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架線系作業システムの過去・現在・未来

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Academic year: 2021

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(1)

次世代林業に向けた新たな架線集材その展望と課題

高知大学教育研究部自然科学系農学部門

後藤純一

(2)

講演の流れ

• 林業活動を取り巻く状況の変化

• 架線か車両か,地形的特徴からみた分類

• 架線集材技術の変遷

1. 第一次タワーヤーダ導入期の課題

2. 最近導入されているタワーヤーダはどこが違うのか

3. 最新の開発動向

• 将来の展望は?

(3)

林業活動の変遷

皆伐・拡大造林

搬出間伐

木材価格の低迷

主伐・更新の先送り

or

路網活用

伐出コスト削減

サプライチェーンの改革

増産要請

大径化

(4)

都道府県別傾斜分布-森林地帯-

傾斜区分

累 加 頻 度

(5)

地形指数にもとづく分類( 和歌山県の場合 )

県全域 傾斜分布図 地形指数:傾斜(%)に3/4の重みをおき,谷密度と起伏量を合成した指標に1/4の重みをおいた指数 集材作業方法の適否を判断するための指数で,広範囲な地形の分類に用いられる。 ( 国土地理院5万分の1地形図を用い,半径500mの円内を対象に地形特性を測定する。 ) 田辺市

(6)

地域別分類 地形指数

急峻地・本格架線 新宮市 北山村 日高川町 有田川町 急傾斜・路網架線の併用

(7)

地域別分類 斜面傾斜

急峻地・本格架線 日高川町 有田川町 急傾斜・路網架線の併用 北山村 新宮市

(8)

傾斜分布-都道府県を傾斜タイプで分類-

頻 度

(9)

傾斜タイプ別の主要な作業システム

頻 度 傾斜区分 40% 39% 8% 13% 26% 39% 11% 24% 16% 34% 13% 37% 架線系 車両・短スパン 架線併用 車両系

(10)

路網の発達と作業システム

谷筋・尾根筋林道 ー 架線による長距離集材

固定式主索を用いた架線集材

尾根筋・中腹林道 ー 100~500mの架線集材

機動性の高い架線集材

循環作業道

ー 100m未満の架線集材

主索を用いない簡易架線集材

高密路網

ー 車両系の短距離集材

ウインチとグラップルによる集材

スイングヤーダ タワーヤーダ 集材機集材 ウインチトラクタ

(11)

高密な路網が整備されている地域

(12)

地形が複雑でも頻繁に張り替えが効く

>>> スイングヤーダ+路網

(13)
(14)

作業システムと路網

(路網作業システム検討委員会報告書から引用)

(15)

架線系作業システムの変遷

大面積皆伐対応 固定式主索 多人数作業 小規模民有林対応 利用間伐の始まり 簡易索張り 少人数作業 高密路網の始まり 低コスト間伐対応 インターロック式 少人数作業 高性能林業機械導入 昭和30年代~63年 平成元年~12年 平成13年~X年 小面積皆伐・間伐 高機能型先進機械 単独連携作業 資源充実期大径化 X年~ エンドレスタイラー式 小型集材機高性能化 ジグザグ集材 自走式搬器 国産タワーヤーダ ラジコン導入 スイングヤーダ 全木集材 高機能タワーヤーダ 高速・高出力・完全自動化

(16)

架線系システム発展の歴史①

皆伐・拡大造林期

集材機の開発

 単胴、2胴、3胴、小型集材機の導入

エンドレス索の活用

 皆伐の採算性の確保・横取り対応

索張り方式の開発

 大面積から小面積,皆伐から間伐対応へ

係留搬器・ダブルエンドレス用搬器の開発

 作業索の省略,架設時間の短縮 67-80馬力用 3胴+1エンドレスドラム 20-25馬力用 2胴+1エンドレスドラム ダブルエンドレス用搬器 各種の係留搬器 上:丸研工業エンドレス式 左:四国索道工業 F-6型自動繋留搬器 ストッパを介して搬器を 主索に係留する

(17)

架線系システム発展の歴史②-1 利用間伐始動期

簡易索張りの開発

 頻繁な張り替え,架設撤去時間の短縮

ラジオコントロールの導入(自走式搬器)

小面積・少人数でも対応可能へ

国産小型タワーヤーダの開発

 林内造材・短材集材から間伐材全木集材

高密路網先行導入,ウインチ道端集材

小型運材車,2tトラックの活用 スイングヤーダの開発,先行導入へ徐々に移行

(18)

架線系システム発展の歴史②-2

利用間伐始動期

第一次タワーヤーダ導入期

 中欧のタワーヤーダの導入を機会に  国産化の試みが興る

ランニングスカイライン方式

 インターロック機構を内蔵  荷掛けフックの強制降下

主索を用いた方式

 エンドレス索と主索用クランプの組合せ搬器 中欧からの輸入機、国内メーカによる架装 国産開発機

(19)

架線系システム発展の歴史③

路網活用期

高性能林業機械の本格導入

短材から全木集材へ,プロセッサの導入

エンドレス索からインターロックへ

スイングヤーダの普及

列状間伐か,点状間伐(定性間伐)か?

生産性向上か,より架設時間の短縮か

路網を活用した低コスト作業システム

集材距離の短縮によるコスト削減

ランニングスカイライン式,スラックライン式,単線地引き 木材価格の低迷に対応した伐出コスト削減

(20)

架線系システム発展の歴史④ 高機能機械導入期

集材距離の克服

高速ウインチ,速度調整機能,自動走行

一荷あたりの材積の増加

高い直引力,高張力対応ワイヤーロープ

ラジオコントロール,制御機構の活用

荷掛け,荷外しの独立 安全性の向上

垂下量を抑え,地形変化への対応

中間支持金具の活用

資源の充実,単木材積の増加 オートチョーカーの導入 徹底したメーカーサポート

(21)

架線系システムの挑戦、その課題

定置式集材機による面集材(集材距離500m以上)

 大起伏量の地形が対象(H型架線,コレクター集材)  専用搬器の開発  ラジコンヘリコプターの活用  索の張替え時間の短縮  技能の習熟 H型架線(エンドレスタイラーダブル式:丸金式)索張り図 コレクター集材用搬器 (株)とされいほく資料から引用

(22)

主索の使い方による分類

架線集材システム 備 考 スカイラインシステム スタンディングスカイラインシステム スカイラインは、常時張ったまま、 両端を固定して集材する ライブスカイラインシステム スカイラインの緊張、弛緩により(集材サイクルの中で)搬器を 上下させる ランニングスカイラインシステム 走行するスカイライン上に、搬 器を走行させて集材する 非スカイラインシステム ハイリードシステム スカイラインも搬器も使わず、作業索の結合部にフックを取り 付けて集材する

(23)

横取り方式による分類

1:動力引き込み型

荷上げ索を緩めながらホールバックライ ンを集材機の動力により引込み荷掛け フックを架線から離れた伐倒木に導く方式。 (エンドレスタイラー式,フォーリングブロック式)

2:空フック歩行型

搬器から鉛直下に降下する荷上げ索の 先端(空フック)を人の手で伐倒木まで 持って歩く方式。 (ダブルエンドレス式:ホイスティングキャレジ式 自走式搬器) 林業機械化協会 「集材機索張り図集」から引用

(24)

索張り方式によるタワーヤーダの分類

1:主索固定型

2:ランニングスカイライン型

(25)

上荷・下荷の特徴

架設撤去の作業負担が少ない

上荷 > 下荷

索張りが単純

上荷 > 下荷

適用可能な現場

上荷 < 下荷

少ない動力で作業が可能

上荷 < 下荷

控索設置が容易

上荷 > 下荷

荷卸し地点の安全性

上荷 > 下荷

自走式搬器

林道整備

(26)

搬器に求められる機能

皆伐

大きい吊上げ能力

幅広い横取り機能

間伐(非皆伐)

残存木の損傷回避

列状 vs 魚骨状

主索なし 主索あり Norway Austria

フック降下

強制降下機能

吊上げ荷重

搬器の軽量化

動滑車

動力引き込み

フック降下

人力引き込み

少ない作業索>主索クランプ

係留・スラックプリング

or 荷上ドラム内蔵

単機能化

リフティングに特化

ランニングスカイライン方式 皆伐もしくは列状向き 林業機械化協会 「集材機索張り図集」から引用

(27)

なぜ、タワーヤーダは定着しなかったのか

高価な輸入機

 メンテナンス対応に日数を要し、機械の稼働率が低下

パワー不足の国産機

 搬器速度が遅く、直引力が弱く、生産性が向上しない

ランニングスカイライン方式

 専用搬器が揃わず、定性間伐時の搬器の制御が困難

主索を用いた方式

 高張力のワイヤーロープや中間支持金具の採用がない  地形に制約を受け、事業量の確保が困難 列状間伐への導入は、スイングヤーダがとって替わる 資源が未熟、小径木では高い生産性は望めない 資源の成熟に伴って、パワーアップが必須

タワーヤーダ導入を意識したトラック道が未整備

わずかな材のために 控索の設置に時間を 費やす 従来の主索固定式 に比べて非力で信頼 性が乏しい 機械の導入に留まり 道路整備やオペレータ 育成等トータルの理念 が伝えられなかった

(28)

第1次タワーヤーダ導入期と何が違うのか

高価な輸入機

 高機能機は制御機構を活かし、自動走行機能などを盛込み 少人数作業を実現している。 メールなどを活用し、瞬時のメンテナンス対応

国産機は開発されるのか

 搬器速度を早く、直引力を強く、高機能を盛り込めるか

ランニングスカイライン方式

 列状間伐やより架設時間を短縮した方式は既に定着

主索を用いた方式

 高張力のワイヤーロープや中間支持金具を活用  スイングヤーダと異なる線の張り方を意識  地形の制約を克服し、事業量を確保 スイングヤーダで対応可能 資源が成熟、単木材積が増え、高い生産性が望める 資源の成熟に伴って、パワーアップが必須 一線でより多くの材 を収穫し、主索導入 の方式に特化 スイングヤーダでの 集材作業に比べ 安定・安心感がある フォレスタ研修を通じた 道路整備やオペレータ 育成等トータルの理念を 踏まえた取組

(29)

オーストリアの地形と路網

○ 褶曲が少ない地形 ○ 帯状の伐区(伐採幅に基づいた伐採規制) ○ 氷河の移動によって作られた地形 ○ 石灰岩を母岩とする硬い地表と土質 ○ 山土場での原木取引 ○ 森林周辺の牧草地とトラクタ市場

(30)
(31)

タワーヤーダを構成する機械装置

いずれかを選択

(32)
(33)

作業システム

(34)

タワーヤーダ間伐搬出作業の標準的な生産性

生 産 性 (m3/PSH 15) Karl Stampfer 2004

(35)

トラック道から林地(面域)への対応

タワー 元柱 タワー 元柱 トラック道 トラック道 架設撤去 集材 合計 スパン長 横取り 160m以上

(36)
(37)

架線系先進林業機械の可能性

高機能タワーヤーダが求められる現場

 集材距離が160m以上  大きい直引力が必要な大径材  路網の整備が困難な林地

高機能タワーヤーダ導入に必要な条件

 車道幅員3.5m(全幅4.0m)以上の路網

高機能タワーヤーダ導入の可能性は

 トラック道の整備が進むか?  帯状皆伐更新,大径材生産志向が強まるか? 急峻な林地だけでなく、軟弱な林地も導入対象

(38)

架線系システムの到達点と課題

生産性向上は

1サイクルの生産量の増加 パワーアップ(高出力エンジン)

サイクルタイムの短縮 スピードアップ(高速走行)

人員の削減 (荷掛け手による遠隔操縦、自動走行)

採算性は

事業量の確保,高い稼働率

集材距離の短縮以外には?

 単木材積は大きく  高直引力,高速集材  トラブルロスの回避  架設・撤去時間の短縮  連携作業を回避し  待ち時間を圧縮

メーカとユーザが一体となった開発と作業研修>>>

 あらゆる地形で使えるか  誰でも操作できるか  路網は整備されているか

(39)

架線系システム開発のポイント

集材機あるいはタワーヤーダ本体の開発

 架設撤去時間の短縮

 インターロック機構

搬器の開発

 係留機能  エンジンを搭載し、荷上げ索を内蔵  荷上げ索内蔵+自走機能

 エンドレス索を使わないで 作業索の本数を少なく  安定した自動走行  より少なくするには  高出力、高速搬器  タワーヤーダ用係留搬器  動力付ドラム内蔵(リフトライナー)  自走式搬器(ウッドライナー) 連 動

(40)

主索 引寄索用クランプ 引寄索 主索用クランプ 強制降下索 引戻索 引寄索用クランプ 引寄索用クランプ 引寄索用クランプ 引寄索用クランプ 引寄索用クランプ 主索用クランプ 主索用クランプ 主索用クランプ 主索用クランプ 主索用クランプ 引寄索 引寄索 引寄索 引寄索 引寄索 主索 主索 主索 主索 主索 強制降下索 強制降下索 引戻索 Koller SKA-2.5 Koller SKA-1.5 Woodliner

(41)

タワーヤーダセットの標準的な諸元

装置 と型式 全セット 質量 24t トラック エンジン出力 243kW(330PS) ブーム V-Kran20.88 長さ 9m 最大モーメント 19.2t・m タワーヤーダ Wanderfalke 最大索張力 1.5t 最大索速度 6m/秒 タワー高さ 9m ドラム径 508mm 主索径 16mm 引寄索径 10mm 強制降下用索径 6mm プロセッサ Woody 50 ローテータを含む質量 750kg 最大鋸断径 55cm グラップル最大開口幅 95cm 送材速度 0-3m/秒 最大送り力 2.8t 搬器 Sherpa U-1.5t 設計荷重 1.5t 搬器質量 250kg 型式 荷重 主索径 搬器質量 集材方向 SHERPA (SBA?) 1.5t 14-20mm 190kg 自重 SHERPA-U1.5 1.5t 14-20mm 280kg 全地形対応 SHERPA-U3 3.0t 14-24mm 410kg 全地形対応 SHERPA-U4 4.0t 18-26mm 520kg 全地形対応 SHERPA-Mot II 4.0t 18-26mm 610kg 自重 Koller SKA-1.5 1.5t 12-22mm 150kg 自重 Koller SKA-2.5 2.5t 18-28mm 290kg 自重

(42)

荷の荷重変動が大きくなる状況

(43)

タワーヤーダ設置における課題

如何に地形に対応するか

中間支持

M型 中間支持金具 片吊型 ノルウェー集材作業マニュアルから引用

(44)

架線系システムの今後、その課題

短距離2胴スイングヤーダ(集材距離100m未満)

 大径材対応の大型化  ラジコン機能の強化、安全性向上

中・長距離高機能タワーヤーダ(集材距離200m以上)

 日本の道路事情に適合したコンビマシーンの導入  より長距離対応機の導入

高性能搬器の導入

 起伏が大きい地形での既存機械との組合せ  架設補助機器の開発とオペレータの育成  従来の架線技術の活用と継承

定置式集材機による面集材(集材距離500m以上)

 起伏が大きい地形が対象(H型架線,コレクター集材)  専用搬器の開発  集材機の製造を継続

(45)

新技術の動向と伐出機械への導入

• 画像認識技術

電子学会セミナ資料から(2015)

– デジタルカメラ、スマートフォン

技術:顔オートフォーカス、露光補正、カラーバランス

用途:表情の認識、年齢推定、眠気推定

– 車両

技術:ステレオカメラ

用途:物体認識、自律走行

• GPS

– 位置精度の向上、電波受信感度の向上

• 油圧機器用センサー

– エンジンのコンピュータ制御

• 伐出機械への応用

– 油圧式集材機

– 搬器の走行制御

– フォワーダの自動走行

コンピュータの処理速度の向上

センサーの小型化

(46)

次世代の集材機械の姿

• 材が見える人が運転する機械

– 荷掛け手と荷外し要員による連携・遠隔操縦

• 材を見ることなく運転する機械

– 荷掛け手と荷卸し地点を追尾しながら走行する搬器

• 林地情報を蓄積しながら作業する機械

– 施業履歴の蓄積、単木管理、精密林業へ

土場作業の改善 ― 線下作業を排除 ― 労働災害の大幅減少

伊藤崇之 「自走式搬器の自動化に関する研究」

参照

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