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視覚と聴覚で体感する雨音シミュレーターの制作 Development of Rain Simulator feels in Sight and Hearing

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Academic year: 2021

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視覚と聴覚で体感する雨音シミュレーターの制作 Development of Rain Simulator feels in Sight and Hearing

1W130123-9 小栗 令央 指導教員 菅野 由弘 教授 OGURI Reo Prof. KANNO Yoshihiro

概要: 私たちの周りには多くの環境音が存在する。雨音もまたその 1 つであり、雨粒と物体との衝突音の総体 が私たちの聞く雨音の正体である。しかし、雨という現象は高湿度・傘の必要性・体の濡れといった理由のため に疎ましがられているのが現状である。本研究では、その原因が雨について無関心であるためと考え、人々に雨 音の正体について再認識させることを目的とし、雨音の成り立ちを研究し、再現するシミュレーターの制作を試 みた。7 種類の素材にシャワーを当てた音を録音し、その音を重ね合わせて再生するシミュレーター「Rain Simulator」、および Rain Simulator と連携するアクリルタイルを作成した。Rain Simulator の機能・特徴を説明 するとともに、本シミュレーターによってどのような効果が期待できるかを考察する。

キーワード:環境音、雨、再現、シミュレーター

Keywords: environmental sound, rain, reproduction, simulator

1.はじめに

環境音には自然音・生活音・機械音などが定義 され、雨音はその中で私たちが身近に聞く音の 1 つである。雨音は雨粒と物体との衝突音の総体で あり、衝突する物体によって変化する。例えば、

コンクリートなどの人工物と、土や葉などの自然 物に当たる時の雨音はそれぞれ異なる。

しかし、一般的に、雨は暗い・憂鬱というイメ ージが先行し、雨音の性質について意識されてい るとは考えづらい。ならば、雨の成り立ちがより 広く知られることで、雨に対する好感度を上げら れるのではないかと考えた。

本研究では、一般的に意識されることの少ない 雨音の性質について、視覚と聴覚の両面から分か りやすく体感できるシミュレーターの制作を試 みた。

2.本システムについて

本システム "Rain Simulator" を制作するに あたり、雨音を衝突する物体ごとに明確に区別す るため、また他の自然音、暗騒音などが混ざるこ とを防ぐために、実際の雨ではなく、シャワーを

物体に当てた音を録音した。録音の対象には人工 物として浴室のドア・浴室の床タイル・蕎麦殻・

傘、自然物として枝葉・園芸土・水面を選んだ。

プログラミングソフトは Unity*1 を用いた。

Rain Simulator では雨音の性質を再現するため に、録音したシャワー音を重ね合わせて再生する。

同時に再生可能なシャワー音は 25 音で、選んだ シャワー音の素材の比率によって異なる雨音が 再生される仕組みである。

図1 Rain Simulator

また、アクリル板を素材としたタイルに、

Arduino*2 および振動スピーカー*3 を接続した。

このタイルに圧力センサーを付け、Unity 上の

(2)

2 Rain Simulator と連動することで、選択した 1 つのシャワー音がタイルを通して再生される。

図2 アクリルタイル

図3 タイル連動モード

3.考察

Rain Simulator の持つ特徴として、聴覚だけ でなく視覚も用いて雨音をシミュレートできる 点、雨音を衝突する素材ごとに区別して再生/停 止ができる点、Sound Mode と Player Mode の 2 つのモードがあり、前者が既存のシミュレーター の役割を果たしつつ、後者の Player Mode で配置 した雨音を 3D オーディオで体感できる点が挙げ られる。

アクリルタイルの持つ特徴として、タイルの上 に乗ることで雨音を再生する機能によって、再生 される雨音に空間性を付与できる点が挙げられ る。しかし、アクリルタイルの強度が不十分であ るという問題点、アクリルタイルに接続した圧力 センサーの感度が不安定で、不要なタイミングで

タイルが反応してしまう可能性があるという問 題点があり、実用性・安定性の面では課題が残る。

4.総括

Rain Simulator では、雨音をシミュレートし、

視覚・聴覚で体感することを可能とした。これに より、現実世界では確認しづらい雨音の成り立ち、

変化を手軽に感じ取ることができる。また、それ によって人々に雨音の成り立ちについて考えさ せることができる。

同時にアクリルタイルを作成し、普段感じ取り にくい現象である雨音の変化を現実世界に近い 環境で感じ取れることを目指したが、現段階では システムの改良への中継点に留まった。

雨音の録音においては、瓦や石・岩など、日常 的に雨粒が多く当たると思われる素材を録音し、

シミュレートの精度を高めることが必要である。

また、同じ素材でも雨量によって音が異なること から、水の速度、雨粒に見立てた「水の粒」の大 きさによる違いなども、検証してみたい。

Rain Simulator においては、インタフェース をより扱いやすくするほか、Unity 上の 3D 空間 をより現実世界に近づけることを目指す。

アクリルタイルにおいては、より実用性、安定 性の高い仕組みのタイル、タイル内部のスピーカ ーを改良することが課題となる。

今後は、Rain Simulator の完成度を高めるこ とを第一の目的としつつ、同時に生成される雨音 をどのように利用できるかについて考え、検討し ていきたい。

注:

*1 ユニティ・テクノロジーズによって開発され た、統合型のゲーム開発エンジン

*2 AVR マイコン、入出力ポートを持つ基板、統 合開発環境から構成されるシステム

*3 接触した物体を振動板として音を鳴らす仕 組みのスピーカー

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