砂防事業の再評価説明資料
平成22年11月
北陸地方整備局
黒部川水系直轄砂防事業
平成22年度第3回 北陸地方整備局 事業評価監視委員会 資料-8【 目 次 】
1.黒部川流域の概要
(1)黒部川流域の概要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1
(2)主要な土砂災害 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3
(3)土砂災害の危険性 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6
2.事業の概要
(1)事業の経緯 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7
(2)整備状況 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 8
(3)実施中の主要事業 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 9
3.今後の方針
(1)整備方針 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 11
(2)中期目標に対する事業の進捗状況 ・・・・・・・・・・・・・・ 11
(3)中期目標に対する事業計画 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 12
4.事業の投資効果
(1)被害想定 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 13
(2)砂防事業の主な効果 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 14
(3)費用便益比 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 17
5.コスト縮減の取り組み ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 21
6.事業を巡る社会情勢
(1)地域の開発状況 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 22
(2)地域の協力体制 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 23
(3)その他 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 24
7.対応方針(原案) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 26
1.
1.
黒部川流域の概要
黒部川流域の概要
(1)黒部川流域の概要
(1)黒部川流域の概要
入善町 入善町 宇奈月町 宇奈月町 欅平 欅平 立山町 立山町 富山市 富山市 黒部ダム 黒部ダム 朝日町 朝日町 黒部市 黒部市 愛本 愛本 宇奈月ダム 宇奈月ダム 鷲羽岳鷲羽岳 出し平ダム 出し平ダム 不帰谷崩壊地 不帰谷崩壊地 祖母谷崩壊地 祖母谷崩壊地 小黒部谷崩壊地 小黒部谷崩壊地 国 国 道 道 8 8 号 号 北 北 陸 陸 自 自 動 動 車 車 道 道 JR北陸本 線 富山地方鉄道 黒部川は、その源を富山県と長野県の県境の鷲羽岳(2,924m)に発し、3,000m級の山々が連 なる立山連峰と後立山連峰の間に峡谷を刻み北流し、黒薙川等の支川を合わせ黒部市愛本 に至り、その後は扇状地を流下し、黒部市・入善町において日本海に注ぐ、幹川流路延長85k m、流域面積682km2の一級河川である。 流域は、黒部市をはじめとする2市3町からなり、流域の土地利用は、山地等が約99%、水 田や畑地、宅地等が約1%となっている。一方、流域の4割が中部山岳国立公園等の自然公 園に指定され、黒部峡谷等の景勝地がみられる等、豊かな自然環境に恵まれているとともに、 黒部川第四発電所をはじめとする発電、扇状地の豊富な地下水利用の他、様々な水利用が行 われている。 【黒部川流域】 ・源流 :鷲羽岳 (2,924m) ・流域面積 :682 km2 ・流路長 : 85 km ・平均河床勾配 :1/5~1/100 ・主な地質状況 :花崗岩類 【直轄砂防対象流域】 ・流域面積 :483.6 km2 ・流路長 : 42 km ・平均河床勾配 : 1/36.8 黒部川 (新潟県) (長野県) (富山県) 砂防基準点 砂防基準点 直轄砂防対象流域 直轄砂防対象流域 黒 黒部部 峡 峡 谷 谷 鉄 鉄 道 道 祖 母 谷 黒小 部 谷 不帰谷 黒 薙 川 坊 瀬 谷 野●多雨・多雪
黒部川流域は多雨かつ多雪地帯であり 年間降水量は4,000㎜に達している。●急流河川
3,000m級の山々を源とし、わずかな距離で 富山湾へ流れ下る黒部川の河床勾配は全国 有数の急勾配となっており、山地部の平均河 床勾配は1/5~1/80である。 0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0 崩 壊 面 積 率 ( % ) 利 根 川 富 士 川 手 取 川 黒 部 川 天 竜 川 木 曽 川 九 頭 竜 川 吉 野 川 石 狩 川 ■崩壊面積率比較図●崩壊多発地帯
黒部川の上流域は、風化を受けやすい花崗岩類によって構成されているため浸食作用が 著しく、土砂生産が活発な流域である。黒部川流域全体の山地崩壊は約7,000ヶ所、面積比 率は約5%にも及んでいる。この比率は、全国の直轄水系で最大であり、その代表的なもの ばばだに こ くろべだに かえらずだに は、祖母谷、小黒部谷、不帰谷で「黒部三大崩れ」と呼ばれており、これらの崩壊地から流 出した土砂礫と集中豪雨により、黒部川は幾度となく洪水や土砂災害に見舞われている。こ のため、黒部川は古来から暴れ川として名高く、「いろは川」「黒部四十八ヶ瀬」と呼ばれて恐 れられてきた。 0 200 400 600 800 1,000 1,200 1,400 1,600 0 20 40 60 80 100 120 140 160 180 200 220 240 260 280 300 320 距離(km) 黒 黒 部 部 川 川 常 願 寺 川 阿 賀 野 川 信濃川 標高 (m) 黒部川流域 祖母谷崩壊地 祖母谷崩壊地 不帰谷崩壊地 不帰谷崩壊地 小黒部谷崩壊地 小黒部谷崩壊地流域平均最大日雨量308mmを観測した豪雨により、黒部川上流部の祖父谷などで 大規模崩壊が発生した。出し平ダムには約340万m3の土砂が堆積するなど、黒部 川中流域に約600万m3の土砂が堆積した。また、猫又地区では河床が約10m上昇 し、発電所や工事用合宿所が浸水した。さらに、黒部峡谷鉄道が土砂によって寸 断され不通となり、流域内の発電・観光施設に大きな被害が生じた。愛本地点最大 流量は2,378m3/sを観測しており、昭和44年以来の大洪水が発生。 平成 7年7月 (1995年) 祖母谷上流の硫黄沢で集中豪雨による大規模な地すべり性崩壊が発生し、土石 流となって流出(崩壊土砂量は約160万m3)。流出土砂は、下流域の水田や富山 湾内にも流れ込み、農業や漁業に大きな被害をもたらした。 昭和55年5月 (1980年) 流域平均最大日雨量319mmを観測した豪雨により、崩壊・土砂堆積等が発生し、 黒部峡谷鉄道・発電施設に多大な被害が発生。 堤防破堤580m、堤防決壊244m、氾濫面積:農地899.9ha、宅地その他150.7ha。家 屋流失・全壊7戸、半壊・床上浸水436戸、床下浸水410戸、愛本堰堤本体ゲート・ 取水施設の破壊、愛本橋流失等の被害発生。愛本地点の最大流量は5,661m3/s を観測しており、黒部川洪水史上最大級の洪水が発生。 昭和44年8月 (1969年) 不帰谷で15万m3、祖母谷で8万m3の土石流が発生。また、下流域では堤防決壊 40m、水田浸水20haの被害が発生。 昭和28年8月 (1953年) 不帰谷で20万m3、小黒部谷で20万m3の土石流が発生し、小黒部合流点下流の関 西電力、小屋平ダムの取水能力を喪失させた。また下流域では、上萩生堤が破堤 し、堤防決壊1,246m、道路決壊71m、水田の被害11,400aの被害が発生。 昭和22年6月 (1947年) 不帰谷で10万m3、小黒部谷で20万m3の土石流が発生。また、下流域では堤防決 壊2,488m、道路決壊80m、水田の被害13,165aの被害が発生。 昭和20年7月 (1945年) 不帰谷で土石流が発生し、本川合流点付近にあった錦繍温泉が埋没・流出し、復 旧不可能となる。また、下流域では福島堤、上萩生堤が破堤。 昭和19年7月 (1944年) 森石谷で土石流が発生。流出土砂により黒部川本川が堰き止められ、背水は上流 2kmに及んだ。また、下流域では氾濫面積300a、堤防決壊540m、道路決壊460m、 水田被害100aの被害が発生。 昭和12年1月 (1937年) 災害概要 発生年月
土砂の生産・流出が大きい黒部川は、土石流の発生、河道での土砂堆積など
による災害は数多く、特に昭和44年、平成7年の豪雨による土砂災害の被害は甚
大なものであった。
(2)主要な土砂災害
(2)主要な土砂災害
昭和44年災害
昭和44年8月11日、梅 雨前線豪雨により観測史 上最大の大洪水となった。 上流域では、洪水及び土 砂流出により電力施設、 黒部峡谷鉄道、砂防施設 に甚大な被害を与えた。 また、下流域では、入善 町で堤防が破堤し1,050ha にわたって氾濫した。中 流域では、愛本堰堤の ゲート・取水施設が破壊さ れて周辺集落が浸水し、 また、愛本橋も流失する 被害となった。 猫又谷 寸断された黒部峡谷鉄道 災害を伝える当時の新聞報道 (富山新聞) 増水時の愛本堰堤寸断された黒部峡谷鉄道黒薙線
平成7年災害
平成7年7月11日夜か ら11日間断続的に降り 続いた豪雨により、黒部 川上流部では大規模な 崩壊が発生し、黒部川 中流域に約600万m3も の土砂が堆積した。 このため、黒部峡谷鉄 道が寸断されるなど交 通機関、発電・観光施設 に甚大な被害が生じた。 甚大な被害を伝える当時新聞報道 (朝日新聞、北日本新聞) 猫又谷 新規崩壊地 猫又谷 黒部川本川 流出土砂で埋没した黒部峡谷鉄道 (猫又谷出合付近) 猫又谷で発生した新規崩壊と 出合付近の土砂流出被災状況 土砂流出により埋没した 猿飛山荘 土砂で埋没した猿飛峡遊歩道 約10m上昇 黒部川 土砂流出により埋没した黒部川第 二発電所(3)土砂災害の危険性
(3)土砂災害の危険性
黒部川第三発電所 祖母谷温泉 黒部川本川および支川の河道沿いには、温泉宿泊施設(黒薙温泉、祖母谷温泉、猿飛山 荘、鐘釣温泉等)や黒部峡谷鉄道、発電施設(黒部川第二発電所、新黒部川第二発電所、 黒部川第三発電所、新黒部川第三発電所)などの施設が、立地している。豪雨時には、こ れらの施設は土石流や、堆積土砂による河床上昇の影響によって、甚大な被害を受ける危 険性がある。 黒薙温泉 黒部川第二発電所 黒部峡谷鉄道 黒部川 新黒部川第三発電所 猿飛山荘 新黒部川第二発電所黒部川における過去の災害は、流域では各支川からの土石流が関係する災害が多く、 治水上からも砂防の必要性が早くから指摘されていた。 昭和22年6月には、不帰谷・小黒部谷で、昭和28年8月には、不帰谷・祖母谷で大規模な 土石流が発生し大きな被害を出すなど、黒部川における土砂災害は後を絶つことがな かった。このため、昭和32年から黒部川上流の調査が開始され昭和36年度から流域内で 最も荒廃の著しい祖母谷において直轄砂防事業が開始された。
③昭和44年 黒薙川流域で事業着手
・昭和44年8月に発生した、黒部川における既往最大出水による災害を契機として、上 流域の最大支川であり、土砂流出量が最も多い黒薙川流域において直轄砂防事業に着 手し、昭和44年から黒薙川第1号砂防堰堤の工事に着手。①昭和32年 直轄砂防事業調査の開始
・昭和32年4月 流域内の荒廃状況を確認し、事業計画の策定に着手。②昭和36年 黒部川水系直轄砂防事業の開始(祖母谷流域で事業着手)
・最も荒廃の激しい祖母谷から直轄砂防事業に着手した。同年9月より祖母谷第1号砂防 堰堤工事に着手。⑤昭和57年 小黒部谷流域で事業着手
・昭和55年に発生した祖母谷での大規模な土砂流出による災害を契機に、大規模崩壊 地を抱える小黒部谷でも同様の災害が発生するとの危惧から、昭和57年に直轄砂防事 業に着手し、平成元年から小黒部谷第1号堰堤工事に着手した。2.事業の概要
2.事業の概要
(1)事業の経緯
(1)事業の経緯
④昭和53年 野坊瀬谷流域で事業着手
・昭和44年8月災害を契機として、昭和50年3月に黒部川工事実施計画を改定し、洪水 調節として宇奈月ダムを計画。貯水池土砂流入防止対策の重要性から昭和53年に野坊 瀬谷において直轄砂防工事に着手した。(2)整備状況
(2)整備状況
黒部川流域では、昭和36年に直轄砂防事業に着手して以来、荒廃の著しい『『祖母谷祖母谷』』 『 『黒薙川黒薙川』』『『小黒部谷小黒部谷』』『『野坊瀬谷野坊瀬谷』』のの事業進捗を図ってきた。平成21年度末までに、祖母 谷10基、黒薙川5基、小黒部谷1基、野坊瀬谷2基の計18基の砂防堰堤の整備を完了し、 計画超過土砂量(全体)7,239千m3ベースで、現在31%の整備率である。 黒薙川第1号上流砂防堰堤 黒薙川第2号砂防堰堤 黒薙川第1号砂防堰堤 黒薙川第3号砂防堰堤 黒薙川第4号砂防堰堤 野坊瀬谷第2号砂防堰堤 野坊瀬谷第3号砂防堰堤 小黒部谷第1号砂防堰堤 祖母谷第7号砂防堰堤 祖母谷第6号砂防堰堤 祖母谷第5号砂防堰堤 祖母谷第4号砂防堰堤 祖母谷第3号砂防堰堤 祖母谷第2号砂防堰堤 祖母谷第1号砂防堰堤 祖母谷下流第2号砂防堰堤 祖母谷第下流砂防堰堤 祖母谷災害復旧砂防堰堤 黒薙川流域 祖母谷流域 小黒部谷流域 野坊瀬谷流域 P10位置 P9位置平成7年7月の豪雨による災害では、上流の崩壊地から流 出した土砂により黒薙温泉(宇奈月温泉泉源)が壊滅した他、 引湯管の破損等により送湯停止となり、宇奈月温泉街を含め た地域経済に甚大な被害をもたらした。 黒薙川は、黒部川流域で最も土砂流出の多い支川で、平成 18年5月には新たな崩壊も発生しており、不安定土砂が河 道内に大量に堆積している状態であることから、流域内の保 全対象の被害軽減を目的して、砂防堰堤2基の整備を計画し ている。 黒薙川上流域 新規崩壊(H18.5)
■黒薙川砂防堰堤群(黒薙川第2号下流砂防堰堤)
黒薙川第2号下流砂防堰堤イメージ(3)実施中の主要事業
(3)実施中の主要事業
■基本諸元の概要 ・形式 : 重量式コンクリートスリット堰堤 ・堤高 : 14.5m ・堤長 : 121.8m 黒薙川第2号下流砂防堰堤は、上流域からの土砂流出に よる被害軽減を目的とし、堤高14.5m、堤長121.8mのコ ンクリートスリット型砂防堰堤であり、約30万m3の土砂を捕 捉する。 基礎工施工状況 位置図 黒薙温泉 既往直轄砂防堰堤 既往直轄砂防堰堤 事業継続中施設 事業継続中施設 中期目標計画施設 中期目標計画施設■基本諸元の概要 ・形式 :重量式コンクリートスリット堰堤 ・堤高 :17.5m ・堤長 :100m 小黒部谷は、黒部三大崩れに数えられるように、数多くの崩壊地を抱え、土砂流出が多い支 川である。大規模崩壊地(高さ約700m、幅約300m)の他、平成13年7月には新規崩壊も発生 しており、黒薙川と同様に不安定土砂が上流部の河道内に大量に堆積している状態である。 小黒部谷では、下流の保全対象の被害軽減を目的として、現在までに砂防堰堤1基が整備 されており、今後、3基の砂防堰堤の整備を計画している。
■小黒部谷第2号砂防堰堤
小黒部谷崩壊地と堰堤予定地 撮影:平成20年6月 小黒部谷 小黒部谷第2号砂防堰堤(計画) 至 黒部川本川 欅平 小黒部谷第2号砂防堰堤イメージ 小黒部谷第2号砂防堰堤 は、荒廃した小黒部谷上流 からの土砂流出による下流 域の被害を軽減することを目 的とし、堤高17.5m、堤長1 00mのコンクリートスリット型 砂防堰堤であり、約11万m3 の土砂を捕捉する。 位置図 既往直轄砂防堰堤 既往直轄砂防堰堤 事業継続中施設 事業継続中施設 中期目標計画施設 中期目標計画施設黒部川流域では、無施設時から当面(中期目標)の整備が完了するまでの事業全体の期 間に対して、平成21年度時点で約56%の整備が進捗している。 H7災害において上流からの土砂流出により被 災した黒薙温泉(当時の推定流出土砂量139万 m3)。宇奈月温泉への送湯が約1ヶ月停止した。 H7災害において、上流からの土砂流出で埋没した 黒部川第二発電所 (運転再開までに約10ヶ月を要した) 黒部川本川
3.今後の方針
3.今後の方針
(1)整備方針(中期目標)
(1)整備方針(中期目標)
(2)中期目標に対する事業の進捗状況
(2)中期目標に対する事業の進捗状況
黒部川上流域では、大崩壊地が多く、土砂の生産・流出が顕著であり、河道内にも不 安定土砂が大量に堆積し、土砂災害の危険性が高い。 そのため黒部川流域における整備土砂量は、100年に1度の規模の降雨に対して 7,239千m3 の整備土砂量が必要であり、全体計画としている。 一方、平成7年7月豪雨では大規模な崩壊に伴う、既往最大量の土砂が流出し、地域 経済の中核をなす黒部峡谷の観光施設及び関西圏の産業・生活を支える発電施設など が甚大な被害を受けている。 そのため、土砂災害から地域や産業・生活基盤の安全を確保するため、今後約30年で、 平成7年災害規模の流出土砂量に対して、十分な土砂調節量を確保する。 整備土砂量は既整備土砂量2,239千m3に新規1,698千m3 を加えた3,937千m3である。 既投資分の整備土砂量 2,239千m3 0% 31% 残事業分の整備土砂量 1,698千m3 黒部川流域 将来計画 3,302千m3 54% 100% 既投資分の整備土砂量 2,239千m3 0% 56% 残事業分の整備土砂量 1,698千m3 黒部川流域 (参考) 全体計画(1/100)に対する進捗状況 100%(3)中期目標に対する事業計画
(3)中期目標に対する事業計画
土砂災害から地域や産業・生活基盤の安全を確保するため、今後約30年で、平成7年 災害規模の流出土砂量に対して、十分な土砂調節量を確保する。 土砂調節量の確保にあたっては、下流に保全対象をもち、上流域に大規模崩壊地を抱 え、事業効果の高い黒薙川に砂防堰堤を2基、小黒部谷に砂防堰堤を3基設置し、 両支川での堰堤整備を完了する。 計画基準点 (愛本地点)野坊瀬谷
10千m3
小黒部谷
654千m3
[597千m3]
黒薙川
1,663千m3
[1,101
千m3
]
黒薙川
562千m3
計画基準点 (愛本地点)野坊瀬谷
10千m3
小黒部谷
57千m3
祖母谷
1,111千m3
祖母谷
1,111千m3
30
年
後
凡
例
中期事業対象
事業着手流域
[
]:中期目標の土砂量
現状の整備土砂量:2,239千m3
事業後の整備土砂量:3,937千m3
H50年 ■ 黒薙川 H22年 H30年 H52年
■ 中期目標(残事業)
事業展開計画 ■ 小黒部谷 H40年 概ね30年間 事 業 費 量 事 業 費 量 砂防基準点 砂防基準点 中期目標 中期目標の整備流域の整備流域 既往直轄砂防堰堤 既往直轄砂防堰堤 事業継続中施設 事業継続中施設 中期目標計画施設 中期目標計画施設 黒薙川 小黒部谷氾濫想定区域 (100年超過確率規模) ■宇奈月ダム上流における被害想定 ■宇奈月ダム上流における被害想定 宇奈月ダム
祖母谷
黒薙川
小黒部谷
出し平ダム 小屋平ダム 祖母谷温泉 新黒部第三発電所 猿飛山荘 黒部川第二発電所 黒薙温泉 黒部第三発電所 猫又谷 黒部峡谷鉄道 流出土砂で埋没した黒部峡 谷鉄道の状況(H7災害)4.事業の投資効果
4.事業の投資効果
(1)被害想定
(1)被害想定
黒薙川 被害想定範囲 土砂流出・堆積により被災する黒部川 第二発電所の状況(H7災害) 土砂流出・堆積により被災す る黒薙温泉の状況(H7災害) 被災前の黒部川第二発電所の状況 出水後 出水前 出水後 出水前 土砂流出・堆積により被災す る猿飛山荘の状況(H7災害) 鐘釣温泉 黒部峡谷鉄道(2)砂防事業の主な効果
(2)砂防事業の主な効果
平成7年災害では、7月11日~13日の梅雨前線に伴う豪雨によって黒部川上流で多量の土砂 が流出し、祖母谷では約161万m3もの土砂が流出したと推定されているが、砂防堰堤の土砂捕 捉効果により、祖母谷温泉の建物被害は限定的であった。 出水前 祖母谷 祖母谷 出水後 約13m上昇 約13万m3 の土砂を捕捉 祖母谷 祖母谷 H7.7出水前後の祖母谷第6号砂防堰堤の土砂捕捉状況 祖母谷第7号砂防 堰堤(ダム高H25m、 スリット高10m)では、 ピーク流量時に約1 3万m3の土砂を捕 捉した。 その後、洪水減水 期において堆積し ていた土砂は徐々 に下流へ流出し、 流出土砂の捕捉機 能が回復し、次期 出水時においても 同様の効果が期待 される。 祖母谷第6号砂防堰堤 祖母谷第6号砂防堰堤■既投資に対する効果
■既投資に対する効果
祖母谷第7号砂防堰堤 祖母谷第7号砂防堰堤 最大約8m 最大約8m 出水直後河床 出水3ヶ月後河床 出水3ヶ月後の土砂捕捉状況 小黒部谷崩壊地 祖母谷崩壊地 不帰谷崩壊地 祖母谷第7号 砂防堰堤 祖母谷第6号 砂防堰堤 2kmまた、黒薙川では、約139万m3の土砂が流出したと推定されているが、黒薙川では、当時整備 済みであった3基の砂防堰堤の土砂捕捉効果により、黒薙川における被害は、宇奈月温泉泉 源など限定的であった。 H7.7出水前後の黒薙川第3号砂防堰堤の土砂捕捉状況 出水前 出水後 約18万m3の 土砂を捕捉 黒薙川 黒薙川 黒薙川 黒薙川 小黒部谷崩壊地 祖母谷崩壊地 不帰谷崩壊地 黒薙川第3号 砂防堰堤 :砂防基準点 :砂防基準点 2km 黒薙川第3号砂防堰堤 黒薙川第3号砂防堰堤 黒薙川第3号砂防堰堤黒薙川第3号砂防堰堤
平成7年7月災害における黒部川本川、黒薙川での被災状況 <黒部川第二発電所> 黒部川 出水前 約10m上昇 黒部川 出水後 <黒薙川の温泉宿泊施設付近>
■今後の事業計画に対する効果
■今後の事業計画に対する効果
今後、上流の小黒部谷で整備を実施することによ り流出・堆積土砂を調節・扞止し被害軽減を図る 黒薙川 黒薙川 出水前 出水後 今後、黒薙川上流域で整備を実施することにより 流出・堆積土砂を調節・扞止し被害軽減を図る 黒部峡谷鉄道の観光客減少による損失 電力施設の機能低下による損失 宇奈月温泉の観光客減少による損失 黒部峡谷鉄道の施設被害 発電所等の施設被害 温泉等の施設被害平成7年災害
直接被害 間接被害 流域内には、地域経済・関西圏経済を支える観光・発電施設があり、今後、黒薙川・小黒部 谷において砂防堰堤等の整備を実施することで、土砂の扞止・調節効果が発現し、平成7年 災害規模の流出土砂量に対する被害の解消・軽減が図られる。費用便益効果は、治水経済調査マニュアルに基づき算出した。黒部川水系直轄砂防事 業については、下表の着色部分を計上した。
(3)費用便益比
(3)費用便益比
■事業実施による投資効果(評価項目) ■事業実施による投資効果(評価項目) 効果(被害)の内容 家屋 居住用・事業用建物の被害 家庭用品 家具・自動車等の浸水被害 事業所償却資産 事業所固定資産のうち、土地・建物を除いた償却資産の浸水被害 事業所在庫資産 事業所在庫品の浸水被害 農漁家償却資産 農漁業生産に係わる農漁家の固定資産のうち、土地・建物を除いた償却資産の浸水被害 農漁家在庫資産 農漁家の在庫品の浸水被害 浸水による農作物の被害 公共土木施設、公共事業施設、農地、農業用施設の浸水被害 人命損傷 家計 浸水した世帯の平時の家事労働、余暇活動等が阻害される被害 事業所 浸水した事業所の生産の停止・停滞(生産高の減少) 公共・公益サービス 公共・公益サービスの停止・停滞 観光被害軽減効果 土砂災害発生に伴う風評よる観光収入の減少 家計 浸水世帯の清掃等の事後活動、飲料水等の代替品購入に伴う新たな出費等の被害 事業所 家計と同様の被害 国・地方公共団体 家計と同様の被害および市町村等が交付する緊急的な融資の利子や見舞金等 災害復旧費用 軽減効果 土石流危険渓流からの氾濫土砂・流出流木の撤去・処理費用 交通途絶による 波及被害 道路、鉄道、空港、 港湾等 道路や鉄道等の交通の途絶に伴う周辺地域を含めた波及被害 ライフライン切断 による波及被害 電力、水道、ガス、通 信等 電力、ガス、水道等の供給停止に伴う周辺地域を含めた波及被害 中間産品の不足による周辺事業所の生産量の減少や病院等の公 共・公益サービスの停止等による周辺地域を含めた波及被害 資産の被害による精神的打撃 稼動被害に伴う精神的打撃 人身被害に伴う精神的打撃 清掃労働等による精神的打撃 波及被害に伴う精神的打撃 被災可能性に対する不安 治水安全度の向上による地価の上昇等 (表中の は、効果の対象として被害額を算出した項目) 分類 直 接 被 害 一般資産被害 農産物被害 公共土木施設等被害 資産被害抑 止効果 リスクプレミアム 高度化便益 被 害 防 止 便 益 間 接 被 害 営業停止被害 人身被害抑止効果 稼動被害抑 止効果 精神的被害 抑止効果 波及被害に伴うもの 営業停止波及被害 人身被害に伴うもの 事後的被害に伴うもの 応急対策費用 事後的被害 抑止効果 資産被害に伴うもの 稼動被害に伴うもの■費用便益比(B/C)の算出の流れ
•
総便益(B)
・氾濫想定区域の設定
・想定被害額の算出
・総便益(B)の算出
•
総費用(C)
・残存価値の算出
•
総費用(C)の算出
•
費用便益比(B/C)の算出
・年平均被害軽減期待額
■治水経済調査を行うにあたっての想定 ①被害防止便益算定の際の想定 ・氾濫区域内の資産 ・土砂災害から通常の社会経済活動に戻るための時間 ・洪水規模 ・被害防止便益の算定に用いる資産などの基礎数量や被害率等 ②治水施設の費用算定の際の想定 ・整備を要する時間、投資計画•
総事業費の算出
■総便益(B)の算出
想定氾濫区域等の設定結果に基づき、確率規 模別の想定被害額を算出する。 ●直接被害 ・一般資産被害(家屋、家庭用品等) ・公共土木施設被害 ●間接被害 ・営業停止被害(観光、発電所) ●事業を実施しない場合と実施した場合の被害 額の差分を被害軽減額とする。 ●確率規模別の被害軽減額にその洪水の生起 確率を乗じて、100年超過確率規模まで累計す ることにより、「年平均被害軽減期待額」 を算 出する。 砂防施設等構造物、用地の残存価値をそれぞ れ求める。 全体事業) 残存価値 = 2.0億円 残事業) 残存価値 = 0.7億円氾濫想定区域の設定
想定被害額の算出
年平均被害軽減期待額
残存価値の算出
総便益(B)の算出
無施設時から中期目標完了期間+中期目標完 了後50年間を評価対象期間として年被害軽減 期待額の総額に残存価値を加え総便益(B)とす る。 なお、便益は年4%の割引率で割り引いて現在 価値に評価する。 全体事業) 総便益(B)= 1,379億円 ・一般資産 2億円 ・公共土木被害 854億円 ・間接被害 521億円 (黒部峡谷鉄道の営業停止損失) 6億円 (電力施設の機能低下) 499億円 (宇奈月温泉の観光客減少) 16億円 ・残存価値 2億円 残事業) 総便益(B)= 76億円 ・一般資産 0億円 ・公共土木被害 24億円 ・間接被害 51億円 (黒部峡谷鉄道の営業停止損失) 6億円 (電力施設の機能低下) 29億円 (宇奈月温泉の観光客減少) 16億円 ・残存価値 0.7億円 ●水系全体 計画規模の洪水を含め、発生確率が異なる数 洪水を選定し氾濫シミュレーションを実施し、想 定氾濫区域を求める。 (発生確率1/10,1/20,1/30,1/50,1/70,1/100で実施)•
総事業費の算出
総事業費 全体事業) 総事業費 = 429億円 残事業) 総事業費 = 124億円 総事業費を年4%の割引率で割り引いて現 在価値化して総費用を算出する。●全体事業
(着手から中期完了まで)総費用(C) = 944億円
総便益(B) = 1,379億円
B/C = 1.5
•
総費用(C)の算出
総費用(C) 全体事業) 総費用 = 944億円 残事業) 総費用 = 74億円■総費用(C)の算出
■全体事業、残事業の費用及び便益(総括)
※基準年次:平成22年
■費用便益比の算出
●残事業
(H22年から中期完了まで)総費用(C) = 74億円
総便益(B) = 76億円
B/C = 1.0(1.03)
76億円
74億円
残事業
(H22年から中期完了まで)1,379億円
944億円
全体事業
(着手から中期完了まで)便益(B)
費用(C)
着手から中期目標に対する事業計画の完 成までの総事業費を求める。5
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コスト縮減の取り組み
コスト縮減の取り組み
INSEM工法 施工イメージ図 ②掘削土砂にセメントを混合 (砂防ソイルセメント) ①支持力不足箇所の地盤掘削 ③地盤の置き換え、締め固め 写真 黒薙川第2号下流砂防堰堤 INSEM工法による地盤改良 敷均し、転圧実施状況黒部川流域では、現地発生土砂を地盤改良材に用いるINSEM工法によ
り材料コストを低減させるなどのコスト縮減を図っている。
■INSEM工法
INSEM工法は、建設残土を用いて、施工現場でセメントを混合し、
施工箇所へ運搬し、ブルドーザーで敷き均し、振動ローラで締め固め
を行い構築する工法である。
・現地発生土砂の活用→材料コストの縮減、施工の省力化、発生残土
の軽減
・コスト縮減率
→
13 %
(平成21年度実績)
●観光施設
年間約50万人が利用する黒部峡谷鉄道のトロッコ電車●発電施設
黒部川第二発電所(1)地域の開発状況
(1)地域の開発状況
黒部川流域は、年間降水量が多く、早くから水力電源の宝庫とし て注目されてきた。その豊かな水量を利用して、現在は流域内に 10箇所の水力発電施設が整備されている。これらの施設から得 られる電力は、我が国第二の関西都市圏の産業・生活を支えてい る。6
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事業を巡る社会情勢
事業を巡る社会情勢
宇奈月温泉 右写真: 黒部川第三発電所 黒薙温泉 トロッコ電車 黒部の水力発電所 認可最大出力 黒部川第四 335,000 kw 新黒部川第三 107,000 kw 黒部川第三 81,000 kw 新黒部川第二 74,200 kw 黒部川第二 72,000 kw 黒薙第二 7,600 kw 新柳河原 41,200 kw 宇奈月 20,000 kw 音沢 124,000 kw 愛本 30,700 kw 合計 892,700 kw 黒部峡谷は雄大な自然、宇奈月温泉や黒薙温泉等の温泉 施設、黒部峡谷鉄道のトロッコ電車などを求めて毎年約50 万人の観光客が訪れている。黒部峡谷は、立山黒部地域 の観光拠点であり、この地域を訪れる観光客は富山県内最 大の年間約150万人の入込数を誇る。○ 黒部峡谷欅平周辺安全対策協議会 砂防事業地を含む黒部峡谷欅平周辺において峡谷を訪れる利用者の安全を図るこ とを目的として、黒部市、富山県、欅平・祖母谷間道路管理組合、黒部峡谷鉄道、林 野庁、環境省等からなる協議会を設立し、利用者の誘導案内、関係機関との連絡調 整を行っている。 ○ 黒部川流砂系総合土砂管理連絡会 黒部川・下新川海岸における河道等の土砂堆積による弊害に対応するため、土砂 流れの改善に向け、関連する事業の連携を図り、山地から海岸まで一貫した総合土 砂管理を目的として、富山県、関西電力等からなる連絡会を設立し、事業連携を図っ ている。
(2)地域の協力体制
(2)地域の協力体制
○ 黒部川治水同盟会 黒部川上流域における砂防事業と黒部川総合土砂管理の促進について、黒部市、 入善町、朝日町より強い要望がなされている。 河川領域 写真 現況: 対策: 課題: 局所洗掘の進行、 河道堆積の進行 根継護岸等の整備、 河道掘削 高コスト、 環境、海岸への影響把握 課題: 対策: 砂防領域 我が国屈指の崩壊土砂 スリット砂防えん堤の採用により、一時的な流出 土砂を抑え、長期的に河道へ土砂供給 河道に流入する土砂の量と質の定量的な把握 現況: 海岸領域 海岸侵食の進行 連携排砂による土砂供給、 海岸保全施設の整備 漂砂の連続性の確保、供給 土砂の確保 ダム領域 土砂流入による堆砂 連携排砂による定期的な土砂排出 大粒径土砂の堆積・未排出 課題: 対策: 現況: 対策: 現況: 課題:黒部川における直轄砂防事業は、中部山岳国立公園特別地域に指定されている黒部 奥山国有林内において実施しており、工事箇所へは黒部峡谷鉄道が唯一の交通手段で ある。厳しい地形条件と気象条件のため、平地と同様の施工効率の確保は困難である が、高度な技術を持つ国土交通省において整備の促進を図り早期の整備効果の発現を 図る。
①厳しい地形条件
工事箇所への資機材運搬及び人員の移動は、黒部峡谷鉄道(黒部峡谷鉄道は観光兼用で あり、輸送量が限られる)を介し、最寄駅から工事現場までは、専用に設置した資材運搬道路 により実施され、大型機材については、分解しヘリコプターでの搬入となる。 資材運搬道路に面した急峻な斜面からは、落石や法面崩壊等が頻繁に発生することから、 作業員の安全確保のため、日常的な維持管理の他、資材運搬道路の安全対策工事を行って いる。②限られる施工期間
黒部川上流域での施工可能期間は、融雪後の5月中旬から、積雪前の10月下旬迄での約 5ヶ月間であるため、計画的な施工を行っている。 急峻な地形に整備された、資材運搬道路(祖母谷) 唯一の輸送手段である黒部峡谷鉄道 による機材・資材等の分解輸送 資材運搬道路確保のため行われる 除雪作業 工事用搬入路 至欅平 資材運搬道路 砂防堰堤施工箇所 砂防堰堤施工箇所 祖母谷 祖母谷(3)その他
(3)その他
ヘリコプターによる資材搬入 資材運搬道路での落石状況 資材運搬道路の安全対策(落石対策)■厳しい施工条件
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.対応方針(原案)
.対応方針(原案)
①事業の必要性に関する視点
黒部川流域は、急峻な地形や脆弱な地質に起因した、崩壊の多発地帯であり、 多雨・多雪の気候と相まって、大量の土砂が流出しやすい地形条件を有している。 一方、その黒部川独自の地形条件は、景勝地や他に類を見ない峡谷美を育み、発 電施設及び鉄道施設の整備により多くの観光客が訪れ、地域経済に極めて重要な役 割を果たしているところである。 このような状況下で発生した、平成7年の土砂災害は、地域経済に対し甚大な被 害をもたらしており、今後、こうした土砂災害の発生に対する安全性確保を図るに は、荒廃した支川流域から流出する土砂を確実に捕捉、調節するため、砂防堰堤等 の整備が必要となる。 なお、砂防事業を行った場合の費用便益比は、事業全体で1.5、残事業で1.0であ る。②事業の進捗の見込みの視点
黒部川流域は、上流域への交通手段として鉄道施設が唯一である他、地形及び気象 条件により施工条件が厳しいが、これまで実施してきた砂防事業により、流域の安全性 は確実に向上している。また、事業に対する反対もない。 また、砂防事業に対する地域の要望も大きく、今後も着実な事業の進捗が見込める。○対応方針(原案)
○対応方針(原案)
対応方針(原案) 事業継続事業継続 (理由) 黒部川上流域は、急峻な地形や脆弱な地質による崩壊の多発地帯であり、多 雨・多雪の気候と相まって、大量の土砂が流出しやすい条件を有している。平成 7年に発生した土砂災害は地域に甚大な被害をもたらしており、流域の安全性確 保を図るために、砂防事業の必要性は高い。 このため、平成7年災害に対する、再度災害防止に向けて流域の自然環境を保 全を図りつつ、砂防堰堤等の施設を整備し、土砂流出の防止を図る必要があり 砂防事業の継続が妥当である。③コスト縮減や代替案立案等の可能性の視点
砂防ソイルセメント工法の採用により工事におけるコスト縮減を図っている。また、設計 から工事実施に至る各段階において、コスト縮減に繋がる代替案の可能性の視点にたっ て事業を進めている。様式-1 氾濫ブロック分割図
宇奈月ダム
様式-2 資産データ
資産データ 水系名 : 黒部川
氾濫ブロック ブロック面積 一般資産合計 備考
(ha) 人口 世帯数 農漁家数 延床面積 水田面積 畑面積 家屋 家庭用品 小計 水稲 畑作物 小計 (百万円) (人) (戸) (世帯) (ha) (ha) (ha) 償却 在庫 償却 在庫
1ブロック 43,410 9 3 0 10 0 0 168 60 0 0 0 0 228 0 0 0 228 農作物資産(百万円)
事業所資産 農漁家資産 一般資産等基礎数量 一般資産額(百万円)