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障害者乗馬活動の現状と普及に関する調査研究

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Academic year: 2021

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障害者乗馬活動の現状と普及に関する調査研究

障害児教育専攻 千 頭 藍

I 問題と目的

「障害者乗馬活動jはアニマルセラピーの中 でも最も古い歴史があり、様々な効果が期待さ れる活動である。西洋諸国では、プール指導や 音楽療法と並んで障害のある子どもの教育の中 で行われているが、日本ではまだ一般的ではな く、障害のある子どもやその家族に十分に知れ わたっているとは云えないのが現状であるむそ こで本研究では、全国の障害者乗馬活動に関わ る施設・団体にアンケート調査を行い、障害者 乗馬活動の現状について明らかにすると共に、

障害のあるお子さんの保護者の方に乗馬療法に 対する認知度や興味関心

i

こついてもアンケート 調査を行い、障害者乗馬が広く受け入れられ、

身近な活動として確立していくよう、今後のあ り方や普及等について検討しだい。

E研究方法

1.対象

全国の障害者乗馬活動に関わる施設・団体 徳島県の盲・聾・養護学校の保護者

2.方法

障害者乗馬活動に関わる施設・団体へのアン ケートでは、運営形態、活動環境、活動内容、

活動の目的、参加者の状況、他の機関との連携、

普及活動や今後の課題等の内容が中心であり、

保護者へのアンケートでは、乗馬療法に対する 認知度や輿味関心・ニーズなどの内容を中心に 質問紙を用いて調査を行った。施設・団体につ

指導教員 橋 本 俊 顕

いては、

RDA

Japanを通じて発送し、同封の 返信用封筒にて返送してもらい、保護者につい ては、各学校を通じて配布・回収を行ったo 調 査期間は、 2004年7月‑‑11月であったo 盟 アンケートの結果

〔施設・団体へのアンケート結果〕

障害者乗馬を行う施設・団体の運営形態とし て最も多かったのは 障害者を受け入れている 乗馬施設"と 障害者乗馬を行うボランティア 団体"であり、 22団体中7団体としづ回答であ った。乗馬施設以外の施設で乗馬活動を取り入 れている団体も6団体あったo逆に一番少なか ったのは、 障害者乗馬を専門に行う乗馬施設"

という回答で、あったo (函1)

国1

O. 9.1

31.8

B専門に行う豊臣.11範I!t ..属施盤以外明守う施霞

ロ障害者を受け入れている豊臣 .施窓

口活動在行うポラン手ィア世間体

他の機関との連携については、ボランティ ア、保護者、乗馬インストラクタ一、障害者乗 馬インストラクターなどの関わりはあったが、

インストラクターの関わる割合よりも、ボラン ティアの関わりの方が割合が高く、医師、理学 療法士、作業療法士などの関わりは少ないよう

288‑

(2)

で、あった。

また今後の一課題については、「活動に適した馬 の育成・確保j、f継続的なボランティアの確保j

「活動資金の確保Jなどの回答が多かったo

〔保護者へのアンケート結果〕

アニマルセラピーの認知度は 74.9%で、あっ たのに対して、乗馬療法の認知度は19.6%と低 かったD またそれを知った方法については、ア ニマルセラピー、乗馬療法共に「テレビ番組j

という回答が一番多かったo

篤との触れ合いの経験については、 27.0%で あり、これは動物園や牧場などに観光に行った 際に経験したというもので乗馬による効果を期 待したものではないようで、あったo また触れ合 いの経験があると答えた方の中で、今後もやっ てみたいと答えた方は6割であり、触れ合った 経験がないと答えた方の中で機会があればやっ てみたいと答えた方は7割で、あったo触れ合い の機会を持ちたいと思う理由としては、f何でも 体験させたしリ、「動物に触れさせたいj、「動物 が好きだからjというものが多く、機会を持ち たくないという理由としては、「乗せるのが大 変J、f危険だからj というものが多かったo

乗馬療法について知りたいこと、期待するこ とを記述してもらうと、 fもっと具体的な情報が 欲しいJという記述が多かった。実施場所や料 金、内容、実践例、効果など具体的な情報を積 極的に得ようとする保護者の意識がみられた。

また、 f危険はないのかJ、「きちんとした指導者 はいるのかjなどの記述も多かった。

W 考察

1.障害者乗馬活動の現状について

今回の調査で障害者乗馬活動の現状として、

乗馬施設が障害のある人々を受け入れたり、ボ ランティア団体による障害者乗馬の活動が広が

りつつあり、養護学校や福祉施設などが乗馬活 動に興味・関心を示し始め、障害者乗馬・乗馬 療法を専門的に研究し活動を行う施設も出来始 めているが、すべての施設・団体が必ずしも治 療効果を狙った活動を行っているわけではない ようで、障害のある人々の

QO

L(生活の質)の向 上や余暇を楽しむ活動のーっとして取り入れら れているようである。今後、他の領域の専門家

との連携が進み、より障害の特性が考慮された 活動となることで、保護者の方にも安心できる 活動が展開できるのではないだろうか。

2.乗馬療法・障害者乗馬の普及について 今回の調査によって「乗馬療法・障害者乗馬j を初めて知ったとし、う保護者の方が多かったo この活動が日本においてまだ一般的ではないの は、馬に対する文化の違いによるところが大き いだろう口しかし様々な面で効果があるとされ ている活動であり、それに対して「情報が欲し いJとしづ保護者の意見も多かったo 今後この 活動が、もっと身近に体験できる活動として定 着していくことを期待したい。

3.今後の課題

現在の日本では、乗馬療法の先進国であり、

全面的には療法効果をうたわないことにしてい るが治療的効果をあげている悶)Aー障害者乗 馬協会(イギリス)と、馬によるセラピー全体を 治療的乗馬と位置づけている NARHA‑北 米 障害者乗馬協会(アメリカ)の基本的な考え方や 方法が主に取り入れられているが、日本の現状 との隔たりは大きい。だが、今後更にこの領域 に関する研究が進むと共に、ボランティア団体 による活動の展開もより活発化し、この活動で の効果が多くの人に認められ、利用できるよう、

我が国の実態にあった形態の工夫が必要で、ある。

‑289‑

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