シューマンの歌曲集『女の愛と生涯』についての一考察
教科・領域教育専攻 芸術系(音楽)コース 棚 橋 幸 代
{修了演奏曲目:メゾ・Yプラノ独唱I
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シューマン作曲(Ro
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ann)『女の愛と生制作品
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〈伽au偲~liel陪 undLeben )) op.42
1 はじめに
作曲家ロベルト・シューマンの繊細でいて内 なる情熱を秘めている音楽に心構むかれ、シュー マンの歌曲を学びたいという思いからドイツ・
リートの世界へ入っていった。そしてシューマ ンの歌曲集『詩人の剥イ愉
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を題材に選び 学んでいくうちに、ある f壁jにぶつかった。それは陪寺人の剥が一人の男の片思いから、
失恋、過去への追憶という男性心理を表現して いるからである。男性の心の裏側をよみとり、
駅唱表現していくのは女性である筆者にとって は大変難しく感じた。そんな中、『詩人の剥と 対鮒句こ女性の心理を表現した歌曲集肢の愛 と 生 制 作 品
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に出会った。これなら女性で ある筆者にも身近で共感が持てる作品であると 感じた。思
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島表現において大切な事は詩と音楽の意思 蹴重である。詩の意味を理解せずに良い声で歌 っても美しい音楽というだけで終わってしまう。ドイツ・リートは、その歴史からも詩と音楽が 密接に関わりあっており、詩の意味をよく理解
して歌われることが望まれる。
指 導 教 員 頃 安 利 秀
歌曲集『女の愛と生割においては、作曲家 ロベルト・シューマンと詩人アーデ〉
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ミノレト・ フォン・シャミッソーというこ人の芸術家の存 在がある。どちらか一方だけでは、この十陪"が 生まれることはなかったであろうロまた作品が うまれるにあたり、その人間の育った環境や、歩んだ人生は作品に大きな影響を与えると考え られる。このことから、シユ}マンとシャミッ ソーの生涯を知り、詩ができる背景や作曲に至 る心の変化を探り、詩人と音楽家の両方の視点 から『女の愛と生制をみることにより、その 作品を考察していく。
2 事椀の冒的
歌曲集『女の愛と生測は、「女が恋に落ち、
結婚し、子供を産み、愛する夫と死別するjと いう女性の一生と、その中における心理を描写
した作品である。
本研究では、男性である作曲家ロベルト・シュ ーマンと詩人アーデノ
ν
勺レト・フォン・シャミ ッソーが、女性の心理を題材とした『女の愛と 生測を創作するに至った経緯を、二人の生涯 や二人をとりまく人々との関わりから考察し、作品への理解を深める。その上で
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女の愛と生 闘の楽曲分析と演奏解釈を行い、演奏表現に 反映させることを目的とする。3 事院の概要
第一章では、作曲家ロベルト・シューマンの 生渡から、歌曲倉IJf乍に至るまでを検証し、作曲
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家の心の裏側を考察した。
第二章では、ドイツ・リートの成り立ちから、
ドイツ・リートの特質を述べ丸
第三章では、詩人アーデノLパノレト・フォン・
シャミッソーの生涯から、詩治宝倉貯下された背景 を探り、作品成立に至るまでを考察した。その 上で、楽曲分析・演奏解釈を行い、演奏表現に ついての理解を深めた。
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事院のまとめ第一章では、作曲家シューマンの生涯につい てみていき、歌曲創作に至るまでを考察した。
シューマンが父アウグストの f文学的資質
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と f生きた歌の本Jと呼ばれた母クリスティアー ネの感傷句で夢想的な性格を受け、文学と音楽 の両方に興味をもったのは自然の流れであり、シューマンをとりまく人々の文学的影響、音楽 的影響がさらに色づけをした。
シューマンが f歌曲の年Jに至るまで歌曲を あまり倉IJf乍しなかったのは、ロマン主義思想の 影響を受け、若様こそが一番の芸術であると考 えていたからである。しかし、クラ}ラとの愛 がシューマンに歌曲へ崎腕章欲を目覚めさせ 多くの作品を生み出した。
第二章では、シューマンに至るまでのドイ ツ・リートの歴史をみていき、詩と音楽の結び つきを探った。人間にとって一番身近で表現の 最初になったであろう詩情鶏と音楽の航
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つきが、時代によって求められる音楽にあわせ その表現方法が変化し、今のドイツ・リートと いう形になったと考えられる。第三章では、『女の愛と生測の作品研究を行 った。フランス生まれの詩人アーデノレベルト・
フォン・シャミッソーがフランス革命により祖 国から滋も、戦争が終わっても祖国よりドイツ で暮らすことを望み
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歳を越えてようやく訪れた幸せな鰍普に触発されてドイツ語で f女の 愛と生涯jという詩を書いた。
当時この f慎ましやかな女性への齢jを描 いた「女の愛と生涯jはあまり矧面が良くなか ったにもかかわらず、シューマンがこの f女の 愛と生涯jに作曲したのは、シューマン自身、
有名なピアニストである妻クラーラに「家庭で 慎ましくしておいてほしいjと願う夫としての 願望からであったと考えられるoまた、『女の愛 と生組の楽曲分析から、シュ}マン枠樗部 に歌声部を支える役割だけにとどまらず、歌声 部の高鳴る想いをより高めさせたり、歌声部の 揺れる気持ちに応えたり、時には黙する歌声部 の代わりに語らせ、伴奏部と歌声部を対話させ ることで詩と音楽を一体化させる、という音楽 厳粛微を感じとることができた。
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おわりに『女の愛と生魁という作品を通して、作曲 家シューマンと詩人シャミッソーの二人の男性 の描くそれ殺Lの女性への憧僚を感じることが できた。そして、シャミッソ}の九篇ある詩を 八篇で終わらせ f愛する夫が死んだ後の世界j
を必要ないとしたシューマンの意図する想いを より強く感じることができた。また、この想い を演奏する上でどのようほ現村L防総衆に伝 えることがで、きるのかを考えさせられるきっか けとなった。
本研究を通して感じとることができたシュー マンが女性ハ抱いていた憧れ
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気持ちを元に男 性の心理を描いた隣人の剥を再て瀬題とし て学んでいき、シューマンの音楽の本質をより 深く探り、演奏していきた川11ム
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