調製方法の違いが牧草の飼料価値に及ぼす影響 : 第1報 羊による消化率,窒素出納
その他(別言語等)
のタイトル
The effect of processing on feeding value of conserved forages : 1. Digestibility and Nitrogen Balance mesured with Sheep
著者 岡本 明治
雑誌名 帯広畜産大学学術研究報告. 第I部
巻 16
号 2
ページ 97‑104
発行年 1989‑06‑30
URL http://id.nii.ac.jp/1588/00002043/
福大研報Ⅰ,16(19a9):97〜104 97
調製方法の違いが牧草の飼料価値に及ぼす影響 一第1報 羊による消化率,窒素出納−
岡 本 明 治1
(受理:1988年11月30日)
The瓦ffectofProcessingonFeedingv且1ueofConservedForag?S rl.DigestibilityandNitrogenBalanceme$uredwithSheep−
MeijiOkamotol
粗飼料の品免栄養価に及ぼす加工処理の影響について検討した。すなわち.オーチヤ ̄ド ダラス(放出油木頼潤印抑止・)主体2番刈革を用いて5種根の加工処理を行い・飼料価 胤窒素の形敵手による消化率.採食量を調べた。
結果は次のとおりである。l)原料草の栄養価をより多く保持する処理は,冷感または低温人 工乾燥であったQ2)加熱処理は窒素の溶解性を減少きせる。栄露的に好ましい状態に保つにほ 低塩度での処理が効果的である。3)羊による消化性は,冷感生草が高く,次いで人工乾草,ウェ フ,−,天日乾草.サイレージの脂であった。4)羊による採食性は.人工乾草が多く,ウェファ ーが少なかった。
キーワード:粗飼料の加工処粗消化率,車乗出札採食量。
うな中で.良質の材料を収穫し,住専の状態で保有す
る栄養分の胞失を最小限にとどめることが重要なかぎ になる。本試験はオーチャードグラス(血沈妙偏
gわmerα己αL.)主体牧草を材料として5種類の加工 処理を行った飼料こついて,処理方法と.飼料価値の
関係を羊による消化率と窒素出納により検討した。
材料と方法 伏試飼料の原料草はオーチャードグラス主体.チモ シー、亦クローパ,ラジノクローバ混揺の2番刈り牧
草を用いた。 この蘇料草を加「処理して以下の各供 緒 言
最乱乳牛の飼養において粗飼料の重要性が強く指 摘されている。多量の穀類給与によって成り立ってい
る高生産乳牛の飼養は,一見粗野料の軽視につながる ようであるが事案はそうでなく,むしろ従来以上に粗 飼料の役割が増してきた。しかL,それは従来の粗飼 料に対する評価とは異なり,粗阿料の機鯉として,よ
り高消化性,高採食性を持ちながらルーメソの恒常性
を維持することが求められているからである。このよ
■ 帯広畜産大学草地学科草地利用学研究室
ILaboratoryofGrasslandUtilizati叫l)epartmentc>fGTaSSlandScicnce・
Obihiro Univ訂HILy ofAgrieulture and V8terinary Medicine,
Obihiro HokkElldo,08〔),JAPAN
!婚
岡本 明治
試飼料を調製した。
① 天日乾草
通常の方法で圃場乾燥し,途中に一度軽い降雨にあっ たので.仕上がりまで5日間を要した。
⑧ 人工乾草
フォーレージハーペスタ(切断長30」0Ⅷ)で収穫
後定直式ドラム乾燥機で乾燥した。この際の投入時温 度は約200℃排気温度は約闘℃であった。
③ ウェファー
②と同様に収穫丁粗粉砕後ATLASGT25型で成 形加エした。.仕上がり製品の状態は直径70血,厚さ30−
68Ⅶ,密度0.鴎g/dであった。乾燥の際のドラム の入口温度は400−600℃排気温度70−80℃であった。
④ サイレージ
②と同様に収穫後300k容量の小型FRP製サイロ にて謝製し.40日後に供試したα
⑤ 冷蔵生草
小型のモーアで収種後,袋詰めし.肛4℃のて冷蔵庫 に貯蔵した。
詞査項目
① 材料成分と窒素分画
② 羊による消化率および窒素出納
③ 乾物摂取量
天甘乾草,人工乾草,ウェブァーの消化率と窒素出 納雀1群2頭ずつ3群のコリデール種去勢細羊(年令
3才,体重54−6射料)を用いて3x3のラテン方格 浅野で測定した。冷蔵生革.サイレージについては別 の1群3頭を用いて測定した。
試験は,予億期7日阻本斯7日間,給与宜ほ体重 当たり乾物で1.31.6タ右の範軌こ制限した。
1日当たりの乾物自由採全量をカフェテリア法1町に より羊4頑を用いて測定した。
飼料と葉の一般成分は常法l辱Jに革り,NDF.AI)F.
AD−リグニンはデタージェント戎鋸によ甘定量したら 蛋白態窒素はトリクロル酢酸法1の.AD不溶性窒素,
ペプシン溶性要素は,Ⅴ邑nS伽St7・†)の方法によった。
可溶性倭水化物はアンズロン法18)により,アンモエ ア懸垂素ほ微量拡散法】5】により定量した。
人工乾草とクェファーの粒径分布はA.S.A.E.法り に準烏て求めた。すなわち試料100gを1βのビーカー 中で熱水により完全にはぐし,濾過した後メチルアル コールに4時間浸し.乾燥.ふるい分けして測定した。
これよりModulusローじniformit)・1)(以後MtJと 略す)と,Modulus of Finene8B一)(以後b4Fと略 す)を求めた。
T自b181.Chemic且1composition of different types of feed
Raw Chi11ed 下 jeld Artiriclall、y
material ね丘terial 乱1age cur七dbay dried士はy Waf色ア
つrymaもe象r (%) 2a−3 敗4 87.9 90.2
舶,2 8臥2
15.呂 15,り
4.3
5,召3乱0
37.9
31.1 38.0
5.0 4.9
65,1 85.8
41.2 48.6
36.5 34.5
23.9 25.8
4.7 6.1
2.00 1.71
2:7:1 烏:3:7
6 9 4 ウ︼ 2 1 ﹁訂 ごU・4 0 9〃 4 87鮒14
Or喝nlCln且tter Crude protein Crude faも N】7E
88_4 87.6 16,3 13.6
4.5 3.8
36.0 40.7 erud隠fil〕er (%DM) 31.6 29.5 W8ter SQl_Carb.1)
ト11ト Al)F Celllllose Hemi¢ellulose Lignin M F2)
M tJ窟)
4.8 7.4
65,0
68、842.名
39,7
37.6 35.9
22.2 26_1
5.2 3.8
1)WaLer soluble c且rbohydraLes 2)Mpdulu$Of finess
3)Mて}duku艮Of unir〔汀mity
−2 −−
99 第1報 羊による消化率,肇素出納
Table2.Nitr(〕gen COnterlt Of different types of feed・
Field Artificia‖y Silage cured hay dried hay Wafer Raw Chil】ed
material mat〔lrial
2.52 2.40 2.61 2.3D
】.56 】.47
(59.8) (63.9)
1.05 0.85 2.61 2.18
【 otal
ト)rotein
NoトIjr・nteln
.川l︼ \ノ 6
9 0U 4
1 ︹U O
Oq
ウJ ︶ 5 7 4 4
11 9 0 7
2 ︶ 9 ︶ 4.\ノ 4 5 2 1 3 ∩8
︵‖l′ 7 0 2 1 仁J l l ﹁へ∪ 3 ヽ1ノ 6 \′ノ ﹁﹁︶ \ノ0 5 2 0 亡U n′︼ 1 9 nU 爪U l nJ 3 1 £U 00 ︶ 4 \ノ 5 \′ノ
00 0 2 ﹁hJ 3 nO O 7 nU O l ︻=0
3 1 亡J 9 ︶ 6 \ノ 4 1ノ
︻ヽU 4 ︵ソ﹈ 3 5 1⊥0 3 n‖リ nU l l⊥ ∩∠ l 仁U
Water soluble O.72
(27.6)
Ar)−i†1Snluble
(J.27(10.3)
Pepsin soIut)le l.58
(60.5)
9 ︶ 2 ヽ−ノ 8 ヽ−ノ
4 ︻トリ 2 1 2 7
0 リ︺ nU ハリ l ハ8 ∩′︼ ﹂1 5
()こ%ortotalnjlT・りgen.
1):Aeid detergenLinsolublc nitrogerl.
結 果
表1に∴煉料亭および供試阿料の化学組成を示した。
粗蛋白質含軋ま,原料草とサイレージがはば等Lい 値を示L,次いで人工乾乳 ウェファー,大口乾草の
順序で低下し、冷感生草の減少率が大きかった。
粕脂肪は,ウエフ7−とサイレージが原料等の含量 に比して17−22%増加し/こ。天日乾草と人工乾草の相
脂肪含量はほぼ等しかった。冷蔵生草は最も少なかっ た。
可溶無窒煮物含量は原料革と比較して天日乾草,人
「乾草,ヴュファーにおいてほとんど変化なく.冷蔵 生草で約4%程度増加したが,サイレージでは減少し
た。同様の傾向は水溶性炭水化物にも認められた。
N∫〕F含軌よ原料申▲人11乾草 ウェプァ『ともは
ぼ規似した値であった。大日乾苧は若干高い値を示し たが、サイレージは低い値であった。
ADFおよぴセルロース含軌ま天日乾草が高く,サ イレージが低い値を示し,他の飼料は原料卓のそれと ほぼ等しい含量であった。
ADリグニン含景は,ウエファーが高い値を示し た。
ウ⊥ファーの粒度分布はMFが1.71,MUが0二3ニ7
と人工乾草に比べ微細部が多かった聞
表2に供試郎料に含まれる番形倭の窒素量を示した。
人上乾草,ウェファ←への加工処理により蛋白態考 案含且が増加し,非崖自態垂果含量,水溶性窒素含量 が減少する傾向にあった。反対にサイレージ謂製は,
蛋白懸軍素含量の減少と,水溶性窒素含量の増加につ ながった。また,ウェプァ、一への加工処理はAl〕不溶 性窒素の割合を高めるようである。
表3に各供試飼料の羊による乾物摂取量\消化率,
可消化養分総量を示した。大R乾草,人工乾草,ウェ ファー等の乾燥処理による飼料(以下乾燥調製飼料と 略す)と冷感生卓およぴサイレージを詳細に比較する ことは,試験の観たてや家畜頭数が異なるために困躾 であるが,冷蔵生苧の粗脂肪を除t、た成分の消化率は
乾燥調製飼料と比較して全般的に高い値を示した。特 に、乾軌有機物において7−10%高い値であった。一
九サイレージのj削ヒ率は全体的に低い値を示した。
乾燥諏製飼料間で比較すると.乾物,有機物,粗蛋 白質の消化率は,天日乾草,ウエフ7・】で近似してお り.人二[乾草はそれよりも高い値を示した。しかL有 意差は認められなかったb
可溶無窒素物の消化率は,人工乾草、ウ⊥ファーが 人口乾草よりも有意に高い値を示した(P<0.Ol)。
サイレージや冷疎生革を含めた比較では,サイレージ が最も低く(42.5%),冷蔵生草が最も高い低(6:う.8
%)を示した。
繊維成分のNDF,ADF,ヘミセルロース消化率に
t00 岡本 明治
Table3.Digestibilityandnutrientcontents Ofdirrerenttypes orfeed.
Chilled Field Artificialiy mate血1 Silage cuナed hay driedhay Waf8r
−Av・払f3sheep−
1.28 1.47
ÅⅤ,for6ぬeep l.54
(Drym如terint乱ke)
知8fLiγeWeiかLkg
(p転宅$tibikity)
Drymate即 drganic血色t如、
Crude prDteiIl er11d8fat N F E erⅦde riber Nl\ド A工仁ア
Cell】ユlo眉裾
Henioellulose で0もaldigestible nutrier舶(%DM)
l.42
1.5注7 ウ︼ 5 月b 臼0 7 4 QV ︻hリ 5 飢鮎尉4063626155閏7L
﹁a 鐙U qu ∧U 5 ∩ nU 亡U ﹁8 瞥1 .4749溺弧墟∬胡38弧線
9 5 1 4 つu つJ J﹁ ハり ワリ ワ︸ nU 9︼ 7 9 6︑7 2 ¢u l qソ 5 ﹁∂ 5 4 A﹁ 5 ﹁n︶ ■4−﹂粥︶穴5 0 1 ︻八U 9 2 7 5 7 1 54諏釦505456舗51ぬ66 5 2 ∩︶ 只︸・A l q﹀ 6 5 只U 1 3 たU 6 2 2 i 5 7 1 5一D 5 5 5 5 ﹁∂ 4 5 6
56.3
ヰ7.049.2 52.8
怠′且ndb(P<0・01),Candr(P<0,05);differsignifieantly,∫・eSp軋tively
Table4・Nitr喝守nb81急nC陪払rdiffer¢nttyPeS 〔げreed fedsheep Clli】1ed
m且terial Sila即
Field .Ar揖iciall)r
Cured ha、7 dried hay Wa昆r
e
UrinaryN (g/血y)
I3 3 9 ハU l
﹁へ︺ ︵VU O 7 6
りム 1 11
24.7 10.7 11.9 14.0 2.1
7 3 <n 4 6
9 0U 9 11 1
24.0 9.6
1l.4■14.4 3.0
12.5
nU 5 ウJ 5 ウ︼
4 2 1
Diges土ed N Ret()inedN
%of Reteined N
/Nint8ke 24.Ⅰ 8.5
%pf Retei汀ed N
/d栂estedド 35.9 15.0 14.0 2D.8 臥1 a and b:dirfer signi∫icanLly巳t the5%level.
おいて人丁乾草とウエファ一間に有意な差が認められ,
人丁乾草が優れていた†NDF,ヘミセルロース,(P くD.0き)ADF(Pく0,Ol)I。また.セルロース消化 率については人工乾草が.ウェファーはもとより天日 乾草よりも有意,(P<0.05)に高い備を示した。冷蔵 生革は,乾燥調製飼料よりも線維成分において高い消 化率を示したが,サイレージはいずれの分画について
も低い消化率であった。
− 4
可消化養分総量(TDN)は,冷意生首が53.3%と 最も高い値を示し,次いで人工乾苧,天日乾草及びウェ
ファー,サイレージの順であった。
窒素出納の結果を表4に示した。
摂取窒素皇において,乾草給与時の鷲素罠が若干他 の飼料給与時より少ないが,有意差はなかったp冷蔵
生草の摂取窒素丘に対する糞申および尿中窒素量の割
合は.他の飼料に比べて小さく,従って,その蓄嗜琴
第1報 羊による消化率.窒素山納
Tab−e5・Daily〔行y matterintakeofvarioushay red fr,urShccp bythecafeteria method・
101
Ficld Arti土■icial】)・
ct】red hny dricd hav Wafer r〕r、)′nlateCrintake〔g)
2120月 2560邑320b a a】1d b:dirt■er signiricantly tllPl%1cvcl.
素騒は最も高い値を示した。乾燥調製銅料間の比較で,
摂取窒素量に対する蓄積窄素量の割合は.有意美は認 められなかったが.ウエフ7一が高く,次いで人丁乾 草.大口乾卓の順であった。サイレージの摂取窒素巌 に対する蓄積窒素量の割合は.天目乾草と近似してい た.)
羊巾動こよるl口当たりの乾物R由採食量の結果を 表膏に示した。
乾燥調製肘料のうち人工乾草が最も採食性がよく.
次いで天日乾草であった。ウェファーは,これらの飼 料と比較すると,極端に劣った(Pく0.01〕。
考 察
加工処理が粗蛋白質含尉こ及ばす影響は、刈取り後の 処理方法の違いによるものが人きい。すなわち.文一」淑
り後圃場での反転乾凰集草等の過程で筆削の物理
的損失が原因の・郎となっている21)。また,加熱の程 度によっても影響され,低湿度での乾燥が蛋白質の保 持にすぐれ.成形時の圧力による熱や.摩擦敷こより その低下が知られている淵。冷蔵生単においては,原
料草と比較して著しい粗蛋白質含寮の低下が見られた
が.これは冷蔵庫内保管で.植物体酵素の作用が持続 したことが原因と考えられた三▲=。
ウェ7丁−の粗脂肪含量増加については.成形過程 の熱による酸化が原因となったものであろう。また.
サイレージでの増加は.発酵過程における可溶性炭水 化物の消費と.有機酸生成に伴う成分変化として知ら れてt、る− 。
高温度での急速な脱水は,炭水化物の損失を伴うこ とが知られており机,特に加熱温度に影響されるが,
本試験の乾燥処理温度下では人工乾草,ウ⊥ファー両 者とも大きな低卜はなく,加熱温度差による違いは見 いだせなかった−⊃冷蔵生華における可溶性炭水化物含 罵の著しい増加は牧草保管中における成分変化であり,
非構造的な一部分がインベルターゼ作用により還元隠
グルコース等に変化したことが原凶と考えられ,ヽ1A
CRAEら■ニーの結果とも・致する。また,サイレージ における減少は発酵作用によるものである1ニ。
粗繊粗NDF,ADF、セルロース含量において,
大R乾草が常に人丁乾阜 ウェファーより高い値を示 したことは,調製時の囲掛こおける機械的な損失が牧 苛の細胞内容物に影響し.相対的に繊維質含量の増加 をもたらしたと考えられる{,また.サイレージにおい てNDF.ヘミセルロース含琶の減少は.発酵過程中 にヘミセルロースの易分解部分であるペクチン,キン ラン,ベントサン等が利印された結果であろう▲㌔
リグニン含包のウェファーでの増加は乾燥,成形時 の加熱が影響しており,同様の減少をSULLIVAN制
も報告している。
各形態の零素含量において.人1二乾草やウェブァー
の蛋白態窒素の割合が原料草と比較して高くなったの
は.乾燥やT成形過程での加熱による蛋白質変性に由 来すると考えられる1勺2□、(,軋互110SON弘一は,租蛋白
質に対する純蛋白質の割合が生革では弧85%である のに対し、人丁乾草では約90%に増加することを見い だLており.本試験でも同様の傾向を示した。
サイレージの7k溶性零素の増加は,発酵過程中特に,
詰込み初期の植物中プロテアーゼ作用や,微生物の活 動によって起こされたものであろう:4〕。
加熱処理した食品で∵陪類とアミノ酸の科学的変化
により起こるメイラード反応はよく知られている」2=。
VAN SOESTほ甘この反応が加熱処理した牧草に 多く起こり,その含考案生成物が八DF巾に蓄稽する と述べている7)。他の飼料に比較して,ウェファーの An不溶性窒素割合が高し、ことは.高温下での乾燥さ
らに成形圧縮時の熱発生によると考えられた。
羊による消化率で、冷蔵生苛の消化率が他の飼料よ
り高い傾向にあるのは冷蔵生辛が原料草の成分をより
多く保持していたことと,餌料給与景を制限したため であろう。冷蔵生草の嗜好性は極めて良好であったが,
水分含最などから糞の性状が下痢状になったために給
年号を若干制限した(】
1(12 岡本 明治 サイレージの消化率が他の飼料より低い傾向にある
のは,刈取り後予乾せずに埋草したことによる発酵不 良が影響していると考えられだ,瀞)。
乾燥調製飼料間の比較で,乾軌有機軌粗蛋白質 の消化率は天口乾草.ウェファーより人工乾草で高い 値を示した。このことは.天口乾草の場合圃場での調 製時における養分溶脱や.ウェブ丁一加工における加
熱処理と成形過程における機械的処理による一部微細 化などが影響していると予想され右脚㌔
人工乾草,ウェファーのNFE消化率が天日乾草よ りも高い値を示したのは,加熱処矧こよりNFE含量 がより多く保持された結果である。WAITEら椚は,
加熱処理した牧草は通常の天日乾草よりもNFEの用 失が少ないことを認めでいる。
冷蔵生革では可溶性炭水化物の増恥サイレージで
は発酵作用によるそれの減少が、,それぞれ消化率に変 化をもたらしたと考えられる。
粗繊維や,その他の繊維性物質の消化率は.材料の 粉砕度の影響を受けやすく,BLAXTERらユ),橋爪
ら皿は飼料の徽純化が消化管内の通過速度を速め,繊
維質の消化率が低下することを報告している。人工乾 草のNDF,ADF,ヘミセルロース,セルロースの消
化率がウェファーよりも有意に高かったことは,飼料 の物理的な形状が影響していると考えられる。HAE N−LEINら9)ほ,粉砕桂皮を変えて調製した成形乾 草の試験で.細切乾草の繊維消化率が明らかに成形乾 草よりも高くなることを報告しているd
冷蔵生革とサイレージの繊維部分の消化率の比較で
は,冷蔵申に細胞壁成分になんらかの影響を受けた奉 により消化率が高まり琶),サイレージでは発酵過程で 可溶性の部分が消費され,消化困難な部分が残された 結果消化率が低下したものと予想される智3う。窒素の利 用率では,天日乾草の摂取窒素宜が他の飼料と比べて やや少ない外は,ほぼ等しい量であった。冷蔵生草 の窒素利用率が高いことは,原料革の成分が比較的保 持され,易発酵性の炭水化物が他の飼料より多く,第 一胃内発酵も良好に行われた結果であろうZl。ついで 利用率の高いウエファーでは糞中窒素の排泄塵が多く,
尿中への排泄旦が少ないことにより利用牲が高まった
とみられる。一方,人工乾草では可消化窒素崇の増加 が尿中への窒素排泄量を増加させた。両者の相違は,
乾燥温度,成形過程での摩擦敷こよる蛋白質の雑菌化
と粉砕程度が影響していると考えられる。これに関連
して,苫田ら32 は成形化による禁中窒素が増加し.尿
中窒素が減少する代償効果により窒素利用率が改善さ れる一卿ま蛋白懲窒素含量の増加と第一胃内通過速度 が影響して,第一胃内でのアン壬ニア吸収が少なくな
る結果であろうと推測している。
天日乾草の窒素利用率の低下は,調製時の養分損失
により第一胃内に漱り込まれる易発酵性炭水化物の量 が少ないために,アンモこ7を利用する微生物の増殖
が抑制された辛が影響したと考えられる。
人t乾草がウェファーや天日乾草,サイレージより もTDN含量において高い値を示したことは,養分保
持ならびに物理的要因でも優れていたことが原因であ ろう。BLAXTERら∂)は乾草の成形化に関する研究
で細切乾草がペレット化した乾草に比べてTI)N含量,
正味エネルギー測定値の高いことを見いだしている。
さらに別の報告りで.飼料のエネルギー利用率は,物 理的妾凶による消化管内通過速度,採食,岨喝,反転 等の家畜の行動,その結果としての第一胃内微生物の
割角と性質によって影響されることを指摘している。
しかしWA工NMANら妨)は,代謝エネルギーの正味 利用効率が,細切牧草よりも成形化した牧草で高いこ とを報告しており,各要因についてさらに詳細な検討 が必要となろう。
家畜の飼料摂取旦は,革阻物理的形状,化学組成
などの逢いによって影響される。一般的に牧草中の繊 維部分が少ないほど摂取量は多くなる。すなわち,粗
飼料のようなエネルギー濃度の低い飼料の填合,第一
胃内の充満度が摂淑量と密接に関係する。それにほ摂 取された飼料の第一胃内での分解速度や通過速度が影 響している。.一般的に乾燥飼料をペレット,キューブ,
ウェファーに成形すると,その採食量が増加するとい う多くの報告5…・2E)がある。
本試験のカフェテリア法による羊の採金星は,ワス プァーで最も低く,従来の報告と異なった括果を得た。
採食呈に影響するといわれているN工)F含量に大きな 差はみられないので,この原因はウェファーの物理的 性状にあると考えられた。すなわち.WEIRらZダ)の 指摘しているdlユSt部分が多かったこと,天日乾草や,
人⊥乾卓に比べて容易に採食で書射、堅牢な形状であっ
たこと等が採食蜃の低下につながったと考えられる。
以上.種々の調製方法が牧草飼料の栄養価保持に大
きく影響することを含有窒素の形態や各成分の消化性 から明らかになったが,低温での速やかな乾燥が考分
− 6−
第1報 羊による消化率∴窒素出納
1巾3保持のLから重安であり,養分含五の高い材料を成形
する場合を除いて,・般的な養分含嶺の牧草を成形す ることは,利益が少ないと考えられる。
謝 辞
本研究の実施にあたり,草地利用学研究室の学生諸
氏および付原点坦の教職眉の皆様に多大なる協力を頂
いた。また,北海道大学農学部朝目田鹿司教授こは本 論文の校閲を賜った。また,本研究の当初より吉日則 人教授には,終始懇切な指導を賜った。記して謝意を 表する。
引 用 文 献
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