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資料1
人口減少・高齢社会における府と市町村のあり方研究会
(中間的な整理・案)
※ 1~3 については、項目を追加、検討し、ブラッシュアップすることを想定。 ※ 4 については、論点として検討し、研究会としての具体的な提言につなげて いくことを想定。 1. 統計からみる京都府の状況 生産年齢人口が減尐し、老年人口が維持されることから、人口が減尐し、 高齢化率が上昇。一方で、世帯数が急増(国勢調査)。 京都府域は、地域ごとに人口減尐・高齢化の進展状況が異なる。丹後地 域や相楽東部では、人口減尐割合が40%を超過。 社会保障関係経費はマクロで毎年 7,000 億円増加し、京都府内市町村で も10 年前に比して 83%の増加。 経常収支比率に占める高齢化の寄与も増加。 北部では大学や雇用の場が尐なく、若年層の地域外流出が顕著。 いわゆる「限界集落」が北部を中心に増加傾向。一方で、大規模団地を 抱える京都市周辺部では、都市の高齢化が進展。 マクロの経済成長は鈍化。京都府域における地域間格差は拡大(丹後地 域の所得は平均に比して△35%程度)。 所得の低い地域は、公的サービスの地域 GDP に占める割合が高く、厳 しい財政状況による公共投資の減が経済に直接影響。 人口減尐・高齢化傾向の強い地域の経済成長可能性は、限定的にならざ るを得ない。2 | 2. 地域の経済力等 1) 地域の雇用吸収力 若年層を引き留めるための雇用を地域が生み出すことができるかが 大きな課題。 北部地域においては、市町村合併や行財政改革に伴い、役場が縮小し たことによって、雇用の場が減尐。公的セクターの縮小にともない、 民間セクターも縮小する悪循環となっている。 民間資本による雇用が見込めない地域においては行政主導による雇 用の創出もあり得るが、どこまでが行政の役割であるかは議論の余地。 地域産業の創出には、事業と地域の関連性を意識することが肝要。 地域産業をサステナブルなものとするための、民間、行政、その他の 主体の関わり方が大きなポイントであり、さらなる検討が必要。 地域産業に期待するレベル(生きがいか、地域経済の下支えか)に応 じた取り組み方についても、考慮するべきポイント。 2) 農林業の可能性 農林業の衰退が、人口減尐・高齢化の著しい地域の力を削いでいる大 きな要因。 農林業は、特に行政主導、補助金による誘導が行われてきた分野であ り、農業者の創意工夫と発展を阻んできたといえる。地方分権や規制 緩和の観点から、農林業の可能性を発揮する方策が見出せる。 農林業による雇用の確保や地域を担う人材の育成・誘致のあり方、ビ ジネスモデルの確立方法について、検討する必要。 地域の取り組みがサステナブルなものとなるための、事業者と行政の 関わり方が大きなポイント。
3 | 3. 地域の生活基盤 1) 地域交通等、基本的なインフラ 地域の経済力が衰え、基本的な地域の暮らしや生業が成り立たなくな っていることの具体的な表れが買い物難民である。 雇用と移動の確保が地域を維持するための最大のポイントである。ア クセスの手段が限定されることが、買い物難民や地域医療の問題につ ながっているといえる。 高齢化が進む地域では、配送サービスのニーズも高い。買い物難民対 策は、同時に高齢者福祉対策などとあわせた複合的なものとしていく べき。 ボランティアとしての事業はサステナブルではない。やはり地域にお いて「仕事」として認識され、継続する必要。 行政との距離感も重要。補助金に頼らない行政の支援のあり方はどの ようなものか、模索する必要。 過疎地有償運送には、制度的に使い勝手が悪い部分がある。人口減尐 地域の実情、ニーズに合った仕組みに制度改正していくべき。 2)地域コミュニティ 人口減尐・高齢化地域では、行政以外の主体がいままで行政が行って きた分野とオーバーラップする仕事を果たす必要性が高まっている。 そのような取り組みをサステナブルなものとしていくために、行政と 多様な主体がどのように関わるかがポイント。特に担い手となる人材 をどう確保していくか。 地域を良く知った行政職員の果たす役割は大きい。 市町村合併の影響をどう考えるか。 さまざまな団体がばらばらに活動するのではなく一元的なものとな る必要がある。その仕組み方がポイント。 機動的な対応可能性を考えて、法人格を持つ組織とするか、任意の組 織にするかを選択するべき。 地域住民の意見を反映させる仕組みづくり(プラットフォーム等によ る市町村施策への関与)が必要。 都市部における高齢化の進展は、過疎地域等に比べて極めて急激であ り、そもそも高齢化を見据えたライフスタイルになっていないことか ら、早急に対応方策を考える必要。
4 | 4. 京都府、市町村、地域住民等の関わり 1) 市町村合併等 ※ アンケート結果を分析 2) 地域と行政の連携のあり方 地域経済力が低下していることから、本来民間の役割を行政が一定 程度担う必要もある場合があるのではないか。 一方で、行政の機能縮小により、行政が担っていたサービスを地域 が主体的に行うべき場合もあるのではないか。 行政が地域に関わる期間や程度について、ケースごとに考える必要 があるのではないか。 押し付け型の補助金による地域への関わりは、見直しが求められる のではないか。 補助金が終了した段階で地域への関わりもなくなるのではなく、そ れ以降もフォローアップする仕組みづくりが必要ではないか。 住民が直接行政をチェックする仕組みづくりが必要ではないか。 地域が「参加する」のみならず、行政職員が直接地域に入り、府民 ニーズをくみ上げるシステム作りが必要ではないか。 行政は、地域の担い手の育成にどのような役割が果たせるか。 行政職員が地域の担い手の一員として地域を支えていくことが必 要ではないか。 京都府は住民との距離感がある。地域に出てコーディネート機能を 発揮する機会をもっと増やしていく必要があり、かつ、それを府の 施策に確実に反映させていくシステムづくりも必要ではないか。 行政は、すべての地域をあまねく支援するスタイルから、「やる気 のある」地域を積極的に支援し、他を引っ張るモデルを作っていく スタイルに転換していくべきではないか。 大学生などの若者が地域の一時的な担い手となる人材育成や流動 化を図る仕組みを形づくっていくことが必要ではないか。 地域社会における公共活動を行政だけではなく、住民組織、NPO、 事業団体、企業等の各セクターで広く担うための人材(地域公共人 材)を発掘・育成し、位置付けられないか。行政との対等な関係の もとに、地域公共人材の活動に対して持続的な資金措置を行うこと により、行政が直接執行するよりも、より効果的・効率的に所期の 公共目的を達成していけるようなしくみづくりを検討できないか。
5 | 3) 京都府と市町村の連携のあり方 府域の地理的多様性、人口減尐・高齢化の進展の差異などを考えれ ば、京都府は、個別の地域課題に対し、メリハリをつけて市町村を 支援していく必要があるのではないか。 枠組みありきの補助金行政から脱却する必要。財政支援を行う場合 も、(一括交付金など)地域の自主性を尊重した仕組みに変えてい く必要があるのではないか。 真に効果的な権限移譲等の制度見直しを進めていくために、どのよ うなシステム作りが考えられるか。 京都市との関係も含め、京都府と市町村との役割分担を全面的に見 直す必要があるのではないか。 府との連携や財政支援のみでは行政の責任が果たせない市町村が 出てくる可能性があるが、京都府が一定の行政事務を肩代わりする ような行政機能の再編をどう考えるか。 府は、市町村と地域の間を取り持つコーディネート機能を期待され ているのではないか。そのためにはどのような施策展開が必要か。 4) 市町村間の連携のあり方 市町村合併との関係をどう考えるか。市町村合併の代替として、広 域連携は充分に機能するのか。 広域的な連携になじむ行政とはどのようなものか。 市町村間での広域的な連携による行政サービスの提供と、京都府が 権限を肩代わりすることによる行政サービスの提供との選択はど のように考えるべきか。 5) 住民参加 実質的な住民参加を担保するためにはどのような方策が必要か。 世代間格差を避けるための現役世代の住民参加の確保方策をどの ように仕組めばよいか。 「地域で考える力」が失われているのではないか。「地域で考える 力」を取り戻すためにはどのような取り組みが必要か。 6) 人口減少が著しい地域 人口減尐が著しい地域における地域おこしの意義、タイムスパンを どのように考えるか。
6 | いわゆる「限界集落」のすべてを存続させるべくフォローしていく ことは現実的ではないのではないか。ある段階で、一定の選別を行 う必要が生まれるのではないか。 (これまでの開催経緯) 第1 回研究会(22/11/18) 第2 回研究会(23/ 1/19) 第1 回フィールドワーク(綾部市、南丹市)(23/ 1/21) 第2 回フィールドワーク(京丹後市、与謝野町)(23/ 2/ 9) 第3 回研究会(23/ 2/23) ※23/ 3/16 予定のフィールドワーク(京丹後市、舞鶴市)は延期 第3 回フィールドワーク(八幡市、和束町)(23/ 4/ 7) 第4 回研究会(23/4/22)