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北陸三県における犯罪の特徴 ( 関根 ) 梨学院大学法学部非常勤講師 西尾憲子 青森中央学院大学経営法学部非 常勤講師初川愛美 中央大学大学院博士課程後期課程刑事法専攻藤田尚の3 氏の助力を得ることができたこと かつ 福井 石川両県の統計資料も手に入れることができたことから 当初の方針を変更し 範囲

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研究ノート 識鴫鴫鴫鴫鴫鴫鴫鴫鴫鴫竺 識鴫鴫鴫鴫鴫鴫鴫鴫鴫鴫竺

北陸三県における犯罪の特徴

─石川県・福井県の犯罪─

一 はじめに

 近年、日本では、犯罪が凶悪化する傾向にあると言われている。犯罪は、 その国、その地域の文化的な背景を持ち、それぞれの国、地域ごとに、様々 な特徴を示すと言われている。日本の国際化が急速に進んできている現代 においては、例えば、窃盗といった犯罪さえも、国際的な広がりを持つよ うになってきており、これは、その一例と考えることができるであろう。 そこで、富山県における犯罪も同様に、富山県独自の特徴を示すと思われ、 これらを明らかにすることが、富山県における犯罪対策の戦略を立てる上 で、有益であると思われる。幸いにも、平成19年度に富山県高等教育振興 財団より助成を受けることができたため、富山県で発生する犯罪を犯罪統 計学的な視点から分析して、富山県の犯罪の特徴をあぶりだそうと試み た。  本研究は、富山県の高等教育振興財団助成ということで、富山県の犯罪 状況と全国の犯罪状況を比較することで研究を進める予定であったが、山 高岡法科大学 准教授

 関 根   徹

山梨学院大学法学部 非常勤講師

 西 尾 憲 子

中央大学大学院博士課程後期課程 刑事法専攻

 藤 田   尚

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梨学院大学法学部非常勤講師 西尾憲子、青森中央学院大学経営法学部非 常勤講師 初川愛美、中央大学大学院博士課程後期課程刑事法専攻 藤田 尚の3氏の助力を得ることができたこと、かつ、福井、石川両県の統計資 料も手に入れることができたことから、当初の方針を変更し、範囲を北陸 三県にまで広げ、富山県を初川氏に、石川県を西尾氏に、福井県を藤田氏 に担当してもらい、関根が北陸三県について担当することにした。本稿で は、それらのうち、紙幅の都合上、富山県の犯罪と比較するための前提と して、まず、石川県と福井県について紹介したいと思う。  なお、今回は、北陸三県に絞って研究を行っているが、本研究を基礎と して、将来的には、47都道府県へと研究の範囲を広げて、研究を継続して 行きたいと考えている。 1 はじめに  石川県の犯罪状況を把握するために、石川県が公表している『平成19 年 石川県統計書』及び石川県警察本部が公表している犯罪統計資料、警 察庁が公表している『平成21年版 警察白書』、法務省が公表している『平 成21年版 犯罪白書』により、石川県と全国の犯罪についての統計から比 較しながら考察したい。なお、統計による比較検討を行う場合、最新の統 計資料を用いることが原則であるが、『石川県統計書』に収録されているの は平成19年までの統計になる。そのため、平成20年の統計は、石川県県民 文化局県民交流課統計情報室による「いしかわ統計指標ランド」に掲載の 石川県警察本部による『犯罪統計資料』を参照して比較する。また、少年 犯罪を含む刑法犯全体の比較、少年犯罪の比較もあわせて、上記の統計資 料を用いて行う。

二 石川県における犯罪状況(全国との比較調査)

担当者 西尾 憲子

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2 刑法犯 1 刑法犯全体敢  平成19年の全国における刑法犯の認知件数は、190万8,836件、石川県の 刑法犯認知総件数柑は、1万669件だった。平成19年の刑法犯全体の認知・ 検挙状況は、表1-1桓のとおりである。平成19年の全国の刑法犯認知件 数は6.9%減少、検挙件数も5.4%減少しており、ともに前年比減少となっ た。石川県では刑法犯認知件数は14.8%減少、検挙件数も15.4%減少と、全 国の増減率の倍近い減少率を示している。全国の平成20年の刑法犯認知件 数は、181万8,023件、前年比4.8%減少となり、表1-2で石川県と比較し ている。平成20年の全国の前年比は、平成19年より少ないが、石川県の刑 法犯検挙件数は、前年比を0.3%上げた。しかし、全国比をみると、平成20 年の刑法犯検挙件数は、平成19年には0.3だったが、2倍の0.6になった。さ らに、平成21年の刑法犯認知件数は、170万3,222件で前年より11万4,801件 減少、前年比6.3%減少し、7年連続の減少で、180万件を下回るのは平成7 年以来14年ぶりとなり、平成3年の水準まで改善した棺。石川県は平成21 年10月末までの数値しかないが、刑法犯認知件数は7,453件、検挙件数は 2,534件と減少傾向に向かうと思われる款。これは石川県も全国と同様に、 表1-1.平成19年の刑法犯認知検挙状況 石川県 全 国 平成19年 全国比 増減率(%) 件数 増減率(%) 件数 0.4 -14.8 10,669 -6.9 1,908,836 認知件数 0.3 -15.4 4,406 -5.4 605,358 検挙件数 表1-2.平成20年の刑法犯認知検挙状況 石川県 全 国 平成20年 全国比 増減率(%) 件数 増減率(%) 件数 0.5 -9.2 9,689 -4.8 1,818,023 認知件数 0.6 -15.7 3,714 -5.3 573,392 検挙件数

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減少傾向を続けていることがわかる。表2-1は、平成10年から平成20年 までの全国と石川県の刑法犯認知件数の増減率を比較している。全国の刑 法犯認知件数の動向をみると、平成8年から平成14年まで7年連続で増加 し続け戦後最多の285万3,739件を記録したが、平成15年以降、6年連続の 減少である。しかし、刑法犯認知件数の戦後を通じてみるとまだ高い水準 のままといえる。石川県の刑法犯認知件数の動向をみると、平成10年以降 で最も高い増加率となった平成13年は前年比31.2%増加したが、全国では 戦後最多の刑法犯認知件数となった平成14年には前年比0.8%減少してい る。さらに、平成15年の刑法犯認知件数をみると、全国では前年比2.2%減 少したものの、石川県では前年比6.6%の増加率となり平成10年以降最多の 1万7,770件となった。石川県では、平成14年と平成15年の刑法犯認知件数 は、全国の傾向との違いを示したが、平成16年には平成10年以降最も高い 17.6%の減少率、平成19年も14.8%の減少率、平成20年も9.2%の減少率とな り4年連続の減少となった。全国に占める石川県の刑法犯認知件数の割合 は、平成13年から平成19年まで0.6となっており、一定の割合のまま大きな 違いを示していないことがわかる。全国と石川県の刑法犯検挙件数の動向 を平成10年から平成20年まで比較したのが表2-2である。全国の刑法犯 検挙件数の動向をみると、実数としては平成10年が最も多く、増減率では 平成12年の21.1%減少が最も高い。しかし、平成14年には前年比9.3%増、 平成15年には9.4%増、平成16年には3.0%増と3年連続の増加傾向だった が、平成17年以降改めて減少傾向にある。石川県の刑法犯検挙件数の動向 をみると、平成14年には8,296件、増減率では110.6%増と急激に増加した が、この平成14年を境にして6年連続で減少している。平成19年の刑法犯 検挙件数は平成14年の実数と比較すると半分程度となり、全国比をみて も、平成14年には1.4を占めたが、平成19年には平成14年に比べると半減し 0.7になった。平成20年の検挙件数は、平成10年以降最も少ない3,714件、前 年比15.7%減少、全国比も0.6と減少傾向が進んでいることがわかる。表3

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の平成10年から平成20年までの検挙率の動向をみると、全国の検挙率より 石川県の検挙率のほうがすべて高い。平成14年は、石川県では刑法犯認知 件数で前年比0.8%減少しつつも刑法犯検挙件数が急増し、49.8%と高い検 挙率となった。これは、平成13年の23.4%という平成10年以降最低の検挙 表2-1.刑法犯認知件数の動向(平成10年から平成20年まで) 全国比 石川県 全 国 刑 法 犯 認知件数 実 数 増減率(%) 実 数 増減率(%) 0.5 ― 10,304 ― 2,033,546 10年 0.5 10.4 11,376 6.5 2,165,626 11年 0.5 12.6 12,804 12.8 2,443,470 12年 0.6 31.2 16,805 12.0 2,735,612 13年 0.6 -0.8 16,666 4.3 2,853,739 14年 0.6 6.6 17,770 -2.2 2,790,136 15年 0.6 -17.6 14,648 -8.1 2,562,767 16年 0.6 -13.0 12,739 -11.5 2,269,293 17年 0.6 -1.7 12,524 -9.6 2,050,850 18年 0.6 -14.8 10,669 -6.9 1,908,836 19年 0.5 -9.2 9,689 -4.8 1,818,023 20年 表2-2.刑法犯検挙件数の動向(平成10年から平成20年まで) 全国比 石川県 全 国 刑 法 犯 検挙件数 実 数 増減率(%) 実 数 増減率(%) 0.7 ― 5,650 ― 772,282 10年 0.7 -4.9 5,373 -5.3 731,284 11年 0.6 -32.1 3,647 -21.1 576,771 12年 0.7 8.0 3,939 -6.0 542,115 13年 1.4 110.6 8,296 9.3 592,359 14年 1.0 -19.6 6,667 9.4 648,319 15年 1.0 -3.9 6,406 3.0 667,620 16年 0.8 -17.7 5,272 -2.7 649,503 17年 0.8 -1.2 5,208 -1.4 640,657 18年 0.7 -15.4 4,406 -5.5 605,358 19年 0.6 -15.7 3,714 -5.3 573,392 20年

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率から検挙率を上げ、その後も40%前後の検挙率を継続していることがわ かる。全国の刑法犯検挙率は、昭和期にはおおむね60%前後の水準であっ た刑法犯検挙率は、平成に入ってから急激に低下し、平成13年に19.8%と 戦後最低を記録したが、平成14年以降6年連続して検挙率は上昇を続け た。しかし、平成20年は31.5%と前年より0.2ポイント低下してしまった 表3.検挙率の動向(平成10年から平成20年まで) 石川県 全 国 (すべて%) 54.8 38.0 10年 47.2 33.8 11年 28.5 23.6 12年 23.4 19.8 13年 49.8 20.8 14年 37.5 23.2 15年 43.7 26.1 16年 41.4 28.6 17年 41.6 31.2 18年 41.3 31.7 19年 38.3 31.5 20年 表4.人口1万人あたりの刑法犯認知件数 順 位 石川県 全 国 2 74.0 150.6 11年(平成9年調査) 4 87.0 160.8 12年(平成10年調査) 7 95.9 170.9 13年(平成11年調査) 8 108.4 192.5 14年(平成12年調査) 15 142.2 214.9 15年(平成13年調査) 11 141.2 223.9 16年(平成14年調査) 13 150.6 218.6 17年(平成15年調査) 10 124.2 200.7 18年(平成16年調査) 11 108.5 177.6 19年(平成17年調査) 13 106.9 160.5 20年(平成18年調査) *調査時点は、平成9年から平成18年である *順位については、少ないほうから数えた順位である

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が、平成21年には32%と0.5ポイント上昇した。検挙率は、国民が生活の安 全と安心を感じる重要な要素と考えるので、今後の検挙率の動向も気にな るが、検挙率が今後も向上していく体制の整備が望まれる。表4は、石川 県県民文化局県民交流課統計情報室編集・発行の総合統計書『石川100の指 標』のなかで、人口1万人あたりの刑法犯認知件数を全国と比較し、石川 県の順位を示している。最初にこの比較が行われた平成11年発表の平成9 年調査は、石川県は少ないほうから数えて2位であり、全国平均の150.6件 と比較すると半分以下の74.0件で、最高順位となっている。平成13年調査 が少ないほうから数えて15位で、これが最低順位である。平成13年は、表 2-1にも示されているとおり、刑法犯認知件数が急増した年と重なる。 平成9年調査から平成18年調査までの動向について、全国をみても平成9 年時点が最も低い150.6件、最も多いのは平成14年調査で、刑法犯認知件数 が戦後最多の年と重なる。全国では平成14年調査の223.9件、石川県も平成 15年調査の150.6件の最高件数を示してから減少を続けているが、石川県の 全国における順位は徐々に上位になってきており、今後どのような傾向を 示すのか、全国との比較統計の公表を待って検討したいと思う。  今回の調査報告では、表2-1の平成10年以降の刑法犯認知件数の動向 をみると、平成13年から全国比が0.6となっているので、これを基準値とし て、石川県においてどのような犯罪が多く、どのような犯罪が少ないのか を罪名別に検討する。 2 凶悪犯歓  凶悪犯の罪名別認知検挙状況について、平成19年の全国と石川県を比較 したものが、表5-1である。全国の刑法犯認知件数全体が前年比6.9%減 少しているのと同様に、凶悪犯全体の認知件数は10.6%減少、検挙件数は 9.3%減少、検挙人員は8.3%減少と10%近く減少し、罪名別の増減率は全体 的に減少している。最も高い減少率を示したのは、放火の検挙件数1,120件

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で16.2%減少している。しかし、強盗の認知件数だけは、4,567件、前年比 9.0%の増加となった。石川県をみると、平成19年の凶悪犯認知件数は46 件、前年比23.3%減少、刑法犯全体の14.8%減少より高い減少率を示し、全 国比も0.5と基準値より0.1ポイント低い。同じく凶悪犯の検挙件数では 20%減少と大きく減少している。最も大きく減少したのは、放火の検挙件 数8件、52.9%減少で、逆に最も大きく増加したのが、強盗の検挙件数13 件、44.4%の増加であった。全国の凶悪犯のなかで唯一前年より増加した のも、強盗の認知件数で前年比9.0%増加しているが、石川県の強盗の認知 件数の前年比は7.7%減少、全国に占める割合は0.3と基準値の半分である。 石川県で唯一前年より44.4%増加した強盗の検挙件数は全国比0.5と基準値 よりも低い。全国も石川県もともに最も高い減少率を示した放火の検挙件 数について石川県の占める割合は0.7と基準値より少し高い。殺人の認知 件数、検挙件数は、全国も石川県もともに前年比10%近く減少しているが、 石川県の全国比は1.0と基準値よりも高い。しかし、表4の人口1万人あた りの刑法犯認知件数の全国順位をみても石川県は全国平均より少ないこと から高い数値ではないと考える。表5-2では、平成20年の全国と石川県 の刑法犯認知状況を比較しているが、罪名別の詳細についてはまだ公表さ れていないため、凶悪犯全体の認知件数による比較である汗。全国の凶悪 犯の認知件数は、5.2%の減少率ではあるが平成20年も減少しており、石川 県は28.2%の減少率で大きく減少しており、全国比は平成19年より0.1ポイ ント下げて0.4となり基準値よりさらに低くなった。表6-1の平成14年 以降の全国の凶悪犯罪名別認知検挙状況の動向をみても、平成15年以降継 続して減少傾向にあり、凶悪犯全体も罪名別にみても減少傾向を示してお り、増減率も全体的に減少している。このことから全国の凶悪犯は認知件 数、検挙件数、検挙人員全てで減少していることがわかる。平成14年以降、 同じく減少傾向だった殺人については、平成20年には認知件数、検挙件数、 検挙人員全ての項目で増加した。表6-2は全国の凶悪犯罪名別認知検挙

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表5-1.平成19年の凶悪犯罪名別認知検挙状況 石川県 全 国 全国比(%) 増減率(%) 数 増減率(%) 数 0.5 -23.3 46 -10.6 9,051 認知件数 凶悪犯 0.6 -20 40 -9.3 6,461 検挙件数 ― ― ― -8.3 5,923 検挙人員 1.0 -7.7 12 -8.4 1,199 認知件数  殺人 1.0 -7.7 12 -8.7 1,157 検挙件数 - - - -6.4 1,161 検挙人員 0.3 -7.7 12 9.0 4,567 認知件数  強盗 0.5 44.4 13 -8.9 2,790 検挙件数 ― ― ― -10.5 2,985 検挙人員 0.7 -44.4 10 -13.6 1,519 認知件数  放火 0.7 -52.9 8 -16.2 1,120 検挙件数 ― ― ― -7.4 764 検挙人員 0.7 -14.3 12 -9.3 1,766 認知件数  強姦 0.5 -36.4 7 -4.5 1,394 検挙件数 ― ― ― -4.3 1,013 検挙人員 表5-2.平成20年の凶悪犯認知状況 石川県 全 国 凶悪犯全体 全国比(%) 増減率(%) 数 増減率(%) 数 0.4 -28.2 33 -5.2 8,581 認知件数 表6-1.全国の凶悪犯罪名別認知検挙状況の動向(平成14年~20年) 14年 15年 16年 17年 18年 19年 20年 12,567 13,658 13,064 11,360 10,124 9,051 8,581 認知件数 凶悪犯 7,604 8,238 7,924 7,418 7,125 6,461 6,229 検挙件数 7,726 8,362 7,519 7,047 6,459 5,923 5,634 検挙人員 1,396 1,452 1,419 1,392 1,309 1,199 1,297 認知件数 殺人 1,336 1,366 1,342 1,345 1,267 1,157 1,237 検挙件数 1,405 1,456 1,391 1,338 1,241 1,161 1,211 検挙人員 6,984 7,664 7,295 5,988 5,108 4,567 4,278 認知件数 強盗 3,566 3,855 3,666 3,269 3,061 2,790 2,612 検挙件数 4,151 4,698 4,154 3,844 3,335 2,985 2,813 検挙人員

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状況を平成19年と平成20年について比較したものである。凶悪犯全体で減 少し、罪名別にみても全体的に減少しており、放火の検挙人員は13.7%減 少と大きく減少している。しかし、殺人については、認知件数が1,297件と 8.2%増加し、検挙件数も1,237件と6.9%増加、検挙人員も1,211件と4.3%増 加しており、凶悪犯のなかで唯一増加している。平成21年について新聞に よると、全国では、殺人が1,097件、前年比15.4%減少、凶悪犯全体も8,320 件、前年比3%減少だが、強盗がコンビニ強盗の急増により6年ぶりに増 1,830 2,070 2,174 1,904 1,759 1,519 1,424 認知件数 放火 1,234 1,448 1,513 1,361 1,337 1,120 1,054 検挙件数 815 866 867 791 825 764 659 検挙人員 2,357 2,472 2,176 2,076 1,948 1,766 1,582 認知件数 強姦 1,468 1,569 1,403 1,443 1,460 1,394 1,326 検挙件数 1,355 1,342 1,107 1,074 1,058 1,013 951 検挙人員 表6-2.全国の凶悪犯罪名別認知検挙状況の比較(平成19年と平成20年の比較) 増減率(%) 19年 20年 -5.2 9,051 8,581 認知件数 凶 悪 犯 -3.6 6,461 6,229 検挙件数 -4.7 5,923 5,634 検挙人員 8.2 1,199 1,297 認知件数   殺  人 6.9 1,157 1,237 検挙件数 4.3 1,161 1,211 検挙人員 -6.3 4,567 4,278 認知件数   強  盗 -6.4 2,790 2,612 検挙件数 -5.8 2,985 2,813 検挙人員 -6.3 1,519 1,424 認知件数   放  火 -5.9 1,120 1,054 検挙件数 -13.7 764 659 検挙人員 -10.4 1,766 1,582 認知件数   強  姦 -4.9 1,394 1,326 検挙件数 -6.1 1,013 951 検挙人員

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加に転じてしまった漢。石川県も平成21年10月までの統計であるが、凶悪 犯全体で24件、それ以降については未発表のため比較は難しいが、減少傾 向が続くように期待したい。表7は平成14年から平成19年までの石川県の 凶悪犯罪名別認知検挙状況の動向である。石川県の凶悪犯全体をみると平 成15年と平成18年に増加している。平成15年は殺人の検挙件数と放火の検 挙件数以外の項目で増加しており、平成18年は強盗以外の項目全てで増加 した。平成19年については、表5-1で確認したように平成18年が増加傾 向を示したため、前年比の増減率は大きくなったと考えられる。また、凶 悪犯全体の検挙率を比較すると、全国の平成18年に70.4%、平成19年に 71.4%、石川県は平成18年に83.3%、平成19年87.0%と石川県のほうが全国 より高い検挙率であることも1つの理由といえるかもしれない。全国の全 体的な減少傾向との違いについて、平成18年と平成19年に特有の社会事情 があったのか検討の余地があるものの、平成18年の増加傾向が継続せず、 平成19年に大きく減少させた対応として具体的にとられた施策や社会環境 等の変化があったのか検討することも必要であろう。 表7.石川県の凶悪犯罪名別認知検挙状況の動向(平成14年~19年) 14年 15年 16年 17年 18年 19年 54 76 50 49 60 46 認知件数 凶悪犯 40 51 39 40 50 40 検挙件数 10 12 10 7 13 12 認知件数  殺人 10 11 9 7 13 12 検挙件数 20 26 18 13 15 12 認知件数  強盗 14 18 14 9 9 13 検挙件数 11 18 13 17 18 10 認知件数  放火 9 7 8 16 17 8 検挙件数 13 20 9 12 14 12 認知件数  強姦 7 15 8 8 11 7 検挙件数

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3 粗暴犯澗  平成19年の粗暴犯罪名別認知検挙状況をまとめたものが表8-1であ る。粗暴犯全体についてみると、全国では検挙件数が微増しており、前年 比0.5%増の49,656件である。罪名別にみても、全国では、凶器準備集合の 検挙人員が、前年比2.6%増加し、暴行の検挙件数と検挙人員については前 年比10%ほど増加し、脅迫の検挙件数も前年比3.1%増加している。石川県 をみると、粗暴犯全体の認知件数は28.0%減少の430件、検挙件数も27.6% 減少の402件と比較的大きく減少しており、罪名別にみても全ての項目で 前年比減少となった。石川県の粗暴犯認知件数は全国比0.6と基準値と同 じだが、刑法犯全体の認知件数は0.4なので粗暴犯は全国比が高いともいえ 表8-1.平成19年の粗暴犯罪名別認知検挙状況 石川県 全 国 全国比(%) 増減率(%) 数 増減率(%) 数 0.6 -28.0 430 -4.4 72,908 認知件数 粗 暴 犯 0.8 -27.6 402 0.5 49,656 検挙件数 ― ― ― -0.6 54,163 検挙人員 0 0 0 -5.0 19 認知件数  凶器準備集合 0 0 0 0 20 検挙件数 ― ― ― 2.6 159 検挙人員 0.8 -18.9 253 3.1 31,966 認知件数  暴   行 1.1 -22.3 230 10.6 21,463 検挙件数 ― ― ― 10.1 21,808 検挙人員 0.4 -23.6 133 -8.8 30,986 認知件数  傷   害 0.6 -25.9 123 -5.4 22,062 検挙件数 ― ― ― -6.0 25,458 検挙人員 0.7 -15.0 17 -4.0 2,553 認知件数  脅   迫 0.7 -30.0 14 3.1 1,869 検挙件数 ― ― ― -0.5 1,684 検挙人員 0.4 -70.3 27 -14.5 7,384 認知件数  恐   喝 0.8 -52.1 35 -12.4 4,242 検挙件数 ― ― ― -12.6 5,054 検挙人員

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る。石川県の粗暴犯検挙件数は前年比では減少しているものの基準値より 高い0.8だった。また、全国では増加した暴行についてみると、認知件数で は前年比18.9%減少、検挙件数も前年比22.3%減少と石川県では平成18年 と比較すると減少している。しかし、石川県の暴行の全国比はいずれも基 準値より高く、暴行の検挙件数では基準値の倍近い1.1だった。石川県の増 減率で最も高い減少率を示したのは、恐喝の認知件数の70.3%減少で、全 国比は0.4と基準値よりも低い。恐喝の検挙件数も52.1%減少しているが全 国比は0.8と基準値よりも高い。表8-2は、平成19年と平成20年の粗暴犯 認知件数を比較している。平成19年に続き全国も石川県もともに粗暴犯全 体で減少しているが、石川県の減少率は非常に小さく、石川県の粗暴犯認 知件数の全国比は平成19年と同じ基準値と同じ0.6のままである。表9- 1の全国の粗暴犯罪名別認知検挙状況の動向で平成14年以降について比較 しているとおり、全国の粗暴犯は全体的に増加傾向にある。平成18年にほ ぼ全ての罪名・項目で増加し、平成19年も全体的に増加傾向にある。平成 20年をみると、増加傾向はいったん落ち着いたように思われるが、暴行の 検挙件数、検挙人員は増加しており、平成14年と比較すると2.5倍近く増加 し、平成14年以降ずっと増加し続けている。また、平成20年の脅迫は認知 件数、検挙件数、検挙人員すべて増加し、検挙件数と検挙人員は、平成14 表8-2.平成20年の粗暴犯認知状況 石川県 全 国 粗暴犯全体 全国比(%) 増減率(%) 数 増減率(%) 数 0.6 -0.5 428 -5.4 68,948 認知件数 表9-1.全国の粗暴犯罪名別認知検挙状況の動向(平成14年~20年) 14年 15年 16年 17年 18年 19年 20年 76,573 78,759 76,616 73,772 76,303 72,908 68,948 認知件数 粗 暴 犯 40,425 42,296 41,128 44,037 49,409 49,656 47,772 検挙件数 49,615 49,530 46,801 49,156 54,505 54,163 51,924 検挙人員

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年以降で最も多くなった。表9-2では、全国の粗暴犯罪名別認知検挙状 況の比較をしているが、平成20年の全国の粗暴犯の中で前年比が最も大き く減少したのは、凶器準備集合罪の検挙人員で47.8%減少、同じく凶器準 備集合罪の検挙件数が35%減少している。表10では石川県の粗暴犯罪名別 認知検挙状況の動向を平成14年から19年までまとめた。石川県の粗暴犯全 体の認知件数と検挙件数ともに前年比30%近く減少しており、平成18年に 前年比約40%増加し平成14年以降の最多件数となった。平成19年は粗暴犯 全体、粗暴犯の各罪名別もすべて減少しており、平成18年と比べると、恐 喝の認知件数では、70.3%減少、検挙件数でも52.1%減少とかなり大きく減 少している。ただし、平成18年は傷害以外で増加傾向を示したため、平成 19年と比較すると、大きな減少となったと考えられるが、恐喝の認知件数 は平成14年以降で最も少なかった。粗暴犯全体で平成18年が平成14年以降 の最高値になったため、減少傾向が止まったが、また平成14年から平成17 年までの減少傾向に続いて平成19年以降も減少するかどうか、今後の動向 30 34 27 16 20 19 16 認知件数  凶器準備集合 30 29 28 16 20 20 13 検挙件数 283 419 279 95 155 159 83 検挙人員 19,442 21,937 23,691 25,815 31,002 31,966 31,641 認知件数  暴   行 8,348 9,539 10,666 13,703 19,405 21,463 21,925 検挙件数 9,132 10,124 11,002 13,970 19,802 21,808 22,379 検挙人員 36,324 36,568 35,937 34,484 33,987 30,986 28,291 認知件数  傷   害 23,453 23,659 22,938 23,304 23,331 22,062 20,180 検挙件数 29,862 28,999 27,069 27,130 27,075 25,458 23,164 検挙人員 2,374 2,625 2,537 2,479 2,658 2,553 2,651 認知件数  脅   迫 1,572 1,567 1,581 1,638 1,812 1,869 1,953 検挙件数 1,527 1,457 1,388 1,522 1,693 1,684 1,824 検挙人員 18,403 17,595 14,424 10,978 8,636 7,384 6,349 認知件数  恐   喝 7,022 7,502 5,915 5,376 4,841 4,242 3,701 検挙件数 8,811 8,531 7,063 6,439 5,780 5,054 4,474 検挙人員

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表9-2.全国の粗暴犯罪名別認知検挙状況の比較(平成19年と平成20年の比較) 増減率(%) 19年 20年 -5.4 72,908 68,948 認知件数 粗 暴 犯 -3.8 49,656 47,772 検挙件数 -4.1 54,163 51,924 検挙人員 -15.8 19 16 認知件数  凶器準備集合 -35 20 13 検挙件数 -47.8 159 83 検挙人員 -1.0 31,966 31,641 認知件数  暴   行 2.2 21,463 21,925 検挙件数 2.6 21,808 22,379 検挙人員 -8.7 30,986 28,291 認知件数  傷   害 -8.5 22,062 20,180 検挙件数 -9.0 25,458 23,164 検挙人員 3.8 2,553 2,651 認知件数  脅   迫 4.5 1,869 1,953 検挙件数 8.3 1,684 1,824 検挙人員 -14.0 7,384 6,349 認知件数  恐   喝 -12.8 4,242 3,701 検挙件数 -11.5 5,054 4,474 検挙人員 表10.石川県の粗暴犯罪名別認知検挙状況の動向(平成14年~19年) 14年 15年 16年 17年 18年 19年 408 486 455 434 597 430 認知件数 粗 暴 犯 283 313 299 345 555 402 検挙件数 0 0 0 0 0 0 認知件数  凶器準備集合 0 0 0 0 0 0 検挙件数 102 149 153 190 312 253 認知件数  暴   行 60 103 94 149 296 230 検挙件数 204 237 216 188 174 133 認知件数  傷   害 166 152 163 166 166 123 検挙件数 16 14 14 17 20 17 認知件数  脅   迫 13 9 10 14 20 14 検挙件数 86 86 72 39 91 27 認知件数  恐   喝 44 49 32 16 73 35 検挙件数

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をみてみたいと思う。 4 窃盗犯潅  平成19年の窃盗犯認知検挙状況について、表11-1の全国と石川県の比 較のとおり、石川県の窃盗犯認知件数は8,090件、前年比11.5%減少で、全 国の認知件数に占める割合は0.6の基準値と同じであるが、検挙件数は、前 年比13.2%減少しているにもかかわらず全国比は0.8と0.2ポイント高い。 平成20年と平成19年の窃盗犯認知状況を比較している表11-2をみると、 石川県は前年比7.7%減少し、全国比も0.5と基準値より低くなった。  表12-1の全国の窃盗犯認知検挙状況の動向に示されているとおり、全 国の窃盗犯は平成17年以降、認知件数、検挙件数、検挙人員のいずれも減 少傾向にあり、平成20年は平成14年以降で最も少なくなっている。さらに 新聞によると、平成21年は、罪種別で最も減ったのは窃盗犯で、自動販売 機荒らしが30%以上減るなど、前年比5.3%減の129万9,403件となり、さら に減少傾向が続いていることがわかる環。表12-2をみても、全国の窃盗 犯は、平成20年のほうが、平成19年より減少率が小さいが、減少傾向を続 けている。平成19年の石川県の窃盗犯は、認知件数では前年比11.5%減少、 検挙件数では13.2%と2桁の減少を示しているが、表13をみると、全国の 傾向と同じく石川県でも、窃盗犯について平成14年以降減少傾向を示して いることがわかる。これは、石川県の検挙件数が全国比より高いこととも 関連していると考える。石川県警察本部では、住民が身近に感じる犯罪の 未然防止と迅速な検挙を図るための対策として、街頭犯罪等抑止総合対策 に積極的に取り組んでいることがあげられる。石川県警察本部ホームペー ジをみると、街頭犯罪として、侵入強盗・路上強盗、住宅対象侵入窃盗、 自動車盗、オートバイ盗、自転車盗、車上ねらい、ひったくり、部品ねら い、自販機ねらい、強制わいせつ、器物損壊を対象として取締りを強化し ているため、窃盗犯に計上される犯罪に関する検挙率の高さにつながって

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いると考えられる。石川県警察本部の街頭犯罪等抑止総合対策が効果を挙 げているといえるであろう。 表11-1.平成19年の窃盗犯認知検挙状況 石川県 全 国 窃 盗 犯 全国比(%) 増減率(%) 数 増減率(%) 数 0.6 -11.5 8,090 -6.8 1,429,956   認知件数 0.8 -13.2 3,075 -5.1 395,243   検挙件数 ― ― ― -3.8 180,446   検挙人員 表11-2.平成20年の窃盗犯認知状況 石川県 全国 窃盗犯全体 全国比(%) 増減率(%) 数 増減率(%) 数 0.5 -7.7 7,465 -4.0 1,372,840 認知件数 表12-2.全国の窃盗犯認知検挙状況(平成19年と平成20年の比較) 増減率(%) 19年 20年 窃 盗 犯 -4.0 1,429,956 1,372,840   認知件数 -3.9 395,243 379,839   検挙件数 -3.2 180,446 174,738   検挙人員 表12-1.全国の窃盗犯認知検挙状況の動向(平成14年~20年) 14年 15年 16年 17年 18年 19年 20年 窃 盗 犯 2,377,488 2,235,844 1,981,574 1,725,072 1,534,528 1,429,956 1,372,840  認知件数 403,872 433,918 447,950 429,038 416,281 395,243 379,839  検挙件数 180,725 191,403 195,151 194,119 187,654 180,446 174,738  検挙人員 表13.石川県の窃盗犯認知検挙状況の動向(平成14年~19年) 14年 15年 16年 17年 18年 19年 窃 盗 犯 13,679 14,054 11,055 9,404 9,144 8,090   認知件数 6,886 4,944 4,930 3,487 3,543 3,075   検挙件数

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5 知能犯甘  平成19年の知能犯罪名別認知検挙状況は、表14-1のとおり、全国の知 能犯全体は前年比10%弱減少したが、賄賂の認知件数では前年比61.5%減、 検挙件数も前年比59.3%減、検挙人員では前年比41.7%減となり、かなり大 きく減少させた。全国の知能犯については、全体に減少しているなかで、 背任の検挙件数は前年比29.7%と大きく増加させた。表14-2では、平成 20年の全国と石川県の知能犯全体を比較しているが、平成19年の全国比0.7 から基準値と同じ0.6になった。表15-1では、平成20年までの全国の知能 犯罪名別認知検挙状況をまとめているが、平成20年では罪名別にみると全 体に増加傾向といえるが、背任は認知件数、検挙件数、検挙人員いずれも 減少した。表15-2では、全国の知能犯罪名別認知検挙状況を平成20年と 平成19年で比較している。前年比を最も大きく減少させたのが背任の検挙 件数で、35.4%減少となった。一方で大きく増加させたのが賄賂である。 賄賂の検挙件数は前年比41.8%増加させ、認知件数も34.5%増加させた。 次いで、偽造の検挙件数が14.7%増加、横領の検挙件数が9.4%増加と前年 より増加傾向となった。石川県をみると、表14-1から、平成19年は全国 の減少率よりも大きく減少させており、知能犯全体では、認知件数で 24.7%減少、検挙件数では23.1%減少である。しかし、全国比は0.7と基準 値より0.1ポイント高く、罪名別で詐欺も0.7から0.8と高めである。前年比 を最も大きく減少させたのは53.3%減少の横領の検挙件数で、全国比も0.5 と基準値より0.1ポイント低い。また、石川県の偽造の検挙件数は13件で前 年比43.5%減少し、全国比0.3と基準値の半分である。石川県の賄賂と背任 は、表16の平成14年以降の石川県の動向をみても平成14年以降ほとんど0 件で推移しており、平成17年に賄賂が1件あったのみで全国の傾向とは異 なる。表14-2から、全国も石川県も平成20年は減少傾向を示し、全国の 前年比は3.6%減少、石川県も16.5%減少と減少率が小さくなっているが、 平成20年の知能犯全体における石川県の占める全国比は0.6と基準値と同

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じで、平成19年より下がった。石川県は、全国と同じく平成17年をピーク に減少をつづけ、知能犯全体、罪名別ともにすべて減少している。石川県 の平成20年の罪名別の動向は未公表のためわからないが、知能犯全体の動 向としては減少を続けており、全国の傾向とは異なるかもしれない。近 時、知能犯のなかでも、詐欺の増加要因の1つは、振り込め詐欺の急増で ある。振り込め詐欺・恐喝については、オレオレ詐欺・恐喝、架空請求詐欺・ 恐喝、融資保証金詐欺の総称をいう。認知件数の増加の度合いと比較し て、検挙率は低い水準にあるといえ、振り込め詐欺・恐喝の発生防止、検 挙等は、重要な課題といえる。また、詐欺の手口についてはさまざまな変 化を続けており、金融機関の窓口等においても特別の対策がとられてい る。石川県における詐欺は平成17年以降減少を続けており、こうした未然 防止をめざした連携が有効に機能していると考えられ、今後も継続した対 策が大切であろう。 表14-1.平成19年の知能犯罪名別認知検挙状況 石川県 全 国 全国比(%) 増減率(%) 数 増減率(%) 数 0.7 -24.7 503 -9.7 75,985 認知件数 知 能 犯 0.7 -23.1 253 -9.2 33,866 検挙件数 ― ― ― -3.0 15,249 検挙人員 0.7 -24.3 473 -9.2 67,787 認知件数    詐 欺 0.8 -19.4 233 -7.2 27,963 検挙件数 ― ― ― -2.4 12,113 検挙人員 0.5 -47.4 10 -10.4 2,157 認知件数    横 領 0.5 -53.3 7 -12.1 1,358 検挙件数 ― ― ― -11.8 1,104 検挙人員 0.7 -16.7 20 -15.2 5,941 認知件数    偽 造 0.3 -43.5 13 -18.2 4,442 検挙件数 ― ― ― 2.8 1,898 検挙人員

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表14-2.平成20年の知能犯認知状況 石川県 全 国 知能犯全体 全国比(%) 増減率(%) 数 増減率(%) 数 0.6 -16.5 420 -3.6 73,328 認知件数 0 0 0 -61.5 55 認知件数    賄 賂 0 0 0 -59.3 55 検挙件数 ― ― ― -41.7 98 検挙人員 0 0 0 -26.2 45 認知件数    背 任 0 0 0 29.7 48 検挙件数 ― ― ― -33.3 36 検挙人員 表15-1.全国の知能犯罪名別認知検挙状況の動向(平成14年~20年) 14年 15年 16年 17年 18年 19年 20年 62,736 74,738 99,246 97,489 84,254 75,985 73,238 認知件数 知能犯 39,871 40,561 36,285 38,143 37,277 33,866 36,968 検挙件数 13,140 13,609 14,824 15,040 15,727 15,249 15,136 検挙人員 49,482 60,298 83,015 85,596 74,632 67,787 64,427 認知件数  詐欺 31,547 30,364 26,617 29,384 30,127 27,963 30,277 検挙件数 9,507 10,194 11,238 11,648 12,406 12,113 12,036 検挙人員 2,151 2,183 2,543 2,347 2,408 2,157 2,193 認知件数  横領 1,503 1,375 1,517 1,453 1,545 1,358 1,485 検挙件数 1,184 1,088 1,210 1,111 1,252 1,104 1,140 検挙人員 10,883 12,103 13,547 9,410 7,010 5,941 6,503 認知件数  偽造 6,608 8,675 8,032 7,175 5,433 4,442 5,097 検挙件数 2,112 2,124 2,236 2,033 1,847 1,898 1,810 検挙人員 164 114 100 102 143 55 74 認知件数  賄賂 162 114 94 104 135 55 78 検挙件数 252 151 113 217 168 98 120 検挙人員 56 40 41 34 61 45 41 認知件数  背任 51 33 25 27 37 48 31 検挙件数 85 52 27 31 54 36 30 検挙人員

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表15-2.全国の知能犯罪名別認知検挙状況(平成19年と平成20年の比較) 増減率(%) 19年 20年 -0.7 75,985 73,238 認知件数 知 能 犯 9.1 33,866 36,968 検挙件数 -0.7 15,249 15,136 検挙人員 -5.0 67,787 64,427 認知件数   詐  欺 8.3 27,963 30,277 検挙件数 -0.6 12,113 12,036 検挙人員 1.7 2,157 2,193 認知件数   横  領 9.4 1,358 1,485 検挙件数 3.3 1,104 1,140 検挙人員 9.5 5,941 6,503 認知件数   偽  造 14.7 4,442 5,097 検挙件数 -4.6 1,898 1,810 検挙人員 34.5 55 74 認知件数   賄  賂 41.8 55 78 検挙件数 22.4 98 120 検挙人員 -8.9 45 41 認知件数   背  任 -35.4 48 31 検挙件数 -16.7 36 30 検挙人員 表16.石川県の知能犯罪名別認知検挙状況の動向(平成14年~19年) 14年 15年 16年 17年 18年 19年 387 641 721 736 670 503 認知件数 知 能 犯 248 438 237 522 329 253 検挙件数 300 564 671 676 625 473 認知件数   詐  欺 190 388 207 472 289 233 検挙件数 18 15 17 10 19 10 認知件数   横  領 12 11 10 6 15 7 検挙件数 69 62 33 49 24 20 認知件数   偽  造 46 39 20 43 23 13 検挙件数 0 0 0 1 0 0 認知件数   賄  賂 0 0 0 1 0 0 検挙件数 0 0 0 0 2 0 認知件数   汚  職 0 0 0 0 2 0 検挙件数

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6 風俗犯監  平成19年の風俗犯罪名別認知検挙状況は、表17-1のとおりである。風 俗犯全体の検挙件数について石川県の全国に占める割合は1.1と基準値の 2倍近く高めであるが、認知件数では前年比15.6%減少しつつも検挙件数 が前年比2.9%増加している。平成19年の風俗犯で特徴的なのは、全国も石 川県ともに突出して増加している賭博である。全国でみると、賭博の認知 件数は前年比102.9%増加、検挙件数も103.4%増加と激増した。また石川県 の賭博は、認知件数、検挙件数ともに前年比1600%増加とかなり突出して いる。全国比をみても認知件数が4.0、検挙件数が4.1と基準値とはかけは なれて高い数値である。しかし、平成20年の前年比を表17-2でみると、 石川県の風俗犯全体では、23.7%減少、全国比も0.5と基準値より小さく なった。全国の罪名別の動向を表18-1で確認すると、賭博は平成14年以 降全体に減少傾向にあったのがいきなり平成19年だけ増加させ、表18-2 から平成20年の認知件数では前年比36.1%減少、検挙件数では39.3%減少 させている。石川県の賭博について表19から確認すると、平成14年、平成 15年はそれぞれ0件、平成16年に10件と増加させるが平成17年、平成18年 と減少させていた。しかし、平成19年には平成14年以降最多の件数とな り、これが今回の突出した増加率となったと考えられる。石川県の風俗犯 の検挙率は平成19年をみると90%を超えており、石川県警察本部の積極的 な取締りが効果をあげているといえるであろう。石川県警察本部の街頭犯 罪等抑止総合対策として強制わいせつを対象に加え、風俗犯の中でもわい せつ犯について未然防止を目標とした対策が講じられており、今後も効果 が期待される。 0 0 0 0 0 0 認知件数   背  任 0 0 0 0 0 0 検挙件数

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表17-1.平成19年の風俗犯罪名別認知検挙状況 石川県 全 国 全国比(%) 増減率(%) 数 増減率(%) 数 0.7 -15.6 76 -6.3 11,184 認知件数 風 俗 犯 1.1 2.9 71 -4.3 6,462 検挙件数 ― ― ― 0.3 6,279 検挙人員 4.0 1600 17 102.9 424 認知件数   賭  博 4.1 1600 17 103.4 415 検挙件数 ― ― ― 10.9 1,529 検挙人員 0.6 -33.7 59 -8.2 10,760 認知件数   わいせつ 0.9 -20.6 54 -7.7 6,047 検挙件数 ― ― ― -2.7 4,750 検挙人員 表17-2.平成20年の風俗犯認知状況 石川県 全 国 風俗犯全体 全国比(%) 増減率(%) 数 増減率(%) 数 0.5 -23.7 58 -5.6 10,559 認知件数 表18-1.全国の風俗犯罪名別認知検挙状況の動向(平成14年~20年) 14年 15年 16年 17年 18年 19年 20年 12,220 13,034 12,346 12,085 11,932 11,184 10,559 認知件数 風 俗 犯 5,633 6,165 6,070 6,422 6,752 6,462 6,376 検挙件数 5,912 5,886 5,688 6,373 6,261 6,279 6,048 検挙人員 300 208 249 221 209 424 271 認知件数   賭  博 300 202 243 213 204 415 252 検挙件数 1,928 1,725 1,422 1,771 1,379 1,529 1,359 検挙人員 11,920 12,826 12,097 11,864 11,723 10,760 10,288 認知件数   わいせつ 5,333 5,963 5,827 6,209 6,548 6,047 6,124 検挙件数 3,984 4,161 4,266 4,602 4,882 4,750 4,689 検挙人員 表18-2.全国全国の風俗犯罪名別認知検挙状況(平成19年と平成20年の比較) 増減率(%) 19年 20年 -5.6 11,184 10,559 認知件数 風 俗 犯 -1.3 6,462 6,376 検挙件数 -3.7 6,279 6,048 検挙人員

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3 少年犯罪  平成19年における少年の刑法犯及び特別法犯の検挙状況は、表20で示す とおりである。石川県の少年刑法犯の検挙人員は909人で、その全国の検 挙人員に占める割合は、0.8で基準値よりも高いが、石川県の増減率でみる と全国の増減率より多く減少させ、前年比15.9%減少している。しかし、 特別法犯については、全国の前年比16.6%増加に比べると、石川県では平 成17年に次いで2番目の高い数値となった。また、表21では、全国の少年 刑法犯及び特別法犯の平成14年以降を比較しているが、刑法犯も特別法犯 も平成15年以降減少傾向を示していたが、平成19年の特別法犯では増加さ せた。石川県の包括罪種別検挙状況の動向を平成14年以降比較している表 22からみると、刑法犯合計では、平成14年以降減少傾向を示しているが、 包括罪種別で比較すると、それぞれ増減を繰り返している。そこで、表23 では、石川県の少年刑法犯及び特別法犯の全国比を平成14年以降の比較を している。刑法犯については、一定して0.8と基準値より0.2ポイント高い 表19.石川県の風俗犯罪名別認知検挙状況の動向(平成14年~19年) 14年 15年 16年 17年 18年 19年 130 140 161 122 90 76 認知件数 風 俗 犯 58 53 67 72 69 71 検挙件数 0 0 10 5 1 17 認知件数   賭  博 0 0 11 5 1 17 検挙件数 130 140 151 117 89 59 認知件数   わいせつ 58 53 56 67 68 54 検挙件数 -36.1 424 271 認知件数   賭  博 -39.3 415 252 検挙件数 -11.1 1,529 1,359 検挙人員 -4.4 10,760 10,288 認知件数   強  盗 1.3 6,047 6,124 検挙件数 -1.2 4,750 4,689 検挙人員

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全国比だったが、特別法犯では平成17年に1.0となってから平成19年には 1.3と基準値の2倍を超えてしまった。全国比の動向からみると、石川県の 少年犯罪については、全国に占める割合が高い傾向にあるといえるが、今 後の課題として大都市圏における犯罪傾向との違いなども考慮に入れた検 討を継続していきたいと考える。 表20.平成19年の少年刑法犯及び特別法犯の検挙状況 石川県 全 国 全国比(%) 増減率(%) 数 増減率(%) 数 0.8 -15.9 909 -7.9 121,165 合 計看 刑 法 犯 1.3 60 80 16.6 6,339 合 計  特別法犯 表21.全国の少年刑法犯及び特別法犯の検挙状況の動向竿(平成14年~19年) 14年 15年 16年 17年 18年 19年 162,280 165,973 155,051 144,255 131,623 121,165 合 計 刑 法 犯 6,451 6,771 6,272 5,603 5,438 6,339 合 計 特別法犯 表22.石川県の少年の包括罪種別検挙状況の動向(平成14年~19年) 14年 15年 16年 17年 18年 19年 1,416 1,373 1,196 1,103 1,081 909 合 計  刑 法 犯 7 14 7 10 21 2 凶悪犯管 128 89 86 63 114 98 粗暴犯簡 764 879 782 692 627 516 窃盗犯  3 2 16 6 14 9 知能犯緩 5 4 11 12 4 3 風俗犯缶 509 383 294 320 301 281 その他の 刑法犯  30 38 29 58 50 80 合 計  特別法犯 表23.石川県の少年の検挙状況の全国比(平成14年~19年) 14年 15年 16年 17年 18年 19年 0.9 0.8 0.8 0.8 0.8 0.8 刑 法 犯 0.5 0.6 0.5 1.0 0.9 1.3 特別法犯

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4 今後の課題  今回の調査では、石川県では全国に比較して刑法犯認知件数の動向から みれば、特別に高い割合を示しているものではない。ただし、罪名別でみ ると、凶悪犯のなかでも殺人は基準値より高く1割を占める。平成21年の 全国の殺人事件は未遂を含めて1,097件で戦後最少となり、統計を取り始め た1946年以降、最多を記録した1954年の3,081件に比べると3分の1の水準 となった翰。そのなかで平成19年の石川県における殺人は、平成18年と比 べると1件減少してはいるものの平成14年以降では高い数値だった。ま た、石川県における放火も認知件数、検挙件数ともに0.2ポイントであるが 基準値より高い。凶悪犯全体でみれば、平成20年には大きく減少し全国比 も基準値よりも低い0.4になり、このまま減少傾向が続くような対策が望ま れる。また、全国も石川県でも特徴的だった賭博については、平成19年に 特徴的だったといえるが、社会全体が享楽的な傾向が強くなってきている ともされており、自分で働き自分で努力するといった日本人らしさの象徴 ともいわれた特徴が変貌してきていることも影響しているのではないかと 危惧してしまった。こうした個別的な特徴が目を引いてしまうが、石川県 の犯罪動向を全体的にみると、人口1万人あたりの刑法犯認知件数も全国 平均より低く、だいたい少ないほうから数えて上位10位以内に入っていた が、平成16年調査以降、順位を下げてきているもののまだ低い水準にある と考える。今回は、富山県研究助成制度により、このような比較研究の機 会をいただいたが、今後の人口動態や経済状況の変化ならびに文化・風土 といった要因も考慮に入れた検討と引き続き、地域に密着した犯罪対策の 継続した研究調査の必要があると思われ、他の都道府県とも比較検討を行 うことで、より効果的な犯罪抑止対策を検討していきたい。 参考文献 ・警察庁「平成20年の犯罪情勢」、「平成21年上半期の犯罪情勢」

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認)

 (http://www.npa.go.jp/toukei/seianki8/h21kamihanki.pdf:2010年1月14日確認)  また、http://www.npa.go.jp/toukei/index.htmより、平成16年から平成21年上半期

までの犯罪情勢を確認することが可能:2009年1月14日確認)

・石川県の各種統計については、「いしかわ統計指標ランド」から確認可能  (http://toukei.pref.ishikawa.jp/index.asp:2010年1月14日確認)

・石川県県民文化局県民交流課統計情報室編『石川県統計書(平成16年)』石川県統計 協会(2006年) ・石川県県民文化局県民交流課統計情報室編『石川県統計書(平成17年)』石川県統計 協会(2007年) ・石川県県民文化局県民交流課統計情報室編『石川県統計書(平成18年)』石川県統計 協会(2008年) ・石川県県民文化局県民交流課統計情報室編『石川県統計書(平成19年)』石川県統計 協会(2009年) ・法務省法務総合研究所編『平成16年版 犯罪白書』国立印刷局(2004年) ・法務省法務総合研究所編『平成17年版 犯罪白書』国立印刷局(2005年) ・法務省法務総合研究所編『平成18年版 犯罪白書』佐伯印刷社(2006年) ・法務省法務総合研究所編『平成19年版 犯罪白書』佐伯印刷社(2007年) ・法務省法務総合研究所編『平成20年版 犯罪白書』太平印刷社(2008年) ・法務省法務総合研究所編『平成21年版 犯罪白書』太平印刷社(2009年) ・警察庁編『平成19年版 警察白書』株式会社ぎょうせい(2007年) ・警察庁編『平成20年版 警察白書』株式会社ぎょうせい(2008年) ・警察庁編『平成21年版 警察白書』株式会社ぎょうせい(2009年) ※なお、本稿内で示した表はいずれも参考文献から筆者が作成したものである。 敢 刑法犯の定義について、法務省の統計による場合は、印紙犯罪処罰法違反及び人 の健康に係る公害犯罪の処罰に関する法律違反を含み、警察庁の統計による場合 は、火炎びんの使用等の処罰に関する法律、流通食品への毒物の混入等の防止等に 関する特別措置法、サリン等による人身被害の防止に関する法律、公職にある者等 のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律、公衆等脅迫目的の犯罪行為のた めの資金の提供等の処罰に関する法律の違反を含む。そこで、本稿においては、石 川県警察本部の統計資料を利用して比較するため、特に注記のない限り、警察庁の 統計資料に基づいた数値を全国のものとする。 柑 『石川県統計書』の表中では、刑法犯発生件数となっているが、資料源の石川県警 察本部による『犯罪統計資料』は、刑法犯認知件数の数値であるので、本稿におけ る筆者作成の表や本文中では、発生件数については認知件数として記載する。 桓 本稿における増減率は、例えば、(平成19年-平成18年)÷平成18年×100として計 算し、前年との増減比である。全国比は、石川県のそれぞれの数値が全国のそれに 占める比率を計算し、小数点第2位を四捨五入して小数第1位までを示している。 棺 2010年(平成22年)1月15日金曜日 読売新聞朝刊(14版)社会31面 款 石川県県民文化局県民交流課統計情報室による「いしかわ統計指標ランド」の

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「季報 石川の統計」平成22年1月号の統計資料より、平成21年10月末までの刑法 犯認知件数、検挙件数を参照。 歓 凶悪犯とは、全国の場合、殺人(殺人罪、嬰児殺、殺人予備罪、自殺関与罪)、強 盗(強盗殺人罪[致死を含む]、強盗傷人罪、強盗強姦罪[致死を含む]、強盗罪・ 準強盗罪[強盗予備、事後強盗、昏睡強盗])、放火(放火罪、消火妨害罪)、強姦 (強姦罪、強姦致死罪)をいう。石川県について凡例は特にないが、資料源である 石川県警察本部によれば、凶悪犯には殺人、強盗、放火、強姦を指す。殺人の数値 は殺人のみをさしている。強盗の数値は、強盗殺人、強盗傷人、強盗強姦及び強盗・ 準強盗を合計した数値である。なお、石川県の刑法犯全体罪名別検挙人員について は『犯罪統計資料』にないため「―」を記載している。以下、石川県の検挙人員に ついては同様に記載する。 汗 平成20年の石川県の刑法犯認知状況は、各罪名別の統計のうち、凶悪犯全体、粗 暴犯全体、窃盗犯全体、知能犯全体、風俗犯全体のそれぞれの認知件数のみ公表さ れているので、この部分のみの比較となる。以下の罪名別(包括罪名別)の検討に おいても同様とする。 漢 2010年1月15日(金曜日)読売新聞朝刊14版社会面31面「刑法犯11万件減少」。 澗 粗暴犯について、全国では、凶器準備集合(凶器準備集合罪、凶器準備結集罪)、暴 行(暴行罪)、傷害(傷害罪、傷害致死罪、現場助勢罪)、脅迫(脅迫罪、強要罪)、 恐喝(恐喝罪)をさす。石川県については詳しい凡例がないが、凶器準備集合、暴 行、傷害(致死を含む)、脅迫、恐喝をさしているので、全国と同じ項目として比較 している。 潅 窃盗犯について、全国では、窃盗罪をいい、侵入窃盗(空き巣など)、乗り物盗 (自動車盗、オートバイ盗、自転車盗)、非侵入窃盗(車上ねらい、万引き、部品ね らい、自動販売機ねらい、ひったくり、すりなど)をさしている。石川県の窃盗犯 については、石川県警察本部によると、侵入盗(空き巣ねらい、忍込み、居空き、 事務所荒し、出店荒しを含む)、非侵入盗(自動車盗、オートバイ盗、自転車盗、ひっ たくり、すり、車上狙い、自販機狙い、万引き)をさし、統計書にはこれらを合計 した数値になっているため、全国との比較には、窃盗犯全体として比較している。 環 前掲注漢と同じく、2010年1月15日(金曜日)読売新聞朝刊14版社会面31面「刑 法犯11万件減少」より。 甘 知能犯について、全国の場合、詐欺(詐欺罪、準詐欺罪)、横領(横領罪、業務上 横領罪)、偽造(通貨偽造罪、文書偽造罪、支払用カード偽造罪、有価証券偽造罪、印 章偽造罪)、汚職(賄賂罪[収賄罪・贈賄罪]、職権濫用罪[致死傷を含む])、あっ せん利得処罰法(公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律 に規定する罪)、背任(背任罪)をさす。石川県の場合は、詐欺、横領、偽造、賄 賂、汚職、背任に分類されているが、それぞれに何が含まれるか凡例が示されてい ない。したがって、全国と石川県の項目と数値を合わせるため、詐欺、横領、偽造、 賄賂、背任を項目として、それぞれに記載することにする。ただし、全国の横領に 遺失物横領は含まれていない。また、全国の偽造は、通貨偽造罪、文書偽造罪、有 価証券偽造罪、印章偽造罪を含み、支払用カード関係(刑法第2編第18章の2支払 用カード電磁的記録に関する罪)は、平成14年以降に計上されているのでこの表の

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中では含まれている。賄賂の項目は、収賄罪と贈賄罪の合計である。 監 石川県の風俗犯の「賭博」の範囲について凡例の記載がないが、「わいせつ」につ いては、石川県警察本部によれば、強制わいせつ、公然わいせつ、わいせつ物頒布 を合計していると思われる。全国の風俗犯には、賭博(普通賭博罪、常習賭博罪、 賭博開帳等罪)、わいせつ(強制わいせつ罪[致死傷を含む]、公然わいせつ罪、わ いせつ物頒布等罪)をさす。わいせつについては同様といえ、賭博についても同じ ものとして比較対象とした。 看 少年犯罪に関する全国の刑法犯合計は、一般刑法犯の検挙人員である。 竿 全国の刑法犯検挙状況の動向について、少年の場合、主要罪名別に統計が存在す るが、石川県の統計には、表22で示しているように犯罪名別の分類による数値しか 存在せず、書く分類に含まれる詳細な罪名及び罪名別の資料が存在しないため、合 計の数値のみ記載している。 管 石川県の凶悪犯については、成人を含めた統計に示されている分類の、殺人、強 盗殺人、強盗傷人、強盗強姦、強盗・準強盗、放火、強姦を含むものと思われる。 簡 石川県の粗暴犯については、成人を含めた統計に示されている分類の、凶器準備 集合、暴行、傷害(傷害致死含む)、脅迫、恐喝を含むものと思われる。 緩 石川県の知能犯には、成人を含めた統計に示されている分類の、詐欺、横領、偽 造、賄賂、汚職、背任を含むものと思われる。 缶 石川県の風俗犯については、成人を含めた統計に示されている分類の、賭博、わ いせつを含むと思われる。 20 2010年(平成22年)1月26日(火曜日)読売新聞朝刊(13版・社会面33面)「気に なる!殺人事件 戦後最少に」 1 はじめに  本稿は、2008年に富山県から依頼された犯罪調査に基づくものである。 この調査は、富山県で発生する犯罪の特徴とその対策に主眼を置くもので あり、富山県の犯罪傾向を明らかにするため、地理的に近接している福井 県、石川県との比較を通して、他県の有効な犯罪対策が富山県に導入可能 であるかを検討することに本調査の目的がある。筆者は、北陸三県のう ち、福井県を担当したため、本稿では福井県を中心に論じ、富山県におけ る今後の犯罪対策について述べたいと思う。

三 福井県における犯罪調査―富山県との比較を中心に―

担当者 藤田  尚

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 本稿では、まず、富山県に隣接する福井県の特徴及び犯罪の動向を把握 するため、福井県の人口動態・教育水準・就労状況等を調査し、経済状況 と犯罪がどのように関連しているかを司法・警察の統計によって分析した 上で、富山県と比較検討する。次に、福井県の犯罪の特徴を踏まえた上で、 福井県が全国でも高い検挙率を誇っている点に犯罪対策の効果が表れてい るのではないかということに着目し、高い検挙率の理由を解明するため、 福井県警察察の犯罪防止対策を紹介したいと思う。その上で、福井県と富 山県の犯罪の特徴及び対策に関する相違点を提示した後、全国で頻繁に起 きている犯罪と照らし合わせた結果、今後どのような問題が浮上してくる か、また、両県の犯罪減少に役立つよう、北陸地方という地理的関係から、 類似点があることを前提に、参考にすべき点などの提言を行うことにする。 2 福井県の概要  1 福井県の概要  福井県は、北陸地方の南部に位置し、北は石川県、南東は岐阜県に接し、 南西は滋賀県・京都府に連なり、北西方は日本海に面している。本県の面 積は4,189.28錫であり、敦賀東方の木の芽山嶺を境として、嶺北地区と嶺南 地区に分かれる翰  平 成21年12月 1 日 現 在 の 総 人 口 は808,300人(う ち、男390,935人、女 417,365人)であり、世帯数は276,111世帯である。人口は昭和46年以降増加 傾向が続いていたが、平成12年以降減少傾向にあり、1世帯当たりの人員 は2.93人である。世帯数に関しては、1世帯当たりの人員は減少している が、世帯数は増加傾向にあるので、核家族及び単身世帯の増加によるもの と推測できる肝  年齢別人口では、55~59歳が64,190人で最も多く、次に35~39歳の54,604 人、60~64歳の54,446人の順となっている。また、人口ピラミッドをみる と、昭和22年~24年(現59~61歳)の第1次ベビーブーム期までは若年層

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ほど人口が多い「富士山型」をしていたが、出生数の減少に伴い「つぼ型」 に変化し、昭和46~49年(現34~37歳)の第2次ベビーブーム期を経て出 生数が再び減少し、現在は55~59歳と35~39歳を中心とした2つの膨らみ を持つ「逆ひょうたん型」となっている艦。近年、老年人口(65歳以上) の割合が増加しており、平成20年度には24.3%に達し、全国平均の22.1%上 回っていることから、全国よりも高齢化が進んでいると考えられる莞  県民性に関しては、ある文献に「保守的で、穏和で、ねばり強く、県民 の土地定着性、持家率、生活の住み良さ等では、全国有数の土地である」 と記されている観。これを裏付けるかのように、平成15年の持家率76.1% と全国3位であり、かつて経済企画庁が発表していた「新国民生活指標(豊 かさ指標)」においては、平成10年まで5年連続総合1位を獲得しており、 医療・福祉施設の「いやす」部門で1位となったほか、8つの生活領域全般 に渡り高ランクに位置していた。また、福井県人は「才覚がありよく働く」 ともいわれており、「1世帯当り貯蓄額」や「豊かさ指標」が全国平均と比 べて極めて高い。これは、住居が大きい、女性就業率が高いなどの福井県 の特徴が背景にあると考えられているようである諌  最後に地域経済について概観すると、近年生じた世界同時不況により、 日本経済も深刻な低迷気を迎え、福井県経済も景気悪化が顕著に表れてい る。製造業の特徴としては、電気機械(27.0%)、化学(14.0%)、繊維(9.2%) のウエイトが高いところにある。主要な地場産業としては、繊維産業と眼 鏡産業が挙げられるが、繊維産業は、中国等の生産能力拡大に伴う競争力 低下や電気機械工業の発展により、総出荷額に占める割合は近年低下傾向 にあり、全国の9割程度が鯖江市を中心に生産されている眼鏡産業も中国 等の廉価な製品の輸入増加及び円高やイタリア・中国との競合により輸出 実績も落ち込んでいるため、生産が伸び悩んでいる。しかしながら、今後、 北陸新幹線の開業により流動人口があるため、経済波及効果が期待できる が、人口の増加に伴い犯罪リスクも高くなると予想しうる貫

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 次節では、上記の概要を踏まえ、経済状況と犯罪がどのように関連して いるかを司法・警察の統計によって分析する前段階として、経済を担う 人々の現状を把握するため、福井県の人口動態・教育水準・就労状況等を 論じることとする。  2 福井県の人口動態  以下では、人口動態を見ることにより、福井県の人口の推移は何が原因 かを検討し、2章で論じる犯罪の現状と関連づけて説明したい。 ① 人口動態  人口動態を見ると、全国平均及び東京都は平成16年以降人口増加の傾 向を示していたが、平成20年になり、全国平均のみ減少に転じた。それ に対して、福井県及び富山県では平成16年以降人口の減少が見られる。 ② 出生数 表-2 過去5年間の総数 平成16年 平成17年 平成18年 平成19年 平成20年 5,446,899 1,110,721 1,062,530 1,092,674 1,089,818 1,091,156 全国 507,340 99,272 96,542 101,674 103,837 106,015 東京 44,771 9,396 8,973 8,965 8,728 8,709 富山 36,085 7,283 7,148 7,324 7,191 7,139 福井 資料源:厚生労働省「平成20年、19年、18年、17年、16年人口動態統計(確定数) の概況」(http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/81-1a.html)を基に筆者作 成。 表-1 平成16年 平成17年 平成18年 平成19年 平成20年 127,687,000 127,767,994 127,770,000 127,771,000 127,692,000 全国 12,378,000 12,576,601 12,659,000 12,758,000 12,838,000 東京 1,117,000 1,111,729 1,110,000 1,106,000 1,101,000 富山 825,000 821,592 819,000 816,000 812,000 福井 資料源:総務省統計局「平成20年、19年、18年、16年10月1日現在推計人口」 (http://www.stat.go.jp/data/jinsui/2.htm)

    総務省統計局「平成17年国勢調査」(http://www.stat.go.jp/data/ko     kusei/2005/index.htm)を基に筆者作成。

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 全国平均では109万人前後を推移しており、東京都は平成17年以降増 加傾向にあるが、富山県は減少傾向を示し、福井県に関しては平成18年 以降緩やかな減少傾向が見られるものの、おおむね横ばい状態である。 ③ 死亡数  死亡数に関しては、全国的におおむね増加傾向にあるといえる。 ④ 出生数-死亡数の総計  人口動態の要因を探るため、まず、死亡数から出生数を引くことによ り、都道府県における人口の増減を導き出した。そして、表-4の人口 増減の総数と表-1人口動態の増減を比較することによって、人口動態 の要因が出生数や死亡数にあるのか否かを検討した。その結果、全国平 均においては平成20年を除いて人口は増えており、東京も人口が増加し ているが、東京都は出生数と死亡数を引いた総数よりも表-1の人口増 減数の方がはるかに多いため、他の要因が大きく影響していると考えら れ、人口の流入が一番の要因だと思われる。富山県と福井県について 表-4 ①-② ②過去5年間の死亡数の総数 ①過去5年間の出生数の総数 690 5447,589 5,446,899 全国 36,776 470,564 507,340 東京 -10,278 55,049 44,771 富山 -2,835 38,920 36,085 福井 資料源:表-2と表-3を基に筆者作成。 表-3 過去5年間の総数 平成16年 平成17年 平成18年 平成19年 平成20年 5447,589 1,028,602 1,083,796 1,084,450 1,108,334 1,142,407 全国 470,564 88,767 93,599 93,596 96,354 98,248 東京 55,049 10,396 10,861 10,963 11,194 11,635 富山 38,920 7,449 7,772 7,725 7,886 8,088 福井 資料源:厚生労働省「平成20年、19年、18年、17年、16年人口動態統計(確定数) の概況」(http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/81-1a.html)を基に筆者作 成。

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は、出生数と死亡数を差し引いた数より、相当数の人口動態の減少があ ることから、富山県と福井県における人口動態の減少は、死亡数が増加 したという要因によるものではなく、大半が他県への移動によるものと 考えられる(福井県の社会動態を参照還)。  以上の結果から、人口が都市に集中するという影響を受け、富山県及び 福井県では人口の流出が見られるため、過疎化が著しく進んでいると考え られ、人口が減少するということは、犯罪の件数自体が減少する要因にも なりうる。  3 教育水準―高等学校卒業者の進学率  福井県は小中学校の学力が高いといわれているので、教育水準の参考 として、大学進学率を参照した。富山県及び福井県共に大学が集中して いる東京都の進学率よりは低いものの、全国平均を上回っている。特 に、福井県は富山県より進学率が高く、女子の進学率では若干富山県が 上回るものの、福井県は男子の進学率が高い。また、全体的な特徴とし て、男子よりも女子の進学率の方が高いが、福井県のみ、女子より男子 の進学率が高いという特徴が表れている。 表-5 平成17年度 平成18年度 平成19年度 平成20年度 平成21年度 47.3% 49.3% 51.2% 52.8% 53.9% 全 国 56.2% 59.0% 61.4% 63.8% 65.0% 東 京 50.5% 51.4% 53.6% 54.6% 54.2% 富 山 52.3% 54.5% 55.5% 56.8% 56.9% 福 井 資料源:文部省「平成21年度、20年度、19年度、18年度、17年度学校基本調 査」を基に筆者作成。(http://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/001     /index01.htm)。

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 4 労働状況 ① 高等学校卒業者の就職率  就職率については、表-6によると、富山県・福井県とも平均を上回っ ている。都心の代表として東京都を表示しているが、東京都と比較する と、両県共に東京都よりも10%以上高い就職率である。富山県の特徴と しては、全国平均同様、男子の就職率が高いが、男女比が全国平均を大 きく上回っている。福井県に関しては、男女ともに高い就職率を誇って いる。福井県は大学進学率も高い上に、就職率も高いということから、 今現在問題となっているニートや引きこもりが少ないと考えられる。富 山県も進学率と就職率が全国平均よりは高いので、全国よりはニート等 が少ないと思われる。 ② 失業率  失業率に関しては、富山県及び福井県も全国平均を下回り、表-6と 表-7 平成16年 平成17年 平成18年 平成19年 平成20年 4.4% 4.4% 4.1% 4.1% 3.9% 全 国 5.0% 4.7% 4.2% 3.8% 3.8% 東 京 3.5% 3.1% 3.0% 3.0% 3.1% 富 山 3.0% 2.7% 2.5% 2.5% 2.7% 福 井 資料源:総務省統計局「〈参考〉労働力調査(基本集計)都道府県別結果 完 全失業率」(http://www.stat.go.jp/data/roudou/pref/index.htm)。 表-6 平成17年度 平成18年度 平成19年度 平成20年度 平成21年度 17.4% 18.0% 18.5% 19.0% 18.2% 全 国 7.0% 7.0% 7.6% 7.5% 6.8% 東 京 17.9% 19.6% 20.2% 20.3% 20.9% 富 山 20.8% 18.0% 22.4% 21.1% 21.9% 福 井 資料源:文部省「平成21年度、20年度、19年度、18年度、17年度学校基本調 査」を基に筆者作成。(http://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/001     /index01.htm)。

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