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木村, 勇次

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九州大学学術情報リポジトリ

Kyushu University Institutional Repository

メカニカルミリングによる超強加工法を利用した鉄 の結晶粒超微細化に関する研究

木村, 勇次

https://doi.org/10.11501/3147916

出版情報:Kyushu University, 1998, 博士(工学), 論文博士 バージョン:

権利関係:

(2)
(3)

メカニカルミリングによる 超強加工法を利用した

鉄の結品粒超微細化に関する研究

木村勇次

(4)

目 次

U} 1阜 市行 H

I lL

lj

. . . .

1. 1

本州先の背;j;

1. 2

ノ市lthill材料の45Vli

7

1. 3

ナノ市fullJl材料の作製法と机界中lltiti

. 9 1 . 4

メカニカルミリングに閃する従米の側先

. . . .

. ló

1. 5

本側先のfll均 . 25

第 1

.

. .

. . 27

第2辛 メカニカルミリングによる欽の加t便化機構 2.

1 純 一

2. 2 試料および実験方法 2. 2.

1

試料作製 2. 2. 2 組織観察

2. 2. 3 X線回折法による内部微視組織の解析 2. 3 メカニカルミリングした欽の内部微視組織

3 3 3 3 4 4 7 1〕

吋コ

「3 1d

「3

「3

「3 .

• . .

2. 3. 1 メカニカルミリングに伴う欽の組織変化 ・ ・ ・ .

. . . 37

2. 3. 2 メカニカルミリングした鉄の焼鈍に伴う来日系議変化 . .

. 43

2. 4 メカニカルミリングした欽の内部微視組織と

司所ひずみの関係

2. 5 超強加工した欽の加工硬化機構 2. 6 市lij z

第2章の参考文献

イナ 3求

1i

「/

Qノ ペL A斗寸

《J Fコ ベJ fhu fhu

• • • •

第3章

超微細結品粒組織をイjするバルク鉄の作製とその機械的性質. . . 68

3. 1 緒 言

. . . 68

3.

2 試料および実験ノ7法 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・69

3. 2. 1 試料作製および熱処理 . 69

(5)

3.

2. 2 組織観察

. 71

3. 3

メカニカルミリングした欽粉の同化成形とバルク欽の組織・・71

3. 3. 1

メカニカルミリング欽粉のf,'îl化成形条刊二の検討・・・・71

3. 3.

2 メカニカルミリングで作製したバルク欽の組織

の熱(内j,(入L十'1: 勺/ 「/

3.

4 パルク欽の機械f的向J↑竹|↑ド門門、"1午'1午1:�fIに』反えぼぼ、す市私結lJ山i1川ihI

3.

5 パルク欽の強化枚機 長妨附 州布村村 枯",昨l占

;

. 81

・85 3. 6

Hall-PctchWJにぷづく市JilllIll粘微細化強化I�HWの予測 ・ ・ ・・・87

3 . 7 結

r 1

.92

3 [';îの参与文献

・93

第41'戸 欽の脳強JJrI T.による阿変化物の分解挙動

4.

1 市紡行

4. 2

試料およびび、実l験験プ方J法

4. 2.

1 試料作製

.94

・94

・95 .95

4. 2. 2 組織観察 ・・・・・・・96

4. 3 Fc-24(�Cr-15o/r}Y2Ü3混合粉におけるY203の分解と再析出挙動 .96

4. 3. 1 メカニカルミリングにともなうY203の分解挙動 ・・・96

4. 3. 2 分解したY203の r1 f析出 ・・・・・・102

4. 4 ナノα組織におけるY原子や0原子の回溶場所 ・・・・・・107

4. 5 般化物分解のた めの条件 ・・・・・・112 4. 6 市llj

4章の参与文献

r 1

. 112

・115

第5 1';1: �j変化物純子を利川したftd微利11粘欽の組織自IJ御 5.

1

純 日

5. 2

ぷ料および実験Jj法

5. 2.

1 試料作製 5. 2. 2 組織観察

. 116

・116

・116 . 116

・117 5. 3

メカニカルミリングにともなう酸化物粒子の分解挙動

・・・119

5. 4 焼鈍にともなう般化物粒子の再析出挙動 ・・・・・・122

II

(6)

5. 5

超微細l粒バルク鉄の相変態に及ぼす酸化物添加の影響 ・ ・ ・127

5. 6 結 1

235-市の参与文献

. 135

・136

�} 6 I\'î: 総

丁ハ

'l守J 勺/勺コ噌Ei

- - • • •

本側先に|児辿した論文

. 140

E'f下­fr什い

aaIU1J 'HHH4

. 141

(7)

第1章 緒

1. 1 本研究のfTEi

三A百問

鉄鋼材料に|以らずすべての村titi材料において3 飢餓の微制11化は倣械的 vhT13|耐食Jド1:などの1;行料'i"l�を改j!?するうえでJli;Ji?に効�ミr'内である. なか

も市

l

li hill粘微細11化 強化は3 析-Jll d企化や転位強化などの他の強化T段に比 べて延11、'1:や初十'tをあまり肘なわ ずに材料の強 度を1--引させることができ るため, 柿造材料の強靭化と いうた}� fllえからはidもイj効な千法である. そ して3 材料の強度があli品粒作(d )の-1/2釆に比例して明大するという3

いわゆるHalトPC tchの関係(1 )が成(ょすることも一般に知られている.

鉄鋼材料では3 加熱あるい は冷却中にオーステナイト(γ)相とフエ ライト(α)相の川で相変態が起こることがid大の特徴(でもあり3 営通 jぷ��Jの場合でもAC3直上まで急速加熱して念、冷する操作をあn円|繰り返 すだけで結品約;を3---4μm(ASTM

No.13.S)まで微細化できる(2) . ま

た3 相変態のない鋼栴については3 冷間LE延または熱問圧延後の再結口口 を利川して結品粒を 微制n化 することができるが3 実川のSU S3 04ステン レス鋼を例 に取ると細粒化も10---30μm(ASTM No.10---8)程度が限 界のようである(3). 加I r.と本r1 :変態を組み合わせた加T_熱処理では3 粒内 での核生成サイトをl� Jmさせてさら に結品粒 を微細化させることが可能 であり3 これ を利JHした結品粒微細化に関する研究報告はす でに膨大な 数に上る. これらのι11で3 工業的に最も広範にJl1いられてい る優れた加

r_熱処用は制御圧延である(4)-(5). 一般的な方法はFig.l.l中の( c)ー( cl)に

州、1íする. すなわち3 少川のNbを添加した低炭ぷ釧をほぼ1223Kか ら

Ar

3までの制度城で熱延 すると

3 γ料;内にNbCが��禿起1Jí-

H

�してJJ[] Lさ れた γのIlJ糸11

JTIllをtnJ

�jlJするので3 多数の�形市が導入さ れた未何結晶状 態のγがA3以卜-でで手q!nlα粒組織にぎピ態する. この際3 αfflは引き延ばさ れた |日γ粘界だけでなく, γ本1 1内の変形市においても核発生するので,

結果として5---6μm粍度の 微細なα粒組織が得られ る(ほぼASTM

No.12)

. 低炭素鋼をAr 3直l二ないし直下で大きな1パス圧延を施して急

冷する手法では3 民rr而減少率で約60%以上の大圧ドを加えるとAe3以上

(8)

の制度であっても一胞の歪誘起によりm ass ivc 塑γ→α変態が急速に進行 し3 純作1---2μmの等制!α粘組織が全体の80

o/rJ科皮(残部は急冷により

α,)をl' îめるようになる(ASTM No.17---15) (6). ノ'J, ラスマルテン サイト(α,)を 強冷!日] }JII r.した後,ACJ以上にr'I }J[]熱してγ ヘ逆変態さ せると昨夫に必。I改創11米悦11魚崎がれ1=られる(7)ー(

10

) . たとえば3 泳交えi:γ系ス テンレス釧において3 144jlUで の冷延で何られる)JII 1-. 1誘起α' をさらに必 }JII r.したのち, 900K付近の低hill 城でγヘ逆変態させる)J[l r.熱処JfHでは3

平均市lij hI11純作0.5μmのγ巾tfl組織がf!?られる(

1 0)

Fig.I.2は3市lijJIll1l粒を0.5μm

にまで必微細l 化させたγ釧のがjII111lJKL 作と 0. 2%1耐ノJの関係をぷす(

1 0

) . 従;f(,市lij品料微利n化強化の寄与は3 析lil強 化や'1�1立強化と比べて小さいと凡なされてきた. 前)iliのように工業的に /1:陀されているγ系ステンレ ス制の結品約作はあ〈卜μm将皮 で3 耐力も せいぜいO.2GPaとイ尽く3 市Iljilljl 粒作を10μm まで府11かくしてもそれほど�W

1,:な強化は1�J 1,'jできない. しかし3 このI泣から切らかなように3粒径を 0.5μmにまで刑11かくすると,

1耐)Jは現川銚!の!日JノJの5倍程度にまで上タ卜

しており3 結ITJlif予1μm以ドの領域での料品JlJ1hi微細l化強化 が顕jぎにな ることがわかる. }Jflえて3 純作が1μmをドrrl)ると3 Elf-位体積け!の粒界 の総I副主ljがI自大して米libirl偏tJrの;iiを大幅に低減でき3 かつ粒界破壊に要 する応ノJも急激に明大するの で3 こ のような超微細粒鋼については3 脆 性的な粒界倣峻が起こるrlJ能'1"1:もほとんどなくなることが予怨されてい

る(1

1 )ー(1

2) . すなわち3 結品粒微細化強化の本質は3 結品粒を1μm以下

にp15微細化(メゾスコピック組織制御)してはじめて現れるといっても 過三ではなく3 これに付随して3 これまでの鉄鋼材料にはない優れた特 竹の発lJlも1911,'J:できる.

市Ilj Jifll料を微細化するには, 1)力11 1-.などの子法を川いてf!?ょうとする 組織の 総粒界エネルギー以上のエネルギーを材料内部に蓄積させること3

2

)組織微細化のための熱処即の過不明で3 話不fiさせたエネルギーを粒w エネルギー に効率よく変換させることが必要不rlJ欠である. Fig.l.3は3 結品粒界の界而エネルギーをおおよそ111m2と仮定して, 単位体積の鉄中 の粒界エネルギー の総和を結品粒径の関数として示したものである.

なおョ 図中には通常の冷問加Eで蓄積できるÆエネルギーの最大値も破

(9)

Recrystallization reglon

(b) Recrystallized gralnS

g

世』コ】同』paに-白ト

change in controlled-

Strain

Schematic illustration 01' structural Fig.l.l

rolling.

8

(1j 1 0

、、、

N 0.8

Eコ

0.6

(/) (/)

2(/) 04

‘トーg '- 0.2

0...

0.0

00 10 5 やE

1.2�一Iì

Fe-12.5Cr・9.5Ni・2Mo-0.1N

σ0.2 (GPa) == 0.15 + 0".531 x 10・3xd・112 2500 1500 2000 d -112 1m .112 1000

500

Grain size,

Hall-Petch rclationship in an austcnitic stainless stcCI(lO).

Fig.l.2

3

(10)

� grain boundary energy(Eg)

elastic strain energy(Ed) (heavy cold-working)

800 1000

600

400

200

\町凶

mhm」ωcω弘」何万「」コ025EC

「。一oE勺

10 0.1

Grain size, d / �lm

0 1).01

Rclation bctwccn grain siχc and total grain boundary encrgy unit volumc ot・iron, assuming intcri'acial cncrgy 01、11 / m2.

strain cncrgy storcd by cold-rolling is aIso shown in thc

m u

「3 1

1a・げ

℃ x n

げba

7

mM内

(11)

線で示している.

1μmの結晶粒組織を有

する材料を得ようとする湯介3

�.hl

時に約20

J

/mo 1以上のエネルギーを付与しなければいけないことが

この凶より代幼に予怨される. 鉄鋼材料 の川'-.熱処JIHでは,

fll変fiEで何

られる 化"?

['1山エネルギ-

JY�は通常数I-J/molであり, JJII r.によってお〈卜

J/mo Iまでのボエネルギーを利川できるので3 これらがすべて*\[Wエネ ル

ギー として品ffäされると{反応した以介3 何られる 市lij JIlll:杭は0.1---1 μmに なる. しか しながら, このようなエ ネルギーがすべてJliit界エネルギ

ーと

して話秘されるわけでないの でョ 実際には,

IJÍi

Jiliのようにμ mオーダー で 細川立化は以打ちになっている. 0.5μmの必微細川ながねられる}JII r.誘起 α3 の逆会態を利川した加仁熱処Jf[Iでは3id大限のfEエネルギーと400 --- 500 J /m 01の化学的エネルギーを細粘化に適川して いるわけであるが3 こ の場合の総粒界エ ネルギーは50J/molであり3 エネルギ一変般本は1/10紅 皮にすぎな い (13). エネルギ一変換本が 小さくなるrru

ri

1のひとつは,

f! I ít

態を利川する 場合3 γとα問の市lij品学的な変態の1tノJ (バリアント)が 24通りしかなくョ いくら小 さな結品粒が核生成しでも同じバリアントの 粒同士の合体が容易に起こってしまうため である(

1

4 )ー( 15) . このように3

従来の鉄鋼材料の加工熱処理では付与できる エネルギーに限界があるだ けでなく変態バリアントの問題もあるため, 1μm以下の細粒化は憎めて

休!難である. ・/j3 1れロール法などに よる趨急冷法市の製造で銅成分を 迎行選定すれば3 ナノサイズの必微細粘が何られるuJ能性もある. 実際 に3 非平衡組織ではあるが, Fc- Cr-C合金を用いて、F均粒径0.2μmのγ 単相組織も得られてい る(

1

6) . しかし3 純欽では3 超急冷凝固させても3 その後のγ→α同相変態に起閃して, 意外にも京fl大なα粒組織しか得ら れない(AST M N o.

7

---

8)

(1 7) . したが って3 料作1μm以ドのメゾスコ

ピック組織をイiする鉄鋼材料 を仰る ためには これらの千法とは全く児な った新たな許可エネルギ一千I加プロセスを検討する必要がある.

ぽ近3 結A111粒の趨微利11化 に関し て, 銅線のイ�Il綜加て(I 8

)

ー (

2

())3

ECAP(Equal-Channel Angular Press in g ) (21) ー(::. ::. )

, 金属粉末のメカニカ ルミリング(MM)法(23)など, 室温域での高ひずみ付加プロセスが注円 を集めている. なかでも, 高エネルギーボールミル装置を用いて金属粉 末を繰り返し塑性変形させるMM 法では3 極限の歪を粉末 内部に付与 で

(12)

きるJJiに忌大の特徴があり3 純欽(24)ー(25), Fc-C合金(26)ー(27)ゃれーCu合 合(28)ー(2り)などの材料でも3 長時rmのミリングを施せば3力flTのみで数十 nm以ドのナノ命lli hill組織をイjする粉ぶを仰ることができる. このプロセス で粉 末内部に治約されるエネルギーの大、ドはナノれ1j J1I11組織における粒界 エネルギーであり, その{|11は3 辺'ii?の冷!m川r-_で糸二杭できる以大のポeエ ネルギーのあ〈卜イf?にもよtする(ヌ0)ー(] 1 ) . よって3 このような 必微制11結IVl料 市1t織をねするMM 粉をlll発材としてうまく1r'î!化成形すればこれまでにな い必微制約制を創製することもrlJ白色である. ただしョ これまでのMMに

|刻す る研究の多くは3 白川城まで'ii:入l:な��変化物約fを分散させた般化物 強化刑(00 S)介金の高話,t

t'f 11\/1: r十I� {rlfJ

( 3 2 )ー(J3)や)'�相混介粉末のMMにfrう アモルファス化(34)ー(35)3 過飽和r,1íl液体の形成過料(36)ー(3 7)などに関する 研究が主流であり3 これまで大足11::斥がけな捉とされている鉄鋼材料のがi

JIlll米M仇判11化に関する応川研究はほとんど行われていない現状にある.

ノド研究は3 欽の紡品粒微細|化の限界を11 H1して3 まずMMによ る粉末 の紐強力fI仁を利川した欽の結仏Jlift超微細化プロセスを佐立し3 メゾスコ ピック組織をねする欽の組織と機械的性質の関係を調査したものである.

(13)

1. 2 ナノ結晶材 料 の特性

ナノ命私紡lJ山l1j汁lJlll

1日OOnmであるような3 中本f]あるいは級相|の多私lj111111休として定義されて お り, その市Il�l波形態によって3 てti l11111111111からなる3次ノ乙ナノ市lljJIll13 繊維状の れ1jJIllからなる2次ノ乙ナノ命lliJIll13 そして 多A'(i �\if-)J見からなる1次ノ乙ナノれlj111111 材料に大月iJできる(.18). 3次ノ九乙ナノ市私結lJ山l1j品材料 では,

Fig.l.4に3料!j抗界1平�リ}ç川f川づ(付米料lなi

y界T件L r的而h而I 米恥机l立i与y抗界~平T仏L ' f市n紋などの命IJ川l

を4ぷ:すように3 米机t立i与y坑界~平f)\'川:川ヴのイ休本h有杭tti〉本十存fがメ大〈きいこと がi以d大 の特初徴(である. 例え ば3 粘任10nmのナノ市llj!日lでは米libhlMの),メさを1nm(38)と仮店しでも それ は30vo1 o/r,科皮にもなることが予怨される. こ のような多是の界[凶の存花

によって3 ナノ市Ilj品材 料は従米の粗粒材とは全くy�なった特性 を示す.

3次ノ乙ナノ市Ili lullでは3 強度(似j交)はある臨界粒作まではがj品粒の微細 化にともなってI� 5,,1,するがョ それ以ド では逆に低下してゆくという, い わゆる逆H alトPc t c h関係 が数 多く報白されている(3 9 )ー(47 ) . また3

Mocllcr(48) は3 杭界の応�fペ�fしモデルに基づく熱力学的考察から, ナノ 市li I日材料における相間の手衡関係は通常の来日粒材の状態図から大きく侃 るべきこと を提案し3 実際に, MM法 で作製したナノ結品金属(以下nー をつけてぷぷする)の大きな融点降ドと n-N bの室温におけるHの岡溶限 の大1�íi1な明大(10イJaf以L)を例として心している. YとFcは3 両者の原 子、|主任の差が大主く, 粗粒材では問溶休 をj形成しない合金系であるが3

Incrt Gas Condcnsation

(GC法)で作製したナノ結晶材料では3 30 a t 0るまで のFcが n- Y の粒界をサイトとして固溶し得ることも報告され ている(49). また3 bxfの拡散は料wが自給度 に{j1Eすること によって押 しく促進されるい0)ー(52 ) . その -例として, Fig.l.5は, Cuの「戸市rlj品と

GC法で作製した純作10nmのナノ結111fl材におけるAgの拡散係数を比較し たも のであり3 ナノ紡llIll材rl rのAgの拡散係数は単結品のそれ の約10 2 0

伯にまで大きくなって いるJIは注目される(50) . また3 ナノ結晶組織は総 粘界エネルギーが傾めて大き いにもかかわらず3 比較的高温域まで数十

nm以下の微細な 結品組織が安定に保た れる点は注目に値する.

このよう な熱的安定性は3 ナノ結晶組織における狭い粒径分イ11(53), 溶質原子のエjZ

(14)

俊�Î偏析による粒界エネルギーの去しい低下(54), 第2相粒子3米\LW

� rH線3

微小'空洞による恥thhl移動向111:効果(円)ー(.') 6)などによると45・えられている.

このほか3 :二急�, {冷令j凝疑r�川J山川í

l

法を不府利リj川して作主恕製!:iされるF じυ)f�ナノ 命私結IJ山i1j汁IJIlI

1

9R8イ作|ド5にli;沢らにより)Ó[1山iハlされたF c卜-s釘i-B -N bト-C u介く合i伝三( F 円I

NE

M

ET)

(い芦7η)-(いR刊8刈)をはじめとして3 優れたl欣儀礼4,lj fl:が允刻することも矢11られてい る(タり)ー(60)

1.0

0.8 一t=O.5nm

E叫�“出・1

-1;.:・ t;.:,

- -h旬、円円需り骨':.-:.;

(f)

0.6

0 c o ü

0.4

ω E

> 0.2

-1 nU

1000

Fil!.l.4 Rじlation bctwじじn grain sizc and volumc fraction of intcrcry

'":(/) 10・H

N E

υ

と10・32

(f)

­

::= 10・ω

10・3.

2.7 3.0 3.3

Reciprocal temperature [103 K・']

Fig.1.5 Di1'fusivity

01' Ag in

a

Cu

singlc crystal (S. C.)

and in

nanocrystallinc Cu (N.C.) (10

nm

avcrage crystal

sizc)(.')O).

(15)

1. 3

ナノ結晶料の作製法と粒界構造

ナノ系れ結lJ山l1jJ!JllI

る. ただし3 ナノ結II1111材料の特fl:に大きな形粋をうえる*\/�Wの糾iti は�

i立法によって微妙に5'!lなるようである. こ こではョ 本州究に|共JÆのある 3 次 乙ナllj lfilll組織の料治14Jltitiに関する論jiを製造法別に以ドにまとめ る.

Tah lc.l.l Mcthods to synt hesizc nanocrystall inc matcrials(38).

Starting phase Vapour

Liquid Solid

Techniques

Inert gas condensation Sputtering

Plasma processing Vapour deposition (physical and chemical) Electrodeposition Rapid solidification Mechanical alloying/milling Sliding wear

Spark erosion

(a ) In cr t Gas Con dcnsa ti on法

GC法 は, Fi g.1.6(61)に示すように3 ヘリウムなどの不活性ガスで満 たされたチャンパ内で3 蒸発源から金属あるいは金属の混合体を蒸発さ せたときに気村1r l'で形成される原子クラスターを冷却板上に捕集し3千自 られた}12微粉をj省内11空ドでJI粉して同化成形する方法である. jE微粉 のIllíl化成形は3 通常3 宅;Llで1---5GPaの圧ノJで行われ, rn結hillのバルク 材の70---90切の本11刈精度の成形体が得られる. Glci tcrらは, GC法で何 たナノ結JiI11材料の構造をX線I叶折(n-Fc)(62), メスパウワ一分光(n­

Fc) (6 3)およびEXAFS (n-Cu, n-Pd) (64), 中II't子小角散乱(n-Pd) (65)などで測定し3 ナノ結吊の平均的な粒界は3 間隙が大きく密度が結品 質相の2分のl ね度であることを報告してい る. 具体的には3 ナノ結品 組織の2次兄モデル閃をFig.1.7(66) に示すように, 粒界の構造は, 組粒

(16)

sl尚

一一-

l?zn

コ\1 C

,eeve

附on 一

夜景夜

れ 務 __

piston

円lam vacuuπ1 chamber

low pressure compaction unit

high pressure compaction unit

Fig.l.6 Schcmatic reprcscntation 01' gas condcnsation chambcr ror synthcsis 01' nanocrystallinc matcrials(61).

Fig.l.7 Schematic rcprcscntation 01' equiaxed nanocrystallinc mctal distinguishing between atoms associated with the individual grains

(・)

and those constituting grain boundary network

(0)(66).

(17)

材の粒界とは異なり, 長範囲あるいは短範囲の規則性をもたず 3 粒坑lの

bFF

HijEE縦に広い分イ11をも ち , また

原子問即席(�は粒界のjj位関係と傾き

によりそれぞれ児なると与-えられてい る. また3Jlilt作10"'-'40nmのn -AI,

Cu, Pd , Ni, Fc, Moの防ð

'r'l1 f

in滅による欠陥れ',j

hl iJ!lJ

íi:のれliJJ:では3Jlilt

W 3

íE総には10 )J;�子手111皮の大きさのヤヂL (nーヤイし)が什:イ!�す ることもIりj

らかにされている(67)-(68). Lbi.近3 イi川らは, n-Pd(ω)3 n -A g(7{))のli-μ〉

解能TG子顕微鋭(HREM)飢祭により3 ナノれiJIlll飢餓における米lihhlの街

!交の低ドには米\L界|こに微小引初日が作1f�する場介と:lilt界のb;{子のrm隙が大 きい場介の1,!l}}Jが考えられることを指摘してい る. 加えて, n -P d では3 ナノ 結品料の内部には比較的多くのひずみが含まれており3 とくにその 粒界は結品粒径よりも小さ い純川内で湾出("w a vy" g r a i n b 0 u n d a r y )し3 通常の粗粒材の粒界 よりも高いエネルギー状態にあることを示している

(69) . しかしその ‘jjで3 ナノ料品材料の粘w村15iiSは通常の多結品組織の それ に比べ本質的な差はな いとの報告も 数多くみられ る(7

1 )ー(

73 )

Eastmanら(73)は, X線回折(n-Pd)ならびにコンビュータシミュレーシ ヨンを行い3 ヮ;21涼や粒界周辺のあ'4造緩和を考慮、することで隙間の大きい 杭界構造を怨定しな くてもナ ノ結品の小さな街度は説明できることを示 している. このような{引先の不一致の以肉として, Glcitcrは3 粒界構造 がノ己表によって児なり3 また不純物ノ乙京のÜt�析や村lijiE緩和により変化す るI百能十生を指t!均している(74)

(b)急冷凝固法

液本日を出発材とするナノ結品材料の製造法としては3 大過冷液体がllí 化凍結したアモルファス利!の料品化以応を述続力11熱処rrw.や45組n寺効処rrr:

により�II!J征j1するノJ法が有効である(7,))ー(77) . この湯介3あijillI11の核'1=. r;えは均 質に'1:じ, しかも成長は数卜nm任以ドでは等}j

l刊に起こる.

さらに3 が結

i

J品l

ができ3 結品/結品界而に比べて界面エネルギーが約1桁小さいために過 剰宅孔などを含んでいない(7,) ) . しかもアモルファス相は時効温度では谷 易に構造緩和をおこ すために 3 析出 する結品は内部歪をほとんど含まな い状態にある. これらは, 結品からの析出の特徴である, 1)粒界の影

(18)

手42を受けて不均質になりやす い, 2)析出物は優先成長方向に依作した 特殊な形態をイ1することが多 い, 3)ほ結品/析lil物w而が大きなWrrri エネルギーをイiするために多!11の過剰qJしを合む場合が多いといったfi とは似本的にy�なっている.

アモルファスネけからナノ市lli /lIll組織をねるためには3 アモルファス fllが 初,11[111刊に市lIjI!1Ill化し3 この初11111の似 '1:)点数が多いこと3 そしてこのよ うな 初llull がアモルファスネ[1で取り1mまれ3 残イr-アモルファスfl1により成μが 抑W'jされることが屯嬰である. とくに初lvlの級生成数を多くするために は, アモルファス介令の京Il成がl辻本11合同あるいは化介物市11成に近く, JC JIlll系Jl)ぶから断れていることが不I可欠とされている. それは,

j t

1'1[11米flJぷの アモルフアス合金ではがi品化がボリモルフアス( [6J TT多形)

Jl'l

(7 8)で'1:じ3 ナノ結品組織が得られないためである. ポリモルファスな結品化反応は3 マッシブ変態に似ており3 変態rl Jに原子がアモルファス/結 品界rmで数 原子程度の短距離拡散することにより急速に進行する. それゆえ3 この 反応 が起こると一般に結品粒は和大になる. Fig.l.8は, 1-:.記条{'j:を満 足する例として, Fc-M-B系アモルフアス合金のDSC山線をぷす(79). こ れらの合金では顕著な2つの発熱が認められ3 第1段目の発熱ピークは ア モルファスからのナノbcc-Fcの析山に, �� 2段円の先熱ピークは残りのア モルファス村!のポリモルファス111の結品化反応に刈応している. �}2段日 のアモルファスの消火にイ'I�いナノ結品粒は急激に粗大化するが3 第2段[

]

のピーク直下までの約200Kに及ぶ広い温度域においてナノbcc-F cが残存 アモルファス相と共存している. このようなナノ結晶の粒成長抑制機構 に関し て, Fig.l.9は3 ナ ノbcc-Fcの析ltlが核生成ー成長段階にある状態 でのFe-7Zr-3B介合のアトムプローブの分析結果をぷす (80). ここでは3 ZrとB濃度が均 'なアモルファスド:J:fllかられ濃度の尚いナノbcc-Fc初ん1l がfJí-

H

�し始めた状態が飢奈さ れており, とくにアモルファス /結l111lの界 I面部では Zr

fl�i

J-が濃縮し, Fc原子は枯渇している依子が明!L*に心されて いる. これは3 粒成長の段階で3 溶質濃度が界而で準安定な局所、ド衡を 保つために生ずる拡散勾配と与えられており , このような観察結果から

Fe-Zr-B合金のナノbcc-Feの成長は拡散が遅いZr原子の拡散に律HUされ

ることが指摘されている. また3 このような溶質元素の拡散に起因した

(19)

F句。Zr7B3

0.17K/s

t民

1100 1000

900

温度, TIK

(

healing rate;

800

Fig.l.8 DSC curvcs oL、 Fc-M-B amorphous alloys O.17K/s

)

C79).

700

斗ム

刷叫府 2

J2σ

1∞

80

nu a-Y

Jr.完工NdL

20 60

C"v φ20 C"v -ーーC"v-

Cav φ20 Cav 600

6∞

500

5∞

300

200 300 4∞

Number of Atoms / X50

100 200

1∞

20

10

Jr.百\

Fig.l. 9 Atom probc conccntration depth pro1ïlcs o[、Fe90ZnB3 alloy annealed at 723K for 3.6ks. The region betwcen two broken lines is the

α-Fe crystal(80).

pnmary

13

(20)

効果だけでなくアモルファス相中の溶質元素の濃化によって アモルフア スネrlの準安定竹が明大し,市Ji品化の駆動ノJが低ドすることもひとつの史

|刈であ ると与-えられている (8 1 ) . これに|刻辿して,

)1:

1--ら は(82), 1)約 ï1濃度が向いアモルフアス城では命lij品化川j交も山くなるが3 イく上旬 _+表作 成によるがi/lIli化をお こしやすいナノ市lij JIlll/アモルファス胤[(IÎで紡111111化おll j交は以もllVくなっており3 そのために界I(!Ìでの不均 -市lullMじが抑制され るこ と3 また, 2)アモルフ アスtflの治買濃度はナノがi hillからの治�t)IJj�i fの排斥により公称組成より もはるかに向くなっており3 残イr-アモルフ アスtr1の系llj J1[ll化制度 は公平{J\系f1 J�えから予処!される市lli llI!l化制度に比べてかな り向くなっているために3 ff石川J:!!Xまでナノ結/1Ill組織が維持さ れると 結論

している.

(c)高ひずみ付加プロセス

材料に構造変化 ・ 欠陥など を導入するよう な力学的 な仕事を反復的に 投入することによっても3 材料自体の組織梢造を金化させる ことができ る. Fig.l.l0は3 加r-_のプロセス|時間と投入エネルギー速度の関係を亦 す(83). 投入される仕事率が小さい場合に は3 材料のごく一部に欠陥3 損 傷が多量に導入された変質組織が形成されたり疲労クラックが形成され たりする(クラスー3). 次第にエネルギーの投入品を増加させると3 マ

クロなせん断仰の形成や塑性会形3 塑十/主流動などが支配的と なり3 変形 と同時にマクロf内な結品粒の微細化や合金化が 進行する(クラス- 2) .

そして,さらに巾位時間内の投入仕事率を噌加させると,短時間で微細!

組織 ・ 構造変化,

ft_Q

nリー不規則化な どの反応が'tじるように なり3 超高圧 ドでのせん断念J形領域に述す ると, 変形と反応とがr6j叫に進行する段階 (クラス“1)に述する. つまり3 この プロセスではひずみ速 度と材料の 反応 速度のJRね介いで組織が決まる.

バルク材に,,'{波大きな歪を付与する子法として3 成分の異なった粉末を 金711に充填し任縮とせん断変形を系Ilみ合わせて型性加工する"繰り返し 鍛造型バルクメカニカルアロイング(MA)法(84)" や3 せん断変形を繰り 返し与えるこ とにより試料サイズの減少なしに多量のせん断ひずみを導 入するECAP法(21)ー(22)が有効である. Valievら(21)は,ECAP法で作製し

(21)

たサブミクロンの微細粒組織を有する材料では3 料内のII�ムイù:精度は低い ものの,がiIlJl粒wの近傍には料界11広仙の不規DiJな配列によって長範rmの 応)J場がイメイf�し3市lij品米\LWが通常のみ�í-Lな米lihhlよりも|印いエネルギー状 態(n0 n-じquilihri u m(unrclaxcd)grain houndari cs; JI:、|え後i*\LW) にあ ることをt行tl;�している.

Fig.l.l1にJI:、ド後i

*\LWをねするf也微制11れlj /liwt系Il aiUの校式[j<1をぷす. α-Fcの場介(灯), メスパウワ一分光測定により3Jlili W近仰の弾性的に12んだ領域のIPII\ (t hじ physicaI wid t h 0 1' a grain boundary ,δd)は, 8.4士1.5n mとJófÙも られており, 10n m以ドのナノ がj hill 米同fl織では3 そのIpMがれli lvl純作にほぼ等しくなることがぶ|俊されて いる . またtd近3 飴山ら は, MM法で起強jJ[] [したステンレス釧粉ぶの TEM観察によって, n-αFC11liの形状には門rnjが多く3 これらの粒界がが5 rlllしたりねじれたりしていることを凡J11している(86). MA法で作製した

n-F c-Cu -A-合のHREM観察では,市Jj品粒WがrUlがったりゆがんだりし て

いるだけでなく, その局所的な部分に お いてn-宅孔が存布することも認、

められている(87) . 以上のことから判断してう 湾[111した粒界近傍には隣践

した結品料同I�の梢造緩和を行うために多可のn-空孔や転位が存丘して いると考えられるので3 ナノ結品約材料の粒界は欠陥街度の高いある厚 さの府(粒界肝沌lとn子ふ、)を形成しているとみなすことができる.

μs

Eヨ

h 100 h

プロセス時間

F

ig

.

l.10

(

ö3

)

Fig.l.l1 Schcmatic diagram 01、

thc SMG struct urcC�l).

法I粒界層の厚さは, 通常の粗大粉の場合(約lum)より大きく, 上記の弾性歪場(8.4+

1.5nm)より小さな偵と考えられる.

(22)

1. 4 メカニカルミリングに関する従来 の研究

金属粉末や酸化物粒子を硬質ボールとともに金属ポットに入れて転勤 あるいは撹伴し, 粉末の冷間圧接, 鍛造, そして粉砕を繰り返すと, ミ リング中に非常に大きなひず みが金属粉末に導入され, 物理的なエネル ギーによって異種物質の微細混合がなされるのみならず合金化が起こる

合もある. 合金化の有 無にかかわらず,エネルギ いて粉末材料をミリングすることは, 広い意味でメカニカルミリング (MM)処理と呼ばれる. 合金化を期待する場合のMM処理はと くにメ

カニカルアロイング

( MA), そし て化学的に安定な金属間化合物など

をMM処理してアモルファス相などの非平衡組織の形成を促す場合はメ カニカルグライディング(MG)として区別される.

MM法は,

酸化 物を微細に分散させて強化したニッケル基の耐熱合金 (Oxide Dispersion Strengthened alloy; ODS合金)の製造方法として

1970年にBenjaminらにより開発された(23). それまで金属に対する固溶 限の小さな酸化物については, 通常の溶解

鋳造

加工といったプロセ スで これを金属基地中に微細に分散させることは困難であったが3 金属 粉末 と酸化物 粉末のミリング処理で得られる粉末を固化成形することに よってはじめてODS合金の製造が可能となった. そ の後, 1981年に

Yermakov(88)ら

がY-Co系 金属間化合物がMGによってアモルファス化す ることを, 1983年にKochら(89)がNi-Nb系において, 純Niと純Nbの 金属 粉末を出発材料として用い,

MA

によるアモルファス化が起こること を

見出して以来, MMによる合金化が注目されるようになった . 今日では,

ODS 介(32)(33)を め, ナ材料(90)ー(91 ) , アモルファス(34)ー(35) や過飽和国溶体(38)ー(39)3 準安定相(92)ー(93)などを有する非平衡相組織材 料の製造法と しても広く応用されている.

(a )メカニカルミリングによる粉末の内部組織のナノ結品化

MM法では ,

どの合金系でもほとんど例外なく ナノスケールの超微細 な結晶粒組織 が得られる. 化合物の形成やアモルファスなどの非平衡相 の形成も微細化と同時に進む場合が多い(94)-(95 )

.

ナ ノ 結 晶化の一例とし

(23)

て, Fig.l.12は, R uとAIRu金属間化合物のミリングにともなう平均結 晶粒径の変化を示す(96) ミリング時聞が長くなるにつれて平均結品粒 径は小さくなってゆく. 一方, x線回折法で測定される格子ひずみ()同 所ひずみ )は, Fig.l.13に示すように, ミリング時間が長くなるにつれ て増加するが3 長時間のミリング処理では最大値に達した後に減少して ゆく(り7) ミリング後期過程における局部ひずみの減少は3 おもに粒内 の転位密度が結晶粒 の 微細化にともなって低下してゆくためと考えられ ている. これと類似の現象はFe-Cu合金 のMAでも認められている(30) また, AIRu合金については, TE MおよびHREM観察において, 1)ミ リング初期過程では変形は0.5""'--'1μmの幅の努断帯内に集中し, 男断帯 の内部 には小角粒界で固まれれた粒径8 ""'--' 12n mの微結品が形成されるこ と, 2)さらに長 時間のミリング処理では3 結晶粒が細かくなると同時 に勢断帯が合体してゆ き, また同時に, 小角粒界も大角粒界へと変化し てゆくことが 認められている(97) Jangら(24)は, アトライターを用 いた純Fe粉のMM処理では, 1)ミリングの初期過程において転位セル が10nmまで細かくなること, 2)ミリングの後期過程では, これら転位 セル聞 の結晶方位が増してゆき, 最終的にランダムな結晶方位を有する 粒径約6nmの等軸粒となることを報告している. Y203を添加したFe -Cr­

Ti-Moフェライト合金

MMでは ,

ミリングの中期過程で形成された伸 長結品が, 後期過程では等軸品へと変化してゆくことが報告されている

(98)

純金属 のMMに関して, Eckertら(99)は, MMで到達し得る最小 の結 晶粒径は, 粒内にひとつの転位をパイルアップさせることができる臨界 粒径(Lc)と転位の回復の割合で決まることを指摘している. なお, 臨 界粒径(Lc)は3 前節で述べた逆ホールペツチ関係が現れる臨界値を与 えるもので3 ナノ結品材料の最高硬さ(h )が求まれば, パイルアップ理

論に基づいて次式で表されることがNiehらにより提案されている(l 00) Lc二3 Gb/π(l-u)h ( 1.1 )

ここで, Gは剛性率, bはパーガースベクトル3 そしてuはポアッソン比 である . 例えば , 純鉄のL cは3 .4n mと見積もられて い る( 98 )

Fig.l.14は3 種々の純金属, ならびにFe-Cu合金について, MM処理で

(24)

50

、 o Ru

40 、

\ • AIRu

E

。\ 。

�〆 \

ト」 30 \

(J) 、、 、、

、、

E5f 〉」 J U

20

、、 も、、0

、、

、Q

10

0.1 10 100

Time

(h)

Fig.1.12 Crystallitc siχc cstimatcd from x-ray linc broadcning vs.

milling timc for Ru and AIRu(96).

/

・/く/!

./

/

i

T

/,

-ー

ー、...l'

\

10 Time

[h]

-・4

\_ .\

Fig.l.13 Avcrage strain in AlRu as a function 01' milling time(97).

(25)

得られた最小粒径をLcとの関係で整理した ものである(99) 実験で得ら れた最 小粒径はLcに依存して直線的に増加しており, 破線で示した理論 値より も全体的に大きくなっている. このような理論値との差は3 ミリ ング巾の回復の影響を示すものと考えられている. つまりEckertら(りり)

は,

MMで到達し得る最小の結晶粒径はミリング中のひずみの導入と旧

復の2つのk i n

e t i

csの競合で決まることを指摘している. また, ミリング 処理温度がナノ結晶化速度に影響を与えることは, Ko chら (10 1 )により 調査されている. TiNi金属間化合物を種々の温度でミリングした場合3

リング時間と結晶粒径の関係をFig.l.15に示すように, 低温でミリン グするほどナノ結晶化速度が速くなることがわかる

.

ただし, この系で は4---5nmの臨界粒径に達したのちはアモルファス化が起こる.

(b)

MM粉末の固化成形

MM

で得られる材料は粉体であるため, その非平衡相, 超微細結晶粒,

アモルファス相などをできるだけ保持して固化成形し, バルク化するこ とが重要である. 一般には,従来のホットプレス法3熱間等方圧プレス

(HIP)

, 熱間押出法が用いられている. 最近では, 大電流パルス通電に

より短時間で腕結が行える放電プラスマ焼結法(102 )などが注目されて いる.

(

c )種々の分散強化型合金の特性

分散強化型合金の製造法には3 あらかじめ熱的に安定な硬質の微細な 酸化物あるいは炭化物などの 分散粒子を母相となる金属粉と物理的に混 ぜ合わせる方法(MM) (23)と, 第2相が析出するような組成に配合し た素粉末(103 )または合金粉(104 )を長時間MMして非平衡な組織を戸 たのち, これを第2相の析出温度域で熱処理する方法がある. ODS合金 の製造には前者の方法が主に取り入られている. こ の場合, 第2相粒子 の 分散機構は, 以下のように考えられている(Fig. l. 16) (105). MM の初期段階で は, まず, 層状に冷間接合された粉末の界面に沿って分散 粒子 は取り込まれる. さらに長時間のMM処理ではこのよう な層状組織 が回旋状なものへと変化し, その間隔も狭まってゆく. そして最終的に

(26)

25

20

E C

、‘-

15

Q) ト4

u) C 1 0

._

く5 5

Typical Error

AI O

1 0 β cro j

fcc

o

bα:

ð. h叩

0 0 2 4 6 8 10 12 14

Minimum Distance Lc (nm)

Fig.l.14 Minimum averagc grain size obtained by milling for pure mctals (opcn symbols) and FcxCul00-x (iìl1cd symbols) vs. thc mínímum distancc bctween two dislocations, Lc(99).

100

A A

E C

、ー'

O 510

c ('(l

‘-

0

... 2200C

600C ...

...

1

.

1 10 100

Milling Time (h)

Fig.1.15 Grain sizc vs. milling timc for TiNi miIlcd at 83K, 333K,

and 493K in Spcx shakcr mill(101).

(27)

a b

C d

Fig.1.16 Schcmatic rcprcscntation oL‘stagcs in mcchanical alloying proccss. , a low magniLïcation, lh; b high magnitïcation, lh; c low magniLïcation, 4h; d high magnilïcation, 4h;じlow magniLïcation, 20h;

r high magniLïcation, 20h( 105).

(28)

は光顕で区別できなくなるほど(0.1μm以下)微細に分散した状 態となる. 00 S合金 の実用材 としては, Tablel.2に示すようなものが ある. ここでは, Ni基合金中のγ' 相よりも熱力学的に安定なY203粒ー がおもに用いられてい る(106 ) これらの合金の中で , MA956や MA957 に代表されるOOSフェライ ト系ス テンレス鋼は, 烈膨張係数が小さ く,

また高温腐食やクリーフ。破断強度に優れるだけでなく, 耐照射特性も良 好であること から , 将来の大型高速増殖炉の燃料被辺管材料として開発 が進められている(107 ) 一例とし て, Fig.l.17は, OOS合製 造工 程を示す(10

6) . MM粉末はキャニングして加熱後3

熱間押出で成形さ れる

.

この加熱によって粉末内部には等軸の再結晶粒が形成される

.

こ れに続く熱間押出で は3 亜粒界を含み押出方向に少し伸長した 結晶粒か らなるバルク材が得られる. さらに塑性加工が可能な合金は熱間圧延ま たは冷間圧延を施す. ここで合金内部に蓄えられたエネルギーは, その 後の 熱処理の際に再結晶の駆動力となり粗大でかつアスペクト比の大き な結晶粒の生成を促す. またタービン翼などの異方性材料には帯域焼鈍 を適し て 結晶粒のアス ペ クト比の増大をり, 長の高温強度 を増加させ て いる. このようなプロセスで作製したOOS超合金の高温強 度3 使用寿命3 および耐食性(水蒸気を含む高温酸化雰囲気中における 重量変化;繰り返し酸化性)を, それぞれ, 従来材との比較とし て

Fig.l.18,19ユ0に示す.

高温強度は, 従来の合金中の分散相よりも安定 な強化相で維持し て いるため, 高温になるほど顕著な効果が現れる(108).

従来材よりもODS超合金のクリープ曲線の傾きは緩やかであり, 適当な 設計応力を選べば3 部品の寿命を10倍以上に延長できる(108)

. 耐食性

についても

ODS趨合金

は, 従来材よりもはるかに優れている(106). ま

た , MM法で作製され

たオーステナイト系ステンレス鋼では, MMの効 果によるCr原子の高速拡散によって表層でのCr 203酸化膜の形成が容易 となるため, 従来材よりもはるかに優れた耐酸化特性が得られるこ とが

報告されている(109 )

MAプロセスを利用した分散強化型AI合金につい て は, 超微細な結日日 粒組織に起因した高速超塑性の発現も認められている(110)・(111). なかで も, 約0.5μmの結品粒径を有する分散強化型AI合金(IN9021)で は,

(29)

Afloy

Incoloy MA 956 4、

Incoloy MA 957 Inconel MA 754 Inconel MA 758 Inconel MA 6000

Tablじ.1.2 Commじrcial MA alloys(106).

Composition. wt・%

C Ct

20 14 0.05 20 0・05 30 0.05 15

一一一一一一一

Ni Fe Ti

74.4 0 5 84.5 1.0

792 0.5

69.2 0.5

69 2.5

AJ Mo W

<!.5 0.3 03 03

t. 5 2 4

MA afloys ate pl'Oduced solely within the Inco family 01 companles

Fig.1.17 Proccssing routc of MA alloys(106).

Ta zr 8 Y,O,

0.5 025 0.6 0.6

2 0・15 0.01 1.'

(30)

1000%に近い伸びが300s-1のひずみ速度で得られている(1 1 1 ) ____ MAR-M200+Hf一方Iムl従凶f�

Fig.1.18(!08).

s∞ 900 1000

rc)

1200

---­

�IMONIC ^LLOY 1S

10 1ω

クリープ磁眠時間 (houra)

mmm…山間一wmN仙却初日MS54

Fig.1.19 Crccp rupturc curvcs of MA754 at 1366K(108).

20

。‘'E

CJ) w O O Z 4: -1

0

工U

トー20

Z

2-30

3::

-40

In∞loyalloy MA956

、 \

×

、× 、、H陶…a

xヘ、 100

200 300 400

TIME.h 500

Inconel alloy 617

-50

Fig.1.20 Com parativc 1373K cyclic oxidation bchavior(106).

(31)

1.

5 本研究のf]的

イメ(iJf-究は3 粉ぶの}JII '-.熱処.f'Hと いう飢jiから3 メカニカルミリング ( MM)処.f'IIによ って 結/1川U予1μm以ドのメゾスコピック組織をイJする 欽鋼材料を作製する ための),4佐川究として3 欽の)JII r.似!化不動およびふIli JIll|机微系fll化の|似舛を lリjらかにしよう とするも のであ る. 本論文の村11 )成を 以ドにぷす.

れ2,下では, MM処.flnした欽粉(MM-Fc*う,} )について, MMおよび飢 Jlnにと もなう内r'm微例飢餓の会化をX線!日|折法, TEM飢祭3 および似皮 測定により訓併し, J也必)JII r_した欽の加r.似!イ七機村15を検討し た. そのれlj

*, 欽の加て似!化の機梢としては, 川'-.ヰミが低い領 域では転位強化がL 休であるのに刈し3 さら に変形が進んで大角粘wで区切られたナノ結!日 米立が形成されるよう な変形の後J ifJ段附ではあlli品料微制II化強化が主体にな ることを明らかにした.

�}

3市では3 、f;:上旬純作1μm以ドの/也微創11市I日111粒を有する バルク欽を f!j:るための

MM-Fc粉のfr1íl化成形プロセスを確立し3

得られたバルク欽の 組織と機械的性質』の関係を調査

・検討した. 1...,0.18μmの趨微細結品粒

領域において3 バルク欽の強度と仙川粒径の関係がホールペツチ則に従 うことをl切らかにした. また3 このよう な必微細粒欽ではα→γ逆変態

にともなって急激な粘成長が起こることも凡r'I\した.

第4Etでは, ODS介金の MMにイ、I�う阿変化物粒子の分散機構を解明す る こと を目的としョ αーγ本fL変態のないODSフェライト系ステンレス鋼に ついて, MMならびにその焼鈍にともなうY203の構造変化を調査 ・検言、J し, 1) MM処FHによる内部組織のナノ結hill化に作って熱力学的には極 めて交えËなはずのY203が欽rl'に分解 すること, 2)MM-Fc粉を�f-f ;[1もす ると1200K付近のrl"tJJI城でY20:1やYCr 0 :1 *\/�子が側めて微細にr1}析Ji lす ることをiりjらかにした. そして3 起強)JII [-.による鉄rlrの般化物粒子の分 解が),�地本11のナノ市lli hillイ七 にと もなう��変化物粒子のアモルファス化によっ て説明 できることをぶした.

第5章では3 酸化物粒子によって必微細粒欽の組織を制御するプ ロセ スを確立すること を円的として3 鉄rl'に分散させた酸化物について3

MMなら びにそのがはむにともなう構造会化を調査した のち3 基地相の粒

(32)

j成長不動を何変化物の構造変化およびα→γ逆変態と関述づけて,1Iitl1t .検 討し た

.

その結果3 ミリング処IrjIによる組強加工プロセスでは内変化 物純 子が分解し3 その後の熱処JfHによってl'

J.1Jr

r'I �するこ と3 とくにY203,

A1203, Ti02を添加した欽では3 α→γ逆変態が抑W'jされlμm以トの

微制11な組織がμ討1I1L 1.!JX;まで保持されることを新たによ� r'I'rした.

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