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4.1. 国内一般法人
法人が受取る利子に対しては、非課税法人が実際に保有していた期間に対応するもの及 び政令で定める金融機関の登録債に関わるものなど、一部を除いて所得税の源泉徴収及 び道府県民税利子割の特別徴収が行われる。これは主として徴税技術上の問題から課税 するものである。すなわち、利子を支払う段階で個人と法人とに区別して源泉徴収税額 (地方税は道府県民税利子割の特別徴収額)は法人の納付する法人税額(地方税は道府 県民税法人割額)から控除して清算できることになっている。4.2. 国内非課税法人
所得税法上の非課税法人が昭和 63 年 4 月 1 日以降に支払いを受けるべき公社債が実際 に所有していた期間に対応する部分の利子のみを非課税とすることになった。 割引債の償還差益に対する所得税は発行時に課税されており、税相当分を上乗せした価 格で購入する。これは購入時非課税措置をとるのが課税技術上困難であるためである。 これを救済するために償還時に所得税相当分の還付請求制度が設けられている。 所得税法上の非課税法人 * 都道府県、市町村、特別区、地方公共団体の組合、財産区及び港湾法の規定による 公務局 * 公団(日本道路公団、住宅・都市整備公団、石油公団等) * 公庫(住宅金融公庫、公営企業金融公庫、中小企業金融公庫等) * 社団法人、財団法人、商工会議所、社会福祉法人、学校法人、宗教法人 * 弁護士会、日本税理士連合会、日本育英会、日本貿易振興会、日本放送協会 * 健康保険組合、漁船保険組合、農業共済組合及び同連合会、国家公務員共済組合、 私立学校教職員共済組合、中小企業退職金共済事業団、信用保証協会等 なお、金融自由化対策資金の運用による利子等については、国が行うものであるため、 所得税は課せられない。また、有価証券取引税についても「国及び地方公共団体には課 さない」とされており、非課税である。4.3. 国外法人
4.3.1. 非居住者又は外国法人に対する課税制度の概要
(1) 我が国の課税体系と国際的二重課税の排除措置 各国の租税制度はその国の歴史的、政治的、経済的な諸要因等を背景に独自に発達して きたものであり、各国がそれぞれ固有の課税権を排他的又は普遍的に行使しようとすれ ば、必然的に国際的な二重課税の問題が生じることとなるが、この二重課税の問題は、 課税の原則からすれば、一般的には回避しなければならない事柄であると理解されてい る。 この様な考えから自国の居住者又は、内国法人に対して課税する場合とそれ以外のもの に課税する場合とを区分して課税権を行使するとともに二重課税が発生した場合には、 これを排除する別段の規定を設けていることが一般的である。 我が国の所得税法及び法人税法では、居住者及び内国法人以外の者、すなわち、非居住 者及び外国法人に対する課税については、その課税の範囲を居住者及び内国法人に比し て狭く規定し、課税対象とする所得をその所得の発生源泉地が国内にあるもの、いわゆ る国内源泉所得に限ることとしている。 このように、課税対象を国内源泉所得に限定したとしても、国際間における二重課 税を完全に排除することはできないため、二重課税を排除するためには外国税額控 除の規定や国外の所得を非課税とするなどの規定を設けてその調整を図らなければ ならないこととなる。 なお、我が国の二重課税の排除措置としては、外国税額控除方式が採用されている。 (2) 納税義務者の区分と所得税の課税所得の範囲・課税方式 ① 納税義務者の区分と課税所得の範囲・課税方法 所得税法上の我が国の納税義務者の区分とその課税所得の範囲及び課税方法の概要 は次の表の通り。 ② 納税義務者の区分 所得税法上、納税義務者については居住者、非居住者、内国法人及び外国法人の 4 つに区分されている。この場合、人格のない社団等は法人とみなされることとされ ている。また、それぞれの納税義務者の定義については次のように定められている。 a)「居住者」 国内(所得税法の施行地)に住所を有し、または現在まで引き続いて国内に 1 年 以上居所を有する人。なお、居住者のうち「国内に永住の意志がなく、かつ現在ま で引き続いて 5 年以下の期間国内に住所又は居所を有する人。」は非永住者として 一般の居住者とは区分して課税所得の範囲が定められている。 b)「非居住者」 国内に住所も 1 年以上の居所もない人 c)「内国法人」 国内に本店又は主たる事務所を有する法人 d)「外国法人」 国内に本店も主たる事務所もない法人 課税所得の範囲 課税方法 法人 内国法人 国内において支払われる利子等、配 当等、定期積金の給付補填金等、匿 名組合契約等に基づく利益の分配、 報酬及び料金並びに賞金 源泉徴収 外国法人 国内源泉所得のうち特定のもの 源泉徴収 人格のない社団等 内国法人又は外国法人に同じ 源泉徴収ぞーさんのパオパオ NonJGB 講座 ③ 課税方式 所得税法においては、その納付すべき税額の課税方式として、申告納税方式と源泉 徴収方式との両者が採用されており、非居住者についてはその人が国内に恒久的施 設を有する場合には、居住者と同様に(一定の所得は源泉徴収の上)申告納税方式 を原則としているが、その他の場合には、原則として源泉徴収のみで課税関係が完 結する源泉分離課税方式が基本となっている。 また、外国法人についても、所得税法及び法人税法において同様の取扱が定められ ている。 (3) 非居住者又は外国法人に支払う所得の源泉徴収と申告納税の概要 非居住者又は外国法人が、国内の源泉から生ずる所得、すなわち国内源泉所得を有する 場合には、その国内源泉所得について納税の義務を負い、国内に支店等の事業上の拠点 (恒久的施設)を有するか否かによって課税方式が異なっているが、その事業上の拠点 が、(イ)支店・工場である場合、(ロ)1 年を超えて建設作業等を行う場合、(ハ)自 己のために契約を締結する代理人を置いている場合、(ニ)上記3つ以外の場合、の4 つの区分により、その課税方式及び課税対象となる所得が更に次の表のように異なって いる。なお、この表は課税関係の概要を示すものであるから、租税条約にはこれと異な る定めのものがあることに注意する必要がある。 外国法人に対する課税関係の概要 支店その他事業を行う 一定の場所を有する法 人 一年を超える建設作業を 行い又は一定の用件を備 える代理人等を有する法 人 利子等 課税 課税 / 源泉分離課税 源泉分離課税 15% 国内に恒久的施設 を有しない法人 源泉 徴収 国内に恒久的施設を有する法人
4.3.2. 源泉徴収の対象となる国内源泉所得と源泉徴収税額
(1) 所得税法に基づく源泉徴収 ① 源泉徴収の対象となる国内源泉所得の概要 非居住者又は外国法人(以下「非居住者等」という。)が我が国において、その所 得について所得税又は法人税の課税を受ける場合、その課税所得の範囲については 事業所等の拠点(恒久的施設)を有するかいなかによって差異がある。しかし、そ の事業所等の拠点の有無にかかわらず、次表の所得についてはその支払の段階で一 律に所得税の源泉徴収を受けることになっている。 源泉徴収の対象となる国内源泉所得の概要 利子所得のうち次にあげるもの a) 公社債のうち日本国の国債、地方債又は内国法人の発行する債券の利子 b) 国内にある営業所等に預けられた預貯金の利子 c) 国内にある営業所等に信託された合同運用信託又は公社債投資信託の 収益の分配 ② 源泉徴収義務者 非居住者等に対して国内において源泉徴収の対象となる国内源泉所得の支払をする ものは、その支払の際、所得税を源泉徴収し、納付する義務がある。なお、国内源 泉所得の支払が国外において行われる場合であっても、その支払者が国内に住所も しくは居所を有し、または国内に事務所、事務所その他これらに準ずるものを有す るときは、国内において支払われたものとみなして源泉徴収をする必要がある。 (2) 租税特別措置法に基づく源泉徴収 ① 償還差益に対する源泉徴収 a) 源泉徴収の概要 割引債を発行する者は、その割引債の発行の際にその割引債を取得する個人又は法 人から次により計算した額の所得税を源泉徴収し「償還差益の所得税徴収高計算書 (納付書)」を添えて、その発行した月の翌月 10 日までに納付しなければならない。 『(券面金額 − 発行金額)* 18%』 この規定により徴収して納付すべき所得税は、その割引債の取得者(取得者と償還 を受けるものとが異なる場合には、償還を受ける者)の償還差益に対する所得税と してその償還を受けるときに徴収された所得税とみなされる。なお、非居住者(個 人)が償還を受ける場合の償還差益については、恒久的施設の有無に関わらず源泉 分離課税とされ、源泉徴収だけで納税が完結することになっている。 b) 源泉徴収の対象とされる割引債の範囲 割引の方法による公共債で、発行時に源泉徴収の対象とされるものとしては次に揚 げるものがある。 * 外貨債以外の国債 * 特別の方法による公社債で発行時に源泉徴収の対象とされるものとしては、次に 揚げるものがある。 * 長期信用銀行法第 2 条に規定する長期信用銀行が同法の規定により発行する債 券・・・・興業債券、日本信用債券、長期信用債券 * 金融機関の合併及び転換に関する法律第 17 条の 2 第 1 項に規定する債券・・・・東京 三菱銀行債券ぞーさんのパオパオ NonJGB 講座 * 信用金庫法第 54 条の 2 第 1 項に規定する全国を地区とする信用金庫連合会が同法 の規定により発行する社債・・・・全信連債券 * 東京湾横断道路株式会社が東京湾横断道路の建設に関する特別措置法の規定によ る認可を受けて発行する社債 * 民間都市開発推進機構が民間都市開発の推進に関する特別措置法の規定による認 可を受けて発行する債券 c) 特定短期国債の償還差益の源泉徴収免除の特例 平成 11 年 4 月 1 日以降に発行され、その発行の日から償還期限までの期間が 1 年以 下である短期国債(TB)又は政府短期証券(FB)で、その発行の際にその銘柄に同一であ るほかの TB、FB のすべてとともに一括登録されるものについては、その発行時の 償還差益の源泉徴収が免除される。
4.3.3. 租税条約による課税の特例
非居住者等の本国と我が国との間で租税条約が締結されている場合には、その租税条約 の定めるところにより、その非居住者等が支払を受ける国内源泉所得に対する源泉所得 税が軽減又は免除される場合がある。この源泉所得税の免除又は軽減を受けようとする ときは、所定の届出書や申請書をその国内源泉所得の支払者を経由して税務署に提出す る必要がある。現在、租税条約に定める特例のうち、源泉徴収に関するものの概要は次 の通りである。 (1) 源泉徴収税率を軽減する特例 利子、配当、工業所有権等の使用料については、租税条約により源泉所得税の徴収税率 が軽減されることがある。 (2) 所得源泉地についての特例 租税条約において、所得源泉地に関する定めをしている場合には、その租税条約の定め るところにしたがって、国内源泉所得の範囲が定められ、その定められたところに従っ て源泉徴収をすることになる。4.3.4. 租税条約に基づく軽減又は免除を受けるための手続き
(1) 租税条約に関する届出書 租税条約に基づく所得税の軽減又は免除を受けるためには、源泉徴収の対象となる国内 源泉所得の支払を受ける者が、「租税条約に関する届出書」を支払の日までにその支払 者を経由して支払者の納税地の所轄税務署長に提出する必要がある。この届出書の提出 がない場合には、国内法の規定による税率で源泉徴収を行うことになる。 (2) 源泉徴収税額の還付請求 ① 租税条約に関する源泉徴収税額の還付請求書 上記 1 の「届出書」の提出という手続きは、租税条約に基づく軽減又は免除を受け るためのものであるが、次の場合には、「届出書」とともに「租税条約に関する源 泉徴収税額の還付請求書」を提出することにより、軽減又は免除の適用を受けた場 合の源泉徴収税額と国内法の規定による税率により源泉徴収された税額との差額に ついて還付を受けることができ、最終的に租税条約の適用を受けることとなる。 租税条約の規定が遡及して適用される場合で、その規定の適用を受ける者が、 租税条約の適用開始日以後その効力発生の日までの間に支払を受けた国内源泉所 得につき源泉徴収をされた所得税額のうち、その租税条約の規定に基づき軽減又 は免除を受けるべき金額について還付請求をするとき。 ② 割引債の償還差益にかかる源泉徴収税額の還付請求書 割引債の償還差益については、国内法では原則として割引債の発行時に 18%(特定 の者は 16%)の税率で源泉徴収が必要とされているが、租税条約上の軽減又は免税 の適用を受けた場合との差額を還付することとしている。この場合の調整は「租税 条約に関する割引債の償還差益にかかる源泉徴収税額の還付請求書」を提出するこ とにより、租税条約上の軽減又は免税の適用を受けた場合との差額を還付すること としている。ぞーさんのパオパオ NonJGB 講座
4.3.5. 源泉徴収の対象となる国内源泉所得の範囲
(1) 利子等 非居住者等が収受する公社債や預貯金などの利子等(国内源泉所得)については、その 支払を受ける者が国内に恒久的施設を有しているかどうか、また、その利子等が受領者 の国内事業にきせられるものであるかどうかに関わらず、利子等の支払者は原則として、 その支払の際に所得税の源泉徴収を行う必要がある。 ① 国内法による取扱い a) 利子等の範囲 源泉徴収の対象となる利子等とは、公社債のうち、日本国の国債もしくは地方債又 は内国法人の発行する債券の利子を言う。 この場合、「内国法人の発行する債券」には、登録したため現に債券の存在しない 社債券等も含まれる。 b) 割引債の償還差益の取扱い 割引債の償還差益は、「国内にある資産の運用又は保有による所得」とされている ので、ここで言う利子等には該当しない。 但し、この償還差益については、別途租税特別措置法の規定に基づき 18%の税率 (特定のものは 16%)により源泉徴収を要することとされているものがある。 ② 租税条約による取扱い a) 所得源泉地 我が国の締結した租税条約の多くは、源泉地国と居住地国との双方が課税権を有す る方式を採用している。 b) 利子等の範囲 所得税法上は、公社債の利子、預貯金の利子及び合同運用信託・公社債投資信託の 収益の分配については、同じ利子所得である「貸付金の利子」とは区別しているが、 租税条約上はこれらの利子等を同一のカテゴリーに属するものとして包括的に規定 している例が多くなっている。 c) 割引債の償還差益の取扱い 割引債の償還差益については、利子等として取扱っている国とそうでない国が あるが、それらを区分すると次の図のようになる。 利子等として取扱っている国 アイルランド、イギリス、イスラエル、イタリア、イ ンド、インドネシア、カナダ、シンガポール、ス ウェーデン、タイ、中国、デンマーク、、トルコ、ノ ルウェー、ハンガリー、バングラディッシュ、フィリ ピン、フランス、ブルガリア、ベトナム、ポーラン ド、南ア、メキシコ、ルクセンブルグ、ルーマニア、 ロシア 明示なき所得に該当し、我が 国の国内法を適用 アメリカ、エジプト、オーストラリア、オーストリ ア、スリランカ、大韓民国、ニュージーランド、パキ スタン、ブラジル、マレーシア 明示なき所得に該当し、居住 地国課税(日本で免税) オランダ、スイス、スペイン、ドイツ、フィンラン ド、ベルギーなお、国内法に基づき源泉徴収が行われる割引債のこれらの区分の課税関係は、次のよ うになる。 *1 利子等として取扱っている国 割引債の発行時に 18%(特定のものは 16%)の税率で源泉徴収し、償還時に所定 の手続きを経た後、租税条約上の限度税率との差額について還付することになる。 *2 我が国の国内法を適用 資産の運用又は保有による所得(1 号所得)として割引債の発行時に 18%(特定の ものは 16%)の税率で源泉徴収をする必要がある。 *3 明示なき所得に該当し、居住地国課税(日本で課税) 割引債の発行時に 18%(特定のものは 16%)の税率でいったん源泉徴収し、償還 時に上記*1 と同様の還付手続きにより、源泉徴収した所得税の全額を還付すること により、最終的に免税となる。
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