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先端研究拠点事業(拠点形成促進型)の事後評価実施について

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Academic year: 2021

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日本学術振興会研究拠点形成事業(A.先端拠点形成型)

中間評価(27年度採用課題)書面評価結果

領域・分科(細目) 社会科学・経済学(金融・ファイナンス) 研究交流課題名 多元化する企業統治の国際研究拠点形成:経済・法・政治学から の学際的アプローチ 日本側拠点機関名 早稲田大学 コーディネーター (所属部局・職名・氏名) 高等研究所・教授/所長・宮島 英昭 相手国側 国名 拠点機関名 コーディネーター (所属部局・職名・氏名) 英国 オックスフォード 大学サイード・ビ ジネス・スクール

Said Business School・ Professor・SAKO Mari フランス 社会科学高等研究 院 (EHESS) EHESS・Associate Professor・ LECHEVALIER Sebastien カナダ ブリティッシュ・ コロンビア大学 アジア研究所

Institute of Asian Research・ Associate Professor/Director・ TIBERGHIEN Yves

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総合的評価(書面評価) 評 価 A 想定以上の成果をあげつつあり、当初の目標の達成が大いに期待できる。 B 想定どおりの成果をあげつつあり、現行の努力を継続することによって目標の達成が概 ね期待できる。 C ある程度の成果をあげつつあるが、目標達成のためには一層の努力が必要である。 D 成果が十分にあるとは言えず、目標の達成が期待できないため、経費の減額または中 止が適当であると判断される。 コメント 本課題は、日本側拠点機関である早稲田大学が中心となって企業統治に関する国際研究交 流拠点を設立する興味深いプロジェクトである。 国際研究交流拠点の構築については、事業開始前から日本側コーディネーターが持つ海外 研究者とのネットワークを十分に活用し、高く評価できる成果をあげている。また、相手国 側研究機関の水準が高く、研究交流を通じて国際共同研究チームが複数生まれている点も優 れている。 学術的側面では、大規模な研究交流事業であるため学術的な核を見出すのは困難である が、そのなかでも企業統治の国際比較という適切な水準にテーマを絞り、しかも広がりも残 している点は評価したい。しかしながら、研究成果については国際学術雑誌での査読付き論 文数が少数に留まっており、今後の着実な刊行の実現が、残りの計画期間中の大きな課題で ある。さらに、現状では相手国側参加研究者との国際共著論文がまだない段階であり、これ についても今後の進展に期待したい。 若手研究者育成については、若手研究者を国際学会に派遣するだけでなく、国際共同研究 に参加させるなど、より踏み込んだ若手研究者育成に取り組んでいる。ただし、博士課程学 生の派遣は、短期のセミナーがほとんどであり、比較的長い期間の海外派遣は少なくなって おり、シニアの研究者と比較して、博士課程学生の海外派遣が相対的に少なくなっている点 が惜しまれる。

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3 1.これまでの交流を通じて得られた成果 観 点 ・研究交流活動を通じて「学術的側面」「若手研究者の育成」「国際研究交流 拠点の構築」の観点から成果があがっているか。 ・研究交流活動の成果として優れた研究業績が発表されているか。 ・研究交流活動の成果から発生した波及効果はあるか。 評 価 □ 想定以上の成果があがっている。 ■ 概ね成果があがっている。 □ ある程度成果があがっている。 □ 成果があがっているとは言えない。 コメント ・研究交流活動を通じて「学術的側面」「若手研究者の育成」「国際研究交流拠点の構 築」の観点から成果があがっているか。 学術的側面については、多様な国際共同研究プロジェクトに基づいて、数多くの学会 報告が行われており、相手国側研究者との共同研究が実際に共著論文として結実しつつ ある点を高く評価したいが、現時点では、それらの共同研究が共著論文として完成した ものがないので、残りの研究期間に期待したい。 若手研究者の育成については、若手研究者を国際舞台に送り込み、国際共同研究チー ムの一員に育てた実績は高く評価できる。ただ、海外派遣に占めるシニア研究者の割合 が高く、若手とくに博士課程学生の派遣は短期のセミナーがほとんどであり、若手研究 者育成という面が相対的には手薄になっているように思われる。 国際研究交流拠点の構築については、長期的な視野が必要なので判断が難しいが、も ともと日本側コーディネーターは広範な海外研究者のネットワークを持っていることも あり、拠点形成に向けて着実に進んでいると評価できる。 ・研究交流活動の成果として優れた研究業績が発表されているか。 国際学会での発表の件数が多い点、独自のワーキングペーパーシリーズを立ち上げて 成果を発表し続けている点は評価できる。一方で、中間評価資料が学術的に踏み込んだ 書き方になっていないこともあり、企業統治研究にどのような新しい分析の軸を提示し ているのかが不明瞭である。また、現状の英語の査読付き論文・書籍の出版数は少ない と言わざるを得ない。社会科学系の研究における査読から論文刊行までのプロセスの長 さという事情もあるが、とくに経済学関連分野では国際学術雑誌への論文刊行が重要で あるため、今後の国際学術雑誌への論文刊行の着実な実現を期待したい。 ・研究交流活動の成果から発生した波及効果はあるか。 国際研究交流の枠組みが拡大し、スタンフォード大学(米国)および韓国のトップレ

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ベルの大学数校にも広がったことは高く評価される。また、研究交流を通じて蓄積され た貴重なデータがデーターベースとして公開されれば、大きな波及効果が期待できる。

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5 2.事業の実施状況 観点 ・研究交流目標達成に向けて、「共同研究」「セミナー」「研究者交流」を適切に 計画し、実施しているか。 ・国内外の拠点機関及び協力機関間の実施体制・協力体制等は適切であるか。 ・研究交流活動の実施にあたり、適切に経費が執行されているか。 ・相手国において交流を行うに十分なマッチングファンドが確保されているか。 評 価 □ 想定以上に効果的に実施されている。 ■ 概ね効果的に実施されている。 □ ある程度効果的に実施されている。 □ 効果的に実施されているとは言えない。 コメント ・研究交流目標達成に向けて、「共同研究」「セミナー」「研究者交流」を適切に計画し、 実施しているか。 共同研究については、相手国側研究者との国際共同研究が複数進行中であり、セミナ ーについても、国内外で定期的に開催されている。また、若手研究者を含む多くの研究 者を海外に派遣し、相手国拠点機関から研究者を招聘して連続講義を行うなど、双方向 の交流を実現している。ただ、シニアの研究者と比較すると、博士課程学生の海外派遣 がやや手薄であるように思われる。 ・国内外の拠点機関及び協力機関間の実施体制・協力体制等は適切であるか。 各国研究拠点が持ち回りで国際セミナーを開催するなど、拠点機関が実質的に機能し ていると認められる。 ・研究交流活動の実施にあたり、適切に経費が執行されているか。 経費に占める外国旅費の比率が高く、適切であると認められる。 ・相手国において交流を行うに十分なマッチングファンドが確保されているか。 カナダ側拠点機関であるブリティッシュ・コロンビア大学の予算額が、他より少ない ことは気になるが、全体としては十分に確保されていると考える。

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3.今後の研究交流活動計画 観 点 ・目標達成に向けた計画が具体的であり、かつ実現性の高い内容となってい るか。 ・今後の課題がある場合には、それを検討し、適切に対応しているか。 ・経費支給期間終了後も、当該分野における国際研究交流拠点として継続 的な活動を行うネットワーク構築が期待できるか。 評 価 □ 想定以上の成果が期待できる。 ■ 概ね成果が期待できる。 □ ある程度成果が期待できる。 □ 成果が期待できない。 コメント ・目標達成に向けた計画が具体的であり、かつ実現性の高い内容となっているか。 既に実績がある交流をさらに拡張する形の具体的な計画となっており、実現性も高いと 判断される。 ・今後の課題がある場合には、それを検討し、適切に対応しているか。 アジアの研究機関との研究交流の充実を課題にあげているが、これが企業統治というテ ーマにとってどのような学術的意義を持つのかが不明瞭である。また、本拠点がデータベ ースを構築することに力を注ぐ以上、データベース構築に関わる課題が発生するはずだ が、中間評価資料においてそのような側面の記述がないのが残念である。 ・経費支給期間終了後も、当該分野における国際研究交流拠点として継続的な活動を行う ネットワーク構築が期待できるか。 北米、欧州については、継続的な研究活動を可能とするネットワークが構築されつつあ り、相手国側からシニアと若手の研究者を受け入れるなど、長期的かつ継続的な活動を行 うための「種まき」を十分に行う計画になっている。一方で、研究課題である「企業統治」 をより狭く厳密に捉えた場合、日本側参加者には企業金融や労使関係論の専門家が多く、 コーディネーターの宮島教授以外で、この分野を専門としている研究者があまり見当たら ない。また、課題名として「経済・法・政治学からの学際的アプローチ」と銘打ち、日本 側にもその分野の研究者を少なからず含んでいるにもかかわらず、法学・政治学分野から の目立った貢献がほとんどないように思われる。今後の取り組みに期待したい。

参照

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