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特別支援教育に関する研究 -通常の学級における

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研究主題

特別支援教育に関する研究

-通常の学級における障害者理解のための学習に関する指導の在り方-

目 次

研究の背景と目的 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 80 研究の背景・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 80 研究の目的・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 82

研究の方法 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 83 基礎研究について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 83 調査研究について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 83 開発研究について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 83

研究の内容と結果・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 85 障害者理解のための学習に関する本研究における基本的な考え・・・・・・・・・・ 85 障害者理解のための学習の現状把握・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 88 障害者理解のための学習に関する教員研修計画例・・・・・・・・・・・・・・・・ 92 国際生活機能分類の考え方に基づく全体計画例・・・・・・・・・・・・・・・・・ 96 障害者理解のための学習に関する授業の学習指導計画の作成・・・・・・・・・・・ 99

研究の成果と課題 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 102

障害者理解のための学習に関する教員研修の促進

各学校や地域において活用できる障害者理解のための学習に関する教員研修計画例 を開発した。ICF(国際生活機能分類)の考えに基づく障害者理解について学ぶととも に、障害者理解のための体験的活動やビデオ教材を活用した授業づくりについて研修 を行うことで、教員への理解・啓発を図ることができる。

障害者理解のための学習の一層の充実

小学校・中学校における障害者理解のための学習についてICF(国際生活機能分 類)の考え方を基にした全体計画例を作成するとともに、学習指導計画や教材の開発、

指導する際の留意点の整理を行った。

各学校において、障害者理解のための学習に関する指導を行う際に役立てることが できる。

<研究の成果と活用>

(2)

研究の背景と目的 研究の背景

(1) 共生社会の実現に向けた流れ

我が国が目指すべき社会は、障害の有無にかかわらず、だれもが相互に人格と個性を尊重し 支え合う共生社会である。その実現のため、障害者基本法や障害者基本計画に基づき、ノーマ ライゼーションの理念に沿った障害者の社会への参加・参画に向けた総合的な施策が推進され ている。学校教育においては、障害者の自立と社会参加を見通した取組みを含め、共生社会の 実現に向けた役割を果たすことが求められており、特別支援教育の推進はその一翼を担うもの である。

1976

年、国連は総会決議により

1981

年を「完全参加」をテーマとする国際障害者年 と宣言し、さらに

1979

年の総会決議により国際障害者年のテーマを「完全参加と平等」に拡大 することを決定した。そして、1980年に国際障害者年行動計画を採択し、1983年から

1992

を国際障害者の

10

年と定めた。この世界的潮流の影響を受け、我が国でも障害者の「完全参加 と平等」に向けた立法や行政施策が進められてきた。特に、1980年に採択された国際障害者年 行動計画では、「ある社会がその構成員のいくらかの人々を閉め出すような場合、それは弱くも ろい社会であり、障害者は、その社会の他の異なったニーズをもつ特別な集団と考えられるべき ではなく、その通常の人間的なニーズを満たすのに特別の困難をもつ普通の市民と考えられる べきこと」など我が国が目指す共生社会の実現に向けた基本的理念が示されており、これらの 理念を学校関係者及び児童・生徒が理解するためにも障害者理解のための学習の在り方を改め て検討する必要がある。

(2) 特別支援教育の本格的実施

特別支援教育は、障害のある児童・生徒等の重度・重複化や多様化が進む中、特別支援学校 に在籍する児童・生徒だけでなく、小・中学校の特別支援学級に在籍する児童・生徒及び通常 の学級に在籍する

LD、ADHD、高機能自閉症等の児童・生徒に対し、適切な教育的支援を行うこ

とを目的とした教育である。国は「今後の特別支援教育の在り方について(最終報告)」(平成

15

3

月)において、障害の種類や程度に応じた特別な場で指導を行う「特殊教育」から、

LD、

ADHD、高機能自閉症等を含め障害のある児童・生徒一人一人の教育ニーズに応じて適切な教育

的支援を行う「特別支援教育」への転換を図る基本方針を示した。そして、平成

18

年6月に学校 教育法等の一部を改正する法律が公布され、幼稚園・小学校・中学校・高等学校において、LD、ADHD、

高機能自閉症等を含め障害のある幼児・児童・生徒に対して、適切な教育を行うことが規定された。 のことから、特別支援教育は、特別支援学校だけでなく、幼稚園・小学校・中学校・高等学校 においても取り組むことが義務付けられ、平成

19

年度から本格的な実施が始まった。

(3) 東京都の教育施策との関連

東京都教育委員会では、教育目標を達成するための基本方針に基づき、特別支援教育推進計 画第二次実施計画(計画期間:平成20~22年度)を策定し、

LD、ADHD、高機能自閉症等を含め

障害のある児童・生徒の特別な教育ニーズに対応するため、小・中学校における特別支援教育 を円滑に進める体制の整備を推進するとともに、特別支援学校に在籍する児童・生徒の副籍制 度の円滑な導入に向けた取組みを推進していくことを示している。そして、東京都特別支援教 育推進計画第二次実施計画(平成19年

11月)では、一人一人を大切にする教育を推進するため

(3)

の都民への理解啓発や都立高等学校等における近隣の都立特別支援学校との交流活動を促進し、

都立高等学校等の生徒が障害児(者)理解を深め共生社会の実現に寄与する人材となるよう育 成することが示された。このことからも、障害者理解のための学習は、特別支援教育推進のた めに、すべての校種で取り組まなければならない重要な課題であると言える。

(4) 副籍制度の実施

東京都教育委員会は、「東京都特別支援教育推進計画」(平成

16

11

月)の基本理念として、

「障害のある児童・生徒等の一人一人の能力を最大限に伸長するため、乳幼児期から学校 後までのライフステージを見通した多様な教育を展開し、社会的自立を図ることのできる力 地域の一員として生きていける力を培い、ノーマライゼーション社会の実現に寄与する」こと を示し、その基本理念の具現化の一方策として籍制度を実施することとなった。副籍制度と は、都立特別支援学校の小・中学部に在籍する児童・生徒が、居住する地域の区市町村立小・

中学校に副次的な籍(以下、副籍」という。)をもち、直接的な交流や間接的な交流を通じて、

居住する地域とのつながりの維持・継続を図る制度である。さらに、副籍制度においては、「児 童・生徒すべてが行う交流」として学校便りの交換(間接的な交流)の実施を進めている。

副籍制度の実施による期待される効果としては、区市町村立小・中学校に在籍する児童・生 徒にとっては、障害のある児童・生徒と交流することで、特別支援教育や障害に対する正しい 理解と認識を深めることができ、同じ社会に生きる人間として、互いを正しく理解し、共に け合い、支え合って生きていくことの大切さを学ぶことができることが挙げられている。

(5) 交流及び共同学習の推進

平成

14

12

月に閣議決定された障害者基本計画において、「21世紀に我が国が目指すべき 社会は、障害の有無にかかわらず、国民誰もが相互に人格と個性を尊重し支え合う共生社会と する必要がある。共生社会においては、障害者は、社会の対等な構成員として人権を尊重され、

自己選択と自己決定の下に社会のあらゆる活動に参加、参画するとともに、社会の一員として その責任を分担する。他方、障害者の社会への参加、参画を実質的なものとするためには、障 害者の活動を制限し、社会への参加を制約している諸要因を除去するとともに障害者が自らの 能力を最大限発揮し自己実現できるよう支援することが求められる。(以下省略)」という考え 方に立った障害者施策の基本的方向性が定められた。平成

16

年6月に改正された障害者基本法 では、教育に関して「障害のある児童及び生徒と障害のない児童及び生徒との交流及び共 習を積極的に進めることによって、その相互理解を促進しなければならない(同法第

14

条第3 項)」ことが示された。さらに、障害者基本法の改正の内容を受け、中央教育審議会答申「特別 支援教育を推進するための制度の在り方について」(平成

17

12

8

日)において、小・中学 校の特別支援教育を推進するために、特殊学級(平成

19

年度から特別支援学級)と通常の学級 における交流及び共同学習の促進が提言された。交流及び共同学習は、特別支援教育を推進す る上で、障害のある児童・生徒と障害のない児童・生徒の相互理解を促すことも含めた重要な 取組みであり、今後積極的に取り組むことが求められている。

(6) 交流及び共同学習を促進させるための課題

平成

18

3月独立行政法人国立特殊教育総合研究所(現在の独立行政法人国立特別支援教育 総合研究所)が行った「交流及び共同学習に関する調査研究」において、盲・ろう・養護学校

(4)

(現在の特別支援学校)が実施している小学部・中学部の学校間交流の課題及び特殊学級(現 在の特別支援学級)が実施している小学校・中学校の交流及び共同学習の課題として、「実施相 手校の意識・理解」「交流先の学級の担任や児童生徒の意識・理解」が多く挙げられた。

このことからも、今後特別支援教育を推進する上で、交流及び共同学習の促進が重要な課題 であり、交流及び共同学習を円滑に実施するためにも通常の学級の児童・生徒及び教員等に対 して、障害者理解に関する啓発を図る必要があると言える。

(7) ICF(International Classification of Functioning, Disability and Health 国際生活機能分類)の理念 ICF(国際生活機能分類、以下、「国際生活機能分類」と表記)は、人間の生活機能と障害 の分類法として、平成

13

年5月、世界保健機関(WHO)総会において採択された。この特徴は、

これまでの国際障害分類(ICIDH)が機能不全、能力低下、社会的不利という否定的な印象を えていることに対し、国際生活機能分類は外的な

環境や障害に由来しないその人の特徴等との関連 も視野に入れてとらえ、環境整備も含めた幅広い 視野でかかわっていくことの重要性を示唆してい ることが特徴である。(図1)「国際生活機能分類

-国際障害分類改訂版-」では、図に示した各構 成要素の定義が健康との関連において以下のよう に示された。このように、新たな障害に関する考

えが示される中、新たな考え方に基づき障害者理解のための学習を再構築する必要がある。

研究の目的

特別支援教育を促進し、共生社会の実現を図る上で、学校教育の果たす役割は大きく、特に 障害のある児童・生徒と障害のない児童・生徒との積極的なかかわりや相互理解を促すために は、通常の学級における障害者理解のための学習の充実を図ることが一層求められている。さ らに、これからの障害者理解のための学習においては、国際生活機能分類の考え方を基にした 取組みが重要になる。そこで、本研究では、通常の学級における児童・生徒の障害者理解のた めの学習に関するこれまでの各学校における取組みを整理し、実際に指導する際の教員の留意 点を明らかにすること、ビデオ教材等を活用した教材開発、国際生活機能分類の考え方を基に した全体計画例の作成を行うとともに、教員研修資料の開発を行うことを目的とする。なお、

障害者理解のための学習については、すべての校種で促進を図る必要があるが、本研究では小・

中学校に視点を当てて研究することとした。

○心身機能とは、身体系の生理的機能(心理的機能を含む)である。

○身体構造とは、器官・肢体とその構成部分などの、身体の解剖学的部分である。

○機能障害(構造障害を含む)とは、著しい変異や喪失などといった心身機能または身体構造上 の問題である。

○活動とは、課題や行為の個人による遂行のことである。

○参加とは、生活・人生場面へのかかわりのことである。

○活動制限とは、個人が活動を行うときに生じる難しさのことである。

○参加制約とは、個人が何らかの生活・人生場面にかかわるときに経験する難しさのことである。

○環境因子とは、人々が生活し、人生を送っている物的な環境や社会的環境、人々の社会的な態 度による環境を構成する因子のことである。

1 ICFの構成要素間の相互作用

(5)

研究の方法

基礎研究について

(1) 障害者理解のための学習のねらい及び構成要素

基礎研究では、まず各種答申や学習指導要領及び各種先行研究の内容を分析し、本研究とし ての障害者理解のための学習のねらい及び学習の構成要素について検討した。

また、各種答申や学習指導要領に示されている「相互理解」「正しい障害理解」等の内容を整 理し、本研究としての考えを明確にした。

(2) 国際生活機能分類の考え方を基にした障害者理解

本研究では、国際生活機能分類の考え方を基にして障害者理解を図ることが重要であると考 え、「国際生活機能分類-国際障害分類改訂版-(日本語版)」及び関連する先行研究の分析 行った。そして、構成要素として示されている「個人因子」「環境因子」「心身機能・身体構造」

「活動」「参加」「健康状態」の関連を児童・生徒及び教員等へ分かりやすく提示する方策や 題について検討を行った。

調査研究について

本研究では、小・中学校の通常の学級における障害者理解のための学習について、小・中学 校の特別支援教育コーディネーター等から意見を聞き取り、小・中学校の通常の学級における 障害者理解のための学習に関する教員研修計画や全体計画づくりにおける課題を明らかにす るためのアンケート調査を実施した。調査対象は、東京都の公立小・中学校から無作為抽出し た特別支援教育コーディネーター300名で、調査内容は、「小・中学校における児童・生徒の障 害者理解のための学習の実施状況」「障害者理解のための学習内容」「障害者理解のための学習 に関する教員の留意点」の3点に絞って実施した。

表1 アンケート調査の概要

開発研究について (1) 教員研修計画例の開発

アンケート調査の結果や先進的な取組みをしている学校の授業参観及び聞き取りから明らか になった課題を踏まえるとともに、東京都教職員研修センターで実施している「特別支援教育 コーディネーター養成・育成研修」等の各種研修を参考にして障害者理解のための学習に関す る教員研修計画例を開発した。

(2) 全体計画・学習指導案の作成

各学校における総合的な学習の時間等における先行実践を分析するとともに、東京都教職員 研修センター人権教育資料センター所蔵のビデオを活用した道徳及び特別活動の授業について 検討し、学級担任が意識的・計画的に指導を行うための学習指導案を作成した。

校種 小学校 中学校

調査対象 全体 特別支援学級 設置校 特別支援学級未設置校 全体 特別支援学級 設置校 特別支援学級未設置校

200 100 100 100 50 50

回収数

(回収率)

79.5% 83 (83%) 159 76(76%) 81

81% 41(82%) 40(80%)

回収数(回収率)

240(80%)

(6)

【研究の背景】

(1) 特別支援教育の実施

学校教育法の一部改正による平成19年度から小学校等での特別支援教育の義務化 (2) 東京の特別支援教育

平成 19年度からの副籍制度の実施、特別支援教育推進のためのガイドラインの策定 (3) 障害者施策の展開

障害者基本法の一部改正(平成16年6月)と発達障害者支援法の施行

【課 題】

(1)通常の学級に在籍する児童・生徒の障害者理解の推進

→障害者理解を推進するための全体計画の開発 (2)障害者理解を促す教材の開発

→人権教育資料センターに所蔵している障害に関するビデオの教材化 (3)教員の理解・啓発

→障害者理解のための学習に関する教員研修計画の開発

【研究のねらい】

ICF(国際生活機能分類)の考え方に基づく障害者理解のための学習を通して、児童・生 徒の正しい障害者理解の推進を図るために、指導を行う際の留意点を明らかにし、全体計画や ビデオ教材等を活用した学習指導案の作成を行うとともに、障害者理解に関する教員研修計画 を開発する。

【開発研究】

(1) 障害者理解のための学習に関する教員研修計画の開発 (2) 障害者理解を促す指導に関する全体計画の作成 (3) ビデオ教材等を活用した授業の学習指導案の開発

【基礎研究】

(1) 各種答申・報告書

「特別支援教育」「障害者理解教育」に関する各種答申・報告書

(2) 学習指導要領

小学校・中学校学習指導要領、小学校・中学校学習指導要領解説等

(3) 「障害者理解教育」に関する先行研究

国立特別支援教育総合研究所における「交流教育」又は「交流及び共同学習」

「障害者理解」に関する研究 (4) 指導方法に関する先行研究

「障害者理解」「協同学習」等に関する研究 (5) 評価に関する先行研究

国立教育政策研究所における評価規準等に関する研究

【調査研究】

(1) 特別支援教育コーディネーターへのアンケートの実施

(2) 先進的な取組みをしている地域及び小学校における授業観察と聞き取り調査

【研究の成果】

障害者理解のための学習に関する教員研修の充実

全体計画及び開発教材による障害者理解のための学習の充実

研究の構成と流れ

(7)

研究の内容と結果

障害者理解のための学習に関する本研究における基本的な考え (1) 「障害者理解のための学習」の用語について

文部科学省は、「平成

19

年度共生社会を目指した障害者理解の推進(特別支援教育研究協力 校)実施要綱」(平成

19

5月

18

日初等中等教育局長決定)の中で、「共生社会を目指した障 害者理解の推進」に関する研究を行い、その研究事項として「障害者理解のための学習に関す る研究」等を具体的に示している。本研究では、障害のある児童・生徒についての理解・啓発 を図るための学習を「障害者理解のための学習」という表記で統一した。

(2) 学習指導要領及び各種答申等におけるキーワード

平成

10

12

月の小学校及び中学校の学習指導要領の改訂で、交流教育について総則に示さ れ、さらに、平成

16

年の障害者基本法の一部改正により交流及び共同学習を積極的に進めるこ とが規定された。その条文等の中で「相互理解」「正しく理解(正しい理解)し」と示されてい る内容について具体的に本研究で定義し、障害者理解のための学習のねらいや実際の授業等に おける目標の設定等に生かすこととした。

本研究では、国際生活機能分類の考え方や先行研究の分析を通して、障害者理解の視点での 望ましい児童・生徒像を検討し、障害者理解のための学習のねらいでもある「正しい障害者理 解」について以下のことが重要であるととらえた。

【正しい障害者理解の視点における望ましい児童・生徒像】

障害について関心をもち、正しく理解するとともに、障害を自分のことや身近な課題 してとらえ、主体的に支援の方法や環境の改善について考えることができる。

【正しい障害者理解】

○障害者に対する支援方法等について正しい知識をもつ。

○周りの環境(物的・人的)が、障害者の活動や参加に対して影響することを認識する。

○障害者の立場で考え、行動する態度を身に付ける。

(3) 障害者理解のための学習の全体計画作成における基本的な考え方

障害者理解のための学習指導上の重点

「心身障害児理解のための指導の実際」(文部省平成4年)では、「指導過程において自 ら進んで考え判断したり、体験したりすることによって人間尊重の精神が児童・生徒の に根付くようにする必要がある。」と示している。また、先行研究では、「障害理解を す授業においては、ア 障害体験できることはとことん体験する。 障害のある人と

○小学校学習指導要領解説総則編(平成11年5月)

障害のある幼児児童生徒との交流は、児童が障害のある幼児児童生徒とその教育に対する正しい理解と 認識を深めるための絶好の機会であり、同じ社会に生きる人間として、お互いを正しく理解し、共に助け 合い、支え合っていきていくことの大切さを学ぶ場でもあると考えられる。盲学校、聾学校及び養護学校 との交流の内容としては、例えば、学校行事や学習を中心に活動を共にする直接的な交流のほか、文通や 作品の交換といった間接的な学習が考えられる。

○障害者基本法第 14条第3項(平成 16年6月改正)

国及び地方公共団体は、障害のある児童及び生徒と障害のない児童及び生徒との交流及び共同学習を積 極的に進めることによって、その相互理解を促進しなければならない。

(8)

出会い、自分たちの考えを伝え、話を聞く。この2つの活動は障害理解学習では絶対には せない。」と述べている。これらの提言等から本研究では、指導過程において児童・生徒 が適切な体験をすることと自らの考えを整理して学習を進めることが重要であるととらえ た。

さらに、先行研究では、障害者理解のねらいとして、障害に関する具体的な知識を与え、

その知識をもとに自分が何をすればよいかを考えさせることや福祉の課題を理解するため に、社会を洞察する態度や視点を育てることが示されている。

そこで、本研究では障害者理解のための学習における知識・理解の側面を明確にするこ とと、学習の結果を日常生活等における実践に生かすための指導が必要であると考えた。

障害者理解のための学習の構成要素

行研究等の分析を基に、本研究では、障害者理解のための学習の構成要素を「知る」

「体験する」「振り返る」「実践する」とし、これらの学習活動を意図的・計画的に実施す ることで、児童・生徒の正しい障害者理解が促進されると考えた。

なお、「知る」「体験する」「振り返る」「実践する」は構成要素として示すものであり、

指導の順序性を示すものではない。

(4) 障害者理解のための学習における教員の留意点

障害者理解のための学習において、教員は児童・生徒の正しい障害者理解を促すとともに、

障害者に対して固定化したイメージをもたせないように留意する必要がある。

児童・生徒の正しい障害者理解を促すための指導における留意点について「指導と評価の計 画」「教材」「指導内容・方法」「連携・協力」に分けて整理した。特に、「指導内容・指導方法」

に関して「体験的な活動」の実施については、先行研究や先進的な実践校からの聞き取り調査 の結果、ねらいや目的を明確にして、児童・生徒に対して障害による不自由さだけを強調しな いように指導することが重要であることが確認できた。体験的な活動については、通常の学級 に在籍する障害のない児童・生徒が、障害について体験を通して、自分自身の考えを整理する ことのできる貴重な取組であるため、特に留意する必要がある。

【知る】

○障害について知る。(視覚障害、聴覚障害、肢体不自由障害、知的障害等)

○障害者の生活、余暇活動、仕事について知る。

○バリアフリーの施設・設備について知る。

○様々なコミュニケーションについて知る。(点字、手話、その他)

○支援方法について知る。(介助の方法)

【体験する】

○障害者理解のための体験的な活動をする。(車いす体験・アイマスク体験)

○特別支援学校の児童・生徒と直接的に交流をする。

○高齢者施設に訪問する。

【振り返る】

○体験したときの、気持ちを明確にする。 ○話し合い活動を通し、気付いたことを確認する。

○これまでの交流活動等について検討する。○身近な生活における改善点について確認する。

【実践する】

○学校や教室をみんなが使いやすいように工夫する。

○お互いが、協力し合うようにする。 ○相手のことを考えた係活動を行う。

○生活の中で、障害者とふれあう。 ○特別支援学校等と間接交流を行う。

(9)

項目 留意点 確認

指導と評価 の計画

障害者理解のための学習に関する指導と評価の計画を適切に設定してい る。

教員が、障害について確かな知識をもち、指導のねらいや内容、留意点に ついて、指導する教員間で共通理解が図られている。

児童・生徒の発達段階や興味・関心に応じた内容となっている。

障害者理解のための学習に関する教材の開発や活用方法の検討を行ってい る。 教材として使用するビデオ等については、内容等について十分に吟味して いる。

教材は、障害者の人権に配慮した内容になっている。

指導内容

指導方法

障害(視覚障害、聴覚障害、知的障害等)に関する必要な内容を児童・生 徒に教えている。

障害に応じたコミュニケーション(手話・点字・AAC)の方法を児童・生 徒に教えている。 AAC:補助代替コミュニケーション手段

具体的な支援方法(車いすの介助等)を教えている。

児童・生徒が障害者の生活・余暇活動・仕事について理解を深めるための 情報を提供している。

特別支援学校や特別支援学級について、児童・生徒に十分な情報を提供し ている。

児童・生徒が、障害者について多面的な理解が図られるように指導してい る。 障害者は諸感覚を生かした学習の結果、様々なことができるようになった ことを児童・生徒に理解させている。

児童・生徒の障害についての誤った認識に対して、適切に指導をしている。

体験的な活動を行う際、十分な時間の確保ができている。

(十分な活動ができる計画となっているか。)

体験的な活動(アイマスク・白杖を活用した体験等)を行う際、児童・

生徒が事前にその目的や方法について十分に理解できるように指導し ている。

体験的な活動を通して、児童・生徒の多様な気付きを引き出す支援や 工夫をしている。

体験的な活動等を行った後、児童・生徒が体験したときの気持ちを振 り返る学習活動を行っている。

互いのよさを認め合うことのできる交流内容になっている。

児童・生徒の活動が、障害のある児童・生徒に対する思いこみ等による、

一方的な援助となっていない。

障害のある児童・生徒とのかかわりの中で起こったトラブル等に対し て、児童・生徒に一方的に我慢を強いるような指導をしていない。

障害者に話を聴く際、十分な打ち合わせを行い、児童・生徒が分かり やすい内容となっている。

障害者に話を聴く際、相手のプライバシーに留意している。

連携・協力

学校全体で障害者理解のための学習のねらいや目的及び指導方法について 共通理解ができている。

家庭や地域と連携し、障害者理解のための学習について情報提供(目的・

ねらい・学習内容等)を行っている。

特別支援学校や特別支援学級と組織的に連携し、障害者理解のための学習 充実を図っている。

地域の関係機関と組織的に連携し、障害者理解のための学習の充実を図っ ている。

【参考】

障害者理解のための学習に関する留意点

(10)

障害者理解のための学習の現状把握

都内公立小・中学校(300 校無作為抽出)の特別支援教育コーディネーターへアンケート よる調査を行った結果、以下のような障害者理解のための学習に関する留意点及びその困難性 や重要性、学習内容について検証することができた。

(1) 障害者理解のための学習における留意点

留意点に関する困難性

障害者理解のための学習における留意点について先行研究等を参考に

12

項目を設定し、

実際に実施する際の困難性を調査した。4件法(

4:かなり困難 3:やや困難 2:あま

困難でない 1: 困難でない)における回答結果を点数化し、全体、校種及び特別支援学級 設置の有無の視点から平均値の差を検定(t検定)し、有意差を求めた。

表2 障害者理解のための学習における留意点に関する困難性(*P<.05)

留意点 全体

校種別 小学校 中学校

小学校 中学校 特別支援 学級設置校

特別支援 学級未設置校

特別支援 学級設置校

特別支援 学級未設置校

計画的な指導の実施

3.04

2.91 *3.30

2.93 2.84 3.32 3.28

適切な教材の開発と準備

3.27 3.23 3.36 3.17 3.29 3.40 3.31

発達段階に応じた指導内容

の精選

2.73

2.67 *2.85

2.63 2.72 2.79 2.92

④教員の障害についての理解

2.22 2.25 2.15 2.33 2.17 2.95 2.21

⑤特別支援学校等との連携

2.45 2.43 2.47

2.19 *2.70 2.07 *2.92

⑥家庭の理解と協力を得る

2.68 2.67 2.69 2.72 2.62 2.57 2.82

⑦十分な体験的な活動の実施

2.87 2.84 2.93 2.87 2.82 2.90 2.95

⑧直接交流の定期的な実施

2.95 2.93 2.99

2.71 *3.17 2.76 *3.23

⑨交流体験の十分な振り返り

2.74 2.70 2.81 2.79 2.61 2.71 2.92

⑩ 児 童 ・ 生 徒 に 固 定 的 な イ メ

ージをもたせない

2.50

*2.58 2.36

2.65 2.50 2.31 2.41

⑪ 交 流 を す る 際 一 方 的 な か か

わりにならないようにする

2.65 2.63 2.69 2.59 2.67 2.64 2.74

⑫ 障 害 に つ い て 環 境 も 含 め 考

えさせる

2.60 2.62 2.57 2.62 2.62 2.64 2.49

全体の傾

実施する上で困難性が高い内容として、「適切な教材の開発と準備(3.27)」「計画的 な指導の実施(3.04)」「直接交流の定期的な実施(

2.95)」「十

分な体験的な活動の実施

2.87)」が挙げ

られる結果となった。

イ 校種別の傾向

校種別の傾向では、「計画的な指導の実施(小学校

2.91、中学校 3.30) t(236)=4.05、

P<.05」

「発達段階に応じた指導内容の精選(小学校

2.67、中学校 2.85)

(238)=1.97、

P<.05

」「児童・生徒に定的なイージをもたない(小学校

2.58、中学校 2.36)

t(238)=2.5、P<.05」において、5%水準

で有意差が認められたものの、全体的には、校

種において大きな差は認められなかった。

(11)

特別支援学級の設置状況別の傾向

特別支援学級の設置状況の視点から検証した結果、小学校・中学校共に、「特別支援学

校等との連携」「直接交流の定期的な実施」の項目で、特別支援学校設置校と未設置校に おける平均値の差に5%水準で有意差が認められたものの、全体的には特別支援学級の 設置・未設置の比較において、大きな差は認められなかった。

特別支援学校等との連携に関する検定結果

小学校設置校と小学校未設置校の検定 t(157)=

4.09、P<.05

中学校設置校と中学校未設置校の検定 t(67)=5.23、

P<.05

【直接交流の定期的な実施に関する検定結果

小学校設置校と小学校未設置校の検定 t(153)=3.50、P<.05 中学校設置校と中学校未設置校の検定 t(74)=2.48、P<.05 留意点の困難性に関する各項目間の相関

各留意点の困難性に関する相関を調べたところ、全体(小学校・中学校)では、「⑩ 童・生徒に固定的なイメージをもたせない」「⑪交流をする際一方的なかかわりにならな いようにする」の相関係数が

0.46、「

⑤特別支援学校等との連携」と「⑧直接交流の定 的な実施」の相関係数

0.44、「⑩

児童・生徒に固定的なイメージをもたせない」「⑫ 障害について環境も含め考えさせる」の相関係数は

0.43

の結果となり、他の項目間と比 して強い相関が見られた。

障害者理解のための学習を行う際に特に重要であると考えている留意点

障害者理解のための学習を行う際に、特に重要だと考える留意点について調査した結果、

小・中学校の特別支援教育コーディネーターから「教員の障害についての理解」が最も多 くの回答が得られた。続いて、「発達段階に応じた指導内容の精選」「障害について環境 )も含めて考えさせる」「児童・生徒に固定的なイメージをもたせない」も共通して多く 回答が得られる結果となった。

さらに、小学校においては「特別支援学校等との連携」が、中学校では「直接交流の定

的な実施」も重要であるという回答が得られた。

表3 特に重要であると考えている留意点

回答数)

N=240

小学校(回答数)N=159 中学校(回答数)N=81 教員の障害についての理解 (147) 教員の障害についての理解(9) 教員の障害についての理解(54)

発達段階に応じた指導内容の精選

(102)

発達段階に応じた指導内容の精選

(78) 障害について環境も含め考えさせる (26) 障害について環境も含め考えさせる

(75) 障害について環境も含め考えさせる

(49) 児童・生徒に固定的なイメージを

もたせない (25) 児童・生徒に固定的なイメージをも

たせない (71) 児童・生徒に固定的なイメージを

もたせない (46 ) 発達段階に応じた指導内容の精選 (24) 直接交流の定期的な実施 (54) 特別支援学校等との連携 (43) 直接交流の定期的な実施 (21)

(12)

(2) 障害者理解のための学習内容

特別支援教育コーディネーターが重要であると考えている学習内容

児童・生徒の障害者理解のための学習として、特別支援教育コーディネーターが特に重

要であると考えている学習内容について調査した結果、「障害者と交流し、触れ合う学習」

身近な生活で自分ができることを考える学習」「支援方法等について知る学習」の項目に ついて高い割合での回答を得られた。

また、小学校、中学校ともに、特別支援学級の設置状況の違いによる項目の回答割合に

ついては大きな差が認められなかった。

表4 要だと考える学習指導内容

障害者理解のための学習の実施状況(P88表5①~⑥参照)

全体の傾向

障害者理解のための学習の実施状況について調査した結果、全体として「コミュニ ーション(手話・点字等)70.8%」「直接交

65.0%」「

介助方法(車いすの操作方法等)

63.8%」が、高い割合として回答された。

校種別の傾向

校種別に傾向をみると、小学校は、「コミュニケーション」直接交流」「介助方法」

似体験」「障害の定義・特徴」「施設設備」のすべての項目について

65%以上

の実施を行 っている結果となった。

さらに、小学校の学年別の実施状況を比較すると、小学校第3・4学年が、どの項

においても高い実施率を示したが、小学校第1・2学年についてはどの項目についても 低い実施率を示す結果となった。

また、中学校においては、「直接交流」の項目を除き、すべての項目において実施率

45%を

下回る結果となった。

学習内容 N=240全体 小学校 N=159 中学校 N=81

全体 設置校 未設置校 全体 設置校 未設置校

障害者と交流し、触れ合う学習

162 108 54 54 53 27 26

身近な生活で自分ができること

を考える学習

141 95 46 49 46 24 22

コミュニケーションや支援方法

等について知る学習

135 88 48 40 47 21 26

体験等について自分の気持ち等

をまとめる学習

95 60 26 34 35 20 15

体験的な活動を行う学習

76 49 28 21 27 14 13

体験的な活動等を振り返る学習

44 30 17 13 14 8 6

障害者のための施設や設備につ

いて知る学習

34 26 12 14 8 4 3

交流計画について主体的に考え

る学習

27 16 11 5 11 4 7

(13)

(3) アンケート調査結果の考察

指導計画・教材開発の工夫と教員研修の必要性

総合的な学習の時間の取組みと関連し、小学校第3学年からの実践が伺える結果となっ た。また、障害者理解のための学習を行う際に、特に重要であると考えている留意点とし て「教員の障害についての理解」が、留意点の困難性として「計画的な指導」「教材の開発・

準備」が多く挙げられた。このことから今後、国際生活機能分類に基づき、総合的な学習 の時間等においてより計画的に障害者理解のための学習を指導する上で、「教員の障害につ いての理解」「計画的な指導」「教材の開発・準備」を取り上げた教員研修が必要だと考え られる。

身近な課題としてとらえ実践性を高めるための学習の重視

留意点の困難性の相関について「⑩児童・生徒に固定的なイメージをもたせない」「障害について環境も含め考えさせる」との関係が強いことや今後重要であると考える学習 内容として「身近な生活で自分ができることを考える学習」「体験等について自分の気持ち 等をまとめる学習」が多く挙げられた。このことから、障害者理解のための学習を行うに 当たっては、知識を得て、体験するだけではなく、身近な課題としてとらえ実践性を高め るための学習をより一層重視することが必要である。

特別支援学級の教員との連携

今回の調査において、特別支援学級設置校と未設置校の比較をしたところ、小学校、中 学校ともに「特別支援学校等との連携」「直接交流の定期的な実施」において有意差が認め られたが、他の調査項目については、有意差が認められなかった。「特別支援学校との連携」

及び「直接交流の定期的な実施」については、特別支援学級は十分な役割を果たしている と推測できるが、障害者理解のための学習を通常の学級で行うに当たっては、特別支援学 級の教員と通常の学級の教員がより連携し、教材開発や計画的な指導の実施を図ることが 課題である。

表5-① 実施状況(小・中学校) 表5-② 障害の定義(小学校) 表5-③施設・設備(小学校)

表5-④コミュニケーションの方法(小学校) 表5-⑤介助方法(小学校) 表5-⑥体験的な活動(小学校)

障害の定義(小学校)  N=103

実施, 28 実施, 69 実施, 60

未実施, 75 未実施, 34 未実施, 43

小1・2年 小3・4年 小5・6年 障害者理解のための学習(実施状況)

 障

 施 ・設

ミュニケーション  介

 疑

 直

指導内容

小学校中学校

コミュニケーション方法(小学校) N=141

実施, 26 実施, 120 実施, 49

未実施, 115 未実施, 21 未実施, 92

小1・2年 小3・4年 小5・6年

実施 未実施

介助方法(小学校)   N=117

実施, 67 実施, 63

実施, 5 未実施, 112 未実施, 50 未実施, 54

小1・2年 小3・4年 小5・6年

実施 未実施

体験的な活動(小学校) N=111

実施, 4 実施, 83 実施, 37

未実施, 107 未実施, 28 未実施, 74

小1・2年 小3・4年 小5・6年

実施 未実施 施設・設備(小学校)   N=116

実施, 84 実施, 62

実施, 5 未実施, 111 未実施, 32 未実施, 54

小1・2年 小3・4年 小5・6年

実施 未実施 実施

未実施

(14)

3 障害者理解のための学習に関する教員研修計画例

アンケート調査から明らかになった「教員の障害についての理解」「計画的な指導」「教材の開発・準 備」の課題を踏まえ、教員の障害及び障害者理解のための学習に関する研修を充実させための教員研修 計画例を開発した。研修内容は、「障害者理解のための学習(概論)」「ICF(国際生活機能分類)に基づ く障害についての考え方」「体験的な活動と支援方法の検討」「ビデオ教材を活用した授業づくり」とし、

各研修ともに国際生活機能分類の考え方である「活動」及び「参加」を保障するとともに、支援につい て「個人因子」及び「環境因子」の両方の視点から考えることができるように配慮した。

さらに、本研修は、特別支援教育の推進を今後担っていく若手教員の育成に焦点を当て、協議及び演 習を十分に行うとともに、体験的な活動やビデオ教材等を活用した授業づくりの内容を中心に進められ るよう以下のように計画した。

(1) 研修目的

教員が、国際生活機能分類の考え方に基づいて、障害及び障害者について理解する。

通常の学級において児童・生徒が正しく障害者理解するための教材や学習活動及び指導する際 の教員の留意点について知る。

(2) 対 主に教職経験が5年未満の教員 (3) 研修計画

*なお、研修テーマ1~4について、それぞれ単独に研修をできるように研修計画を立案したが、そ れぞれの内容をまとめて研修を行うことも可能である。

研修テーマ ねらい 主な内容【研修方法】

障害者理解のため の学習

(1)特別支援教育の推進を図る 上で、通常の学級における障 害者理解のための学習が重 要であることを理解する。

(2)通常の学級における障害者 理解のための学習が求めら れている背景や目的を知る。

①特別支援教育と学級指導 【協議】

②各種法令及び学習指導要領等との関連 【講義】

③東京都の特別支援教育の推進 【講義】

④交流及び共同学習や副籍制度の推進

【講義】

ICF(国際生活機 能分類)に基づく障害 についての考え方

(1)ICF(国際生活機能分類) の考え方を理解する。

(2)ICF(国際生活機能分類) に示された個人因子・環境因 子及び活動・参加について具 体的に考える。

①ICF(国際生活機能分類)の概要 【講義】

②これまでの障害定義 【講義】

③個人因子・環境因子について

【演習・協議】

体 験 的 な 活 動 と 支援方法の検討

(1)障害者理解のための学習に おいて体験的な活動を実施 する際の留意点について理 解する。

(2)障害者を理解するための体 験的な活動を実際に行うと ともに、体験を基に支援方法 について具体的に考える。

①各学校における体験的な活動の取組状況 【講義】

②体験的な活動の実施 【演習】

③新たな体験的な活動の検討 【演習・協議】

ビデオ教材を活用 した授業づくり

(1)ビデオ教材を活用した障害 者理解のための学習の在り 方について理解する。

(2)ビデオ教材の視聴を行い、視 聴したビデオを活用した学 習指導計画を検討する。

①障害者理解のための学習における教材開 発と評価 【講義】

②ビデオ教材の視聴と学習指導計画の検討

【演習・協議】

③障害者理解のための学習における留意点

【協議・講義】

参照

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