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会議参加記

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Academic year: 2021

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Vol.20 No.1

原子力バックエンド研究

会議参加記

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日本原子力学会 2013 年春の年会 バックエンド部会セッション

「福島第一原発事故に伴う放射性物質の環境中の長期的な移行挙動について」参加報告

植田浩義*1

3

26

日(火),近畿大学にて開催された日本原子力学 会

2013

年春の年会において,「福島第一原発事故に伴う放 射性物質の環境中の長期的な移行挙動について」と題する バックエンド部会の企画によるセッションが開催された.

本セッションでは,バックエンド分野,とくに環境にお ける放射性核種の移行挙動等に関わる研究において活躍さ れてきた長尾誠也氏(金沢大学環日本海域環境研究センタ ー,平成

24

年度バックエンド部会 副部会長)が座長を務 め,セッションの開催趣旨説明があった後,3 件の講演が 行われた.最後には,講演者をパネリストとして総合討論 が行われた(開催プログラムは末尾の通り).

はじめに,斎藤公明氏(JAEA)より,「環境中の広域汚 染分布の状況」と題して,文部科学省から

JAEA

が受託し て作成中の放射性物質分布状況のマップに関する調査につ いて報告があった.放射性核種の土壌沈着量の分布ならび に空間線量率の分布について,それぞれの状況や調査方法 等が紹介された.放射性核種の土壌沈着量に関するマップ は,ガンマ線放出核種として

Cs-137, Cs-134, I-131, Te-129m

および

Ag-110m

が,アルファ線放出核種として

Pu-238

お よび

Pu-239+Pu-240

が,ベータ線放出核種として

Sr-89

お よび

Sr-90

が,それぞれ対象核種となっている.第

2

次調 査以降は土壌採取に代わりポータブルゲルマニウム検出器 による

in situ

測定が導入され,平均的な沈着量の評価が可 能となった.

I-131

については短半減期のため有意なデータ の得られた地点は限定されており,

I-129

測定結果により放 射能濃度の相関に基づき

I-131

マップを精緻化している.

また,空間線量率の走行サーベイにはコンパクトで操作が 容易な

KURAMA2

システム(京都大学原子炉実験所が開 発)が用いられたことが紹介された.走行サーベイ結果の 解析から,空間線量率減少の線量率依存性(線量率の低い ところは減少が遅い)や土地利用依存性(針葉樹林は遅く 都市では早い)等が指摘されている.

続いて,恩田裕一氏(筑波大学アイソトープ環境動態研 究センター)より,「放射性物質の環境中移行メカニズム」

と題して,特定のモデル地域(主として川俣町山木屋地区)

の森林,土壌,地下水や河川水における移行状況,樹木や 土壌からの巻上げ状況等に関する包括的調査について報告 があった.調査は放射性セシウムを対象核種としている。

森林への吸着,森林での核種分布状態や移行過程の解析等 に関する説明があり,ヨウ素に比べてセシウムは7割がス ギ樹体に吸着していること,針葉樹(若齢と壮齢)および

広葉樹における

Cs-137

の吸着状況やリター層(土壌表面に ある枯葉等)中の存在量の比較等が報告された.さらに,

土壌侵食に伴う放射性核種の移行,試験水田からのセシウ ムの流下,川・海への放射性核種の移行等に関する調査結 果が示されたのち,調査箇所における放射性セシウムの放 射能濃度の状況に関する全体像の総括が図示された.

最後の講演では,高橋知之氏(京都大学原子炉実験所)

より,「将来の汚染分布状況に対するモデル化」と題して,

放射性物質の分布予測モデルの開発状況が報告された.適 切な除染対策の選択や住民の将来設計につながる公衆の被 ばく線量評価に役立てるため,放射性物質の長期的な影響 把握が可能な広域な範囲(80km 圏内)の放射性物質の分 布予測モデルを開発している.各地域や各地点におけるモ デルの精緻化に向けて,土壌の性質等環境パラメータ調査 等の結果を踏まえ,放射性物質移行メカニズム調査等で得 られた土地利用状況の特性に応じた「狭い範囲における放 射性物質の移行モデル」を必要に応じて反映し,それらの 結果から,自然環境中における将来の放射性物質の長期的 影響(空間線量率分布等)を把握するための手法を確立す ることを目指す.これまでに,土地関連データに基づく環 境減衰に影響する要因の検討やモデルパラメータに相関の ある項目の検討,空間線量率測定データに基づく空間線量 率の適用モデルの検討等が完了しており,今後,予測モデ ルの検討,

80km

圏内線量率分布に基づく放射性物質分布 の将来予測とその妥当性の検証等を実施予定である.

講演後の総合討論では,座長からの「今後必要な調査 は?」との問いかけに対して,講演者より,道路上と平坦 地の空間線量率の違い,空間線量率が物理的減衰より速く 減衰する原因等の分析,森林等での放射性物質の移行・分 布のさらなる調査,予測モデル開発に際してのデータのば らつきの取り扱い等の課題が挙げられた.また会場より,

山林や森林にどうして放射性物質がたくさん残っているの か,また,それらをどうやって除染していけばよいのかを 今後も検討していかなくてはならないとの総括的な提言が あった.

比較的大きな会場にもかかわらず多くの座席を埋める参 加者があり,盛況のうちにセッションが閉じられた.

開催プログラム

座長 (金沢大学)長尾誠也

(1) 環境中の広域汚染分布の状況

JAEA

)斎藤公明

(2) 放射性物質の環境中移行メカニズム

(筑波大学)恩田裕一

(3) 将来の汚染分布状況に対するモデル化

(京都大学)高橋知之

(4) 総合討論

Report on the session of the NUCE in 2013 AESJ Spring Meeting, “Long-tem migration behavior of the radioactive materials in the environment, accompanying the Fukushima-Daiichi NPP accident”, by Hiroyoshi UEDA ([email protected])

*1 原子力発電環境整備機構 技術部

Science and Technology Department, Nuclear Waste Management Organization of Japan (NUMO)

〒108-0014 東京都港区芝4-1-23 三田NNビル2

(2)

原子力バックエンド研究

June 2013

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参照

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