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鳥取県農業試験場 環境研究室

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Academic year: 2021

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69

植物防疫 第

72

巻第

8

号(2018年)

鳥取県農業試験場 環境研究室

鳥取県農業試験場では,水稲,麦類,大豆等の普通作 物,水田転作の野菜,飼料作物等を対象として,県独自 品種の育成,低コスト農業生産技術の開発,安全・安心 で高品質な農産物生産のための新技術開発等に取り組ん でいます。

環境研究室は,病害虫部門(病害担当

1

名,虫害担当

2

名)と土壌部門(2名)で構成され,室長を含む研究 職員

6

名,現業職員

1

名および非常勤職員

7

名が配置さ れています。また,農業試験場内には病害虫防除所が設 置されており,場長が所長を兼任し,環境研究室長およ び病害虫部門の職員が防除所職員を兼任しています。な お,園芸関係については園芸試験場の病害虫担当者

6

が防除所職員を兼任しています。以下に病害虫部門で実 施しているおもな研究内容について紹介します。

本部門では,これまでにイネ内穎褐変病,ダイズ紫斑 病,斑点米カメムシ類,フタオビコヤガ等に関する研究 で成果を上げてきました。近年では,薬剤抵抗性病害虫 やこれまで問題とならなかった病害虫による被害が発生 するようになり,新たな課題となっています。一方,水 稲栽培では直播や高密度播種苗が普及し始め,薬剤の使 用方法についても対応が求められるなど,病害虫管理技 術に関する課題は山積しています。

イネいもち病の薬剤耐性菌対策:平成

26

年に本病が 多発生し,防除所より

11

年ぶりに警報を発令しました。

QoI

剤耐性菌の広域発生が多発生の一因であったことを 明らかにし,平成

27

年度より本系統薬剤の使用が中止 されました。その後の耐性菌モニタリング調査の結果か ら,本年度より

QoI

剤(本田散布)の再使用が可能と なりました。本調査では病原菌の個体識別も行い興味深 い結果が得られています。今後も防除暦編成に必要な本 調査を継続し,情報提供を行う予定です。

イネもみ枯細菌病の防除対策:本病は苗と穂(もみ)

に発病する難防除病害ですが,近年,病原細菌が移植後 イネ株の生育抑制と腐敗枯死を引き起こすことを明らか にしました。本症状「株腐敗症(仮称)」は

JA

育苗セ ンター,大規模農家等の販売苗で大きな問題になるた め,発病機構の解明と防除対策の確立に取り組んでいま す。また,採種圃などで問題となる「もみ枯症」に対し ては,本県で発見した発病抑制微生物の利用について検 討しています。

イネ縞葉枯病(ヒメトビウンカ)の防除対策:本病は 昭和

50

年代に問題となったウイルス病ですが,近年,

普及拡大している

ʻきぬむすめʼ

で発生が増加し,一部で は著しい減収被害も見られています。本病の防除対策 は,病原ウイルスを媒介するヒメトビウンカの薬剤防除 が中心となります。このため,虫害担当が中心となって 取り組んでいますが,発病調査では,病害,虫害の両担 当者が合同で調査を行っています。本病は古くて新しい 病気のため,初めて見る指導者も多く,研修会などを通 した情報提供も積極的に行っています。

マメシンクイガの生態解明および防除対策の確立: 

近年,県内各地で本種によるダイズ被害が見られていま す。本種は西日本での発生はごく少なく,防除対象外の 害虫として位置づけられていました。このため,本種に 関する知見は少なく基礎的な生態についても不明でし た。そこで,本種の発生生態を明らかにするため,フェ ロモントラップ調査や多発生条件の解析等を行っていま す。また,薬剤の防除効果,散布適期等を検討し,防除 対策の確立に取り組んでいます。

上記以外にもイネごま葉枯病,オオムギ網斑病,イナ ゴ類,ダイズカメムシ類,水稲の直播や高密度播種苗に おける薬剤防除技術等について研究を行っています。こ れまで病害虫分野の後継者育成が課題でしたが,現在,

病害,虫害とも若手研究員が配置され,日々経験を積み ながら研究業務に取り組んでいます。今後も役立つ成果 が出せるよう室員一丸となって取り組みたいと思います。

(環境研究室長 長谷川 優)

680―1142 鳥取県鳥取市橋本260 TEL 0857―53―0721

鳥取県農業試験場 環境研究室 研 究 室 紹 介

図−1 イネもみ枯細菌病(左:株腐敗症,右:もみ枯症)

図−2 イネ縞葉枯病

図−3 ヒメトビウンカ

図−4 水田害虫のすくい取り

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植物防疫

参照

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