異 な る 注 水 方 法 や 流 速 が ア マ ゴ の成長に及ぼす影響
大家正太郎*・清水害ー*.堀川芳明*.山本'顕一*
E f f e c t s o f D i f f e r e n t L e v e l s o f Water V e l o c i t i e s on Growth o f Amago Salmon
,Oncorhynchus rhodurus
Shotaro OllY i¥ *, Toshikazu SHIMIZU¥Yoshiaki HORIKAWA本 andShin ‑ichi YAMAMOTO*
強制運動をさせられた魚,特にサケ科の魚を用いて,流速が成長その他に及ぼす効果につい ての多くの研究のあることは,筆者らと広島大学が先に共同で報告1)した一文の中にも文献に 記載した。またその報文では,回流区と自然流下区での飼育成績と体成分の比較をアユについ てのみ報じたG しかし,それ以前に同じ池を患いて行ったアマゴの飼青試験では,注水方法を 異にした両区での影響の差別はあったものの,少くとも当才魚では,自流尽における流速効果 の程度はアユより少い額向が認められた。そこで異なる流速下でのアマゴ
1
才魚の飼育につい ても,換言すれば,親魚養成の段階に及ぼす流速の効果についても検討を試みた。養殖アマゴ は,その殆どすべての担持が当才魚で出荷されるし,加えて,満2
年で切開法で採卵に供せら れるので,一般に辻2
才魚は存在しない。そのため,ここでは,種苗かち親魚までの2
年間に おける流速の大きさと或長との関係をまとめて報告するO材 料 及 び 方 法
5 m X 5 m (水深 0.6m)のコンクリート製本構を 2面或いは 4面を用い, 1
i f f i
には注水口 に揺を接続し,O.lm
間隔で設けたV
字型欠刻より水が翼下に落下して対辺に向って自然に涜 下するようにした。{告の水槽で、は注水口より流入する水の力で水槽の水が四男む壁に沿って一 方向に進むようにして,加えて,流入落下する水の衝撃を謂館したり,或いは槽底に横置した 水中ポンプを運転することで流速を加速するなどした。*)近畿大学水産研究所新宮実験場 (FisheriesLab. of Kinkiじniv.,Shingu, Wakayama, 647 ‑11, Japan)
*)大家正太部:異なる注水方法によるアマゴ・アユの成長,養殖,緑書房,東京, 110‑113,
1 9 8 7 ( 8 )
1 0 1
当才魚の錆育は弓然涜下区と流入する水の力のみの回流区で、行ない,流速はIJ民に
3 ‑ ‑ ‑ ‑ 5 c r n /
秒と 15~25crn/秒で、あった。 1 才魚は水中ポンプを用いたので 50~60 ,
3 0 ' " ' ‑ ' 4 0
,2 0 ‑ " ‑ ' 3 0
,3 ‑ ‑ ‑ ‑5 c r n
/秒となった。勿論各区への注水量は抵ぼ同じにしたG当才魚の飼育で比
1
ヵ月毎に成長量を測定して,1@]
E!の京揚量をそのまま2@]
日の放養 量としたが,2
ヵ月経過時に,体重7 0
g以上の魚は除外した。その後,他の油から種苗を適官 補充して再び試験を行った。 1才魚、では,春から流速の異なる水構で、親魚候補魚を拐育して,それらの成長量を求めたc
結 果 と 考 察
当才魚の飼育を
2
ヵ月単位で初夏から3
回行った結果は表1
のとおりであるG 実験1 t
ネ 実 験2
以降の回流区でみられたような,流れに抗してまとまって遊泳する行動がやや不鮮明で,未だ環境に十分に駐
1 1
としていなかったためか,@]流の効果とされる増重量,ひいては日間成長 率も,自然流下区より良いとは言え,殆んど差がない程度で,飼料効率では劣る結果となっ た。しかし次のl
ヵ月(実験2
)では回流の効果は明言かであった。実験3
では,放養時の総 重量に対して2 %
相当量を1
ヵ月間継続して与えたが,増重量, 日開成長率,飼料効率共;こ自 流区の方が劣った。しかし,同じ2 %
の給額率で、も,1 0
日毎に総重量を推定して増量した場合 (実験4)
には回流区の方がすぐれていた。このことかふ放養持の総重量に対して2 %
の給 額率,即ち期間中の日開摂餌率が1.75%/
日では,不断の遊泳による余分なエネルギーの消費 によって,回流区の方が自然流下区より増重量が劣ったが,同率でiまあっても1 0
日毎に増量さ れた場合には,日間摂舘率は1.84%程度となって良い成績となったものと思われた。そして,E
常的な管理作業上からみて,アユの場合には,1
ヵ月間を3 %
の給額では,回流区の方が表1 自 然 流 下 式 と 回 流 式 に お け る ア マ ゴf魚 の 養 成 結 果 と 給 舘 方 法
1982年
番実験号 養 成 期 間 放 養 量kg/nf取 揚 量kg己1主rf補正出!/普f重yf量 縞効正率飼%料 日開%成/日長 率
絵館方ー法 流 下 回 流 流 下 回 流 : 流 下 函 流 流 下 ![豆流 i流 下 自 流
1 61 21 ‑71 21 1.62 1. 71 3.57 4.05 2.14 ! 2.35 89.4 ! 83.8 i 2.72 2.78 飽食 2 7/22 ‑8/21 3.75 4.05 6.36 7.40 2.62 3.36 67.0 81.2 1. 70 1.94 能食 3 色81 29 ‑9 1 29 1 3β2 3.07 5.02 4.89 2.12 1.92 99.3 89.6 1. 71 1.56 日告JI限同量(2 %)毎 4 9/30 ‑10/27 502 4.89 I 7.94 8.03 2.92 3.15 89.2 96.1 1.64 1.77 制10限E告(2に%増〉量
5 1 11/19
山 県
2.50 3.14 3.38 0.72 0.88 90.4 105.3 i 0.86 1.01 制 限 (2%)6 112/19‑1/1713.14 3.38 3.87 4.18 0.73 0.80 71.3 0.71 制 限 (2%)
流速〈自然、流下式:3"""5cml s , 自 流 式 :15"""25cml s )
‑ 1 0 2 ‑
表2 体長ー体重測定結果
主i::
SD
1 2 3 4
地 3‑5 cm/s 20‑30 cm/s 30‑40 cm/s 50‑60 c鐙/s
22.7 i:: 1.6本 料
放 養 時*J
203.8土38.0
25.7i::1.7 26.1i::2.0 25.7 i:: 1.8 25.7工1.9 I期末
315.2ヱ57.4 315.8土74.4 324.9 i:: 63.1 311.9土67.6 28.6土2.1 28.7:t 2.4 29.1土2.2 29.0土2.1 立期末 432.0土91.2 437.2:i:: 105.9 473.4:t 101.4 453.3土97.5
34.0:i:: 2.9 35.3:t 2.9 33.5土2.7 34.5 i:: 2.8 韮期末 750.3:t170.3 773.4士180.2 704.3土148.7 787.4土193.1
34.9:i::3.0 35.4:t 2.9 34.8:i::2.8 35.4:t3.0 N期 末
770.7:t 178.4 783.7 i:: 176.3 756.6三179.9 831.1i::190.7
*)放養5寺:'91‑5‑5, I期末:6 ‑4, 豆類末:7 ‑3,
m
期末:9 ‑25, N期 末:10‑16 村)上段:体長 (cm),下設:体重(g)劣ったことは明ちかな相違といえようO しかし,水温が抵下した
1 1
月半ば以障では,特 iこ1 2
月 下旬以降では,2
%の給額量は飽食給額に近いというよりは,自然流下亙では,時には定量を 摂食させることが出来ない泣であった。そして飼育結果〈実験5
,6)
のとおり成長率は回流 匿が辛うじて大きな誼であったが,摂餌量が多かっただけ飼料効率は自然流下匿より劣る結果 を得た。このことは,本来,@]流区の方が自然流下区より成長率,飼料効率がすぐれる効果は あるが,高温期の2 %
の給額率では,運動に よるエネルギーの損失を捕えないが,水温が 35平 均 30
体 長 (cm) 25
o
1区@ 2区
・
3/z:<J4/z: 20 ' A
門t
・・ 円ペ り
iP0・
84
a FH U・ 戸
hu
函1 平均体長の変化
1 0 3
5 " ‑ ' 1 0
oC
で生理活』註が低下する時期では,恐 らく遊詩くによるヱネ)t;ギーの消費が小さいた めに,結果として,@]流区の誼の方が良く なったと患われたG1
才魚について誌,5
月に1 8 3
gの魚を各 池に5 0 0
星放養し,1 0
月中旬まで給額した。その関を
4
期にわけたが,高水逼患の亜期( 7
月4
日" ‑ ' 9
月2 4
日〉では8 3
日間測定等の 作業は行わなかった。期末に1 0 0
尾強を任意 に取揚げて体長,体重を測定した結果は表2 のとおりで,それを図示したのが図1
,2
でf
あるO 流速のない1
区はI
期から五期と経ヨ的に成長の劣る額向がみちれ,百期でも,他 区との有意差はないものの同じ傾向がみとめ られたが 3区では,璽, IV期に体長,体重 共に{色
I Z
より劣る結果となった。しかし,摂 餌が不良であった等の成長不良に関わる徴侯 は見られなかったし, 3区より流速の遅い 2o
1区
区も早い4
区も共に再程度の成長を示してい@ 2区
・
3罵
ることから, 3震の成績を関外とみるのが妥③ 4区 800
2・ ・
pn u‑ aバ ヨ
ー円 i‑ qu
s 当と思われた。したがってアマゴ 1才魚の成 10
2 5
1.6長に及ぼす流速む影響はないものと考えられ 9平 均 600 { 本 重 (g)
400
200~
5 5
図2 平均体重の変化
f
こC要 約
1 )アマゴ当才魚や 1才魚の成長に及ぼす流速の大きさの効果について検討した。
2 )当才魚では,止水状態に近い自然流下区より流速のある自流区の方が成長や飼料効率誌良 かったが,給鎮率が
2 %
では劣った。しかし,1 0
日毎に同率で増量させると流下忍より良くなったものの,いずれむ場合も効果は大きくなった。
3) 1
才魚では,3 ‑ ‑5
,2 0 ‑ ‑ 3 0
, 30~40 ,5 0 " ‑ ' 6 0 c m / s
と異なる流速下で,成長に及ぼす明ら かな効果i
まみられなかった。文 猷
1 )大家正太郎・清水害一・堀川芳明・山本題一・西野英樹・中