令和3年8月 一般財団法人 LINEみらい財団
一人一台端末環境におけるICT活用と
情報モラル教育の実践に関する調査報告書
調査概要 はじめに
本調査結果の要点 考察・提言
結果詳細
第1部:教員
1.ネットコミュニケーションのツールと利用 2.ネットトラブルの実態
3.情報モラル教育の実践状況
4.授業でのICT活用頻度とネットトラブルの関係 5.授業でのICT活用と情報モラル教育実践の関係
第2部:管理職
6.校内のネットトラブル実態と対応 7.校内の情報モラル教育の整備 8.校内の情報モラル教育の実践
第3部:教員と管理職の比較
9.校内の情報モラル教育
10.一人一台端末環境におけるICT活用
Appendix
11.教員のICT活用に関する状況や意識 12.校内の教員の役割とICT活用の関係 13.教員の授業でのICT活用頻度との関係 14.ICT整備状況(管理職回答)
目次
項目 詳細
調査目的 学校現場で今後求められる情報モラルの内容や教育実践手法、課題等を可能な限り明らかにすること
調査手法 Webアンケート調査
調査協力 東京都教育委員会、熊本市教育委員会、戸田市教育委員会 上越教育大学附属小学校/中学校、学校法人福岡雙葉学園 調査対象者 一人一台端末環境が整っている学校の教員/管理職
有効回答数 教員:926人(小学校651人、中学校275人)
管理職:133人(小学校96人、中学校37人)
質問数*1 教員:38問 / 管理職:24問
調査時期 2021年2月〜3月
調査主体 一般財団法人LINEみらい財団
備考 資料中の数字は少数第二位を四捨五入している
*1本調査に直接関わらない質問を含む
調査概要(1 / 2)
項目 詳細
主な質問項目
(教員)
あなたが担任する学級における、児童・生徒のICT使用環境を教えてください。
授業において、児童・生徒がICTを活用して学習するための指導歴は、何年になりますか。
授業において、児童・生徒がICTを活用して学習するための指導をすることは、得意ですか。
ICTを活用した授業づくりなどに関する研修等を受講したことがありますか。
学習者用端末(PC、タブレット端末)を児童・生徒が使用する際に、あなたが現在担当する学級で、児童・生徒のネット の利用環境であてはまるものを選んでください。
あなたが現在担当する学級では、学習者用端末(PC、タブレット端末)で児童・生徒間のコミュニケーションをさせてい ますか。
過去1年以内で、学習者用端末(PC、タブレット端末)を児童・生徒が使用する際に、あなたが担任する学級で、ネット トラブルが発生したことがありますか。
過去1年以内で、学習者用端末(PC、タブレット端末)を児童・生徒が使用する際に、発生したネットトラブルは次のう ちどれに該当しますか。
トラブルが発生したことをどのように知りましたか。
トラブル発生後、どのような再発防止策を実施しましたか。
過去1年以内で、学習者用端末(PC、タブレット端末)を児童・生徒が使用する際に、情報モラルの指導を自ら児童・生 徒にしたことがありますか。
学習者用端末(PC、タブレット)を児童・生徒が使用する際に、児童・生徒に情報モラルを指導することは、得意ですか。
児童・生徒のICT活用及び情報モラルの指導をすることで、児童・生徒の学校外での私的なネット利用に関して何らかの変 化を感じることはありましたか。
今後教育の情報化が進む中で、特に情報モラル教育について、どのように考えますか。
主な質問項目
(管理職)
児童・生徒の学習者用端末(PC、タブレット端末)は、自宅に持ち帰って、家庭学習に使用できますか。
ICTを活用する教育効果に対して、つぎのなかでどのように考えますか。
あなたの学校では、ICTを活用した授業づくりなどに関する研修等を実施したことがありますか。
あなたの学校では、学習者用端末(PC、タブレット端末)で児童・生徒間のコミュニケーションを許容していますか。
過去1年以内で、学習者用端末(PC、タブレット)を児童・生徒が使用する際に、ネットトラブルが発生したことがあり ますか。
過去1年以内で、学習者用端末(PC、タブレット)を児童・生徒が使用する際に、情報モラルの指導を児童・生徒にした ことがありますか。
情報モラルの指導は、どのタイミングで実施しましたか。あてはまるものをすべて選んでください。
今後教育の情報化が進む中で、特に情報モラル教育について、どのように考えますか。
調査概要(2 / 2)
上記はLINEみらい財団が情報モラル教育を実践するひとつの指針 となります。
LINE株式会社は、2012年より青少年のインターネット(以下、
ネットとします)の利用環境の整備に取り組み、CSR活動の一環と して、学校や企業、自治体、政府機関などと協力し合いながら、情 報モラル教育活動を展開してまいりました。そして、LINEみらい財 団は、これら一連の教育活動から得られた知見やノウハウを、LINE 個社のCSR活動に留まらず広く社会に還元し、より広域的・永続的 な活動とするため設立されました。
情報モラル教育は、これまで教育CSRを行う企業等の外部機関が 講師を学校に派遣し、児童・生徒が集まった場所で講演する形態が 一般的でした。それは、ネットトラブルが児童・生徒の私的に所持 する端末から様々なネットサービスを介して発生するため、学校と しては具体的な事情を把握しにくいことも一因となっていました。
しかし、GIGAスクール構想の推進を契機に、全国の学校で、「一人 一台端末」「高速通信網」「クラウド活用」が整備され、児童・生 徒の学校での学びの中で、ネットの活用が重要な要素となろうとし ています。
そのようななかで、情報モラル教育についても変化が想定され、
変化の傾向把握と今後の情報モラル教育のあり方を検討するために、
実態調査を実施いたしました。具体的には、すでにICTを積極的に活 用している自治体や学校に協力いただき、一人一台端末環境を実現 している学校の教員及び管理職の方々のアンケート内容の分析をい たしました。
エビデンスに基づいて、子どもたちの学習を支援する
その結果、注目すべき傾向として、下記4点が挙げられます。
・ネットトラブルは校内で発生している
(家庭の問題だけでなく学校の問題に)
・情報モラルの指導は教員の多くが自らが実践をしている
(外部機関による指導から教員による指導へ)
・教員による情報モラル教育の実践や意識は、教員のICT活用の程度や 意識と関係する
(ICT活用の日常化の重要性)
・教員による情報モラル教育の副次的効果として、校外での児童・生徒 のネット利用にも好影響をもたらす
(学校と家庭の接続の重要性)
上記のみならず様々なデータから、すでに一人一台端末環境下の学校 では、従来には見られない傾向が見て取れました。この傾向を関係者に 広く伝えるべく制作したのが本報告書となります。学校関係者のみなら ず、これまで講師派遣や教材制作等で情報モラル教育の一翼を担ってき た外部機関の関係者にもぜひ読んでいただき、今後の情報モラル教育の 実践の一助となれば幸いです。
令和の時代となり、少子高齢化にともなう社会構造の変化やAI、IoT などの言葉に象徴される超情報化社会の到来を目の前にして、我々大人 は子どもたちのために、次なる社会を生き抜く資質・能力を育成するた めの教育環境を整備する責務があります。
LINEみらい財団は、インターネットを子どもたちが賢く適切に使える
ように、今後も情報モラル教育の推進に尽力してまいります。
はじめに
本調査結果の要点
1.児童・生徒間のネットコミュニケーション
①児童・生徒間のネットコミュニケーションの実施率
中学校のほうが小学校より制限なくネットを使用できる環境にあるものの、児童・生徒間のネットコミュニケーションを許容していない 傾向にある(1-1、1-2、6-1、6-2)
②児童・生徒間のネットコミュニケーションツール
小学校、中学校ともに、プライベート使用のツールの使用はほぼ無く、学校管理下の学習支援ツールを介して児童・生徒間のネットコ ミュニケーションを統制・管理している(1-3、6-3)
③教員の児童・生徒へのICT指導や情報モラル教育との関係
小学校、中学校ともに、児童・生徒がICTを活用して学習するための指導頻度が多い教員ほど、児童・生徒間でネットコミュニケーショ ンを許容する傾向にある。また、小学校では、情報モラル教育を自ら実施したことがある教員ほど、児童・生徒間のネットコミュニケー ションを許容する傾向にある(1-4、3-13)
④管理職の認識
児童・生徒間のネットコミュニケーションを自治体や所属する組織等のポリシーとして許容しているとの回答が、小学校で30.2%、中学 校で35.1%ある。一方で、許容しているかどうかわからないと回答した管理職も一定数いる(6-2)
2.ネットトラブルの実態
①ネットトラブルの発生場所、認知経路
ネットトラブルは校内でも発生しており、特に校内での授業時間外に起こるネットトラブルは、中学校は小学校の約2倍となっている。
また、トラブル発生の認知経路は、教員自らが認知する割合が小学校、中学校ともに最も多い(2-3、2-4、6-6、6-7)
②ネットトラブルの特徴
小学校、中学校ともに、コミュニケーショントラブル、長時間利用による健康上の問題、不適切サイト(有害情報)の閲覧の3つの発生 率が高い傾向。これに加え中学校は、個人情報・プライバシー関連が最も高く、小学校とは顕著な差がある(2-2-1、2-2-2、6-5-1、6-
5-2)③授業でのICT活用頻度とネットトラブルの関係
特に中学校において、授業にICTを毎日活用している教員ほど、ネットトラブルは授業中に発生し、それを自ら認知する傾向にある(4-2、
4-3)
本調査では、学校現場で今後求められる情報モラルの内容や教育実践手法、課題等の把握のため、一人一台端末環境が整っている学校 の教員やその学校の管理職からデータを収集し、分析いたしました。 本報告書では、その中から「児童・生徒間のネットコミュニ ケーション」「ネットトラブルの実態」「情報モラル教育の実態」「教員と管理職の認識」の4つを重要なテーマと設定いたしました。
ここでは特徴的な傾向を中心に、以下の通りまとめています。
※文章中の括弧内の数字は本報告書内の該当スライドです本調査結果の要点①
3.情報モラル教育の実態
①情報モラル教育の実践状況
小学校では89.1%、中学校では81.5%の教員が、過去1年以内に、自ら情報モラルの指導経験がある(3-1)
小学校、中学校ともに、過去1年以内に、学校全体での情報モラルの指導の実施率は約8割。学校として教員による情報モラル教育の実 践を進めるために、指導力の技能向上よりも、教員の意識醸成を行う割合が高い(7-1、8-1)
小学校、中学校ともに、指導内容としては、トラブル発生率が高い分野のみならず、「著作権侵害等の知的財産権関連」や「パスワード 管理等の情報セキュリティ関連」といった一人一台端末環境下で必要な分野を含め、全般的に高い割合で指導がなされている。そして、
指導は、「児童・生徒の学習者用端末使用開始時」や「児童・生徒の学習者用端末活用時に必要だと判断したときに都度」のタイミング で実施されることが多い(3-2-1、3-2-2、3-3、8-2-1、8-2-2、8-3)
②学校外での児童・生徒の私的なネット利用への影響
小学校、中学校ともに、情報モラルの指導後に教員の約4割が、児童・生徒の私的なネット利用への変化を感じている。具体的な変化と しては、「児童・生徒の意識が高まった」(意識変容)が、小学校では82.7%、中学校では69.2%と最も高く、「相談が増えた」(行動変 容)が、小学校では11.7%、中学校では26.4%となり、「トラブルが減少した」(結果変容)が、小学校では19.5%、中学校では31.9%で あった(3-5、3-6)
③情報モラル教育に積極的な姿勢や意識を持つ教員の特徴
小学校、中学校ともに、情報モラル教育を自ら指導したことがある教員は、学級でネットトラブルの発生を経験している傾向にある (3-
14)
特に小学校で、授業でのICT活用頻度が高い教員ほど、情報モラルの指導を実施する傾向にある(5-1)
小学校、中学校ともに、授業でのICT活用頻度が高い教員ほど、児童・生徒のICT活用指導を得意とする傾向にある。そして、児童・生徒 のICT活用指導に得意意識がある教員ほど、情報モラルの指導を得意と考える傾向にある(5-6、13-2)
④今後の情報モラル教育への考え
「教員の情報モラルの指導力を高めるためには、教員のICTの習熟度を高めることも必要である」と考える教員、管理職がそれぞれ9割以 上。そして、小学校と中学校ともに、授業でのICT活用頻度が高い教員ほど、そのように考える傾向にある(3-8、8-4、5-4-1)
「これからの情報モラル教育は、教員自らが指導しやすくなる」と考える教員が約5割、管理職が約6割。そして、小学校と中学校とも に、授業でのICT活用頻度が高い教員ほど、そのように考える傾向にある(3-8、8-4、5-4-2)
本調査結果の要点②
4.教員と管理職の認識
①教員と管理職のネットトラブルや情報モラル教育に関する認識の差
管理職は校内の状況を把握する立場であるため、小学校と中学校ともに、ネットトラブルの回答傾向は同じであるものの、発生の認知割 合は教員よりも高い。また、これからの情報モラル教育に対する考えにおいて、上記と同様に回答傾向は同じであるものの、管理職の方 が「あてはまる」を選択する割合が高く、各項目に対する肯定的な姿勢がうかがえる(9-1-1、9-1-2、9-2-1、9-2-2)
②教員と管理職のICT活用と教育効果に関する認識の差
ICTを活用する教育効果に関して、教員も管理職も回答傾向は同じであるものの、管理職の方が「あてはまる」を選択する割合が高く、各
項目に対する肯定的な姿勢がうかがえる。具体的には、小学校では、「ICT機器を利用することで、より教師の指導力が高まると思う」を
「あてはまる」と考える管理職の回答割合は、教員の約2倍となり、中学校では、「
ICT機器を利用することで、より教師の指導力が高 まると思う」「
ICT機器を使うことで、より児童・生徒が考える場面が増えると思う」「
ICT機器の利用は学級の全ての子どもたちに役 立つと思う」を「あてはまる」と考える管理職の回答割合は、教員の約2倍となる(10-1、10-2)
③自由記述内容から推察される教員と管理職の認識
教員は、家庭や地域との連携が必要であるが、啓発するためにどうすれば良いか悩ましいと考えている。特に情報モラルの育成において、
家庭での使い方によって学校の指導が通らない場合もあるため、家庭との協力や、保護者の情報モラル意識も同時に高めることが必要で あると考えている(5-8)
管理職は、教職員への情報モラル教育の理解を深める研修が必要であると考えている。さらに、今後、家庭への情報モラル教育の共通認 識を保つために連携を深めたり、保護者自身の認識を高める活動を推進していく必要があると考えている(8-5)
情報モラル教育はもちろん、一人一台端末の使い方に関して、日常のモラルとして学校や保護者など教育にかかわる関係者全体で共有す ることが重要であると考えている。しかし、家庭への情報モラル教育(保護者自身の認識を高める啓発活動)の対応を学校に求めるのは 教師の負担が増すばかりと考えている(8-6)
本調査結果の要点③
考察・提言
学校現場で今後求められる情報モラルの内容や教育実践手法、課題等はなにか?
1.児童・生徒間のネットコミュニケーション
本調査では、学校管理下の学習支援ツールを用いて、児童・生徒間 のネットコミュニケーションを統制・管理しているのが現状ですが、
全体的に、小学校、中学校ともに、実施率は高くはありませんでした。
学年が上がるごとに個人所有のスマホやPCを持つ児童・生徒は増えて いることから、小学校段階から校内での児童・生徒間のネットコミュ ニケーションを許容し、情報モラルも指導しながら慣れさせていくこ とが望ましいです。そのためには教員のICT活用や情報モラルの指導 力の早急な向上が必要です。GIGAスクール構想を契機として、児童・
生徒の適切なネット活用のために、教員や管理職、そして学校が適応 することの重要性が示唆されました。
2.ネットトラブルの実態
本調査では、一人一台端末環境下でのネットトラブルは、学校外だ けではなく、学校内でも発生していることがわかりました。特に学校 内の授業時間外に起こるネットトラブルは、中学校は小学校の約2倍 の発生率でした。このことから、ネットトラブルは「学校内の問題」
ともいえます。この対策として、これまでは情報教育担当の教員や教 育CSRをおこなう企業等の外部の専門家が情報モラル教育を実践する ことが多くありました。そこには学習の継続性が確保されにくいこと や、児童・生徒の情報モラル意識を高めるためには時間がかかるとい う課題がありました。しかし、一人一台端末環境下での情報モラル教 育は、すべての教員が、目の前の児童・生徒が置かれている状況に合 わせた指導を小学校の早い段階から「継続的に実践する」ことが可能 となります。なぜなら、トラブル発生の認知経路は、教員自らが認知 する割合が小学校、中学校ともに最も多く、そのトラブルの状況を理 解したうえで、情報モラルの指導を都度行うことができるからです。
一人一台端末環境下ではこれまでの課題に対して、学校が向き合える
3.情報モラル教育の実態
本調査では、ネットトラブルに対する再発防止策は、小学校と中学 校ともに①説諭等特別指導、②情報モラル教育、③保護者との連携が 高い割合で選択されており、トラブルを起こした児童・生徒「個人」
と、学級や学年の「全体の児童・生徒」の両方への指導がなされてい ました。また、情報モラル教育の実施タイミングは、端末使用開始時 や端末活用時に必要だと判断したときに都度、指導がなされることが 多い結果となりました。これも「全体的」な指導と「個別」の指導を 織り交ぜてなされています。これからの情報モラル教育の指導は、全 体的な指導プログラムを設計しつつも、それ以外でも適宜教員の判断 で指導を行う運用が重要であることが示唆されました。
本調査では、小学校では89.1%、中学校では81.5%の教員が自ら情報 モラルの指導経験がありました。そして、情報モラルの指導後に教員 の約4割が、児童・生徒の私的なネット利用への変化を感じており、
具体的な変化としては、「児童・生徒の意識が高まった」(意識変 容)が最も高く、「相談が増えた」(行動変容)や「トラブルが減少 した」(結果変容)もありました。このことから、学校内の学習者用 端末の使用に際して実施される情報モラル教育は、学校外での児童・
生徒のネット利用にもいい影響を及ぼすことが示唆され、一人一台端 末環境下で、すべての教員が情報モラル教育を行っていくさらなる意 義が確認されました。そして、教育の実践とともに、児童・生徒の日 常における意識変容から行動変容となる変化に注意していく必要があ ります。学校外での児童・生徒の私的なネット利用のすべてを教員が 把握することはできませんが、例えば中学校では毎日あるいは週半分 ほど授業でICTを活用している教員は、授業時間中に発生するネットト ラブルを認知している傾向があります。学校内における日常の児童・
生徒の変化を見取りつつ、彼らの行動変容に注意していくことが示唆 されました。
考察・提言①
学校現場で今後求められる情報モラルの内容や教育実践手法、課題等はなにか?
本調査では、小学校、中学校ともに、授業でのICT活用頻度が高い 教員ほど児童・生徒のICT活用指導を得意とする傾向にあり、児童・
生徒のICT活用指導に得意意識がある教員ほど、情報モラルの指導を 得意と考える傾向にあることがわかりました。普段からICTを活用す ることで、そのメリットやリスクを体感的に理解することができ、そ の理解を児童・生徒へのICTの活用指導や情報モラルの指導に活かす ことができるものと考えられます。教員がICTを積極的に活用できる 環境を整えることも、教員の情報モラルの指導力向上に寄与すること が示唆されました。
本調査では、教員が情報モラル教育を実践するために、学校として の取り組みとして、指導力の技能向上よりも、教員の意識醸成を行っ てきた傾向がありました。それに加え「教員の情報モラルの指導力を 高めるためには、教員のICTの習熟度を高めることが必要である」と 考える教員、管理職がそれぞれ9割以上となりました。しかし、管理 職は教員のICT活用の技能向上については取り組みの難度が高い傾向 があると認識しており、課題の一つであることが示唆されました。
本調査では、毎日授業でICTを活用していても情報モラルを指導し たことのない教員が、小学校と中学校ともに一定数いることがわかり ました。また、小学校、中学校ともに、情報モラルの指導内容として は、トラブル発生率が高い分野のみならず、「著作権侵害等の知的財 産権関連」や「パスワード管理等の情報セキュリティ関連」といった 一人一台端末環境下で必要な分野を含め、全般的に高い割合で指導が なされていました。これらのことから、教員自身の努力だけに期待す るのではなく、一人でも多くの教員が情報モラルを指導できるような
「仕組み」を整えることも重要といえます。例えば、学校現場におけ る実践しやすい情報モラル教育プログラムの開発や、指導者養成とし て大学の教職課程におけるICT活用や情報モラルの指導力を総合に修 得できる科目(内容)の充実を図ること等が挙げられます。著作権法 や情報セキュリティ等の専門知識も一人一台端末環境下の情報モラル として求められることから、その習得のための専門家や企業等から支 援を受けられる仕組みを合わせて考えることも重要となるでしょう。
4.教員と管理職の認識
本調査では、教員も管理職も一人一台端末やネットの利用に関して、
学校教育の一環として、情報モラル教育の実践の必要性を認識しなが らも、学校教育と保護者や地域が協力してコントロールすることもま た必要であると認識していることがわかりました。一方で、今後の情 報モラル教育について管理職のほうが、「教員自らが指導しやすくな る」「教員自らが効果的に指導することが可能となる」に「あてはま る」を選択している割合が、教員よりも高い傾向にあることがわかり ました。どちらか一方の過度の期待とならないよう、足並みを揃えて いく必要もあると考えられます。それに加え、一人一台端末の配布時、
児童・生徒への情報モラル教育と同じ時期に、保護者への説明会(あ るいは研修会や勉強会)を行い共通理解を図ることも有用な方法の一 つであると考えられます。学校と保護者、そして児童・生徒が共通理 解を図りながら、学校や地域に沿った使用方法を連携して決めること が望ましいです。
本調査では、学校だけではなく、専門家や専門機関との連携や保護 者への啓発等を通じて、社会教育のレベルで啓発をしていく必要があ ると考えていることがわかりました。一般的な「マナーやモラル」は もちろん「情報モラル」に関しては大人や地域の人々全員が児童・生 徒に影響を与えることになります。これは学校のみで「教育」を行え ばよいわけではありませんし、学校現場が置かれている現状を鑑みれ ば、その時間を教員が捻出するのは容易ではありません。学校の教育 のみでできることには限界があります。そこで、学校現場において情 報モラル教育のすべてを教員が担当するのではなく、例えば、児童・
生徒への教育は教員が担当し、保護者や地域への啓発は教育CSRを行 う企業等の外部専門機関が担当するような「分業」をすることで、そ れぞれの置かれた立場や強みを活かしながら情報モラルの啓発を推進 することが期待できます。そして、分業で終わるのではなく、同時に、
学校と保護者・地域の相乗効果をもたらすために、発達段階に応じた 学習要件やそれに基づく教育プログラムを策定し、学校でも家庭・地 域でも、同じ内容やレベル、伝え方で児童・生徒の啓発を推進する全 体的な仕組みづくりも有効であると考えられます。
考察・提言②
結果詳細
第1部:教員
1.ネットコミュニケーションのツールと利用
第1部:教員
一人一台端末環境がある教員の学級において、小学校と中学校を比較すると小学校で78.8%、中学校で68.0%がネットの利 用環境に制限がある状態で、中学校の方が小学校より約10%制限なく利用できています。
問:学習者用端末(PC、タブレット端末)を児童・生徒が使用する際に、あなたが現在担当する学級で、児童生徒のネットの利用環境であてはまるものを選んでください。
1-1 児童・生徒のネットの利用環境
78.8%
68.0%
17.8%
28.4%
0.2%
0.0%
3.2%
3.6%
0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%
小学校(N=651)
中学校(N=275)
制限がある状態で利用できる 制限なく利用できる ネットサービスは利用できない わからない
78.8%
68.0%
児童・生徒間のネットコミュニケーションをおこなっているのは、小学校が36.6%、中学校が28%です。中学校の方が小学 校より児童・生徒間のネットコミュニケーションをさせておらず、その差は約9%ほどです。
問:あなたが現在担当する学級では、学習者用端末(PC、タブレット端末)で児童・生徒間のコミュニケーションをさせていますか。
1-2 児童・生徒間のネットコミュニケーション
36.6%
28.0%
59.4%
65.8%
4.0%
6.2%
0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%
小学校(N=650)
中学校(N=275)
させている させていない わからない
36.6%
28.0%
98.7%
97.4%
0.4%
2.6%
1.3%
2.6%
0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%
小学校(N=238)
中学校(N=77)
学校の管理で使用している学習支援ツール 児童・生徒個人で私的利用しているLINE等のコミュニケーションツール その他
児童・生徒間のネットコミュニケーションをさせているほぼ全ての教員は、学校の管理下で使用している学習支援ツールを 使用しています。児童・生徒が私的利用しているLINE等のツールを使っているのは小学校で0.4%、中学校では2.6%となっ ています。
問:学習者用端末(PC、タブレット端末)を使用して、児童・生徒間でコミュニケーションするツールはつぎのどれですか。あてはまるものをすべて選んでください。(複数回答)
1-3 児童・生徒のネットコミュニケーションツール
0.4%
2.6%
45.3%
33.1%
23.2%
8.3%
22.2%
0.0%
52.6%
62.0%
71.0%
91.7%
66.7%
66.7%
2.1%
4.9%
5.8%
11.1%
33.3%
0% 20% 40% 60% 80% 100%
毎日(N=289) 週半分程度(N=266)
週1回程度(N=69)
2週1回程度(N=12) 月1回程度(N=9)
ほとんど行っていない(N=3)
させている させていない わからない
43.2%
24.4%
20.4%
19.2%
20.8%
0.0%
51.9%
71.1%
69.4%
73.1%
75.0%
100.0%
4.9%
4.4%
10.2%
7.7%
4.2%
0.0%
0% 20% 40% 60% 80% 100%
毎日(N=81) 週半分程度(N=90)
週1回程度(N=49)
2週1回程度(N=26) 月1回程度(N=24)
ほとんど行っていない(N=3)
させている させていない わからない
小学校、中学校ともに、児童・生徒がICTを活用して学習するための指導頻度が多い教員ほど、児童・生徒間でネットコミュ ニケーションをさせています。
ところが、児童・生徒がICTを活用して学習するための指導を毎日行なっている教員であっても、小学校で52.6%、中学校で 51.9%がネットコミュニケーションをさせていません。
ICT指導頻度 ICT指導頻度
1-4 児童・生徒へのICT指導頻度 × 児童・生徒間のネットコミュニケーション可否
問:(児童・生徒間のネットコミュニケーション可否)あなたが現在担当する学級では、学習者用端末(PC、タブレット端末)で児童・生徒間のコミュニケーションをさせていますか。
問:(児童生徒へのICT指導頻度)あなたの授業において、児童・生徒がICTを活用して学習するための指導頻度は、過去1年を平均すると、つぎのどれでしょうか。
※指導が過去1年に満たない場合は、実際の指導期間の平均でお考えください
児童・生徒間のネットコミュニケーション可否 児童・生徒間のネットコミュニケーション可否
2.ネットトラブルの実態
第1部:教員
過去1年以内で、小学校では学級でネットトラブルが発生するのは18.5%、中学校では39.3%です。中学校は小学校の約2倍 のネットトラブルが発生しています。
問:過去1年以内で、学習者用端末(PC、タブレット端末)を児童・生徒が使用する際に、あなたが担任する学級で、ネットトラブルが発生したことがありますか。
2-1 ネットトラブルの発生有無
18.5%
39.3%
73.4%
46.9%
3.8%
9.5%
4.3%
4.4%
0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%
小学校(N=650)
中学校(N=275)
発生したことがある 発生したことはない 担任ではない わからない
18.5%
39.3%
43.3%
47.5%
40.8%
11.7%
15.8%
9.2%
10.8%
9.2%
56.7%
52.5%
59.2%
88.3%
84.2%
90.8%
89.2%
90.8%
0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%
コミュニケーショントラブル(N=120)
長時間利用による健康上の問題(N=120)
不適切サイト(有害情報)の閲覧(N=120)
著作権侵害等の知的財産権関連(N=120)
個人情報・プライバシー関連(N=120)
パスワード管理等の情報セキュリティ関連(N=120)
なりすまし等のネットワーク上の不正行為(N=120)
その他(N=120)
発生した 発生していない
小学校において、過去1年以内に発生したネットトラブルの内容のうち特に多い3つがあります。それぞれ、①長時間利用 による健康上の問題、②コミュニケーショントラブル、③不適切サイト(有害情報)の閲覧です。これらは、4割以上の教 員が経験しています。これら以外のトラブルは10%前後です。
問:過去1年以内で、学習者用端末(PC、タブレット端末)を児童・生徒が使用する際に、発生したネットトラブルは次のうちどれに該当しますか。
2-2-1 発生したネットトラブルの内容(小学校)
43.3%
47.5%
40.8%
56.5%
55.6%
49.1%
24.1%
62.0%
15.7%
16.7%
20.4%
43.5%
44.4%
50.9%
75.9%
38.0%
84.3%
83.3%
79.6%
0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%
コミュニケーショントラブル(N=108)
長時間利用による健康上の問題(N=108)
不適切サイト(有害情報)の閲覧(N=108)
著作権侵害等の知的財産権関連(N=108)
個人情報・プライバシー関連(N=108)
パスワード管理等の情報セキュリティ関連(N=108)
なりすまし等のネットワーク上の不正行為(N=108)
その他(N=108)
発生した 発生していない
中学校において、過去1年以内に発生したネットトラブルで、一番多いネットトラブルは個人情報・プライバシー関連であ り、62%の教員が経験しています。小学校でおこる顕著なネットトラブルの3つ(長時間利用による健康上の問題、コミュ ニケーショントラブル、不適切サイト(有害情報)の閲覧)は中学校ではどれも5割程度です。これらのトラブルの割合は 小学校よりも多いです。さらに他のトラブルの割合も小学校より高い傾向があります。
問:過去1年以内で、学習者用端末(PC、タブレット端末)を児童・生徒が使用する際に、発生したネットトラブルは次のうちどれに該当しますか。
2-2-2 発生したネットトラブルの内容(中学校)
55.6%
56.5%
49.1%
62.0%
ネットトラブルは校内でも起きており、特に中学校では「授業時間中」「授業時間外」ともに5割を超えています。小中を 比較すると、特に「授業時間外」で起こるネットトラブルは、中学校は小学校の約2倍です。
問:2-2のトラブルが発生したタイミングは、次のうちどれになりますか。あてはまるものをすべて選んでください。(複数回答)
2-3 ネットトラブル発生のタイミング
31.7%
52.8%
27.5%
66.7%
75.0%
74.1%
0.8%
0.9%
0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%
小学校(N=120)
中学校(N=108)
授業時間中 授業時間外 学校外(家庭等) その他
27.5%
66.7%
52.8%
ネットトラブルの発生は教員自身が認知した割合が小学校では67.5%、中学校では63.9%で一番多いです。トラブルを受け た本人からと本人以外の児童生徒からの報告・相談はそれぞれ同じ程度です。
小中を比較すると、中学校は、本人以外の生徒からの報告相談が、小学校の約2倍です。
問:2-2のトラブルが発生したことをどのように知りましたか。あてはまるものをすべて選んでください。 (複数回答)
2-4 ネットトラブル発生の認知経路
67.5%
63.9%
29.2%
51.9%
25.0%
54.6%
20.0%
27.8%
10.0%
10.2%
0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%
小学校(N=120)
中学校(N=108)
教員自らが認知 トラブルを受けた本人からの報告・相談 本人以外の児童生徒からの報告・相談 保護者からの報告・相談 その他
25.0%
67.5%
63.9%
54.6%
ネットトラブルに対する再発防止策は、小学校と中学校ともに①説諭等特別指導、②情報モラル教育、③保護者との連携が 高い割合で選択されています。これらの再発防止策は、トラブルを起こした児童・生徒「個人」のみならず「全体の児童・
生徒」にも行われています。
問:2-2のトラブル発生後、どのような再発防止策を実施しましたか。あてはまるものをすべて選んでください。 (複数回答)
2-5 ネットトラブル発生後の再発防止策
20.0%
26.9%
38.3%
41.7%
70.8%
65.7%
64.2%
83.3%
56.7%
71.3%
5.0%
2.8%
0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%
小学校(N=120)
中学校(N=108)
児童・生徒に配布している端末等の機能制限 ICT機器の運用ルールの見直し
児童・生徒への情報モラル教育の実施 トラブルを起こした児童・生徒に対する説諭等特別指導
保護者との連携 その他
70.8%
65.7%
64.2%
83.3%
56.7%
71.3%
3.情報モラル教育の実践状況
第1部:教員
一人一台端末環境下において、過去1年以内に情報モラル教育を自ら指導した経験がある教員の割合は、小学校では89.1%、
中学校では81.5%でした。
問:過去1年以内で、学習者用端末(PC、タブレット端末)を児童・生徒が使用する際に、情報モラルの指導を自ら児童・生徒にしたことがありますか。
3-1 情報モラル教育の指導経験有無
89.1%
81.5%
10.9%
18.5%
0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%
小学校(N=651)
中学校(N=275)
自ら指導したことがある 自ら指導したことはない
89.1%
81.5%
情報モラルの指導経験がある教員の約9割は①インターネットの特性、②コミュニケーショントラブル、③長時間利用によ る健康上の問題、④個人情報・プライバシー関連を実施しています。
どの指導内容も高い割合ですが、「なりすまし等のネットワーク上の不正行為」の内容は57.9%と他の内容に比べて低い傾 向です。
問:3-1で、指導したとする情報モラルの内容は、次のうちどれになりますか。
3-2-1 情報モラル教育の指導内容(小学校)
92.2%
89.1%
95.0%
73.6%
70.7%
93.8%
73.6%
57.9%
21.7%
7.8%
10.9%
5.0%
26.4%
29.3%
6.2%
26.4%
42.1%
78.3%
0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%
インターネットの特性(公開性/記録性/信憑性/公共性/流出性)(N=580)
コミュニケーショントラブル(N=580)
長時間利用による健康上の問題(N=580)
不適切サイト(有害情報)の閲覧(N=580)
著作権侵害等の知的財産権関連(N=580)
個人情報・プライバシー関連(N=580)
ID・パスワード管理等の情報セキュリティ関連(N=580)
なりすまし等のネットワーク上の不正行為(N=580)
その他(N=580)
指導した 指導していない
92.2%
89.1%
95.0%
93.8%
57.9%
情報モラルの指導経験がある教員の9割以上は①インターネットの特性、②コミュニケーショントラブル、③個人情報・プ ライバシー関連を実施しています。
どの指導内容も高い割合ですが、「ID・パスワード管理等の情報セキュリティ関連」「なりすまし等のネットワーク上の不 正行為」の内容は約6割と他の内容に比べて低い傾向です。
問:3-1で、指導したとする情報モラルの内容は、次のうちどれになりますか。
3-2-2 情報モラル教育の指導内容(中学校)
93.3%
93.3%
81.7%
78.6%
73.2%
90.6%
59.8%
64.3%
21.4%
6.7%
6.7%
18.3%
21.4%
26.8%
9.4%
40.2%
35.7%
78.6%
0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%
インターネットの特性(公開性/記録性/信憑性/公共性/流出性)(N=224)
コミュニケーショントラブル(N=224)
長時間利用による健康上の問題(N=224)
不適切サイト(有害情報)の閲覧(N=224)
著作権侵害等の知的財産権関連(N=224)
個人情報・プライバシー関連(N=224)
ID・パスワード管理等の情報セキュリティ関連(N=224)
なりすまし等のネットワーク上の不正行為(N=224)
その他(N=224)
指導した 指導していない
64.3%
59.8%
90.6%
93.3%
93.3%
小学校と中学校ともに、端末使用開始時や端末活用時に必要だと判断したときに都度、情報モラルの指導を実施する傾向に あります。
トラブルが発生したときに指導を行うことについて、小学校が27.6%、中学校が46.4%であり、中学校が小学校の約2倍と なっています。
問:3-2の情報モラルの指導は、どのタイミングで実施しましたか。あてはまるものをすべて選んでください。 (複数解答)
3-3 情報モラル教育の実施タイミング
86.4%
80.4%
27.6%
46.4%
67.9%
62.9%
35.2%
36.6%
1.6%
3.6%
0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%
小学校(N=580)
中学校(N=224)
児童・生徒の学習者用端末の使用開始時 児童・生徒の学習者用端末活用中にトラブルが発生したとき 児童・生徒の学習者用端末活用時に必要だと判断したときに都度 学校で定められた実施時期
その他
27.6%
46.4%
児童・生徒に情報モラルを指導することについて「とても得意である」「どちらかといえば得意である」という得意意識が 半数以上であり、苦手意識(どちらかといえば苦手である、苦手である)を上回っています。
問:あなたは、学習者用端末(PC、タブレット)を児童・生徒が使用する際に、児童・生徒に情報モラルを指導することは、得意ですか。
3-4 情報モラル教育の得意意識
3.4%
3.1%
57.4%
54.0%
38.1%
40.6%
1.0%
2.2%
0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%
小学校(N=580)
中学校(N=224)
とても得意である どちらかといえば得意である どちらかといえば苦手である 苦手である
情報モラルの指導後に小学校と中学校の教員の約4割が、児童・生徒の何らかの変化を感じています。
問:児童・生徒のICT活用及び情報モラルの指導をすることで、児童・生徒の学校外での私的なネット利用に関して何らかの変化を感じることはありましたでしょうか。
3-5 児童・生徒の学校外での私的なネット利用に関する変化
39.8%
40.6%
23.6%
21.9%
36.6%
37.5%
0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%
小学校(N=580)
中学校(N=224)
感じたことがある 感じたことはない わからない
39.8%
40.6%
情報モラルの指導後に、小学校も中学校もそれぞれ82.7 % 、 69.2% と「児童・生徒の意識が高まった」を一番に感じてい ました。具体的に目に見える変化としては「トラブルが減少した」「相談が増えた」ことが起こっていました。相談につい ては小学校が11.7%、中学校が26.4%で、中学校の方が2倍以上の変化が起こっていました。
問 3-5の質問に関して、どの部分で変化を感じましたか。あてはまるものをすべて選んでください。(複数回答)
3-6 児童・生徒の変化の内容
19.5%
31.9%
11.7%
26.4%
82.7%
69.2%
2.6%
0.0%
0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%
小学校(N=231)
中学校(N=91)
トラブルが減少した 相談が増えた 児童・生徒の意識が高まった その他
82.7%
69.2%
11.7%
26.4%
情報モラル教育を自ら実施したことのない理由として、一番多いのが小学校も中学校もそれぞれ52.1% 、66.7% と「他の教 員や外部指導者による指導」があったためでした。なお、この結果は 3-1で「自ら指導したことはない」を選択した教員の みを表しています。
問:情報モラルの指導を自らしたことのない理由として、あてはまるものをすべて選んでください。 (複数回答)
3-7 情報モラル教育を自ら実施したことのない理由
18.3%
17.6%
31.0%
17.6%
52.1%
66.7%
5.6%
5.9%
0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%
小学校(N=71)
中学校(N=51)
これまで情報モラルの指導をした経験が不十分であった トラブルもなく、情報モラルを指導する機会がなかった
他の教員や外部指導者による指導があったため、教員自らが情報モラルの指導をする必要がなかった その他
52.1%
66.7%
今後、教育の情報化が進む中で情報モラル教育の指導がしやすくなることについて、約半数の教員が「あてはまる」「ややあてはま る」と回答しています。
さらに、情報モラル教育は教員自らが指導する必要性が高まることについて「あてはまる」「ややあてはまる」と回答している教員は 約8割であり、その指導力を高めるためには教員のICTの習熟度を高めることが必要であると約9割の教員が考えています。
3-8 情報モラル教育に関する考え
教員の情報モラルの指導力を高めるためには、教員のICTの習熟度を高めることも必要
である これからの情報モラル教育は、教員自らが指導する必要性が高まる
問:あなたは、今後教育の情報化が進む中で、特に情報モラル教育について、どのように考えますか。
13.7%
12.7%
35.5%
30.9%
39.6%
42.2%
8.0%
9.5%
3.2%
4.7%
0% 20% 40% 60% 80% 100%
小学校(N=651)
中学校(N=275)
あてはまる ややあてはまる どちらともいえない ややあてはまらない あてはまらない
15.1%
13.5%
40.1%
37.8%
37.2%
36.4%
6.3%
8.4%
1.4%
4.0%
0% 20% 40% 60% 80% 100%
小学校(N=651)
中学校(N=275)
あてはまる ややあてはまる どちらともいえない ややあてはまらない あてはまらない
これからの情報モラル教育は、教員自らが指導しやすくなる これからの情報モラル教育は、教員自らが効果的に指導することが可能となる
54.7%
47.6%
39.3%
40.4%
5.5%
10.9%
0.3%
0.7%
0.2%
0.4%
0% 20% 40% 60% 80% 100%
小学校(N=651)
中学校(N=275)
あてはまる ややあてはまる どちらともいえない ややあてはまらない あてはまらない
38.1%
32.0%
41.6%
42.9%
17.7%
21.5%
1.8%
2.2%
0.8%
1.5%
0% 20% 40% 60% 80% 100%
小学校(N=651)
中学校(N=275)
あてはまる ややあてはまる どちらともいえない ややあてはまらない あてはまらない
8.3%
18.3%
39.0%
28.2%
23.8%
21.1%
14.0%
14.1%
15.0%
18.3%
0% 20% 40% 60% 80% 100%
自ら指導したことがある(N=580)
自ら指導したことはない(N=71)
1年未満 1〜3年以下 4〜6年以下
7〜10年以下 11年以上 活用したことがない
10.7%
29.4%
41.5%
31.4%
19.6%
23.5%
12.9%
2.0%
15.2%
13.7%
0% 20% 40% 60% 80% 100%
自ら指導したことがある(N=224)
自ら指導したことはない(N=51)
1年未満 1〜3年以下 4〜6年以下
7〜10年以下 11年以上 活用したことがない
情報モラルの指導経験が無い教員は、授業でのICT活用歴が1年未満の方が多い傾向にあります。しかし、児童・生徒を指導 するために、授業にICTを活用してきた期間が長くても情報モラルの指導の割合が高まるとはいえません。
情報モラル教育経験 情報モラル教育経験
3-9 情報モラル教育経験 × 授業でのICT活用歴
問:(情報モラル教育経験)児童・生徒を指導するために、授業にICTを活用してきた期間はどれくらいでしょうか。
問:(授業でのICT活用歴)過去1年以内で、学習者用端末(PC、タブレット端末)を児童・生徒が使用する際に、情報モラルの指導を自ら児童・生徒にしたことがありますか。
授業でのICT活用歴 授業でのICT活用歴
16.6%
35.2%
57.8%
38.0%
11.7%
8.5%
5.5%
4.2%
8.4%
11.3%
0.0%
2.8%
0% 20% 40% 60% 80% 100%
自ら指導したことがある(N=580)
自ら指導したことはない(N=71)
1年未満 1〜3年以下 4〜6年以下
7〜10年以下 11年以上 指導したことがない
38.4%
62.7%
42.0%
27.5%
8.9%
2.0%
3.1%
0.0%
7.1%
5.9%
0.4%
2.0%
0% 20% 40% 60% 80% 100%
自ら指導したことがある(N=224)
自ら指導したことはない(N=51)
1年未満 1〜3年以下 4〜6年以下
7〜10年以下 11年以上 指導したことがない
「児童・生徒がICTを活用して学習する指導歴」が1年未満の教員に着目すると、小学校と中学校の教員ともに、情報モラル 教育の指導を自らしたことがない傾向があります。
情報モラル教育経験 情報モラル教育経験
3-10 情報モラル教育経験 × 児童・生徒へのICT活用指導歴
問:(情報モラル教育経験)過去1年以内で、学習者用端末(PC、タブレット端末)を児童・生徒が使用する際に、情報モラルの指導を自ら児童・生徒にしたことがありますか。
問:(児童・生徒へのICT活用指導歴)あなたの授業において、児童・生徒がICTを活用して学習するための指導歴は、何年になりますか。
児童・生徒へのICT活用指導歴 児童・生徒へのICT活用指導歴
16.6%
35.2%
38.4%
62.7%
46.4%
30.4%
41.4%
37.7%
9.0%
24.6%
2.1%
0.0%
1.0%
4.3%
0.2%
2.9%
0% 20% 40% 60% 80% 100%
自ら指導したことがある(N=580)
自ら指導したことはない(N=69)
毎日 週半分程度 週1回程度
2週1回程度 月1回程度 ほとんど行っていない
31.8%
20.0%
33.2%
32.0%
17.5%
20.0%
9.4%
10.0%
7.6%
14.0%
0.4%
4.0%
0% 20% 40% 60% 80% 100%
自ら指導したことがある(N=223)
自ら指導したことはない(N=50)
毎日 週半分程度 週1回程度
2週1回程度 月1回程度 ほとんど行っていない
情報モラル教育を自ら指導したことがあり、毎日児童・生徒へのICTを活用して学習するための指導をしている教員は、小学 校で46.4%、中学校で31.8%でした。小学校の方が中学校より約1.5倍の割合です。
毎日児童・生徒へのICTを活用して学習するための指導をしていても、情報モラルを指導したことのない教員が、小学校で 30.4%、中学校で20%と、ともに一定数います。
情報モラル教育経験 情報モラル教育経験
3-11 情報モラル教育経験 × 児童・生徒へのICT活用指導頻度
問:(情報モラル教育経験)過去1年以内で、学習者用端末(PC、タブレット端末)を児童・生徒が使用する際に、情報モラルの指導を自ら児童・生徒にしたことがありますか。
問(児童・生徒へのICT活用指導頻度)あなたの授業において、児童・生徒がICTを活用して学習するための指導頻度は、過去1年を平均すると、つぎのどれでしょうか。
※指導が過去1年に満たない場合は、実際の指導期間の平均でお考えください。
児童・生徒へのICT活用指導頻度 児童・生徒へのICT活用指導頻度
46.4% 31.8%
30.4%
20.0%6.6%
4.3%
55.0%
33.3%
35.5%
55.1%
2.9%
7.2%
0% 20% 40% 60% 80% 100%
自ら指導したことがある(N=580)
自ら指導したことはない(N=69)
とても得意である どちらかといえば得意である どちらかといえば苦手である 苦手である
4.5%
0.0%
50.2%
44.0%
41.7%
48.0%
3.6%
8.0%
0% 20% 40% 60% 80% 100%
自ら指導したことがある(N=223)
自ら指導したことはない(N=50)
とても得意である どちらかといえば得意である どちらかといえば苦手である 苦手である
小学校、中学校ともに、情報モラル教育の指導を自ら実施したことがあり、児童・生徒へのICT活用指導が「とても得意であ る」「どちらかといえば得意である」と考える教員の割合は半数を超えます。これは情報モラル教育の指導したことはない と回答した教員と比べて高い傾向があります。
情報モラル教育経験 情報モラル教育経験
3-12 情報モラル教育経験 × 児童・生徒へのICT活用指導得意意識
問:(情報モラル教育経験)過去1年以内で、学習者用端末(PC、タブレット端末)を児童・生徒が使用する際に、情報モラルの指導を自ら児童・生徒にしたことがありますか。
問:(児童・生徒へのICT活用指導得意意識)あなたは、授業において、児童・生徒がICTを活用して学習するための指導をすることは、得意ですか。
児童・生徒へのICT活用指導得意意識 児童・生徒へのICT活用指導得意意識
38.5%
21.1%
58.5%
66.2%
2.9%
12.7%
0% 20% 40% 60% 80% 100%
自ら指導したことがある(N=579)
自ら指導したことはない(N=71)
させている させていない わからない
26.8%
33.3%
68.3%
54.9%
4.9%
11.8%
0% 20% 40% 60% 80% 100%
自ら指導したことがある(N=224)
自ら指導したことはない(N=51)
させている させていない わからない
小学校において、情報モラル教育の指導を自ら実施したことがある教員は、児童・生徒間のネットコミュニケーションを許 容する割合が高い傾向があります。
情報モラル教育経験 情報モラル教育経験
3-13 情報モラル教育経験 ×児童・生徒間のネットコミュニケーション
問:(情報モラル教育経験)過去1年以内で、学習者用端末(PC、タブレット端末)を児童・生徒が使用する際に、情報モラルの指導を自ら児童・生徒にしたことがありますか。
問:(児童・生徒間のネットコミュニケーション)あなたが現在担当する学級では、学習者用端末(PC、タブレット端末)で児童・生徒間のコミュニケーションをさせていますか。
児童・生徒間のネットコミュニケーション 児童・生徒間のネットコミュニケーション
38.5%
19.9%
7.0%
75.3%
57.7%
1.9%
19.7%
2.9%
15.5%
0% 20% 40% 60% 80% 100%
自ら指導したことがある(N=579)
自ら指導したことはない(N=71)
発生したことがある 発生したことはない 担任ではない わからない
43.3%
21.6%
47.3%
45.1%
4.9%
29.4%
4.5%
3.9%
0% 20% 40% 60% 80% 100%
自ら指導したことがある(N=224)
自ら指導したことはない(N=51)
発生したことがある 発生したことはない 担任ではない わからない
情報モラル教育を自ら指導したことがある教員は、学級でネットトラブルの発生を経験している傾向があります。特に中学 校でその傾向があります。
情報モラル教育経験 情報モラル教育経験
3-14 情報モラル教育経験 × ネットトラブル発生
問:(情報モラル教育経験)過去1年以内で、学習者用端末(PC、タブレット端末)を児童・生徒が使用する際に、情報モラルの指導を自ら児童・生徒にしたことがありますか。
問:(ネットトラブル発生)過去1年以内で、学習者用端末(PC、タブレット端末)を児童・生徒が使用する際に、あなたが担任する学級で、ネットトラブルが発生したことがあります か。
ネットトラブル発生 ネットトラブル発生
19.9% 43.3%
4.授業でのICT活用頻度とネットトラブルの関係
第1部:教員
47.1%
38.9%
21.2%
35.0%
20.0%
41.3%
53.3%
51.5%
40.0%
60.0%
0% 20% 40% 60% 80% 100%
毎日(N=121)
週半分程度(N=90)
週1回程度(N=33)
2週1回程度(N=20)
月1回程度(N=10)
発生したことがある 発生したことはない
小学校では、授業にICTを活用している頻度に関わらず、ネットトラブルの発生認知の傾向が特にみられませんでした。
中学校では、授業でICTを活用している教員ほど、ネットトラブルの発生認知が若干高い傾向があります。
授業でのICT活用頻度 授業でのICT活用頻度
4-1 授業でのICT活用頻度 × ネットトラブルの発生
問:(授業でのICT活用頻度)児童・生徒を指導するために、授業にICTを活用してきた頻度は、過去1年を平均すると、つぎのどれでしょうか。
※活用が過去1年に満たない場合は、実際の活用期間の平均でお考えください
問:(ネットトラブルの発生)過去1年以内で、学習者用端末(PC、タブレット端末)を児童・生徒が使用する際に、あなたが担任する学級でネットトラブルが発生したことがあります か。
ネットトラブルの発生 ネットトラブルの発生
19.5%
18.7%
9.1%
0.0%
33.3%
72.8%
74.6%
72.7%
80.0%
66.7%
0% 20% 40% 60% 80% 100%
毎日(N=405)
週半分程度(N=193)
週1回程度(N=44)
2週1回程度(N=5)
月1回程度(N=3)
発生したことがある 発生したことはない
32.9%
30.6%
25.0%
0.0%
0.0%
27.8%
30.6%
0.0%
0.0%
0.0%
70.9%
83.3%
75.0%
0.0%
100.0%
0% 20% 40% 60% 80% 100%
毎日(N=79)
週半分程度(N=36)
週1回程度(N=4)
2週1回程度(N=0)
月1回程度(N=1)
授業時間中 授業時間外 学校外(家庭等)
68.4%
37.1%
14.3%
42.9%
50.0%
68.4%
65.7%
71.4%
57.1%
50.0%
75.4%
74.3%
57.1%
71.4%
100.0%
0% 20% 40% 60% 80% 100%
毎日(N=57)
週半分程度(N=35)
週1回程度(N=7)
2週1回程度(N=7)
月1回程度(N=2)
授業時間中 授業時間外 学校外(家庭等)
小学校では、児童・生徒を指導するために、授業にICTを活用してきた頻度に関わらず、ネットトラブルは学校外で発生する 傾向があります。
中学校では毎日授業でICTを活用している教員ほど、ネットトラブルは授業時間中に発生する傾向があります。
授業でのICT活用頻度 授業でのICT活用頻度
4-2 授業でのICT活用頻度 × トラブル発生時
問:(授業でのICT活用頻度)児童・生徒を指導するために、授業にICTを活用してきた頻度は、過去1年を平均すると、つぎのどれでしょうか。
※活用が過去1年に満たない場合は、実際の活用期間の平均でお考えください
問:(トラブル発生時)2-2-1、2-2-2のトラブルが発生したタイミングは、次のうちどれになりますか。あてはまるものをすべて選んでください。(複数回答)
トラブル発生時 トラブル発生時