The effect of the thickness of interlayer on stress singularity fields is evaluated using a boundary element method and eigen value analysis based on a finite element method. A model for analysis is a three-dimensional three-layered joint consisting of silicon, resin and FR4.5. All stress components are expressed as spherical coordinate systems in which origins are located at the vertex of each interface. They are derived from the transformation of coordinate system; from x -, y- and z-coordinates to r -, θ - and φ -coordinates. Here, θ is the angle from z-axis, φ is the angle from side surface and r is the distance from the stress singularity point. The intensity and the stress distribution of stress singular field at the vertex are investigated for various values of interlayer thickness. Comparing the order of stress singularity in two interfaces of silicon–resin and FR4.5-resin, the value of the order of singularity in the silicon–resin interface is larger than that in the FR4.5-resin interface. Furthermore, the intensity of singularity in the r-direction at θ =90º and φ =45º is large as the thickness of interlayer increases. However, the thickness of interlayer influences scarcely on the intensity of singularity for stress singularity line. Therefore, the three-dimensional intensity of stress singularity newly defined at the vertex of each interface increases with increasing the thickness of interlayer.
Key Words : Stress Singularity, Interface, Elasticity, Adhesive Joint, Residual Stress, Boundary Element Method
1.
緒 言最近,著者等は三次元異材接合体の界面端部に発生す る応力特異場の特性について詳細に調べている
(1)-(4)
.応 力特異場は応力特異点を原点とする極座標系において,特異点からの距離の関数として表されることは良く知 られている
(5)-(12)
.前報(4)
で三次元接合体の界面角部に おける応力特異場の強さを定義する場合には,特異点か らの距離だけでなく,側面の応力特異線からの影響も 考慮する必要があることを示した.図1
に示すような異 なる力学的特性を有する複数の材料が積層された場合,中間にある材料
2
の上下界面に係わる特異性のオーダは 一般に異なる.また,これら二つの界面間の距離t
が変 われば,界面角部の応力特異場の強さも変化すると考え られる.井岡らは,中間層を有する二次元接合体の界面と自由表面との交点における特異応力場について調 べている
(11)
.しかし,三次元接合体については,いま だ明らかにされていない.このような構造は積層複合 材料などに見ることができるばかりでなく,電子デバ イスの小型化,高機能化を目指した実装技術の中にも 見ることができる.一般に,応力特異場はs ij (r, θ , φ )=Σ K ij
m r - l m f ij
m ( θ , φ )
のように表される.ここで,rは応力特異 点からの距離, Kij
m
は応力特異場の強さ,f ij
m ( θ , φ )
は応力場の*原稿受付 2009年 2 月 日
*1正員,フェロー,長岡技術科学大学工学部(〠
940-2188
長岡市上富岡 町1603-1)
E-mail : [email protected]
三層三次元異材接合体角部の熱残留応力の強さ
*
( 中間層厚さの影響)古口 日出男
* 1
, 近野直樹* 2
Intensity of Residual Thermal Stresses at the Vertex in Three-Dimensional Joints with Three Layers (Influence of Thickness of Interlayer)
Hideo KOGUCHI * 3 and Naoki Konno
*
3 Department of Mechanical Engineering, Nagaoka University of Technology 1603-1 Kamitomioka, Nagaoka, Niigata, 940-2188 Japan
Fig.1 Three-dimensional joint model 0DWHULDO
0DWHULDO 0DWHULDO 6WUHVVVLQJXODULW\OLQH
6WUHVVVLQJXODULW\OLQH 2
2 W
角度依存性を表す関数,
l m
は特異性のオーダである.本研究では電子デバイスに見られる材料の組み合わせに対 して材料
2
の中間層である封止樹脂の厚みを変えて, 界面角 部O 1
およびO 2
近傍の熱残留応力分布を境界要素法によ り求め,その応力特異場の特徴と強さを調べる.応力分布 を整理するために固有値解析により応力特異性のオーダを 求め,その特異性のオーダに対応する固有ベクトルから得 られる応力場の角度依存関数f ij ( φ
,θ )
を求める.さらに,その分布と三次元境界要素法から得られる熱残留応力分布 を比較し,中間層である封止樹脂の厚みが接合界面端部に 発生する熱残留応力の応力特異場に及ぼす影響について明 らかにする.
2. 解析方法およびモデル
2·1
解析方法 三 次 元 接 合 体 の 応 力 は 境 界 要 素 法 により求める.その式を以下に示す.c P u P
ij( ) ( )
j= ∫ Ω U P Q t dS
ij*( , )
j− ∫ Ω T P Q u dS
ij*( , )
j···(1)
ここで,cij
は領域の形状により決まる定数,W
は解析 領 域 の 境 界,Uij
*
とT ij
*
は 変 位 と 作 用 力 に 対 す る 基 本 解 である.PおよびQ
はそれぞれ境界上の観測点とソー ス点である.tj
とu j
は作用力ベクトルと変位ベクトル で あ る. ま た, 本 研 究 で は線 形 弾 性 体 のRongved
の 二 相体の解を基本解として用いているため,界面におけ る要素分割を必要としない.なお,本論文では領域解 法を用いているが,界面を領域区分の境界に用いてい ない.ここでは,応力特異性のオーダを有限要素法の定式 化に基づく固有値解析により求める.固有値
p
は特異 性 の オ ー ダl
とl =1-p
の 関 係 が あ る. こ の 値p
は 次 式 の固有方程式を解くことにより求められる(13)
.( p A p B
2[ ] + [ ] + [ ] C u ) { } = 0 ···(2)
ここで,
[A],[B]
および[C]
は弾性定数からなる行列,{u}
は変位ベクトルである.
本論文では,境界要素法により応力特異場における 熱残留応力の分布を求める.等方・均質な弾性体にお い て,
D T
の 温 度 変 化 を 受 け る 時 の 自 由 熱 膨 張 に 伴 う 熱ひずみe ij T
は次式で与えられる.ε
ijT= ∆ α δ T
ij···(3)
ここで,a
は材料の線膨張係数であり,d ij
はKronecker
のデルタである.自由熱膨張が拘束されていると熱応 力 が 発 生 す る. 材 料 はHooke
則 に し た が う も の と す る と, 応 力s ij
と ひ ず みe ij
の 関 係 は 次 式 の よ う に 表 さ れる.
ε ν σ ν
ν σ δ α δ
ij
= + E
ij−
kk ijT
ij+
1 +
1 ∆ ···(4)
ここで,Eはヤング率,n
はポアソン比である.式
(4)
から応力をひずみで表すと式(5)
が得られる.
σ
ν ε ν
ν ε δ
ν α δ
ij
= E
ij kk ijE T
ij+ +
−
− −
1 1 2 1 2 ∆ ···(5)
二つの材料がある温度
T
で完全に接着された後,温 度 変 化D T
を 受 け る 場 合,Duhamelの 定 理 に 基 づ け ば,側面に仮想表面力が作用する通常の弾性問題と等価な 問題として取り扱うことができる.
2·2
解 析 モ デ ル 本 研 究 の 解 析 モ デ ル お よ び 寸 法 を 図2
に 示 す. 被 着 材 で あ る シ リ コ ン(Silicon)
お よ びFR4.5
の寸法はともに高さH=10mm,幅 w=20mm
である.中 間 層 で あ る レ ジ ン
(Resin) の 厚 さ t
は0.002
〜20mm (0.002, 0.004, 0.01, 0.025, 0.05, 0.1, 0.2, 0.4, 1.0, 2.0, 4.0, 10,
20mm)
とし,シリコンとFR4.5
をレジンで接合する構造となっている.各材料の物性値については,表
1
に示す 通りである.本研究では物性値の温度依存性は考えな い.図2
に示す解析モデルの側面にそれぞれの材料特性 に応じた熱応力E i a i D T/(1-2 n i ) (i=1, 2, 3)
を加え応力解析 を行った.なお,iは図2
の各材料を示しており,1が シリコン,2
がレジン,3
がFR4.5
に対応している.そして,解析後に加えた応力を除去することにより,熱残留応
Fig.2 Model for BEM analysis
Table 1 Material properties used in analysis Young's
modulus
Thermal expansion
Poisson's ratio
Thermal stress E [GPa] a [10 -6 K -1 ] n s th
Silicon 166 3.00 0.26 161
Resin 2.74 33.0 0.38 58.4
FR4.5 15.3 14.0 0.15 47.6
φ
Silicon
Resin FR4.5 z
y x
w=20mm t
H =10mm H =10mm O
1O
2力を求めた.表
1
にモデルの側面に加えた熱応力を示す.ここで,温度変化は
CSP
を熱圧着する453K
から室温で ある298K
まで冷却する状況を考え,ΔT=-155Kとした.また,本研究では要素数を少なくするためにモデルの 対称性を考慮して
1/4
解析とし要素分割を行った.なお,解析で用いたモデルの最小要素サイズは
0.01 m m
である.従来の解析(1)-(4)に較べても 1 桁小さい要素サイズとし た.
3.
解析結果および考察3·1
固有値解析
3·1·1
特異性のオーダ 固有値解析に用いた解析モデルの要素分割およびその分割を
φ
-θ
面に展開した図 を図3
に示す.ここでは,三次元接合体角部の特異性お よび応力特異線上の特異性を調べるためにφ
方向の角度
φ vertex
が90º,180º
の場合について解析を行う.なお,要素サイズは
θ × φ =9º×9º
である.要素サイズの検討につ いては文献(1)
を参照のこと.また,応力特異点および 応力特異線付近については,より詳細に調べる必要が あるため1
要素を更に5
分割し,刻み幅を1.8º
とした.表
2(a)
にシリコン−レジン接合体,表2(b)
にFR4.5-
レジ ン接合体の特異性のオーダl
の値をそれぞれ示す.本 論文では角部の特異性のオーダをl vertex
,応力特異線上 の 特 異 性 をl line
と す る. 解 析 の 結 果, 両 接 合 体 に つ いて
φ vertex =90º
に つ い てp=1
の 三 重 根,φ vertex =180º
に つ いて
p=1
の五重根が得られた.p=1の重根がある場合,対 数特異性が発生するため,接合端部の応力場は次のよう に表すことができる(1)
.σ
ij( r , , θ φ ) = K f
1 1ij ij( ) θ φ , r
−λ + K f
2ij 2ij( ) θ φ , + ( )( )
−∑
=K f
kij kijr
kk
M
θ φ , ln
23
···(6)
ここで,r r t =
,Kkij
は特異性の強さ,fkij ( θ , φ )
は固有値Fig.3 A model for eigen analysis
Table 2 List of the order of stress singularity (a) Silicon-Resin joint
Vertex Line
Eigen value p
vertexThe order of singularity,
l vertex
Eigen value p
lineThe order of singularity,
l line
1 0.605 0.395 0.682 0.318
2 1.000 0.000 1.000 0.000
3 1.000 0.000 1.000 0.000
4 1.000 0.000 1.000 0.000
5 - - 1.000 0.000
6 - - 1.000 0.000
(b) FR4.5-Resin joint
Vertex Line
Eigen value p
vertexThe order of singularity,
l vertex
Eigen value p
lineThe order of singularity,
l line
1 0.781 0.219 0.821 0.179
2 1.000 0.000 1.000 0.000
3 1.000 0.000 1.000 0.000
4 1.000 0.000 1.000 0.000
5 - - 1.000 0.000
6 - - 1.000 0.000
Material 1
Material 2
φ
π
π
θ
Interface 0
2
π2
(b) FR-Re interface (a) Si-Re interface
Interface Material 2
Material 1 φ
vertexθ φ O z
x
y
(a ) Mesh on a unit sphere with an origin at a vertex
(b) Mesh on the developted θ × φ plane
Fig.4 Angular functions at vertexes
に対する応力場の角度依存関数,M=4(三重根の場合),
6(五重根の場合)である.
3·1·2
固 有 ベ ク ト ル か ら 得 ら れ た 角 度 依 存 関 数 本 研 究 で は 角 部 に お け る 固 有 値p vertex
に 対 す る 固 有 変 位ベクトル(式(2)
の{u})から得られる応力の角度依
存関数f ij ( θ , φ )
を求めた.図4
は界面上( θ =90º)
における 側 面 か ら の 角 度φ
に 対 す る シ リ コ ン - レジン界 面 ( 以 後Si-Re
界 面 と 呼 ぶ ) お よ びFR4.5
− レ ジ ン 界 面( 以 降FR-Re
界面と呼ぶ)に対するf θθ
,fθr
,fθφ
の分布である.これらの分布の内,f
θθ
,fθφ
はθ =90º, φ =45º
におけるf θθ
の値で,
f θ r
は同じ角度におけるf θ r
の値で正規化してある.つぎに,特に界面剥離に関係している応力成分
s θθ
の 角度依存関数f θθ
について調べる.図5
は特異性のオー ダに関する固有方程式を導出する際に用いる球座標系 である.ここで,rは原点O
から内点P
までの距離,r0
は球の半径である.固有方程式の定式化の際,無次元 距 離
r =r/r 0
で 応 力 特 異 場 内 の 変 位 を 定 義 す る. こ の 球 面上の応力分布がf ij
として求められる.前報で示した よ う に 界 面 上 のf θθ
はφ
が0
お よ び90º
に 近 づ く, す な わち応力特異線に近づくに伴い大きくなる.応力特異 線に沿う三次元応力場はMonchai
らにより調べられてお り,その応力特異場は指数特異性と対数特異性を組み 合わせた式で表すことができることを示した(3)
.本研究 の解析モデルの同一界面には二本の応力特異線があり,それぞれの応力特異線からの距離に応じて接合体内部 の応力分布に影響を与えていると考えられる.これらの ことから,角部近傍の応力分布の角度依存関数は図
5
の球内において式
(7)
のように書くことができると考えら れる.f
θθ interface ( φ , l line )=L 1θθ AEigen r A - l line
+L 1θθ BEigen r B - l line
+L 2θθ
6 6
+ S L k θθ A Eigen (ln r A ) k-2 + S L k θθ B Eigen (ln r B ) k-2 ···(7)
k=3 k=3
ここで,L
1θθ Eigen
〜L 6θθ Eigen
は応力特異線上の点の応力特異 場の強さであり,上添字のA,B
は図5
における各応力 特異線上の点,l line
は応力特異線近傍の応力場の特異性 のオーダである.また,r A
,r B
は球座標系の点P
の 垂 線の足(r, p /2, φ )
から各応力特異線までの距離で,それ ぞれr A = r sin φ , r B = r cos φ
である.なお,ここではr =1
と する.式(7)
の係数である応力特異場の強さL kθθ Eigen
を図 4 のf θθ
から求めた結果を表3
に示す.本論文のモデル では,界面と側面とのなす角が両側面で同じであるので,L
kθθ A Eigen =L kθθ B Eigen
(k=1〜6)である.
(a) Si-Re interface Fig. 5 Spherical coordinate system
z
O
x
y φ
θ P
r r
0Stress singularity line
A B
Interface
Table 3 Coefficients in angular function of f θθ
Si-Re joint FR-Re joint
L 1θθ Eigen 0.687 0.763
L 2 θθ Eigen -0.570 -0.622
Fig. 6 Stress distribution of s θθ against r on each interface
for model with interlayer thickness of 100 m m
3·2
境界要素法の解析結果
3·2·1 Silicon-Resin
およびFR-Resin
界面端近傍の応 力分布 (r方向の分布) つぎに,境界要素法により求め た界面角部の応力特異場の応力分布を図6
に示す.今後,Si-Re
界面の結果については図2
に示した界面角部O 1
を原点とした球座標を,FR-Re界面の結果については界面 角部
O 2
を原点とする球座標を基準座標とする.その際,r, θ , φ
はそれぞれの球座標系における座標である.と こ ろ で, 図6
の 分 布 は, 中 間 層 の 厚 さt=100 m m
の モ デルの
Si-Re
界面,FR−Re
界面上φ =45º
におけるr
方向のs θθ
の分布である.図6
より,Si-Re界面の方がFR
−Re
界面より大きい応力を示していることがわかる.これ は固有値解析における特異性の強さと同じ傾向である.ま た,r
=100 m m
付 近 か ら 両 界 面 で の 応 力 分 布 が ほ ぼ 等 しい値となっている.このことから,特異点からある程 度以上離れると,三相異材接合体界面の応力分布が等し くなるということがわかる.各 中 間 層 厚 さ 毎 に
φ =45º
に お け るSi-Re
界 面 お よ びFR-Re
界面上の応力s θθ
の特異点からの距離r
に対する分布を図
7
に示す.両界面に対する結果とも,中間層が 厚いほど応力が大きくなっている.しかし,FR-Re界面 についてみると,中間層厚さt=400 m m
で応力s θθ
が最小 値を示し,それ以下の中間層厚さでは逆に応力が大きく なっている.また,図
7
の縦軸s θθ
を中間層厚さt=100 m m, θ =90º,
φ =45º,r=0.1μm
におけるs θθ
の値s 0 (=1.59GPa)
で無次元 化し,同時に横軸r
を中間層厚さt
により無次元化する と図8
が得られる.これらの図より応力分布の変曲点が 同じr/t(
およそ0.1)
に現れていることがわかる.また,横軸を中間層厚さ
t
により無次元化することで,応力分布は
Si-Re
界面では中間層厚さにより無次元化する前と逆に中間層が薄いほど大きいという傾向を示す.また,
FR-Re
界 面 で は 中 間 層 厚 さ を 無 次 元 化 す る 前 と 異 な るt=1mm
において極小値を示す.この分布を応力特異場の式により近似して,応力特異 場の強さ
K θθ
を求める.三次元有限要素法による固有値 解析の結果から三次元異材接合体の応力特異場は,特異 点からの無次元距離r
に対して次式で表される.
s θθ (r , p /2, φ )=K 1θθ g 1θθ ( p /2, φ )r -lvertex +K 2θθ g 2θθ ( p /2, φ ) 4
+SK kθθ g kθθ ( p /2, φ )(lnr) k-2 ···(8) k=3
こ こ で,K
kθθ (k=1 〜 4)
は 応 力 特 異 場 の 強 さ を 表 し,(a) Si-Re interface (b) FR-Re interface
(b) FR-Re interface
Fig.8 Distribution of stress s θθ /s 0 against r/t
Fig.7 Distribution of stress s θθ against r
l vertex
は表2
に示す角部における特異性のオーダを表し ている.なお,gkθθ ( φ )
はφ =45º
において1
となるように 正規化している.式
(8)
により近似して得られた未定係数のうちK 1θθ
とK 2θθ
を そ れ ぞ れ の 界 面 に つ い て 中 間 層 厚 さt
に 対 し て 図9
に示す.ここで,横軸は解析モデルの幅w
で無次 元化した.この分布よりK 1θθ
の傾きはSi-Re
界面および FR-Re 界 面 と も に,t/w=0.02〜0.05
の 間 で 変 化 す る が,中間層厚さ
t
のべき乗で増加することがわかる.また,FR-Re
界面におけるK 1θθ
の傾きは,図7(b)
において応力s θθ
が最小値を示していたt/w=0.02(=400 m m)
付近で大き く変化している.
3·2·2 Silicon-Resin
およびFR-Resin
界面端近傍の応 力分布 (φ
方向の分布) 次に,応力特異場内の界面に おける応力のφ
方向の分布について調べる.φ
方向の応 力分布は単純に考えれば固有ベクトル解析より得られ た角度依存関数に従うものと考えられる.しかしなが ら,固有ベクトル解析より得られた関数は,界面が 1 つ に対するものであるため,他の界面からの干渉効果は 実際の応力解析を行わなければわからない.ところで,本解析モデルには四本の応力特異線がある.その内同一 界界面内にある応力特異線の 2 本は界面角部に近づく と互いに接近していく.その際の干渉効果については,
固有値解析から得られる角度依存関数の導出において 考察した.ここでは,Si-Re界面および
FR-Re
界面にあ る応力特異線の干渉を明らかにするため,応力解析より 得られた界面内のφ
方向の応力分布について調べる.Si-Re界 面 お よ び
FR-Re
界 面 のr =0.1 m m
に お け る 応 力s θθ
を( θ,φ )=(90º,45º)
のs θθ
の 値 で 無 次 元 化 し, 角 度φ
に対して図 10 に示す.ここで,無次元化した応力をg 1θθ ( φ )
と す る. 図10(a)
か ら,Si-Re界 面 の 応 力g 1θθ
は(a) Si-Re interface
中間層厚さに対してほとんど変わらない.このことは
FE-Re
界面の影響をほとんど影響受けていないためであると考えられる.これに対して,図
10(b)
のFR-Re
界面 の応力は,中間層厚さに対して変化していることから,Si-Re
界面からの影響を受けていると考えられる.つぎに,これらの図の応力分布を次式で表すことにする.
g
1θθ ( φ , l line )=L 1θθ A BEM r A - l line
+L 1θθ B BEM r B - l line
+L 2θθ BEM
Fig.9 Intensity of singularity K 1θθ against t/w
4 6
10 -4 8 2 4 6
10 -3 8 2 4 6
10 -2 8
Intensity of singularity K 1 , m l vertex
0.0001 0.001 0.01 0.1 1
t/w Si-Re interface FR-Re interface Fitting for Si-Re Fitting for FR-Re 0.0031(t/w) 0.145
0.0135(t/w) 0.586
0.00349(t/w) 0.519
0.0048(t/w) 0.637
(b) FR-Re interface
Fig.10 Distribution of normalized stress g 1θθ against φ
Fig.11 Intensity of singularity L 1 θθ BEM against t/w
6 6
+SL kθθ ABEM (ln r A ) k-2 +SL kθθ B BEM (ln r B ) k-2 ···(9) k=3 k=3
こ こ で,
l line
は 応 力 特 異 線 上 の 応 力 場 の 特 異 性 の オ ー ダ,L1θθ BEM
〜L 6θθ BEM
は 応 力 解 析 で 得 ら れ た 応 力 特 異 線 上 の点の応力特異場の強さであり,添字のA,B
は図5
に 示 す よ う に 応 力 特 異 線 の 存 在 す る 側 面 を 表 し て い る.また,
r A
およびr B
は前出の式と同様である.さらに,L 1θθ A BEM =L 1θθ B BEM
である.図 10 の分布を式(9)
で近似し,得 られたL 1θθ BEM
と中間層厚さt
の関係を図11
に示す.さらに,L
1θθ Eigen
に対するL 1θθ BEM
の比と中間層厚さt
の関係を図
12
に 示 す.L1θθ Eigen
が 固 有 ベ ク ト ル か ら 得 ら れ た 単 一 の界面における値であることから,この比は界面が一 方の界面から受けている影響の大きさを表していると 言える.図12
から両界面とも中間層が厚くなるに伴いL 1 θθ BEM / L 1 θθ Eigen
が
1
に近づくことがわかる.また,Si-Re界面が
FR-Re
界面から受ける影響は小さく,最大値を示す中 間 層 厚 さ
t/w=0.0001(t=2 m m)
で も13.5%
大 き く な る 程 度である.一方,FR-Re界面がSi-Re
界面から受ける影 響はt/w=0.02(t=400 m m)
で最大となり50%
程度大きくな る.これはSi-Re
界面における特異性の強さが強いため,FR-Re
界面に大きく影響すると考えられる.また,Si-Re界 面 で は 中 間 層 が 薄 く な る と
L 1 θθ BEM
が 増 加 す る. こ れ は,中間層が薄くなることで二つの界面の特異線が近づ き,互いに影響し合うためであると考えられる.しかし,FR-Re
界 面 で は 中 間 層 厚 さ がt/w=0.02(t=400 m m)
よ り 薄 い範囲についてはL 1θθ BEM
が小さくなる.もし,二つの界 面が十分に離れていれば,中間層の中央部において中間 層は側面から加わる力のみによる変形をするものと考 えられる.しかし,二つの界面が近づくと中間層内の 特異応力場全体が上下の界面の影響範囲内に制限され る.このことを調べるため,中間層角部においてx,y
方向の変位が最大である部分のFR-Re
界面からのz
方向 距離d
および変形後の中間層厚さt def
を求めた.そして,その比
d/t def
を求めた.このように求めた比をモデルの 中間層厚さt
に対して図13
に示す.図13
より,中間層 厚さがt/w=0.02(t=400 m m)
より小さい範囲においてd/t def
は一定である.このことから,今回の解析モデルでは
t/
w=0.02(t=400 m m)
近傍に中間層内の特異応力場の変位場が二つの界面の影響を強く受ける中間層厚さの境があ ると推察できる.ここで,t/wが一定の範囲は
FR-Re
界 面においてL 1 θθ
が減少している範囲と一致している.
3·2·3 三次元応力特異場の強さ 界面上の三次元応
力特異場の応力
s θθ
は式(8)
のg 1 θθ
に式(9)
を代入し , 対 数項を無視することで,特異点からの距離r
および側面 からの角度φ
に対して次式で表すことができる.
s θθ (r , φ )=K 1 θθ L 1 θθ BEM ( r -l A line + r -l B line +L 2 θθ BEM /L 1 θθ BEM )r -l vertex +K 2 θθ g 2 θθ ( φ ) ···(10)
ここで,式(10)
における指数項の係数を三次元応力特 異場の強さK 1 θθ 3D =K 1 θθ L 1 θθ BEM
として考える.三次元応力特 異場の強さK 1θθ 3D
の中間層厚さt
に対する関係を図14
に 示す.この図より両界面共に中間層が厚くなるほど特 異場の強さK 1θθ 3D
が大きくなることがわかる.また,両Fig.12 Ratio of intensity of singurality L 1 θθ BEM
/L 1 θθ Eigen
against t/w
Fig.13 Distance from FR-Re interface d/t def against t/w
Fig.14 Three-Dimensional intensity of singularity K 1θθ 3D
against t
対 数 グ ラ フ に お い て
Si-Re
界 面 のK 1 θθ 3D
は ほ ぼ 直 線 的 で あるが,K
1 θθ
と同様に若干途中で傾きが変わっている.FR-Re
界 面 に つ い て も,Si-Re界 面 の 傾 向 と 同 様 にt/
w=0.02(t=400 m m)
〜0.05(t=1000 m m)
の間で傾 き が 変 化 し ている.これはL 1 θθ
の分布の影響である.Si-Re界面および
FR-Re
界面について,この図のt/w≤0.02
とt/w≥0.05
の範囲を次式で近似し,係数
c
およびn
を求めた.K
1 θθ 3D =ct n ···(11)
求めた係数を表 4 に示す.近似により得られた二直線はおよそ
t=890 m m
で交わることがわかった.この交点近傍の中間層厚さが中間層の中央部が自由変形する境界 であると言える.これらの結果から,二つの界面を持つ 三相異材接合体については中間層の厚みが大きいほど 特異場の強さは強まると言える.また,中間層が薄くな ることで中間層の変位は上下の材料に拘束されること から,特異性の弱い応力特異場ではもう片方の特異場か らの影響を強く受けるということがわかった.本研究で は 図
2
に 示 す よ う に 被 着 材 の 寸 法 をH =10mm,w=20mm
と固定した.被着材寸法の特異応力場への影響について は,さらに調べる必要がある.4 .
結 言シリコン,レジン,FR4.5で構成される三相異材接合 体について固有値解析および中間層の厚さを変えた熱 残留応力解析を行い,その応力特異場について調べた.
その結果をまとめると以下のようになる.
(1)Si-Re界面角部と
FR-Re
界面角部を比較するとSi-Re
界面の方が強い特異性を示す.(2) 特異点を原点とする球座標系について,界面上での
r
方向の応力特異場の強さの値K 1 θθ
は中間層が厚くなる ほど大きくなる.(3)
φ
方向の応力特異場の強さの値L 1θθ
はSi-Re
界面で は 中 間 層 厚 さ が 薄 い ほ ど 大 き く な り,FR-Re界 面 で はt=400 m m
付近で極大値を示す.これは中間層の変位がシリコン,FR4.5によって抑えられるためである.
(4) 三次元応力特異場の強さは中間層が厚いほど強くな る.また,中間層厚さ
t
が400 〜 1000μm
より薄くなる と二つの特異場が互いに影響し合い,それにより特異場 が弱まる.本論文を行うにあたり科学研究費補助金(基盤研究 (C))(課題番号 19560079)の援助を受けた.ここに謝 意を表す.
文 献