキツネザル 夜行性 Lepilemur aeedis アイーディスイタチキツネザル Lepilemur otto オットゥイタチキツネザル Lepilemur manasamody マナサムディイタチキツネザル Family Indriidae インドリ科 Genus Indri インドリ属 Indri indri インドリ 昼行性 Genus Avahi アバヒ属 Avahi laniger ヒガシアバヒ 夜行性 Avahi occidentalis ニシアバヒ 夜行性 Avahi unicolor ユニカラーアバヒ 夜行性 Avahi cleesei クリースアバヒ 夜行性 Genus Propithecus シファカ属 Propithecus diadema カンムリシファカ 昼行性 Propithecus candidus シルキーシファカ 昼行性 Propithecus edwardsi ミルン=エドワールシファカ 昼行性 Propithecus perrieri ペリエシファカ 昼行性 Propithecus verreauxi ヴェローシファカ 昼行性 Propithecus deckenii デッケンシファカ 昼行性 Propithecus coquereli コクレルシファカ 昼行性 Propithecus tattersalli タタサルシファカ 昼行性 Family Daubentoniidae アイアイ科 Genus Daubentonia アイアイ属 Daubentonia madagascariensis アイアイ 夜行性

(5)

kg)だが,絶滅種の多くは 10 kg 以上と推定さ

れている。最大の種はアルカエオインドリ・

フォントイノンティ(

Archaeoindri fontoynonti)

で 160

kg,次に大きいメガラダピス・エドワ

ル ド シ(

Megaladapis edwardsi)は 45 ~ 85 kg

と考えられている。古骨からのDNA分析で,

系統関係の見直しも進んでいる(

Yoder et al.,

1999)

。例えば,1000 ~ 2000 年前の古骨から

採取されたDNAによって,従来一括されて

いたメガラダピス科が,メガラダピス科とイ

タチキツネザル科に再分類された(

Karanth et

al., 2005)。

 なお,現生の種で夜行性のものはコビトキ

ツネザル科やイタチツネザル科等の 41 種であ

る(表 1)

。一方,チャイロキツネザル属 11 種

とジェントルキツネザル属のうちの 4 種,オ

オジェントルキツネザル属 1 種の計 16 種は,

夕暮れ時や夜間にも活動する周日行性とされ

ている。そして,ワオキツネザル属 1 種,エ

リマキキツネザル属 2 種,インドリ属 1 種と

シファカ 8 種,およびジェントルキツネザル

属のうち 1 種の計 13 種が昼行性にあたる。

ワオキツネザルを取り巻く環境とその生活~

ベレンティ私設保護区について~

ワオキツネザルの分布とベレンティの森

 ワオキツネザルはマダガスカル南部及び南

西部に分布し,半乾燥地帯に局限して分布し

ている(

Goodman et al., 2006)。その北限は棘

林帯の代表的植物ディディエレア科の北限と

ほぼ一致する

(図 1)

。同じキツネザル科のチャ

イロキツネザル(

Eulemur fulvus)とは,生態

的同位種(果実食者)として,異所的に棲み

分けた形になっている。

 現在,野生個体群が継続観察されているの

は,南西部のベザ・マハファリ特別保護区と,

我々が調査している南部のベレンティ保護区

の二カ所である。ベレンティは東南端の町ト

ラグナロ(図 1 ではフランス語のフォール・

ドーファンで示されている)から西へ約 85

km,マンジャレ川(以前はマンドラレー川と

も標記)沿いに広がる私設保護区で,

約 2

,000ha

のサイザル畑の一角に残された約 250

ha の広

さの森からなる(図 3)

。このサイザル麻のプ

ランテーションは,1936 年からフランス系植

民者のド・フォーム家(

de Heaulme)によっ

て開拓されたものである(市野,2007)

 図 3 からもわかるように,ベレンティの森

はマンジャレ川の湾曲部に位置しており

, 本来

は川による土壌浸食を防ぐために残された私

設保安林である。それが結果として,南部マ

ダガスカルで有数の自然植生を残すことに

なった。この森に最初に入った研究者はアリ

ソン・ジョリーで,1963 年のことである(

Jolly

et al., 2006a)。その後,1980 年代にド・フォー

ム家によりツーリスト用の宿泊設備等が整え

られ,現在は,多数の観光客がワオキツネザル,

ヴェローシファカ(

Propithecus verreauxi),シ

ロアシイタチキツネザル(

Lepilemur leucopus),

マ ダ ガ ス カ ル オ オ コ ウ モ リ(

Pteropus rufus)

等を見るため,この地を訪れている。日本人

研究者は小山が 1981 年に訪れたのが最初で,

1989 年より現在まで長期継続観察が続いてい

る(

Koyama et al., 2001, 2002; Ichino & Koyama,

2006

; Soma, 2006;市野 , 2007 等)。

 ベレンティ私設保護区にはこのほか,1970

図 3 上空から見たベレンティの森。マンジャレ川は 写真の右から左に流れている。周りをサイザル のプランテーションが囲んでいる。

(6)

年代に,本来生息していなかったアカビタイ

キツネザル(

Eulemur rufus)が飼育されていた

檻 か ら 逃 げ だ し て, 野 生 化 し た(

O’Connor,

1987)

。 さ ら に, ア カ エ リ キ ツ ネ ザ ル(

E.

collaris)数頭も導入された結果,2 種間で種

間交配が進行した(田中ら,2006)

。現在,こ

の雑種集団は急速に増大して,ワオキツネザ

ルの競争者として脅威になりつつあるが,現

在までのところ,積極的な対策はとられてい

ない(

Pinkus et al., 2006)。

植生-とくにタマリンドの減少について

 保護区の中心であるマラザの森(約 200

ha)

は,タマリンド(

Tamarindus indica;方名はキ

リー)を優先種とする半落葉川辺林である。

115 種以上の植物が生育するが,15 種は人為

的な導入種である(

O’Connor, 1987)。周辺は

半砂漠地帯で,1981 ~ 2000 年の平均降水量は

533

mm である。年変動も大きく,1991 年は

わずか 226

mm であった。

 我々はベレンティの森の一部,14

.2ha の調査

地内で,1989 年以来,ワオキツネザルを継続

的に観察している(図 4)

。この地域の周辺も

含めて 30

.4 ha の森で,胸高直径が 50cm 以上の

樹木 475 本を調べたところ,9 科 14 種からなっ

ていた(

Koyama et al., 2006)。タマリンドが最

も多く 289 本(60

.8%),マメ科のベヌヌ (Acacia

rovumae)の 74 本(15.6%)が続き,3 番目が

ムクロジ科のヴォレリ(

Neotina isoneura)の 66

本(13

.9%)で,この 3 種で 9 割を占めた。

図 4 継続調査地域の地図。C 2 A~T 2 は群れの名称。

(7)

 とくに,タマリンドはワオキツネザルを始

め多くの動物が依存しているが,個体数があ

きらかに減少している(

Koyama et al., 2006)。

1

ha あたりの本数では,1989 年には 12.7 本だっ

たのが,2000 年には 11

.1 本となっていた。こ

の原因として,①気候の変化,②地下水位の

低下,③周辺住民の盗伐,④キツネザル等の

採食者による過剰な食害等の可能性があげら

れるが,はっきりしていない。

 その一方で,継続調査地域内の(新生仔を

除いた)ワオキツネザルの数は,1989 年の 63

頭から 2000 年には 89 頭に増えているので,1

頭当たりのタマリンドは 2

.8 本から 1.8 本に

減ったことになる(

Koyama et al., 2006)。さら

に,先ほど述べたようにアカビタイキツネザ

ル等の雑種個体群も増加しているため,食物

資源をめぐって種内・種間双方の競争が激化

している。

継続調査対象の個体群動態

 長期調査には個体識別が必要だが,真猿類

と異なって原猿類の顔面は毛で覆われ,表情

も乏しいため,識別は困難である。ベレンティ

では毛染め薬で識別を済ませてから,毎年顔

写真を蓄積して識別を続けている。

 我々の継続調査地域内には,1989 年にC群,

B群,T群の 63 頭(新生仔を除く)が生息し,

1

ha あ た り の 生 息 密 度 は 4.4 頭 で あ っ た

Koyama et al., 2002)。その後,群れの分裂等

を経て,1999 年にはこの調査地内に 6 群,計

82 頭が生息していた。年間増加率は 2

.7%にな

る。この増加は出生 204 頭,移入 58 頭,死亡

125 頭,移出 118 頭の結果である。1999 年で

の 1

km

2

あたりの生息密度は 577

.5 頭であった。

他のフィールドからの報告では 5 頭~ 215 頭

km

2

にとどまり(

Sussman et al., 2006),我々

の調査地の個体群密度はかなり高いことがわ

かる。なお,ワオキツネザルは基本的に母系

的な群れ構造を示し,オスは 2 ~ 4 歳で出自

群から離脱する。

 ワオキツネザルは明確な繁殖季節性を示し,

8 月下旬~ 12 月下旬に出産する。出産全体の

82%は 9 月に集中するが,これはベレンティ

で は 乾 期 の 終 わ り に あ た る(

Koyama et al.,

2001)

。出生性比はメス 1 対オス 1

.19 で,1 対

1 の性比から有意差は認められなかった。飼育

下とは異なり,多胎は稀で 199 例中,3 例が双

子,1 例が三つ子にとどまった。3 歳以上のメ

スの出産率は,

63%(1993 年)から 86%(1995

年)の間を変動したが,平均は 75%だった

Koyama et al., 2001)。一方,生後 1 年以内の

幼児死亡率は 37

.7%であった。

 実は,我々が調査している地区は,観光客

用のバンガローに近く,1990 年代後半まで観

光客のガイド等による給餌が稀ではなかった。

また,経営者によって設けられた給水用の水

場も多い。こうした人工的な環境が,幼児死

亡率を低下させ,ひいては個体群の増加につ

ながった可能性は否定できない。例えば,マ

ダガスカルで長期観察が続けられているもう

一つの調査地のベザ・マハファリでは,旱魃

があった 1992 年から翌年にかけての幼児死亡

率が 80

% に達したほか,旱魃がなかった 1987

年 か ら 88 年 に か け て も 52 % に 達 し て お り,

我々の対象個体群よりも著しく高い値を示し

ている(

Gould et al., 2003)。

 一方,ベレンティの森全体で広域調査を行っ

ているジョリーらは,1990 ~ 2000 年で,我々

の調査域を含む“

Tourist”地域で個体数が増

加したのに対して,それ以外の地域では必ず

しも増加していないと結論している(

Jolly et

al., 2006b)。ちなみに 1989 ~ 1999 年に,我々

の継続調査地域への移入個体 58 頭中メスは 13

頭,オスは 45 頭であった。一方,移出個体

118 頭ではメス 28 頭,

オス 90 頭だった

Koyama

et al., 2002)。後者のうちメス 6 頭とオス 38 頭

は調査対象群で生まれている。したがって,

出産率が高い我々の調査地域から周辺に多数

のオスが分散することで,ベレンティ全体の

個体群構成に多少の歪みをもたらしている可

能性も否定できない。

 その一方で,ベレンティでは現在,先ほど

(8)

述べたタマリンドが減少していることに加え

て,人為的移入されたチャイロキツネザルと

の競争も激化することが予想される。さらに

人為的に移入された植物種がワオキツネザル

の生活に影響を与えている可能性も指摘され

ている(市野,2007)

。ベレンティでは 1990

年代からワオキツネザルの一部の個体に毛が

抜け落ちる脱毛症が見られ始めたが,2000 年

代にはかなり広範囲に広がり,重症の個体は

ほとんど毛が抜けた状態になった。この原因

として,植裁されているネムノキ科のギンネ

ム(

Leucaena leucocephala)がミモシンという

毒性物質を含んでいるため,ワオキツネザル

が採食すると脱毛,四肢の麻痺等に至る可能

性 が 指 摘 さ れ て い る(

Crawford et al., 2006)。

こうした状況は,ベレンティのワオキツネザ

ルの将来に影を投げかけている。

南部全体のワオキツネザルの分布,そして原

猿類の将来

 南部マダガスカル全体を概観すると,ワオ

キツネザルを取り巻く環境はさらに厳しさを

増している。10 万

km

2

を対象にした広域調査

では,1985 年に 27

,248k ㎡で最大 93.3 万頭が

生 息 し て い た が,2000 年 に は 生 息 域 が

24

,645km

2

に減少し,個体数は最大で 75

.1 万

頭と推定している(

Sussman et al., 2006)。こ

の 15 年 間 に 生 息 域 が 約 10 %, 個 体 数 は 約

20%減少したことになる。

 これは主として森林伐採による生息地破壊

によるものと考えられている。もちろん,こ

うした生息地破壊はワオキツネザル以外の生

物にも影響を及ぼしていることは想像に難く

ない。ワオキツネザルは他の原猿類よりはオー

プンな環境も利用する種であり,他の森林性

の原猿類はさらに深刻な状況にあると考えて

間違いないだろう。

 マダガスカル全土を視野にいれても,原猿

類の将来は予断を許さない。リモートセンシ

ングを使った研究によれば,1990 年時点で全

森林面積は 60

,918 km

2

で,国土面積の 11%と

推定されている(

Nelson & Horning, 1993)。こ

のように開発等によって,生物の多様性が急

速に失われている現状に歯止めがかかるきざ

しはない。とくに分布域が狭い種は,何らか

の保護対策を採らない限り,まず間違いなく

絶滅していくであろう。

 また,森林の消滅は,長い目で見れば,そ

こに暮らす住民の生活にも影響を及ぼすはず

である。ベレンティ周辺で,木炭を売ってい

る人たちをよく見かける。彼らは麻袋一つ分

の木炭を売って,ドラム缶一杯の水を買って

いる。つまり,水の乏しい地域では,伐採し

た木で炭を焼いて,生活に必要な水を得るわ

けだが,それも森林があるがゆえであり,林

が消失していけば人々の生活も成り立たなく

なるはずである。

  ジ ョ リ ー と サ ス マ ン(

Jolly and Sussman,

2006)らによれば,

2003 年に南アフリカのダー

バンで開かれた世界公園会議で,ラヴァルマ

ナナ大統領が 5 年で保護地面積を 6 万

km

2

増加させると宣言したという。このうちの 1

km

2

は海洋保護区で,陸地は国土の 8%に

相当して,保護地が 3 倍に増えることになる。

実際 2006 年の末に,マダガスカル最大の湖で

あるアラウトラ湖とその湿地の計 42

,478 ha が

保護地に指定された(

http://www.mwc-info.net/

en/index.html)。

 ただし,保護地面積が飛躍的に増えたから

といって様々な問題が一挙に解決するわけで

はない。その点,ベレンティは一つのモデル

ケースとなるかもしれない

(市野,

2007)

。現在,

南部マダガスカルでも有数の観光地として,

エコツーリズム的な活動が続けば,外貨の獲

得にとどまらず,現地住民への啓発・教育活

動にも役立つものと期待できるだろう。

 なお,現地での調査には多くの方々のお世

話になっている,記して感謝の意をささげた

い。A

. ジョリー,S . オコンネル,A . リチャー

ド,故A

. ランドリアンジャフィー,G . ラコ

(9)

トアリソア,山岸哲,江口和洋,斉藤千映美,

正高信男,小田亮,中道正之,相見満,川本芳,

郷康広,渡久山恵,L

. ラコトティアナ,宮本

直美,市野進一郎,相馬貴代,M

. アンドレア

ス,

島泰三,

橋詰不二夫,

. ド・フォーム,V . ラ

ンドリアナソロ(敬称略)

追記

 この原稿を書いてから約1年が経過し,そ

の間にキツネザル類の種数が大幅に増加して

いる

Andriaholinirina et al. (2006) にはイタチキ

ツ ネ ザ ル 3 種(

L. aeeclis, L. randrianasoli, L.

sahamalazensis),Craul et al. (2007) には2種(L.

otto, L. manasamody)の計5種のイタチキツネ

ザルの新種が記載された。追加文献の

Louis et

al. (2008) に は ネ ズ ミ キ ツ ネ ザ ル 2 種(M.

margotmarshae, M. arnholdi)Olivieri et al. (2007)

に は 3 種

(M. bongolavensis, M. danfossi, M.

lokobensis),Radespiel et al. (2008) には1種 (M.

macarthurii) の計6種のネズミキツネザルの新

種が記載され,これらの“新種“がすでに記

載された種と同一なのか否かの論争がおこな

われている。さらに

Mittermeier et al. (2008) は

イタチキツネザル属を 25 種に,アバヒ属を 9

種に増やすなど,現生のキツネザル類を 97 種

に分類しており,そのリストなどを掲載して

いる。このように,種数のインフレーション

が進行しているのが現状で,まだしばらくは

分類に関する論争が続くと思われる。

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Website:

http://www.savethelemur.org/(Madagascar Fauna Group のサイト) http://www.mwc-info.net/en/index.html(Madagascar Wildlife Conservation のサイト) http://www-sul.stanford.edu/depts/ssrg/africa/madag.html (スタンフォード大学によるマダガスカル関係の リンク集) http://jambo.africa.kyoto-u.ac.jp/~malagasy/root.htm(マ ダガスカル研究懇談会のサイト) http://www.alovelyworld.com/webmadag/madagb.html (マダガスカル各地の映像が閲覧できるサイト)

図 3 上空から見たベレンティの森。マンジャレ川は 写真の右から左に流れている。周りをサイザル のプランテーションが囲んでいる。

参照

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