東
寺
宝
菩
提
院
旧
蔵
星
曼
茶
羅
図
残
閾
に
つ
い
て
武
田
和
昭
一 は じ め に 筆 者 は、 か つ て ﹁ 東 寺 蔵 ・ 火 羅 図 に つ い て ﹂ ( ﹃ 金 沢 文 庫 研 究 ﹄ 二 九 〇 号 ) と い う 拙 論 を 草 す る 際、 (1)東 寺 宝 菩 提 院 旧 蔵 で、 現 在 MOA美 術 館 の 所 蔵 に な る 星 曼 茶 羅 図 残 閾 の 存 在 を 知 る と と も に、 そ の 重 要 性 を 認 識 し た。 宝 菩 提 院 旧 蔵 の 星 曼 茶 羅 図 残 閾 (2)(以 下、 本 図 と い う。)は、 縦 二 八 ・ ニ セ ン チ、 横 一 六 ・ 五 セ ン チ の 紙 本 白 描 の 冊 子 本 で、 す で に 重 要 文 化 財 に 指 定 さ れ て い る。 そ の 内 容 を み る と、 か つ て の 表 紙 は 失 わ れ、 一 頁 目 に は 十 二 宮 の う ち ﹁ 四 月 夫 婦 宮 ﹂ と し て 梵 名 や そ の 像 容 を 流 麗 な 筆 致 で 見 事 に 描 く。 つ づ い て ﹁ 五 月 蟹 宮 ﹂、 ﹁ 六 月 獅 子 宮 ﹂ が み ら れ 最 後 に ﹁ 十 二 月 賢 瓶 宮 ﹂ ま で、 そ れ ぞ れ 一 頁 に 一 宮 ず つ 合 わ せ て 九 宮 が 表 さ れ て い る。 さ ら に 九 曜 星 の ﹁ 密 日 太 陽 ﹂ に 始 ま り 月 ・ 火 ・ 水 ・ 木 ・ 金 ・ 土 ・ 羅 喉 星 と 続 く が、 ど う し た 訳 か 一 頁 分 空 白 と な り、 最 後 に 計 都 星 を 記 し、 そ こ に も 像 容 と 名 称 ・ 説 明 文 な ど が 墨 書 さ れ る。 計 都 星 の 裏 は 白 紙 と な っ て お り、 続 い て ﹁ 接 幸 斯 経 云 ⋮⋮﹂と の 書 き 出 し で 一 頁 と 次 頁 の 一 行 分 の 漢 文 が 記 さ れ、 つ い で 一 行 分 を 空 け、 日 ・ 月 ・ 木 ・ 火 ・ 土 ・ 金 ・ 水 の 七 曜 星 の 像 容 に つ い て 数 種 の 経 典 を 挙 げ、 最 終 頁 の 末 尾 に 天 永 四 年 に 馬 場 房 で 有 覚 が 筆 写 し た 旨 が 明 記 さ れ て い る。 そ の 内 容 は ﹃ 梵 天 火 羅 図 ﹄ を 典 拠 東 寺 宝 菩 提 院 旧 蔵 星 曼 茶 羅 図 残 閾 に つ い て密 教 文 化 と す る 箇 所 や 未 だ 詳 し く 知 ら れ な い 九 曜 星 の 像 容 に 関 す る 経 典 が 記 さ れ る な ど、 興 味 深 い 内 容 が 含 ま れ て い る。 本 論 で は 本 図 の 十 二 宮 や 九 曜 星 の 像 容、 各 種 経 典 な ど と の 関 連 を 考 察 し、 併 せ て 平 安 時 代 末 期 の 星 宿 信 仰 の 一 部 を 明 ら か に し た い と 思 う。 二 十 二 宮 ま ず は じ め に 十 二 宮 (図 1 ) か ら 考 察 し た い。 十 二 宮 は 太 陽 の 通 る 軌 道 ( 黄 道 ) を 十 二 に 分 け た も の で、 元 来 は メ ソ ポ タ ミ ア で 成 立 し た も の が ギ リ シ ャ に 伝 わ り、 そ れ が や が て イ ン ド に も 伝 来 し て 仏 教 に 取 り 込 ま れ た も の で あ る。 さ て、 本 図 は 先 述 の よ う に ﹁ 四 月 夫 婦 宮 ﹂ 以 下 ﹁ 十 二 月 賢 瓶 宮 ﹂ ま で、 九 宮 に つ い て 像 容 と 梵 名 ・ 占 星 法 の 内 容 な ど が 記 さ れ て い る。 以 下 に 全 文 を 記 す。 四 月 夫 婦 宮 快 性 情 在 衆 期 明。 此 宮 生 人 心 神 清 爽 有。 水 位 晋 之 分。 五 月 蟹 宮 近 貴 人 在 義 息。 此 宮 生 人 長 存 志 氣 宣。 日 位 秦 分。 六 月 獅 子 宮 図-1 宝 菩 提 院 旧 蔵 星曼茶羅図残閥 (夫婦 宮)
(獅子 宮 ・蟹 宮) (秤宮 ・双女 宮) 東 寺 宝 菩 提 院 旧 蔵 星 曼 茶 羅 図 残 闘 に つ い て
密 教 文 化 (弓宮 ・蜴 宮) (賢瓶 宮 ・摩 娼 宮)
在 庭 人 宣 於 軍 行 吉。 此 宮 生 人 好 人 跡 客。 日 位 周 之 分。 七、 月 讐 女 宮 求 少 遂 一 世 泪 々。 此 宮 生 人 性 多 雰 澁 多。 水 位 楚 分。 八 月 秤 宮 有 文 有 得 人 欽 警。 此 宮 生 冨 貴 長 命。 金 位 鄭 分。 九 月 蜴 宮 風 雲 之 性 陰 謀 多 計。 此 宮 生 人 有 福 禄。 火 位 宋 之 分。 十 月 弓 宮 不 孤 風 宮 禄 速 遷。 此 宮 生 人 好 色 貴 財。 木 位 燕 之 分。 十 一 月 摩 端 宮 寵 多 季 財 吊 不 少。 此 宮 生 人 深 謀 秘 略 云。 火 位 越 之 分。 十 二 月 賢 瓶 宮 術 博 足 多 心 巧 出 性 聡。 此 宮 生 人 妻 見 貞 孝。 王 位 晋 之 分。 以 上 の 九 宮 で あ る。 も ち ろ ん 一 月 か ら 三 月 ま で の 魚 宮 ・ 羊 宮 ・ 牛 宮 の 三 宮 に つ い て は、 元 来 存 在 し た も の で あ る が、 欠 失 し た も の と み て 間 違 い な い。 ま ず、 そ の 名 称 を み る と 全 体 的 に は 不 空 訳 ﹃ 文 殊 師 利 菩 薩 及 諸 仙 所 説 吉 凶 時 日 善 悪 宿 曜 経 ﹄ ( ﹃大 正 蔵 経 ﹄ 二 一 巻 ・ 三 八 七 頁。 以 下、 ﹃ 宿 曜 経 ﹂ と い う。)を 典 拠 と し た も の で あ ろ う。 た だ 夫 婦 宮 が 男 女 宮、 磨 宮 が 摩 端 宮、 賢 瓶 宮 が 瓶 宮 で 相 違 が あ る が、 賢 瓶 宮 と い う の は ﹃ 秘 蔵 記 ﹄ (﹃ 大 正 図 像 ﹄ 一 巻 ・ 一 四頁)に み ら れ る の み 東 寺 宝 菩 提 院 旧 蔵 星 曼 茶 羅 図 残 閾 に つ い て
密 教 文 化 で 珍 し い。 な お 像 容 に つ い て は、 平 安 時 代 後 期 の 法 隆 寺 本 や 久 米 田 寺 本 北 斗 曼 茶 羅 図 の 十 二 宮 に 酷 似 し て い る。 つ ぎ に 各 宮 と 月 次 と の 関 係 を み た い が、 こ れ に つ い て は 表 1 の よ う に 四 種 が 知 ら れ る。 (3)こ の 内、 獅 子 宮 を 一 月 に 当 て る の は ﹃ 宿 曜 経 ﹂ 上 巻 に、 十 二 宮 中 の 獅 子 宮 か ら 記 し は じ め て い る の に 基 づ く と み ら れ る。 羊 宮 を 一 月 と す る 表 11 十 二 宮 と 十 ニ ケ 月
表-2
十
二
宮
と
七
曜
の は、 か つ て こ の 羊 宮 に 春 分 点 が あ り、 こ れ を 歳 初 と し た 西 洋 天 文 学 の 影 響 で あ る こ と は 間 違 い な い。 (4)ま た 本 図 の よ う に 魚 宮 を 正 月 と す る の は、 先 述 し た 春 分 点 が 移 動 し、 現 在 で は 魚 座 に 位 置 し て い る こ と に 関 係 す る。 弓 宮 を 正 月 と す る の は、 そ の 根 拠 を 今 の と こ ろ 見 出 す こ と が で き な い。 つ ぎ に 各 宮 と 性 格 ・ 運 勢 な ど の 関 係 は ・ ﹃ 宿 曜 経 ﹄ ・ 天 息 災 訳 ﹃ 大 方 廣 菩 薩 蔵 文 殊 師 利 根 本 儀 軌 経 ﹄ (﹃ 大 正 蔵 経 ﹂ 二 〇 巻 ・ 八 八 三 頁。 以 下 ﹃ 文 殊 根 本 儀 軌 経 ﹂ と い う。 ) ・ 法 賢 訳 ﹃ 難 爾 計 湿 縛 羅 天 説 支 輪 経 ﹄ ( ﹃ 大 正 蔵 経 ﹂ 二 一 巻 ・ 四 六 一二 頁。 以 下 ﹃ 支 輪 軽 ﹂ と い う。 ) な ど に み ら れ る が、 い ず れ と も 合 致 し な い の は 注 意 を 要 す る。 例 え ば 蜴 宮 を 例 に み る と、 本 図 で は ﹁ 風 雲 之 性。 陰 謀 多 計。 此 宮 生 有 福 禄 ﹂ で あ る。 そ れ に 対 し て ・﹃ 宿 曜 経 ﹄-多 病 薄 相 悪 心 妬 忌。 ・﹃ 文 殊 根 本 儀 軌 経 ﹄-慈 心 学 業 成 就。 復 多 勇 猛 不 怖 危 難 能 忍 労 苦。 ・﹃ 支 輪 経 ﹄-所 学 易 成。 為 人 気 義。 錐 豊 財 宝 或 聚 或 散。 と あ り、 ま っ た く 相 違 し て い る。 つ い で 十 二 宮 と 七 曜 と の 関 係 を み る と、 つ ぎ の よ う に 配 当 さ れ て い る。 夫 婦 宮 -水 蟹 宮-日 獅 子 宮 -日 箋 女 宮 -水 秤 宮 -金 蜴 宮 -火。 弓 宮 -木 摩 端 宮-火 賢 瓶 宮 -土 こ う し た 十 二 宮 と 七 曜 と の 関 係 は ﹃ 宿 曜 経 ﹂ ・ ﹃ 文 殊 根 本 儀 軌 経 ﹂・﹃支 輪 経 ﹄ に み ら れ る が、 こ れ ら の 経 典 と 本 図 を 比 較 (表2)す る と ほ ぼ 同 様 で あ り、 本 図 は そ の い ず れ か を 典 拠 と し た も の と み ら れ る。 た だ、 こ の 表 か ら 考 慮 し て 本 東 寺 宝 菩 提 院 旧 蔵 星 曼 茶 羅 図 残 閾 に つ い て
密 教 文 化 図 の 蟹 宮 を ﹁ 日 ﹂ と す る が、 ﹁ 月 ﹂ の 間 違 い で あ ろ う。 ま た 賢 瓶 宮 を ﹁ 王 ﹂ と す る が、 こ れ は ﹁ 土 ﹂ の 誤 記 と み ら れ る。 さ ら に 推 察 す る な ら、 摩 端 宮 の ﹁ 火 ﹂ は ﹁ 土 ﹂ が 適 当 の よ う に 思 う。 十 二 宮 と 七 曜 と の 関 係 は 西 洋 占 星 術 に み ら れ る も の で、 先 記 の 経 典 も は る か 西 洋 占 星 術 の 影 響 を う け た も の と み ら れ よ う。 最 後 に 十 二 宮 と 所 属 国 を み る。 こ の 両 者 の 関 係 を 記 す も の は、 密 教 経 典 に は み ら れ な い が ﹃ 史 記 ﹄ 天 官 書 に 二 十 八 宿 の 分 野 と し て、 豫 州 ・ 幽 州 ・ 揚 州 な ど の 十 二 州 と の 関 係 が 示 さ れ る。 (5 ) さ ら に こ れ に 基 づ い た と み ら れ る ﹃ 七 曜 撰 災 決 ﹄ (﹃ 大 正 蔵 経 ﹄ 二 一 巻 ・ 四 二 六 頁 ) に は、 二 十 八 宿 と 本 図 に 記 さ れ る 諸 国 と の 関 係 が 明 示 さ れ て い る。 お そ ら く 本 図 は、 こ の ﹃ 七 曜 撰 災 決 ﹂ を 典 拠 と し た と 推 察 さ れ る。 な お 本 図 の 十 二 宮 の 内 容 は、 東 寺 蔵 ・ 火 羅 図 ( 図 2 ) の 十 二 宮 の 部 分 と 酷 似 し て お り、 相 互 に 関 係 が あ っ た も の と み ら れ る。 そ の 両 者 に お け る 先 後 関 係 な ど に つ い て は、 実 に 興 味 深 い。 こ れ に つ い て は 拙 論 ﹁ 東 寺 蔵 ・ 火 羅 図 に つ い て ﹂ を 参 照 し て い た だ き た い。 三 九 曜 星 十 二 宮 に つ づ い て 九 曜 星 (図 3 ) が 記 さ れ る。 九 曜 星 と い う の は 太 陽 ・ 月 と 火 ・ 水 ・ 木 ・ 金 ・ 土 星 の 五 惑 星、 さ ら に こ れ に 日 ・ 月 食 ( 羅 喉 星 ) と 彗 星 ( 計 都 星 ) を 合 わ せ た 九 星 を 神 格 化 し た も の で あ る。 ま ず 日 曜 星 ( 太 陽 ) を み て み よ う。 密 日 太 陽 行 年 至 此 宿 者。 至 太 陽 属 日。 其 日 周 廻 千 五 百 里。 日 一 周 天。 若 臨 人 本 命。 加 官 進 禄 有 喜 事、 常 得 貴 人 接 引。 所 作
通 達。 国 王 冬 至 之 日 用 衆 寳 祭 之 大 吉 矣 五 十 四 廿 三 茄 二 珊 一 五 十 五 十 九 六 十 八 七 十 七 八 十 六 九 十 五 大 吉 之 年 と 記 さ れ る。 以 下、 月 ・ 火 ・ 水 ・ 木 ・ 金 ・ 土 ・ 羅 喉 ・ 計 都 星 が 続 く。 そ の 内 容 は 大 き さ ・ 所 属 国 ・ 運 勢 ・ 像 容 ・ 当 り 年 が 記 さ れ 図-2 東寺蔵 火羅図 東 寺 宝 菩 提 院 旧 蔵 星 曼 茶 羅 図 残 闘 に つ い て
密 教 文 化 図-3 宝 菩 提 院 旧蔵 星 曼 茶 羅 図 残 闘 (日曜 星 ・月 曜 星) (火 曜 星 ・水 曜 星)
(木曜 星 ・金 曜 星) (土曜 星 ・羅 朕 星) 東 寺 宝 菩 提 院 旧 蔵 星 曼 茶 羅 図 残 闘 に つ い て
密 教 文 化 る。 (6 )そ れ を ま と め た の が 表 3 で あ る。 こ れ ら が ﹃ 梵 天 火 羅 図 ﹄ に 従 う こ と は、 日 曜 星 の 頁 の 端 書 き に ﹁ 梵 天 火 羅 図 様 ﹂ と 記 さ れ て い る こ と に よ り 判 明 す る。 こ こ で ﹃ 梵 天 火 羅 図 ﹄ に つ い て、 概 略 を 記 す 必 要 が あ ろ う。 ﹃ 梵 天 火 羅 図 ﹄ (7 ) は ﹃大 正 蔵 経 ﹄ 図 像 部 ・ 第 七 巻 に 高 山 寺 本 が 掲 載 さ れ て い る が、 こ れ は 文 治 五 年 ( 一 一 八 九)に 玄 証 が 筆 写 し た も の で 筆 致 は と り わ け 流 麗 で あ る。 粘 葉 装 の 表 紙 に ﹃ 梵 天 火 羅 図 ﹄ と 記 さ れ、 冒 頭 に 一 行 禅 師 修 述 と あ る こ と か ら 唐 代 の 密 教 僧 一 行 (六 八 三-七 二 七 )の 撰 述 と さ れ て き た が、 近 時 そ れ を 否 定 す る 見 解 が 提 出 さ れ た。 (8 )そ の 理 由 と し て 貞 元 年 間 ( 七 八 五-八 〇 〇 )に、 は じ め て 漢 訳 さ れ た ﹃ 薫 斯 経 ﹄ が 記 さ れ て い る こ と を あ げ て い る。 こ れ は 一 行 の 没 後 約 半 世 紀 も 後 の こ と で あ る。 さ ら に ﹃ 禄 命 書 ﹄ と い う 道 教 の 教 典 や 北 斗 七 星 が 見 ら れ る こ と で あ る。 密 教 と 道 教 が 混 清 し 雑 密 的 な 要 素 が み ら れ る の は 九 世 紀 中 期 以 降 と 考 え ら れ て い る こ と か ら、 (9 )雑 密 的 要 素 が 濃 厚 な ﹃ 梵 天 火 羅 図 ﹄ も 九 世 紀 中 期 以 降 に 一 行 に 仮 託 し て 成 立 し た こ と が 推 察 さ れ よ う。 や が て、 そ れ が わ が 国 に 請 来 さ れ た が、 文 献 上 で の 初 見 は 淳 祐 (八 九 〇-九 五 三 ) の ﹃ 石 山 七 集 ﹄ 下 末 (﹃ 大 正 図 像 ﹄ 一 巻 一 八 七 頁 )に 九 曜 星 や 十 二 宮 を 説 明 す る 個 所 に つ い て ﹁ 梵 天 火 羅 図 云 ﹂ と し て 明 確 に 記 さ れ て い る。 そ の 後、 各 種 の 図 像 集 な ど に 引 用 さ れ て い る の で、 星 宿 関 係 の 重 要 な 経 典 で あ っ た と み て よ か ろ う。 こ こ で 一 言 し て お き た い の は、 ﹃ 梵 天 火 羅 図 ﹄ の こ と を 時 と し て ﹁ 火 羅 図 ﹂ と 略 称 さ れ る 場 (計都 星)
合 が み ら れ る こ と で あ る。 例 え ば 実 運 ( 一 一 〇 五-一 一 六 〇 ) 撰 ﹃ 玄 秘 砂 ﹄ 巻 第 四 (﹃ 大 正 蔵 経 ﹂ 七 八 巻 ・ 四 一 二 頁 ) の 九 曜 星 を 説 明 す る 箇 所 に ﹁ 出 火 羅 図。 七 集 取 之 ﹂ と あ る よ う に ﹃ 石 山 七 集 ﹄ の 所 説 は 火 羅 図 で あ る と す る が、 こ れ は 先 述 の よ う に 明 ら か に ﹃ 梵 天 火 羅 図 ﹄ の こ と を 指 す。 こ の こ と は、 東 寺 蔵 の ﹁ 火 羅 図 ﹂ と 混 同 さ れ る 危 険 性 が あ る が、 筆 者 は こ の 問 題 に つ い て は、 つ ぎ の よ う に 考 え て い る。 つ ま り、 唐 末 に 撰 述 さ れ た ﹃ 梵 天 火 羅 図 ﹄ に ﹃ 宿 曜 経 ﹄ ・ ﹃ 睾 斯 経 ﹄ ・ 陰 陽 道 な ど の 諸 要 素 を 付 加 し て、 曼 茶 羅 図 化 し た の が 東 寺 蔵 火 羅 図 で あ る。 そ れ は 占 星 法 に 用 い る た め の 宿 曜 師 の 手 引 き 書 的 な も の に 使 用 さ れ た と み ら れ、 成 立 は 十 世 紀 末-十 二 世 紀 初 期 ご ろ に、 わ が 国 で 制 作 さ れ た も の と 理 解 さ れ よ う。 さ て 本 図 の 九 曜 星 と 高 山 寺 本 ﹃ 梵 天 火 羅 図 ﹄ の 九 曜 星 を 比 較 す る と、 ま ず そ の 配 列 が 異 な っ て い る の に 気 が 付 く。 本 図 は 日 ・ 月 ・ 火 ・ 水 ・ 木 ・ 金 ・ 土 ・ 羅 喉 ・ 計 都 で あ る。 こ れ は ・ 一 行 註 釈 ﹃ 大 日 経 疏 ﹂ ( ﹃ 大 正 蔵 経 ﹄ 三 九 巻 ・ 五 七 九 頁 ) ・ 竺 律 炎 ・ 支 謙 共 訳 ﹃ 摩 登 伽 経 ﹄ (﹃ 大 正 蔵 経 ﹄ 二 一 巻 ・ 三 九 九 頁 ) ・ 不 空 訳 ﹁ 宿 曜 経 ﹄ ・ 一 行 撰 ﹃ 宿 曜 儀 軌 ﹄ (﹃ 大 正 蔵 経 ﹂ 二 一 巻 ・ 四 二 二 頁 ) ・ 不 空 訳 ﹃ 仏 母 大 孔 雀 明 王 経 ﹄ ( ﹃ 大 正 蔵 経 ﹄ 一 九 巻 ・ 四 三 七 頁 )
表-3
九
曜
星
東 寺 宝 菩 提 院 旧 蔵 星 曼 茶 羅 図 残 閾 に つ い て密 教 文 化 な ど に 従 う も の と み ら れ、 イ ン ド の 形 式 を 踏 襲 す る も の で あ ろ う。 (10)と こ ろ が ﹃ 梵 天 火 羅 図 ﹄ の 場 合 に は、 羅 喉 ・ 土 ・ 水 ・ 金 ・ 日 ・ 火 ・ 計 都 ・ 月 ・ 木 で あ る。 こ れ は ﹃ 七 曜 穰 災 決 ﹄ ( ﹃大 正 蔵 経 ﹄ 二 一 巻 ・ 四 二 六 頁 )の ﹁ 九 執 至 年 行 法 ﹂ に ・ 一 羅 喉 凶 二 鶏 暖 凶 土 三 室 吉 水 四 那 吉 金 五 密 吉 日 六 雲 漢 大 凶 火 七 計 都 凶 八 莫 吉 月 九 温 没 斯 吉 水 と あ り、 す で に こ こ に み ら れ る の は 興 味 深 い。 こ の 順 序 は 当 年 星 ( そ の 年、 そ の 年 齢 の 運 命 が 所 属 す る 星 で、 一 年 間 に 限 り 属 す る 九 曜 星 の ひ と つ ) と さ れ る も の で、 本 命 供 や 北 斗 供 に は 欠 く こ と の で き な い も の で あ る。 し た が っ て ﹃ 梵 天 火 羅 図 ﹄ は、 属 星 供 や 本 命 元 神 供 な ど、 わ が 国 の 星 辰 供 に 与 え た 影 響 は 極 め て 大 き い。 た だ ﹃ 梵 天 火 羅 図 ﹄ や ﹃ 七 曜 穰 災 決 ﹄ に み ら れ る 九 曜 星 の 順 序、 つ ま り 当 年 星 の 配 列 が 何 を 根 拠 と す る の か は 明 確 に で き な い。 本 図 は ﹁ 梵 天 火 羅 図 様 ﹂ と し な が ら ﹃ 梵 天 火 羅 図 ﹄ の 順 序 と 相 違 し て い る の は、 お そ ら く 本 図 制 作 に あ た り、 筆 者 の 有 覚 が 故 意 に 変 更 し た も の と 推 察 さ れ よ う。 つ ぎ に 像 容 を 比 較 し て み た い。 ま ず 気 の 付 く の は 本 図 で は 日 曜 星 が 五 馬 に 乗 る 菩 薩 形 で、 月 曜 星 は 五 鵡 に 乗 る 菩 薩 形 で あ る の に 対 し て 高 山 寺 本 で は、 そ れ が 逆 に な っ て い る。 イ ン ド の 様 式、 例 え ば ﹃ 護 摩 櫨 壇 様 ﹄ や 現 図 曼 茶 羅 な ど に 従 え ば 本 図 の 方 が 正 し い の で あ る が、 敦 燵 莫 高 窟 に は 日 曜 星 が 鵡 に 乗 り、 月 曜 星 が 馬 に 乗 る 例 も あ り、 ( 11)高 山 寺 本 と 同 様 で あ る な ど 混 同 さ れ て い る よ う に 思 う。 こ の ほ か に つ い て は、 ほ ぼ 同 様 で あ る が、 た だ 羅 喉 ・ 計 都 星 の 三 面 の 葱 怒 形 の 首 に 本 図 で は 蛇 が ま と わ り つ く が、 高 山 寺 本 (図4)に は み ら れ ず、 本 図 の 方 が よ り 原 本 に 忠 実 で あ っ た と み て よ か ろ う。 な お 本 図 の 九 曜 星 は、 基 本 的 に 法 隆 寺 本 や 久 米 田 寺 本 北 斗 曼 茶 羅 図 の 九 曜 星 の 表 現 に 近 い。
四 ﹃ 幸 斯 経 ﹂ 九 曜 星 に つ づ い て、 つ ぎ の よ う な 長 文 が 記 さ れ る。 接 幸 斯 経 云。 凡 人 只 知 有 七 曜 不 知 虚 星 日 羅 喉 計 都。 此 星 在 位 隠 而 不 見。 逢 日 月 即。 蝕 号 蝕 神。 計 都 蝕 神 □尾 也。 号 日 豹 尾。 若 行 季 到 此 宿。 切 頂 書 所 犯 神 形。 深 室 供 養 焼 銭 擁 之。 即 攣 凶 成 吉。 若 不 信 即 攣 吉 凶 成。 遇 吉 星 喜 慶 重 々 福 徳 自 至。 遇 悪 星 災 害 競 生。 王 侯 礼 之 即 講 官 降 職 ρ 但 以 亥 時 面 向 北 斗。 志 心 祭 拝 本 命 星。 切 不 得 向 北 小 便 祈 人 寿。 図-4 高 山寺 蔵 梵 天 火 羅 図(羅 目侯星) (計都 星) 東 寺 宝 菩 提 院 旧 蔵 星 曼 茶 羅 図 残 閾 に つ い て
密 教 文 化 宜 思 真 念 善 獲 福 宜 時。 若 不 擁 之 災 害 競 起。 こ の 部 分 は ﹃ 梵 天 火 羅 図 ﹄ あ る い は 東 寺 蔵 火 羅 図 に 記 さ れ て い る も の に 酷 似 す る。 先 述 し た よ う に 九 曜 星 に は ﹁ 梵 天 火 羅 図 様 ﹂ と し て ﹃ 梵 天 火 羅 図 ﹄ と の 関 係 が 明 白 な こ と か ら、 本 図 の こ の 部 分 も ﹃ 梵 天 火 羅 図 ﹄ を 曲 ハ拠 と し た も の で あ ろ う。 ﹃ 幸 斯 経 ﹄ に つ い て は 薮 内 清 氏 や 矢 野 道 雄 氏 が 明 ら か に さ れ た よ う に、 (12 ) 西 洋 占 星 術 の バ イ ブ ル 的 存 在 の ﹃ テ ト ラ ビ ブ ロ ス ﹂ に 関 係 す る も の と み ら れ る。 し か し な が ら、 こ こ に み ら れ る ﹃ 章 斯 経 ﹂ の 内 容 は 羅 喉 ・ 計 都 星 に つ い て 記 し て い る。 つ ま り、 こ の 二 星 が 本 命 宿 に い た れ ば、 深 室 で 焼 銭 供 養 し て 撰 災 す れ ば 凶 が 変 じ て 吉 と な る と い う。 王 候 が こ れ を 犯 せ ば 失 職 す る。 そ し て 亥 の 時 に 北 斗 に 向 か っ て 本 命 星 を 拝 み 北 に 向 か っ て 小 便 を し て は な ら ず、 こ れ を 祈 る 人 は 長 寿 と な る。 と 説 い て お り、 羅 喉 と 計 都 星 や 北 斗 星 の こ と な ど に つ い て 言 及 さ れ て お り、 ﹃ 皐 斯 経 ﹄ が 十 二 宮 の こ と と す る 前 説 と は 異 な り、 九 曜 星 や 北 斗 七 星 な ど、 む し ろ 道 教 的 な 面 が み ら れ る の は 不 審 と い わ ざ る を え な い。 五 七 ( 九 )曜 に 関 す る 経 典 ﹃ 睾 斯 経 ﹄ に つ づ い て、 日 曜 星 な ど 七 曜 及 び 九 曜 星 に つ い て 諸 経 典 を も と に、 そ の 像 容 を 記 し て い る。 表 4 は、 そ の 記 述 の 全 文 を ま と め た も の で あ る。 こ こ に は ﹃ 七 曜 穰 災 決 ﹂・﹃ 七 曜 経 ﹂・﹃ 火 羅 図 ﹄・﹃ 七 曜 新 術 ﹂・﹃玄 鏡 宿 曜 経 ﹂ が 確 認 で き る。 つ ぎ に こ れ ら 諸 経 典 に つ い て 考 察 し た い。
表-4 諸 経 典 一 覧 東 寺 宝 菩 提 院 旧 蔵 星 曼 茶 羅 図 残 閾 に つ い て
密 教 文 化 1﹃ 七 曜 擁 災 決 ﹄ こ の 経 典 は 西 天 竺 婆 羅 門 僧 金 倶 吃 撰 で 日 本 へ は 宗 叡 の 将 来 に な る。 こ の こ と は ﹃ 新 書 写 請 来 法 門 等 目 録 ﹄ に 都 利 章 斯 経 一 部 五 巻 七 曜 撰 災 決 一 巻 七 曜 二 十 八 宿 暦 一 巻 七 曜 暦 日 一 巻 と あ る こ と に よ り 判 明 す る。 そ し て 真 寂 ( 八 八 六-九 二 七 ) 撰 ﹃ 諸 説 不 同 記 ﹂ 巻 九 ( ﹃ 大 正 図 像 ﹂ 一 巻 二 一 頁 ) に ﹃ 宿 曜 経 ﹂ と と も に、 す で に 引 用 さ れ て い る の は 注 目 し て よ か ろ う。 つ づ い て 仁 海 ( 九 五 一-一 〇 四 六 ) 撰 ﹃ 小 野 六 帖 ﹄ 巻 六 ( ﹃ 大 正 蔵 経 ﹄ 七 八 巻 九 八 百。 に ﹁ 七 曜 援 災 決 云 ⋮⋮﹂と し て み ら れ る。 ま た 静 然 の ﹃ 行 林 抄 ﹄ 七 二 ( ﹃ 大 正 蔵 経 ﹂ 七 六 巻 ・ 四 六 四 頁 ) に 九 曜 星 の 像 容
に つ い て 九 曜 図 ・ ﹃ 梵 天 七 曜 経 ﹄ な ど と と も に 記 さ れ る。 ﹃ 七 曜 穰 災 決 ﹂ は 名 称 で は 七 曜 と い う が、 先 記 の と お り、 羅 喉 ・ 計 都 星 を 合 わ せ て 九 曜 星 に よ っ て 起 こ る 災 厄 を 撰 う 方 法 を の べ る と と も に、 惑 星 の 位 置 推 算 暦 を 細 や か に 記 し た も の で、 八 世 紀 末-九 世 紀 初 期 に か け て 中 国 で 成 立 し た も の と 考 え ら れ て い る。 (13 ) わ が 国 に 伝 来 後 は ﹃ 宿 曜 経 ﹄ と と も に、 星 宿 関 係 の 重 要 な テ キ ス ト と な っ た。 2 ﹃ 七 曜 経 ﹄ ﹃ 行 林 抄 ﹄ 七 二 (﹃ 大 正 蔵 経 ﹄ 七 六 巻 ・ 四 六 四 頁 ) に ﹁⋮⋮梵 天 七 曜 経 云 ﹂ と し て 九 曜 星 の 像 容 に つ い て 細 か く 記 さ れ る。 こ こ に 記 さ れ た 内 容 と 本 図 の 七 曜 経 の 部 分 と 比 較 す る と 酷 似 し た 箇 所 が み ら れ る の で、 お そ ら く 本 図 の 七 曜 経 と い う の は ﹃ 梵 天 七 曜 経 ﹄ を 略 称 し た も の で あ ろ う。 ま た、 ほ ぼ 同 年 代 の ﹃ 小 野 類 秘 砂 別 巻 ﹄ (﹃ 真 言 宗 全 書 ﹂ 三 六 巻 ・ 七 三 頁 ) に ﹁ 出 梵 天 七 曜 経 第 五 ﹂ と あ る よ う に 寛 信 も 引 用 し て い る。 こ の 経 は ﹃ 行 林 抄 ﹄ 七 一 (﹃ 大 正 蔵 経 ﹂ 七 六 巻 ・ 四 五 四 頁 ) に ﹁ 七 曜 経 云 用 紙 銭 云 々 ⋮⋮﹂と あ る の で ﹃ 梵 天 火 羅 図 ﹄ に 近 い 内 容 で あ っ た と 推 察 さ れ よ う。 3 ﹃ 火 羅 図 ﹄ 先 述 し た よ う に ﹃ 梵 天 火 羅 図 ﹄ が 火 羅 図 と 略 称 さ れ る 場 合 が あ り、 注 意 を 要 す る。 本 図 に い う ﹃ 火 羅 図 ﹄ は 東 寺 蔵 火 羅 図 の よ う な 曼 茶 羅 図 で は な く ﹃ 梵 天 火 羅 図 ﹂ の こ と を 指 し て い る と み て 間 違 い な か ろ う。 ま た ﹃ 行 林 抄 ﹄ 七 二 に 九 曜 星 の 像 容 を 説 明 す る な か に 日 -九 曜 図 云。 其 形 如 天 人。 両 手 安 膀 上。 執 日 輪。 乗 五 馬 車。 東 寺 宝 菩 提 院 旧 蔵 星 曼 茶 羅 図 残 閾 に つ い て
密 教 文 化 火-九 曜 図 云。 神 形 如 外 道。 騙 冠。 日 手 執 刀 な ど と あ り ﹁ 九 曜 図 ﹂ と い う 名 称 が み ら れ る が、 像 容 か ら 考 慮 し て ﹃ 九 曜 秘 暦 ﹄ と は 解 釈 で き ず、 ﹃ 梵 天 火 羅 図 ﹄ の こ と と 思 わ れ る。 つ ま り ﹃ 梵 天 火 羅 図 ﹄ の こ と を ﹃ 梵 天 火 羅 九 曜 ﹂ と も 呼 称 さ れ、 こ れ を 略 し た な ら ﹁ 九 曜 図 ﹂ と 解 釈 で き る か ら で あ る。 ﹃ 梵 天 火 羅 図 ﹄ は 一 行 に 仮 託 し て、 九 世 紀 中 期 に 中 国 で 成 立 し た 道 教 の 内 容 を 含 む 雑 密 系 と み て 大 過 な い。 わ が 国 に 伝 来 後 は、 当 年 星 供 な ど を 行 う 基 本 的 な テ キ ス ト と し て、 重 用 さ れ た こ と は す で に 記 し て き た。 4﹃ 七 曜 新 術 ﹄ こ の 経 典 は 淳 祐 の ﹃ 石 山 七 集 ﹂ (﹃ 大 正 図 蔵 ﹂ 一 巻 ・ 三 七 頁 ) に ﹁ 七 曜 新 術 云 ﹂ と し て 九 曜 星 に つ い て、 そ の 像 容 を 記 す の が 初 見 で あ る。 さ ら に 同 じ く ﹃ 石 山 七 集 ﹄ に は、 十 二 宮 の 蟹 宮 ・ 秤 宮 ・ 弓 宮 ・ 瓶 宮 な ど に も ﹁ 新 術 ﹂ あ る い は ﹁ 七 曜 新 術 ﹂ に 云 う と し て、 そ の 名 称 が 記 さ れ て い る の で 十 二 宮 に つ い て も 言 及 し た も の と み ら れ る。 5﹃ 玄 鏡 宿 曜 経 ﹄ こ の 経 典 は ﹃ 恵 運 禅 師 将 来 教 法 目 録 ﹄ (﹃ 大 正 蔵 経 ﹄ 五 五 巻 ・ 一 〇 八 七 頁 ) に ﹁ 玄 韻 宿 耀 経 一 巻 承 和 十 四 年 六 月 三 十 日 ﹂ と 記 す も の に 該 当 す る と 考 え ら れ て い る が、 (14 ) い ま だ、 そ の 内 容 に つ い て は 知 ら れ て い な か っ た。 し か し 本 図 に、 そ の 内 容 の 一 部 が 記 さ れ る の は 貴 重 で あ る。 た だ 本 図 以 外 に、 そ の 名 が み ら れ ず、 ほ と ん ど 流 布 す る こ と な く 秘 密 裡 に さ れ て い た の で あ ろ う。 以 上、 五 種 の 星 宿 に 関 す る 経 典 を み て き た が、 比 較 す る と そ の 像 容 に つ い て は 概 ね 一 致 し て お り、 い ず れ も 中 国 に
お い て 成 立 し た こ と が 考 え ら れ る。 九 曜 星 の う ち 火 ・ 水 ・ 木 ・ 金 ・ 土 の 五 星 に つ い て は、 大 阪 市 立 美 術 館 蔵 五 星 二 十 八 宿 神 形 図 の 五 星 図 と の 関 連 が 興 味 深 い。 (15)そ の 像 容 を 簡 単 に 記 す と ・ 焚 惑 星 ( 火 )-馬 上 に 六 腎 の 馬 頭 人 身 像 が 乗 る。 ・ 辰 星 ( 水 )-頭 部 に 猿 冠 を 置 き、 唐 装 で 右 手 に 筆、 左 手 に 紙 を 持 つ。 ・ 歳 星 ( 木 )-獣 頭 人 身 像 が 猪 に 乗 る。 ・ 太 白 星 ( 金 )-頭 部 に 鶏 頭 を 置 く 女 人 形 が 鳥 に 乗 る。 ・ 鎮 星 (土 )-顎 ひ げ を た く わ え た 痩 身 の 老 男 が 牛 に 乗 る。 こ の 図 は 張 僧 縣 に よ る 六 世 紀 前 半 の 作 と み ら れ る も の で、 お そ ら く 二 十 八 宿 神 の 像 容 を 考 慮 す れ ば 道 教 に 係 わ る も の と 推 察 さ れ る。 そ し て 辰 星 や 太 白 星 か ら み て、 明 ら か に ﹃ 梵 天 火 羅 図 ﹂ や ﹃ 七 曜 撰 災 決 ﹄ な ど、 先 記 し た 諸 経 典 の 五 曜 星 と 関 連 性 が 見 出 せ る の は 重 要 と い え よ う。 胎 蔵 図 像 や 現 図 胎 蔵 界 曼 茶 羅 の 五 曜 星 が、 イ ン ド 伝 来 と す れ ば、 こ こ に み ら れ る 像 容 は 極 め て 中 国 的 で あ る。 以 上、 五 種 の 経 典 の う ち ﹃ 七 曜 撰 災 決 ﹄ は 諸 書 に 散 見 さ れ、 か な り 広 く 知 ら れ て い た と と も に 写 本 も 現 存 し て い る が、 そ の 他 に つ い て は、 今 の と こ ろ 写 本 な ど は 確 認 さ れ て い な い。 な お、 ボ ス ト ン 美 術 館 本 を は じ め、 数 本 が 現 存 し て い る ﹃ 九 曜 秘 暦 ﹄ が 本 図 に 確 認 で き な い の は 不 審 と い え よ う。 六 制 作 背 景 東 寺 宝 菩 提 院 旧 蔵 星 曼 茶 羅 図 残 閾 に つ い て
密 教 文 化 本 図 の 最 末 尾 に ﹁ 天 永 四 年 六 月 廿 三 日 於 馬 場 房 巳 時 書 了 有 覚 ﹂ と 記 さ れ て い る こ と か ら、 天 永 四 年 ( 一 一 一 三 ) に 有 覚 に よ り、 馬 場 房 で 筆 写 さ れ た こ と が 判 明 す る。 ま ず 筆 者 の 有 覚 を み て み よ う。 ﹃ 血 脈 類 集 記 ﹄ (﹃ 真 言 宗 全 書 ﹄ 三 九 巻 ・ 一 〇 一 頁 ) に 有 覚 改 名 有 幸 阿 閣 梨。 仁 和 寺 色 衆 十 口 教 授 宗 意 諦 経 隆 真 護 摩 定 與 嘆 徳 隆 成 嘉 承 三 年 九 月 十 日 錘 購 於 圓 堂 授 之 と あ り、 嘉 承 三 年 ( 二 〇 八 ) に 厳 覚 か ら 法 を 受 け、 有 幸 と も よ ば れ て い た こ と が 判 明 す る 以 外 は、 明 確 に で き な い。 そ こ で、 師 の 厳 覚 か ら 推 察 し て み た い。 厳 覚 ( 一 〇 五 六-一 一 二 一 ) は 幼 く し て 信 覚 に つ い て 得 度、 さ ら に 伝 法 潅 頂 を 受 け、 勧 修 寺 の 別 当 ・ 長 吏 と な っ た。 そ の 付 法 弟 子 に は 宗 意 ・ 寛 信 ・ 圓 秀 ・ 良 勝 ・ 朝 厳 ・ 増 俊 ・ 静 容 ・ 禅 兼 ・ 實 範 ・ 覚 兼 ・ 念 覚 ・ 有 覚 の 十 二 人 が 知 ら れ る。 こ の う ち 寛 信 は 厳 覚 の あ と を 受 け、 勧 修 寺 長 吏 と な り 勧 修 寺 流 祖 と な っ た。 宗 意 は 安 祥 寺 流 を 興 し、 増 俊 は 随 心 院 流 を 開 く な ど、 華 々 し い 事 跡 を 残 し て い る。 と こ ろ が 肝 心 の 有 覚 に つ い て は、 い ま の と こ ろ 何 も 判 明 し な い。 し か し、 師 ・ 厳 覚 は 星 宿 に 詳 し い 小 野 流 を 継 ぎ、 さ ら に そ れ を 受 け た 寛 信 は ﹃ 小 野 類 秘 砂 別 巻 ﹄ を 著 し て 星 宿 関 係 の 法 を 大 成 し た。 さ ら に 寛 信 の 弟 子 興 然 は ﹃ 九 曜 秘 暦 ﹄ や ﹁ 火 羅 図 ﹂ な ど 星 宿 に 関 す る 経 典 や 図 を 残 し て い る。 こ の よ う に 有 覚 の 周 辺 に は、 星 宿 に 詳 し い 人 物 は も と よ り 星 宿 関 係 の 典 籍 ・ 諸 図 が 豊 富 に 存 在 し て い た と 推 察 さ れ よ う。 し た が っ て 有 覚 も 勧 修 寺 に お い て、 星 宿 関 係 に 精 通 し た 僧 で あ っ た と 考 え て 大 過 な か ろ う。 な お 馬 場 房 と い う 筆 写 場 所 に つ い て は 明 確 に で き ず、 後 考 に 侯 ち た い。
七 お わ り に 星 曼 茶 羅 図 残 閾 と 命 名 さ れ た 本 図 の 内 容 に つ い て 細 か く 分 析 し て き た。 十 二 宮 に つ い て は、 そ の 一 部 に 欠 失 部 分 が み ら れ る も の の、 東 寺 蔵 ・ 火 羅 図 と 酷 似 す る の で 密 接 に 関 係 す る こ と は 間 違 い な い。 こ の 両 者 の 先 後 関 係 を 明 確 に す る こ と は 重 要 な 問 題 で あ る。 お そ ら く 羅 喉 ・ 計 都 星 の 像 容 の 相 違 が 解 決 の 手 が か り と な る よ う な 気 が す る が、 い ま だ 明 ら か に で き ず 今 後 の 課 題 と し て お き た い。 九 曜 星 に つ い て は、 種 々 の 経 典 を 比 較 対 照 し、 ま た 像 容 を 描 写 す る が、 そ の な か に 未 だ 知 ら れ な か っ た 経 典 を あ げ て い る の は 貴 重 で あ ろ う。 ま た、 そ の 像 容 に つ い て は ﹃ 梵 天 火 羅 図 ﹄ を 参 考 と し た こ と は 明 白 で あ る。 ﹃ 皐 斯 経 ﹄ に つ い て は ﹃ 梵 天 火 羅 図 ﹂ を 典 拠 と す る な ど、 本 図 は 全 体 的 に ﹃ 梵 天 火 羅 図 ﹄ を 基 本 と し て い る と み ら れ よ う。 最 後 に 本 図 の 制 作 目 的 を み て み た い。 一 尊 毎 に み る と、 諸 尊 の 像 容 が 的 確 に 描 か れ て い て 興 味 深 い が、 占 星 法 に 関 す る 記 述 の 方 に 重 点 が 置 か れ て い る よ う に 感 じ ら れ る。 た だ、 九 曜 星 に つ い て は 諸 経 典 を 挙 げ て、 像 容 の 相 違 を 詳 述 し て い る の ば 無 視 で き な い。 こ れ ら の こ と か ら 推 察 し て、 本 図 は 密 教 占 星 法 を 修 す 阿 閣 梨 が 個 人 の 本 命 宮 や 当 年 星 な ど を 明 ら か に し、 即 座 に そ の 人 の 運 勢 な ど を 確 認 す る た め の 手 引 き 書 に 用 い た も の か、 あ る い は 北 斗 曼 茶 羅 図 を 制 作 す る た め に、 そ の 像 容 の 粉 本 と し た か の い ず れ か と 想 像 さ れ よ う が、 一 頁 毎 に 記 述 内 容 が 細 か く 整 理 さ れ て い る こ と、 逆 に 像 容 に は 彩 色 に つ い て の 記 述 が み ら れ な い こ と な ど か ら、 前 者 の 可 能 性 が 強 い。 つ ま り、 本 図 は 阿 閣 梨 有 覚 が 密 教 占 星 法 の テ キ ス ト と し て 使 用 し て い た も の で は な か ろ う か。 東 寺 宝 菩 提 院 旧 蔵 星 曼 茶 羅 図 残 閾 に つ い て
密 教 文 化 註 1 拙 稿 ﹁東 寺 蔵 ・ 火 羅 図 に つ い て ﹂ ( ﹃金 沢 文 庫 研 究 ﹄ 二 九 〇 号 (神 奈 川 県 立 金 沢 文 庫 平 成 五 年 三 月 ) 2 本 図 は 昭 和 三 三 年 二 月 八 日 に 重 要 文 化 財 に 指 定 さ れ た が、 指 定 時 に は 東 寺 宝 菩 提 院 の 所 蔵 で あ っ た。 3 森 田 龍 傷 ﹃密 教 占 星 法 ﹂ 上 編 (高 野 山 大 学 出 版 部 昭 和 一 六 年 五 月 ) 二 八 一 頁 4 鈴 木 敬 信 ﹃ 天 文 学 辞 典 ﹄ (地 人 書 館 昭 和 六 一 年 七 月 ) 5 ﹃ 史 記 ﹄ 天 官 書 の 二 十 八 宿 分 野 説 は、 以 下 の と お り 角 ・ 充 ・ 琢-克 州、 房 ・ 心 i 豫 州、 尾 ・ 箕-幽 州、 斗-江 湖、 牽 牛 ・ 婆 女-揚 州、 虚 ・ 危 -青 州、 室 ・ 壁-井 州、 奎 ・ 婁 ・ 胃-徐 州、 昂 ・ 畢-翼 州、 砦 ・ 参-益 州、 井 ・ 鬼 ( 雍 州、 柳 ・ 星 ・ 張 -三 河、 翼 ・ 珍-荊 州 で あ る。 6 ﹁ 莫 月 大 陰 ﹂ 以 下 に つ い て の 記 載 内 容 に つ い て 全 文 を 記 す。 莫 月 大 陰 行 年 至 此 宿 位 者。 且 之 大 陰 也。 属 月。 其 周 廻。 天 下。 若 臨 人 本 命 大 吉。 加 官 進 禄 所 作 通 達。 得 貴 人 接 引。 長 有 喜 慶 之 事。 国 王 以 夏 至 日。 用 衆 彌 玉 及 水 祭 之。 行 年 至 此 万 事。 通 和 求 官 得 遂 所 作 大 吉。 八 十 七 廿 六 計 五 茄 四 五 十 三 六 十 二 七 十 一 八 十 八 十 九 九 十 八 南 方 火 焚 惑 星 又 名 四 利 星 又 云 雲 漢 真 言 庵 摩 利 多 婆 詞 其 星 周 廻 七 里。 属 魏 國 之 分 野。 若 臨 人 本 命。 必 生 日 口 舌。 疾 病 相 纒。 神 形 如 外 道。 騙 冠。 四 手 執 刀 刃。 国 王 以 仲 夏 之 月 用 火 祭 之。 行 年 至 此。 君 子 修 福。 災 害 不 生。 敬 之 即 元 殊 答。 六 十 五 廿 四 晋 五 茄 二 五 十 一 六 十 六 十 九 七 十 八 八 十 七 九 十 六 並 凶 年 廟 北 辰 又 名 炎 星 又 滴 星 或 云 北 斗 云 北 極 真 言 庵 倶 志 陀 他 周 廻 一 百 里 属 燕 趙 之 分 野。 若 臨 人 本 命。 主 牽 蒙。 其 神 如 女 人。 頭 戴 猿 冠 手 執 紙 筆。 国 王 以 仲 夏 之 同 用 油 祭 之 宜 離 北 斗 撲。 三 十 二 廿 一 三 十 計 九 茄 八 五 十 七 六 十 六 七 十 五 八 十 四 九 十 三 小 凶 温 波 斯 東 方 歳 星 又 名 摂 提 星 真 言 日 庵 印 那 羅 野 渉 詞 其 星 周 廻 一 百 里 属 魯 衛 之 分 野。 臨 人 本 命。 加 官 進 禄 万 事 吉。 其 星 形 如 卿 相。 著 青 衣。 戴 亥 冠。 手 執 花 菓。 国 王 常 以 仲 夏 春 月。 用 衆 寳 祭 之 行 李 至 此 宿 宜 貴 人 交 通 婚 姻 和 A r 此 事 進 口 大 吉 之 年 也。
九 十 八 廿 七 光 六 四 十 五 五 十 四 六 十 三 七 十 二 八 十 一 九 十 九 十 九 西 方 太 伯 又 云 長 重 星 一 云 那 頷 真 言 庵 吠 尾 野 渉 詞 其 星 周 廻 一 百 里 属 秦 国 之 分 野。 若 臨 人 奉 命。 主 有 実 位 刀 兵。 形 如 女。 頭 戴 酉 冠 白 練 衣 弾 弦。 與 人 為 患、 国 王 常 以 仲 秋 之 月 用 生 □祭 之。 行 年 至 此 星。 宜 著 白 衣 酷 謝 本 命 元 神 作 田。 大 吉。 四 十 三 廿 二 晋 一 茄 茄 九 五 十 八 六 十 七 七 十 六 八 十 五 九 十 四 小 凶 鶏 緩 星 中 宿 星 神 真 言 日 庵 替 日 割 曳 渉 詞 其 星 九 十 里 属 楚 国 之 分 野。 其 星 最 凶。 偏 臨 宮 之 然 及 □人 此 宿 臨 貞 填 病 牢 獄。 君 子 重 厄 之 年 号 日 土 星。 不 欲 犯 之。 其 形 如 波 羅 門。 牛 冠 手 持 錫 杖。 與 為 禍 国 王 以 記 夏 月 菓 子 一 盤 祭 之。 宜 送 本 命 元 神 銭。 画 元 神 供 養。 黄 衣 撰 之。 女 消 災 増 福 寿。 二 十 一 廿 廿 九 晋 八 珊 七 五 十 六 六 十 五 七 十 四 八 十 三 九 十 二 大 凶 羅 喉 蝕 神 星 一 名 羅 師 一 名 黄 幡 一 名 太 陽 張 翼 蝕 神 頭 従 正 月 生 終 常 居 此 二 宿 行 年 此 宿 者 凶。 星 隠 而 不 見。 臨 人 本 命。 憂 官 失 位。 重 病 相 纒。 財 物 破 散 喪 服 秋 口 舌。 国 王 以 神 不 祭 至 此 宿 修 福 嬢 之。 元 神 銭 画 所 犯 神 形 供 養 大 吉。 一 十 十 九 廿 八 晋 七 茄 六 五 十 五 六 十 四 七 十 三 八 十 二 九 十 一 並 凶 計 都 蝕 神 星 一 名 豹 尾 一 名 蝕 神 尾 一 名 大 陰 危 室 蝕 神 尾 従 正 月 至 年 終 常 居 此 二 宿 亦 是 隠 星 不 見 行 元 定 形。 若 臨 人 命。 宮 宿 最 多 這 塞。 求 官 不 遂。 務 被 遷 移。 官 不 相 纒。 多 憂 疾 病。 此 星 凶。 国 王 不 祭。 行 年 至 須 送 五 道 司 命。 画 此 神 形。 深 室 供 養 穰 之。 廻 禍 作 福。 七 十 六 廿 五 晋 四 茄 三 五 十 二 六 十 一 七 十 七 十 九 八 十 八 九 十 七 並 凶 7 ﹃ 梵 天 火 羅 図 ﹄ は、 文 治 五 年 の 高 山 寺 本 の 他 に ﹃ 大 正 蔵 経 ﹄ 二 一 巻 ・ 四 五 九 頁 の 長 谷 寺 本 の ﹃ 梵 天 火 羅 九 曜 ﹄ が 知 ら れ る。 両 者 は 同 本 異 名 で あ る。 8 薮 内 清 ﹃ 中 国 の 天 文 暦 法 ﹄ (平 凡 社 昭 和 四 四 年 八 月 ) 一 七 八-一 八 六 頁。 長 部 和 雄 ﹃ 一 行 禅 師 の 研 究 ﹄ (渓 水 社 平 成 二 年 五 月 ) 二 五 八 頁。 9 山 下 克 明 ﹁平 安 時 代 に お け る 密 教 星 辰 供 の 成 立 と 道 教 ﹂ (﹃ 日 本 史 研 究 ﹄ 三 一 二 号 日 本 史 研 究 会 昭 和 六 三 年 八 月 ) に 詳 し い 東 寺 宝 菩 提 院 旧 蔵 星 曼 茶 羅 図 残 閾 に つ い て
密 教 文 化 10 七 曜 (九 曜 ) の 順 序 に つ い て は イ ン ド 式 の 日 ・ 月 ・ 火 ・ 水 ・ 木 ・ 金 ・ 土 に は ・﹃ 仏 説 大 孔 雀 呪 王 経 ﹄ ・﹃ 仏 母 大 孔 雀 明 王 経 ﹂ ・﹃ 宿 曜 儀 軌 ﹄ ・﹃ 宿 曜 経 ﹄ 巻 下 中 国 式 は 日 ・ 月 ・ 木 ・ 火 ・ 土 ・ 金 ・ 水 で ﹃七 曜 嬢 災 決 ﹂ が 知 ら れ る が、 こ れ は 五 行 説 に し た が う も の で あ る。 11 ﹃ 西 域 美 術 ﹄ (講 談 社 昭 和 五 七 年 ) 12 前 掲 註 8 薮 内 清 ﹃中 国 の 天 文 暦 法 ﹂。 矢 野 道 雄 ﹃ 密 教 占 星 術 ﹄ (東 京 美 術 昭 和 六 一 年 二 月 ) 13 前 掲 註 8 薮 内 清 ﹃中 国 の 天 文 暦 法 ﹄ 14 前 掲 註 3 森 田 龍 倦 ﹃密 教 占 星 法 ﹄ 上 編 八 七 頁。 15 野 尻 抱 影 ﹃ 星 と 東 方 美 術 ﹄ (恒 星 社 厚 生 閣 昭 和 四 六 年 四 月 ) 一 三 三-一 三 七 頁 に、 大 阪 市 立 美 術 館 本 五 星 二 十 八 宿 図 の 五 星 と ﹃ 梵 天 火 羅 図 ﹄ な ど に み ら れ る 五 曜 星 と の 関 係 を 明 示 さ れ て お ら れ る。 ( 付 記 ) 本 論 作 成 に つ い て、 M O A 美 術 館 ・ 堀 内 武 雄 氏 に 多 大 の ご 高 配 を 賜 り ま し た。 記 し て 感 謝 の 意 を 表 し ま す。